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社内文書のフォーマット|通知や依頼に使える基本の形

@SOHO編集部
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社内文書のフォーマット|通知や依頼に使える基本の形

この記事のポイント

  • ✓社内文書のフォーマットを
  • ✓文書番号・日付・宛名・発信者・件名・本文・記書き・以上という基本の形から整理します
  • ✓文化庁の公用文作成の考え方にある標題の付け方と結論から書く書き方

社内文書のフォーマットを決めようとすると、どこまで形式を守ればよいのか、社外文書とどこが違うのか、迷うことが多いものです。社内文書は、社外文書ほど丁寧なあいさつは要りませんが、誰が、誰に、何を、いつまでに伝えるのかが一目で分かる形にそろえておくと、読む人の負担が大きく減ります。

結論から書くと、社内文書のフォーマットの基本は、上から順に「文書番号と日付」「宛名」「発信者」「件名」「本文」「記書き」「以上」「担当者」を並べる形です。この記事では、この基本の形を項目ごとに説明したうえで、通知文、依頼文、報告書、議事録、回覧の文例、読み手に伝わる書き方、テンプレートの作り方と管理の仕方までを順に整理します。文書の確認や回覧の作業をチームで分担する場面では、担当と期限、進み具合をボードで共有できるプロジェクト管理ツールのPinatecaを組み合わせる方法にも触れます。

社内文書とは何か

社内文書とは、会社の中で情報を伝えたり、記録を残したりするために作る文書のことです。ビジネス文書の解説でも、次のように説明されています。

社内文書とは、社内での情報を共有することを目的として、社内向けに発信するビジネス文書のことを言います。 出典: business.ntt-east.co.jp

社内文書の主な種類

種類 目的 例
通知・案内 決まったことや予定を知らせる 休業日のお知らせ、健康診断の案内、制度の変更の通知
依頼 相手に何かをしてもらう 書類の提出の依頼、調査への協力の依頼
報告 起きたことや結果を伝える 業務報告書、出張報告書、事故報告書
提案・申請 判断を求める 企画書、稟議書、購入の申請書
記録 決まったことを残す 議事録、業務日報、引き継ぎ書

種類によって書く内容は違いますが、文書の頭の部分の形は、多くの文書で共通にできます。共通の形を決めておくと、書く人は迷わず、読む人はどこを見れば何が分かるかが分かります。

社外文書との違い

社外文書は、取引先やお客様に送る文書で、頭語と結語(拝啓と敬具など)や時候のあいさつ、相手の繁栄を喜ぶあいさつなどを入れるのが一般的です。社内文書では、こうした前置きのあいさつは省き、要件から書き始めるのが基本です。敬語は使いますが、過剰な敬語は読みにくくなるので、「です・ます」で丁寧に書けば十分です。

社外文書と並べた違い

項目 社内文書 社外文書
頭語と結語 省く 拝啓と敬具などを入れる
前置きのあいさつ 省く 時候のあいさつ、相手の繁栄を喜ぶあいさつなど
宛名 社員各位、部署名と役職など 会社名、部署名、役職、名前と「様」「御中」
発信者 部署と役職、名前 会社名、部署、役職、名前、会社の住所と連絡先
敬語の度合い 丁寧語が中心 尊敬語と謙譲語を使い分ける
結びの言葉 以上 敬具など頭語に合う結語と、以上

社外文書の書き方を社内にそのまま持ち込むと、前置きが長くなり、肝心の要件が埋もれます。逆に、社内文書の簡潔さのまま社外に出すと、失礼に受け取られることがあります。テンプレートを社内用と社外用で分けておくのが確実です。

