沖縄総合事務局の個人情報漏えいの可能性|FileZenへの不正アクセス 計15,091人 氏名・住所・メールアドレス 対象と確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓沖縄総合事務局の情報漏洩について
- ✓2026年4月28日付の公表をもとに整理
- ✓FileZen専用サーバへの不正アクセスで計15,091人の氏名・住所・メールアドレスなどが漏えいしたおそれ
沖縄総合事務局の情報漏洩について、内閣府 沖縄総合事務局は2026年4月28日付で、職員が使う大容量ファイル転送サービス「FileZen」の専用サーバが不正アクセスを受け、サーバに保存されていた個人情報が外部に漏えいした可能性があると発表しました。漏えいしたおそれがあるのは計15,091人で、資料ごとに氏名、住所、メールアドレス、生年月日、顔写真などが含まれます。 対象になりうるのは、沖縄総合事務局とファイルをやり取りした人、羽地大川土地改良区の土地原簿に載っている人、那覇と久米島を結ぶフェリーのキャンセル料の払い戻しを受けた人、事務局が開いた催しに参加した人などです。 まずすることは、事務局を名乗る不審な電話やメールに答えないことと、心当たりがあれば事務局の問合せ先に確かめることです。
この発表は2026年4月28日付のPDFで、事務局の総務部の新着情報には2026年5月1日の更新日で載っています。2026年11月1日時点で総務部の新着情報の一覧を開き直したところ、本件の続報(件数の更新、調査結果、補償の案内)は出ていません。この記事は、その公式のPDFで確かめた内容だけで書いています。2025年9月に公表された職員の情報の件とは別の事案なので、後半の節で分けて説明します。
沖縄総合事務局の不正アクセスで何が起きたのか
沖縄総合事務局は、発表の問合せ先に「内閣府 沖縄総合事務局」とあるとおり、内閣府の下で沖縄県内の国の仕事を受け持つ機関です。総務部、財務部、農林水産部、経済産業部、開発建設部、運輸部といった部があり、土地改良、港湾、フェリーなど、暮らしと仕事に近い分野の事務を扱っています。そのため、一般の県民や事業者、関係団体の人の情報も、仕事の資料として事務局の手元にあります。
今回の発表の骨子は次のとおりです。
- 2026年1月、事務局が使う大容量ファイル転送サービス「FileZen」の専用サーバに不正アクセスがあった
- そのサーバに保存されていた個人情報が、外部に漏えいした可能性があると分かった
- 漏えいしたおそれがある人は計15,091人
- 連絡先が分かる人には、本人への通知を順次行っている
- 連絡先が分からない人のために、このお知らせで公表している
- 現時点で具体的な被害は確認されていない
発表の題は「不正アクセスによる個人情報漏えいの可能性について」です。事務局は「漏えいした可能性がある」「漏えいしたおそれがある」という言い方をしていて、外部に出たと確定したとは書いていません。この記事でもその表現に合わせます。
不正アクセスは1月に起きていますが、発表は4月28日付です。発表には、いつ不正アクセスに気づいたか、いつ漏えいの可能性が分かったかの日付は書かれていません。いつ気づいたのかを推測で埋めることはせず、発表にある「本年1月」の不正アクセスと「4月28日付」の公表という2つの日付だけを押さえておけば足ります。
公表の経緯と2026年11月1日時点の状況
公表は、PDF1本です。
| 日付 | 公表 | 分かったこと |
|---|---|---|
| 令和8年4月28日(PDFの日付) | 不正アクセスによる個人情報漏えいの可能性について | FileZen専用サーバへの不正アクセス、計15,091人分の資料の内訳、通知と問合せ先 |
| 2026年5月1日(新着情報の更新日) | 同じ題で総務部の新着情報に掲載 | 内容は同じPDF |
| 2026年11月1日時点 | 続報なし | 件数の更新、調査結果、補償の案内は出ていない |
PDFの日付と新着情報の更新日は違いますが、どちらから開いても中身は同じPDFです。この記事では、公式のPDFに書かれた日付である4月28日付を公表日として扱います。
続報が出ていないということは、2026年11月1日時点で分かっているのは4月28日付のPDFに書かれた範囲までだということです。件数が増えた、別の資料も対象だった、といった話は公式には出ていません。今後新しい発表があれば、事務局の総務部の新着情報に載ると見込まれるので、気になる人はそこで確かめてください。
