動画マニュアルの作り方|画面録画で手順を伝えるツールとコツ


この記事のポイント
- ✓動画マニュアルの作り方を
- ✓向いている手順の見分け方
- ✓Windows・Mac・iPhoneの画面録画の手順
紙やスライドの手順書を作っても、新しく入った人が同じところでつまずき、結局は隣で画面を見せながら説明している。そんな職場で検討されるのが、操作の様子をそのまま録画して見せる動画マニュアルです。ただ、いざ作ろうとすると、どのツールを使えばよいのか、何分くらいの長さにすればよいのか、撮った動画をどう編集すればよいのかで手が止まりがちです。
結論から書くと、動画マニュアルは、パソコンやスマートフォンに最初から入っている画面録画の機能で今日から作り始められます。大切なのはツールより、1本で1つの手順だけを扱い、冒頭で完成の姿を見せ、短く区切ることです。この記事では、動画マニュアルが向いている手順の見分け方、作る前に決めること、台本と構成の組み立て方、Windows・Mac・iPhone での画面録画の手順、撮影と編集のコツ、作成ツールの種類と選び方、映り込みの注意点、作った動画を使われ続けるようにする更新の仕組みを順に説明します。制作を複数人で分担して進める場面では、担当と期限と進み具合を共有できるプロジェクト管理ツールのPinatecaにも触れます。
動画マニュアルとは何か
動画マニュアルとは、仕事の手順や機器の操作方法を、動画で伝えるための説明資料です。パソコンの画面を録画したもの、作業する手元を撮影したもの、話し手が説明する様子を撮ったものなど、いくつかの形があります。事務の仕事やシステムの操作では、パソコンの画面をそのまま録画する形が最も手軽で、よく使われています。
紙やスライドのマニュアルとの違いは、操作の流れと動きがそのまま伝わる点です。「右上のメニューから設定を開き、左の一覧で通知を選ぶ」と文字で書いても、初めての人はどこをクリックすればよいか迷います。動画なら、マウスのポインタがどこへ動き、どの画面に切り替わるかが一目で分かります。
一方で、動画には弱点もあります。必要な箇所だけを探して読むのが難しいこと、画面の内容が変わると撮り直しが必要になること、音声を流せない場所では見づらいことです。動画マニュアルは紙のマニュアルの代わりではなく、紙では伝わりにくい部分を補う道具だと考えると、使いどころを誤りません。
教える仕事の視点から見ても、動画には「何度でも同じ説明を繰り返せる」という大きな利点があります。対面で教えると、教える人の調子や時間によって説明の質が変わりますが、動画なら毎回同じ説明が届きます。教わる側も、分からないところを止めて見直せるので、質問しにくい人ほど助かります。
動画マニュアルが向いている手順と向いていない手順
すべての手順を動画にする必要はありません。動画が向いているかどうかを見分けると、制作の手間を必要なところに集中できます。
動画が向いている手順
- 画面の切り替えが多い操作:システムへの登録、設定の変更、帳票の出力など、画面を何度も行き来する手順
- 言葉で説明しにくい動き:ドラッグの操作、手元の作業、機器の組み立てなど
- 毎回同じ流れで行う定型の作業:毎月の締めの処理、新しい人のアカウント作成など
- 新しく入った人が必ず最初に覚える作業:同じ説明を何度も繰り返している手順
動画が向いていない手順
- 頻繁に画面や手順が変わるもの:変わるたびに撮り直しが必要になる
- 判断の基準を説明するもの:「この場合はAを選ぶ」といった条件分岐の多い内容は、文字の表のほうが探しやすい
- 一部だけを参照することが多いもの:設定値の一覧や連絡先など、必要な行だけ見たい情報
- 規程や決まりの文面:正確な文言が大切なものは、文字で残す
迷ったときは、「この手順を誰かに教えるとき、画面を見せながら説明しているか」を考えます。見せながら説明しているなら、動画にする価値があります。口頭や文字の説明だけで足りているなら、紙のマニュアルのままで構いません。
動画マニュアルを作る前に決めること
録画を始める前に、次の4つを決めておくと、撮り直しが大幅に減ります。
誰が見るのか
最初に、見る人を決めます。入社したばかりの人なのか、その業務を何度か経験した人なのかで、説明の細かさが変わります。初めての人向けなら、ログインの方法やメニューの場所から説明が要ります。経験者向けなら、変更になった部分だけを短く伝えれば十分です。
何ができるようになればよいのか
次に、動画を見終わったときに、見た人が何をできるようになっていればよいかを一文で書きます。「経費の申請を1件、最後まで入力して提出できる」のように、具体的な行動で書くのがコツです。この一文が、動画に入れる内容と入れない内容を決める基準になります。
