就職氷河期世代の資格取得の支援|給付金と講座


この記事のポイント
- ✓就職氷河期世代が資格を取るときに使える国の支援を
- ✓教育訓練給付金の3つの種類と支給率
- ✓雇用保険の加入期間の条件
就職氷河期世代の人が資格を取ろうとすると、受講料の負担と、学んでいる間の生活費が壁になります。国には、講座の費用の一部が戻る教育訓練給付金、無料で受けられる職業訓練、訓練の間の生活を支える月10万円の給付金など、いくつもの支援があります。ただ、どれが使えるかは、雇用保険に入っていた期間、今働いているかどうか、収入の額によって変わります。この記事では、就職氷河期世代が資格の取得に使える支援を、条件と金額、申し込みの順番まで、厚生労働省の今日時点の案内をもとに説明します。
就職氷河期世代への支援は「中高年層」の支援に広がった
就職氷河期世代とは、おおむね1990年代の半ばから2000年代の前半に学校を卒業し、企業の採用が大きく減った時期に就職活動をした世代のことです。希望する仕事に就けず、非正規の仕事が続いた人や、正社員としての経験を積む機会が少なかった人が多くいます。
支援の名前が変わっている
国は2020年度から、この世代を対象にした集中的な支援を進めてきました。厚生労働省の案内のサイトは、現在「中高年の活躍支援のご案内」という名前になり、就職氷河期世代の人に加えて、中高年層の人にも対象を広げています。サイトでは、ハローワーク、地域若者サポートステーション(サポステ)、各種の支援機関の3つの窓口が紹介されています。
資格の取得に使える支援の全体像
資格の取得に関わる支援は、大きく分けて次の4つです。
| 支援 | 内容 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 教育訓練給付金 | 国が指定した講座の受講料の一部が戻る | 雇用保険に一定期間入っている人、離職して1年以内の人 |
| ハロートレーニング | 無料の職業訓練(テキスト代は自己負担) | 仕事を探している人 |
| 求職者支援制度の給付金 | 訓練の間、月10万円の給付金を受け取れる | 雇用保険を受給できない人で、収入などの要件を満たす人 |
| 教育訓練休暇給付金・融資 | 仕事を休んで学ぶ間の給付、学ぶための費用と生活費の融資 | 働きながら学びたい人など |
どれを使えるかは、今の働き方と雇用保険の加入の状況で決まります。以下で1つずつ説明します。
教育訓練給付金の3つの種類と支給額
教育訓練給付金とは、働く人が自分で能力を伸ばすために、厚生労働大臣が指定した講座を受けて修了したとき、払った受講料の一部が雇用保険から支給される制度です。対象の講座は、レベルなどに応じて3つの種類に分かれます。
一般教育訓練
対象の講座を修了すると、受講料などの教育訓練経費の20%(上限10万円)が支給されます。簿記、医療事務、介護職員初任者研修、語学の検定など、比較的短い期間で学べる講座が多く含まれます。
特定一般教育訓練
速やかな再就職と早いうちのキャリア形成につながる講座が対象で、修了すると教育訓練経費の40%(上限20万円)が支給されます。さらに、講座が目標としている資格を取るなどして、修了の翌日から1年以内に雇用保険の被保険者として雇われた場合は、50%(上限25万円)まで支給されます。
専門実践教育訓練
中長期的なキャリア形成につながる講座が対象で、介護福祉士や看護師などの国家資格の養成課程、専門職大学院などが含まれます。厚生労働省の案内では、支給は次のように段階的に上がります。
- 受講中:教育訓練経費の50%(年間上限40万円)を6か月ごとに支給
- 資格を取るなどして、修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇われた場合:70%(年間上限56万円)
- さらに、修了後の賃金が受講を始める前と比べて5%以上上がった場合:80%(年間上限64万円)
専門実践教育訓練は支給の割合が大きい分、講座の期間も長く、受講料も高めです。生活の見通しと合わせて考えます。
厚生労働省の教育訓練給付制度のページには、最新の指定講座の一覧も載っています。
教育訓練給付金を受けられる人の条件
教育訓練給付金は雇用保険の給付なので、雇用保険に入っていた期間が条件になります。
雇用保険に入っていた期間
ハローワークの案内では、受講を始める日に雇用保険に入っていた期間が3年以上あることが原則です。ただし、過去に教育訓練給付金を受けたことがなく、初めて受ける人は、一般教育訓練と特定一般教育訓練なら1年以上、専門実践教育訓練なら2年以上で受けられます。
