コーチングの国際資格|ICFの認定と取り方


この記事のポイント
- ✓コーチングの国際資格として知られるICF(国際コーチング連盟)のACC・PCC・MCCについて
- ✓教育時間とコーチング経験の要件
- ✓試験の形式と日本語受験
コーチングの国際資格を調べ始めると、ICF、ACC、PCC、レベル1といった略語が次々に出てきて、何から手を付ければよいのか分からなくなる人が多くいます。結論から書くと、国際的に通用するコーチングの資格として最も広く知られているのは、国際コーチング連盟(ICF)が認定するACC・PCC・MCCの3段階の資格です。この記事では、ICFの公式の案内をもとに、3つの資格の違い、取得に必要な教育時間とコーチング経験、試験の形式と日本語での受験、費用と更新の条件、スクールの選び方、そして資格を取ったあとに仕事として広げる方法までを順番に説明します。
コーチングの国際資格が注目される背景
コーチングとは、相手の話を聴き、質問を通じて相手自身が考えを整理し、目標に向けて行動を決められるように支える関わり方のことです。助言や指導で答えを渡すのではなく、答えを相手の中から引き出す点が特徴です。企業の管理職研修、キャリア相談、起業家の伴走、子育てや人間関係の悩みの相談など、使われる場面は年々広がっています。
一方で、日本にはコーチングの国家資格がありません。「コーチ」と名乗ることに法律上の条件は無く、誰でも今日からコーチを名乗れます。そのため、依頼する側から見ると、そのコーチがどのような訓練を受け、どれだけの経験を積んでいるのかが分かりにくいという問題があります。民間団体の認定資格は数多くありますが、団体ごとに基準がまちまちで、比べにくいのが実情です。
そこで判断の物差しとして使われているのが、国際団体の認定資格です。ICFは米国に本部を置く、コーチの職業団体です。日本には一般社団法人国際コーチング連盟日本支部(ICFジャパン)があり、日本語で資格の案内を出しています。ICFジャパンの資格の案内には、次のように書かれています。
これまで143ケ国・地域において52,000名以上のコーチがICFの3つの資格いずれかを取得し、 コーチングの専門性を高め、専門的能力の向上を追及してきました。 日本においても2024年2月現在1,183名の資格取得者がコーチとして活躍しています。 出典: icfjapan.com
世界で5万人を超える取得者がいる一方、日本の取得者は1,000人あまりです。国内ではまだ持っている人が少ない資格であり、取得していること自体が、訓練と経験を積んだことの証明として働きやすい状況にあります。ICFジャパンの同じページでは、ICFの調査として、コーチングを受ける人の多くがコーチの資格の有無を重視していることも紹介されています。
企業の人事担当者が社外のコーチを探すときや、研修会社が講師となるコーチを集めるときにも、ICFの資格を条件や目安にする例があります。とくに外資系企業や海外拠点を持つ企業では、世界共通の基準で説明できる資格が好まれる傾向があります。国際資格を調べている人の多くは、こうした場面で「名乗るだけのコーチ」と区別されたいと考えている人です。
ICFの資格は3段階(ACC・PCC・MCC)
ICFの資格は、経験の量に応じてACC、PCC、MCCの3段階に分かれています。下の段階から順に取る必要は必ずしもなく、要件を満たしていれば最初からPCCを申請することもできます。ただし、MCCだけは、PCCを持っているか、過去に持っていたことが条件です。
| 資格 | 正式名称 | 想定される経験の段階 | 教育時間 | コーチング経験 |
|---|---|---|---|---|
| ACC | Associate Certified Coach | 初級(コーチとして歩み始めた人) | 60時間以上 | 100時間以上 |
| PCC | Professional Certified Coach | 中級から上級 | 125時間以上 | 500時間以上 |
| MCC | Master Certified Coach | 熟練 | 200時間以上 | 2,500時間以上 |
ACCは、コーチとして歩み始めた人や、管理職や人事の仕事の一部としてコーチングを取り入れている人に向けた資格です。ICF本部の案内では、本業の傍らパートタイムでコーチングをしている人も対象として挙げられています。会社員を続けながら週末にセッションを受ける形で経験を積み、ACCを目指す人は珍しくありません。
PCCは、経験を積んだコーチが、技能の高さを示すための資格です。経営層や管理職を相手にしたコーチングや、複雑な相談を扱う場面で評価されやすく、法人の仕事を受けたい人が目標にすることが多い段階です。
