ヘルスケアマネジメント検定とは|医療や介護の事務、在宅の仕事での使い道


この記事のポイント
- ✓ヘルスケアマネジメント検定を調べている人に向けて
- ✓名前の近いメンタルヘルス・マネジメント検定のコース・受験料・日程・合格率を公式の記載で整理します
- ✓医療や介護の事務での使い道
「ヘルスケアマネジメント検定」を調べている人の多くは、職場で勧められた、求人票で見かけた、医療や介護の事務の仕事に役立つ資格を探している、といった事情を抱えています。先に結論を書くと、「ヘルスケアマネジメント検定」というそのままの名前の検定は、主な主催団体の公式情報では見当たりません。この名前で検索した人が実際に行き着くのは、名前のよく似た「メンタルヘルス・マネジメント検定試験」であることがほとんどです。
この記事では、まず名前の混同を整理し、そのうえでメンタルヘルス・マネジメント検定のコース、受験料、試験日、合格率を主催団体の公式の記載で確かめます。後半では、医療や介護の事務、在宅の仕事でどう使えるのか、資格でできないことは何かを順に説明します。
「ヘルスケアマネジメント検定」という名前で探すと何に行き着くか
資格の名前は、人づてに聞くうちに少しずつ変わって覚えられることがあります。「ヘルスケア」と「マネジメント」を含む名前で探したとき、候補になるのは主に次の3つです。
1つ目は、メンタルヘルス・マネジメント検定試験です。大阪商工会議所が主催し、全国の商工会議所が実施している検定で、働く人の心の健康管理について、立場に応じた知識と対処の方法を問います。「マネジメント」が名前に入っていて、職場の健康管理を扱うため、「ヘルスケアマネジメント」と覚え違えられやすい検定です。
2つ目は、医療機関の経営を学ぶ民間資格の医療経営士です。病院やクリニックの経営や管理に関わる人が受ける資格で、「医療のマネジメント」という意味では名前の印象に近いものがあります。
3つ目は、企業が社員の健康づくりに取り組む「健康経営」に関わる研修や資格です。なお、「健康経営」という言葉はNPO法人健康経営研究会の登録商標です。
どれを指しているかによって、学ぶ内容も役立つ場面もまったく違います。職場で勧められたなら、勧めた人に正式な名前を聞くのが一番確実です。求人票に書かれていたなら、応募先に問い合わせてもかまいません。
「医療や介護の事務で役立つ、職場の健康管理の資格」を探している場合は、メンタルヘルス・マネジメント検定が最も近い選択肢になります。受けられる人に制限がなく、試験の情報が公式サイトで詳しく公開されているため、働きながらでも準備しやすい検定です。以下では、この検定を中心に説明します。
メンタルヘルス・マネジメント検定の目的と3つのコース
主催団体の公式サイトは、この検定の目的を次のように説明しています。
メンタルヘルス・マネジメント検定試験は、働く人たちの心の不調の未然防止と活力ある職場づくりを目指して、職場内での役割に応じて必要なメンタルヘルスケアに関する知識や対処方法を習得していただくものです。 出典: mental-health.ne.jp
ここでいう「メンタルヘルスケア」とは、心の健康を保ち、不調を防ぎ、不調が出たときに早く気づいて対応するための取り組みのことです。この検定は、病気を治すことではなく、不調を未然に防ぐことに重点を置いています。
コースは、職場での立場ごとに3つに分かれています。
| コース | 主な対象 | 目指すこと |
|---|---|---|
| Ⅰ種(マスターコース) | 人事労務の担当者、経営幹部 | 社内のメンタルヘルス対策を企画し進める |
| Ⅱ種(ラインケアコース) | 管理職 | 部下の不調を防ぎ、不調に気づいたら適切に対応する |
| Ⅲ種(セルフケアコース) | 一般の社員 | 自分のストレスに気づき、自分でケアし、必要なら助けを求める |
