ドッグアドバイザー資格で受けられる仕事|学ぶ内容と自宅での生かし方


この記事のポイント
- ✓ドッグアドバイザー資格で受けられる仕事を
- ✓資格の種類(通信講座型
- ✓費用の目安から整理しました
ドッグアドバイザー資格について調べている人の多くは、「愛犬のために正しい知識を身につけたい」「犬の知識を生かして、自宅で何か仕事ができないか」と考えています。結論から書くと、ドッグアドバイザーと名の付く資格は、すべて民間の団体や講座が認定するもので、国家資格ではありません。通信講座で課題を出して取れるもの、団体の試験に合格して取れるもの、長い養成課程を経て取れるものがあり、資格の名前が似ていても、学ぶ内容と取得の難しさは大きく違います。
資格を取ったあとの生かし方も、資格の種類より、何を仕事にするかで決まります。飼い主への助言や記事の執筆のように資格がなくてもできる仕事がある一方で、ペットシッターや出張訓練のように、資格とは別に法律上の登録が必要になる仕事もあります。この記事では、ドッグアドバイザー資格の種類と学ぶ内容、費用の目安を整理したうえで、受けられる仕事と自宅での生かし方、仕事にするときに必ず押さえる法律の線引きを書きます。法律の内容は、環境省のページと法令の条文で確かめたものです。
ドッグアドバイザー資格とは何か
ドッグアドバイザーという名前の資格は、犬の飼い方、しつけ、健康管理などについて、飼い主に助言できる知識を持っていることを示すために、民間の団体や講座が設けている資格です。
法律で決まった資格ではない
犬のしつけや飼い方の助言を仕事にするのに、法律で必要とされる国家資格はありません。獣医師や愛玩動物看護師は国家資格ですが、これらは動物の診療や診療の補助に関わる資格です。ドッグアドバイザーの資格は、それとは別の、知識を学んだことを示す民間の資格と考えてください。
民間の資格であるということは、資格の名前だけで中身を判断できないということでもあります。同じような名前でも、数週間の通信講座で取れるものから、数年かけて実技を積むものまであります。
名前がよく似た資格が多い
ドッグトレーニングアドバイザー、犬の飼育管理アドバイザー、愛犬しつけアドバイザーなど、似た名前の資格がいくつもあります。検索で出てくる情報は、資格を実施する団体のものと、その資格に対応した講座を売る会社のものが混ざっています。講座を申し込む前に、資格を認定しているのはどの団体か、講座の会社とどういう関係なのかを確かめておくと、後で迷いません。
資格の3つの型
ドッグアドバイザーの資格は、取り方で大きく3つの型に分けられます。
| 型 | 取り方 | 期間の目安 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 通信講座型 | テキストで学び、課題を提出して在宅で試験を受ける | 数か月 | 愛犬のために知識を体系的に学びたい人 |
| 団体の試験型 | 団体の会員になり、講義のあと筆記試験を受ける | 1日から | 犬の競技や団体の活動にも関わりたい人 |
| 養成課程型 | 講義と実技を長期間積み、面接や実技の試験を受ける | 2年ほど | 飼い主を指導する仕事を本格的に目指す人 |
通信講座型の例
通信講座型の代表的な例が、日本生活環境支援協会のドッグトレーニングアドバイザーです。この資格に対応した講座を開いている諒設計アーキテクトラーニングのページによると、試験の受験料は10,000円(税込)、試験は在宅で受け、期日までに解答用紙を提出する形で、合格基準は70%以上の正答率です。同社は講座の料金を、基本講座59,800円、試験が免除になるスペシャル講座79,800円と示しています。講座の会社は、次のように案内しています。
諒(りょう)設計アーキテクトラーニングのスペシャル講座なら、「ドッグトレーニングアドバイザー」と「犬のしつけインストラクター」の2資格を家にいながら、オンライン講座なら1ヶ月、紙教材なら2ヶ月で課題を提出するだけで100%資格取得できます。 出典: designlearn.co.jp
