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ひとり親の資格取得の支援|給付金の種類と申請

@SOHO編集部
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ひとり親の資格取得の支援|給付金の種類と申請

この記事のポイント

  • ✓ひとり親の資格取得の支援を
  • ✓こども家庭庁の公式の案内で確かめて整理
  • ✓高等職業訓練促進給付金

ひとり親として子どもを育てながら資格を取りたいと考えたとき、いちばんの壁になるのは学費と、学んでいる間の生活費です。ひとり親の資格取得の支援には、国が自治体と協力して行っている給付金が複数あり、条件を満たせば、養成学校に通う期間に1か月あたり10万円(最後の1年間は14万円)の生活費の支援を受けられる制度もあります。この記事では、こども家庭庁の公式の案内を確かめたうえで、給付金の種類と金額、対象になる人、申請の流れ、そして資格の選び方を順に説明します。

ひとり親の資格取得を支える制度の全体像

ひとり親の資格取得を支える制度は、大きく分けると「学ぶ間の生活費を支える制度」と「講座の受講料を支える制度」の2つの系統があります。さらに、雇用保険に加入していた人向けの制度や、職業訓練の制度も組み合わせて使えます。

主な制度を表にすると次のとおりです。

制度 支える費用 主な対象 窓口
高等職業訓練促進給付金 養成機関で学ぶ間の生活費 6か月以上の養成課程で資格を目指すひとり親 市区町村、都道府県
高等職業訓練促進継続給付金 子が20歳になった後の生活費 上の給付金の受給中に子が20歳になった人 市区町村、都道府県
ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付 入学準備金、就職準備金 上の給付金を使って学ぶ人 都道府県、指定都市
自立支援教育訓練給付金 講座の受講料 指定された講座を受けて修了したひとり親 市、町村在住は都道府県
ひとり親家庭学び直し支援事業 高卒認定の講座費用、大学の授業料 高卒認定や学士号を目指すひとり親など 市、町村在住は都道府県
教育訓練給付金(雇用保険) 講座の受講料 雇用保険に一定期間加入した人 ハローワーク
ハロートレーニング、求職者支援制度 職業訓練の受講料など 仕事を探している人 ハローワーク

ひとり親向けの給付金は、国が仕組みを定め、実際の支給は各都道府県や市、福祉事務所を設けている町村が行っています。そのため、こども家庭庁の案内には「制度を設けていない都道府県等に居住されている場合は、支給の対象となりません」と注意書きがあります。住んでいる自治体がどの制度を実施しているかを、最初に窓口で確かめることが欠かせません。

もう1つ押さえておきたいのは、ほとんどの制度で「受講を始める前の相談」が条件になっていることです。講座を申し込んだ後や、学校に入学した後に給付金の存在を知っても、対象外になる場合があります。資格を取ろうと考えた段階で、まず自治体のひとり親家庭の担当窓口に相談するのが正しい順番です。

ここからは、制度ごとに支給額と条件を詳しく見ていきます。

高等職業訓練促進給付金のしくみ

ひとり親の資格取得の支援の中で、最も支給額が大きいのが高等職業訓練促進給付金です。看護師や保育士のように、養成学校に長期間通う必要がある資格を目指すとき、その間の生活費を支える制度です。

こども家庭庁は、この給付金の対象者を次のように案内しています。

訓練開始日以降、次の要件を満たすひとり親の方 1 児童扶養手当の支給を受けているか、同等の所得水準(※1)にある方 ただし、所得水準を超過した場合であっても、1年に限り引き続き対象者とします。 ※1 例:お子さんが1人の場合、1年間の収入が385万円未満 2 養成機関において6月以上のカリキュラムを修業し、対象資格の取得等が見込まれる方 3 仕事または育児と修業の両立が困難であると認められる方 出典: cfa.go.jp