漏えいしたおそれがある個人情報の内訳
発表は、漏えいしたおそれがある個人情報を、もとの資料ごとに分けて書いています。さらに、事務局が本人の連絡先を確認できる人と、確認できない人の2つに分けています。
| 区分 | 資料 | 含まれる情報 | 人数 |
|---|---|---|---|
| 連絡先を確認できる人 | FileZen 送受信者情報 | 氏名、メールアドレス | 216人 |
| 連絡先を確認できる人 | 羽地大川土地改良区に係る土地原簿 | 氏名、住所 | 4,930人 |
| 連絡先を確認できる人 | 港湾関係定時総会資料 | 氏名、メールアドレス | 695人 |
| 連絡先を確認できる人 | 土地改良区理事会資料 | 氏名、住所 | 117人 |
| 連絡先を確認できる人 | 各技術資格証明書、免状 | 氏名、住所、生年月日、顔写真、資格情報 | 4人 |
| 連絡先を確認できる人 | 経歴書 | 氏名、住所、生年月日、電話番号、学歴、職歴、資格情報 | 3人 |
| 連絡先を確認できない人 | 令和6年10月から令和7年9月のフェリー旅客(那覇・久米島間)キャンセル料払戻明細表 | 個人または代表者の氏名(カナ) | 577人 |
| 連絡先を確認できない人 | 令和6年3月から令和7年11月に事務局が開いた各種催しの参加者名簿と、会場の様子を撮影した写真 | 氏名または顔写真 | 8,549人 |
| 合計 | 15,091人 |
発表の本文はこう書いています。
本年1月、沖縄総合事務局が利用する大容量ファイル転送サービス「FileZen」(開発元:(株)ソリトンシステムズ)専用サーバに対して不正アクセスがあり、当該サーバに保存されていた個人情報について、外部に漏えいした可能性があることが判明いたしました。 出典: ogb.go.jp
人数の多い順に見ると、催しの参加者名簿と写真が8,549人、土地改良区の土地原簿が4,930人で、この2つで全体の8割を超えます。一方で、生年月日や顔写真、経歴まで含む資料は、資格証明書の4人と経歴書の3人の合わせて7人です。人数は少なくても、1人あたりに含まれる情報が多い資料があることに気をつけてください。
発表に書かれていないこと
発表には、クレジットカードの番号、銀行の口座番号、マイナンバー、パスワードが含まれるかどうかについての記載がありません。「含まれない」とも「含まれる」とも書かれていないので、この記事では、含まれないと言い切ることはしません。上の表に並んだ項目が、事務局が漏えいのおそれがあるとした情報のすべてです。
また、土地原簿の4,930人について、住所以外の情報(土地の地番や面積など)が含まれるかは、発表では「氏名及び住所」とだけ書かれています。表の項目以上のことを推測で広げないようにしてください。
連絡先を確認できる人と確認できない人の違い
発表が2つの区分に分けているのは、本人への伝え方が違うからです。
連絡先を確認できる人には、個人情報保護法の決まり(第68条第2項)に基づいて、本人への通知を順次行っていると書かれています。この決まりは、国の機関などが持つ個人情報が漏えいしたおそれがあるとき、本人に知らせることを求めるものです。資料に住所やメールアドレスがある人、事務局と連絡を取り合っていた人は、郵便やメールで事務局から知らせが届く形になります。
一方、連絡先を確認できない人は、フェリーのキャンセル料の払戻明細表の577人と、催しの参加者名簿と写真の8,549人です。払戻明細表には氏名のカナしかなく、参加者名簿や写真には氏名か顔写真しかないため、事務局から個別に知らせることが難しいとされています。発表は、こうした人が自分の情報が漏えいした可能性を知ることができるように、このお知らせを出したと説明しています。
つまり、次の2つに当てはまる人は、事務局から通知が届かなくても対象になっている可能性があります。
- 令和6年10月から令和7年9月の間に、那覇と久米島を結ぶフェリーのキャンセル料の払い戻しを受けた人(代表者として手続きをした人を含む)
- 令和6年3月から令和7年11月の間に、沖縄総合事務局が開いた催しに参加した人、または会場で写真に写った可能性がある人
通知が来ないから自分は関係ない、とは言えないのがこの2つです。
FileZenとは何か、原因について発表で分かっていること
