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未経験からの映像の仕事|在宅で始められる職種と入り方

@SOHO編集部
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未経験からの映像の仕事|在宅で始められる職種と入り方

この記事のポイント

  • ✓映像の仕事に未経験から入りたい人向けに
  • ✓制作会社の事務など職種ごとの中身と在宅との相性
  • ✓会社に入る道と業務委託で受ける道の違い

映像の仕事に興味はあっても、未経験から入れるのか、どの職種から始めればよいのか、学校に通わないと無理なのか、と迷っている人は多いはずです。映像の仕事というと、テレビ局や映画の撮影現場を思い浮かべるかもしれません。ただ実際には、企業の紹介動画、SNS の短い動画、オンラインの講座の動画、イベントの記録など、映像が使われる場面は大きく広がっており、その分、仕事の種類も入り口も増えています。在宅で受けられる仕事も少なくありません。この記事では、映像の仕事の主な職種と中身、未経験から入る道の違い、学び方、実績の作り方、仕事を受けるときの注意点までを順番に説明します。

映像の仕事が広がっている背景

映像の仕事が広がっている一番の理由は、映像を使う場面が増えたことです。

企業や個人が動画を発信するようになった

以前は、動画を作るのは主にテレビや映画、広告の業界でした。今は、企業が自社の商品やサービスを紹介する動画、採用のための動画、社内の研修の動画を作るようになり、個人も SNS や動画の配信サイトで発信しています。こうした動画の多くは、外部の制作会社や個人に作業が依頼されています。

作業が細かく分かれている

映像の制作は、企画、撮影、編集、字幕の作成、音の調整、サムネイルの作成など、いくつもの作業に分かれています。1人ですべてを担うこともありますが、作業ごとに担当を分けることも多く、未経験の人が一部の作業から関わる余地があります。

道具が身近になった

動画の編集に使うソフトは、以前は高価な専用の機材が必要でしたが、今はパソコンやスマホで使えるものが増えました。無料で使える編集ソフトもあり、学び始めるときの負担は小さくなっています。

映像の仕事の主な職種

映像の仕事には、さまざまな職種があります。未経験から入りやすいものを中心に、仕事の中身と在宅との相性を整理します。

職種 主な仕事の中身 在宅との相性
動画編集 撮影された素材を切ってつなぎ、文字や音を入れて仕上げる 高い
字幕とテロップの作成 話している内容を文字にし、画面に入れる 高い
サムネイルの制作 動画の一覧に表示される画像を作る 高い
文字起こし 動画の音声を文章にする 高い
撮影の補助 撮影の現場で機材の準備や運搬、照明の調整を手伝う 低い
制作の進行の補助 撮影の日程の調整や、関係者との連絡を担う 一部は在宅も可
制作会社の事務 請求書の作成、経費の精算、契約書の管理などを担う 会社による

動画編集

動画編集は、映像の仕事の中で、未経験から在宅で始める人が最も多い職種です。撮影された素材から不要な部分を切り、順番を整え、文字や効果音、音楽を入れて、見やすい動画に仕上げます。SNS 向けの短い動画から、10分を超える解説の動画まで、案件の幅も広くあります。

字幕とテロップの作成

字幕とテロップは、画面に表示される文字のことです。話している内容を文字にして画面に入れる作業は、動画編集の一部として頼まれることも、単独の作業として頼まれることもあります。正確に聞き取る力と、読みやすい長さに区切る力が求められます。

サムネイルの制作

サムネイルとは、動画の一覧に表示される小さな画像のことです。動画を見てもらえるかどうかを左右するため、目を引く画像を作る力が求められます。デザインの仕事に近い職種で、画像の編集のソフトを使います。

文字起こし

文字起こしは、動画の音声を聞いて文章にする作業です。字幕の作成の前の段階として頼まれることもあれば、インタビューや会議の記録として単独で頼まれることもあります。映像を作る仕事ではありませんが、動画の制作の流れに関わる入り口の1つです。聞き取りの正確さと、話し言葉を読みやすく整える力が求められ、在宅で自分の時間に合わせて作業しやすい仕事です。