MCCは最上位の資格で、2,500時間以上という経験時間からも分かるとおり、長年コーチングを仕事にしてきた人のためのものです。MCCを持つ人は、ほかのコーチを指導する立場に立つこともあります。
このほか、ICFにはチームを相手にするコーチングの認定(ACTC)や、コーチを指導するメンターコーチの専門認定(MCS)、コーチングスーパービジョンの専門認定(CSS)もあります。これらは、ACC・PCC・MCCのいずれかを持っている人が追加で取るもので、最初に目指すものではありません。
取得に必要な5つの要件
ICFジャパンの案内によると、ACC・PCC・MCCのどの資格にも、次の5つの要件があります。段階によって求められる量が違うだけで、要件の種類は同じです。
- 教育(コーチングを学んだ時間)
- 経験(実際にコーチングをした時間)
- メンターコーチング(経験のあるコーチから指導を受けた時間)
- パフォーマンス評価(録音したセッションの審査)
- 試験の合格
教育の時間
教育とは、コーチングの技術と倫理を学ぶ講座の受講時間のことです。ACCは60時間以上、PCCは125時間以上、MCCは200時間以上が必要です。ICFが認定した講座でなくても数えられる場合がありますが、その場合は後で説明するポートフォリオという申請の方法になり、講座の内容を示す書類を自分で出す必要があります。
コーチング経験の時間
経験の時間は、実際にクライアントにコーチングをした時間です。ここで注意したいのは、有料のセッションの時間に下限があることです。ICF本部の案内では、ACCは100時間のうち75時間以上、PCCは500時間のうち450時間以上、MCCは2,500時間のうち2,250時間以上が有料であることが求められています。
ICFジャパンのACCの案内には、さらに細かい条件が書かれています。経験の時間は少なくとも8人のクライアントとのものであること、そのうち25時間は申請前の18か月以内のものであること、そして数え始めるのはコーチングの教育を始めた後であることです。友人や家族に無料で練習相手になってもらうだけでは、要件を満たせないということです。
メンターコーチング
メンターコーチングとは、資格を持つ経験豊富なコーチから、自分のコーチングについて指導と講評を受けることです。どの資格も10時間が必要です。ICFジャパンの案内では、ACCの場合、3か月以上の期間をかけて行い、10時間のうち3時間は1対1で受ける必要があるとされています。
パフォーマンス評価
パフォーマンス評価とは、自分が行ったコーチングセッションの録音を提出し、ICFの審査員が技能を確かめる審査です。ACCは1件、PCCとMCCは2件の録音が必要です。録音するのは実際のクライアントとのセッションで、事前にクライアントの同意を取る必要があります。
試験
最後が試験です。試験は申請書の審査が通った後に受けます。試験の中身は次の節で説明します。
試験の形式と日本語での受験
ICFの試験は、ACC用の「ACC Exam」と、PCC・MCC用の「ICF Credentialing Exam」の2種類です。どちらもパソコンで解答する筆記試験で、ピアソンVUEという試験会社のテストセンターで受けるか、自宅などからオンラインで、監督者に見守られながら受けます。
ACC Examの形式は、ICF本部の案内に次のように書かれています。
- 問題は四択の60問で、正解は1問につき1つ
- 試験時間は90分(任意の10分の休憩を含む)
- 得点は200点から600点の範囲で表され、合格には460点が必要
- 出題の割合は、倫理が30%、コーチングの定義と境界が30%、コア・コンピテンシーと技法が40%
コア・コンピテンシーとは、ICFが定めた「プロのコーチに求められる能力」の一覧のことです。信頼関係の築き方、話の聴き方、気づきを促す質問の仕方などが、具体的な行動の形で書かれています。
PCC・MCC用のICF Credentialing Examは、知識を問う四択ではなく、状況判断テストと呼ばれる形式です。コーチングの場面が文章で示され、4つの選択肢から「最も効果的な対応」と「最も効果的でない対応」の両方を選びます。自分ならどうするかではなく、ICFの基準に照らして最善と最悪を見極める力が問われます。問題は78問、試験時間は180分(任意の10分の休憩を含む)で、合格点はACCと同じく460点です。ICF本部の発表では、2023年にこの試験を受けた9,795人のうち、1回目で合格した人は75%でした。
日本語で受けられるかどうかを気にする人は多いですが、どちらの試験も英語のほか15の言語で受けられ、その中に日本語が含まれています。言語は試験の予約のときに選びます。