自宅で、短い期間で取れるのが通信講座型の特徴です。一方で、実際の犬や飼い主を相手にした実技の練習は含まれていません。知識の土台を作るには向いていますが、この資格だけで飼い主を指導する仕事を始めるのは難しいと考えておきましょう。
通信講座型を選ぶときは、テキストの内容が誰の監修によるものか、法律の記述がいつ時点のものかも確かめておくと安心です。講座のページに書かれた合格率や取得までの期間は、講座の会社が自社で調べた数字であることが多いので、そのまま受け取らず、試験の形と合格の基準を自分の目で確かめてから申し込んでください。
団体の試験型の例
団体の試験型の例が、NPO法人オプデス(犬の総合教育社会化推進機構)の「犬の飼育管理アドバイザー」です。オプデスの説明では、犬の飼育と管理に関する助言を行ううえで必要な基礎知識を持つと認定された人に与えられる資格で、18歳以上65歳以下のオプデスの会員なら受験できます。試験問題は、犬の健康管理、犬の生態、犬の飼育に関わる法律から出題され、試験の当日にこれらの範囲の講義を受けたあと、筆記試験を行う形です。受験料は5,000円で、別に受講料5,000円がかかります。
オプデスは、アジリティやオビディエンスといった犬の競技会も開いている団体です。犬との競技や、団体の活動に関わりたい人にとっては、入り口になる資格です。同じ団体では、ドッグトレーナーやプロフェッショナルドッグトレーナーといった上位の資格も設けられていて、受験には別の書類や条件が求められます。飼育管理の基礎から始めて、段階を踏んで上の資格を目指せる仕組みになっています。
養成課程型の例
養成課程型の例が、公益社団法人日本動物病院協会(JAHA)の家庭犬しつけインストラクターです。オンラインのベーシックコースから始め、講義と実技を合わせて2年ほどかけて学び、面接、筆記、実技の認定試験に合格すると認定されます。ベーシックコースの受講料は一般で26,400円で、ここだけを受けて犬の基本を学ぶこともできます。飼い主を指導する仕事を本格的に目指すなら、この型が近道になります。
ドッグアドバイザー資格で学ぶ内容
資格によって細部は違いますが、ドッグアドバイザーの資格で学ぶ内容は、おおむね次の分野に分かれます。
犬の行動としつけ
犬がどのように行動を覚えるか、困った行動にはどんな理由があるか、ほめて望ましい行動を増やすにはどうすればよいか、といった内容です。吠える、かむ、引っ張る、といった飼い主の悩みに、理由から考えて助言できるようになることが目標です。
健康管理
食事、運動、手入れ、ワクチン、年齢に応じた体の変化など、犬の健康を守るための基本です。病気の兆しに気づき、早めに動物病院の受診をすすめられることが大切です。病気を診断したり、治療の方法を決めたりするのは獣医師の仕事なので、助言はあくまで受診をすすめるところまでです。
犬に関わる法律
犬を飼う人が守る法律の基本も、学ぶ内容に含まれます。代表的なものを挙げます。
・狂犬病予防法:犬の所有者は、犬を取得した日(生後90日以内の犬なら生後90日を過ぎた日)から30日以内に市町村に登録を申請し、狂犬病の予防注射を毎年1回受けさせる ・動物愛護管理法:動物を適正に飼う責任、虐待や遺棄の禁止、動物を扱う事業者の登録の決まりなど
飼い主から「登録や注射は必要なのか」と聞かれたときに、条文に沿って正しく答えられることは、アドバイザーとして信頼される条件の1つです。
犬を迎える前後の手続きを説明できるようにする
ドッグアドバイザーとして最初に頼られやすいのが、犬を迎えたばかりの飼い主からの「何の手続きが必要なのか」という質問です。法律で決まっている手続きを、順番に説明できるようにしておきます。
マイクロチップの登録