撮影や制作の補助

撮影の現場で、機材の準備や運搬、照明の調整、撮影の進行を手伝う仕事もあります。現場に出る仕事なので在宅ではできませんが、映像の制作の流れを肌で学べます。制作の進行の補助として、撮影の日程の調整や、関係者との連絡を担う仕事もあります。

制作会社の事務

映像を作る仕事ではありませんが、映像の制作会社で事務を担う仕事もあります。求人の情報サイトにも、映像の制作会社が未経験の人を事務として募集する例が載っています。

映像制作会社の経理・庶務サポート業務で、未経験から活躍できるポジションです。請求書作成・処理、経費精算チェック、契約書管理、制作チームとの連絡調整、来客対応など多岐にわたる業務を担当します。 出典: 求人ボックス

制作の現場に近い場所で働きながら、映像の仕事の流れを知ることができるため、将来は制作の側に移りたいと考える人にとっての入り口にもなります。

映像の仕事に向いている人

映像の仕事が自分に向いているかを、始める前に考えておきましょう。

向いている人

  • 動画を見るとき、つなぎ方や文字の入れ方が気になる人
  • 細かい作業を、根気よく続けるのが苦にならない人
  • 相手の希望を聞き、それを形にするのが好きな人
  • 新しいソフトの使い方を調べて覚えるのが楽しい人

向いていないと感じやすい人

  • 長い時間、画面に向かう作業が苦手な人
  • 何度も修正を求められることに強い負担を感じる人

向いていないと感じる点があっても、作業の短い字幕の仕事から始める、現場に出る撮影の補助を選ぶ、といった形で、自分に合う関わり方を見つけることはできます。

前の仕事の経験が生きる場面

映像の仕事は未経験でも、前の仕事の経験が生きる場面は多くあります。例えば、営業や販売の経験がある人は、見る人に伝わる言葉の選び方が分かります。事務の経験がある人は、制作の進行の管理や、細かい確認の作業が得意なことが多くあります。医療や介護、教育など、特定の分野の経験がある人は、その分野の動画の編集で、専門の言葉を正しく扱えます。自分の経験が、どの職種で生かせるかを考えてみましょう。

未経験から入る2つの道

映像の仕事に未経験から入る道は、大きく2つあります。会社に雇われて働く道と、業務委託で仕事を受ける道です。

会社に雇われて働く道

映像の制作会社や、動画の部署を持つ会社に、正社員や契約社員、アルバイトとして入る道です。未経験を歓迎する求人では、先輩から仕事を教わりながら、少しずつ担当を広げていくことが多くあります。決まった給与があり、社会保険にも入れる一方で、勤務の時間や場所は会社の決まりに従います。

業務委託で仕事を受ける道

在宅の仕事の仲介サイトや、知り合いからの紹介で、案件ごとに仕事を受ける道です。業務委託とは、会社に雇われるのではなく、決められた作業を引き受けて報酬を受け取る契約のことです。在宅で、自分の時間に合わせて働ける一方で、仕事を探すこと、品質を自分で保つこと、税金の手続きをすることは、すべて自分で行います。

どちらを選ぶか

映像の仕事の全体を学びたい、教えてくれる人がほしい、収入を安定させたい、という人には、会社に入る道が向いています。今の仕事を続けながら副業で始めたい、在宅で働きたい、という人には、業務委託で受ける道が向いています。最初は副業として業務委託で受け、経験を積んでから会社に入る、あるいは独立する、という人もいます。

動画編集を始めるために必要なもの

在宅で動画編集を始めるには、次のものを用意します。

パソコン

動画編集は、パソコンに負担のかかる作業です。動画の長さや画質によっては、性能の低いパソコンでは動作が遅くなり、作業に時間がかかります。これから買う場合は、編集ソフトの公式の案内に書かれている必要な性能を確かめてから選びましょう。