児童扶養手当とは、ひとり親家庭などで子どもを育てている人に、自治体から支給される手当のことです。この手当を受けている人か、同じくらいの所得の人が対象になります。

支給額は次のとおりです。

区分 住民税が非課税の世帯 住民税が課税される世帯
訓練期間中(1か月あたり) 10万円 70,500円
訓練期間の最後の1年間 上の額に4万円を加算 上の額に4万円を加算
訓練修了後(1回) 5万円 25,000円

住民税が非課税の世帯なら、訓練期間中は月額10万円、最後の1年間はそこに4万円が加わります。修了したときには、別に修了支援の給付金が支給されます。

3つ目の条件にある「両立が困難」とは、仕事や子育てを続けながらでは、養成課程を修了するのが難しいと認められることです。昼間の授業と実習が中心の学校に通う場合などが想定されています。判断は自治体が行うので、通う予定の学校の時間割や実習の予定を持って相談に行くと話が進みやすくなります。

支給を受けられる期間には上限があり、細かな運用は自治体の要綱で定められています。何年の課程まで対象になるのか、途中で所得が変わったときにどうなるのかは、申請の前に窓口で確かめておきましょう。

対象になる資格と、養成機関の選び方

高等職業訓練促進給付金の対象になるのは、就職の際に有利になる資格で、養成機関で6か月以上学ぶものです。こども家庭庁の案内では、例として次の資格が挙げられています。

  • 看護師、准看護師
  • 保育士
  • 介護福祉士
  • 理学療法士、作業療法士
  • 調理師、製菓衛生師
  • シスコシステムズ認定資格、LPI認定資格などのデジタル分野の民間資格

国家資格だけでなく、デジタル分野の民間資格が含まれている点は見落とされがちです。案内には、教育訓練給付の対象講座を受けて取る資格(一部を除く)も対象になると書かれています。シスコシステムズ認定資格とは、ネットワーク機器の大手であるシスコ社が実施している資格で、代表的なものにCCNA(シスコ技術者認定)があります。ネットワークの設計や運用の基礎知識を示す資格で、IT業界への転職で評価されやすいものです。

養成機関を選ぶときは、次の点を確かめておくと失敗が少なくなります。

  1. その学校の課程が、住んでいる自治体の給付金の対象として認められるか
  2. 課程の期間が6か月以上あるか
  3. 授業と実習の時間帯が、子どもの預け先と合うか
  4. 卒業生の資格試験の合格状況や、就職の支援があるか
  5. 通学にかかる時間と交通費

特に1つ目は、学校の募集要項に「給付金の対象」と書かれていても、最終的に判断するのは自治体です。入学を決める前に、自治体の窓口で学校名と課程名を伝えて確かめてください。

資格によって、養成にかかる期間は大きく違います。看護師のように数年かかる資格は、給付金の総額が大きくなる一方で、収入が少ない期間も長く続きます。デジタル分野の資格のように1年未満で修了できる課程は、早く働き始められる代わりに、給付金を受けられる期間も短くなります。どちらが合うかは、子どもの年齢や貯金の額、目指す仕事によって変わります。

継続給付金と、返済が免除される貸付

高等職業訓練促進給付金には、それを補う制度が2つあります。

1つ目は、高等職業訓練促進継続給付金です。ひとり親向けの給付金は、原則として20歳に満たない子どもを育てている人が対象です。そのため、学校に通っている途中で子どもが20歳になると、残りの期間は給付金を受けられなくなるおそれがあります。継続給付金は、こうした理由で資格の取得を諦めることがないよう、受給中に子どもが20歳になった後も、同じ額の給付を続ける制度です。

対象になるのは、給付金の受給中に子どもが20歳になり、引き続きその子を扶養している人で、所得や修業期間の条件は元の給付金とほぼ同じです。支給額も、訓練期間中は1か月あたり10万円(住民税課税世帯は70,500円)、修了後に5万円(同じく25,000円)と同じ水準です。