試験の準備について、ICF本部は、2019年版のコア・コンピテンシーと2020年版の倫理規定を学ぶよう案内しています。コア・コンピテンシーと倫理規定は2025年に改訂されましたが、試験はまだ新しい版を反映していないと明記されています。これから勉強する人は、試験の基になっている版を確かめてから教材を選ぶ必要があります。ICF本部のサイトでは、無料のサンプル問題と、試験画面の操作を試せる無料のチュートリアルも公開されています。
申請が承認されると、試験の予約の案内がメールで届きます。ACC Examの場合、案内を受け取ってから60日以内に予約して受験する必要があります。試験が終わるとその場で暫定の結果が表示され、1週間以内に正式な結果が登録されます。
申請の方法と費用
ICFの資格の申請には、受けた教育の種類によって2つの方法(パス)があります。ICFが認定したプログラムを修了した人向けの方法と、それ以外の人向けのポートフォリオという方法です。
ICFが認定するコーチングの教育には、レベル1、レベル2、レベル3の3つの種類があります。レベル1はACCに、レベル2はACCとPCCに、レベル3はMCCに対応する教育です。認定プログラムには、必要な教育時間に加えて、メンターコーチングとパフォーマンス評価が組み込まれています。修了すれば、申請のときに修了証を出し、コーチング経験の時間を記録として入力すれば足ります。
ポートフォリオは、ICFが認定していない講座や、継続教育の単位を組み合わせて教育時間を満たす人のための方法です。講座のカリキュラムや時間数が分かる書類を自分でそろえ、メンターコーチングとパフォーマンス評価も自分で手配します。審査に時間がかかり、申請料も高くなります。
ICF本部が示している申請料(米ドル)と審査期間の目安は次のとおりです。
| 資格と申請の方法 | ICF会員 | 非会員 | 審査期間の目安 |
|---|---|---|---|
| ACC(レベル1・レベル2を修了) | 175ドル | 325ドル | 4週間 |
| ACC(ポートフォリオ) | 475ドル | 625ドル | 14週間 |
| PCC(レベル2を修了) | 375ドル | 525ドル | 4週間 |
| PCC(ポートフォリオ) | 750ドル | 900ドル | 18週間 |
| MCC(レベル3を修了・ポートフォリオ) | 675ドル | 825ドル | 18週間 |
ICFの会員になると申請料が下がります。ICF本部の個人会員は年会費270ドルで、資格を持っているか、ICFの基準を満たす60時間以上の教育を修了しているか、受講中であることが入会の条件です。ICFジャパンの正会員は、本部の会員になり、所属する支部として日本を選ぶことで自動的に登録され、日本支部の会費は別にかからないと案内されています。
費用全体で見ると、申請料よりもスクールの受講料のほうがずっと大きな金額になります。スクールの受講料は、教育の時間数やレベルの種類によって大きく違い、メンターコーチングが受講料に含まれているかどうかでも総額が変わります。申し込む前に、受講料に何が含まれているかを一覧にして比べると安心です。ドル建ての申請料は為替で円の負担が変わる点にも注意が必要です。
スクールの選び方と比べる点
ICFの資格を目指す人の多くは、ICFが認定したプログラムを持つスクールで学びます。日本語で受けられる認定プログラムも数多くあり、ICFジャパンのサイトでは、支部の賛助会員となっているスクールの一覧と、それぞれの認定の種類が公開されています。ただし、ICFジャパン自身が、この一覧は賛助会員の団体に限ったもので、最新の情報はICF本部の検索サービス(Education Search Service)で確かめるよう案内しています。検索では、プログラムの種類を選び、学ぶ言語に日本語を指定すると、日本語の認定プログラムが表示されます。
スクールを比べるときに見ておきたい点は次の5つです。
- 認定の種類。レベル1かレベル2か、またはICFの認定を受けていない講座かを確かめます。レベル2まで修了すれば、PCCの申請にもそのまま使えます
- 受講料に含まれるもの。メンターコーチング10時間と、パフォーマンス評価の録音審査が含まれているかを確かめます。含まれていない場合は、別に手配して費用を払う必要があります
- 授業の形式。オンラインか通学か、平日の夜か週末か、録画で復習できるかを確かめます。会社員を続けながら学ぶなら、欠席したときの振替の制度も大事です
- 練習の機会。受講生同士で練習するセッションがどれだけ用意されているかを確かめます。経験時間を積み始める助けになります
- 修了後の支え。卒業生の勉強会や、経験時間を積むための練習の場があるかを確かめます
