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英検1級やTOEIC900点を活かせる仕事。在宅で受ける翻訳や通訳の探し方

@SOHO編集部
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英検1級やTOEIC900点を活かせる仕事。在宅で受ける翻訳や通訳の探し方

この記事のポイント

  • ✓英検1級やTOEIC900点の英語力を活かせる仕事を
  • ✓英語の講師などに分けて整理しました
  • ✓全国通訳案内士試験の免除の決まり

英検1級やTOEIC900点を取ったのに、それを仕事にどう生かせばよいのか分からない。そう感じている人は少なくありません。英語を使う仕事は数多くありますが、会社の中で英語を使う部署に移るのとは別に、在宅で翻訳や通訳を受けたいと考えると、資格の点数だけでは仕事が決まらない現実に直面します。

この記事では、英検1級やTOEIC900点の英語力を活かせる仕事を、在宅で受けやすいものを中心に整理します。翻訳、オンライン通訳、英文の校正、英語の講師など、仕事の種類ごとに求められる力を説明し、全国通訳案内士試験で英語の筆記試験が免除される決まり、翻訳会社のトライアル(採用のための試験)の受け方、契約で確かめることまで、資格を仕事につなげるための道筋をまとめます。

英検1級とTOEIC900点が示すもの

最初に、2つの資格が何を示しているのかを整理します。英検(実用英語技能検定)は、公益財団法人日本英語検定協会が行う検定で、1級はその最上位の級です。読む、聞く、書く、話すの4つの力を測り、社会問題などを題材にした英作文や、面接での意見の発表も課されます。

TOEIC Listening & Reading Testは、聞く力と読む力を測る試験で、990点が満点です。900点は、ビジネスの英語の文書を読み、会議や電話の英語を聞き取る力が高いことを示す点数として知られています。ただし、このテストだけでは書く力と話す力は測れません。書く力と話す力を測るには、別にTOEIC Speaking TestとWriting Testがあります。

この違いは、仕事を選ぶときに大切になります。英検1級は4つの力を総合的に示せる一方、TOEIC Listening & Reading Testの900点は主に「受け取る力」の高さを示すものです。翻訳のように読んで書く仕事、通訳のように聞いて話す仕事では、点数に表れていない力も求められます。

資格は仕事の入り口の目安

英語を使う仕事の求人では、「英検準1級以上」「TOEIC800点以上」のように、資格の水準を応募の目安として示すことがよくあります。英検1級やTOEIC900点は、その目安を十分に満たしている水準です。一方で、在宅の翻訳や通訳の仕事では、資格の点数は「応募してよいかの目安」で、実際に仕事を任されるかどうかは、翻訳のトライアルや通訳の実技、これまでの実績で決まることが多いです。

英検の級ごとの難しさと、仕事でどう評価されるかは、英検準1級・1級で試験の内容とあわせて整理されています。

英語力を活かせる在宅の仕事の種類

英検1級やTOEIC900点の英語力を活かせる仕事のうち、在宅で受けやすいものを整理します。

仕事の種類 主な内容 特に求められる力
翻訳 文書を英語から日本語へ、日本語から英語へ訳す 読む力、日本語と英語で書く力、調べる力
オンライン通訳 電話やビデオ会議で話を訳す 聞く力、話す力、とっさの判断
英文の校正 英語の文章の誤りを直し、読みやすく整える 書く力、文法と表記の知識
AIの翻訳の手直し 機械が訳した文章を人が確かめて直す 読む力、原文と訳文を見比べる力
英語の講師 オンラインで英語を教える 話す力、説明する力
字幕や文字起こし 動画の英語を書き起こし、字幕を作る 聞く力、決まりに沿って書く力
海外とのやり取りの代行 海外の取引先とのメールの作成や連絡 書く力、ビジネスの慣習の知識