社内文書の基本のフォーマット

社内文書の基本の形を、上から順に見ていきます。

位置 項目 書く内容
右上 文書番号 部署ごとの通し番号など(例:総発第15号)
右上 発信日 文書を出す日(例:2026年10月23日)
左上 宛名 受け取る人や部署(例:社員各位、営業部長 殿)
右 発信者 出す部署と役職、名前(例:総務部長 田中一郎)
中央 件名 文書の内容を一言で(例:年末年始の休業日について(通知))
本文 本文 要件と、必要な説明
本文の下 記書き 日時、場所、対象、提出物など、要点を箇条書きで
右下 以上 文書の終わりを示す
右下 担当者 問い合わせ先の名前と内線番号、メールアドレス

文書番号と発信日

文書番号は、あとから文書を探すときや、「総発第15号の件」と文書を特定して話すときに役立ちます。小さな会社では省略しても構いませんが、通知や規程の改定のように、後から参照されることの多い文書には付けておくと便利です。発信日は、和暦か西暦かを社内でそろえます。日付は、文書を作った日ではなく、配る日にします。

宛名

宛名は、誰に向けた文書かを示します。全員に向けた文書なら「社員各位」、特定の部署なら「営業部 各位」、特定の人なら「営業部長 山本次郎 殿」のように書きます。「各位」はそれだけで敬意を含む言葉なので、「各位様」とはしません。社内では「様」と「殿」のどちらを使うかを決めておき、そろえます。

発信者

発信者は、文書を出す部署と責任者を書きます。誰の名前で出すかは、文書の内容と重さで決めます。会社全体の決定を伝える文書なら社長や役員、部署の手続きの案内なら部長や課長、というように、社内で基準を決めておくと迷いません。

件名

件名は、文書の内容が一目で分かるように付けます。件名の付け方は、次の節でくわしく説明します。

本文と記書き

本文は、要件を最初に書き、続けて理由や詳しい説明を書きます。日時、場所、対象、提出物、期限などの要点は、本文の中に書き込むのではなく、本文の下に「記」と書いて、その下に箇条書きでまとめます。これを記書き(きがき)と呼びます。記書きにすると、読む人は必要な情報だけを拾い読みできます。

以上と担当者

文書の最後には「以上」と書き、文書がそこで終わることを示します。その下に、問い合わせの担当者の名前と連絡先を書きます。発信者が部長でも、実際の問い合わせは担当者が受けることが多いので、担当者を別に書いておくと、読む人が誰に聞けばよいか迷いません。

件名の付け方

件名は、社内文書で最も大切な部分の1つです。件名を見ただけで、何についての、どんな性格の文書かが分かるように付けます。文化庁の公用文作成の考え方は、国の役所の文書の書き方についての建議ですが、社内文書にもそのまま使える考え方がまとめられています。標題の付け方について、次のように書かれています。

標題(タイトル)では、主題と文書の性格を示す。また、報告、提案、回答、確認、開催、許可などの言葉を使って文書の性格を示す。 出典: 文化庁「公用文作成の考え方(建議)」

同じ資料では、「予算の執行について」という標題を「令和2年度文化庁予算の執行状況(報告)」とする例が示されています。社内文書に置き換えると、次のようになります。

分かりにくい件名 分かりやすい件名
健康診断について 2026年度 定期健康診断の日程と申し込み方法(案内)
経費精算について 経費精算の締め日の変更(通知)
研修について 新任管理職研修の受講者の推薦(依頼)
先日の件 10月20日の顧客先での機器の故障(報告)

件名の最後に、かっこで(通知)(案内)(依頼)(報告)などの文書の性格を添えると、読む人は件名だけで、読んだあとに何をすればよいかの見当がつきます。

読み手に伝わる本文の書き方

結論から書く

社内文書の本文は、結論から書きます。公用文作成の考え方でも、結論は早めに示し、続けて理由や詳細を説明すること、伝えることを絞ること、遠回しな書き方を避けて主旨を明確に示すことが挙げられています。たとえば「〜のため、〜となり、〜ですので、提出をお願いします」と理由から長く書くより、「〜の提出をお願いします。理由は〜です」と、してほしいことを先に書くほうが伝わります。