編集ソフト

動画の編集ソフトには、有料のものと無料で使えるものがあります。仕事で受ける案件では、依頼する側が使うソフトを指定することもあるため、求人や案件の募集で、どのソフトがよく使われているかを確かめておくと、学ぶソフトを選びやすくなります。無料のソフトで基本を学び、仕事で必要になってから有料のソフトに移る方法もあります。

通信環境と保存の場所

動画のファイルは大きいため、素材の受け取りや完成した動画の納品に時間がかかります。安定した通信環境と、大きなファイルを保存できる場所を用意しておきましょう。依頼する側から預かった素材は、決められた期間が過ぎたら削除するなど、扱いの決まりを守ります。

ヘッドホン

音の聞き取りや調整には、ヘッドホンがあると便利です。字幕の作成や文字起こしでも、話している内容を正確に聞き取るのに役立ちます。

動画編集の作業の流れ

動画編集の仕事は、1本の動画を仕上げるまで、おおむね次の流れで進みます。

  1. 依頼の内容を確かめる:動画の目的、長さ、雰囲気、参考になる動画、納期を確かめる
  2. 素材を受け取って整理する:映像、音声、画像、指定の文字などを受け取り、種類ごとに分けて保存する
  3. 粗く編集する:不要な部分を切り、全体の順番と長さを整える
  4. 仕上げる:文字、効果音、音楽を入れ、色や音の大きさを整える
  5. 確認してもらう:書き出した動画を送り、修正の希望を聞く
  6. 修正して納品する:希望に沿って直し、決められた形式で納品する

素材の整理が作業の速さを決める

編集の作業の速さは、最初の素材の整理で大きく変わります。映像、音声、画像を種類ごとにフォルダに分け、ファイルの名前に日付や内容を入れておくと、編集の途中で探す時間が減ります。

書き出しの形式を確かめる

完成した動画を書き出すときは、依頼する側が使う場所に合った形式で書き出します。SNS に載せるのか、動画の配信サイトに載せるのか、社内の研修で使うのかによって、画面の縦横の比率や、ファイルの形式が変わります。依頼の段階で確かめておきましょう。

字幕とテロップの作り方の基本

字幕とテロップの作成は、動画編集の中でも、未経験の人が最初に任されやすい作業です。

聞き取りの正確さ

字幕で最も大切なのは、話している内容を正確に聞き取ることです。聞き取りにくい部分や、専門の言葉は、推測で書かずに依頼する側に確かめます。人の名前や会社の名前、商品の名前の表記も、資料で確かめてから入れましょう。

読みやすい長さに区切る

画面に表示する字幕は、1回に表示する文字の数が多すぎると読み切れません。話の区切りに合わせて、読みやすい長さに分けます。表示する時間も、読み終えられる長さを確保します。

文字の見やすさ

文字の大きさ、色、縁取りは、背景の映像の上でもはっきり読めるように整えます。動画の中で字幕の書体や位置がそろっていると、見る人が読みやすくなります。

サムネイルの作り方の基本

サムネイルは、動画が選ばれるかどうかを左右する画像です。

一目で内容が伝わる

サムネイルは、小さく表示されても内容が伝わることが大切です。文字は短く、大きく入れ、何の動画かが一目で分かるようにします。人物の表情や、動画の中で一番印象に残る場面を使うと、目に留まりやすくなります。

シリーズでそろえる

同じ人のシリーズの動画なら、サムネイルの色や文字の配置をそろえると、一覧で見たときにシリーズだと分かります。テンプレートを作っておけば、作業の時間も短くなります。

学び方の選択肢

映像の仕事の技術を学ぶ方法には、いくつかの選択肢があります。

独学

本や動画の解説、編集ソフトの公式の使い方の案内を使って、独学で学ぶ方法です。費用を抑えられる一方で、何をどの順番で学べばよいかを自分で決める必要があります。最初は、短い動画を1本最後まで仕上げることを目標にすると、必要な操作を一通り覚えられます。