2つ目は、ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付です。高等職業訓練促進給付金を使って養成機関で学ぶ人に、入学準備金と就職準備金を貸し付ける制度です。入学のときには入学金や教材費、就職のときには通勤の準備など、まとまったお金が必要になる場面があります。その費用を借りられます。

この貸付の大きな特徴は、条件を満たすと返済が免除されることです。こども家庭庁の案内では、取った資格を生かして5年間働き続けると返済が免除されると説明されています。実質的には給付に近い制度ですが、途中で仕事を辞めた場合や、資格と関係のない仕事に就いた場合は、返済が必要になることがあります。借りる前に、免除の条件と返済の方法を書面で確かめておきましょう。

貸付の金額や申込みの時期は、実施している自治体によって案内が異なります。こども家庭庁の案内では、詳細は住んでいる都道府県(指定都市に住んでいる人は市役所)に問い合わせるよう示されています。

自立支援教育訓練給付金のしくみ

高等職業訓練促進給付金が生活費を支える制度なのに対して、自立支援教育訓練給付金は講座の受講料を支える制度です。数か月で終わる講座や、通信講座で資格を取りたい人に向いています。

こども家庭庁の案内によると、支給額は次のとおりです。

受講する講座 支給額
雇用保険の一般教育訓練、特定一般教育訓練の対象講座 受講費用の60%(上限20万円)
雇用保険の専門実践教育訓練の対象講座 受講費用の60%(修学年数×40万円、最大160万円)
専門実践教育訓練の講座を修了し、1年以内に資格を取って就職した場合 受講費用の85%(修業年数×60万円、最大240万円)

どの場合も、下限は12,001円です。雇用保険の教育訓練給付金を受けられる人は、その支給額との差額が支給されます。

対象になる講座は、雇用保険の教育訓練給付の指定講座と、都道府県などが地域の実情に合わせて対象とする講座です。医療事務や介護、簿記、ITなど、短期間で資格を目指す講座の中にも指定を受けているものがあります。対象かどうかは講座ごとに違うので、受講前に確かめます。

この給付金で最も注意したいのは、受講を始める前に講座の指定を受ける必要があることです。案内には「受講前に都道府県等から講座の指定を受ける必要がありますので、必ず事前にお住まいの市(町村在住の方は都道府県)にご相談下さい」と書かれています。先に講座を申し込んで支払いを済ませてしまうと、対象にならない場合があります。

もう1つの条件が、母子・父子自立支援プログラムの策定です。これは、自治体の担当者と面談をして、就職に向けた目標や計画を一緒に作る手続きのことです。この計画の中で、その講座が仕事に就くために必要だと認められることが支給の条件になります。面談では、これまでの仕事の経験や、目指したい仕事、子育ての状況を聞かれるので、事前に整理しておくと話がスムーズです。

学び直し支援事業(高卒認定と大学の授業料)

高校を卒業していないために、受けたい資格の受験資格がない、応募できる求人が限られる、という悩みを持つ人もいます。こうした人のために、ひとり親家庭学び直し支援事業があります。以前は「ひとり親家庭高等学校卒業程度認定試験合格支援事業」と呼ばれていた制度です。

高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)とは、高校を卒業した人と同じ程度の学力があるかを国が認定する試験のことです。合格すると、大学や専門学校の受験資格が得られ、求人の応募条件でも高卒と同じに扱われることが多くなります。

この事業では、ひとり親家庭の親か子どもが、高卒認定の合格を目指す講座を受けたときに、費用の一部が支給されます。通信制の講座の場合、支給の内容は次のとおりです。

  • 受講を始めたとき、受講費用の最大4割(上限10万円)
  • 受講を修了したとき、受講費用の最大5割(始めたときの分と合わせて上限12万5千円)
  • 修了から2年以内に全科目に合格したとき、受講費用の1割(合計の上限15万円)

通学の講座や、通学と通信を組み合わせた講座では、上限がそれぞれ20万円、25万円、30万円と高くなります。なお、すでに高校を卒業している人など、大学に入る資格を持っている人は対象になりません。