動物愛護管理法の第39条の2は、犬や猫を販売する事業者に、取得した犬や猫へのマイクロチップの装着を義務づけています。マイクロチップとは、動物の体内に埋め込む小さな電子標識で、専用の読み取り機で番号を読み取ると、登録された飼い主の情報が分かる仕組みです。
ペットショップやブリーダーからマイクロチップの付いた犬を迎えた飼い主は、同法の第39条の6により、取得した日から30日を経過する日までに、環境大臣の登録の変更を受ける必要があります。つまり、マイクロチップの情報を、販売した事業者から自分の名前に書き換える手続きです。
狂犬病予防法の登録と予防注射
狂犬病予防法の第4条は、犬の所有者に、犬を取得した日(生後90日以内の犬なら生後90日を過ぎた日)から30日以内に、市町村に犬の登録を申請することを求めています。第5条は、狂犬病の予防注射を毎年1回受けさせることを求めています。
動物愛護管理法の第39条の7には、狂犬病予防法の特例が設けられていて、市町村によっては、マイクロチップの登録や変更登録を受けると、狂犬病予防法の登録を受けたものとみなされる仕組みがあります。自分の住む市町村がこの特例に参加しているかは、市町村の案内で確かめるよう飼い主に伝えます。
説明するときの注意
手続きの細部や手数料は、市町村ごとに違います。アドバイザーとして伝えるのは手続きの全体像までにとどめ、具体的な窓口と手数料は、飼い主の住む市町村で確かめるよう案内するのが確実です。
飼い主のよくある悩みに答える
ドッグアドバイザーの資格で学ぶ知識が、実際にどのような場面で役立つかを、飼い主のよくある悩みを例に示します。ここで挙げるのは一般的な考え方で、犬の性格や環境によって合う方法は変わります。
子犬の甘がみ
子犬が人の手をかむのは、遊びや歯の生え変わりに伴う自然な行動です。叱って止めようとすると、かえって興奮させることがあります。かんでよいおもちゃを与え、人の手をかんだら遊びをいったん止める、という対応を続けると、人の手はかむものではないと覚えていきます。
散歩での引っ張り
リードを引っ張って歩く犬は、引っ張ると前に進めた経験を重ねています。引っ張ったら立ち止まり、リードが緩んだら歩き出す、という対応を根気よく続けると、緩んだリードで歩くほうが得だと覚えていきます。散歩の前に家の中で少し遊んで、気持ちを落ち着かせてから出かけるのも効果的です。
留守番のときの吠え
留守番のときに吠え続ける犬は、退屈や不安を感じていることがあります。短い時間の留守番から少しずつ慣らす、知育玩具で一人の時間を楽しめるようにする、出かける前と帰ったあとに大げさに構わない、といった工夫が考えられます。吠えが急に激しくなった、体を傷つけるほどだ、という場合は、体の不調や強い不安が隠れていることもあるので、動物病院への相談をすすめます。
来客への吠え
来客に吠える犬には、来客が来たら決まった場所に行くことを教える、来客に犬を無理に触らせない、といった対応があります。吠えている犬を叱ると、犬にとっては飼い主も一緒に吠えているように感じられることがあります。落ち着いたときにほめることを繰り返すほうが、効果が出やすくなります。
助言の線を守る
こうした悩みに答えるときも、食欲がない、急にやせた、触ると痛がる、といった体の変化が絡む場合は、しつけの問題として扱わず、動物病院の受診をすすめます。この線を守ることが、ドッグアドバイザーとして長く信頼される条件です。
費用の目安を比べる
ここまでに挙げた例を、資格を取るまでの費用で比べると次のようになります。金額は、それぞれの団体や講座の会社のページに載っているものです。
| 資格の例 | 主な費用 |
|---|---|
| ドッグトレーニングアドバイザー(通信講座型) | 受験料10,000円(講座を使う場合は別に受講料) |
| 犬の飼育管理アドバイザー(団体の試験型) | 受験料5,000円、受講料5,000円、団体の会費 |
| 家庭犬しつけインストラクター(養成課程型) | ベーシックコース26,400円から、全課程と試験で70万円を超える |