それぞれの仕事の中身と、始め方を順に見ていきます。

翻訳の仕事

翻訳は、在宅で受けられる英語の仕事の代表です。翻訳には、分野によって大きく3つの種類があります。

  • 実務翻訳:契約書、取扱説明書、企業の報告書、Webサイト、製品の資料など、ビジネスで使う文書の翻訳
  • 出版翻訳:小説や一般書、絵本などの翻訳
  • 映像翻訳:映画やドラマ、動画の字幕や吹き替えの翻訳

在宅で仕事として受ける人が最も多いのは実務翻訳です。実務翻訳の中でも、法律、医薬、特許、IT、金融など、専門の分野ごとに仕事が分かれています。専門の分野の知識がある翻訳者は少ないので、得意な分野を持つことが仕事を安定させる近道になります。

翻訳で求められるのは「日本語の力」

英検1級やTOEIC900点の人が翻訳の仕事を始めて驚くことの1つが、英語から日本語への翻訳では、日本語の文章を書く力が仕事の質を大きく左右することです。英語の意味を正しく理解できても、それを自然で読みやすい日本語にできなければ、依頼主は納得しません。逆に、日本語から英語への翻訳では、英語を母語とする人が読んで違和感のない英文が求められ、英語で書く力の高さが試されます。

翻訳の仕事を目指すなら、英語の勉強に加えて、日本語の文章を読み、書く練習を続けることが大切です。新聞の社説や専門書を読み、その分野でどんな言葉が使われているかを知ることも、翻訳の質を高めることにつながります。

翻訳会社のトライアルの受け方

翻訳の仕事を始める一般的な方法は、翻訳会社に登録することです。翻訳会社は、登録を希望する人に「トライアル」と呼ばれる採用のための試験を課し、合格した人に仕事を依頼します。

トライアルを受けるときは、次の点に気をつけます。

  1. 応募の条件(経験の年数、得意な分野、資格)を確かめ、条件に合う会社に応募する
  2. 課題の文書は、本番の仕事と同じ気持ちで丁寧に訳す
  3. 用語や表記の決まりが指定されていれば、必ず従う
  4. 訳し終えたら時間を置いて読み直し、訳し漏れや誤字がないかを確かめる
  5. 締め切りを守る

トライアルでは、英語の理解の正確さだけでなく、指示を守れるか、日本語として読みやすいか、専門用語を正しく調べて使えているかが見られます。不合格が続いても、それは英語力が足りないということではなく、分野の知識や訳文の書き方が求められる水準に届いていないことが多いです。

オンライン通訳の仕事

通訳は、話された言葉をその場で別の言葉に訳す仕事です。以前は会場に出向いて行う仕事がほとんどでしたが、ビデオ会議が広がった今では、自宅からオンラインで行う通訳の仕事も増えています。

通訳には、話し手が区切りながら話し、その合間に訳す「逐次通訳」と、話し手の話を聞きながら同時に訳す「同時通訳」があります。オンラインの商談や面談の通訳では逐次通訳が多く、国際会議などでは同時通訳が使われます。

通訳の仕事で求められるのは、聞いた内容を素早く理解し、別の言葉で正確に、聞きやすく伝える力です。TOEIC Listening & Reading Testの900点は聞く力の高さを示しますが、通訳では話す力ととっさの判断力も同じくらい重要になります。通訳の仕事を目指す人は、英語の音声を聞いて日本語で言い直す練習や、日本語のニュースを英語で言い直す練習を積むことが欠かせません。

医療やビジネスの分野の通訳

オンライン通訳の中でも、需要が伸びている分野の1つが医療通訳です。日本の病院を受診する外国人の患者が増え、診察や説明の場で通訳を求める医療機関が増えています。医療通訳では、医療の用語の知識と、患者の気持ちに寄り添う伝え方が求められます。医療通訳の仕事の内容と需要については、医療通訳の仕事内容と将来性|外国人患者増加に伴う需要【2026年版】で詳しく説明されています。