1本の長さ
1本の長さは、1つの手順を説明できる範囲で、できるだけ短くします。目安として、1本1〜3分程度に収めると、見る人は集中を保ちやすく、必要な動画を探すのも楽になります。10分を超える長い手順は、区切りのよいところで複数の動画に分けます。
どこで、何を使って見るのか
見る人がパソコンで見るのか、スマートフォンで見るのか、現場で作業しながら見るのかも決めておきます。動画配信の仕組みを提供する会社のコラムも、現場の環境に合わせた選び方の大切さを次のように書いています。
動画マニュアル作成ツールは、長時間操作を行うケースもあるため、操作性が大切です。ツールの操作方法が分かりやすいか、操作マニュアルは充実しているかをチェックしましょう。特に、動画制作初心者の方が利用する場合は、操作しやすく、手軽に利用できるツールを選ぶことが重要です。また、ツールへアクセスするのはPCなのか、iPhone・iPadなのかもチェックが必要です。実際の作業現場にはPCがない場合も想定して、現場の環境に合わせたツール選定をしましょう。 出典: stream.co.jp
スマートフォンで見る人が多いなら、画面の文字が小さくなりすぎないように、録画する範囲を絞ったり、要所を拡大したりする工夫が要ります。音を出せない職場で見るなら、字幕が欠かせません。
台本と構成の作り方
動画マニュアルの出来は、録画の前の台本で8割が決まります。台本といっても、細かいせりふを書く必要はありません。手順を番号付きで書き出したメモで十分です。
基本の構成
1本の動画は、次の流れで組み立てると分かりやすくなります。
- 冒頭(5〜10秒):この動画で何ができるようになるかを伝え、完成した状態を一瞬見せる
- 準備(必要な場合):始める前に用意するもの、開いておく画面を伝える
- 手順:番号を付けて、1つずつ操作する
- 確認:正しくできたかどうかを確かめる方法を見せる
- 締め(5秒):次に見るべき動画や、困ったときの問い合わせ先を伝える
冒頭で完成の姿を見せるのは、見る人が「どこに向かっているか」を分かったうえで手順を追えるようにするためです。授業で最初に今日のゴールを示すのと同じ考え方です。
台本の書き方の例
「経費の申請」の台本の例を示します。
- 冒頭:「この動画では、交通費の申請を1件提出するまでを説明します。最後にこの画面が出れば完了です」
- 手順1:社内システムにログインし、上のメニューから「申請」を選ぶ
- 手順2:「新規作成」を押し、種類で「交通費」を選ぶ
- 手順3:日付、区間、金額を入力する(領収書がない区間の扱いに注意)
- 手順4:「確認」を押し、内容を見直してから「提出」を押す
- 確認:申請一覧に「提出済み」と表示されているかを確かめる
- 締め:「差し戻された場合の直し方は、次の動画で説明します」
このように手順を書き出しておくと、録画中に話す内容に迷わず、言い直しや無駄な間が減ります。
1本に詰め込まない
よくある失敗は、関連する手順を全部1本に入れてしまうことです。「申請の方法、差し戻しの直し方、承認する側の操作」を1本にすると、見る人は自分に必要な部分を探すのに苦労します。1本1手順を守り、関連する動画同士は締めのひと言でつなぎます。
Windows・Mac・iPhoneで画面を録画する方法
画面の録画は、多くのパソコンやスマートフォンに最初から入っている機能でできます。特別なソフトを買わなくても始められます。
Windows の場合
Windows 11 と Windows 10 では、標準のアプリの Snipping Tool で画面の一部を動画として録画できます。Microsoft のサポートページによると、Windows ロゴ キーと Shift キーと R キーを同時に押すと、動画クリップを録画するための Snipping Tool の画面が開きます。録画したい範囲を四角形で選んで録画を始めます。手順の詳細は Microsoft サポートの Snipping Tool の案内で確かめられます。
Mac の場合
Mac では、スクリーンショットアプリか QuickTime Player で画面を録画できます。Apple のサポートページは、手順を次のように案内しています。
スクリーンショットアプリを開くには、「shift」「command」「5」の3つのキーを同時に押します。 出典: support.apple.com
