ベトナム語の単価の相場


この記事のポイント
- ✓ベトナム語の翻訳と通訳を受ける側から見た単価の決まり方を整理しました
- ✓文字単価と時間単価の使い分け
- ✓単価が下がる構造とそこから抜ける方法までを
ベトナム語の翻訳や通訳の単価は、言語のペアだけでは決まりません。結論から言うと、単価を左右しているのは「何を数えるか」「どの分野か」「いつまでに必要か」の3つで、この3つを自分で説明できる人と、提示された金額を受け入れるだけの人では、同じ実力でも年間の手取りが大きく変わります。
この記事は、ベトナム語がすでに使える人が受注側として単価を組み立てるために書いています。依頼する側から見た費用を抑える方法ではなく、受ける側が自分の作業に値段を付けるための整理です。
単価の土台になる相場感
まず大枠の数字を押さえます。日本語からベトナム語への翻訳は、1文字あたり8円から15円程度が一般的な水準とされています。逆方向、ベトナム語から日本語への翻訳は、原文の語数で計算されることが多く、1ワードあたり10円から20円程度の幅で提示されます。
通訳の場合は時間で計算します。オンラインでの逐次通訳なら1時間あたり3,000円から8,000円程度、半日や1日の単位で契約する場合は2万円から5万円程度の提示が見られます。専門性の高い分野や、事前準備が重い案件はこれより上振れします。
チェックや校正は、翻訳単価の3割から5割程度で提示されることが多くなります。ただしこの比率は、原稿が一定の品質であることを前提にした数字です。機械翻訳をそのまま貼った原稿が来た場合、実質は翻訳のやり直しになるため、この比率で受けると損をします。
これらはあくまで土台の数字です。実際の提示額は、次に述べる要因で上下します。
単価が下がる構造を理解する
ベトナム語は、翻訳市場の中では単価が上がりにくい言語に分類されます。この構造を理解しておかないと、交渉のたびに理由のわからない値下げ圧力を受けることになります。
翻訳会社の情報発信でも、その理由が説明されています。
翻訳の難易度によって費用が変わることもあります。ベトナム語は約7000万人が利用するメジャーな言語で、翻訳者の人数も多いため、他言語より単価が安い傾向にあります。一方で、学術論文などの専門的な文書や、申請書などの公的な文書の場合は、文書そのものの難易度が高いため、翻訳費用が相場より高くなることもあります。 出典: crowdworks.jp
ここに、単価の構造がそのまま書かれています。話者数が多く、対応できる人が多い。だから一般文書では価格競争になる。逆に、文書の難易度が上がると対応できる人が減り、単価が上がる。
この構造から導かれる結論は明快です。一般文書だけを受け続けるかぎり、単価は下がる方向にしか動きません。単価を上げる唯一の道は、対応できる人が少ない領域に移ることです。語学力を上げることではなく、扱える文書の種類を変えることが単価に効きます。
同じ構造は他の言語でも観察できます。話者数が多い言語ほど一般文書の単価が下がり、専門分野で差がつくという傾向は共通しています。中国語での需給の分かれ方は中国語翻訳の副業ガイド|需要が高いジャンルと単価の目安に整理されており、ベトナム語で同じ動きを読むときの参考になります。
何を数えるかで単価は変わる
同じ作業でも、数える単位を変えると受け手の有利不利が変わります。案件ごとに適切な単位を選べるかどうかは、実務では単価そのものより効きます。
原文の文字数で数える方式は、分量が読みやすい文書に向きます。契約書、マニュアル、報告書のように、まとまった量があり内容の密度が均一な文書はこの方式が扱いやすくなります。受注前に文字数が確定するため、双方にとって総額が読めます。
訳文の語数で数える方式は、ベトナム語から日本語への翻訳で使われます。訳文の量は訳者の書き方に左右されるため、依頼側は嫌がることがあります。原文基準に統一するほうが交渉が早く終わります。
時間で数える方式は、原稿の品質にばらつきがある案件や、調査を伴う案件に向きます。機械翻訳の後編集、断片的な文言のチェック、複数のファイルを行き来する作業はこの方式です。依頼側は総額が読めないことを嫌うため、上限時間を決めて合意します。
件数や商品数で数える方式は、短い単位が大量にある案件に向きます。EC商品説明、画面の文言、商品名の確認などです。1件あたりの単価だけを見て受けると、時給換算で大きく損をすることがあるため、先に自分で試算します。