費用だけを見ると通信講座型や団体の試験型が手軽ですが、資格で何をしたいかによって、見合う投資は変わります。愛犬のために学ぶなら手軽な型で十分です。飼い主を指導する仕事にするなら、実技を積める型を選ぶ価値があります。
資格の勉強の進め方
通信講座型でも団体の試験型でも、資格の勉強で身につけた知識を本当に使えるものにするには、進め方に工夫が要ります。
テキストを読むだけで終わらせない
テキストを読み終えたら、学んだ内容を自分の犬や身近な犬の様子に当てはめて考えます。たとえば「犬のボディランゲージ」を学んだら、散歩で出会う犬のしっぽや耳、体の向きを観察し、どんな気持ちのときかを考えてみます。知識と実際の犬の様子が結びつくと、記憶に残りやすくなります。
法律は条文で確かめる
犬に関わる法律は、改正されることがあります。テキストに書かれた内容が、今の条文と同じかどうかを、e-Govの法令検索で確かめる習慣をつけておくと、古い情報を人に伝えてしまう失敗を防げます。
分からないことを書き出す
勉強しながら、テキストだけでは分からなかったことを書き出しておきます。通信講座の質問の仕組みや、団体の講義の場で質問すると、理解が深まります。分からないまま進めると、飼い主から同じことを聞かれたときに答えられません。
ドッグアドバイザー資格で受けられる仕事
ここからは、ドッグアドバイザー資格を生かして受けられる仕事を、法律の登録が要らないものと要るものに分けて整理します。
登録が要らない仕事
次のような仕事は、犬を預かったり訓練したりしないので、第一種動物取扱業の登録が要らない形で行えます。
・犬の飼い方やしつけに関する記事の執筆 ・ペット用品の会社向けの、商品説明や飼い方の資料の作成 ・飼い主向けのオンライン講座や勉強会の講師 ・ペットショップや動物病院で、勤め先の業務の一部として飼い主の相談に乗ること
ただし、飼い主の相談に乗る形の仕事でも、体調の異変については診断や治療にあたる助言をせず、動物病院の受診をすすめる線を守ってください。獣医師でない人が、飼育動物の診療を業として行うことは、獣医師法で禁じられています。
登録が必要な仕事
動物愛護管理法の第10条は、動物の販売、保管、貸出し、訓練、展示などを業として行う人に、都道府県知事などの登録を受けることを求めています。環境省は、次のように説明しています。
業として、動物の販売、保管、貸出し、訓練、展示、競りあっせん、譲受飼養を営利目的で行う場合は、営業を始めるに当たって登録をしなくてはなりません。代理販売やペットシッター、出張訓練などのように、動物の所有や飼養施設がない場合も、規制の対象になります。 出典: env.go.jp
飼い主の留守中に世話をするペットシッターは「保管」、飼い主の家に出向いて犬を訓練する出張訓練は「訓練」にあたります。自宅で犬を預かるペットホテルも「保管」です。登録を受けずに営業すると、同法の第46条により100万円以下の罰金の対象になります。登録は5年ごとに更新が必要です(同法の第13条)。
ドッグアドバイザーの資格を取ったからといって、この登録が要らなくなるわけではありません。資格と登録は、まったく別のものです。
動物取扱責任者の要件と資格の関係
第一種動物取扱業の登録を受けるには、事業所ごとに動物取扱責任者を選任する必要があります。ひとりで営業するなら、自分が動物取扱責任者になります。ここで、民間の資格が意味を持つ場面があります。
要件の中身
動物愛護管理法の施行規則の第9条は、動物取扱責任者の要件として、次のいずれかを満たすことを求めています。
・獣医師の免許を持っていること ・愛玩動物看護師の免許を持っていること ・営もうとする業種の半年以上の実務経験(常勤の職員として)か、1年以上の飼養の経験があり、その業種の知識と技術を1年以上教える学校などを卒業していること ・同じく半年以上の実務経験か1年以上の飼養の経験があり、公平性と専門性を持った団体が行う客観的な試験によって、その業種の知識と技術を身につけていることの証明を得ていること
