ディープラーニングG検定の学び方

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
ディープラーニングG検定の学び方

この記事のポイント

  • ✓ディープラーニングのG検定について
  • ✓主催団体が公開している試験形式
  • ✓出題範囲をもとに学び方を整理しました

ディープラーニングのG検定を受けようか迷っている。合格率が高いと聞くけれど、それなら受ける意味はあるのか。結論から書くと、G検定は技術を実装する力を測る試験ではなく、AIをどこにどう使えるかを判断する力を測る試験です。だから、エンジニアではない職種の人こそ効きます。この記事では、主催団体である一般社団法人日本ディープラーニング協会が公開している試験の形式、費用、出題範囲をもとに、独学で合格するまでの道筋を具体的に整理します。合格率の数字をどう読むべきかについても、正直なところを書きます。

G検定が測っているのは、実装ではなく判断

まず、この試験の位置づけをはっきりさせておきます。G検定とは、一般社団法人日本ディープラーニング協会が実施する、AIとディープラーニングの活用リテラシーを認定する検定試験です。同協会は試験の目的をこう説明しています。AIとディープラーニングについて体系的に学ぶことで、AIで何ができて何ができないのか、どこにAIを活用すればよいか、活用するためには何が必要かが理解できるようになる、というものです。

つまり、自分でモデルを組めるようになる試験ではありません。組む前の段階、つまり「この業務にAIを使うべきか」「使うなら何が必要か」を判断する側の知識を扱います。受験対象はAIとディープラーニングに関わるすべての人とされており、受験資格に制限はありません。

この位置づけを理解しないまま受けると、学習の方向を間違えます。数式を追おうとして挫折する人が出るのは、この試験が求めているものと勉強の仕方がずれているからです。

受験者層の広がりも、この性格をよく表しています。

AI・ディープラーニングは、これからのビジネスや、自身のキャリアを拡げるために必要なリスキリング領域であることから、G検定の受験者数は回を重ねるごとに増加しており、2023年に実施された第4回時点の累計受験者数は10万人以上に上ります。受験者は、ソフトウェア・情報系の方だけではありません。業種では、製造・金融・保険・不動産業、職種では、製造・営業・企画・マーケティング職などの受験者も増加しており、今後ますます資格取得ニーズの高まりが見込めます。 出典: scskserviceware.co.jp

営業や企画の職種が受けている試験だという点が、G検定の性格を端的に示しています。

試験の形式と費用を正確に押さえる

日本ディープラーニング協会の公式ページによると、2026年はオンライン試験が年6回、会場試験が年3回実施されます。直近の開催となる2026年の第6回は、オンライン試験が2026年11月6日の16時から17時40分と、11月7日の13時から14時40分の2日程です。個人の申込期間は2026年9月11日の13時から10月29日の23時59分までとなっています。

項目 オンライン試験 会場試験
試験時間 100分 120分
出題数 145問程度 145問程度
形式 知識問題(多肢選択式) 知識問題(多肢選択式)
受験場所 自宅受験 指定会場での受験
受験資格 制限なし 制限なし
受験費用(一般) 13,200円(税込) 13,200円(税込)
受験費用(学生) 5,500円(税込) 5,500円(税込)
割引制度 あり なし

注目してほしいのは、オンライン試験には各種割引制度があり、会場試験にはないという点です。オンライン試験の割引は2種類あります。

1つは再受験割引です。前回受験日から2年以内であれば、受験チケットを半額で購入できます。一般なら6,600円、学生なら2,750円です。合否通知メールで送られるクーポンコードを使います。ただし個人での申し込み時のみ有効で、団体経由では適用されません。

もう1つは、オンライン講座のAI For Everyoneの修了者向け割引です。受講修了証を提示すると30%引きになり、一般で9,240円、学生で3,850円になります。修了証の日付から2年以内という条件があり、クーポンの併用はできません。

なお、オンライン試験と会場試験は別のシステムで実施されるため、それぞれでアカウント登録が必要です。また、申し込んだあとにオンライン試験と会場試験を変更したり振り替えたりすることはできません。この点は申し込む前に決めておいてください。