月額固定で数える方式は、対応の待機を含む案件に向きます。問い合わせ対応や、随時発生する小さな翻訳をまとめて受ける形です。想定件数と超過分の扱いを決めておかないと、実質的な時給が下がり続けます。
案件の性質と数える単位が合っていないとき、割を食うのはたいてい受け手のほうです。「この案件は文字数ではなく時間で計算させてください」と提案できるかどうかで、同じ案件の手取りが変わります。
分野による差が最も大きい
単価の差を生む要因の中で、最も影響が大きいのは分野です。同じベトナム語でも、扱う文書の分野によって単価は2倍以上開きます。
一般的なビジネス文書、社内の連絡文、簡単な案内文は、対応できる人が多いため下限に近い水準になります。ここで数をこなす戦略は、時間あたりの手取りが伸びにくく、長く続けるのが難しくなります。
技術文書は一段上がります。製造業の作業手順書、機械の操作マニュアル、IT関連の仕様書などです。用語の正確さが求められ、内容を理解していないと訳せません。開発側の予算感を知っておくと単価の妥当性を判断しやすくなるため、ソフトウェア作成者の年収・単価相場にある水準を頭に入れておくと交渉の材料になります。
医療、法務、金融の文書はさらに上がります。誤訳の影響が大きく、対応できる人が限られるためです。医療通訳のように資格や経験が明示的に要求される領域では、条件面でも優遇されやすくなります。
特許や学術論文は、翻訳の中でも高単価の領域です。専門知識と定型の書式の両方が要求されるため、参入する人が少なくなります。この領域がどう成立しているかは、フリーランスの特許翻訳|高単価ニッチ翻訳の始め方と特許翻訳のフリーランス|単価相場・必要スキル・案件獲得法【2026年版】に、必要な準備と単価の構造がまとまっています。ベトナム語で同じ位置を取るのは英語より難度が低い一方、案件数も少ないため、他の分野と組み合わせる前提で考えるのが現実的です。
映像翻訳と字幕は、単価の計算方法が独特です。分数単位で計算されることが多く、文字数とは別の技能が要ります。どういう案件があるかは映像翻訳・字幕・通訳のお仕事にまとまっています。
割増が通る条件
基本の単価に上乗せできる条件は決まっています。これを知らないと、上乗せすべき場面で通常単価のまま受けてしまいます。
最も通りやすいのが納期の割増です。翻訳会社の説明でも、短納期の案件には割増が設定されることが示されています。
ベトナム語翻訳を短納期で依頼すると、割増料金(基本料金の30~50%増など)がかかるケースもあります。スピーディに翻訳するために複数人で翻訳作業をしたり、経験豊富な翻訳者をアテンドしたりといった特別な対応が必要になるためです。急ぎでない場合は、余裕のあるスケジュールで依頼すると翻訳費用を抑えられます。 出典: crowdworks.jp
基本料金の3割から5割という幅が、業界の通例として示されています。個人で受ける場合も、この水準を根拠に提示できます。「急ぎの案件は3割増しになります」と最初に伝えておけば、後から交渉する必要がなくなります。
次に通りやすいのが、原稿の状態による割増です。編集できない形式のファイル、手書きのスキャン、体裁が崩れた原稿は、作業前の整形に時間がかかります。この整形作業を無償で引き受けると、実質的な単価が下がります。別項目として見積もります。
用語集や表記ルールの整備も、別項目にします。この作業は後の案件を軽くする投資であり、依頼側に価値が残ります。無償のサービスとして提供すると、後で単価を上げる根拠を失います。
一方、通りにくいのが「難しかったから」という事後の割増です。難易度は受注前に判断すべきもので、始めてから言っても通りません。だからこそ、受注前に原稿の一部を見せてもらう手順が必要になります。
単価を上げるための現実的な順序
いきなり高単価の分野に移ることはできません。段階を踏む必要があります。運営者として市場を見ていると、単価を上げていく人はおおむね次の順序を通っています。
最初に、分野を絞ります。すべての案件を受けるのをやめ、扱う分野を2つか3つに限定します。絞ると案件が減ると心配されますが、実際は逆で、絞った分野での説明が具体的になるため受注率が上がります。
次に、その分野の用語を蓄積します。案件ごとに日本語とベトナム語の対応表を作り、更新します。この蓄積が処理時間を短くし、時間あたりの手取りを押し上げます。単価が同じでも、処理時間が半分になれば実質の時給は2倍です。