民間資格で要件を満たせるか
4つ目の要件は、「公平性と専門性を持った団体が行う客観的な試験」による証明です。ドッグアドバイザーの資格がこれに当たるかどうかは、登録先の自治体が判断します。自治体によっては、要件として認める資格の考え方を示していることもあります。
講座の宣伝文だけを見て「この資格で動物取扱責任者になれる」と考えるのは危険です。登録を考えているなら、受講を申し込む前に、事業所を置く予定の自治体の動物愛護の担当部署に資格名を伝え、要件に当たるかどうかを確かめてください。実務経験か飼養の経験の期間も、あわせて満たしている必要があります。
実務経験の積み方
半年以上の実務経験は、常勤の職員として在職した経験に限られています。ペットショップやペットホテル、しつけ教室などで常勤として働いた経験が、これに当たります。将来、自分で登録を受けて独立したいなら、資格の勉強と並行して、こうした職場で経験を積む計画を立てておくと遠回りになりません。
自宅での生かし方
ドッグアドバイザーの資格は、仕事にしなくても、自宅で生かせる場面が多くあります。
愛犬との暮らしを見直す
最も身近な生かし方は、自分の犬との暮らしを見直すことです。食事の量と内容、散歩の時間、留守番のさせ方、困った行動への接し方を、学んだ知識に照らして見直すと、犬も飼い主も過ごしやすくなります。資格の勉強を始めたきっかけが愛犬だという人は多く、それ自体が十分な成果です。
家族や知人への助言
家族や知人が犬を迎えたときに、登録や予防注射の手続き、最初の数週間の過ごし方、しつけの始め方を伝えることができます。犬を迎える前の段階で、住まいの環境が犬に合っているか、家族の誰が散歩や世話を担うのか、留守にする時間はどのくらいか、といった点を一緒に考えるのも大切な助言です。迎えてから困るより、迎える前に準備を整えるほうが、犬にも人にも負担が少なくて済みます。無料の助言でも、根拠のある情報を伝えられると、相手の犬の暮らしが大きく変わります。
地域の活動に参加する
自治体の動物愛護センターや地域の団体が開く、飼い方教室や譲渡会の手伝いに参加する道もあります。保護犬の譲渡会では、新しい飼い主に犬の特徴や接し方を説明する役割で、学んだ知識が生きます。
在宅の仕事につなげる
犬の知識を、在宅で受ける仕事につなげる方法もあります。ペット関連のWebメディアや企業のブログでは、飼い方やしつけの記事を正確に書ける書き手が求められています。資格は、書き手としての専門性を示す材料の1つになります。
オンラインで相談を受けるときの注意
自宅でできる仕事として、オンラインで飼い主の相談を受ける形を考える人もいます。犬を預からず、訓練もしない相談だけなら、第一種動物取扱業の登録が要らない形で行えますが、いくつか注意点があります。
相談の範囲を最初に示す
相談を受ける前に、相談できる内容とできない内容を、申し込みのページに明記します。飼い方やしつけの一般的な考え方は相談できること、病気やけがの診断と治療の助言はできないことを、はっきり書いておきます。
記録と個人情報
相談の内容と助言した内容を記録しておくと、後で同じ飼い主から相談を受けたときに役立ちます。記録には飼い主の名前や連絡先、犬の健康の情報が含まれるので、保存する場所を決め、目的の外で使わないように管理します。
料金と返金の決まり
料金、支払いの方法、キャンセルや返金の扱いを、事前に決めて示します。ネットで有料の相談を受ける場合は、特定商取引法の表示の決まりも関わるので、消費者庁の案内を読んでおきましょう。
成果を約束しない
しつけの成果は、犬の性格や飼い主の練習で変わります。「必ず直る」といった約束はせず、助言の内容と、家で続けてほしい練習を丁寧に伝えることに力を注ぎます。
会社員が副業で始める場合
会社に勤めながら、犬の知識を生かした副業を始める場合に確かめておきたいことを挙げます。
勤め先の規則