表示されたツールバーで「画面全体を収録」か「選択部分を収録」を選び、「収録」を押すと録画が始まります。同じ案内によると、ツールバーの「オプション」では、マイクを選んで自分の声を一緒に録音したり、「マウスクリックを表示」を選んでクリックした位置に黒い円を表示したりできます。動画マニュアルでは、このクリックの表示を有効にしておくと、どこを押したかが見る人に伝わりやすくなります。録画を止めるには、メニューバーの停止ボタンを押すか、command と control と esc のキーを同時に押します。
iPhone と iPad の場合
スマートフォンのアプリの操作を説明したいときは、iPhone や iPad の画面収録の機能が使えます。Apple のサポートページによると、画面の右上隅から下にスワイプしてコントロールセンターを開き、録画ボタンを押すと、3秒のカウントダウンの後に録画が始まります。録画ボタンを長押ししてマイクをオンにすれば、声を入れながら録画できます。録画した動画は写真アプリに保存されます。
どの方法でも、まずは数十秒の短い録画を試し、文字が読めるか、音声が聞き取れるかを確かめてから本番に進むと安心です。
手元の作業を撮影する場合
パソコンの操作ではなく、機器の組み立て、梱包、調理、検品のような手元の作業を動画にする場合は、スマートフォンのカメラで撮影します。画面録画とは違う注意点があります。
カメラを固定する
手で持って撮ると画面が揺れ、見る人が酔いやすくなります。スマートフォン用の三脚やスタンドを使い、作業する手元が真上か斜め上から映る位置に固定します。作業する人の目線に近い角度で撮ると、見る人が自分で作業するときの見え方と重なり、手順を再現しやすくなります。
明るさと背景を整える
暗い場所で撮ると、細かい部分が見えません。窓からの光や照明を手元に当て、影が作業の上に落ちないようにします。背景には無地の布や机を使い、作業と関係のない物が映り込まないようにすると、見る人の目が手元に集中します。
寄りと引きを撮り分ける
全体の流れが分かる引きの映像と、細かい動きが分かる寄りの映像を、両方撮っておきます。たとえば梱包の手順なら、箱全体を映した状態で流れを見せ、テープの貼り方や緩衝材の詰め方は近づいて撮ります。編集のときに2つをつなぐと、全体と細部の両方が伝わります。
声は後から入れてもよい
手を動かしながら説明するのが難しい場合は、撮影のときは作業に集中し、声は編集のときに後から録音して重ねる方法もあります。字幕だけで説明する形でも、手順番号と要点が表示されていれば十分に伝わります。
撮影のコツ
録画のときに少し気をつけるだけで、見やすさは大きく変わります。
通知と関係のない画面を閉じる
録画の前に、メールやチャットの通知を止め、関係のないウインドウやタブを閉じます。録画の途中で個人的なメッセージの通知が表示されると、撮り直しになるうえ、情報が漏れる原因にもなります。デスクトップに保存されたファイルの名前が映り込むこともあるので、画面全体を録画する場合は特に気をつけます。
録画する範囲を絞る
画面全体を録画すると、スマートフォンで見たときに文字が小さくて読めなくなります。操作に必要なウインドウや範囲だけを選んで録画すると、見る人は画面の中で迷わずに済みます。
マウスの動きをゆっくりにする
普段の操作の速さで録画すると、見る人はついていけません。マウスは普段よりゆっくり動かし、クリックする前に一瞬止めると、どこを押したかが伝わります。入力欄に文字を打つ場面も、慌てずに打ちます。
声は話しかけるように
声を入れる場合は、原稿を読み上げるより、隣の人に話しかけるような調子のほうが聞きやすくなります。「ここを押します」だけでなく、「申請の種類を選ぶので、ここを押します」のように、操作の理由をひと言添えると、見る人は手順の意味まで理解できます。マイクは内蔵のものでも使えますが、雑音が気になるなら、ヘッドセットのマイクを使うと声がはっきり録れます。
失敗しても止めずに続ける
録画中に言い間違えたり操作を誤ったりしても、そこで止めずに、少し間を空けて正しい操作からやり直します。後の編集で間違えた部分を切り取れば済みます。何度も最初から撮り直すより、ずっと早く仕上がります。
編集のコツ
撮った動画は、最低限の編集をするだけで見やすさが大きく上がります。凝った演出は要りません。
不要な部分を切り取る
録画の最初と最後の無駄な時間、言い間違えた部分、読み込みを待っている時間を切り取ります。待ち時間が長い操作では、「読み込みに時間がかかりますが、そのまま待ちます」とひと言入れてから、その部分を短く切ると、見る人は戸惑いません。
字幕と手順番号を入れる