離職している人
仕事を辞めている人は、雇用保険の資格を失った日(離職した日の翌日)から受講を始める日までが1年以内であれば、同じ加入期間の条件で受けられます。離職から1年を過ぎると対象から外れるので、学び直しを考えている人は時期に注意します。
非正規で働いてきた人も対象になりうる
パートや派遣、契約社員として働いてきた人でも、週20時間以上働くなどして雇用保険に入っていた期間があれば、条件を満たすことがあります。自分の加入期間は、ハローワークで照会できます。複数の勤め先で加入していた場合、条件によっては期間を通算できることがあるので、窓口で確かめます。
申し込みの前に必要な手続き
特定一般教育訓練と専門実践教育訓練は、受講を始める前の手続きが必要です。ハローワークの案内では、訓練対応のキャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングを受けて「ジョブ・カード」の交付を受け、受講開始日の2週間前までにハローワークで受給資格の確認の手続きをすることとされています。この手続きを忘れて受講を始めると、給付を受けられません。一般教育訓練は事前の手続きは不要で、修了してから申請します。詳しい条件はハローワークインターネットサービスの教育訓練給付の案内で確かめられます。
対象の講座の探し方
対象の講座は、厚生労働大臣指定教育訓練講座検索システムで、資格の名前や地域、通学か通信かで探せます。同じ資格でも、給付の対象になっている講座と、なっていない講座があります。申し込む前に、その講座が指定を受けているか、どの種類の給付の対象かを必ず確かめます。
給付金の申請の期限
教育訓練給付金は、講座を修了しただけでは支給されません。決められた期限までに、ハローワークに申請する必要があります。
一般教育訓練と特定一般教育訓練
ハローワークの案内では、一般教育訓練と特定一般教育訓練の給付は、訓練を修了した日の翌日から数えて1か月以内に申請します。特定一般教育訓練で上乗せの給付を受ける場合は、資格を取った日か就職した日の、いずれか遅い日から数えて1か月以内に、あらためて申請します。
専門実践教育訓練
専門実践教育訓練は、受講中の給付を年2回、受講開始日から6か月ごとの期間の末日から数えて1か月以内に申請します。修了した期間については、修了日の翌日から数えて1か月以内です。上乗せの給付も、資格を取った日か就職した日のいずれか遅い日から1か月以内に申請します。
期限を逃さないために
申請の期限は短いので、講座を申し込んだ時点で、修了の予定日と申請の期限をカレンダーに書いておきます。申請には講座の施設が出す修了の証明や領収書などが必要になるので、受け取った書類はなくさないように保管します。
無料で受けられる職業訓練(ハロートレーニング)
雇用保険に入っていた期間が足りない人や、仕事を探している人には、無料で受けられる公的な職業訓練があります。
ハロートレーニングとは
ハロートレーニングとは、仕事を探している人を対象にした、国や都道府県の職業訓練の愛称です。厚生労働省の案内では、受講料は無料で、テキスト代は自己負担です。次の2つがあります。
- 公共職業訓練(離職者訓練):主に雇用保険を受給している人が対象
- 求職者支援訓練:主に雇用保険を受給できない人が対象
訓練の分野は、事務、経理、IT、Webデザイン、介護、電気工事、機械の加工など多岐にわたります。訓練の中で、簿記や介護職員初任者研修、パソコンの検定などの資格の取得を目指すコースもあります。
申し込みの流れ
訓練はハローワークで申し込みます。ハローワークで仕事を探す登録をして、職業相談で訓練を受ける必要があると認められたうえで、訓練の施設の選考(面接や筆記の試験)を受けます。コースごとに募集の時期と定員があるので、早めに相談します。
雇用保険を受けながら訓練を受ける場合
雇用保険の基本手当(失業手当)を受けている人が公共職業訓練を受けると、訓練の間は基本手当を受け取りながら学べます。受講の手当や通所の手当が支給されることもあります。条件は人によって違うので、ハローワークの窓口で確かめます。
訓練の間の生活を支える求職者支援制度
雇用保険を受給できない人が、生活費を心配せずに訓練を受けられるようにする仕組みが、求職者支援制度です。
月10万円の給付金
厚生労働省の案内では、求職者支援制度は、再就職や転職、スキルアップを目指す人が月10万円の生活支援の給付金を受け取りながら、無料の職業訓練を受ける制度とされています。離職して雇用保険を受給できない人のほか、収入が一定額以下の在職者も対象です。給付金の正式な名前は職業訓練受講給付金で、職業訓練受講手当(月10万円)、通所手当、寄宿手当からなります。通所手当は、訓練の施設に通う定期券などの額で、月上限42,500円です。
