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給付金が使える資格|教育訓練給付金の対象と申請

@SOHO編集部
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給付金が使える資格|教育訓練給付金の対象と申請

この記事のポイント

  • ✓教育訓練給付金の3つの種類(専門実践・特定一般・一般)ごとに整理しました
  • ✓雇用保険の加入期間などの条件
  • ✓訓練前キャリアコンサルティングから支給申請までの流れ

資格を取りたいけれど講座の費用が高くてためらっている人にとって、給付金が使える資格かどうかは、講座を選ぶ前に確かめておきたい点です。国の制度で最も広く使われているのは、雇用保険の教育訓練給付金です。教育訓練給付金とは、雇用保険に一定の期間加入している人や、加入していた人が、厚生労働大臣が指定した講座を修了したときに、払った受講料の一部がハローワークから戻ってくる仕組みのことです。この記事では、給付金が使える資格の探し方、3つの種類ごとの支給額と条件、対象になる資格の例、申請の流れ、離職中の人が使える支援、使うときの注意点までを、厚生労働省の案内をもとに順に説明します。

給付金が使える資格とは何か

「給付金が使える資格」という言い方をよく見かけますが、正確には、資格そのものに給付金が付いているわけではありません。給付金の対象になるのは、資格の取得を目指す「講座」です。同じ資格を目指す講座でも、厚生労働大臣の指定を受けた講座なら給付金の対象になり、指定を受けていない講座なら対象になりません。

厚生労働省は、制度の目的を次のように説明しています。

教育訓練給付金とは、働く方々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、教育訓練経費の一部が支給されるものです。 出典: mhlw.go.jp

講座は年2回入れ替わる

指定講座は固定ではありません。講座を運営する学校や会社が厚生労働省に申請し、指定を受けると対象に加わります。指定は年2回で、4月1日からの指定分と10月1日からの指定分があります。2026年10月1日付でも、専門実践教育訓練、特定一般教育訓練、一般教育訓練のそれぞれで新しく指定された講座が公表されています。

そのため、去年は対象だった講座が今年は対象から外れていたり、反対に、新しく対象に加わっていたりすることがあります。申し込みの直前に、その時点で指定を受けているかを確かめることが欠かせません。

指定講座は検索システムで調べる

対象の講座は、厚生労働省の教育訓練講座検索システムで探せます。資格の名前、講座の分野、地域、通学か通信かといった条件で絞り込めます。オンラインで受けられる講座や、夜間や土日に受けられる講座もあり、働きながら受講する人も多くいます。

講座のパンフレットや広告に「給付金対象」と書かれていても、指定の期間が過ぎていることがあります。指定には期間があり、受講を始める日がその期間の中にあることが条件になっているためです。広告の表示だけで判断せず、検索システムで講座の指定番号と期間を確かめてから申し込みます。

学び直しを国が後押ししている背景

教育訓練給付金の給付率は、2024年10月以降に始まる講座から引き上げられました。専門実践教育訓練の最大の割合は受講費用の70%から80%に、特定一般教育訓練の最大の割合は40%から50%に上がっています。働く人が自分で学び直すことを後押しする流れの中で、制度は少しずつ手厚くなっています。

一方で、制度が手厚くなった分だけ、条件や手続きの期限も細かく決まっています。次の節から、3つの種類ごとの違いを見ていきます。

教育訓練給付金の3つの種類と支給額

教育訓練給付金には、講座のレベルや目的に応じて3つの種類があります。種類によって、戻ってくる割合と上限が大きく違います。

種類 対象になる講座の性格 基本の支給 条件を満たしたときの最大
専門実践教育訓練 中長期のキャリア形成につながる講座 受講費用の50%(年間上限40万円) 受講費用の80%(年間上限64万円)
特定一般教育訓練 速やかな再就職と早期のキャリア形成につながる講座 受講費用の40%(上限20万円) 受講費用の50%(上限25万円)
一般教育訓練 その他の雇用の安定と就職につながる講座 受講費用の20%(上限10万円) 追加の支給なし