その後、単価の交渉に入ります。継続案件があり、実績の記録があり、対応できる分野が明確になっていれば、交渉の材料が揃っています。「同種の案件を過去に何件処理し、この分野の用語集を整備しています」という説明は、値上げの根拠として機能します。
最後に、経路を変えます。翻訳会社経由の案件は安定していますが、間に入る分だけ受け手の取り分が薄くなります。直接の取引先を作ると、同じ作業でも手取りが変わります。安定と手取りのどちらを優先するかは人によりますが、両方を持っておくと収入の波を抑えられます。
品質を第三者に示す材料があると、この過程が短くなります。翻訳の品質を証明する仕組みについてはJTF翻訳品質認証に、業界としての評価の枠組みがまとまっています。語学の資格が単価にどう効くかを他言語で比べたい場合は、中国語検定(中検)1級の水準と要求内容が参考になります。
単価を判断するための基準を持つ
提示された金額が妥当かどうかを判断するには、比較の基準が要ります。ベトナム語の案件だけを見ていると、その市場の中の相対的な位置しかわかりません。
文章を扱う職種全体の水準は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場に統計として整理されています。言語の希少性を上乗せする前の土台として使えます。他言語の翻訳がどういう単価で動いているかは、英語・多言語翻訳のお仕事にどういう案件が外部委託に出ているかがまとまっており、比較の材料になります。書く仕事全般の相場を押さえるには、翻訳・ライティングレッスンのお仕事も参考になります。
判断の手順としては、まず提示額を時給に換算します。文字単価の案件なら、自分の処理速度から1時間あたりの金額を出します。この換算をせずに文字単価だけで判断すると、実際には時給が低い案件を受け続けることになります。
次に、その時給が自分の目標に対してどうかを見ます。週に何時間稼働できて、月にいくら必要かが決まっていれば、受けるべき単価の下限が計算できます。下限を決めておくと、迷う時間が減ります。
運営者として見てきた、単価が動く瞬間
在宅の仕事の仲介を20年見てきた立場から言うと、単価が上がるのは値上げを申し出た瞬間ではありません。依頼側が「この人がいないと困る」と感じた瞬間です。
その状態は、作業を速く終えることでは作れません。作られるのは、依頼側が次に困ることを先回りして減らしたときです。用語集を渡す、原文の改善点を伝える、問い合わせの傾向を報告する。どれも契約上の義務ではありませんが、これを続けている人は交渉の場で強い立場に立ちます。
長く続く人ほど、単価の話を最後にします。先に、自分が引き受けている範囲と、それによって依頼側が省けている手間を整理します。値上げの交渉ではなく、範囲の確認として話を始めるほうが、結果として通りやすくなります。
もう1つ、額面と手取りの関係に触れておきます。同じ「1文字10円」でも、仲介手数料が2割引かれる経路と引かれない経路では、手元に残る額が変わります。依頼側から見ても同じで、手数料が乗らなければ同じ予算でより多くの分量を頼めます。手数料0%の経路が効くのは、単価そのものが跳ね上がるからではなく、同じ単価のまま双方の条件が良くなるからです。1件では小さな差でも、継続案件になった時点で無視できない大きさになります。
ベトナム語の単価は、言語だけを見ていると低く見えます。しかし、数える単位を選び、分野を絞り、割増の条件を先に提示できる人にとっては、同じ言語でもまったく違う水準で成立します。相場は与えられるものではなく、自分の作業をどう説明するかで決まる部分がかなり大きいということです。
見積もりを出すまでの手順
単価表を持っていても、案件ごとに見積もりを組み立てる手順がないと、提示のたびに時間がかかり、金額もぶれます。手順を決めておくと、依頼が来てから返信するまでの時間が短くなり、それ自体が受注の材料になります。
第1段階は、原稿の確認です。全体を見せてもらえない場合でも、代表的な数ページを見せてもらいます。ここで判断するのは、分野、難易度、機械翻訳が使われているかどうか、体裁が整っているかどうかの4点です。原稿を見ずに金額を出すのは、受注側にとって一方的に不利な賭けになります。
第2段階は、単位の選定です。分量が確定していて内容の密度が均一なら文字数、ばらつきがあるなら時間、短い単位が大量にあるなら件数を選びます。ここで単位を誤ると、その後どれだけ交渉しても採算が合いません。
第3段階は、作業時間の見積もりです。過去の記録から、この分野のこの分量なら何時間かかるかを出します。記録がなければ、原稿の一部を実際に処理して測ります。30分だけ試すことで、全体の所要時間の精度が大きく上がります。