給付金を受けるための主な要件
給付金を受けるには、主に次の要件があります。
- 本人の収入が月8万円以下
- 世帯全体の収入が月30万円以下
- 世帯全体の金融資産が300万円以下
- 訓練を行う日のすべてに出席する(やむを得ない理由で欠席し証明できる場合でも、8割以上出席する)
このほかにも要件があるので、ハローワークで確かめます。給付金の要件を満たさない場合でも、無料の職業訓練そのものは受けられます。詳しくは厚生労働省の求職者支援制度のページで確かめられます。
給付金だけでは足りない場合の貸付
給付金を受ける人で、生活費がさらに必要な場合は、求職者支援資金融資を利用できることがあります。厚生労働省の案内では、貸付の額は単身者で月額5万円、扶養家族がいる人で月額10万円に、受講予定の訓練の月数を掛けた額です。返す必要のあるお金なので、借りる前に返済の計画を立てます。
働きながら学ぶための支援
仕事を辞めずに資格を取りたい人にも、使える支援があります。
教育訓練休暇給付金
教育訓練休暇給付金とは、雇用保険の一般被保険者が、勤め先の就業規則などに定められた制度に基づいて、学ぶために連続した30日以上の無給の休暇を取る場合に、失業給付(基本手当)に相当する額が支給される制度です。勤め先にこうした休暇の制度があるかどうかが前提になるので、まず勤め先の人事に確かめます。
リ・スキリング等教育訓練支援融資
リ・スキリング等教育訓練支援融資とは、学び直しを目指す人に、教育訓練の費用と、訓練の期間中の生活費を融資する制度です。対象の訓練を受け、条件を満たした場合に利用でき、金融機関の審査によっては借りられないこともあります。厚生労働省の中高年の活躍支援のサイトでは、まず近くのハローワークに問い合わせるよう案内されています。
自治体の講座も調べる
都道府県や市区町村が、中高年層の人に向けた資格の講座や、職場の体験と組み合わせた講座を独自に開いていることがあります。費用が無料のものもあるので、住んでいる自治体のページや、ハローワークの窓口で確かめます。
今の状況から、使える支援を見分ける
支援の数が多いので、今の自分の状況から当てはまりそうなものを先に絞り込みます。最終的な判断はハローワークで確かめます。
雇用保険に入って働いている人
勤め先で雇用保険に入っている人は、教育訓練給付金がまず候補になります。通信や夜間、週末に通える講座を選べば、仕事を続けながら資格を目指せます。勤め先に教育訓練のための休暇の制度があれば、教育訓練休暇給付金も選択肢になります。
離職して、雇用保険の基本手当を受けている人
基本手当を受けている人は、公共職業訓練(離職者訓練)が中心になります。訓練を受けている間も基本手当を受け取りながら学べます。離職から1年以内であれば、教育訓練給付金の対象の講座を自分で選んで受ける道もあります。
雇用保険を受けられない人
雇用保険に入っていなかった人、基本手当の受給がすでに終わった人は、求職者支援訓練が中心になります。収入と資産の要件を満たせば、月10万円の給付金を受け取りながら訓練を受けられます。
パートや短い時間で働いている人
働いていても収入が少ない人は、求職者支援制度の対象になることがあります。厚生労働省の案内でも、一定額以下の収入のパートタイムで働きながら、正社員への転職を目指す人が対象の例として挙げられています。週に何時間働いているか、雇用保険に入っているかで使える支援が変わるので、勤め先の給与明細で雇用保険料が差し引かれているかを確かめておくと、相談が早く進みます。
職業訓練の選び方と、選考に向けた準備
職業訓練は無料で受けられる分、人気のあるコースは選考があります。
コースの選び方
コースを選ぶときは、訓練の期間、通う時間帯、学ぶ内容、目指せる資格、修了した人がどんな仕事に就いているかを確かめます。訓練の施設が公開している説明会や見学会に参加すると、雰囲気や通いやすさが分かります。目指す仕事の求人で、どんな資格や技術が求められているかを先に調べておくと、コースを選ぶ基準がはっきりします。
選考に向けた準備
選考では、面接で受講の目的と、修了後にどんな仕事に就きたいかを聞かれることが多くあります。これまでの仕事の経験と、訓練で学びたいことがどうつながるかを、自分の言葉で話せるようにしておきます。筆記の試験があるコースは、基礎的な国語や数学の問題が出ることがあるので、施設の案内で確かめます。
