Xcodeとターミナルの関係と、コマンドラインツールを入れる手順


この記事のポイント
- ✓Xcodeとターミナルの関係を
- ✓Xcodeの中にターミナルが無い理由
- ✓コマンドラインツールだけを入れる手順
「Xcodeでターミナルを開きたいのに、ボタンが見つからない」「ターミナルでgitと打ったら、Xcodeのツールを入れるように言われた」。Xcodeとターミナルの関係は、Macで開発を始めたばかりの人がまずつまずく場所です。先に答えを書くと、ターミナルはXcodeの中にある機能ではなく、Macに最初から入っている別のアプリです。そして、ターミナルで開発用のコマンドを使うには、Xcodeに含まれる「コマンドラインツール」が必要になります。この記事では、両者の関係、コマンドラインツールだけを入れる手順、プロジェクトのフォルダでターミナルを開く方法、よく出るエラーの直し方を順に説明します。フォルダとターミナルを同じ画面で扱える道具の1つとして、Macのファイル管理アプリの Atriens にも触れます。
Xcodeとターミナルは別のアプリ
最初に、2つのアプリの役割を整理します。
Xcodeは、Appleが無料で配布している開発用のアプリです。iPhoneやMacのアプリを作るための編集画面、画面の設計、動作の確認に使うシミュレータ(iPhoneなどを画面の中で再現する仕組み)、アプリを配布する機能まで、開発に必要なものが一式そろっています。Mac App Storeで配布されていて、2026年10月時点の配布ページではサイズが3.1GBと表示されています。
ターミナルは、文字でコマンドを打ってMacを操作するアプリです。Xcodeとは関係なく、どのMacにも最初から入っています。Finderの[アプリケーション]から[ユーティリティ]を開くと見つかります。
この2つを混同しやすい理由は、Xcodeの中にターミナルのような画面がないことにあります。Visual Studio Codeのような編集ソフトには、画面の下にターミナルを開く機能が付いていることが多いので、Xcodeにもあるはずだと探してしまうのです。開発者向けの質問サイトでも、同じ疑問に対してこう答えている回答があります。
「ターミナルのボタンが見当たらず困っています」と書いていますがおそらくxcode内にあると勘違いされているのではないでしょうか? 出典: teratail.com
つまり、Xcodeでの開発中にコマンドを打ちたいときは、ターミナルを別に開いて、Xcodeと並べて使うのが基本です。両方を行き来しながら作業する、と考えておけば迷いません。
キャリアの相談の場では、未経験から開発の勉強を始めた人が「最初の1週間は、プログラムを書くより、ツールの準備で疲れてしまった」と話すことがよくあります。Xcodeとターミナルの関係が分かるだけで、その疲れはかなり減ります。完璧に理解しようとせず、まずは「別のアプリで、組み合わせて使う」とだけ覚えてください。
Xcodeの下に出る「コンソール」はターミナルではない
Xcodeでアプリを動かすと、画面の下に文字が流れる欄が開きます。これはデバッグエリアの中のコンソールと呼ばれる欄で、作っているアプリが出したメッセージや、エラーの内容が表示されます。見た目が似ているため、ここがターミナルだと思ってコマンドを打とうとする人がいますが、この欄はアプリの動作を確かめるためのもので、Macを操作するコマンドを打つ場所ではありません。gitやHomebrewのコマンドは、別に開いたターミナルで打ちます。
コマンドラインツールとは何か
ターミナルとXcodeをつなぐのが、コマンドラインツールです。正式にはCommand Line Tools for Xcodeと呼ばれ、ターミナルで使う開発用のコマンドをまとめたものです。Appleの技術資料では、次のように説明しています。
The Command Line Tools Package is a small self-contained package available for download separately from Xcode and that allows you to do command line development in macOS. 出典: developer.apple.com
日本語にすると、「Xcodeとは別にダウンロードできる、小さく独立したパッケージで、macOSでコマンドを使った開発ができるようにするもの」です。中には、プログラムを機械語に変える仕組み(コンパイラ)のclangや、ファイルの変更の履歴を管理するgit、作業を自動で進めるmakeなどが入っています。