合格率の数字をどう読むか

G検定は合格率が高い試験だと言われます。実際、日本ディープラーニング協会が2026年7月に発表した2026年第4回の結果は、9,241名が受験して7,677名が合格というものでした。単純に割ると約83%です。

この数字だけを見て「簡単な試験だ」と判断するのは、正直なところ早すぎます。理由は3つあります。

第1に、出題数と時間の関係です。オンライン試験は100分で145問程度。1問あたりに使える時間は41秒ほどしかありません。知らない問題を調べながら解く余裕は、ほとんどないと考えてください。

第2に、出題範囲の広さです。後述しますが、技術分野だけでなく法律と倫理の分野まで含まれます。個人情報保護法、著作権法、特許法、不正競争防止法、独占禁止法。これらの名前を見て内容が思い浮かばない人は、技術の勉強だけでは届きません。

第3に、受験者の性質です。受験料が13,200円かかり、申し込みから試験まで1か月以上あります。準備せずに記念受験する人が少ない試験なので、合格率は「準備した人の中での通過率」に近くなります。母集団が準備済みの人たちである以上、この83%という数字を「10人中8人は勉強しなくても受かる」と読むのは誤りです。

競合の解説記事でも、この点は指摘されています。合格率だけで難易度を判断しないことが、G検定の学習計画を立てるうえでの出発点になります。

出題範囲を10の塊で捉える

日本ディープラーニング協会は、試験範囲をシラバスとして公開しています。大きく技術分野と法律・倫理分野に分かれており、項目は次の10の塊に整理できます。

分野 項目 主な内容
技術 人工知能とは 人工知能の定義、議論される問題
技術 人工知能をめぐる動向 探索と推論、知識表現、エキスパートシステム、機械学習
技術 機械学習の概要 教師あり学習、教師なし学習、強化学習、モデルの選択と評価
技術 ディープラーニングの概要 ニューラルネットワーク、活性化関数、誤差関数、正則化、最適化手法
技術 ディープラーニングの要素技術 畳み込み層、プーリング層、スキップ結合、Attention、オートエンコーダ
技術 ディープラーニングの応用例 画像認識、自然言語処理、音声処理、深層強化学習、データ生成
技術 AIの社会実装に向けて AIプロジェクトの進め方、データの収集と加工
技術 AIに必要な数理・統計知識 基礎的な数理と統計の考え方
法律 AIに関する法律と契約 個人情報保護法、著作権法、特許法、不正競争防止法、独占禁止法、開発委託契約
倫理 AI倫理・AIガバナンス 国内外のガイドライン、プライバシー、公平性、安全性、透明性、労働政策

この表を見ると、技術分野が8つ、法律・倫理分野が2つという配分です。しかし、実際の学習時間の配分を技術8対法律2にするのは危険だと考えられます。理由は次の節で説明します。

なお、シラバスは改定されることがあります。同協会のページには、2024年の第6回から出題数が従来の200問程度から160問程度に変更されたという注記があり、直近の試験概要では145問程度と案内されています。教材を選ぶときは、どの時点のシラバスに対応しているかを必ず確認してください。古い教材で勉強すると、範囲外の論点に時間を使うことになります。

独学の分かれ目は、法律と倫理の分野にある

G検定を独学で受けた人の話を集めると、落ちる人と受かる人の差は技術分野ではなく法律と倫理の分野に出ています。

理由は単純です。技術分野は、用語と仕組みの対応を覚えれば点が取れます。畳み込み層が何をするか、Attentionがどういう発想かを理解すれば済む話です。一方、法律と倫理の分野は、用語を覚えただけでは答えられない問題が出ます。ある状況で何が問題になるかを判断する形式だからです。

たとえば、学習用のデータを集める場面を考えてみてください。著作物を学習に使ってよいのか、個人情報をどう扱うのか、他社の技術を再現した場合に何が問題になるのか。これらは法律ごとに考え方が違い、条文を丸暗記しても答えが出ません。