一つ注意したいのは、スクール独自の認定資格と、ICFの資格を取り違えないことです。多くのスクールは、修了すると独自の「認定コーチ」の称号を出しています。これはスクールの認定であって、ICFの資格ではありません。ICFの資格は、修了後に自分でICFに申請し、経験時間を積み、試験に合格して初めて得られます。広告で「国際資格が取れる」と書かれている場合は、ICFの資格の申請要件を満たす講座なのか、スクール独自の資格なのかを確かめてください。
国の教育訓練給付制度は、厚生労働大臣が指定した講座を修了すると受講費用の一部が支給される仕組みです。コーチングの講座が指定を受けているかどうかは講座ごとに違うため、気になる講座がある場合は、厚生労働省の教育訓練給付制度のページから検索の仕組みをたどって確かめます。
取得までの期間と経験時間の積み方
ACCを目指す場合、取得までの期間を左右するのは、教育よりも経験時間です。60時間の教育は、週末中心のスクールでも数か月で修了できます。一方、100時間の経験、しかも75時間以上が有料という条件は、計画を立てなければなかなか満たせません。
仮に1回60分のセッションを週に3回行うと、1か月で約12時間、100時間に届くまで8か月ほどかかります。週に5回なら半年程度です。最初から有料のクライアントを見つけるのは簡単ではないため、多くの人は次のような順序で経験を積んでいきます。
- スクールの授業や受講生同士の練習で、セッションの流れに慣れる
- 知人やSNSのつながりを通じて、低めの料金でモニターのクライアントを募る
- 継続して受けてくれるクライアントを増やし、3か月や6か月の契約を結ぶ
経験時間の記録は、申請のときにまとめて思い出そうとしても正確に書けません。セッションのたびに、日付、クライアントの名前、時間、有料か無料かを記録しておきます。記録にはクライアントの個人情報が含まれるため、記録することと、その扱い方について、クライアントの同意を得たうえで管理します。スプレッドシートに1行ずつ記録するだけでも十分です。
有料のセッションの料金は、コーチの経験や対象によって大きく違います。資格を取る前の段階では、1回あたり数千円程度でモニター価格を設定し、経験時間とともに料金を見直していく人が多くいます。料金を決めるときは、セッションの準備や記録にかかる時間も含めて考えると、無理のない設定にできます。
ICFの資格を取るメリットと、向いていない場合
ICFの資格を取る一番のメリットは、訓練と経験を世界共通の物差しで示せることです。企業の研修担当者や、海外とつながりのある組織に自分を紹介するとき、「ICFのPCCを持っています」と一言で説明できるのは大きな強みです。ICF本部は、2023年の調査で、職業団体の資格を持つコーチのほうが、持たないコーチよりコーチングによる平均年収が高かったと紹介しています。ただし、これは資格を持つ人に経験の長い人が多いことも影響していると考えられ、資格を取れば収入が上がると言い切れるものではありません。
もう1つのメリットは、学び続ける仕組みに組み込まれることです。後で説明するとおり、ICFの資格は3年ごとに更新が必要で、そのたびに継続教育を受けます。自分の技能を磨き続ける理由ができるのは、独立して働く人にとって意外に大きな価値があります。
一方で、ICFの資格が向いていない場合もあります。社内で部下との面談にコーチングを取り入れたいだけなら、ICFの資格までは必要ないことが多く、数十時間の講座で基本を学べば十分です。また、コーチングを仕事にしたい理由が「早く収入を得たい」ことなら、有料の経験時間を求められるICFの資格は、遠回りに感じるかもしれません。
コーチングと、心の不調の治療は別のものです。ICFの試験でも、クライアントをセラピーなどの専門家につなぐ判断が出題の範囲に含まれています。気分の落ち込みが長く続いている人や、医療の支えが必要な人には、医療機関や公認心理師などの専門家を紹介するのがコーチの役割です。資格を取っても、治療や診断をしてよいことにはなりません。
資格の更新と継続教育
ICFの資格は、取ったら一生有効というものではなく、3年ごとの更新が必要です。更新には、その3年間に40時間分の継続コーチ教育(CCE)の単位を取ることが求められます。CCEとは、資格を持つコーチが学び続けるための講座やイベントのことで、ICFが認定したものと、そうでないものがあります。
ICF本部の案内では、40単位の内訳は次のとおりです。
- 24単位はコア・コンピテンシーに関する学習であること
- そのうち3単位はコーチングの倫理であること(ICFの無料のオンライン倫理講座で取得できます)
- 残りの16単位は、コア・コンピテンシーか、リソース開発(ビジネスの作り方や、診断ツールの使い方など、コーチとしての成長に役立つ学習)で取ること
ACCの更新では、40単位のうち10時間をメンターコーチングで取ることも求められます。PCCとMCCの更新では、メンターコーチングは求められていません。