訓練を受けている間の就職活動
職業訓練は、修了したあとの就職を目指すものです。訓練の期間中も、ハローワークでの職業相談や求人の検索を続けることが求められます。訓練の施設が就職の支援をしていることもあるので、積極的に使います。
中高年からの学び直しを続けるための工夫
中高年になってからの学び直しは、時間と体力の配分が大切です。
1日の学ぶ時間を先に決める
仕事や家事の合間に学ぶ場合は、平日に何分、週末に何時間と、学ぶ時間を先に予定に組み込みます。毎日少しずつでも続けるほうが、週末にまとめて長い時間学ぶより、内容が身につきやすくなります。
過去の経験と結び付けて覚える
新しい知識は、これまでの仕事の場面と結び付けると覚えやすくなります。たとえば簿記なら、以前の職場で扱った伝票や請求書の流れを思い出しながら学ぶと、仕組みが理解しやすくなります。
一緒に学ぶ人とつながる
職業訓練や通学の講座では、同じ目標を持つ人と出会えます。分からないところを教え合ったり、求人の情報を交換したりできる仲間がいると、学び続ける気持ちを保ちやすくなります。
小さな合格を積み重ねる
いきなり難しい資格を目指すと、途中で気持ちが続かなくなることがあります。簿記なら3級から、パソコンの検定なら基本の科目からというように、短い期間で取れる資格から順に受けていくと、合格の手応えが次の勉強の力になります。取った資格は、そのたびに履歴書に書けるので、仕事探しにもすぐに使えます。
ハローワークの中高年層の専門窓口を使う
どの支援を使えばよいか分からないときは、ハローワークの中高年層の専門窓口に相談するのが近道です。
担当者が続けて相談に乗る
厚生労働省の案内によると、専門窓口では、一人の相談者に同じ担当者が続けて対応する担当者制の支援を行っています。職務経験の棚卸しから、応募書類の添削、面接の対策、就職した後の職場への定着の支援までを一体で行います。窓口には、キャリアコンサルタントの国家資格を持つ人や、企業の採用や人材育成の経験を持つ人が在籍しているとされています。
経歴に自信がない人への支援
就職氷河期世代の人が抱えやすい悩みについて、厚生労働省のサイトに掲載された専門窓口の取材記事では、次のように説明されています。
就職氷河期世代の求職者の中には、長期間にわたり非正規雇用で働いてきた方や、正社員・マネジメント経験が不足していることで「自分をアピールできる実績がない」「応募できる企業がないのでは」と自己肯定感が低下している方が少なくありません。専門窓口ではこうした特有の悩みに対し、まずはこれまでの経験や小さな成功体験をじっくり伺い、言語化することで自信を取り戻すサポートから始めます。 出典: 厚生労働省 中高年の活躍支援のご案内
資格の取得は、こうした支援と組み合わせると、取ったあとの仕事探しにつなげやすくなります。
ハローワーク以外の相談窓口
すぐに働くことや、資格の勉強を始めることに不安がある人には、ハローワーク以外の窓口もあります。
地域若者サポートステーション(サポステ)
厚生労働省の中高年の活躍支援のサイトでは、サポステは「仕事を始めたいけど、何から手をつければいいかわからない」という人が無理なく一歩を踏み出せるよう、一人ひとりに合った支援をする窓口として紹介されています。働くことから長く離れていた人や、職場でうまくいかなかった経験から自信を持てない人が、相談やプログラムを通じて準備を進められます。
各種の支援機関
生活のサポートを受けながら、時間をかけて働く準備をしたい人には、各種の支援機関があります。同じサイトでは、ひきこもりの状態や長いブランクがある人にも、一人ひとりに合ったプログラムがあると案内されています。資格の取得は、こうした準備が整ってから考えても遅くありません。
家族が相談することもできる
本人が相談に行くのが難しい場合、家族が先に窓口に相談することもできます。厚生労働省のサイトには、家族向けの案内のページも用意されています。
履歴書と職務経歴書で、資格と経歴を伝える
資格を取ったあとは、応募書類で資格とこれまでの経歴を、相手に伝わる形で書くことが大切です。
資格は正式な名前で書く
資格の欄には、取得した年月と、資格の正式な名前を書きます。略した名前ではなく、主催する団体が使っている表記に合わせます。勉強中の資格は、「○○検定2級 取得に向けて勉強中」のように書くと、学ぶ姿勢を伝えられます。
経歴は職務の中身で書く
非正規の仕事が長かった人は、勤め先の名前と期間を時系列で並べるだけでは、強みが伝わりにくくなります。ハローワークの専門窓口でも勧められているように、これまでに身につけた技術や経験を軸にして書く形の職務経歴書にすると、担当した仕事の中身と工夫が伝わります。