専門実践教育訓練は3段階で上乗せされる

専門実践教育訓練は、看護師や介護福祉士のように、1年から3年ほどかけて国家資格を目指す課程が中心です。受講中は、受講費用の50%が6か月ごとに支給されます。年間の上限は40万円です。

さらに、資格を取り、訓練を修了してから1年以内に雇用保険に加入する形で雇われた場合は、受講費用の70%まで上乗せされます。厚生労働省は、その先の上乗せについて次のように書いています。

上記の支給の要件を満たしたうえで、訓練修了後の賃金が受講開始前と比較して5%以上上昇した場合は、教育訓練経費の80%(既に支給を受けた50%と70%の給付の年間合計額と教育訓練経費の80%に相当する額(年間上限64万円)の差額)が支給されます。 出典: mhlw.go.jp

つまり、受講中に50%、資格を取って就職すると70%、就職後に賃金が上がると80%と、段階を追って支給額が伸びていく仕組みです。

特定一般教育訓練は修了後に支給される

特定一般教育訓練は、介護職員初任者研修や大型自動車免許のように、比較的短い期間で仕事に結びつく講座が対象です。訓練を修了した後に、受講費用の40%が支給されます。上限は20万円です。

厚生労働省のリーフレットには計算の例が載っています。入学料5万円と受講料25万円で合計30万円の講座なら、修了後に30万円の40%にあたる12万円が支給されます。資格を取って1年以内に雇用保険に加入する形で就職すると、さらに受講費用の10%にあたる3万円が追加され、合計15万円になります。追加分の上限は5万円です。

一般教育訓練は最も対象が広い

一般教育訓練は、簿記やTOEIC、宅地建物取引士など、多くの人が一度は聞いたことのある資格の講座が対象になっています。修了後に、受講費用の20%が支給されます。上限は10万円です。

注意したいのは、20%にあたる額が4,000円を超えないときは支給されない点です。受講費用が2万円以下の講座では、給付金を受け取れません。特定一般教育訓練も同じく、40%にあたる額が4,000円を超えないときは支給されません。安い講座を選ぶときは、給付金を当てにした計算をしないほうが安全です。

給付金を受けられる人の条件

教育訓練給付金は雇用保険の制度なので、雇用保険に加入していた期間が条件になります。パートやアルバイト、派遣で働く人も、雇用保険に加入していれば対象です。

加入期間の条件

厚生労働省の案内では、受講を始める日の時点で、雇用保険に加入していた期間が原則3年以上あることが条件です。ただし、初めて教育訓練給付金を受ける人は、当面の間、条件が緩められています。

種類 初めて受ける人 2回目以降の人
専門実践教育訓練 加入期間2年以上 加入期間3年以上
特定一般教育訓練 加入期間1年以上 加入期間3年以上
一般教育訓練 加入期間1年以上 加入期間3年以上

ここでいう加入期間は、同じ会社に続けて雇われていた期間が基本です。転職した場合でも、前の会社を辞めてから次の会社に入るまでの空白が1年以内なら、2つの期間を合わせて数えられます。

離職した人は1年以内に受講を始める

すでに会社を辞めている人も対象になります。ただし、雇用保険の資格を失った日、つまり離職した日の翌日から、受講を始める日までが1年以内であることが条件です。

妊娠、出産、育児、病気、けがなどで受講できない期間が30日以上続いたときは、ハローワークに申し出ると、この1年の期間を延ばせます。延ばせるのは最大19年で、離職してから最大20年以内に受講を始めればよいことになります。子育てが落ち着いてから学び直したい人は、早めに延長の申し出をしておくと、後で使える可能性が残ります。