出題の内容は、厚生労働省が定めた「労働者の心の健康の保持増進のための指針」を参考に組み立てられています。どのコースからでも受験でき、下のコースに合格していないと上のコースを受けられない、という決まりはありません。
医療や介護の事務で働く人なら、自分の働き方を整えたい場合はⅢ種、職員をまとめる立場や事務長の補佐をしている場合はⅡ種、人事や労務の担当として職員全体の対策に関わる場合はⅠ種が目安になります。Ⅱ種は管理職向けと書かれていますが、実際には管理職でない人も多く受けていて、職場全体の仕組みを知る入り口として選ばれています。
受験料、試験日、合格の基準
2026年度の公開試験の要項を、公式サイトの記載で整理します。受験料は消費税込みです。
| コース | 受験料 | 試験時間 | 合格の基準 |
|---|---|---|---|
| Ⅰ種 | 11,550円 | 選択問題2時間+論述問題1時間 | 合計105点以上、かつ論述25点以上 |
| Ⅱ種 | 7,480円 | 2時間 | 70点以上 |
| Ⅲ種 | 5,280円 | 2時間 | 70点以上 |
公開試験は年2回、全国15都市の指定会場で一斉に行われます。受験地は札幌、仙台、さいたま、千葉、東京、横浜、新潟、浜松、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、高松、福岡から選びます。
2026年度の日程は次のとおりです。
・第41回 2026年11月1日(日)。Ⅰ種・Ⅱ種・Ⅲ種を実施。一般の申込受付は9月17日(木)で終了しています
・第42回 2027年3月21日(日)。Ⅱ種とⅢ種のみ。一般の申込期間は2027年1月22日(金)から2月4日(木)まで
これから準備を始める人が受けられるのは、第42回のⅡ種かⅢ種になります。Ⅰ種を受けたい場合は、次の年度の秋の回が目標になります。ⅠとⅡ、ⅡとⅢの組み合わせなら同じ日に2つのコースを受けることもできますが、3月の回はⅡ種とⅢ種だけです。
受験資格には、学歴、年齢、性別、国籍の制限がありません。会場ごと、コースごとに定員があり、申込期間の途中でも定員に達すると受付が終わります。申し込んだあとの取り消しや次回への振り替えはできないため、仕事の予定を確かめてから申し込むことが大切です。
もう1つの受け方として、企業や団体が自分で日時と場所を決めて行う「団体特別試験」があります。勤め先が団体で申し込んでいる場合は、公開試験より受けやすいことがあるので、人事や総務の窓口に聞いてみる価値があります。
Ⅰ種・Ⅱ種・Ⅲ種のどれから受けるかの決め方
3つのコースのどれを受けるかは、今の立場と、これから担いたい役割で決めます。医療や介護の事務で働く人に多い状況ごとに、目安を整理します。
受付や医療事務、介護事務として働いていて、まず自分の働き方を整えたい人は、Ⅲ種から始めるのが無理のない選び方です。Ⅲ種は、自分のストレスの状態に気づき、自分でケアし、必要なときに助けを求める力を問います。受験料も3つの中で最も安く、試験の範囲も絞られているため、働きながら初めて受ける検定として向いています。
事務長の補佐や、受付のまとめ役、介護事業所の管理者を支える立場にいる人は、Ⅱ種が目安になります。Ⅱ種では、部下や同僚の「いつもと違う様子」に気づく視点、話を聞くときの姿勢、専門家につなぐ流れ、職場の環境を改善する考え方を学びます。職員をまとめる立場になる予定がある人や、人事や労務の仕事に移りたい人にとって、職場全体の仕組みを知る入り口になります。
法人の本部で人事や労務を担当している人、職員の健康管理の仕組みづくりを任されている人は、Ⅰ種が目標になります。Ⅰ種は、会社の方針をふまえて対策の計画を立て、産業保健の専門職や外部の機関と連携し、職員への教育を企画する力を問います。論述問題があり、合格率も2割前後なので、Ⅱ種で基礎を固めてから挑む人が多いコースです。