FileZenは、大容量ファイル転送サービスの一つです。大容量ファイル転送とは、メールに添付できない大きなファイルを、専用のサーバに一時的に保存して、相手にダウンロードしてもらう仕組みのことです。役所や会社が、外部の人と資料をやり取りするときによく使われます。発表によると、開発元は株式会社ソリトンシステムズです。
原因について、発表はこう書いています。
大容量ファイル転送サービスの脆弱性をついた不正アクセスによるものです。 出典: ogb.go.jp
脆弱性とは、ソフトウェアの作りの中にある、攻撃に使われうる弱い所のことです。今回は、そのFileZenの弱い所が突かれて、専用サーバに入られたと事務局は説明しています。どの脆弱性だったか、どのような手口で入られたかは、発表には書かれていません。報道などで脆弱性の番号が挙げられることがありますが、事務局の発表では確かめられないため、この記事では書きません。
ここで押さえておきたいのは、漏えいのおそれがある情報が「ファイルのやり取りのためにサーバに保存されていた資料」だという点です。FileZenの送受信者の情報(216人)に加えて、土地原簿や総会の資料、資格の証明書、経歴書、払戻明細表、参加者名簿などがそのサーバに保存されていたことになります。受け渡しのために一時的に保存したつもりの資料が、残ったままになっていた可能性もありますが、どれくらいの期間保存されていたかは発表に書かれていません。
沖縄総合事務局の対応
発表に書かれている事務局の対応は次のとおりです。
- 連絡先が確認できる人に、個人情報保護法第68条第2項に基づく本人への通知を順次行っている
- 連絡先が確認できない人のために、このお知らせで漏えいしたおそれがある情報を公表した
- 外部専門機関などによる調査を行っている
- セキュリティの専門家や関係機関とも連携し、必要なセキュリティ対策を講じている
- 心配や迷惑をかけた人に、お詫びを述べている
お詫びの品や補償についての記載はありません。発表に無いことなので、補償があるかどうかをこの記事で見通すことはしません。情報漏えいの補償が一般にどう扱われるかは、情報漏洩の補償はもらえるのかの解説で、事例をもとに整理しています。
自分が対象かを確かめる方法
対象かどうかは、資料ごとに、自分が当てはまるかを見ていくのが早道です。
| 資料 | 当てはまりそうな人の例 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| FileZen 送受信者情報 | 事務局とFileZenでファイルをやり取りした人 | 事務局から届いたファイル受け渡しの案内メールが残っていないか探す |
| 羽地大川土地改良区に係る土地原簿 | 羽地大川土地改良区の地区に土地を持つ人など | 事務局からの通知を待ち、届かなければ問合せ先に確かめる |
| 港湾関係定時総会資料 | 港湾の関係団体の総会に関わった人 | 所属する団体と事務局のやり取りを確かめる |
| 土地改良区理事会資料 | 土地改良区の理事会に関わった人 | 事務局からの通知を待つ |
| 各技術資格証明書、免状 | 事務局に資格の証明書や免状の写しを出した人 | 提出した時期と相手を思い出し、通知を確かめる |
| 経歴書 | 事務局に経歴書を出した人 | 同上 |
| フェリー旅客のキャンセル料払戻明細表 | 令和6年10月から令和7年9月に那覇と久米島のフェリーで払い戻しを受けた人 | 通知は届かないので、心当たりがあれば問合せ先に確かめる |
| 各種催しの参加者名簿と会場の写真 | 令和6年3月から令和7年11月に事務局の催しに参加した人 | 通知は届かないので、心当たりがあれば問合せ先に確かめる |
上の「当てはまりそうな人の例」は、資料の名前から読み取れる範囲の目安です。誰の情報がどの資料に入っていたかを決めるのは事務局なので、最後は事務局からの通知か、問合せ先での確認で判断してください。
通知が届いたときの見分け方
事務局からの通知は、郵便かメールで届くと考えられます。ただし、発表には通知の手段が書かれていません。届いた知らせが本物かどうか迷ったら、その知らせに書かれた電話番号ではなく、この記事の後半に載せた、発表のPDFにある問合せ先の番号にかけて確かめてください。通知を装った偽の連絡が、本物の知らせより先に届くこともありえます。
通知が届いた人は、知らせそのものを捨てずに保存しておいてください。どの資料に自分の情報が入っていたかが書かれていれば、あとで不審な連絡が来たとき、その連絡が今回の件を口実にしたものかどうかを見分ける手がかりになります。