対策は2つあります。

1つ目は、法律ごとに「何を守るための法律か」を1文で言えるようにすることです。個人情報保護法は個人の情報を守るため、著作権法は表現を作った人の権利を守るため、不正競争防止法は事業者間の公正な競争を守るため。この1文が頭にあると、具体的な事例が出てきたときにどの法律の話かを見分けられます。

2つ目は、AI倫理のガイドラインに目を通しておくことです。公平性、透明性、安全性、プライバシー。これらの言葉が何を指しているかを、自分の言葉で説明できるようにしておいてください。丸暗記ではなく、身近な例に引き付けて理解するほうが記憶に残ります。

なお、法律や契約の個別の判断については、試験対策として理解することと、実務で判断することは別です。実際のAI開発やサービス提供で契約や権利処理が関わる場面では、扱いが事情によって変わりますので、弁護士など専門家に相談してください。試験で学ぶのは、相談すべき論点に気づけるようになるための土台です。

8週間で仕上げる学習計画

学習時間の目安は、前提知識によって大きく変わります。ここでは、AIの知識がほとんどない状態から始める場合の8週間の配分を示します。1日1時間、土日は2時間、週9時間を想定しています。

週 学習内容 この週の到達点
1週目 人工知能とは、人工知能をめぐる動向 AIの歴史と主要な出来事を順に説明できる
2週目 機械学習の概要 教師あり、教師なし、強化学習の違いを説明できる
3週目 ディープラーニングの概要 活性化関数と最適化手法の役割が分かる
4週目 ディープラーニングの要素技術 畳み込みとAttentionの発想を説明できる
5週目 ディープラーニングの応用例 画像、言語、音声の代表的な手法名が出てくる
6週目 AIの社会実装、数理と統計 AIプロジェクトの進め方を順に言える
7週目 法律と契約、AI倫理とガバナンス 法律ごとの守備範囲を1文で言える
8週目 模擬問題を時間内に3回 100分で145問を解き終える

この計画の要は、7週目にまるまる1週間を法律と倫理に充てていることです。技術分野の6週間に対して1週間は少なく見えますが、技術分野は他の週にも繰り返し出てくるのに対し、法律と倫理は独立した知識なので集中して詰めたほうが効率的です。

8週目の模擬問題は、必ず時間を計ってください。1問41秒というペースは、実際にやってみると想像以上に速く感じます。分からない問題に30秒以上かけると、後半で時間が足りなくなります。分からない問題は印を付けて飛ばし、最後に戻る。この判断を体に覚えさせるための週です。

日本ディープラーニング協会のサイトには例題と過去問が公開されており、試験範囲ごとに分かれています。どの分野の問題がどの形式で出るかを掴むために、学習の早い段階で一度目を通しておくことをおすすめします。詳しくはG検定の公式ページで確認できます。

教材の選び方と、無料で使える公式の資料

G検定の教材は、公式の推薦図書、市販の対策本、オンライン講座、そして無料の公式資料の4種類に分かれます。独学で進めるなら、次の順番が無駄がありません。

最初に手を付けるべきは、日本ディープラーニング協会が公開しているシラバスです。これは試験範囲を定めた公式の文書で、無料で入手できます。まずこれを印刷して、学習が進むたびに項目を消していく。この1枚があるだけで、自分が範囲のどこにいるかが常に分かります。

次に、公式ページに掲載されている例題と過去問です。分野ごとに分かれているので、各分野の学習が終わるたびにその分野の問題を解けば、理解の抜けがその場で見つかります。学習の最後にまとめて解くより、分野ごとに解くほうが効率的です。

3つ目が市販の対策本です。ここで気をつけたいのが、シラバスの改定への対応です。同協会のページには複数の版のシラバスが掲載されており、古いほうは過去の試験回に適用されたものです。対策本を買うときは、対応しているシラバスの版を必ず確認してください。数年前の版を安く買うと、出題されない論点に時間を使うことになります。

4つ目は、同協会が配布しているG検定の紹介資料です。学習方法、合格者アンケートの結果、キャリアアップ事例などがまとまっており、無料でダウンロードできます。どのくらいの時間をかけた人が受かっているのかを把握するのに役立ちます。