迷ったときは、Ⅲ種とⅡ種を同じ日に受ける方法もあります。公式の要項では、ⅡとⅢの組み合わせなら同日に受験でき、3月の回でも受けられます。自分のケアと職場のケアの両方を一度に学べるため、医療や介護の事務のように、自分も負担の大きい職場にいながら周りを支える立場の人には効率のよい選び方です。
合格率から見た難易度
公式サイトでは、回ごとの受験者数と合格率が公開されています。直近の回の結果は次のとおりです。
・第40回(2026年3月15日)Ⅱ種は実際に受けた13,865人のうち合格率78.0%、Ⅲ種は5,496人のうち69.7%
・第39回(2025年11月2日)Ⅱ種は合格率47.8%、Ⅲ種は65.1%
同じⅡ種でも、回によって合格率に30ポイント近い差があります。合格の基準が点数で決まっている試験なので、問題の難しさによって合格率が上下します。Ⅰ種は直近の回でも合格率が2割前後で、選択問題に加えて論述問題があるため、ほかの2つより明らかに難しい試験です。
公式サイトの表には「受験者」と「実受験者」の2つの人数が並んでいます。受験者は申し込んだ人の数、実受験者は当日に実際に受けた人の数です。第40回のⅡ種では、申し込んだ15,558人のうち、当日に受けたのは13,865人でした。申し込んだのに受けなかった人が1割ほどいることになります。働きながら受ける人にとって、当日に会場へ行くこと自体が1つの壁になっていると読めます。試験の前の週は残業や夜勤を入れないよう、早めに職場に相談しておくと安心です。
数字の読み方として気をつけたいのは、合格率が高いからといって、勉強せずに受かるわけではない点です。受験者の多くは会社の研修の一環として、公式テキストで準備してから受けています。Ⅲ種やⅡ種は、公式テキストを1冊しっかり読み、過去の問題で出題の傾向をつかめば、働きながらでも十分に合格を狙える試験です。
一方で、2026年度の試験は公式テキストの第6版(2026年6月発行)に沿って出題されます。前の版のテキストや古い問題集で準備すると、法律や統計の数字が今の出題と合わないことがあります。中古のテキストを使う場合は、版を必ず確かめてください。
試験当日の流れと持ち物
働きながら受ける人にとって、試験当日の段取りで失敗すると、それまでの準備が無駄になります。公式の要項に書かれている決まりのうち、特に気をつけたい点を整理します。
持ち物は、受験票、筆記用具、身分証明書の3つが基本です。筆記用具は、HBまたはBの黒鉛筆かシャープペンシルと、プラスチック消しゴムだけが認められています。身分証明書は、運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど、氏名と生年月日と顔写真がそろって確かめられるものです。電子の社員証や証明書は使えないので、スマートフォンの画面で見せるつもりの人は気をつけてください。
時計は、情報通信の機能がない腕時計に限られます。試験会場によっては時計がない教室もあるため、ふだんスマートウォッチを使っている人は、試験用に普通の腕時計を用意しておきます。スマートフォンは時計としても使えません。
集合時刻に遅れると受験できず、試験中にいったん退出すると再び入ることもできません。Ⅱ種は午前10時、Ⅲ種は午後1時30分が集合時刻で、集合後に15分前後の説明があってから試験が始まります。Ⅱ種とⅢ種を同じ日に受ける場合は、昼の休憩の間に食事を済ませ、午後の試験に備えます。
受験票は試験の前に郵送で届き、届かない場合の問い合わせ期間も公式サイトに示されています。第42回の受験票の発送は2027年3月1日(月)の予定です。届いたら、受験地と会場、氏名に誤りがないかをすぐに確かめておきます。
試験のあとは、公式サイトでWEBの成績票を確かめられます。合格者には合格証が郵送されます。合格の記録は、職場に資格取得を報告するときや、履歴書に書くときに使うので、届いた合格証は大切に保管しておきます。
職場のメンタルヘルスをめぐる現状