更新の申請料は、ACC・PCC・MCCのいずれも、ICF会員は175ドル、非会員は275ドルです。更新の申請は、資格の期限の10か月前から出せて、審査には通常6週間から8週間かかると案内されています。同じ段階の資格の更新では、試験を受け直す必要はありません。
上の段階の資格に挑戦する場合は、更新とは別の申請になります。現在の資格の期限から1年以内に上の段階を申請すると、審査の間、今の資格が最長12か月延長される仕組みもあります。
申請から取得までの6つの手順
ICF本部は、資格の申請から取得までを6つの手順で案内しています。全体の流れを先に知っておくと、どの段階で何を準備すればよいかが分かり、書類が足りずに申請が止まることを防げます。
- 準備する。受けた教育の修了証、メンターコーチングを受けた記録、クライアントとのセッションの記録をそろえます
- 調べる。ICF本部のサイトにある「Credential Path Survey」という質問に答えると、自分が申請できる資格の段階と申請の方法が分かります
- 集める。修了証を登録し、コーチング経験の時間を入力し、メンターコーチングの記録と、必要なセッションの録音と文字起こしを用意します
- 申請する。質問の結果をもとに申請書を作り、申請料を払って提出します
- 勉強する。審査の間に試験の準備を進めます。審査員から質問が届いたときは、申請の画面から回答します
- 試験を受ける。審査が通ると試験の予約の案内が届くので、予約して受験します
この中で時間がかかりやすいのは、3つ目の「集める」です。とくにパフォーマンス評価のための録音は、クライアントの同意を取ったうえで、20分から60分のセッションを録音する必要があり、音声と文字起こしの形式にも決まりがあります。録音を後から用意しようとすると、条件に合うセッションを改めて設けることになるため、教育の途中から、同意を得られるクライアントと録音の段取りを考えておくと進めやすくなります。
申請書を英語で書く必要があるかを心配する人もいますが、申請の画面と案内は英語が中心です。ICFジャパンのサイトには、ACC・PCC・MCCそれぞれの申請の方法を日本語で説明したページがあり、英語の案内と読み比べながら進められます。英語に不安がある人は、スクールを選ぶ段階で、申請の支援があるかを確かめておくと安心です。
国内の民間資格とICFの資格の比べ方
コーチングの資格には、ICFの資格のほかに、国内のコーチングスクールや団体が独自に出している認定資格が数多くあります。どちらが優れているというより、目的によって向き不向きが分かれます。
国内の民間資格の多くは、そのスクールの講座を修了し、所定の審査に通ると取得できます。学ぶ期間が短く、費用も抑えやすいものが多いため、まずコーチングを体系的に学びたい人や、社内での面談に生かしたい人に向いています。一方で、基準は団体ごとに違い、依頼する側がその資格の重みを知らないこともあります。
ICFの資格は、教育の時間、有料の経験時間、指導、録音の審査、試験という共通の基準で、世界中のコーチが同じ条件で審査されます。取得までの手間は大きいものの、海外の企業や、外資系企業の人事担当者にも同じ説明が通じるのが強みです。
比べるときは、次の3つを自分に問いかけると判断しやすくなります。
- コーチングを仕事にして、社外のクライアントから報酬を受け取るつもりがあるか
- 企業の研修や、外資系企業との仕事を受けたいか
- 有料のセッションを100時間以上積み上げる時間を、今後1年から2年の中で確保できるか
3つとも「はい」なら、最初からICFの資格を目標にしたスクール選びをすると、学び直しの手間を省けます。どれかが「いいえ」なら、まず国内の講座で基本を学び、続けたいと思えた段階で、ICFの認定プログラムに進む方法もあります。その場合も、最初に受けた講座の時間がICFの教育時間として数えられるかどうかを、申し込む前に確かめておくと無駄がありません。
資格を仕事につなげる方法
ICFの資格を取っても、それだけでクライアントが集まるわけではありません。資格は信頼の入り口であり、仕事にするには、誰のどんな悩みを支えるコーチなのかを言葉にすることが欠かせません。キャリアの転機にいる会社員、初めて部下を持った管理職、起業したばかりの経営者、子育てと仕事の両立に悩む人など、対象を絞るほど、紹介や検索で見つけてもらいやすくなります。
仕事の形は、大きく3つに分かれます。
- 個人のクライアントと直接契約するセッション
- 企業と契約し、管理職や社員にコーチングを提供する仕事(研修会社やコーチングの会社から業務委託で受ける形も含みます)
- 研修やセミナーの講師として、コーチングの考え方を伝える仕事