対象かもしれない人がすること
漏えいのおそれがある情報は資料ごとに違うので、自分に関係する項目に合わせて手当てをします。全部を一度にする必要はありません。
氏名とメールアドレスが含まれる人
FileZenの送受信者(216人)と港湾関係の総会資料(695人)の人は、氏名とメールアドレスの組み合わせが対象です。この組み合わせは、本人あての迷惑メールやフィッシングメール(本物の組織を装い、偽のサイトに誘ってパスワードやカード番号を入力させるメール)に使われることがあります。
- 事務局や国の機関、港湾の関係団体を名乗るメールで、添付ファイルを開く、リンクを押す前に、送り主のアドレスと本文の不自然さを確かめる
- 「ファイルを受け取ってください」「パスワードを再設定してください」というメールが来たら、心当たりのある相手に別の手段で確かめる
- 仕事のメールアドレスが対象なら、勤め先の情報システムの担当にも一声かけておく
フィッシングメールの見分け方は、フィッシング詐欺メールの見分け方で手順を説明しています。
氏名と住所が含まれる人
土地原簿(4,930人)と土地改良区の理事会資料(117人)の人は、氏名と住所が対象です。住所が分かると、郵便や訪問を使った連絡が届く可能性があります。
- 事務局や役所、土地改良区を名乗る郵便で、手数料や返金を口実にお金の振り込みを求めるものに応じない
- 土地の売買や測量、補助金を持ちかける突然の訪問や電話には、その場で答えず、名乗った組織に自分で調べた番号で確かめる
- 家族で土地を持っている場合は、家族にもこの件を伝えておく
住所が漏れたときに起きうることと手当ての順番は、個人情報が流出して住所が漏れたときの対応にまとめています。
生年月日、顔写真、経歴が含まれる人
資格証明書・免状の4人と経歴書の3人は、人数は少ないものの、氏名、住所、生年月日に加えて、顔写真、学歴、職歴、資格情報、電話番号まで含まれます。これだけそろうと、本人になりすました手続きや、本人を知っているふりをした連絡に使われやすくなります。
- 本人確認に生年月日や住所だけを使うサービスで、身に覚えのない手続きの知らせが来ないか気をつける
- 資格の更新や登録を口実にした連絡は、資格を管理する団体に自分で確かめる
- 電話番号が含まれる人は、知らない番号からの電話やSMSに注意する
電話番号が出回ったときの備えは、電話番号の流出チェックの方法で説明しています。
氏名のカナ、または顔写真だけが含まれる人
フェリーの払戻明細表(577人)は氏名のカナだけ、催しの参加者名簿と写真(8,549人)は氏名か顔写真のどちらかです。住所やメールアドレスと結びついていないため、すぐに連絡に使われる情報とは言いにくいものです。ただ、ほかで漏れた情報と照らし合わせられる可能性はあるので、次の点だけ覚えておいてください。
- 事務局の催しやフェリーの払い戻しの話を持ち出してくる、心当たりのない連絡には答えない
- 自分の写真が意図しない場所に出回っていないか気になる場合は、問合せ先に相談する
しなくてよいこと
発表にはカード番号や口座番号が含まれるとは書かれていません。今回の件だけを理由に、クレジットカードを止める、銀行口座を作り直すといった手続きをする必要は示されていません。ただし、明細に身に覚えのない請求があれば、今回の件と関係があるかにかかわらず、カード会社や銀行にすぐ連絡してください。
便乗した連絡の見分け方
漏えいの発表のあとには、発表そのものを口実にした連絡が出てくることがあります。事務局の発表も、現時点で具体的な被害は確認されていないとしたうえで、不審な電話やメールに注意するよう呼びかけています。被害が確認されていない今のうちに、どんな連絡が来たら疑うかを決めておくことが、いちばんの備えになります。
次のような連絡は、発表に書かれた事務局の対応とは合いません。
- 「漏えいの補償金を払うので口座番号を教えてください」という電話やメール
- 「調査のため、ログインのパスワードを確認させてください」という連絡
- 「個人情報を削除する手続きに手数料がかかります」という案内
- 事務局を名乗り、SMSで知らないサイトへのリンクを送ってくるもの
事務局の発表には、補償金の支払い、パスワードの確認、削除の手数料の話はどこにも出てきません。少しでもおかしいと思ったら、その場で答えず、発表のPDFにある問合せ先の番号に自分でかけて確かめてください。
入力してしまったとき