この検定が注目されている背景には、職場の心の健康への取り組みが、法律の上でも広がっていることがあります。厚生労働省のストレスチェック制度のページは、次のように案内しています。
令和10年4月1日から、労働者数50人未満の事業場にも ストレスチェックが義務化されます。 出典: mhlw.go.jp
ストレスチェックとは、働く人が質問票に答えて自分のストレスの状態を知り、職場の環境を見直すきっかけにする検査のことです。2015年から、働く人が50人以上いる事業場には実施が義務付けられていましたが、50人未満の事業場は努力義務にとどまっていました。2025年5月に公布された改正労働安全衛生法によって、令和10年4月からは小さな事業場にも義務が広がります。
医療や介護の現場には、職員が50人に満たない診療所や介護事業所が数多くあります。これまで義務の対象外だった職場でも、これからはストレスチェックの準備や、結果をふまえた職場の見直しが必要になります。その実務を担うのは、多くの場合、事務の担当者です。外部の機関に委託する場合でも、職員への案内、日程の調整、結果を受けた面談の申し出の受付など、事務の仕事は残ります。
こうした流れの中で、職場の心の健康について基本の知識を持つ事務職員は、職場にとって頼りになる存在です。メンタルヘルス・マネジメント検定は、そうした知識を体系的に学んだことを示す手段の1つになります。
働く人の心の健康について、厚生労働省は「こころの耳」というポータルサイトも運営しています。働く人、家族、事業者それぞれに向けた情報や、無料で使えるeラーニング、匿名で相談できる窓口がまとめられています。検定の勉強の前に、まずここで全体像をつかむのもよい方法です。
医療や介護の事務での使い道
医療や介護の事務の仕事で、この検定の知識が役立つ場面を具体的に挙げます。
1つ目は、職員の休職と復職の手続きです。心の不調で休む職員が出たとき、事務の担当者は、診断書の受け取り、休職中の給与や社会保険の手続き、復職の時期の調整などを担います。不調のある人にどう声をかけ、どの順番で何を確かめればよいかを知っていると、本人を追い詰めずに手続きを進められます。
2つ目は、ストレスチェックの運営です。前の節で触れたとおり、小さな事業場にも実施の義務が広がります。誰が結果を見てよいのか、結果をどう扱うかには決まりがあり、事務の担当者がその決まりを理解していないと、職員の信頼を損ないます。Ⅰ種やⅡ種の内容には、こうした仕組みの考え方が含まれています。
3つ目は、日々の職場の雰囲気づくりです。医療や介護の現場は、夜勤や人手不足、患者や利用者とその家族への対応など、負担のかかりやすい職場です。事務の担当者は、現場の職員と管理者の間に立つことが多く、小さな変化に気づける位置にいます。Ⅱ種で学ぶ「いつもと違う様子に気づく」という視点は、管理職でなくても役立ちます。
4つ目は、自分自身を守ることです。医療機関の受付や介護事業所の窓口では、強い口調の問い合わせや苦情に向き合う場面もあります。Ⅲ種で学ぶセルフケアの考え方は、自分のストレスの状態に早く気づき、必要なときに助けを求める判断に役立ちます。
一方で、この検定を持っていても、医療事務や介護事務の手続きそのものの知識が身につくわけではありません。診療報酬の請求や介護報酬の請求の仕事を目指す場合は、それぞれの事務の資格や実務経験が中心になります。メンタルヘルス・マネジメント検定は、そうした事務の力に加える「職場を支える知識」と考えると位置づけがはっきりします。
職員の資格の取得を職場が支える仕組みもあります。介護の事業所が職員の研修に使える助成金については、福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法で、対象になる訓練や申請の流れを説明しています。勤め先に資格取得の支援を相談するときの材料になります。
在宅の仕事での使い道