ビジネスの分野では、海外の取引先との商談、オンラインの面接、社内の会議などの通訳があります。業界の用語や、商談の流れを知っていると、通訳の質が上がります。

全国通訳案内士という国家資格

英語を使う国家資格として知られているのが、全国通訳案内士です。全国通訳案内士は、報酬を得て、外国人に付き添い、外国語で旅行の案内をする仕事のための国家資格で、試験に合格したうえで、住んでいる都道府県の知事の登録を受けることで名乗れます。

2018年1月の通訳案内士法の改正で、資格を持たない人でも、報酬を得て外国語で旅行の案内をすることができるようになりました。ただし、資格を持たない人は「全国通訳案内士」や、それに似た名前を名乗ることはできません。資格は、質の高い案内ができることを示すものとして、今も重要な役割を持っています。

英検1級とTOEIC900点で外国語の筆記試験が免除される

英検1級やTOEIC900点を持っている人にとって大きいのが、全国通訳案内士試験の英語の筆記試験が免除される決まりです。観光庁が定める試験のガイドラインには、次のように書かれています。

公益財団法人日本英語検定協会が実施する実用英語技能検定の一級に合格した者が、英語による全国通訳案内士試験を受験する場合は、外国語筆記試験(英語)を免除する。 出典: 観光庁 全国通訳案内士試験ガイドライン

TOEICの場合は、公開テストのListening & Reading Testで900点以上、Speaking Testで160点以上、またはWriting Testで170点以上を取った人が、英語の筆記試験の免除を受けられます。ただし、TOEICによる免除は、その点数を取ったテストが行われた年度か、その翌年度に行われる試験を受ける人に限られます。TOEICの点数で免除を受けたい人は、点数を取る時期と受験する年度の組み合わせに気をつける必要があります。

免除を受けても、日本の地理、歴史、一般常識、通訳案内の実務の筆記試験と、外国語での口述試験(面接の形の試験)は受ける必要があります。試験は毎年1回行われ、実施の方法や日程、免除の申請の手続きは、日本政府観光局(JNTO)の試験のページと、観光庁の全国通訳案内士試験のページで確かめられます。

全国通訳案内士として登録したあとは、5年に1度、観光庁が登録した研修機関の研修を受ける必要があります。通訳案内の仕事は現地で外国人に付き添う仕事なので、完全に在宅の仕事ではありませんが、在宅の翻訳の仕事と組み合わせて働く人もいます。

英文の校正とAIの翻訳の手直し

英語の書く力が高い人に向いているのが、英文の校正の仕事です。日本の企業や研究者が書いた英語の文書を読み、文法の誤り、不自然な表現、表記のぶれを直します。学術論文の英文校正、企業のWebサイトや資料の英文の確認などがあります。

近年増えているのが、AIの翻訳の手直しの仕事です。機械が訳した文章を人が読み、誤訳や不自然な表現を直す仕事で、ポストエディットとも呼ばれます。AIの翻訳の精度は上がっていますが、専門の用語の誤り、文脈の読み違い、日本語として不自然な言い回しは今も残ります。原文と訳文を見比べて、どこが間違っているかを素早く見つける力が求められます。

AIの翻訳を手直しする仕事では、ゼロから訳す仕事より1件あたりの報酬が低く設定されることが多い一方、処理できる量が増えるため、作業の速さが収入に直結します。AIの道具を使いこなす力も、これからの英語の仕事では重要になります。生成AIを仕事に取り入れる方法は、Claude活用術|フリーランスの仕事を効率化する方法で具体的に紹介されています。

英語の講師の仕事

オンラインで英語を教える仕事も、英検1級やTOEIC900点の人が活躍しやすい分野です。英会話のレッスン、資格試験の対策、子ども向けの英語の指導、企業の研修などがあります。

英語の講師の仕事では、自分が英語を話せることより、相手の水準に合わせて分かりやすく説明できることが大切です。英検1級やTOEIC900点を取るまでの勉強の経験は、学ぶ人がどこでつまずくかを理解するのに役立ちます。資格の対策の講師であれば、自分の合格の経験そのものが教える内容の土台になります。