この事業には、大学の授業料を助成する仕組みも含まれています。学士号などを取ることが仕事に就くために必要だと認められたひとり親家庭の親は、大学や短期大学(通信制を含む)の入学金と授業料の6割に当たる額(修学年数×上限40万円)の助成を受けられます。通信制の大学も対象なので、働きながら学位を目指す人にとっても選択肢になります。

この事業も、母子・父子自立支援プログラムの策定を受けていることが条件で、制度を設けていない自治体では利用できません。

雇用保険の制度や職業訓練との使い分け

ひとり親向けの制度とは別に、雇用保険に加入していた人や、仕事を探している人が使える国の制度もあります。こども家庭庁の案内でも、あわせて使える制度として紹介されています。

制度 内容 主な対象
ハロートレーニング(公共職業訓練) 受講料無料の職業訓練 主に雇用保険を受給している人
求職者支援制度 受講料無料の訓練。要件を満たせば1か月あたり10万円の給付金 主に雇用保険を受給できない人
教育訓練給付金 指定講座の受講費用の一部を支給 雇用保険に一定期間加入した在職者や離職者

教育訓練給付金は、在職中か、原則として離職後1年以内の人で、雇用保険に加入していた期間が3年以上(初めて受ける場合は、専門実践教育訓練なら2年以上、それ以外なら1年以上)の人が対象です。詳しい条件は、厚生労働省の教育訓練給付金のページとハローワークで確かめられます。

使い分けの考え方は、次のとおりです。

  • 会社を辞めて雇用保険を受けている人は、まずハロートレーニングを検討する
  • 雇用保険を受けられない人で、仕事を探しながら学びたい人は、求職者支援制度を検討する
  • 在職中で、通信講座などで資格を取りたい人は、教育訓練給付金と自立支援教育訓練給付金を組み合わせる
  • 養成学校に長期間通う人は、高等職業訓練促進給付金を中心に考える

自立支援教育訓練給付金は、雇用保険の教育訓練給付金を受けられる人には差額を支給する仕組みなので、2つを合わせて受け取りすぎることはありません。どの制度を組み合わせるのが有利かは、雇用保険の加入期間や所得によって変わるので、自治体の窓口とハローワークの両方で相談するのが確実です。

申請の流れ

ひとり親の資格取得の支援を受けるまでの流れは、自治体によって細かな違いがありますが、おおむね次のとおりです。

  1. 住んでいる市区町村のひとり親家庭の担当窓口、またはひとり親家庭支援センターに相談する
  2. 母子・父子自立支援プログラムの策定のため、担当者と面談する
  3. 受けたい講座や通いたい学校が対象になるか確かめ、必要なら講座の指定を受ける
  4. 講座の受講、または学校への入学
  5. 給付金の申請(高等職業訓練促進給付金は修業を始めた後、自立支援教育訓練給付金は修了した後が一般的)
  6. 修了後、修了の証明書などを提出して修了時の給付金を申請する

相談の窓口としては、ひとり親家庭支援センターも利用できます。これは、都道府県や市などが、就業の相談から就業支援の講習会、仕事の情報提供まで一貫して行う拠点のことです。こども家庭庁のサイトでは、各自治体のひとり親家庭支援センターの一覧が公開されています。

申請のときに求められることが多い書類は、次のようなものです。

  • 児童扶養手当証書の写し、または所得を確かめる書類
  • 戸籍謄本など、ひとり親であることを確かめる書類
  • 住民票の写し
  • 養成機関の在籍証明書、または講座の受講申込書
  • 講座の領収書と修了証明書(受講料の給付金の場合)

必要な書類は自治体ごとに違うので、最初の相談のときに一覧をもらっておくと準備がしやすくなります。

申請の前に確かめておきたいこと

制度の内容が分かっても、実際に使えるかどうかは、いくつかの点で変わります。申請の前に、次のことを確かめておきましょう。

まず、住んでいる自治体がその制度を実施しているかです。前に述べたとおり、ひとり親向けの給付金は自治体が実施するもので、制度を設けていない自治体に住んでいる場合は対象になりません。引っ越しの予定がある人は、引っ越し先の自治体の制度も確かめておく必要があります。