第4段階は、付随作業の洗い出しです。体裁の整形、用語集の作成、納品後の修正対応、依頼側との確認のやり取りにかかる時間を積みます。ここを忘れると、実質の時給が計算より低くなります。付随作業は本作業の2割から3割を占めることが珍しくありません。
第5段階は、割増の判定です。納期が短いか、原稿の状態が悪いか、専門性が高いかを確認し、該当すれば加算します。加算する理由を1行で書いて添えると、依頼側は納得しやすくなります。
この5段階を型として持っておくと、見積もりの作成は15分程度で終わります。速く正確な見積もりを返せることは、それだけで選ばれる理由になります。
継続案件で単価を守る方法
新規案件では強気に出せても、継続案件では単価が固定されがちです。数年同じ金額のまま続いている案件は珍しくありません。ここを動かす方法を整理します。
まず、作業の中身が当初と変わっていないかを確認します。契約時は翻訳だけだったのに、いつの間にか体裁の調整や用語の確認まで引き受けている、というケースが実際によくあります。範囲が広がっているなら、それは値上げではなく範囲の是正の話です。「当初の範囲はここまででした」と事実を示せば、交渉というより確認として進みます。
次に、依頼側の状況が変わっていないかを見ます。取扱商品が増えた、対応する市場が広がった、社内で言語対応の担当者が辞めたといった変化があると、こちらの価値が上がっています。この変化を把握していれば、話を切り出す時期を選べます。
そして、代替の難しさを可視化します。用語集、過去の判断の記録、対応してきた分野の一覧を1枚にまとめて渡します。依頼側は「他の人に頼むと、これを一から作り直すことになる」と理解します。値上げを飲む理由は、こちらの努力ではなく、乗り換えの手間の大きさで決まります。
なお、交渉のときに他社の見積もりを持ち出すのは慎重に扱います。比較は依頼側にとって乗り換えを検討する材料にもなるからです。自分の作業の中身で説明するほうが、結果として安全に進みます。
収入を安定させる案件の組み合わせ
単価だけを追うと、収入が不安定になります。高単価の案件は数が少なく、間が空くからです。実務では、性質の違う案件を組み合わせて波を抑えます。
土台にするのは、月額固定か継続の案件です。金額は高くなくても、毎月発生することに価値があります。問い合わせ対応、定期的な資料の更新、月次のニュースレターの翻訳といった業務が該当します。この土台があると、単価の低い案件を焦って受ける必要がなくなります。
上積みにするのは、単発の高単価案件です。専門分野の文書、短納期の案件、通訳の依頼などです。土台があるからこそ、条件が合わない依頼を断れます。断れる状態を作ることが、結果として単価を守ります。
そして、時間が固定される案件と、時間が自由な案件のバランスを見ます。通訳やサポートは時間が拘束される代わりに収入が読め、翻訳は時間が自由な代わりに波があります。両方を持つと、生活の予定を立てやすくなります。
運営者として長く市場を見ていると、収入が安定している人ほど、単価の高い案件だけを狙う戦い方をしていません。土台と上積みを分けて設計し、土台の部分では単価より継続性を優先しています。この設計ができているかどうかが、数年単位で見たときの差になります。
記録が単価の根拠になる
最後に、単価の交渉で最も効く材料に触れておきます。それは記録です。
案件ごとに、分野、文書の種類、分量、所要時間、修正の回数を残します。この記録があると、見積もりの精度が上がるだけでなく、単価の説明ができるようになります。「この分野は1万文字あたり平均で8時間かかっており、他分野より2倍の時間を要します」という説明は、感覚での主張とはまったく違う重みを持ちます。
記録は自分のためにもなります。どの分野が自分にとって効率が良いのかは、感覚では正しく判断できません。数字で見ると、単価が高いと思っていた案件の時給が実は低かった、ということが起こります。受ける案件を選ぶ基準を作るには、この可視化が要ります。
記録を始めるのに特別な道具は不要です。表計算に日付、案件の種類、分量、時間、金額を並べるだけで足ります。半年続けると、自分の単価表が事実に基づいたものに変わります。ここまで来ると、提示された金額に対して即座に判断できるようになり、迷う時間そのものが減ります。
機械翻訳との関係をどう単価に反映するか