英語の講師の仕事は、オンライン英会話の会社に登録する方法と、自分で生徒を集めて教える方法があります。自分で教える場合は、レッスンの内容、料金、キャンセルの決まりを決めて、分かりやすく示しておく必要があります。

教える相手によって、求められることは変わります。子ども向けのレッスンでは、英語の知識より、飽きさせずに楽しく続けさせる工夫が大切です。社会人向けのレッスンでは、会議やメールなど、仕事で使う場面に合わせた練習が喜ばれます。資格の対策では、出題の形式に合わせた解き方と、時間配分の練習が中心になります。自分がどの相手に教えるのが得意かを考えて、レッスンの内容を決めるとよいです。

在宅で英語の仕事をするための道具と環境

在宅で翻訳や通訳の仕事を受けるには、英語力のほかに、仕事の道具と環境を整えておく必要があります。

翻訳の仕事では、パソコンと文書を作るソフトのほかに、辞書が欠かせません。英和辞典と和英辞典に加えて、英英辞典、類語辞典、得意な分野の専門の辞典があると、訳語の選び方の幅が広がります。翻訳会社によっては、翻訳の支援ツールの使用を条件にしていることがあるので、応募する前に確かめておきます。

通訳の仕事では、雑音の少ないヘッドセット、安定したインターネットの回線、静かに話せる部屋が必要です。オンライン通訳では、音声が途切れると訳せなくなるので、回線が不安定なときの予備の手段(スマートフォンの回線に切り替えるなど)を用意しておくと安心です。家族と暮らしている人は、通訳の時間帯に部屋に入らないよう頼んでおくなど、話し声や生活の音が入らない工夫も必要です。

機密の文書とAIの翻訳の扱い

翻訳の仕事で特に気をつけたいのが、依頼主から預かった文書の扱いです。契約書、未発表の製品の資料、社内の文書などは、依頼主にとって外に出したくない情報です。インターネット上の無料の翻訳サービスやAIの道具に文書を入力すると、入力した内容がサービスの側に保存される場合があります。依頼主の許可なく、預かった文書をこうした道具に入力しないことが原則です。

AIの道具を作業に使いたい場合は、使ってよいか、使う場合はどの道具なら認められるかを、仕事を受ける前に依頼主に確かめておきます。秘密の保持の約束を守れることは、翻訳者が信頼されるための最低限の条件です。パソコンのパスワードの管理、作業が終わったファイルの削除の時期なども、依頼主の決まりに合わせます。

仕事の探し方の経路

英語の仕事を在宅で受けるための入り口は、1つではありません。代表的な経路を整理します。

1つ目は、翻訳会社や通訳の会社に登録する方法です。前の節で説明したトライアルに合格すると、会社から案件の案内が届くようになります。会社が依頼主との窓口になってくれるので、営業の手間がかからない一方、報酬は会社の取り分を差し引いた額になります。

2つ目は、在宅ワークの求人サイトや業務委託のマッチングサービスで、依頼主の募集に応募する方法です。企業や個人が直接出している募集に応募するので、依頼主の目的や文書の使い道を直接聞けるのが利点です。応募の文面では、得意な分野、これまでに訳した文書の種類、作業の進め方を具体的に書くと、依頼主が判断しやすくなります。

3つ目は、前職や知人のつながりから仕事を受ける方法です。以前の勤め先や取引先が、海外とのやり取りの翻訳を頼める人を探していることは珍しくありません。業界の事情を知っている人に頼みたいという依頼主は多く、前職の経験がそのまま信頼の材料になります。

4つ目は、雇用の形で英語を使う在宅勤務の仕事に就く方法です。外資系の企業や海外と取引のある企業の中には、翻訳や海外とのやり取りの担当者を在宅勤務で募集するところもあります。雇用の形なら、収入が安定し、社会保険にも入れます。どの経路を選ぶかは、収入の安定と自由な働き方のどちらを重視するかで決まります。複数の経路を組み合わせて、1つの依頼主に頼りすぎない形を作る人も多いです。