勤め先の就業規則で、副業がどう扱われているかを確かめます。届出や許可が必要な会社もあります。
時間の使い方
記事の執筆や資料の作成は、平日の夜や週末に進めやすい仕事です。オンライン相談は相手の都合に合わせる必要があるので、受け付ける曜日と時間を決めておくと、本業と両立しやすくなります。
申告
副業で収入が出たら、所得の申告も必要になります。給与を受けている会社員の場合、給与以外の所得の合計が年間20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。講座の受講料など経費の扱いは、国税庁の案内を読み、迷うものは税務署に確認してください。
ペット関連の職場で資格を生かす
自分で事業を始めるのではなく、ペット関連の職場に勤めて資格を生かす道もあります。勤め先が第一種動物取扱業の登録を受けていれば、自分で登録の手続きをする必要はありません。
ペットショップ
ペットショップでは、犬を迎える人に、飼い方や必要な手続き、迎えたあとの過ごし方を説明する場面が多くあります。動物愛護管理法は、犬や猫を販売するときに、購入者に対面で飼い方などを説明することを販売業者に求めています。ドッグアドバイザーの資格で学んだ知識は、こうした説明の質を高めるのに役立ちます。
ペットホテルやトリミングサロン
犬を預かる仕事では、犬の様子の変化に気づく観察力が欠かせません。いつもより元気がない、食べ残しが多い、といった変化を飼い主に正確に伝えられると、信頼につながります。トリミングの最中に犬が落ち着かないときも、行動の知識があれば、無理をさせずに対応できます。
実務経験を積む場として
前の節で書いたとおり、動物取扱責任者の要件には、常勤の職員としての半年以上の実務経験が含まれます。将来、自分で登録を受けて独立したいと考えているなら、こうした職場で常勤として働く期間が、そのまま要件を満たすための準備になります。資格の勉強と職場での経験を組み合わせると、独立までの道のりが具体的に見えてきます。
資格を取ったあとも学び続ける
犬の行動やしつけの考え方は、研究とともに更新されていきます。以前は当たり前とされていた方法が、今では犬に負担をかけるとして見直されている例もあります。資格を取った時点の知識のまま助言を続けると、気づかないうちに古い情報を伝えてしまうことがあります。
団体のセミナーや勉強会に参加する、獣医師や経験のあるトレーナーが書いた本を読む、自治体の動物愛護センターの講習会に参加する、といった形で、学び続ける習慣を持っておきましょう。法律も改正されることがあるので、犬に関わる法律の条文は、ときどきe-Govで確かめ直してください。
資格を選ぶときに確かめること
最後に、ドッグアドバイザー資格を選ぶときに確かめておきたい点をまとめます。
認定している団体と講座の関係
資格を認定しているのはどの団体か、その団体はどんな活動をしているかを確かめます。講座を売る会社と、資格を認定する団体が別の場合も多いので、両方の情報を見比べてください。
試験の形と合格の基準
在宅で受ける試験なのか、会場で受ける試験なのか、実技はあるのか、合格の基準は何かを確かめます。「必ず取れる」とうたう講座は、取りやすさの面では魅力ですが、その分、資格が示す力の範囲も限られます。自分が資格に何を求めるのかと照らし合わせて選びましょう。
取ったあとに何がしたいか
愛犬のためか、知人への助言か、記事の執筆か、ペットシッターや出張訓練として独立することか。目指す先によって、選ぶべき資格は変わります。独立を考えているなら、前の節で書いた動物取扱責任者の要件と、実務経験の積み方まで含めて計画してください。
運営者の視点:資格は「名乗るため」より「説明できるため」に使う
在宅ワークの仲介を20年にわたって運営してきた立場から見ると、民間資格を仕事に生かしている人には共通点があります。資格の名前を前に出すより、その資格で学んだ内容を、相手に分かる言葉で説明できる点です。依頼する側は、資格名そのものより、「この人に聞けば根拠のある答えが返ってくる」という安心感で相手を選んでいます。