ここで押さえておきたいのは、コマンドラインツールはXcode本体がなくても入れられる、という点です。iPhoneアプリを作る予定がなく、次のような目的でターミナルを使いたいだけなら、3GBを超えるXcodeを入れる必要はありません。
・gitでファイルの変更の履歴を管理したい
・Homebrew(Macに開発用の道具を入れる仕組み)を使いたい
・Pythonなどで小さなプログラムを動かし、その中で部品を組み立てる必要がある
・Webサイトの制作で、コマンドで動く道具を使いたい
反対に、iPhoneやMacのアプリを作るなら、Xcode本体が必要です。Xcode本体の中にもコマンドラインツールと同じコマンドが含まれているので、Xcodeを入れた人は、コマンドラインツールを別に入れなくても構いません。
コマンドラインツールだけを入れる手順
コマンドラインツールを入れるいちばん簡単な方法は、ターミナルで1行のコマンドを打つことです。Appleの技術資料でも、この方法を案内しています。
- ターミナルを開く
xcode-select --installと入力してreturnキーを押す- 「コマンドラインデベロッパツールが必要です」といった確認の画面が出るので、[インストール]を押す
- 使用許諾の画面で内容を確かめ、同意する
- ダウンロードとインストールが終わるまで待つ
通信の速さにもよりますが、数分から長くて30分ほどかかります。途中でMacをスリープさせると止まることがあるので、電源につないだまま待つと安心です。
もう1つの入り方があります。Macを買ったばかりの状態でターミナルに git と打つと、gitがまだ入っていないため、コマンドラインツールを入れるかどうかをたずねる画面が自動で出ます。ここで[インストール]を押しても、同じものが入ります。「gitと打ったら、突然Xcodeのツールの話が出てきた」という戸惑いは、この仕組みによるものです。
入ったかどうかは、ターミナルで xcode-select -p と打つと確かめられます。コマンドラインツールだけを入れた場合は /Library/Developer/CommandLineTools が、Xcode本体を使っている場合は /Applications/Xcode.app/Contents/Developer が表示されます。何も表示されず、エラーが出る場合はまだ入っていません。
入れたあとの更新は、macOSの更新と同じ場所で行います。Appleメニューの[システム設定]から[一般]、[ソフトウェアアップデート]を開くと、コマンドラインツールの新しい版が出ている場合は、ここに表示されます。macOSを大きく更新したあとは、コマンドラインツールも合わせて更新が必要になることが多いので、更新の一覧に出ていないかを一度確かめておくと、後の章で紹介するエラーを避けやすくなります。
ダウンロードのページから入れる方法
ターミナルのコマンドでうまくいかないときは、Appleの開発者向けのダウンロードページから入れる方法があります。Appleの技術資料によると、Apple Accountでログインし、自分のmacOSに合ったCommand Line Toolsを探してダウンロードします。会社のネットワークの都合でコマンドからのダウンロードが止まる場合や、決まった版を入れたい場合に使います。
Xcode本体とコマンドラインツールの切り替え
Xcode本体とコマンドラインツールの両方を入れていると、ターミナルがどちらのコマンドを使うかを決める必要があります。この切り替えを担うのが xcode-select です。
Appleの技術資料では、使う側を切り替える方法として次のコマンドを示しています。
・いまどちらを使っているかを確かめる:xcode-select --print-path(短く xcode-select -p でも同じ)
・Xcode本体を使うように切り替える:sudo xcode-select --switch /Applications/Xcode.app
sudo は、Macの管理者の権限で実行するという意味で、打つとMacにログインするときのパスワードを求められます。入力中は画面に文字が表示されませんが、そのまま打ってreturnキーを押せば通ります。
切り替えが必要になる典型的な場面は、次のとおりです。
・先にコマンドラインツールだけを入れ、あとからXcode本体を入れた
・Xcodeを複数の版で入れていて、使う版を変えたい
・ターミナルでiPhoneアプリの組み立て(ビルド)をしようとしたら、Xcode本体が見つからないと言われた