2回目以降に受けるときの制限

一度給付金を受けた人が、もう一度受けるときには制限があります。前回の受講を始めた日より前の加入期間は数えられないため、前回の受講開始日から数えて3年以上の加入期間が必要です。また、今回の受講を始める日の前日から3年以内に給付金を受けたことがあると、支給されません。同時に複数の講座で申請することもできません。

フリーランスや自営業の人は対象になりにくい

教育訓練給付金は雇用保険の制度なので、フリーランスや自営業として働いている期間は加入期間に数えられません。会社員を辞めて独立した人は、離職から1年以内に受講を始めれば対象になり得ますが、それを過ぎると使えなくなります。独立を考えている人は、会社に在籍しているうちに講座を受けるか、離職後すぐに始めるかを計画に入れておくと、費用を抑えられます。

自分が対象か分からないときは照会する

加入期間がはっきりしない人は、ハローワークに「支給要件照会」を出すと、受講を始める予定の日の時点で給付金を受けられるかを確かめられます。照会票を住所を管轄するハローワークに出すと、結果が書面で届きます。電話での照会は受け付けていません。照会をしても、それとは別に支給の申請は必要です。

給付金が使える資格の例

指定を受けている講座が目指す資格は、医療、介護、IT、会計、語学、運転など幅広い分野にわたります。厚生労働省のリーフレットに挙がっている例を、種類ごとに整理します。実際に対象かどうかは講座ごとに決まるので、最後は検索システムで確かめてください。

専門実践教育訓練で目指せる資格

専門実践教育訓練の中心は、資格がないとその仕事ができない業務独占資格や、資格がないとその名前を名乗れない名称独占資格の養成課程です。

  • 医療の分野:看護師、准看護師、助産師、歯科衛生士、はり師、柔道整復師
  • 介護と福祉の分野:介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、保育士
  • 生活の分野:美容師、理容師、調理師、栄養士

このほか、専門職大学院(法科大学院、教職大学院、MBAなど)、専門学校の職業実践専門課程、経済産業大臣が認定した第四次産業革命スキル習得講座、ITスキル標準のレベル3以上の情報通信技術関係の資格を目指す講座も対象です。

注意したいのは、事業所に配置することが法令で決められている「必置資格」は、それだけでは専門実践教育訓練の対象にならない点です。法令で業務や名称の使用が禁止されていない資格は、この区分から外れます。

特定一般教育訓練で目指せる資格

特定一般教育訓練には、短い期間で仕事に結びつく講座が並んでいます。

  • 介護の分野:介護職員初任者研修、生活援助従事者研修、介護支援専門員実務研修、喀痰吸引等研修
  • 医療の分野:特定行為研修
  • 運転の分野:大型自動車第一種・第二種免許
  • ITの分野:ITスキル標準のレベル2の情報通信技術関係の資格を目指す講座
  • 検定の分野:技能検定や、厚生労働大臣が認定する職業能力検定の合格を目指す講座

大学や専門学校の、60時間以上120時間未満の短い課程も対象になります。

一般教育訓練で目指せる資格

一般教育訓練は対象が最も広く、身近な資格の講座が多く含まれます。

  • 会計と法律:簿記検定、税理士、社会保険労務士、宅地建物取引士
  • 語学:TOEIC
  • IT とデザイン:Webクリエイター、CAD利用技術者試験
  • 介護:介護福祉士実務者養成研修、介護職員初任者研修
  • 運転と機械:大型自動車、建設機械の運転

大学院の修士や博士の学位を目指す課程も対象です。介護職員初任者研修のように、講座によって特定一般教育訓練と一般教育訓練のどちらで指定されているかが分かれる資格もあります。同じ資格でも、特定一般で指定された講座なら40%、一般で指定された講座なら20%と割合が変わるので、講座を比べるときは指定の種類まで見ます。