音を出せない場所で見る人のために、話している内容の要点を字幕で入れます。全部の言葉を字幕にする必要はなく、「手順2:種類で交通費を選ぶ」のように、手順番号と操作の要点だけを画面の下に表示する形でも十分です。手順番号があると、見る人は「手順3だけ見直したい」と思ったときに探しやすくなります。
大事な場所を拡大する
小さなボタンや入力欄を操作する場面では、その部分を拡大して見せます。四角い枠や矢印で強調するのも効果があります。ただし、強調を多用すると、どこが大事なのか分からなくなるので、1つの画面に1か所程度に絞ります。
音楽は入れなくてよい
社内の動画マニュアルに音楽は要りません。音楽があると声が聞き取りにくくなり、何度も見る人には負担になります。無音の部分が気になる場合も、短く切って間を詰めるほうが見やすくなります。
編集には、パソコンに入っている動画編集のアプリや、録画した Mac の QuickTime Player の切り取りの機能が使えます。字幕を細かく入れたい場合は、字幕の入力に対応した動画編集ソフトを使います。
動画マニュアル作成ツールの種類と選び方
本数が増えてきたり、複数の人で作るようになったりしたら、動画マニュアルの作成に特化したツールを検討します。ツールは大きく次の3つに分けられます。
標準の録画機能と動画編集ソフトを組み合わせる
パソコンの標準機能で録画し、動画編集ソフトで切り取りと字幕を入れる方法です。費用をかけずに始められますが、本数が増えると、編集と管理の手間が大きくなります。
画面録画と編集が1つになったソフト
画面の録画から、切り取り、字幕、矢印の挿入、書き出しまでを1つのソフトで行えるものです。操作の手順を記録しながら自動で区切ってくれる機能を持つものもあります。
動画マニュアルの作成と配信が一体になったツール
作成した動画を手順ごとに区切り、社内で検索して見られるように配信する仕組みまで備えたツールです。誰がどの動画を見たかを記録できるものもあります。人数の多い職場や、教育の記録を残したい職場で使われています。
費用の目安について、ITの活用の情報を発信する団体のサイトは次のように書いています。
動画マニュアル作成ツールの費用は、サービスや利用プランによって大きく異なります。見積もりが必要なケースが多いですが、サブスクリプション型の場合は、月額数万円程度が目安といえるでしょう。 出典: aspicjapan.org
ツールを選ぶときは、次の点を確かめます。
- 作る人が迷わず使えるか:無料の試用期間で、実際に1本作ってみる
- 見る人の環境に合っているか:スマートフォンで見られるか、社外の人にも共有できるか
- 字幕の入力が楽か:音声から字幕を起こす機能があるか
- 更新が楽か:手順の一部だけを差し替えられるか
- 費用が人数や本数でどう変わるか:料金は各社の公式の料金ページで、今日時点の記載を確かめる
導入を検討するときは、作る人と見る人の両方に試してもらうことも大切です。作る側にとって便利な機能が多くても、見る側の画面が分かりにくければ、動画は見られません。試用の期間に、実際の業務の手順を2〜3本作り、新しく入った人や他の部署の人に見てもらって、迷わずに目的の動画にたどり着けるかを確かめます。社外の取引先や業務委託のメンバーにも見せる予定があるなら、相手の側で特別な登録をしなくても見られるかどうかも確かめておきます。
最初から高機能のツールを入れるより、標準の機能で5本ほど作ってみて、どこに手間がかかるかを確かめてから選ぶほうが、合わないツールを契約する失敗を防げます。
映り込みと権利の注意点
動画マニュアルは、画面をそのまま記録するため、紙のマニュアルより情報が漏れやすい面があります。録画の前と公開の前に、次の点を確かめます。
個人情報やお客様の情報が映っていないか
顧客の名前、住所、電話番号、メールアドレス、社員の個人情報が画面に表示されていないかを確かめます。本番のデータの代わりに、テスト用のデータや架空の値を入れた画面で録画するのが安全です。どうしても本番の画面を使う場合は、編集でぼかしや塗りつぶしを入れます。
パスワードや社内の機密が映っていないか
ログインの場面でパスワードを入力する様子、社内の売上の数字、取引先との契約の内容なども映り込みやすい情報です。ログインの手順を説明するときは、入力の瞬間を切り取るか、テスト用のアカウントを使います。
他社のソフトの画面や素材の扱い
社内で使っているソフトの操作画面を、社内の教育のために録画すること自体は一般的に行われています。ただし、その動画を社外に公開する場合や、販売する教材に使う場合は、ソフトの利用規約で画面の使用がどう扱われているかを確かめます。動画に音楽や画像の素材を使う場合も、利用の条件を確かめます。