近年の案件では、機械翻訳を通した文章の後編集を依頼される場面が増えています。この形の案件は単価の設計が難しく、受け方を誤ると採算が合わなくなります。
依頼側の期待は、通常の翻訳より安く、しかし品質は翻訳と同等というものです。この期待が成立するのは、機械翻訳の出力が一定の水準にある場合だけです。分野によって出力の質は大きく変わり、定型的なビジネス文書では実用に近い一方、専門用語が多い文書や口語表現を含む文書では大幅な書き直しが必要になります。
したがって、後編集の案件は原稿を見てから単価を決めるのが原則です。出力を数百文字だけ実際に直してみて、修正が必要な割合を測ります。修正率が低ければ翻訳単価の3割から5割で成立しますが、半分以上を書き直すなら翻訳と同額を提示すべきです。「後編集だから安い」という前提を無条件に受け入れると、翻訳より重い作業を翻訳より安い金額で引き受けることになります。
この判定を最初に行い、根拠を添えて提示できる人は、依頼側からも信頼されます。金額の交渉というより、作業内容の説明として話が進むためです。数字で説明できることは、この分野では単価そのものを守る力になります。
支払条件も単価の一部として見る
金額の話をするとき、単価だけを見て支払条件を見落とす人がいます。実際には、入金までの期間や支払方法も手取りに影響します。
確認すべきなのは、締日と支払日、支払方法、振込手数料の負担者の3点です。月末締めの翌月末払いなら入金まで最長で2か月かかります。この期間が長い取引ばかりだと、作業しているのに手元の資金が薄い状態が続きます。同じ単価なら、支払サイクルが短い取引のほうが実質的な条件は良好です。
振込手数料が受け手負担になっている場合、少額の案件を多数受ける形では負担割合が無視できません。月まとめでの支払いに変更してもらうだけで改善します。
フリーランスとして業務委託を受ける場合、発注事業者には取引条件を書面等で明示する義務や、支払期日に関する規律が法令上定められています。条件が口頭のまま進む案件は、その時点で運用体制に不安があると判断してよい材料になります。制度の詳細は公正取引委員会や中小企業庁が公表している情報が一次情報になります。
単価表を整えるのと同じ丁寧さで、支払条件も一度決めてしまいます。案件ごとに考えるのではなく、自分の標準条件として文書にしておけば、提示のたびに迷わずに済みます。
ベトナム語という言語そのものの相場は、確かに高くありません。それでも、数える単位を選び、分野を絞り、割増と支払条件を先に決めた人は、同じ言語で違う水準の仕事をしています。相場は与えられるものではなく、説明のしかたで動く部分があるということです。
よくある質問
Q. ベトナム語翻訳の単価はいくらくらいですか?
日本語からベトナム語への翻訳は1文字あたり8円から15円程度、ベトナム語から日本語は1ワードあたり10円から20円程度が一般的な水準です。通訳はオンラインの逐次通訳で1時間3,000円から8,000円程度、チェックや校正は翻訳単価の3割から5割程度で提示されることが多くなります。分野によってこの幅を超えて上振れします。
Q. ベトナム語は他の言語より単価が低いのですか?
一般文書では低くなる傾向があります。話者数が多く対応できる人が多いため、価格競争が起きやすい構造です。一方で、学術論文や公的な申請書のように文書そのものの難易度が高い案件は、対応できる人が減るため相場より高くなります。単価を上げる道は、語学力を上げることより扱う文書の種類を変えることにあります。
Q. 急ぎの案件で割増を請求してもよいですか?
短納期の案件に基本料金の3割から5割程度の割増が設定されるのは業界の通例です。個人で受ける場合も同じ根拠で提示できます。ただし事後の請求は通りにくいため、「急ぎの案件は3割増しになります」と受注前に伝えておきます。編集できない形式のファイルや手書き原稿の整形作業も、別項目として見積もるべきです。
Q. 提示された単価が妥当かどうかを判断する方法はありますか?
まず提示額を時給に換算します。文字単価の案件なら、自分の処理速度から1時間あたりの金額を計算します。この換算をせずに文字単価だけで比べると、実際には時給の低い案件を受け続けることになります。そのうえで、週の稼働時間と月の目標額から受けるべき単価の下限を決めておくと、判断に迷う時間が減ります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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