IT系の資格は講座の作りで扱いが変わる

IT系の資格は、同じ分野でも講座の作りによって種類が変わります。ネットワークの分野で知られるCCNA(シスコ技術者認定)のように、製品を作る会社が認定するベンダー資格を目指す講座が給付金の対象になるかどうかは、講座ごとに違います。特定一般教育訓練ならITスキル標準のレベル2、専門実践教育訓練ならレベル3以上の資格を目指す講座という区分があるため、同じ分野でも講座の水準によって種類が変わります。IT の資格を給付金で取りたいときは、資格の名前で検索したうえで、講座ごとの指定の種類を確かめます。

申請の流れと期限

申請の流れは、一般教育訓練と、特定一般教育訓練・専門実践教育訓練とで大きく違います。特に後の2つは、受講を始める前の手続きを忘れると、給付金をまったく受け取れません。

一般教育訓練は修了後に申請する

一般教育訓練は、受講前の手続きはいりません。講座を修了したら、修了した日の翌日から1か月以内に、住所を管轄するハローワークに支給を申請します。窓口に行くほか、電子申請や郵送でも出せます。郵送のときも1か月以内に届くように出します(消印有効)。

主な提出書類は次のとおりです。

  • 教育訓練給付金支給申請書
  • 講座の運営者が出す教育訓練修了証明書
  • 受講費用の領収書(クレジットカードで払ったときはクレジット契約証明書)
  • 教育訓練経費等確認書
  • 本人と住所を確かめる書類、マイナンバーを確かめる書類
  • 振込先の口座が分かる通帳やキャッシュカード

特定一般と専門実践は受講前の手続きが必要

特定一般教育訓練と専門実践教育訓練は、次の順番で手続きを進めます。

  1. 訓練対応キャリアコンサルタントによる「訓練前キャリアコンサルティング」を受ける
  2. 就業の目標などを書いたジョブ・カードを受け取る
  3. 受講を始める日の2週間前までに、ハローワークで受給資格の確認を受ける
  4. 講座を受講し、修了する
  5. 修了した日の翌日から1か月以内に、支給を申請する
  6. 資格を取って就職したら、その翌日から1か月以内に追加の支給を申請する

キャリアコンサルティングとは、仕事の経験や希望を専門の相談員と整理し、どんな力を伸ばすかを話し合う面談のことです。ジョブ・カードは、その内容を書き込む書類で、職業の経歴や目標をまとめたものです。厚生労働省の特定一般教育訓練給付金のご案内には、このキャリアコンサルティングを受けなければ給付金を受けられないと、大きく書かれています。訓練前キャリアコンサルティングは、どのハローワークや、キャリア形成・リスキリング支援センターでも受けられます。

専門実践教育訓練は6か月ごとに申請する

専門実践教育訓練は受講期間が長いので、受講中も申請が続きます。受講を始めた日から6か月ごとの期間が終わるたびに、その翌日から1か月以内に申請します。修了後、資格を取って就職した後、さらに賃金が上がった後にも、それぞれの申請があります。

賃金が5%以上上がったときの申請は、就職した日の翌日から6か月を過ぎた日から数えて6か月以内に行います。受講前と就職後の賃金を比べるため、給与明細などをとっておく必要があります。詳しい手順は厚生労働省の専門実践教育訓練給付金・教育訓練支援給付金のご案内にまとめられています。

期限を逃さないための段取り

申請の期限は、どれも「1か月以内」「2週間前まで」と短く設定されています。講座の申し込みと同時に、次の日付をカレンダーに書き込んでおくと、うっかり期限を過ぎる失敗を防げます。

  • 受講を始める日(通学なら講座の開講日、通信なら教材の発送日)
  • 受給資格の確認の締め切り(受講開始日の2週間前)
  • 修了の予定日と、そこから1か月後の申請の締め切り
  • 資格試験の日と、合格発表の日

受講を始める日は、通学制なら講座が定めた開講日、通信制なら教材が発送された日で、講座の運営者が証明する日です。本人が初めて出席した日とは限らないので、申し込みのときに運営者に確かめておきます。