最後の場面では、xcodebuild というコマンドを使います。これはXcode本体の機能をターミナルから呼ぶもので、コマンドラインツールだけでは動きません。「xcodebuildを使うにはXcodeが必要です」という趣旨のエラーが出たら、Xcode本体を入れたうえで、上の --switch で切り替えます。
Xcode本体を入れるときに気をつけること
アプリを作るためにXcode本体を入れる場合は、始める前にいくつか確かめておくと、途中で止まらずに済みます。
まず空き容量です。Mac App Storeの配布ページに表示されるサイズは3.1GBですが、これはダウンロードの大きさです。ダウンロードしたものを展開して入れる作業の間は、その何倍もの空き容量を一時的に使います。さらに、初めて起動したときに、iPhoneのシミュレータなど追加の部品をダウンロードするよう求められることがあり、作るアプリの種類によって必要な容量は変わります。Appleメニューの[システム設定]から[一般]、[ストレージ]の順に開き、余裕を持った空き容量があるかを確かめてから始めてください。
次に時間です。通信の速さとMacの性能によっては、ダウンロードから最初の起動まで1時間以上かかることもあります。仕事の締め切りの直前や、外出の直前に始めるのは避け、時間に余裕のある日に入れるのが安心です。
3つ目はmacOSの版です。Xcodeの新しい版は、新しいmacOSを求めることが多く、古いMacでは最新のXcodeを入れられない場合があります。Mac App Storeのページで、自分のMacで入れられるかの表示を確かめます。古いMacで最新版を入れられない場合は、作りたいアプリが求める版を確かめてから、どうするかを考えます。
4つ目は、最初の起動のあとにすることです。Xcodeを初めて開くと、使用許諾への同意と、追加の部品の準備が始まります。ここを済ませないまま、ターミナルからXcodeの機能を使おうとすると、後の章で紹介する使用許諾のエラーが出ます。Xcodeを入れたら、まず一度開いて、準備が終わるまで待つ、と覚えておいてください。
アプリ開発を本格的に始める前に、ちょっと試してみたいだけなら、最初はコマンドラインツールだけを入れて、ターミナルに慣れるところから始めても構いません。いきなり大きな準備をせず、小さく試してから広げる。この順番は、開発の勉強でも仕事選びでも同じです。
プロジェクトのフォルダでターミナルを開く方法
Xcodeで開発していると、いま開いているプロジェクトのフォルダでターミナルを使いたい場面がよくあります。gitで変更を記録する、ライブラリを追加する、といった作業です。いくつかの方法があるので、手間の少ない順に紹介します。
Finderからそのフォルダのターミナルを開く
Xcodeの左側のファイルの一覧(ナビゲータ)で、プロジェクトのファイルを右クリックし、[Show in Finder]を選ぶと(Xcodeの画面は英語表記です)、そのフォルダがFinderで開きます。Finderでフォルダを右クリックし、[サービス]の中にある[フォルダに新規ターミナル]を選ぶと、そのフォルダを起点にしたターミナルが開きます。[サービス]に項目が出ない場合は、システム設定の[キーボード]から[キーボードショートカット]を開き、[サービス]の一覧でこの項目をオンにします。
ターミナルにフォルダをドラッグする
ターミナルで cd と半角スペースを入力し、Finderのフォルダをターミナルの画面へドラッグしてreturnキーを押すと、そのフォルダへ移動できます。フォルダの場所を手で打つ必要がないので、長い場所でも間違えません。
ターミナルからXcodeでプロジェクトを開く
逆向きの操作も覚えておくと便利です。ターミナルでプロジェクトのフォルダにいるとき、xed . と打つと、そのフォルダのプロジェクトがXcodeで開きます。open プロジェクト名.xcodeproj でも開けます。ターミナルで作業してから、すぐにXcodeで続きを書きたいときに使います。
Xcodeの動作の設定でターミナルを開く
Xcodeには、決まったきっかけで自分の用意した処理を動かす「Behaviors(動作)」の設定があります。ここに、プロジェクトのフォルダでターミナルを開く小さな処理を登録しておき、キーの組み合わせを割り当てる方法を紹介している解説もあります。ただ、処理を書いたファイルに実行の許可を与える手順などが必要で、始めたばかりの人には手間が多いので、まずはFinderからの方法で十分です。
よく出るエラーと直し方