1つの文を短くする

1つの文に多くのことを詰め込むと、読む人は何が大切かを見失います。同じ資料でも、一文を短くすることが工夫の1つとして挙げられています。目安として、1つの文には1つのことだけを書き、文が長くなったら2つに分けます。

事実と意見を分ける

報告書や企画書では、起きた事実と、書いた人の意見を分けて書くことが大切です。ビジネス文書の解説でも、次のように注意を促しています。

企画書や報告書を作成する場合は、実際に生じた「事実」と個人の「意見」を併記する状況も生じますが、社内文書ではこの「事実」と「意見」が混同されないよう注意する必要があります。 出典: business.ntt-east.co.jp

報告書なら、「経過」「原因」「対策」「所感」のように見出しを分け、事実は経過に、推測は原因に「〜と考えられる」と書き、自分の意見は所感にまとめると、読む人が区別しやすくなります。

箇条書きと表を使い分ける

本文の中で、手順や条件が3つ以上並ぶときは、箇条書きにすると読みやすくなります。順番に意味がある手順は番号付きの箇条書きに、順番に意味がない項目は記号の箇条書きにします。複数の項目を、いくつかの観点で比べる場合は、表にします。公用文作成の考え方でも、図表などによって視覚的な効果を活用することが、分かりやすく書く工夫の1つとして挙げられています。ただし、箇条書きや表ばかりで説明の文がないと、なぜそうするのかが伝わりません。結論と理由は文で書き、細かな条件や手順を箇条書きや表にまとめる、という分担を意識します。

専門用語を言い換える

社内でも、部署によって使う言葉は違います。経理の部署で当たり前の言葉が、ほかの部署の人には通じないことがよくあります。全員に向けた文書では、部署の中だけで使っている略語や専門用語を避けるか、初めて出てくるところで短く言い換えます。

数字と日付をはっきり書く

「来週中に」「なるべく早く」「多めに」といったあいまいな言葉は、人によって受け取り方が違います。「10月30日(金)17時までに」「3部」のように、数字と日付ではっきり書きます。曜日を書くときは、カレンダーで必ず確かめます。

通知文の文例

通知文は、会社が決めたことを社員に知らせる文書です。以下は文例で、日付や内容は例として書いています。

総発第15号 2026年11月4日

社員各位

総務部長 田中一郎

年末年始の休業日について(通知)

年末年始の休業日を、下記のとおりお知らせします。休業日の前日までに、取引先への連絡と、各自の業務の引き継ぎを済ませてください。

記

  1. 休業期間:2026年12月27日から2027年1月4日まで
  2. 営業の開始:2027年1月5日
  3. 休業中の緊急の連絡先:総務部の当番の携帯電話(番号は別途お知らせします)

以上

担当:総務部 鈴木(内線201)

文書番号の「総発」は総務部が発信した文書であることを示す例で、番号の付け方は社内で決めます。通知文では、決まったことを伝えるだけでなく、読んだ人が何をすればよいか(この例では取引先への連絡と引き継ぎ)を本文に書いておくと、問い合わせが減ります。

依頼文の文例

依頼文は、相手に何かをしてもらうための文書です。依頼する内容、期限、提出の方法、問い合わせ先をはっきり書きます。

人発第8号 2026年10月23日

各部長 殿

人事部長 佐藤花子

新任管理職研修の受講者の推薦について(依頼)

12月に実施する新任管理職研修の受講者を、各部から推薦してください。推薦の対象と期限は下記のとおりです。

記

  1. 対象:2026年4月以降に課長に就いた人
  2. 推薦の人数:各部1名から2名
  3. 提出物:推薦書(様式は共有フォルダの人事部のフォルダに保存しています)
  4. 提出の期限:2026年11月13日
  5. 提出の方法:人事部の担当者あてにメールで送付

以上

担当:人事部 高橋(内線305)