スクールや講座

スクールや講座で学ぶ方法もあります。課題の添削や質問の仕組みがあるところなら、独学では気づきにくい点を直してもらえます。受講料は講座によって大きく違うため、内容と費用を比べて選びましょう。高額な講座を契約する前には、何を学べるのか、修了したあとにどんな支えがあるのかを書面で確かめてください。「受講すれば必ず仕事がもらえる」といった勧誘には注意が必要です。

職業訓練

国の職業訓練でも、映像やデザインを学べる講座が開かれていることがあります。受講の条件や開講の時期は地域によって違うため、ハローワークで確かめましょう。

教育訓練給付金を使う

講座の受講料の一部が国から支給される、教育訓練給付金という制度があります。厚生労働省は次のように説明しています。

教育訓練給付金とは、働く方々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、教育訓練経費の一部が支給されるものです。 出典: 厚生労働省 教育訓練給付金

給付の種類

厚生労働省の案内では、対象になる教育訓練は、専門実践教育訓練、特定一般教育訓練、一般教育訓練の3種類です。一般教育訓練では、修了したあとに受講料などの経費の20%(上限10万円)が支給されます。特定一般教育訓練では40%(上限20万円)が支給され、資格を取るなどして修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇われた場合は、さらに上乗せがあります。専門実践教育訓練では、受講中に経費の50%(年間の上限40万円)が支給されます。

使う前に確かめること

教育訓練給付金を受けるには、雇用保険に入っていた期間などの条件を満たす必要があります。また、対象になるのは厚生労働大臣の指定を受けた講座だけです。指定を受けている講座は、厚生労働省の教育訓練講座検索システムで探せます。自分が条件を満たすかは、受講を始める前にハローワークで確かめましょう。

実績の作り方

未経験から仕事を受けるには、自分に何ができるかを示す実績が必要です。映像の仕事では、作品をまとめた資料をポートフォリオと呼ぶことがあります。

自分で作品を作る

最初の実績は、自分で作った作品で十分です。旅行の記録、料理の手順、趣味の紹介など、身近な題材で短い動画を作り、編集の技術を示しましょう。依頼されることの多い形を想定して、SNS 向けの縦長の短い動画と、横長の解説の動画の両方を作っておくと、見せられる幅が広がります。

作品に添える説明

作品には、どんな意図で作ったか、どのソフトを使ったか、作るのにどれくらいの時間がかかったかを添えます。作業の時間が分かると、依頼する側は納期の見込みを立てやすくなります。

素材の権利に気をつける

実績として見せる作品にも、他人の映像や音楽を勝手に使ってはいけません。音楽や効果音、写真、フォントは、利用が許されたものを使い、利用の条件を守りましょう。テレビ番組や映画の映像を切り取って編集した作品は、実績として公開すると著作権の問題になります。

作品の見せ方

作品は、動画の配信サイトに限定公開で載せたり、作品をまとめたページを作ったりして、リンクを送れば見てもらえる形にしておきます。たくさんの作品を並べるより、出来の良いものを3本から5本に絞り、それぞれの作品の狙いを短く書き添えるほうが、短い時間で力が伝わります。見る人は忙しいため、各作品の最初の数秒で特徴が伝わるように編集しておくと効果があります。

知り合いの手伝いから始める

知り合いの店や団体の紹介動画を、手伝いとして作らせてもらう方法もあります。実際に依頼する相手がいる作品は、依頼の内容を聞き取り、修正に応える経験も積めるため、実績としての重みが増します。公開する場合は、必ず相手の許可を取りましょう。

仕事を探す場所

実績ができたら、仕事を探し始めます。

在宅の仕事の仲介サイト

在宅の仕事の仲介サイトには、動画編集や字幕の作成、サムネイルの制作の案件が載っています。案件の内容と報酬、納期がはっきり書かれているものから選ぶと、条件を比べやすくなります。SNS や動画を使ったマーケティングの仕事の全体像は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。