メンタルヘルス・マネジメント検定の知識は、在宅の仕事でも活かせます。在宅で受けられる仕事の例を、この検定との関わりから整理します。
1つ目は、人事や労務の事務を外から支える仕事です。社会保険労務士の事務所や、人事の仕事を請け負う会社では、在宅で書類の作成やデータの入力、社員向けの案内文の作成を手伝う人を募集することがあります。休職や復職、ストレスチェックに関わる案内文を作るとき、検定で学んだ知識があると、誤解を招かない表現を選べます。
2つ目は、研修の資料づくりです。企業の研修会社や社内の人事部門から、メンタルヘルス研修のスライドや配布資料の作成を頼まれることがあります。厚生労働省の指針や公式テキストの考え方に沿って、職場の立場ごとに伝える内容を分けられる人は重宝されます。
3つ目は、記事や解説文の執筆です。働く人の健康や職場づくりを扱う記事の需要はあります。ただし、心の健康を扱う文章では、医師でない人が診断や治療を勧めるような書き方をしてはいけません。検定で学んだ「不調に気づいたら専門家につなぐ」という考え方は、文章を書くときの線引きにもそのまま使えます。
4つ目は、データの集計と報告書づくりです。ストレスチェックの集団分析や、職員アンケートの集計を表計算ソフトで行い、報告書にまとめる仕事です。個人が特定されない形で集計する決まりを守れることが前提になります。
在宅で仕事を受けるときは、資格の名前だけでは仕事につながりにくいのが実情です。「この資格を活かして、こういう仕事を、ここまでできます」と具体的に示すことが大切です。仕事の文章の基本を固めたい人は、ビジネス文書検定の内容も確かめておくと、案内文や報告書の質を上げられます。
在宅で仕事を始めるときの手順
医療や介護の事務の経験を持つ人が、在宅で最初の仕事を受けるまでの流れを整理します。
まず、自分が手伝える仕事を3つほど書き出します。たとえば「職員向けの案内文の作成」「研修資料のスライドの清書」「アンケートの集計と表づくり」のように、具体的な作業の名前で書きます。資格の名前ではなく、作業の名前で書くことが大切です。
次に、それぞれの作業の見本を1つずつ作ります。架空の診療所や介護事業所を想定し、相談窓口の案内文、ストレスチェックの実施のお知らせ、職員アンケートの集計表などを作っておくと、依頼する側に仕上がりの水準が伝わります。実在の職場の情報や、職員の個人の情報は使わないように気をつけます。
そして、募集を探して応募します。最初は小さな作業から受け、期限を守り、やり取りを丁寧にすることで、次の依頼につなげます。心の健康に関わる情報を扱う仕事では、秘密を守る約束の書面を求められることもあるので、契約の内容は受ける前に読んでおきます。
この資格でできないことと、気をつけたい点
メンタルヘルス・マネジメント検定を活かすうえで、知っておきたい限界と注意点をまとめます。
まず、国家資格ではありません。合格しても、法律で定められた業務を独占的に行えるようになるわけではなく、資格がないとできない仕事が増えるわけでもありません。履歴書に書いたときの評価は、応募先がメンタルヘルス対策をどれだけ重視しているかによって変わります。
次に、カウンセリングや診断はできません。この検定は、職場の立場ごとに必要な知識を学ぶもので、心の病気を診断したり、治療やカウンセリングを行ったりする資格ではありません。不調のある人の相談を受けたときは、話を聞いたうえで、産業医や医療機関、職場の相談窓口など専門家につなぐことが役割になります。自分で抱え込まないことも、この検定で学ぶ大切な考え方です。
3つ目に、個人の情報の扱いです。心の健康に関する情報は、本人にとって特に知られたくない情報です。職場で知った他人の不調を、本人の同意なく話したり、記録を共有したりしてはいけません。在宅で仕事を受ける場合も、依頼主から預かった情報の扱い方を、契約の段階で確かめておきます。