次に、所得の条件です。高等職業訓練促進給付金は、児童扶養手当を受けているか、それと同じくらいの所得であることが条件です。こども家庭庁の案内では、子どもが1人の場合の例として、1年間の収入が385万円未満と示されています。子どもの人数や、養育費の受け取りなどによって判断が変わるので、自分が当てはまるかは窓口で確かめてください。

3つ目は、住民税が課税されるかどうかです。高等職業訓練促進給付金は、住民税が課税される世帯では支給額が下がります。非課税の世帯なら1か月あたり10万円のところ、課税される世帯では70,500円になります。学んでいる間の生活費を計算するときは、自分の世帯がどちらに当たるかを確かめたうえで見積もります。

4つ目は、ほかの手当や収入との関係です。給付金を受けながらアルバイトをする場合や、児童扶養手当との関係など、収入の扱いが気になる点は多くあります。給付金の受給中に収入が増えた場合の扱いも含めて、事前に確かめておくと、あとで困ることがありません。

最後に、資格を取った後の働き方です。償還免除付きの貸付のように、資格を生かして一定期間働くことが条件になる制度もあります。資格を取った後にどこで、どのように働くかを、学び始める前にある程度描いておくことが大切です。

学んでいる間の家計の見通しを立てる

給付金の金額が分かったら、次に考えたいのは、学んでいる間の家計が本当に回るかどうかです。養成学校に通う期間は、フルタイムで働くことが難しくなるため、収入の柱が給付金と手当に移ります。入学を決める前に、課程の期間全体を通した収支を一度紙に書き出しておくと安心です。

たとえば、2年間の課程に通う場合の高等職業訓練促進給付金の総額は、公式の支給額をもとに計算すると次のようになります。

世帯の区分 1年目 2年目(最後の1年間) 修了時 合計
住民税が非課税 10万円×12か月=120万円 14万円×12か月=168万円 5万円 293万円
住民税が課税 70,500円×12か月=846,000円 110,500円×12か月=1,326,000円 25,000円 2,197,000円

3年間の課程であれば、非課税の世帯では1年目と2年目が120万円ずつ、3年目が168万円、修了時が5万円で、合計413万円になります。これはあくまで、条件を満たして最後まで受給できた場合の計算です。所得の変化や自治体の運用で金額が変わることがあるので、実際の見込み額は窓口で確かめてください。

この金額と、児童扶養手当や児童手当、養育費など、ほかに入るお金を合わせたものが、学んでいる間の収入になります。そこから、家賃、食費、光熱費、子どもの保育料や教育費、学校の授業料と教材費、通学の交通費を引いて、毎月いくら残るかを計算します。

足りない場合の手段も、あらかじめ考えておきましょう。入学金などのまとまった費用には、前に紹介した償還免除付きの貸付が使える場合があります。住まいの費用に悩んでいる人には、こども家庭庁の案内で紹介されている、ひとり親家庭住宅支援資金貸付もあります。児童扶養手当を受けているひとり親世帯などで、自立に向けて意欲的に取り組む人に、1か月あたり上限7万円を12か月にわたって貸し付ける制度で、1年間働き続けると返済が一括で免除されます。

収支の計算をしてみると、授業の合間に短時間のアルバイトや在宅の仕事を組み合わせたい、と考える人もいるはずです。その場合は、収入が増えることで給付金や手当の扱いが変わらないかを、事前に窓口で確かめてから始めてください。