企業の仕事では、提案書や報告書を書く場面が多くあります。セッションの守秘義務を守りながら、人事担当者に取り組みの成果を説明する文章力が、契約を続けてもらううえで大切です。文章の書き方を体系的に学びたい人には、ビジネス文書検定が参考になります。ビジネス文書の形式や敬語の使い方を問う検定で、提案書や報告書の基礎固めに使えます。
業務委託で企業の仕事を受けるときは、契約の範囲、守秘義務、報酬の支払い時期を、始める前に書面で確かめます。2024年11月に施行されたフリーランス保護新法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)では、事業者がフリーランスに業務を委託するとき、業務の内容や報酬の額などを書面やメールで示すことが義務になっています。
コーチングは、人の話を聴き、整理し、行動を後押しする仕事です。この技能は、ほかの仕事とも相性がよいものです。たとえば、生成AIを業務に取り入れたい企業を支える仕事では、現場の人の困りごとを聴き取る力が成果を左右します。業務の課題を聴き取り、改善の進め方を一緒に考える仕事については、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で、仕事の内容と求められる技能を紹介しています。
運営者として見てきたこと
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、コーチングや研修の分野で長く仕事を続けている人には共通点があります。資格の名前を前面に出すより、「この人に相談すると考えがまとまる」という評判を、少数の依頼主との関係の中で積み重ねていることです。資格は最初の信頼を得る助けになりますが、2回目、3回目の依頼につながるのは、毎回のやり取りの丁寧さです。
もう1つ見えてくるのは、仲介の手数料が重い仕組みほど、受け手が料金を高めに設定せざるを得ず、依頼主との最初の契約が成立しにくくなるということです。依頼主と受け手が直接やり取りし、手数料0%で契約できる形なら、同じ予算でも依頼主はセッションの回数を確保しやすく、受け手は手元に残る金額が厚くなります。経験時間を積みたい段階のコーチにとって、継続の契約を結びやすいことは、資格の取得そのものを近づける効果もあります。
コーチングの国際資格は、取るまでに時間も費用もかかります。それでも、教育、経験、指導、審査、試験という5つの段階を通じて、自分の関わり方を何度も見直すことになり、その過程そのものがコーチとしての土台になります。まずはICFジャパンのACCの案内と、日本語で受けられる認定プログラムを確かめ、自分の生活の中で経験時間をどう積むかを書き出すところから始めてください。企業の研修や業務支援の分野で仕事の幅を広げたい人は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事も合わせて読むと、コーチングの技能を生かせる仕事の形が具体的に見えてきます。
よくある質問
Q. ICFの資格は日本語で取得できますか?
取得できます。ACC用の試験と、PCC・MCC用の試験は、どちらも英語のほか15の言語で受けられ、その中に日本語が含まれています。日本語で受講できるICF認定のプログラムも多くあります。ICF本部の検索サービスで、学ぶ言語に日本語を指定すると、日本語の認定プログラムを探せます。
Q. ACCを取るまでにどのくらいの期間がかかりますか?
教育の60時間は数か月で修了できますが、100時間以上のコーチング経験(そのうち75時間以上が有料)を積むのに時間がかかります。週3回のセッションで8か月前後が1つの目安です。さらに申請の審査と試験の予約の期間がかかるため、学び始めてから1年前後を見込んで計画を立てる人が多くいます。
Q. ICF認定のスクールでなくても資格を申請できますか?
申請できます。ICFが認定していない講座や継続教育の単位で教育時間を満たした場合は、ポートフォリオという方法で申請します。講座の内容が分かる書類を自分でそろえ、メンターコーチングとパフォーマンス評価も自分で手配する必要があり、申請料が高く、審査期間も長くなります。
Q. 資格を取ったあとに必要なことはありますか?
3年ごとの更新が必要です。更新までの3年間に、継続コーチ教育(CCE)を40単位取り、そのうち3単位は倫理に関する学習にします。ACCの更新では、40単位のうち10時間をメンターコーチングで取ることも求められます。同じ段階の資格の更新では、試験を受け直す必要はありません。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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