4つ目に、資格の名前の使い方です。主催団体は、検定の名前を広告や名刺に使う場合の決まりを公式サイトで案内しています。「メンタルヘルス・マネジメント」は登録商標なので、肩書きとして使う前に、主催団体の決まりを確かめておくと安心です。
合格したあと、職場で知識を活かす手順
検定に合格しても、職場で何も変わらなければ、学んだことはすぐに薄れてしまいます。医療や介護の事務の担当者が、合格後に取り組みやすいことを順に挙げます。
最初に取り組みたいのは、職場の相談の窓口を確かめることです。職員が心の不調を感じたとき、誰に相談すればよいのか、産業医はいるのか、外部の相談窓口と契約しているのかを、事務の担当者として把握しておきます。窓口が決まっていない職場では、どのような窓口があり得るかを、管理者に提案する材料になります。
次に、職員向けの案内を整えます。相談の窓口、休職や復職の手続きの流れ、厚生労働省の「こころの耳」のような無料の相談先を、1枚の案内にまとめて休憩室や職員用の掲示板に貼り出すだけでも、困ったときに職員が動きやすくなります。
3つ目に、ストレスチェックの準備に関わります。令和10年4月から50人未満の事業場にも実施が義務になるため、まだ実施していない診療所や介護事業所では、委託先の選び方、実施の時期、結果の扱いの決まりを決める必要があります。事務の担当者が検定で学んだ仕組みの考え方を持っていれば、管理者と相談しながら準備を進められます。
4つ目に、自分自身のケアを続けることです。周りを支える立場の人ほど、自分の不調を後回しにしがちです。Ⅲ種で学んだセルフケアの方法を、自分の生活に取り入れておきます。
これらの取り組みは、どれも資格がなければできないものではありません。ただ、体系的に学んだ知識があると、管理者や同僚に提案するときに根拠を示しやすくなり、職場の理解を得やすくなります。
働きながら合格するための勉強の進め方
医療や介護の事務の仕事をしながら合格を目指す場合の進め方を、第42回(2027年3月21日)のⅡ種を受ける例で説明します。
申込期間を先に手帳に書く
第42回の一般の申込期間は、2027年1月22日(金)から2月4日(木)までです。コンビニの店頭で払う場合は1月31日(日)までと短くなっています。定員に達すると期間中でも受付が終わるため、申込期間の初日に申し込む前提で予定を組みます。
10月から12月は公式テキストを読む
最初の3か月は、公式テキスト第6版を1回通して読みます。1日20分から30分でも、3か月あれば1冊を読み終えられます。読みながら、分からない言葉や、職場で見聞きしたことと結びつく部分に印を付けておくと、2回目に読むときの理解が深まります。
1月から2月は過去の問題で傾向をつかむ
公式サイトには、過去の公開試験の選択問題の模範解答が掲載されています。問題集と合わせて、どの章から多く出ているか、どのような聞き方をされるかをつかみます。間違えた問題はテキストのどこに書かれていたかを確かめ、テキストに戻って読み直します。
3月は弱い章をくり返す
試験の前の3週間は、間違いが多かった章だけを集中してくり返します。法律や統計の数字は第6版に沿って出題されるので、古い数字と混同しないように気をつけます。
無料で使える教材も組み合わせる
厚生労働省の「こころの耳」には、セルフケアやラインケアを学べるeラーニングが無料で公開されています。テキストを読む合間に、短い動画で全体像をつかむと、通勤の時間なども勉強に使えます。各地の商工会議所は集合形式の受験対策講座を、大阪商工会議所はオンデマンドで見られるWEB講座を開いています。独学で不安な人は、公式サイトの講座の案内を見て、日程と費用を確かめてください。
在宅ワークの市場から見た、資格の活かし方
最後に、医療や介護の知識を持つ人が在宅で仕事を広げるときの考え方を、在宅ワークの市場の動きから整理します。