ターミナルとXcodeを組み合わせて使い始めると、いくつかの決まったエラーに出会います。表示された文面ごとに、直し方を整理します。
「xcrun: error: invalid active developer path」
macOSを大きく更新したあとに、gitやmakeを打つと出ることが多いエラーです。コマンドラインツールの場所が分からなくなっている、という意味です。ターミナルで xcode-select --install を打ち、コマンドラインツールを入れ直すと直ります。
「xcode-select: error: command line tools are already installed」
すでに入っているのに、もう一度 xcode-select --install を打ったときの表示です。エラーというより「入っています」というお知らせなので、気にしなくて構いません。古い版を入れ直したい場合は、システム設定の[一般]から[ソフトウェアアップデート]を開き、コマンドラインツールの更新が出ていないかを確かめます。
「xcodebuild requires Xcode」という趣旨のエラー
コマンドラインツールだけで、Xcode本体の機能を使おうとしたときに出ます。前の章で書いたとおり、Xcode本体を入れて、sudo xcode-select --switch /Applications/Xcode.app で切り替えます。
使用許諾に同意していないというエラー
Xcodeを入れたあと、一度もXcodeを開かずにターミナルから使おうとすると、使用許諾に同意するよう求められることがあります。Xcodeを一度起動して同意するか、ターミナルで sudo xcodebuild -license を打って同意します。
「zsh: command not found」
打ったコマンドが見つからない、という意味です。原因は大きく3つあります。コマンドの綴りを間違えている、そのコマンドの道具がまだ入っていない、入っているのにターミナルが場所を知らない、の3つです。Homebrewを入れた直後に brew でこの表示が出る場合は、3つ目のことが多く、インストールの最後に表示された設定の行を実行していないのが原因です。まずは綴りを見直し、次に道具が入っているかを確かめる、という順で切り分けます。
「permission denied」
ダウンロードした処理のファイルを実行しようとして出る場合は、ファイルに実行の許可が付いていないのが原因です。chmod +x ファイル名 で許可を付けます。ただし、入手先がよく分からないファイルに実行の許可を付けるのは避けてください。
エラーの文面は英語で長く、最初は身構えてしまいます。それでも、出てくるエラーの種類はそれほど多くありません。文面の一部をそのまま検索すれば、同じところでつまずいた人の記録がたいてい見つかります。
Homebrewを入れるときの流れ
コマンドラインツールを入れたあと、多くの人が次に入れるのがHomebrewです。Homebrewは、開発に使う道具をコマンド1行で入れたり、新しい版に更新したりできる仕組みで、日本語の公式サイトでは「どこでも使えるパッケージマネージャー」と紹介されています。
Homebrewの公式の案内によると、2026年10月時点で十分に対応しているmacOSは、Appleシリコンの場合でmacOS 15(Sequoia)から27(Golden Gate)までです。macOS 10.15(Catalina)以前では動きません。また、道具を設計図から組み立てて入れる場合には、コマンドラインツールかXcodeが必要だと書かれています。つまり、この記事で入れたコマンドラインツールは、Homebrewを使うための土台にもなります。
入れ方は、Homebrewの公式サイトに表示されている1行のコマンドをコピーして、ターミナルに貼り付けて実行するだけです。途中で、Macにログインするときのパスワードを求められます。終わると、ターミナルに「次にすること」が英語で表示されることがあります。多くの場合、Homebrewのコマンドを使えるようにするための設定の行が示されているので、その指示どおりにコピーして実行します。ここを飛ばすと、brew と打っても「見つからない」と表示されます。
入ったかどうかは、ターミナルで brew --version と打てば確かめられます。版の番号が表示されれば準備は完了です。
Homebrewの1行のコマンドは、インターネットから取ってきた処理をそのまま実行する形になっています。必ずHomebrewの公式サイトに表示されているものをコピーし、ブログや動画の説明欄に書かれたものをそのまま貼り付けないようにしてください。正しいサイトからコピーすることが、自分のMacを守るいちばんの方法です。