依頼する側と受ける側が直接やり取りし、間に余分な仲介料が入らない取引では、同じ予算で依頼者はより多くを頼め、受ける側の手取りも厚くなります。記事の執筆や資料の作成のように、知識の確かさが成果物の質を決める仕事では、この関係が双方にとって長続きの理由になります。
犬の知識を文章の仕事に生かす
犬の知識を生かして記事を書く仕事を始めるなら、まず実績の見せ方を整えます。Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】では、実績の並べ方と構成の例を紹介しています。専門分野を持つことで単価がどう変わるかは、Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】が参考になります。
飼い主向けの説明資料や講座のテキストを作る仕事では、正確で読みやすい文書を書く力が求められます。ビジネス文書検定は、社外向けの文書の書き方を体系的に学べる検定です。ペット関連の情報発信やSNSの運用まで手がけたいなら、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、マーケティングの仕事の中身を確かめておくと、仕事の幅を広げる手がかりになります。
ドッグアドバイザー資格は、何をしたいかを先に決めれば、自分に合うものを選びやすくなります。資格の名前の似かたに惑わされず、認定する団体、試験の形、取ったあとにできることの3点を比べてください。まずは愛犬との暮らしの中で知識を使ってみて、そのうえで仕事にしたい形が見えてきたら、必要な登録と実務経験の計画を立ててください。
よくある質問
Q. ドッグアドバイザー資格は国家資格ですか?
国家資格ではありません。ドッグアドバイザーと名の付く資格は、民間の団体や講座が認定するものです。犬のしつけや飼い方の助言を仕事にするのに、法律で必要な国家資格はありません。ただし、ペットシッターや出張訓練などを業として行うには、資格とは別に、動物愛護管理法に基づく第一種動物取扱業の登録が必要です。
Q. ドッグアドバイザー資格の取得には、どのくらいの費用がかかりますか?
資格の型で大きく違います。通信講座型のドッグトレーニングアドバイザーは受験料10,000円(講座を使う場合は別に受講料)、団体の試験型の犬の飼育管理アドバイザーは受験料と受講料が各5,000円です。実技を積む養成課程型の家庭犬しつけインストラクターは、全課程と試験で70万円を超えます。
Q. ドッグアドバイザー資格があれば、ペットシッターを始められますか?
資格だけでは始められません。ペットシッターは動物愛護管理法でいう「保管」にあたり、第一種動物取扱業の登録が必要です。登録には動物取扱責任者の選任が必要で、民間の資格が要件に当たるかどうかは登録先の自治体が判断します。半年以上の実務経験か1年以上の飼養の経験も必要なので、事前に自治体へ確かめてください。
Q. ドッグアドバイザー資格は、自宅でどのように生かせますか?
愛犬の食事や運動、しつけを見直すこと、家族や知人が犬を迎えたときに登録や予防注射、しつけの始め方を伝えることに生かせます。地域の譲渡会や飼い方教室の手伝い、ペット関連の記事の執筆にもつなげられます。体調の異変については診断にあたる助言をせず、動物病院の受診をすすめる線を守ってください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
杉山 リュウ@SOHO編集部
フリーランスデータアナリスト
外資系コンサルでデータ分析を担当後、フリーランスに独立。Python・SQL・BIツールを駆使し、データ分析・BI・統計系の記事を執筆しています。
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