在宅の仕事の募集を見ていると、資格の名前で人を探す依頼は多くありません。依頼する側が求めているのは、「職場の健康管理の考え方が分かっていて、人事の資料を正確に作れる人」「医療や介護の現場の事情を知ったうえで、職員向けの案内文を書ける人」のような、具体的な仕事の担い手です。資格は、その力を持っていることを伝える材料の1つと考えると使い方が見えてきます。
データの集計や調査の仕事に広げたい人は、調査や分析を仕事にする人の収入の傾向も知っておくと、目標を立てやすくなります。研究者の年収・単価相場では、調査や研究に関わる仕事の収入の傾向を確かめられます。ストレスチェックの集団分析や職員アンケートの集計は、こうした調査の仕事の入り口にもなります。
AIを使った業務の効率化の支援も、在宅の仕事として広がっています。職員アンケートの自由記述をAIで分類する、研修資料の下書きをAIで作り人が確かめる、といった使い方です。どのような支援の仕事があるかは、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で確かめられます。ただし、心の健康に関わる個人の情報を外部のAIの仕組みに入力してよいかは、依頼主の決まりに従う必要があります。
実績を示す材料づくりも大切です。研修資料の見本や、架空の職場を想定した案内文の見本を用意し、作品集としてまとめておくと、依頼する側に力が伝わります。作品集の組み立て方は、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】の型がそのまま使えます。
運営者として在宅ワークの市場を長く見てきた限りでは、医療や介護の現場を知っている人が在宅の仕事に移るとき、強みになるのは資格そのものより、現場の言葉と事務の言葉の両方が分かることです。依頼する側と直接やり取りできる場では、その強みを説明する時間を取りやすくなります。仲介の手数料がかからない手数料0%の場なら、同じ予算でも受け取る額が厚くなり、継続の相談にもつながりやすくなります。
「ヘルスケアマネジメント検定」を探していた人は、まず自分が求めている資格の正式な名前を確かめ、そのうえで職場の健康管理の知識を学ぶならメンタルヘルス・マネジメント検定のⅢ種かⅡ種から始めるのが現実的な一歩です。
よくある質問
Q. ヘルスケアマネジメント検定という資格はありますか?
主な主催団体の公式情報では、そのままの名前の検定は見当たりません。この名前で調べた人が行き着くのは、大阪商工会議所が主催するメンタルヘルス・マネジメント検定試験であることがほとんどです。職場や求人票で見かけた場合は、勧めた人や応募先に正式な名前を確かめるのが確実です。
Q. メンタルヘルス・マネジメント検定の受験料はいくらですか?
2026年度の公開試験の受験料は、Ⅰ種が11,550円、Ⅱ種が7,480円、Ⅲ種が5,280円(いずれも税込)です。受験資格に制限はなく、どのコースからでも受けられます。申し込んだあとの取り消しや次回への振り替えはできないので、予定を確かめてから申し込みます。
Q. 医療事務や介護事務の仕事に役立ちますか?
診療報酬や介護報酬の請求の知識が身につく資格ではありませんが、職員の休職や復職の手続き、ストレスチェックの運営、職場の雰囲気づくりなどで役立ちます。令和10年4月から50人未満の事業場にもストレスチェックが義務化されるため、小さな診療所や介護事業所の事務でも知識を活かす場面があります。
Q. この検定に合格すればカウンセリングの仕事ができますか?
できません。メンタルヘルス・マネジメント検定は、職場の立場ごとに必要な心の健康管理の知識を学ぶもので、診断や治療、カウンセリングを行う資格ではありません。不調のある人の相談を受けたときは、話を聞いたうえで産業医や医療機関、職場の相談窓口など専門家につなぐことが役割になります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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