学ぶ時間と、子どもの預け先を確保する

資格を取るための学校に通うには、授業と実習の時間に子どもを安心して預けられる環境が欠かせません。給付金の手続きと同じくらい、預け先の準備が大切です。

まず確かめたいのは、保育所の利用です。保育所の入所の判断では、仕事をしている場合だけでなく、学校に通っている場合も保育が必要な理由として扱われるのが一般的です。ひとり親家庭は入所の選考で考慮されることもあるので、入学が決まったら早めに市区町村の保育の窓口に相談しましょう。受け付けの時期や必要な書類は自治体ごとに違います。

実習が早朝や夕方まで続く日、子どもが病気になった日など、保育所だけでは対応しきれない場面もあります。こうしたときに使える制度として、ひとり親家庭等日常生活支援事業があります。こども家庭庁の案内では、ひとり親家庭などが、自立のために必要な修学や病気などを理由に、生活支援や保育のサービスを受けられる事業と説明されています。家庭生活支援員が、乳幼児の保育、子どもの食事の世話、住まいの掃除、買い物などを手伝います。

この事業も都道府県や市区町村が実施するもので、実施していない自治体では利用できない場合があります。利用の方法や費用の負担は、住んでいる自治体に問い合わせます。

学ぶ時間の確保も考えておきましょう。養成学校では、授業のほかに課題やレポート、国家試験に向けた勉強が必要になります。子どもが寝た後の1時間、朝の30分など、毎日決まった時間を勉強に充てる習慣を早めに作っておくと、実習が始まって忙しくなっても勉強が途切れにくくなります。

頼れる家族や知人がいる場合は、試験の前や実習の時期など、特に忙しくなる期間をあらかじめ伝えておくと、急な預け先が必要になったときに助けを求めやすくなります。

資格を選ぶときの考え方

給付金の制度を使えるとしても、どの資格を目指すかは慎重に選ぶ必要があります。学ぶ期間と、取った後の働き方の両方を考えて決めることが大切です。

資格を選ぶときに比べたい点を、表にすると次のようになります。

比べる点 考えること
学ぶ期間 給付金を受けられる期間と、収入が少ない期間の長さ
働く時間帯 夜勤や土日の勤務があるか。子どもの預け先と合うか
求人の多さ 住んでいる地域で、その資格を求める求人がどれだけあるか
働き方の幅 正社員だけでなく、短時間勤務や在宅の仕事があるか
長く続けられるか 体力の負担や、年齢を重ねても続けられるか

医療や福祉の資格は、全国どこでも求人があり、資格がそのまま採用の条件になるので、安定した就職につながりやすい分野です。一方で、夜勤や土日の勤務がある職場も多く、子どもが小さいうちは働ける職場が限られることもあります。

デジタル分野の資格は、在宅の仕事や時間の融通がきく働き方につながりやすいのが特徴です。たとえばネットワークやアプリケーションの開発の知識があれば、会社に勤めながら、子どもの行事に合わせて時間を調整しやすい働き方を選べる場合があります。アプリケーションの開発でどのような仕事があるかは、アプリケーション開発のお仕事で具体的に紹介しています。デザインの分野であれば、デザイナーの年収・単価相場で、働き方ごとの報酬の目安を確かめられます。

どの分野を選ぶにしても、住んでいる地域のハローワークの求人を見て、その資格を求める求人がどのくらいあるかを確かめておくことをおすすめします。資格を取っても、近くに働ける職場がなければ、通勤の負担が大きくなってしまいます。

制度を使うときに起きやすいつまずき

ひとり親の資格取得の支援は、仕組みを知っていれば大きな助けになりますが、手続きの順番を間違えると受け取れなくなることがあります。起きやすいつまずきと、その防ぎ方を整理しておきます。

1つ目は、相談より先に申し込んでしまうことです。講座の広告や学校の説明会で給付金の話を聞き、その場で申し込みを済ませてしまう人がいます。自立支援教育訓練給付金は受講前の講座の指定が条件なので、申し込みの前に必ず自治体に相談します。説明会では「対象になるかは自治体の判断」と考えておくのが安全です。

2つ目は、自治体の制度の違いを確かめないことです。インターネットで見つけた他の市の案内をもとに計画を立てると、自分の住む市では対象の資格や上限が違っていた、ということが起こります。案内は必ず自分の住む自治体のものを見ます。