報酬の決め方と、確かめておく単位

英語の仕事の報酬は、仕事の種類によって決め方が違います。金額の相場は分野や依頼主によって大きく変わるので、ここでは報酬の単位と、確かめておく点を整理します。

翻訳の報酬は、原文の分量で決めるのが一般的です。英語から日本語への翻訳では原文の英単語の数、日本語から英語への翻訳では原文の日本語の文字数を単位にすることが多いです。同じ分量でも、専門の分野の文書、急ぎの納期、読みにくい手書きの原稿などは、報酬が高く設定される傾向があります。見積もりを出すときは、分量の数え方(図表の中の文字を含めるか、繰り返しの文をどう数えるか)を依頼主と確かめておきます。

通訳の報酬は、時間を単位にするのが一般的です。オンライン通訳でも、最低何時間分の報酬が払われるか、予定より延びた場合はどうなるか、直前に取り消された場合のキャンセル料はあるかを確かめておきます。通訳は事前の準備(資料を読み、用語を調べる時間)が欠かせないので、準備の時間を報酬にどう含めるかも話し合っておくとよいです。

英語の講師の報酬は、1回のレッスンの時間を単位にすることが多いです。自分で生徒を集める場合は、料金のほかに、教材の費用、キャンセルの期限、振替の決まりを決めておきます。

AIの翻訳の手直しの報酬は、ゼロから訳す翻訳より低く設定されることが多いため、作業の量と時間を見積もって、時間あたりの収入が自分の目安を下回らないかを確かめてから受けることが大切です。

資格の点数だけでは仕事が決まらない理由

ここまで見てきたように、英語の仕事では、資格の点数は応募の目安で、仕事を任されるかどうかは別の要素で決まることが多いです。その理由を整理します。

1つ目は、仕事で求められる力が、試験で測る力と一致しないことです。翻訳では日本語の書く力と調べる力が、通訳ではとっさに話す力が、校正では細部の誤りに気づく注意力が求められ、これらは試験の点数には表れにくい力です。

2つ目は、依頼主が見たいのは「この人に任せて大丈夫か」だということです。依頼主は、過去の仕事の例、トライアルの結果、得意な分野、締め切りを守れるかを見て判断します。資格の点数は、その判断の材料の1つにすぎません。

3つ目は、英語の仕事には、英検1級やTOEIC900点の人が多く応募することです。点数だけでは他の応募者と差が付きにくく、専門の分野の知識や、実績の示し方で差が付きます。

差を付けるための準備

英語の資格を持つ人が仕事で差を付けるには、次のような準備が役立ちます。

  • 得意な分野を1つか2つ決め、その分野の用語と文書の書き方を学ぶ
  • 訳した文章の見本(自分で原文を選んで訳したもの)を用意する
  • 翻訳の支援ツール(訳した文と原文を対で保存して再利用する道具)の使い方を覚える
  • 前職の経験(法務、経理、医療、IT など)を英語の仕事と結び付けて示す

特に前職の経験は、強い武器になります。たとえば、経理の仕事をしていた人は財務の文書の翻訳で、医療の現場にいた人は医療の文書の翻訳や医療通訳で、その知識を生かせます。医療とITの両方の知識を生かす働き方としては、医療系ITコンサルタントへの道|電子カルテ導入支援の仕事【2026年版】のように、専門の知識を組み合わせた仕事もあります。

翻訳の力を伸ばす練習の進め方

英検1級やTOEIC900点の英語力があっても、翻訳の仕事で通用する訳文を書けるようになるには、翻訳そのものの練習が必要です。独学で進めるときの手順を紹介します。

  1. 得意な分野の英語の文書を選ぶ。企業の年次報告書、製品の説明書、公的機関の英語のページなど、実際に翻訳の仕事で扱われる種類の文書が向いている
  2. 時間を計って訳す。仕事では納期があるので、どのくらいの分量をどのくらいの時間で訳せるかを知っておく
  3. 1日置いてから、日本語だけを読み直す。原文を見ずに読んで、不自然なところ、意味が通らないところに印を付ける
  4. 原文と見比べて、訳し漏れや誤訳がないかを確かめる
  5. 同じ分野の日本語の文書を読み、その分野で実際に使われている言い回しと比べる