依頼文を受け取る側は、ほかの仕事を抱えながら対応します。期限は、相手が準備に必要な日数を考えて、余裕をもって設定します。急ぎで短い期限にせざるを得ない場合は、その理由を一言添えると、協力を得やすくなります。依頼文では、相手の手間を減らす工夫が大切です。様式の保存場所を書いておく、記入の例を添える、提出の方法を1つに決める、といった工夫で、相手は迷わずに対応できます。

案内文の文例

案内文は、行事や手続きの予定を知らせ、参加や申し込みを促す文書です。通知文が「決まったことを知らせる」文書であるのに対し、案内文は「参加してほしい」「申し込んでほしい」という呼びかけが加わります。

総発第18号 2026年11月10日

社員各位

総務部長 田中一郎

2026年度 定期健康診断の日程と申し込み方法(案内)

2026年度の定期健康診断を、下記のとおり実施します。全員が対象ですので、11月27日までに申し込んでください。

記

  1. 実施日:2026年12月8日から12月10日まで
  2. 会場:本社3階 会議室A
  3. 申し込みの方法:社内の申し込みフォームから、希望の日と時間帯を選んで登録
  4. 申し込みの期限:2026年11月27日
  5. 持ち物:問診票(申し込み後に配布します)

以上

担当:総務部 鈴木(内線201)

案内文では、参加する人が当日までに何を準備すればよいかを記書きにまとめておきます。申し込みの方法と期限が本文と記書きの両方に書かれていると、読み落としが減ります。

報告書の文例

報告書は、起きたことや仕事の結果を伝える文書です。出張報告書、業務報告書、事故報告書などがあります。ここでは、トラブルの報告書の構成を示します。

見出し 書く内容
件名 何についての報告か(例:顧客先での機器の故障について(報告))
概要 何が起きたかを2文から3文で
経過 日時の順に、起きた事実
原因 分かっている原因と、推測の部分は推測と分かる書き方で
影響 顧客や社内への影響
対応 すでに行った対応
再発防止策 同じことを起こさないための対策と、実施の時期
所感 書いた人の意見(必要な場合)

再発防止策は「気をつける」ではなく、「確認の手順に2人目の確認を加える」「入力の欄を選択式に変える」のように、何をどう変えるかが分かる形で書きます。報告書は、早く出すことも大切です。原因や対策がまだ分からない場合は、分かっている事実だけで第一報を出し、分かったことを追って報告する、という順番にします。

申請書と稟議書の形

判断を求める文書は、承認する人が短い時間で判断できる形にします。申請書や稟議書には、次の項目を入れます。

項目 書く内容
件名 何の申請か(例:営業部のノートパソコン1台の購入(申請))
申請日と申請者 日付、所属、名前
目的と理由 なぜ必要か、行わないとどうなるか
内容と金額 何を、いくつ、いくらで
比べた案 ほかの候補と、選んだ理由
決裁の期限 いつまでに決めてほしいか、その理由
添付 見積書、カタログ、資料
承認の欄 承認する人の欄と日付

申請書は、承認する人が質問しなくても判断できるかどうかで出来が決まります。特に「比べた案」と「決裁の期限」の2つが抜けていると、問い合わせや差し戻しが増えます。

業務日報と引き継ぎ書の形

業務日報

業務日報は、その日の仕事の内容と結果、困ったこと、次の日の予定を記録する文書です。毎日書くものなので、項目を絞り、短い時間で書ける形にします。

  • 日付と名前
  • その日に行った業務と、その結果
  • 予定どおり進まなかったことと、その理由
  • 困っていること、相談したいこと
  • 次の日の予定

日報は、上司が読んで相談に乗るための文書でもあります。「困っていること」の欄を設けておくと、問題が小さいうちに気づけます。

引き継ぎ書

引き継ぎ書は、異動や退職、長い休みのときに、担当していた業務を後の人に渡すための文書です。業務ごとに、目的、手順、期限、関係する人、保存しているファイルの場所、注意点を書きます。引き継ぎ書は、受け取る人が読んで1人で業務を進められるかどうかで出来を確かめます。受け取る人と一緒に読み合わせをして、分からなかった点を書き足すと、抜けの少ない引き継ぎ書になります。