資格と経歴のつながりを示す
応募書類と面接では、なぜその資格を取ったのか、これまでの経験と資格がどうつながるのかを説明できるようにしておきます。たとえば、接客の経験と介護の資格、事務の経験と簿記の資格のように、組み合わせで伝えると、採用する側も働く姿を思い描きやすくなります。
企業が受け取れる助成金と、求職者にとっての意味
就職氷河期世代を含む中高年層を正社員として雇う企業には、国から助成金が出る仕組みもあります。
特定求職者雇用開発助成金(中高年層安定雇用支援コース)
厚生労働省の案内では、このコースは令和7年4月に新設されたもので、雇い入れる日の時点で35歳から60歳未満で、正規雇用に就くことが難しい人を、ハローワークなどの紹介で正規雇用の労働者として雇い入れる事業主に支給されます。対象になる人の条件には、過去5年間に正規雇用で働いた期間が通算1年以下であること、過去1年間に正規雇用で働いた期間がないこと、正規雇用を希望していることなどがあります。支給額は1人あたり、中小企業で1年に合計60万円、大企業で合計50万円です。
求職者にできること
この助成金は企業が受け取るもので、求職者が直接お金を受け取るわけではありません。ただ、条件に当てはまる人をハローワークなどの紹介で雇うと企業が助成を受けられるため、採用を前向きに考えてもらえる材料になることがあります。自分が対象になるかどうかは、ハローワークの窓口で確かめられます。
就職氷河期世代が選びやすい資格
どの資格を選ぶかは、目指す仕事と、支援を使えるかどうかで決めます。
事務・経理の仕事を目指す
簿記やパソコンの検定は、一般教育訓練の対象になっている講座があり、職業訓練にもコースがあります。事務の仕事では、社外への文書やメールを書く力も求められます。企業の文書の書き方を体系的に学べるビジネス文書検定は、事務の仕事への応募でスキルを伝える材料になります。
IT の仕事を目指す
IT の分野は、職業訓練のコースが多く、未経験から学べる講座もあります。ネットワークの基礎を学ぶなら、CCNA(シスコ技術者認定)のような資格が、扱える技術の範囲を示す材料になります。システムの開発に関わる仕事の全体像は、アプリケーション開発のお仕事で見渡せます。
介護や福祉の仕事を目指す
介護職員初任者研修は一般教育訓練の対象になっている講座があり、介護福祉士の養成課程は専門実践教育訓練の対象になっているものがあります。介護の分野は人手が不足していて、中高年から始める人も多い分野です。
自宅で働ける仕事を目指す
Webデザインや文章を書く仕事は、職業訓練にコースがあり、在宅で受けられる仕事も多い分野です。デザインの仕事の年収や単価の幅は、デザイナーの年収・単価相場で見られます。文章の仕事を始めるときに用意する実績の見せ方は、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で説明しています。
支援を使って資格を取るまでの手順
就職氷河期世代の人が、支援を使って資格を取るまでの流れを整理します。
- ハローワークで、雇用保険に入っていた期間と、今の状況で使える支援を確かめる
- 目指す仕事と、その仕事で求められる資格を、窓口の担当者と一緒に整理する
- 教育訓練給付金を使うなら、指定講座の検索システムで対象の講座を探す
- 特定一般・専門実践の講座なら、訓練前キャリアコンサルティングを受け、受講開始日の2週間前までに受給資格の確認の手続きをする
- 職業訓練を使うなら、募集の時期を確かめて申し込み、選考を受ける
- 受講して修了し、給付の申請をする
- 資格を取ったら、ハローワークの紹介や求人の検索で仕事を探す
順番を間違えると給付を受けられない
もっとも多い失敗は、先に講座に申し込んで受講を始めてしまい、あとから給付の手続きが必要だったと知ることです。特に、特定一般教育訓練と専門実践教育訓練は、受講を始める前の手続きが条件です。講座の申し込みの前に、必ずハローワークで相談します。
資格を取ったあとの使い方まで考える
資格は、取ること自体が目的ではなく、仕事に就くための材料です。資格を取ったあと、どんな求人に応募するのか、その求人ではどんな経験が求められているのかを、受講の前に調べておくと、講座を選ぶ基準がはっきりします。
支援を使うときの注意点
国の支援を使って資格を取るときに、気をつけたい点をまとめます。
給付の対象外の費用がある
教育訓練給付金の対象になるのは、受講料と入学料などの教育訓練経費で、交通費や、講座と別に買った教材の費用などは対象外になることがあります。給付の額は、実際に払った額をもとに計算されます。