偽のサイトにパスワードを入力してしまったら、すぐにそのサービスのパスワードを変え、同じパスワードを使っているほかのサービスも変えます。カード番号を入力してしまったら、カード会社に電話して利用を止めてもらいます。お金を振り込んでしまったら、振込先の銀行と警察の相談窓口(全国共通の短縮番号は#9110)に早めに連絡してください。パスワードの変え方の順番は、パスワードが漏洩したらどうなるかの解説にまとめています。
土地改良区の土地原簿が含まれることの意味
人数で2番目に多い4,930人は、羽地大川土地改良区に係る土地原簿です。土地改良区とは、農業用の水路や排水の施設などを、地域で農地を持つ人たちが共同で整備し、管理するための団体のことです。土地原簿は、その地区の土地と、持ち主などを記録した台帳を指す言葉として使われます。発表では、この資料に含まれる情報は「氏名及び住所」とされています。
この資料に載っているのは、地区の中に土地を持つ人や、その関係者だと読み取れます。実際に暮らしている場所と、土地のある場所が違う人も多いはずです。県外に住んでいる人、家族から土地を受け継いだ人、家族の名義の土地を管理している人は、自分の名前が載っているかどうかをすぐには思い出せないかもしれません。
心当たりがある人は、次の点を家族で確かめておくと、不審な連絡が来たときに落ち着いて対応できます。
- 羽地大川土地改良区の地区に、自分や家族の名義の土地があるか
- その土地に関する書類(賦課金の通知など)が、どの住所あてに届いているか
- 土地の売却や測量、補助金を持ちかける連絡が来たとき、家族の誰が対応するか
土地の話は金額が大きくなりやすく、相手が地名や地区名を正しく言うと、本物らしく聞こえます。住所と氏名が出回ったおそれがあることを前提に、土地の取引や手続きを急がせる連絡には、その場で答えないことを家族で決めておいてください。
催しの参加者名簿と写真が含まれることの意味
人数がもっとも多い8,549人は、令和6年3月から令和7年11月に事務局が開いた各種催しの、参加者名簿と会場の様子を撮影した写真です。発表では、含まれる情報は「氏名又は顔写真」とされています。名簿に載った人は氏名が、写真に写った人は顔写真が、それぞれ対象になっていると読めます。
会場の写真は、本人が名簿に名前を書いていなくても、写り込んでいれば対象になりえます。子どもと一緒に参加した催しや、見学会、説明会などに参加した記憶がある人は、家族の分も含めて心当たりを確かめてください。
顔写真だけでは、すぐにお金の被害につながる情報とは言いにくいものです。それでも、次のような使われ方には気をつけておくと安心です。
- 写真と名前を組み合わせて、SNSで本人になりすました偽のアカウントを作られる
- 「催しの写真を送ります」「参加の記念品があります」といった連絡で、偽のサイトに誘われる
- 子どもの写真が意図しない場所に出回る
自分や家族の写真の扱いが気になる場合は、催しの時期と名前を伝えて、事務局の問合せ先に相談してください。
役所や団体からファイルの受け取りを求められたときの確かめ方
今回の入口になったのは、ファイルを受け渡すための仕組みでした。役所や団体とやり取りをする人は、これからも「大きなファイルを送ったので、こちらのリンクから受け取ってください」という案内を受けることがあります。その多くは本物ですが、同じ形を装った偽のメールも出回ります。
受け取りの案内が来たら、次の順番で確かめると、偽のメールに引っかかりにくくなります。
- そのファイルを送ってくる話を、事前に担当者から聞いていたかを思い出す
- 送り主のメールアドレスの、@より後ろの部分が、その組織のものかを見る
- リンクの先が、その組織や、組織が使っている転送サービスのものかを、押す前に確かめる
- 受け取りの画面で、メールのパスワードや、ほかのサービスのログインを求められたら、入力しない
- 迷ったら、担当者に電話など別の手段で、本当に送ったかを聞く
ファイル転送サービスの受け取りの画面は、多くの場合、メールで別に届くパスワードを入れるだけで開きます。そこで、ふだん使っているメールのパスワードや、会社のアカウントのログインを求めてくる画面は、偽のサイトを疑ってください。
2025年9月の職員の情報の件との違い
沖縄総合事務局は、令和7年9月16日にも「内閣府沖縄総合事務局における職員の個人情報漏えいの可能性について」という発表をしています。「沖縄総合事務局 情報漏洩」で調べると、この2つが並んで出てくることがあるので、違いを整理しておきます。