有料のオンライン講座については、法律と倫理の分野だけを扱うものがあれば検討の価値があります。技術分野は書籍でも独学しやすいのに対し、法律と倫理は解説があったほうが理解が速い領域だからです。全範囲を扱う講座を買うより、苦手な分野だけを補うほうが費用対効果は高くなります。

学習でつまずきやすい3つの箇所

G検定の学習で手が止まりやすい箇所は、だいたい決まっています。

1つ目は、AIの歴史です。第1次ブームから第3次ブームまでの流れ、それぞれのブームで何が期待され、何が限界だったのか。ここは年表として覚えようとすると苦痛ですが、「なぜそのブームは終わったのか」という因果で追うと記憶に残ります。探索と推論が実世界の問題に届かなかった、知識を人手で書き出すのに限界があった、という具合です。

2つ目は、手法の名前が大量に出てくる箇所です。ディープラーニングの要素技術と応用例の分野では、聞き慣れない名前が次々に登場します。ここで全部を同じ重さで覚えようとすると破綻します。「何を解決するために生まれた手法か」を1行で言えるかどうかだけを基準にしてください。細かい数式や構造は、この試験では問われにくい部分です。

3つ目は、数理と統計の分野です。数式が出てくると身構える人が多いのですが、G検定で問われるのは考え方の理解であって、計算そのものではありません。平均と分散が何を表すか、相関と因果がどう違うか、といった水準です。高校数学からやり直す必要はありません。

つまずいたときの対処として有効なのは、分からない箇所をその場で潰さず、印を付けて先に進むことです。後の分野を学ぶと前の分野の意味が分かる構造になっているため、2周目で自然に解決することが少なくありません。1周目で完璧を目指すと、8週間では終わりません。

オンライン試験ならではの注意点

G検定のオンライン試験は自宅で受験します。参考資料を見ながら解くことも物理的には可能ですが、ここに落とし穴があります。

先ほど書いたとおり、1問あたりの持ち時間は41秒ほどです。調べてから答えようとすると、1問に2分も3分もかかります。145問のうち20問を調べただけで、持ち時間の半分近くを使い切る計算になります。つまり、調べる前提で受けると確実に時間切れになります。

現実的な使い方は、「即答できる問題を速く処理して、余った時間で怪しい問題だけを確認する」という配分です。そのためには、8割の問題を即答できる状態まで仕上げておく必要があります。結局、準備が要るという結論は変わりません。

自宅受験ならではの準備もあります。通信が切れると受験に影響しますので、有線接続または安定した回線を確保してください。同協会のページでは、試験当日までに動作確認と操作マニュアルの確認を必ず行うよう案内されています。また、試験時間になるまで試験は表示されない仕組みになっています。

受験時に特別な配慮が必要な場合は、試験日の30日前までに申請が必要です。受験チケットを購入する前に、試験事務局に相談するよう案内されています。日程に余裕を持って確認しておいてください。

受験チケット制と申し込みの実務

2023年7月以降、G検定のオンライン試験は受験チケット制になりました。この仕組みを知らないと、申し込みの段階でつまずきます。

流れは3段階です。まず受験チケットを購入します。次に、希望の試験回に受験予約をします。そして試験当日に受験ページで受験します。チケットの有効期限は購入から1年間で、期限内に受験申し込みをしないとチケットは無効になり、返金はされません。

決済方法はクレジットカードとコンビニエンスストア決済です。学生料金はチケット購入時に学生であることが条件で、合格証の発行などには学生証の提示が必要になります。

受験日程の予約をキャンセルする場合は、受験日の前々日の23時59分59秒まで可能です。キャンセルしたチケットは、有効期限内であれば再度別の日程の予約に使えます。この仕組みがあるおかげで、仕上がりが遅れたときに日程をずらせます。独学で進める人にとっては、ありがたい設計だと言えます。

もう1つ押さえておきたいのが、年間の開催スケジュールが早めに公表されることです。同協会は2026年9月11日に、2027年の年間開催スケジュールを発表しています。翌年の予定が前年のうちに分かるため、仕事の繁忙期を避けて受験日を選べます。学習を始める前にスケジュールを確認し、自分の仕事や家庭の予定と突き合わせて受験回を決めておくと、途中で無理が生じません。