受講費用のうち給付金の対象になるもの

給付金は、払ったお金のすべてが対象になるわけではありません。対象になるのは、講座の運営者に払った入学料と受講料(最大1年分)の合計です。

対象にならない費用

厚生労働省の一般教育訓練給付金のご案内では、次のような費用は対象に含まれないとされています。

  • 資格の検定試験の受験料
  • 受講に必ずしも必要でない補助教材の費用
  • 補講の費用や、行事に参加する費用
  • 交通費
  • パソコンなどの機材の費用
  • クレジット会社に払う手数料
  • 申請の時点でまだ払い終えていない額

資格を取るには講座の費用のほかに受験料がかかりますが、受験料は給付金の対象外です。合計の予算を考えるときは、受験料と教材費を別に見積もっておきます。

割引や還付は差し引く

講座の割引制度を使ったときは、割引後の額が対象になります。講座の運営者や販売代理店から、受講料の一部が戻ってくる予定があるときは、その額を差し引いて申告しなければなりません。現金だけでなく、パソコンなどを無料でもらう場合も含まれます。勤め先が受講料の補助を出すときも、受講料に充てられた分は差し引きます。

「給付金を使えば実質○円」とうたう広告を見かけたら、その計算に受験料や教材費が入っているか、割引後の額で計算しているかを確かめます。広告の数字と、実際に戻ってくる額がずれることはよくあります。

キャリアコンサルティングの費用を加えられる場合

一般教育訓練では、受講を始める日の前1年以内に、キャリアコンサルタントによるキャリアコンサルティングを受けていれば、その費用を2万円を上限に受講費用に加えられます。この場合は、キャリアコンサルティングの記録と実施証明書を申請のときに一緒に出します。

不正受給は重い処分になる

申請の内容に偽りがあると、給付金を受けられなくなるだけでなく、受け取った額を返すことと、その2倍の額を納めることを命じられ、刑罰を受けることもあります。講座の運営者から「領収書の金額を高く書いておく」「受講料を一部返す」といった持ちかけがあったら、応じずにハローワークに相談します。

戻ってくる額を計算してみる

割合と上限が分かっても、実際にいくら戻るのかは計算してみないと実感がわきません。ここでは、厚生労働省の案内にある割合と上限をもとに、よくある3つの場面で目安を出してみます。実際の額は、受講費用のうち対象になる部分や、講座の指定の種類で変わります。

一般教育訓練で簿記の講座を受ける場合

受講費用が8万円の簿記の通信講座を修了した場合、8万円の20%にあたる1万6,000円が戻ります。受講費用が60万円の講座なら、20%は12万円ですが、上限が10万円なので、戻るのは10万円です。一般教育訓練では、受講費用が50万円を超えると、それ以上は戻る額が伸びません。

特定一般教育訓練で介護の研修を受ける場合

受講費用が10万円の介護職員初任者研修を、特定一般教育訓練として指定された講座で修了した場合、10万円の40%にあたる4万円が戻ります。研修を修了して資格を得て、1年以内に雇用保険に加入する形で介護の職場に就職すると、さらに10%にあたる1万円が追加され、合計5万円になります。同じ研修でも、一般教育訓練として指定された講座なら、戻るのは20%の2万円です。

専門実践教育訓練で2年の養成課程に通う場合

1年あたりの受講費用が80万円、2年で合計160万円の養成課程を考えます。受講中は、1年ごとに受講費用の50%にあたる40万円、2年で合計80万円が戻ります。資格を取って1年以内に就職すると、70%までの差額として1年ごとに16万円、2年で32万円が追加されます。さらに就職後の賃金が受講前より5%以上上がると、80%までの差額として1年ごとに8万円、2年で16万円が追加されます。すべての条件を満たすと、160万円のうち128万円が戻る計算です。