3つ目は、修了後の申請を忘れることです。修了支援の給付金や、受講料の給付金は、修了してから一定の期間内に申請する必要があります。修了証明書や領収書は捨てずに保管し、申請の期限をカレンダーに記録しておきます。

4つ目は、一人で抱え込むことです。手続きや書類で分からないことがあれば、ひとり親家庭支援センターや自治体の担当者に何度でも相談して構いません。担当者は同じような相談を多く受けているので、自分の状況に合った制度の組み合わせを一緒に考えてくれます。

在宅の仕事と資格取得を両立させる視点

フリーランスと在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、子育てをしながら在宅の仕事を長く続けている人には、資格や講座で学んだ知識を、小さな仕事から実際に使い始めている人が多いという共通点があります。資格の取得を最終目標にするのではなく、学んでいる途中から、文章の作成やデータの入力、簡単なWebの更新といった仕事で経験を積み、それを次の仕事につなげています。

在宅の仕事では、発注する側と受ける側が直接やり取りできる仕組みほど、受け取る報酬が目減りしにくくなります。仲介の手数料が間に入らなければ、依頼する側は同じ予算でより丁寧な仕事を頼め、受ける側は手取りが厚くなります。手数料0%で直接取引できる場は、子育てで働ける時間が限られている人ほど、その差を実感しやすい環境です。

学んだことを仕事に生かす分野としては、AIを使った業務の効率化や、Webマーケティングの仕事も広がっています。こうした仕事の内容は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。文章の仕事から始めたい人は、実績の見せ方をまとめたWebライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】が参考になります。

ひとり親の資格取得の支援は、国の制度が手厚く用意されている一方で、自治体ごとの違いや、受講前の相談が条件になる点など、知らないと使えない落とし穴もあります。まず住んでいる自治体の窓口に相談し、使える制度を確かめたうえで、子どもとの生活に合った資格と働き方を選んでいきましょう。

よくある質問

Q. 高等職業訓練促進給付金はいくらもらえますか?

住民税が非課税の世帯では、養成機関で学ぶ期間中に1か月あたり10万円、住民税が課税される世帯では70,500円が支給されます。訓練期間の最後の1年間は、どちらも4万円が加算されます。修了したときには、非課税の世帯で5万円、課税される世帯で25,000円が別に支給されます。実際の支給は自治体が行うので、条件は住んでいる自治体の窓口で確かめてください。

Q. 通信講座でも給付金の対象になりますか?

自立支援教育訓練給付金は、雇用保険の教育訓練給付の指定講座などが対象で、通信講座も含まれます。ただし、受講を始める前に自治体から講座の指定を受ける必要があります。高等職業訓練促進給付金は、養成機関で6か月以上学ぶ課程が対象で、仕事や育児との両立が難しいと認められることが条件です。どちらも、申し込む前に自治体に相談するのが確実です。

Q. 講座を申し込んだ後に給付金を知った場合でも申請できますか?

自立支援教育訓練給付金は、受講前に都道府県などから講座の指定を受けることが条件になっているため、指定を受けずに受講を始めた場合は対象にならないことがあります。まだ受講を始めていなければ、すぐに自治体の窓口に相談してください。すでに受講中の場合も、扱いは自治体によって違うので、あきらめずに一度問い合わせることをおすすめします。

Q. 給付金の相談はどこにすればよいですか?

住んでいる市区町村のひとり親家庭の担当窓口か、ひとり親家庭支援センターに相談します。町村に住んでいる人は、都道府県が窓口になる制度もあります。雇用保険の教育訓練給付金やハロートレーニング、求職者支援制度はハローワークが窓口です。ひとり親向けの制度と雇用保険の制度は組み合わせて使える場合があるので、両方の窓口で確かめると安心です。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月28日最終更新:2026年10月31日
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会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド

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SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方