この練習で大切なのは、3つ目の「日本語だけを読み直す」段階です。原文を見ながら読むと、英語の意味で頭の中が補われてしまい、日本語の不自然さに気づけません。原文を知らない読者の立場で読むことで、訳文の質が上がります。

公的機関の英語のページは、同じ内容の日本語のページが用意されていることが多く、練習の題材として使いやすいです。自分の訳と公式の日本語を比べると、専門の用語の訳し方や、文の組み立て方の違いが分かります。ただし、練習で訳した文章を自分の作品として公開するときは、原文の著作権に気をつけ、公開してよい題材かを確かめてください。

英語力を保つための習慣

英検1級やTOEIC900点を取ったあと、英語に触れる機会が減ると、英語力は少しずつ落ちていきます。仕事で英語を使い続けるために、日々の習慣を作っておくことが大切です。

  • 毎日、英語のニュースや専門の分野の記事を読む。仕事で扱う分野の新しい用語に触れておく
  • 英語の音声を聞き、聞いた内容を口に出して言い直す。通訳の仕事を目指す人には特に役立つ
  • 英語で短い文章を書く。日記や、読んだ記事の要約など、毎日数行でもよい
  • 分野ごとの用語集を自分で作る。仕事で調べた用語を記録しておくと、次の仕事が早くなる

在宅で働く人は、生活の中で英語を話す機会が少なくなりがちです。オンラインの英会話のレッスンを受けたり、英語の勉強会に参加したりして、話す機会を意識して作ることも、英語力を保つための工夫になります。

会社の中で英語を活かす道もある

在宅で業務委託の仕事を受けるだけが、英語力を活かす道ではありません。会社に勤めながら英語を使う仕事に移る方法もあります。海外営業、貿易事務、海外の取引先との調整、外資系企業の秘書、社内の翻訳の担当などがあり、在宅勤務を取り入れている会社も増えています。

会社の中で英語を使う仕事では、英語力に加えて、その会社の商品や業界の知識、社内の調整の力が求められます。英語ができることを入り口に、業界の知識を深めていけば、将来、その分野の翻訳者や通訳者として独立する道も開けます。会社で経験を積みながら、副業で翻訳の仕事を少しずつ受けて実績を作る人もいます。その場合は、勤め先の就業規則で副業が認められているかを、始める前に確かめておきます。

仕事を受けるときに確かめること

在宅で翻訳や通訳の仕事を受けるときは、仕事を始める前に、次の点を確かめておきます。

  • 仕事の範囲(翻訳だけか、校正や用語の整理も含むか)
  • 報酬の決め方(文字数や単語数、時間、1件あたり)と金額
  • 納期と、修正の回数の上限
  • 用語や表記の決まりがあるか
  • 秘密の保持の決まり(訳した内容を外に漏らさない約束)
  • 報酬の支払日と方法

フリーランスとして仕事を受ける人を守るために、2024年11月1日に「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス・事業者間取引適正化等法)が施行されました。この法律では、フリーランスに仕事を頼む事業者に、取引の条件を明示すること、成果物を受け取った日から原則として60日以内に報酬を払うことなどが義務づけられています。法律の内容は、厚生労働省のフリーランス・事業者間取引適正化等法のページで確かめられます。条件があいまいなまま仕事を始めると、後で揉める原因になるので、文書で残しておくことが大切です。

お金を先に払わせる勧誘に注意

「英語力を活かせる在宅の仕事を紹介する」と言って、登録料や教材費、翻訳の講座の受講料を先に払わせる勧誘には注意が必要です。仕事の紹介を理由に講座や教材の代金を払わせる取引は、特定商取引法で決まりが定められていて、クーリング・オフの対象にもなります。困ったときは、消費者ホットライン(188)で最寄りの消費生活センターに相談できます。