議事録の書き方

議事録は、会議で決まったことと、次にやることを残す文書です。会話の内容をすべて書き写す必要はありません。

議事録に入れる項目

  • 会議の名前、日時、場所(オンラインならその旨)
  • 出席者と欠席者
  • 議題
  • 決まったこと
  • 次にやること(担当と期限)
  • 次回の会議の日時
  • 書いた人

議事録は、会議が終わってから時間をおかずに、できればその日のうちに書いて配ります。時間がたつと、書く人の記憶もあいまいになり、出席者も内容を確かめにくくなります。配ったあとに出席者から訂正があれば直し、確定した版を共有フォルダに保存します。

最も大切なのは「決まったこと」と「次にやること」です。この2つが書かれていれば、出席しなかった人も、会議の結果と自分のやることが分かります。次にやることは「誰が」「何を」「いつまでに」の3つをそろえて書きます。

メールで送るときの形

社内文書をメールで送ることも多くなりました。メールで送る場合も、基本の形の考え方は同じです。

件名

メールの件名は、文書の件名と同じように、主題と性格が分かるように付けます。「【依頼】新任管理職研修の受講者の推薦(11月13日まで)」のように、かっこで性格を、末尾に期限を入れると、受け取った人がメールの一覧で優先度を判断できます。

本文の形

メールの本文は、宛名、名乗り、要件、記書き、締めの言葉、署名の順にします。文書番号や発信日はメールの送信日で分かるので省いて構いません。長い通知や規程の改定は、本文に全文を書くより、文書を添付するか共有フォルダに保存して、本文には要点と保存場所を書くほうが、あとから探しやすくなります。

宛先の使い分け

社内のメールでも、宛先(To)には対応してほしい人、写し(CC)には知っておいてほしい人を入れます。対応してほしい人と知らせるだけの人を分けておくと、受け取った人は自分が何をすべきかが分かります。

出す前の点検の手順

社内文書は、出す前に次の順で点検すると、書き間違いや抜けを減らせます。

  1. 件名を読んで、内容と性格が分かるか
  2. 最初の段落を読んで、結論(何をしてほしいか、何が決まったか)が分かるか
  3. 日付と曜日、時刻、金額、人数などの数字が合っているか
  4. 宛名、発信者、担当者の名前と所属が正しいか
  5. 記書きの項目に抜けがないか(日時、場所、対象、期限、提出の方法など)
  6. 添付や保存場所の案内が正しいか

日付と曜日の食い違いは、社内文書で特に多い間違いです。曜日はカレンダーで確かめてから書きます。大事な通知は、出す前に別の人に読んでもらい、件名と最初の段落だけで内容が分かるかを確かめてもらうと、読み手に伝わる文書に近づきます。

回覧と保存の決まり

社内文書は、作るだけでなく、確実に届けて、あとから見つけられるように保存することも大切です。

回覧の方法

紙の回覧は、回覧の順番と、読んだら印を付ける欄を設けた回覧票を付けて回します。電子で回す場合は、メールや社内の連絡ツールで送るだけでなく、共有フォルダに保存して保存場所を知らせると、あとから探しやすくなります。重要な通知は、読んだかどうかを確かめる方法も決めておきます。たとえば、全員が読む必要のある規程の改定は、読んだら返信してもらう、確認の欄に印を付けてもらう、といった方法があります。

押印の扱い

紙の社内文書で押印を求めている会社もありますが、押印は法律で一律に必要とされているものではありません。内閣府、法務省、経済産業省がまとめた押印についてのQ&Aでは、契約の押印について、特段の定めがある場合を除き、押印をしなくても契約の効力に影響は生じないとしています。社内文書でも、誰がいつ確認したかが記録に残る方法であれば、押印に代えられる場合が多くあります。ただし法令で書面や押印が求められる手続きもあるので、個別の書類は所管の窓口や専門家に確かめます。