公開範囲を決めておく
作った動画を誰が見られるのかを決めておきます。社内だけで見る動画を、誰でも見られる動画共有サイトに誤って公開してしまう事故も起きています。共有の設定は、公開の前にもう一度確かめます。
作った動画を使われ続けるようにする仕組み
動画マニュアルで最も多い失敗は、作ったまま更新されず、画面と動画の内容がずれていくことです。古い動画を見た人が、存在しないボタンを探して迷う状態になると、動画マニュアルそのものが信用されなくなります。
動画の一覧表を作る
作った動画を、表で一覧にしておきます。列は「動画の名前、対象の業務、保存場所、作った日、最後に確かめた日、更新の担当者」です。この一覧があれば、システムが変わったときに、どの動画を直せばよいかがすぐに分かります。
保存場所を1か所に決める
動画は、共有のフォルダや社内の動画配信の場所など、1か所に保存します。人によって保存先がばらばらだと、同じ手順の古い動画と新しい動画が並び、見る人が迷います。古くなった動画は、削除するか、別の場所に移して見えなくしておきます。
確かめる時期を決める
半年に一度など、動画の内容が今の画面と合っているかを確かめる時期を決めます。システムの更新が予定されている場合は、更新の直後に確かめます。確かめた結果、ボタンの名前が少し変わった程度なら、動画の説明文や字幕に「現在は〇〇という名前になっています」と注記を加えるだけで済むこともあります。画面の配置や手順そのものが変わった場合は、撮り直します。1本を短く作っておけば、撮り直しも数分で終わります。
制作を分担するときは、担当と期限を見える形にする
部署の手順をまとめて動画にするときは、台本を書く人、録画する人、編集する人、内容を確かめる人と、作業を分担することが多くなります。動画の数が10本、20本と増えると、どの動画がどこまで進んでいるのかを表だけで追うのは大変です。
こうした制作の進み具合を共有する方法の1つが、国産のプロジェクト管理ツールのPinateca(ピナテカ)です。公式サイトによると、カンバン、ガントチャート、カレンダー、リストなど8種類のボードとチャットが、無料プランから使えます。動画1本を1枚のカードにして、「台本」「録画」「編集」「確認」「公開済み」の列を作れば、どの動画がどの段階にあり、誰が担当しているかを全員が同じ画面で確かめられます。カードには担当と締め切りを付けられ、コメントで「この画面は新しい版で撮り直してください」といったやり取りも残せます。画像やファイルはドラッグで添付できると案内されています。料金は、5人までのチームならボード10個まで無料で、6人目、または11個目のボードからはスタンダードプラン(1人あたり月額500円・税抜)になります。会議の録画をカードに載せて共有し、書き起こしをワークスペースをまたいで検索できるビジネスプラン(1人あたり月額1,980円・税抜)もあります。
Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
紙のマニュアルと組み合わせて使う方法
動画マニュアルは、紙や文書のマニュアルと組み合わせると、それぞれの弱点を補い合えます。おすすめの組み合わせ方を紹介します。
文書を土台にして、動画へのリンクを添える
手順書の文書を土台にし、画面の操作が分かりにくい手順にだけ動画へのリンクを添える形です。見る人は、文書で全体の流れと判断の基準を確かめ、操作に迷ったところだけ動画を見ます。すべてを動画にするより制作の手間が少なく、画面が変わったときの直しも部分的で済みます。
動画の内容を文書にも残す
動画の手順番号と要点を、文書にも箇条書きで残しておきます。動画を見終わった後に手順を思い出したいとき、文書を見れば数秒で確かめられます。動画を作るときに書いた台本を、そのまま文書として共有すれば、追加の手間はほとんどかかりません。
判断の基準は文書、操作は動画と役割を分ける
「この場合はAの申請、この場合はBの申請」といった判断の基準は、文書の表にまとめます。それぞれの申請の操作は、動画で見せます。判断と操作を分けておくと、制度や決まりが変わったときは文書を、画面が変わったときは動画を、と直す場所がはっきりします。
教える場面での使い方
新しい人に教えるときは、最初に文書で全体像を説明し、次に動画を見てもらい、最後に実際に操作してもらう、という順番が効果的です。動画を見ただけで分かった気になっても、自分で操作すると迷う部分が出てきます。その迷った部分こそ、動画や文書を直すべき箇所です。教えた人からの質問を記録しておき、同じ質問が3回出たら、動画か文書に説明を加えるといった決まりを作っておくと、マニュアルは使うほど良くなっていきます。