受講料の総額と、返金の条件を確かめる
民間の講座を選ぶときは、受講料の総額、分割払いの手数料、途中でやめたときの返金の条件を確かめます。「給付金で実質負担が少ない」と勧められても、給付の条件を満たさなければ全額を自分で負担することになります。
「資格を取れば必ず就職できる」という勧誘に注意する
資格の取得と仕事の紹介を組み合わせた高額な講座の中には、「必ず就職できる」「仕事を紹介する」と強く勧めるものがあります。仕事の紹介を条件に教材や講座の代金を払わせる取引は、特定商取引法の規制の対象になることがあります。困ったときは、消費者ホットライン188で地域の消費生活センターに相談できます。
生活費の見通しを立てる
訓練の期間中は、働く時間が減ったり、収入がなくなったりします。給付金と貯蓄、家族の収入で生活が成り立つかを、受講の前に計算しておきます。無理な計画で途中でやめると、給付を受けられなくなることもあります。家賃や保険料、借入の返済など、毎月必ず出ていくお金を書き出し、訓練の期間の月数を掛けて、足りない額がないかを先に確かめておくと安心です。
運営者の視点から見た、学び直しを仕事につなげる人の特徴
在宅ワークと業務委託の仲介を20年以上続けてきた運営者として見てきた限りでは、中高年になってから学び直しで仕事を広げた人ほど、資格の名前より「これまでの経験と、新しく学んだことの組み合わせ」で自分を伝えています。長く非正規で働いてきた経験も、接客、事務、現場の段取りなど、仕事の中身を言葉にすると、新しい分野で生きる強みになります。
直接の取引は、受け手の手元に残る額が厚い
資格を生かして業務委託や在宅の仕事を受ける場合、仲介の手数料が大きいサービスを通すと、依頼する側が払う額と受け手に届く額の差が広がります。依頼する側と受ける側が手数料0%で直接取引できる形なら、依頼する側は同じ予算でより多くの仕事を頼め、受ける側は手取りが厚くなります。
学んだ分野の仕事を見渡しておく
学び直しの分野としては、AIやマーケティングの分野も広がっています。生成AIを業務に取り入れたい企業の相談に乗る仕事はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で、AIやマーケティング、セキュリティの分野の仕事はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。ハローワークで使える支援を確かめたうえで、こうした仕事の内容と照らし合わせて、学ぶ資格を選んでください。
よくある質問
Q. 就職氷河期世代が資格を取るときに使える給付金はありますか?
教育訓練給付金があり、厚生労働大臣が指定した講座を修了すると、受講料などの一部が雇用保険から支給されます。一般教育訓練は20%(上限10万円)、特定一般教育訓練は40%(上限20万円)、専門実践教育訓練は受講中50%(年間上限40万円)で、条件を満たすと割合が上がります。雇用保険に入っていた期間などの条件があるので、ハローワークで確かめます。
Q. 雇用保険に入っていた期間が短くても支援を受けられますか?
教育訓練給付金は原則として雇用保険に3年以上入っていることが条件ですが、初めて受ける人は一般と特定一般で1年以上、専門実践で2年以上あれば受けられます。期間が足りない人でも、無料で受けられるハロートレーニングがあり、収入などの要件を満たせば、求職者支援制度で月10万円の給付金を受け取りながら訓練を受けられます。
Q. 働きながら資格を取るときに使える支援はありますか?
雇用保険に入って働いている人は、教育訓練給付金の対象の講座を、働きながら通信や夜間で受けられます。勤め先に教育訓練のための休暇の制度があれば、30日以上連続した無給の休暇を取る間に教育訓練休暇給付金を受けられることがあります。学ぶ費用と生活費を借りられるリ・スキリング等教育訓練支援融資もあります。
Q. どの支援を使えばよいか分からないときは、どこに相談できますか?
ハローワークの中高年層の専門窓口に相談できます。同じ担当者が続けて相談に乗る担当者制で、使える支援の確認、職務経験の棚卸し、応募書類の添削、面接の対策まで支援を受けられます。講座に申し込む前に相談すると、給付の手続きの順番を間違えずに済みます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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