保存の決まり

社内文書は、種類ごとに保存の期間と場所を決めておきます。文書の名前に日付と件名を入れる(例:20261104_年末年始の休業日について(通知))と、並べたときに時期の順にそろい、探しやすくなります。法律で保存の期間が決まっている書類(経理や労務の書類など)は、その期間を守ります。

注意を促す社内文書の書き方

情報の扱いのルールを守るよう呼びかける、不正な請求のメールへの注意を促す、といった注意を促す社内文書もあります。こうした文書は、読む人を責める書き方にすると、かえって読まれなくなります。

書き方のポイント

  1. 件名で何についての注意かを示す(例:取引先を名乗る不審なメールへの注意(お願い))
  2. 最初の段落で、何が起きているか、社員に何をしてほしいかを書く
  3. 具体的な見分け方や手順を記書きにまとめる
  4. もし当てはまる行動をしてしまった場合の連絡先と、早く知らせてほしいことを書く

最後の項目は大切です。「もしやってしまったら、すぐに連絡してください。早く知らせてくれることが何より大切です」と書いておくと、失敗した人が隠さずに相談しやすくなり、被害を小さく抑えられます。情報の扱いに関わる仕事の全体像は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。

社内のフォーマットを決める手順

社内文書のフォーマットがばらばらの会社で、形をそろえるときの手順です。

  1. いま社内で使われている文書を種類ごとに数件ずつ集める
  2. 共通して入っている項目と、文書ごとに違う項目を書き出す
  3. 基本の形(文書番号、日付、宛名、発信者、件名、本文、記、以上、担当者)を決める
  4. よく使う種類(通知、案内、依頼、報告、議事録)のテンプレートを作る
  5. 数人に試しに使ってもらい、書きにくい点を直す
  6. 社内に知らせ、共有フォルダの決まった場所に保存する

最初からすべての種類のテンプレートを作ろうとせず、よく使う5種類ほどから始めると、早く定着します。決めた形は、新しく入った人の研修の資料にも入れておくと、自然に社内に広がります。

テンプレートの作り方と管理

社内文書のフォーマットは、テンプレートにして共有すると、書く人による違いが減ります。

テンプレートに入れておくもの

  • 文書番号、日付、宛名、発信者、件名、本文、記、以上、担当者の枠
  • 件名の後ろに付ける(通知)(依頼)などの例
  • 記書きの番号付きの箇条書きの例
  • 文字の大きさと書体(本文は10.5ポイントから12ポイント程度など、社内で決めた値)

文字の大きさや書体は、社内でそろえることが目的なので、決めた値を書いておきます。

テンプレートの保存場所と更新

テンプレートは、共有フォルダの決まった場所に保存し、ファイルの名前に版の日付を入れます。古いテンプレートが個人のパソコンに残っていると、古い形の文書が出回ります。テンプレートを更新したときは、社内に知らせ、古い版は使わないよう伝えます。テンプレートを更新できる人を決めておくと、知らないうちに形が変わることを防げます。

文書作成を外部に頼む場合

規程や手順書、テンプレートの整備を社内だけで進めるのが難しい場合は、ビジネス文書や契約書の作成を専門にしている人に頼む方法もあります。その仕事の内容はビジネス文書・契約書作成のお仕事で紹介しています。官公署に出す書類や、権利や義務に関わる書類の作成は、行政書士の業務の範囲に入ることがあるので、内容によっては専門家に相談します。

在宅で働く人がいる職場の社内文書

在宅で働く人がいる職場では、口頭で伝えていたことも、文書で伝える場面が増えます。紙の掲示板や回覧板は在宅の人に届かないため、社内文書は電子で配り、共有フォルダに保存する形にそろえます。テレワークを導入する会社が使える制度については、テレワーク 助成金 2026で整理しています。