動画マニュアルが見られなくなる原因と対策
せっかく作った動画が見られないまま埋もれてしまう原因と、その対策をまとめます。
- 動画がどこにあるか分からない:紙のマニュアルや業務の一覧に、動画へのリンクを書き込む
- 長くて見る気になれない:1本1〜3分に分け、手順番号を付ける
- 必要な場面がすぐに見つからない:動画の名前を「〇〇の申請を提出する」のように、できるようになることで付ける
- 画面と内容が合っていない:一覧表で最後に確かめた日を管理し、定期的に見直す
- 音が出せずに見られない:字幕か、手順の要点を画面に表示する
特に効果があるのは、教える場面で実際に動画を使うことです。新しい人に業務を教えるとき、「まずこの動画を見てから、分からないところを質問してください」と伝えれば、動画を見る習慣が自然にできます。教える側も、同じ説明を繰り返す時間が減り、質問への対応に時間を使えるようになります。
動画マニュアルの制作は在宅の仕事にもなる
動画マニュアルの作成は、社内の担当者が行うだけでなく、外部の人に頼まれることも増えています。画面録画と簡単な編集のスキル、手順を分かりやすく組み立てる力があれば、在宅で受けられる仕事です。
フリーランスと在宅ワークの仲介を20年あまり続けてきた運営者として見てきた限りでは、教える仕事の経験がある人は、動画マニュアルの制作でも強みを発揮します。見る人がどこでつまずくかを想像し、1本に何を入れて何を入れないかを決める力は、編集の技術より身につけるのに時間がかかるからです。発注する側にとっても、仲介の手数料がかからない直接のやり取りなら、同じ予算でより多くの本数を頼め、受ける側は手取りが厚くなります。手順を分かりやすく伝える力は、こうした関係の中で評価され、継続の依頼につながっていきます。
動画の制作を仕事にしたい人は、PR・CM・SNS広告動画のお仕事で動画制作の仕事の種類と求められるスキルを確かめられます。教える経験を生かしたい人には、オンラインで技術を教える仕事を紹介したデザイン・動画・音楽レッスンのお仕事も参考になります。紙の手順書や業務の文書を作る仕事は、ビジネス文書・契約書作成のお仕事にまとめています。業務の仕組みづくりやソフトの開発に関わる職種の収入を知りたい人は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場も見ておくと、仕事の選び方の参考になります。
よくある質問
Q. 動画マニュアルは1本何分くらいにすればよいですか?
1つの手順を説明できる範囲で、1〜3分程度に収めるのが目安です。短いほど集中して見てもらえ、必要な動画を探すのも楽になります。10分を超えるような長い手順は、区切りのよいところで複数の動画に分け、それぞれに手順番号と「何ができるようになるか」が分かる名前を付けておくと使いやすくなります。
Q. 無料で動画マニュアルを作ることはできますか?
できます。Windows は Snipping Tool、Mac はスクリーンショットアプリや QuickTime Player、iPhone や iPad は画面収録の機能で、追加の費用をかけずに画面を録画できます。切り取りや簡単な字幕は、パソコンに入っている動画編集のアプリで対応できます。本数が増えて管理の手間が大きくなってから、専用のツールを検討しても遅くありません。
Q. 動画マニュアルに声は入れたほうがよいですか?
操作の理由や注意点を伝えられるので、声を入れるほうが理解は深まります。ただし、音を出せない場所で見る人もいるため、手順番号と操作の要点を字幕で表示しておくのがおすすめです。声を入れる場合は、原稿を読み上げるより、隣の人に話しかけるような調子で話すと聞きやすくなります。
Q. 画面に個人情報が映ってしまったときはどうすればよいですか?
公開や共有の前に気づいた場合は、編集でその部分をぼかすか塗りつぶすか、テスト用のデータを入れた画面で撮り直します。すでに共有してしまった場合は、すぐに共有を止め、社内の情報管理の担当者に報告して指示を受けます。録画の前に通知を止め、本番のデータを使わないようにしておくと、映り込みを防げます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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