税金と働き方の注意

在宅で翻訳や通訳の仕事を業務委託で受ける場合、受け取る報酬は給与ではなく、事業や副業の収入として扱われます。会社員の副業の場合、給与以外の所得の合計が20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になります。20万円以下でも住民税の申告が別に必要になることがあります。個別の扱いは収入の状況によって変わるので、住所地の市区町村や税務署で確かめてください。

会社員が副業で英語の仕事を受ける場合は、勤め先の就業規則で副業が認められているかを確かめます。本業で知った取引先の情報や社内の資料を、副業の翻訳の練習や見本に使うことは、秘密の保持の点から避けるべきです。

運営者として見てきた、英語の仕事が続く人の共通点

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、英語の仕事を長く続けている人には共通点があります。それは、英語の力を「専門の分野の知識」と組み合わせていることです。英語ができる人は多くても、特定の分野の文書を正確に、読みやすく訳せる人は限られます。依頼主は、その分野を分かっている翻訳者に繰り返し仕事を頼む傾向があり、一度信頼を得ると継続の依頼につながりやすくなります。

もう1つの共通点は、依頼主と直接やり取りして、用語の決まりや文書の目的を確かめながら仕事を進めていることです。翻訳の質は、依頼主が何のためにその文書を使うのかを知っているかどうかで大きく変わります。仲介の手数料が差し引かれない形で直接取引できると、同じ報酬でも手元に残る金額が厚くなり、依頼する側も同じ予算で多くの文書を頼めます。手数料0%で直接取引できる場を使えば、こうした双方が得をする関係を作りやすくなります。

英語の仕事の中には、AIの活用の支援のように、英語の資料を読みこなす力が生きる新しい仕事もあります。海外の最新の情報を読み、企業にAIの使い方を提案する仕事については、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で仕事の内容と求められる力がまとめられています。英検1級やTOEIC900点は、こうした仕事に進むための強い土台です。資格を取ったところで満足せず、どの分野で、どんな形で英語を使うかを決めて、小さな仕事から実績を積み上げていくことが、英語力を収入につなげる確かな道です。

よくある質問

Q. 英検1級やTOEIC900点があれば翻訳の仕事はすぐに受けられますか?

資格は応募の目安を満たす水準ですが、すぐに仕事が決まるとは限りません。翻訳会社の多くは、トライアルと呼ばれる採用の試験を課し、英語の理解の正確さに加えて、日本語として読みやすいか、用語を正しく調べて使えているかを見ます。得意な分野を決め、訳文の見本を用意して応募すると、仕事につながりやすくなります。

Q. 英検1級を持っていると全国通訳案内士試験で何が免除されますか?

観光庁の試験のガイドラインでは、英検1級に合格した人が英語で全国通訳案内士試験を受ける場合、外国語筆記試験(英語)が免除されると定められています。TOEICの場合は、公開テストのListening & Reading Testで900点以上などの条件があり、点数を取った年度か翌年度の試験に限られます。日本地理などの筆記試験と口述試験は受ける必要があります。

Q. 在宅でできる通訳の仕事にはどんなものがありますか?

ビデオ会議や電話を使ったオンライン通訳があります。海外の取引先との商談、オンラインの面接、社内の会議の通訳のほか、外国人の患者が受診する医療機関での医療通訳の需要も伸びています。オンラインの商談や面談では、話し手が区切りながら話し、その合間に訳す逐次通訳が多く使われます。

Q. AIの翻訳が広がると英語の仕事はなくなりますか?

AIの翻訳の精度は上がっていますが、専門の用語の誤りや文脈の読み違い、不自然な言い回しは今も残ります。機械が訳した文章を人が確かめて直す仕事が増えており、原文と訳文を見比べて誤りを見つける力が求められます。AIの道具を使いこなしながら、専門の分野の知識を組み合わせることが、これからの英語の仕事では重要になります。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年9月13日最終更新:2026年10月16日
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