ただし、この額は受講を続け、資格を取り、就職し、賃金が上がるという4つの段階をすべて通った場合の数字です。どこかの段階で条件を満たさないと、その先の上乗せは受け取れません。費用の計画は、最初の50%だけが戻る前提で立てておくと、思い通りにいかなかったときにも困りません。

離職中の人が使える支援

会社を辞めて学び直す人には、教育訓練給付金のほかにも支援があります。生活費が心配で学び直しに踏み切れない人は、次の2つも確かめておきます。

教育訓練支援給付金

教育訓練支援給付金とは、離職中に専門実践教育訓練を受ける人に、受講中の生活を支えるお金が出る制度のことです。主な条件は次のとおりです。

  • 受講を始める時点で雇用保険に加入しておらず、専門実践教育訓練給付金を受ける資格があること
  • 受講を始める時点で45歳未満であること
  • 夜間や通信制など、働きながら受けられる講座ではないこと
  • 初めて教育訓練給付金を受けること
  • 受講を始める日が2027年3月31日以前であること

支給される日額は、離職する前の賃金から計算した基本手当の日額の60%です。基本手当とは、いわゆる失業手当のことです。基本手当を受けられる間は支給されず、基本手当の支給が終わった後から受け取れます。出席率が2か月で8割を下回ると、それ以後は支給されなくなります。原則として2か月に1回、ハローワークで失業の認定を受ける必要があります。

求職者支援制度

雇用保険を受けられない人や、加入期間が足りない人には、求職者支援制度があります。厚生労働省の求職者支援制度のページでは、無料の職業訓練を受けながら、条件を満たせば職業訓練受講手当として月額10万円を受け取れると説明しています。

対象には、雇用保険の適用がなかった離職者、フリーランスや自営業を廃業した人、雇用保険の受給が終わった人などが含まれます。給付金を受けるには、本人の収入が1か月あたり8万円以下、世帯の収入が1か月あたり30万円以下、世帯の金融資産が300万円以下などの条件があり、訓練のすべての日に出席することも求められます。条件を満たさなくても、無料の訓練だけを受けることはできます。

訓練の期間は2か月から6か月で、介護職員初任者研修科、医療事務科、Webデザイナー科、ビジネスパソコン科などのコースがあります。申し込みはハローワークで受け付けています。

どちらを使うかの目安

雇用保険の加入期間が足りていて、受けたい講座が指定を受けているなら、教育訓練給付金が先の候補になります。加入期間が足りない人や、フリーランスとして働いていて雇用保険に入っていない人、生活費の支援も必要な人は、求職者支援制度を検討します。どちらが使えるかは人によって違うので、ハローワークの窓口で「訓練の相談を受けたい」と伝えると、条件に合う方法を案内してもらえます。

給付金を使って資格を取るときの選び方

給付金が使えるからといって、どの資格でも取ればよいわけではありません。給付金はあくまで費用の一部を戻す仕組みで、残りは自分で払います。資格を選ぶときは、次の順番で考えると失敗が減ります。

目的を先に決める

最初に、資格を取って何をしたいのかを決めます。転職したいのか、今の職場で担当を広げたいのか、在宅で仕事を受けたいのかで、選ぶ資格は変わります。給付金の割合が高い講座ほど学ぶ期間も長く、費用も大きくなる傾向があるので、目的に合わない講座を選ぶと、戻ってくる額より失う時間のほうが大きくなります。

求人で求められているかを確かめる

次に、その資格が求人の条件や歓迎条件に実際に書かれているかを確かめます。ハローワークの求人検索や民間の求人サイトで資格名を入れて検索すると、どの地域でどのくらい求められているかの手がかりになります。

修了できる講座かを確かめる

給付金は、講座を修了しないと支給されません。仕事や家事と両立できる時間割か、通信制なら課題の提出の頻度は無理がないかを、申し込む前に確かめます。途中でやめてしまうと、払った受講料はそのまま自己負担になります。