在宅で読む人は、分からないことをすぐに隣の人に聞けません。件名で内容が分かる、結論が最初にある、記書きで要点がまとまっている、担当者の連絡先が書いてある、という基本の形がそろっていると、在宅の人も迷わずに対応できます。

文書の確認や回覧の作業を共有したいときの候補

社内文書そのものは、ワープロのソフトや表計算のソフトとテンプレートで作るのが基本です。一方で、規程の改定や大きな通知のように、下書き、関係部署の確認、責任者の確認、配布、という複数の工程があり、それぞれに担当と期限がある場合は、どの文書がどの工程で止まっているかを共有する仕組みがあると、配布の遅れを防げます。

候補の1つがPinatecaです。公式サイトによると、カンバン、ガント、カレンダー、リストなど8種類のボードとチャットが無料プランから使え、カードごとにコメントを付けたり、カスタムフィールドで項目を追加したりできます。5人までのチームなら期限なしで無料で、ボードは10個まで作れます。6人目、または11個目のボードからはスタンダードプランで、料金は1人あたり月額500円(年払いなら1人あたり月額400円、税抜)です。

たとえば「下書き」「部署の確認」「責任者の確認」「配布済み」の4つの列を作り、文書ごとにカードを作って担当と期限を付ければ、どの文書がどこで止まっているかを1画面で確かめられます。確認で出た修正の指摘は、カードのコメントに残しておけば、書いた人がすぐに確かめられます。なお、Pinatecaは文書を作成したり、承認の手続きを行ったりする道具ではなく、作業の担当と進み具合を共有するための道具です。Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

運営者として見てきたこと

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見ると、外部の人と長く良い関係を続けている会社は、依頼の文書がはっきりしている会社です。何を、どの形で、いつまでに、誰に出せばよいかが1枚の文書で分かる会社には、受ける側も安心して応じられ、やり取りの回数も少なく済みます。社内文書の基本の形をそろえることは、社外の人に仕事を頼むときの文書の質にもつながります。

また、依頼する側と受ける側が直接やり取りする形では、間に入る手数料がない分、同じ予算で頼める範囲が広がり、受ける側の手取りも厚くなります。その分、依頼の内容を文書で正確に伝える力が、双方にとってより大切になります。文書の見た目を整える資料作りやデザインの仕事の相場は、デザイナーの年収・単価相場で確かめられます。

よくある質問

Q. 社内文書に必ず入れる項目は何ですか?

基本は、文書番号と発信日、宛名、発信者、件名、本文、記書き、以上、担当者です。小さな会社では文書番号を省くこともありますが、件名、本文、担当者は欠かせません。件名には(通知)(依頼)(報告)など文書の性格を添えると、読む人は件名だけで、読んだあとに何をすればよいかの見当がつきます。

Q. 社内文書にも時候のあいさつは必要ですか?

社内文書では、頭語と結語や時候のあいさつは省き、要件から書き始めるのが基本です。敬語は使いますが、過剰な敬語は読みにくくなるので、「です・ます」で丁寧に書けば十分です。社外の取引先やお客様に送る文書では、あいさつを入れるのが一般的なので、社内文書と社外文書でテンプレートを分けておきます。

Q. 「各位」と「様」「殿」はどう使い分けますか?

全員や複数の人に向けた文書は「社員各位」「営業部 各位」のように「各位」を使います。「各位」はそれだけで敬意を含むので、「各位様」とはしません。特定の人に向けた文書では「様」か「殿」を使いますが、どちらにするかは会社ごとに決まりがあることが多いので、社内でそろえます。

Q. 社内文書のテンプレートはどう管理すればよいですか?

共有フォルダの決まった場所に保存し、ファイルの名前に版の日付を入れます。更新できる人を決め、更新したときは社内に知らせて古い版を使わないよう伝えます。個人のパソコンに古いテンプレートが残っていると、古い形の文書が出回るので、使うたびに共有フォルダから開く習慣をつけます。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月20日最終更新:2026年10月27日
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