求人の情報サイト

会社に入る道を考えるなら、求人の情報サイトで「映像制作」「動画編集」「未経験」といった言葉で探します。仕事の中身、勤務の時間、給与、研修の有無を確かめ、気になる会社があれば、その会社が作った動画を実際に見てから応募すると、面接でも話がしやすくなります。

地域の求人や派遣

地域の求人の中には、ケーブルテレビの局や、地域のイベントの運営会社、結婚式場の映像の部署など、身近な場所で映像に関わる仕事もあります。派遣の会社を通じて、映像の制作会社の事務や進行の補助として働く道もあります。大都市でなくても映像の仕事の入り口はあるので、住んでいる地域の求人も確かめてみましょう。

SNS での発信

自分の作品を SNS で発信していると、それを見た人から依頼が届くこともあります。作品の一部を短く切り出して投稿し、プロフィールに依頼の受付の方法を書いておきましょう。

応募の文章と最初の案件

仕事に応募するときの文章と、最初の案件の選び方について説明します。

応募の文章に書くこと

応募の文章には、案件の内容を読んで理解したこと、自分ができる作業、使えるソフト、納期の見込み、実績の作品を書きます。どの案件にも同じ文章を送るのではなく、依頼する側が過去に作った動画を見て、その雰囲気に合わせて作れることを伝えると、熱意が伝わります。

最初の案件の選び方

最初の案件は、作業の範囲が狭く、完成の形がはっきりしているものを選びましょう。例えば、決まった形式の動画の編集や、字幕だけの作業です。いきなり企画から任される案件は、経験が浅いうちは負担が大きくなります。

修正の回数を確かめる

動画の編集では、依頼する側から修正を求められることがよくあります。何回まで修正に応じるか、どこまでが料金に含まれるかを、作業を始める前に確かめておきましょう。

会社の面接で聞かれやすいこと

会社に入る道を選ぶ場合、未経験を歓迎する求人でも、面接ではいくつかのことを聞かれます。準備しておくと、落ち着いて答えられます。

なぜ映像の仕事をしたいのか

映像の仕事を選んだ理由は、ほぼ必ず聞かれます。「動画が好きだから」だけでなく、どんな動画を作りたいのか、その会社の作品のどこに惹かれたのかを、具体的に話せるようにしておきましょう。

これまでに作ったもの

未経験でも、自分で作った作品があれば見せられるように用意しておきます。作品の出来よりも、どんな工夫をしたか、何に苦労したかを話せることが大切です。

働き方の希望

撮影の現場では、早朝や夜の作業、休日の作業が入ることもあります。勤務の時間や休日の取り方、在宅で働ける日があるかを、面接の場で確かめておきましょう。入ってから「思っていた働き方と違った」とならないよう、遠慮せずに聞くことが大切です。

仕事を受けるときの注意点

業務委託で仕事を受けるときは、次の点に注意しましょう。

条件を文章で確かめる

作業の内容、納期、報酬、支払いの日、修正の回数、完成した動画の権利がどちらにあるかを、作業を始める前に文章で確かめます。口頭のやり取りだけで進めると、あとで報酬や作業の範囲をめぐって揉めることがあります。

フリーランス法の決まり

令和6年11月1日に、いわゆるフリーランス法が施行されました。厚生労働省は、この法律で、個人で働くフリーランスに業務を委託する発注事業者に、取引の条件の明示や、成果物を受け取った日から原則60日以内の報酬の支払いなどが義務付けられると説明しています。SNS などで仕事を募集するときに、業務の内容や報酬などを表示する決まりについても案内しています。取引の条件があいまいなときは、遠慮せずに確かめましょう。

素材の扱いと秘密を守る

依頼する側から預かった映像には、まだ公開していない商品や、社内の様子、出演者の顔が写っていることがあります。預かった素材を許可なく公開したり、ほかの人に見せたりしてはいけません。作品の実績として使いたい場合も、必ず依頼する側の許可を取りましょう。