会社の制度も合わせて調べる

勤め先によっては、資格の取得費用を補助する制度があります。会社側が使える国の助成金もあり、福祉の分野で会社が社員の研修に使える助成金の仕組みは福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法で説明しています。会社の補助と教育訓練給付金を両方使うときは、会社から出た分を差し引いて申請することを忘れないようにします。

資格を在宅の仕事に生かす視点

給付金を使って取った資格は、会社で働くときだけでなく、在宅で仕事を受けるときの信用にもなります。特にIT、デザイン、文章、会計の分野では、資格が「最低限の知識がある」ことを相手に示す材料になります。

資格は入口、実績が続く理由になる

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、資格を取ったことで最初の仕事を得る人は多い一方、長く依頼が続く人は、資格の上に「この人に任せると手間が減る」という実績を積み上げています。資格は入口で、続く理由は仕事の進め方です。給付金で費用を抑えて資格を取ったら、早めに小さな仕事を受けて実績を作ることが、学び直しの元を取る近道になります。

依頼する側と受ける側が直接やり取りし、手数料0%で取引できる形であれば、同じ予算でも受ける側の手取りは厚くなります。学び直しにかけた費用を回収する速さは、資格の種類だけでなく、どんな形で仕事を受けるかにも左右されます。

分野ごとに次の一歩を確かめる

文章の仕事を考えている人は、ビジネスの文書を正しく書く力を示すビジネス文書検定が土台になります。文章の仕事で実績を見せる方法はWebライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で、単価を上げていく考え方はWebライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】で紹介しています。

Webデザインの講座で給付金を使う人は、デザイナーの年収・単価相場で、仕事の相場を先に確かめておくと、学ぶ範囲を決めやすくなります。IT の講座でアプリの作り方を学ぶ人は、アプリケーション開発のお仕事で仕事の中身を、AIを仕事に生かす講座を受ける人は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で、会社のAI導入を手伝う仕事の内容を確かめられます。給付金の対象講座を選ぶ前に、学んだ後にどの仕事につなげるかを決めておくと、講座選びの迷いが少なくなります。

よくある質問

Q. 給付金が使える資格はどうやって調べればよいですか?

厚生労働省の教育訓練講座検索システムで、資格の名前や分野、地域を入れて調べます。給付金の対象になるのは資格そのものではなく、厚生労働大臣の指定を受けた講座です。指定は4月と10月の年2回入れ替わるので、申し込みの直前に、講座が指定を受けているか、受講を始める日が指定の期間内かを確かめてください。

Q. パートやアルバイトでも教育訓練給付金は使えますか?

雇用保険に加入していれば、パートやアルバイト、派遣で働く人も対象です。初めて受ける人は、一般教育訓練と特定一般教育訓練なら加入期間1年以上、専門実践教育訓練なら2年以上が目安です。加入期間がはっきりしないときは、住所を管轄するハローワークに支給要件照会を出すと、受けられるかを書面で確かめられます。

Q. 資格試験に落ちても給付金は受け取れますか?

専門実践教育訓練と特定一般教育訓練の基本の支給、一般教育訓練の支給は、講座を修了したことが条件で、資格試験の合否は問われません。ただし、専門実践の70%や80%、特定一般の50%への上乗せは、資格を取って就職することが条件なので、試験に合格しないと受け取れません。講座を途中でやめた場合は支給されません。

Q. フリーランスでも給付金を使って資格を取れますか?

フリーランスや自営業として働いている期間は雇用保険の加入期間に数えないため、教育訓練給付金は使いにくい制度です。会社を辞めてから1年以内に受講を始めれば対象になり得ます。それを過ぎた人や、雇用保険に加入していなかった人は、無料の職業訓練を受けられる求職者支援制度が使えるかを、ハローワークで相談してみてください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月20日最終更新:2026年10月24日
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