| 項目 | 今回(令和8年4月28日付) | 令和7年9月16日の件 |
|---|---|---|
| 不正アクセスを受けた所 | 事務局が使うFileZen専用サーバ | 国土交通省近畿地方整備局のネットワーク |
| 対象 | 県民や事業者、関係者など計15,091人 | 事務局の職員 約1,200人 |
| 情報 | 氏名、住所、メールアドレス、生年月日、顔写真など(資料ごと) | 氏名、公用メールアドレス、ユーザーID、所属・役職名 |
2025年9月の件は、近畿地方整備局のネットワークへの不正アクセスにより、そのネットワークとつながっている事務局で、職員約1,200人分の情報が漏えいした可能性があるというものでした(令和7年9月16日の発表)。対象は職員で、一般の人の情報は含まれていません。今回のFileZenの件とは、入られた所も、対象も、情報の中身も違います。
2つの件の関係について、事務局は何も書いていません。同じ攻撃が続いているといった見方は、発表からは確かめられないので、別々の事案として扱ってください。
家族や知人に伝えるときのポイント
今回の対象には、土地の持ち主、フェリーの利用者、催しの参加者など、ふだん情報漏えいの知らせを気にしていない人が多く含まれます。とくに、高齢の家族が土地を持っている場合や、家族で事務局の催しに参加した場合は、本人がこの発表を知らないままのことがあります。
家族や知人に伝えるときは、不安をあおるより、次の3点を短く伝えるほうが役に立ちます。
- 沖縄総合事務局の資料が入ったサーバが不正アクセスを受け、名前や住所などが漏えいしたおそれがあると発表されたこと
- 事務局や役所を名乗って、お金や口座番号、パスワードの話をする連絡には答えないこと
- 心当たりがあれば、事務局の問合せ先(098-866-0050)に自分で電話して確かめればよいこと
電話番号を紙に書いて渡しておくと、いざ不審な電話が来たときに、かけ直す先を迷わずに済みます。
問い合わせ窓口
発表のPDFに載っている問合せ先は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 内閣府 沖縄総合事務局総務部情報システム管理課 |
| 電話 | 098-866-0050 |
| 担当 | 棚原 |
| 受付時間 | 発表に記載なし |
受付時間が書かれていないので、平日の日中にかけるのが無難です。電話では、どの資料に当てはまりそうか(フェリーの払い戻しを受けた、事務局の催しに参加した、など)と、その時期を伝えると話が早く進みます。
窓口に電話するときも、パスワードやカード番号を伝える必要はありません。もし電話口でそれらを聞かれたら、かけた番号が発表に載っている番号と同じかを確かめ直してください。
在宅で仕事をする人が気をつけること
今回の件は、ファイルを受け渡すためのサーバが入口になりました。在宅で仕事を受ける人も、取引先と大きなファイルをやり取りするために、ファイル転送サービスやクラウドストレージを日常的に使っています。取引先から顧客の名簿、申込書、写真などを預かる立場になれば、自分の使うサービスやアカウントから情報が出たとき、取引先の情報まで外に出るおそれがあります。
個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、事業者に委員会への報告が義務づけられる場合として、要配慮個人情報(病歴など、とくに慎重に扱う情報)を含む漏えい等、不正に使われるとお金の被害が出るおそれがある漏えい等、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等、本人の数が1,000人を超える漏えい等が挙げられています。不正アクセスによる漏えいは、不正の目的で行われたおそれがある例として示されています。報告は発覚したら速やかに行い、不正の目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。同じページには、行政機関等が持つ情報についての要件も並んでいて、今回のような国の機関の件も、この仕組みの中で扱われます。
業務委託で個人情報を扱う人が、自分の端末やアカウントから預かった情報を漏らしてしまった場合、まず対応を迫られるのは委託元の取引先です。どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるので、ここでは断定できません。ただ、気づいた時点ですぐ取引先に伝えることが、取引先が必要な手続きを進めるうえで欠かせない点は変わりません。