怪しい勧誘に気をつける

「未経験でも高収入」「まず講座を買えば仕事を紹介する」といった勧誘には注意が必要です。仕事を始める前に高額な費用を払わせる形の話は、慎重に判断しましょう。困ったときは、消費生活センターに相談できます。

業務委託の料金の決め方

業務委託で動画編集を受けるときは、料金を自分で決めたり、提示された報酬が見合うかを判断したりする必要があります。

作業の時間から考える

料金は、1本の動画を仕上げるのにかかる時間から考えます。依頼の確認、素材の整理、編集、確認のやり取り、修正、書き出しと納品まで、すべての作業の時間を見積もり、自分で決めた時間あたりの額をかけます。仲介サイトを使う場合は、手数料を差し引いたあとに必要な額が残るかを確かめましょう。

料金に影響する要素

同じ長さの動画でも、次の要素で作業の時間は大きく変わります。

  • 素材の量と、撮影された映像の長さ
  • 文字の量と、字幕を全編に入れるかどうか
  • 動きのある文字や図を入れるかどうか
  • 音楽や効果音を選ぶ作業が含まれるかどうか
  • 修正の回数

募集の報酬が、こうした要素に見合っているかを確かめてから応募しましょう。

継続の案件を大切にする

毎週や毎月、決まった形式の動画を編集する継続の案件は、作業に慣れるほど時間が短くなり、時間あたりの額が上がります。最初の数本は時間がかかっても、継続を前提に丁寧に仕上げると、長い付き合いにつながります。

撮影の補助から入る場合

在宅ではありませんが、撮影の補助から映像の仕事に入る道もあります。

現場で学べること

撮影の現場では、カメラや照明、音声の機材の扱い方、撮影の段取り、出演者やスタッフとのやり取りを間近で学べます。編集の作業をするときも、撮影の現場を知っていると、素材の意図をくみ取りやすくなります。

働き方の注意

撮影の補助は、撮影の日程に合わせて働くため、早朝や夜、休日の仕事が入ることもあります。機材の運搬など体力を使う作業もあります。日雇いや短期の契約で募集されることもあるため、報酬や交通費、契約の形を確かめてから引き受けましょう。

働き方と時間の組み立て方

映像の仕事を副業として受けるときは、作業の時間を見積もる力が大切になります。

作業の時間を記録する

動画編集では、素材の量や求められる仕上がりによって、作業の時間が大きく変わります。最初のうちは、案件ごとに作業の時間を記録しておくと、次の案件の納期と料金を見積もりやすくなります。

納期には余裕を持たせる

パソコンの不調や、依頼する側の確認の遅れで、作業が予定どおりに進まないこともあります。納期には余裕を持たせ、間に合わないと分かった時点ですぐに連絡しましょう。

副業の1週間の組み立ての例

本業を持ちながら動画編集を受ける場合の、1週間の組み立ての例です。

曜日 作業
月と水 夜に2時間、受けている案件の編集
火と木 夜に1時間、連絡の確認と修正の作業
土 午前に3時間、編集の仕上げと書き出し
日 休み、または新しい技術の練習

このように、編集にまとまった時間を取る日と、連絡や修正のような短い作業の日を分けると、集中が途切れにくくなります。受ける案件の数は、この時間に収まる範囲にとどめ、無理に多くしないことが、本業と両立するコツです。

勤め先の決まりを確かめる

会社員が副業として受ける場合は、勤め先の就業規則で副業が許されているか、届け出が必要かを確かめてから始めましょう。厚生労働省のモデル就業規則では、勤務時間外に他の仕事をすることを認めたうえで、本業に支障がある場合などは会社が制限できる形を示しています。