団体経由で申し込む場合は手続きが別になり、申込期間も個人より早く締め切られます。2026年第6回の場合、個人が10月29日までなのに対し、団体は10月22日までです。会社の制度を使って受ける予定の方は、社内の申請期限がさらに前倒しになることを見込んで動いてください。

合格したあとに何が残るか

試験に受かったあと、何が手元に残るのかも確認しておきましょう。

まず合格証書が発行されます。加えて、オープンバッジというデジタルの証明が発行されます。これは国際的な技術標準規格に準拠したもので、自分のウォレットに貯めておき、オンライン上で公開したり、SNSやメールで共有したりできます。紙の証書と違い、URLで相手に見せられるのが実務上の利点です。

もう1つ、DX推進パスポートというデジタルバッジがあります。これはデジタルリテラシー協議会が発行しているもので、ITパスポート試験、DS検定リテラシーレベル、G検定の3つの試験の合格数に応じて3種類が発行されます。1つ合格でDX推進パスポート1、2つでDX推進パスポート2、3つすべてでDX推進パスポート3です。

G検定はまた、経済産業省がオブザーブするDi-Liteという枠組みで推奨されるAI資格に位置づけられています。国全体のデジタル人材育成の方針と結びついている点が、この検定が企業の資格支援制度に組み込まれてきた背景にあります。

国全体として、デジタル推進人材を「5年間で230万人育成する方針」が2022年に発表されてから、約2年が経過しようとしています。その間、Chat GPTを始めとした生成型AIの台頭により、AIをビジネス活用した製品やサービスが次々と登場し、ビジネス環境も変化を続けています。 出典: scskserviceware.co.jp

合格者向けのコミュニティも用意されています。同協会はCDLEという合格者コミュニティを運営しており、学習コンテンツや合格者同士の交流の場が提供されています。独学で受けた人にとっては、合格後に同じ関心を持つ人とつながれる場があることが、学びを続ける動機になることもあります。

ただし、バッジや証書そのものが仕事につながるわけではありません。実務で効いてくるのは、AIを使う提案をするときに、実現可能性と法的な注意点を同じ会話の中で説明できることです。バッジは、その説明を聞いてもらうための入り口にすぎません。

E資格との違いと、次に進むかどうか

同じ協会が実施する資格にE資格があります。名前が似ているので混同されがちですが、性格はまったく違います。

E資格は、ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力を認定する試験です。決定的な違いは受験資格で、JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していることが条件になります。誰でも受けられるG検定とは、ここが根本的に異なります。

項目 G検定 E資格
測るもの 活用リテラシー、事業への適用判断 理論の理解と実装
受験資格 制限なし JDLA認定プログラムを過去2年以内に修了
試験時間 100分(オンライン) 120分
出題数 145問程度 100問程度
受験場所 自宅または指定会場 各地の指定試験会場
受験費用(一般) 13,200円(税込) 33,000円(税込)

E資格の受験費用は一般で33,000円、学生で22,000円、会員で27,500円(いずれも税込)です。加えて、受験資格を得るための認定プログラムの受講費用が別途かかります。合計の負担はG検定とは桁が変わります。

2026年第1回のE資格は1,317名が受験して911名が合格しており、G検定と比べて受験者数が1桁少ないことが分かります。これは、実装まで踏み込む人の数が限られていることの表れでしょう。

どちらを受けるべきかの判断は単純です。自分でモデルを実装する仕事に就きたいならE資格、AIを使う側として企画や業務改善に関わりたいならG検定です。エンジニアでない人がE資格を目指すのは、費用対効果の面で厳しいと考えられます。それぞれの資格の詳細はG検定(JDLA ディープラーニング ジェネラリスト)とE資格(JDLA ディープラーニング エンジニア)にまとまっています。

学んだあとに待っている仕事

G検定の知識が直接の単価になることは、正直なところあまりありません。ただし、仕事の入り口を増やす効果は確実にあります。

実装まで踏み込む領域の仕事の中身は機械学習・ディープラーニングのお仕事に整理されています。報酬水準の目安としてはソフトウェア作成者の年収・単価相場が参考になります。G検定だけで開発の仕事を受けるのは難しいので、この方向へ進むなら実装の学習が別途必要です。