ターミナルで最初に覚えておきたいコマンド
コマンドラインツールを入れたら、ターミナルでよく使うコマンドを少しずつ覚えていきます。いきなり全部を覚える必要はありません。次の表の上から順に、使う場面が来たときに覚えれば十分です。
| コマンド | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| pwd | いまいるフォルダを表示する | 自分がどこにいるか分からなくなったとき |
| ls | フォルダの中身を表示する | ファイルがあるか確かめたいとき |
| cd フォルダ名 | フォルダを移動する | 作業する場所へ移るとき |
| open . | いまいるフォルダをFinderで開く | ターミナルからFinderに戻りたいとき |
| xed . | いまいるフォルダをXcodeで開く | Xcodeで続きを書きたいとき |
| git status | 変更されたファイルを一覧にする | 変更を記録する前に確かめたいとき |
open . は、ターミナルとFinderを行き来するときに便利です。ターミナルで作ったファイルを、すぐFinderで目で確かめられます。
ターミナルの操作は、初めはこわく感じるかもしれません。ファイルを削除する rm のように、取り消しのきかないコマンドもあります。慣れるまでは、表にある「見るだけ」のコマンドから使い始め、ファイルを変えるコマンドは、意味を確かめてから打つようにしてください。
Xcodeとほかの編集ソフトの使い分け
ターミナルを使い始めると、Xcodeのほかに、Visual Studio Codeのような汎用の編集ソフトを使う人も増えてきます。どちらを使えばよいか迷ったら、作るものから決めると分かりやすくなります。
iPhone、iPad、Mac、Apple Watchのアプリを作るなら、Xcodeが中心になります。画面の設計、シミュレータでの動作の確認、App Storeへの提出まで、Appleの機器向けのアプリづくりはXcodeを前提に組み立てられているからです。このときターミナルは、gitで変更を記録したり、ライブラリを追加したりする補助の役割を受け持ちます。
Webサイトや、サーバで動くプログラム、データを整える小さな処理を作るなら、汎用の編集ソフトとターミナルの組み合わせが一般的です。この場合、Xcode本体は要らず、コマンドラインツールだけを入れておけば足ります。
両方の仕事をする人は、Xcodeと汎用の編集ソフトを両方入れて使い分けて構いません。大事なのは、どちらの場合でも、ターミナルとコマンドラインツールが土台になっているということです。この記事で入れた準備は、どちらの道に進んでも無駄になりません。
会社のMacで入れるときに確かめること
会社から貸し出されたMacで開発を始める場合は、入れる前に社内の決まりを確かめてください。管理者の権限がなく、コマンドラインツールやXcodeを自分で入れられない設定になっていることがあります。sudo を使うコマンドも、管理者の権限がなければ通りません。
また、会社によっては、入れてよいアプリの一覧が決まっていたり、外部のサイトからの道具の入手を制限していたりします。Homebrewのように、インターネットから道具を取ってくる仕組みは、とくに制限の対象になりやすいものです。情報システムの担当に「開発のためにコマンドラインツールとHomebrewを使いたい」と目的を添えて相談すると、話が早く進みます。
Finderとターミナルの行き来を減らす
開発やWeb制作の作業では、Finderでファイルを探し、ターミナルでコマンドを打ち、Xcodeや編集ソフトで書く、という3つの画面の行き来が続きます。この行き来を減らすだけで、作業の流れはかなり滑らかになります。
標準のアプリだけで工夫するなら、ターミナルのウインドウを画面の下半分、Finderを上半分に並べる方法があります。さらに、ターミナルのタブ(Command+Tで新しいタブ)を、プロジェクトごとに1つずつ開いておくと、フォルダを移動し直す手間が減ります。