体を休める

長い時間、画面を見続ける作業は、目や肩、腰に負担がかかります。1時間ごとに休憩を取り、画面から目を離す時間を作りましょう。

収入と税金の考え方

業務委託で仕事を受ける場合は、税金の手続きも自分で行う必要があります。

確定申告が必要になる目安

国税庁によると、給与を1か所から受け取り、年末調整を受けている会社員の場合、給与以外の所得の合計が年間20万円を超えると確定申告が必要です。所得は、報酬から、ソフトの利用料、仲介サイトの手数料、通信費のうち仕事に使った割合などの経費を差し引いた額です。20万円以下でも、住民税の申告は別に必要です。

源泉徴収

依頼する側によっては、報酬から所得税を差し引いて支払うことがあります。差し引かれた額は、確定申告で精算されます。経費の範囲や所得の区分で迷う場合は、税務署に相談しましょう。

経験を積んだあとの広がり

未経験から映像の仕事に入ったあと、経験を積むと、仕事の幅を広げられます。

企画や撮影まで担う

編集の経験を積むと、動画の企画や構成を考える仕事、撮影から編集までを一貫して担う仕事も受けられるようになります。1件あたりの報酬も上げやすくなります。

デザインの力を伸ばす

サムネイルの制作や、文字の見せ方、色の選び方には、デザインの力が欠かせません。デザインの仕事の単価の目安は、デザイナーの年収・単価相場で紹介しています。映像とデザインの両方ができると、依頼する側にとって頼みやすい存在になります。Web の制作の仕事全体の収入の考え方は、Webデザイナー 年収のリアル:30代フリーランスが語る稼ぎ方とキャリアパスも参考になります。

運営者として見てきたこと

在宅ワークとフリーランスの仲介を20年以上続けてきた運営者として見てきた限りでは、未経験から映像の仕事を続けている人ほど、技術と同じくらい「依頼する側の意図をくみ取る力」を磨いています。同じ素材を渡されても、誰に向けた動画なのか、見た人にどう動いてほしいのかを確かめてから編集する人は、修正が少なく、繰り返し依頼される傾向があります。

もう1つは、直接の取引の良さです。仲介の手数料が間に入らない直接の取引では、同じ予算でも受け手の手取りが厚くなり、依頼する側もより多くの動画を頼めます。その分、作業の範囲や納期、修正の回数を自分たちで決める必要があります。依頼の内容を正しく読み取り、条件を分かりやすく書く力は、ビジネス文書検定のような学習でも磨けます。

よくある質問

Q. 映像の仕事は未経験でも始められますか?

未経験からでも始められます。在宅なら、動画編集や字幕の作成、サムネイルの制作、文字起こしが入りやすい職種です。会社に入る道では、未経験を歓迎する求人で先輩から教わりながら担当を広げる形が多くあります。どちらの道でも、短い動画を自分で作って実績にしておくと、応募のときに自分の力を示しやすくなります。

Q. 動画編集を学ぶのにスクールは必要ですか?

必ずしも必要ではありません。本や解説の動画、編集ソフトの公式の案内を使って独学で学ぶ人もいます。添削や質問の仕組みがほしい場合はスクールも選択肢です。厚生労働大臣の指定を受けた講座なら、条件を満たせば教育訓練給付金で受講料の一部が支給されます。高額な講座の契約前には内容と支えを書面で確かめましょう。

Q. 在宅で動画編集の仕事を受けるには何が必要ですか?

動画編集に耐えられる性能のパソコン、編集ソフト、安定した通信環境、大きなファイルを保存できる場所、音を聞き取るためのヘッドホンを用意します。ソフトは、受けたい案件でよく使われているものを確かめてから選ぶと無駄がありません。預かった素材は決められた期間が過ぎたら削除するなど、扱いの決まりも守りましょう。

Q. 業務委託で受けるときに気をつけることは何ですか?

作業の内容、納期、報酬と支払いの日、修正の回数、完成した動画の権利を、作業を始める前に文章で確かめます。フリーランス法では、発注事業者に取引の条件の明示や原則60日以内の報酬の支払いが義務付けられています。始める前に高額な費用を払わせる勧誘には注意し、困ったときは消費生活センターに相談しましょう。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年9月22日最終更新:2026年10月23日
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