むしろG検定が効きやすいのは、AIを業務に組み込む提案の側です。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事のような領域では、技術そのものより「どこに使えばどれだけ効くか」を説明できる人が求められます。

文章でAIを解説する仕事も増えています。技術を知っている書き手は希少なので、著述家,記者,編集者の年収・単価相場にある水準の中でも上のほうを狙いやすい領域です。ライティングの技能を証明する検定を併せて考えるなら、Webライティング技能検定で在宅ライターの信頼度アップ|案件獲得のコツとWebライティング能力検定・技能検定の違いと副業への活かし方が、それぞれの検定の性格の違いを整理しています。

資格を仕事に結びつけるときに共通して言えるのは、資格名を並べるより、その資格で何を判断できるようになったかを書くほうが伝わるということです。G検定であれば、AIを使った提案の実現可能性と法的な注意点を同じ場で説明できる、という書き方になります。

市場を20年見てきた立場からの観察

運営者としてフリーランスと在宅ワークの市場を20年見てきた立場から言うと、AI関連の資格を取った人が全員仕事を得ているわけではありません。差が出るのは、資格の有無ではなく、資格で得た言葉を使って相手の業務を翻訳できるかどうかです。

運営者として見てきた限りでは、継続的に依頼を受けている人は、技術の説明をしていません。相手の業務の中から「ここは自動化できます」「ここは人が見ないと危ないです」という線引きを示しています。G検定のシラバスに、AIで何ができて何ができないのかという項目が入っているのは、まさにこの線引きの力を測ろうとしているからでしょう。

もう1つ、取引の形についても触れておきます。仲介手数料が差し引かれる取引では、同じ報酬額でも受け取る側の手取りが目減りします。手数料0%の直接取引であれば、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は手取りが厚くなります。20年この市場を見てきて実感するのは、この差は金額の大小というより、同じ仕事量に対してどれだけ残るかという質の違いとして効いてくる、ということです。学んだ知識を単価に変える段階まで来たら、取引の形そのものも選択肢に入れてください。

G検定は、受験料13,200円と8週間の学習で、AIの話が通じる状態まで持っていける試験です。合格率が高いことを理由に軽く見るのも、逆に難関だと身構えるのも、どちらも実態から外れています。淡々と範囲を潰していけば届く。その程度の距離感で捉えるのが、いちばん正確だと考えられます。

よくある質問

Q. G検定の受験費用はいくらですか?

一般が13,200円、学生が5,500円(いずれも税込)です。オンライン試験には割引制度があり、前回受験日から2年以内の再受験なら半額の6,600円、AI For Everyoneの修了者は30%引きの9,240円になります。会場試験には割引制度がありません。受験チケットを購入してから希望の試験回を予約する仕組みです。

Q. G検定の合格率が高いのに、難しいと言われるのはなぜですか?

2026年第4回は9,241名が受験して7,677名が合格し、約83%でした。ただしオンライン試験は100分で145問程度のため、1問あたり41秒ほどしか使えません。調べながら解く余裕はほとんどなく、法律や倫理の分野も出題されます。受験料と申込期間の関係で準備した人が中心の母集団である点も、合格率の高さに影響しています。

Q. 独学で合格できますか。どのくらいの期間が必要ですか?

受験資格に制限はなく、独学で合格している人も多くいます。AIの前提知識がない状態から始める場合、週9時間で8週間程度を1つの目安にすると計画が立てやすくなります。技術分野に6週間、法律と倫理に1週間、模擬問題に1週間という配分がバランスの取れた形です。

Q. G検定とE資格はどちらを受けるべきですか?

自分でモデルを実装する仕事を目指すならE資格、AIを使う側として企画や業務改善に関わるならG検定です。E資格はJDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していることが受験条件で、受験費用も一般33,000円(税込)と高く、認定プログラムの受講費用も別途かかります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年8月11日最終更新:2026年9月25日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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