今回の件をきっかけに、仕事でのファイルのやり取りについて次の点を見直しておくと安心です。
- 受け渡しが終わったファイルを、転送サービスやクラウドに残したままにしていないか
- 共有リンクの有効期限やパスワードを設定しているか
- 取引先が指定した受け渡しの方法と違う方法で、個人情報を含むファイルを送っていないか
- 仕事で使うアカウントに多要素認証(パスワードに加えて、スマホのアプリやコードでも本人を確かめる仕組み)を設定しているか
- ファイルの受け渡しを装ったメールが来たとき、取引先に別の手段で確かめる習慣があるか
フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く取引が続く人ほど、納品物の質だけでなく、預かったデータの扱い方で信頼を得ています。受け渡しが済んだファイルを消す、共有リンクに期限を付ける、といった地味な手当てが、そのまま取引先からの評価につながっていきます。中間の手数料が乗らない直接の取引では、こうした信頼がそのまま次の依頼と手取りの厚さに結びつきます。
情報の扱い方を仕事に生かす
ファイルの受け渡しや共有の設定を正しく扱えることは、自分の身を守る知識であると同時に、仕事として求められる力でもあります。企業や団体の中には、社内の共有フォルダの整理、ファイル転送のルールづくり、職員向けの注意喚起の文面づくりなどを、外部の人に頼むところがあります。今回のような公表を公式の発表から正確に読み取り、「どの資料に誰の何が含まれていたか」「本人は何をすればよいか」を整理する作業も、その一つです。
セキュリティの仕事を在宅で受けたい場合、いきなり専門的な診断の仕事を目指す必要はありません。まずは自分のアカウントとファイルの管理を整え、事案の発表を正確に読む習慣をつけるところから始められます。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。
沖縄総合事務局の件は、2026年11月1日時点で4月28日付の発表から続報が出ていない段階です。事務局とファイルをやり取りした人、羽地大川土地改良区の地区に土地を持つ人、フェリーの払い戻しを受けた人、事務局の催しに参加した人は、不審な連絡に答えないことを先に決め、心当たりがあれば事務局の問合せ先で確かめてください。
よくある質問
Q. 事務局から通知が届いていなければ、対象ではないと考えてよいですか?
そうとは限りません。フェリー(那覇・久米島間)のキャンセル料の払戻明細表の577人と、事務局の催しの参加者名簿や会場の写真の8,549人は、連絡先が分からないため個別の通知が難しいと発表されています。令和6年から令和7年にかけて払い戻しを受けた人や催しに参加した人は、心当たりがあれば問合せ先(098-866-0050)に確かめてください。
Q. クレジットカードや銀行口座の手続きは必要ですか?
発表で漏えいのおそれがあるとされた情報は、氏名、住所、メールアドレス、生年月日、電話番号、顔写真、学歴、職歴、資格情報などで、カード番号や口座番号は挙げられていません。今回の件だけを理由にカードや口座の手続きをする必要は示されていません。ただし、身に覚えのない請求があれば、すぐにカード会社や銀行に連絡してください。
Q. 2025年9月に聞いた沖縄総合事務局の漏えいと同じ件ですか?
別の件です。令和7年9月16日の発表は、国土交通省近畿地方整備局のネットワークへの不正アクセスで、事務局の職員約1,200人分の氏名や公用メールアドレスなどが漏えいした可能性があるというものでした。今回はFileZen専用サーバへの不正アクセスで、県民や関係者など計15,091人分の資料が対象です。
Q. 事務局を名乗る電話で補償金の話をされたら、どうすればよいですか?
その場で口座番号などを答えずに電話を切ってください。発表には補償金の支払いについての記載はありません。本当に事務局からの連絡かどうかは、発表のPDFに載っている総務部情報システム管理課の番号(098-866-0050)に自分でかけ直して確かめます。お金を振り込んでしまった場合は、振込先の銀行と警察の相談窓口に早めに連絡してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
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