フォルダを開いた場所でそのままコマンドを打ちたい人には、ファイル管理とターミナルが一体になった道具を使う選択肢もあります。その1つが Atriens です。Macのファイル管理アプリで、公式サイトのよくある質問によると、[表示]メニューの[ターミナルを表示/隠す]かCommand+Jで、いま見ているフォルダの場所から始まるターミナルが画面の右側に開きます。cd で移動する必要がなく、フォルダを切り替えるとターミナルも一緒に切り替わります。どのフォルダで処理が動いているか、終わったかが、タブの色と印で分かる作りです。対応するのはmacOS 14以降で、Macの中で使う機能は無料、有料になるのはiPhoneやiPadから自宅のMacを操作する場合だけです。Xcodeの代わりになるものではなく、Xcodeと並べて、ファイルとコマンドの側を受け持つ道具と考えると分かりやすいでしょう。Atriensは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
開発の道具に慣れることが、在宅の仕事の選択肢を広げる
ターミナルとXcodeの準備は、アプリ開発の仕事を目指す人にとって最初の関門です。ただ、ここを越えた人は、実は多くの在宅の仕事への入り口に立っています。
キャリアの相談の場では、「プログラミングを独学で学んでいるけれど、仕事になるのはずっと先」と考えている人によく出会います。実際には、開発の環境を自分で整えられること自体が、小さな仕事の入り口になります。たとえば、Webサイトの更新作業、データの整形、決まった作業を自動で進める小さな処理づくりなど、ターミナルを使える人に頼みたい仕事は少なくありません。いきなり大きな案件を目指さず、まず小さく試してみる。それが長く続けるこつです。
フリーランスや在宅の仕事を長く見てきた運営者の立場から見ても、開発の仕事で継続して依頼される人は、環境の準備や引き継ぎの手順を文章で残せる人です。「どのコマンドで、どの順番で動かすか」を相手が再現できる形で渡せると、依頼する側の安心感がまるで違います。仲介の手数料がかからない直接のやり取りでは、その信頼がそのまま次の依頼と手取りの厚さにつながります。
アプリ開発の仕事にどんな種類があり、どんな技術が求められるかは、アプリケーション開発のお仕事で紹介しています。AIを業務に取り入れる支援の仕事では、ターミナルで動く道具の準備から手伝うことも多く、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で仕事の中身と求められる力をまとめています。
開発とデザインの両方に関わる仕事の報酬の目安を知りたい人は、デザイナーの年収・単価相場で、職種ごとの単価の幅を確かめられます。在宅で開発の環境を整える費用を会社として考える場合は、テレワーク 助成金 2026で、テレワークの導入に使える助成金の種類と申請の流れを確かめられます。
まずは、ターミナルを開いて xcode-select -p と打つところから始めてみてください。1行のコマンドが動いた経験が、次の一歩を軽くします。
よくある質問
Q. Xcodeの中でターミナルを開くことはできますか?
Xcodeには、ほかの編集ソフトにあるような内蔵のターミナルはありません。ターミナルはMacに最初から入っている別のアプリなので、Xcodeと並べて使います。プロジェクトのファイルを右クリックして[Show in Finder]を選び、そのフォルダからターミナルを開くと、同じ場所で作業を始められます。
Q. コマンドラインツールを入れるのにXcode本体は必要ですか?
必要ありません。ターミナルで「xcode-select --install」と打てば、コマンドラインツールだけを入れられます。gitやHomebrewを使いたいだけならこれで足ります。iPhoneやMacのアプリを作る場合や、xcodebuildを使う場合は、Xcode本体が必要です。
Q. macOSを更新したらgitが使えなくなったのはなぜですか?
macOSの大きな更新のあと、コマンドラインツールの場所が分からなくなり、「invalid active developer path」というエラーが出ることがあります。ターミナルで「xcode-select --install」を打ってコマンドラインツールを入れ直すと、多くの場合は直ります。
Q. コマンドラインツールが入っているかはどう確かめますか?
ターミナルで「xcode-select -p」と打ちます。コマンドラインツールだけなら「/Library/Developer/CommandLineTools」、Xcode本体を使っているなら「/Applications/Xcode.app/Contents/Developer」が表示されます。エラーが出る場合は、まだ入っていません。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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