東京都水道局の情報漏洩のおそれ|外付けHDD4台(1,932名)と家屋調査の書類(84軒)の紛失 対象者が確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓東京都水道局の情報漏洩のおそれを整理
- ✓外付けHDD4台(個人情報1,932名)と家屋調査の書類(84軒分)の紛失2件について
- ✓項目・経緯・局の対応・対象かの確かめ方・不審な電話や訪問への備え・問い合わせ先を2026年10月28日時点の公式発表で解説します
東京都水道局は2026年10月、個人情報の紛失を2件発表しました。1件は局の執務室で保管していた外付けハードディスク4台が見つからなくなったもので、個人情報1,932名を含みます。もう1件は多摩地区の家屋調査を受託した会社の社員が書類の入った鞄を電車内に忘れたもので、調査対象84軒分の氏名、住所、電話番号、対応記録が記載されていました。
どちらも不正アクセスではなく「紛失」で、局は2026年10月28日時点で「流出等の二次被害は確認されていません」と発表しています。対象の人には局から電話や訪問で個別に連絡が入っているので、まずは連絡があったかを家族で確かめ、水道局を名乗る心当たりのない電話や訪問に注意してください。
この記事では、2件の発表の中身を1つの表で整理し、紛失した項目、局の対応、自分が対象かどうかの確かめ方、対象だったときにすること、問い合わせ先の順に、公式の発表に書かれている範囲で説明します。
東京都水道局の紛失2件を1つの表で整理する
2件は時期が近く、どちらも「水道局」「個人情報」「紛失」という同じ言葉で伝えられているため、混ざって受け取られやすい事案です。ところが、なくなった物も、関係する人も、問い合わせ先もまったく別です。最初に、局の報道発表に書かれていることだけを並べます。
| 項目 | (1) 外付けハードディスクの紛失 | (2) 家屋調査に係る個人情報の紛失 |
|---|---|---|
| 紛失したもの | 執務室内の施錠されたキャビネットで保管していた外付けハードディスク4台 | 受託者(株式会社東京用地補償)の社員が持っていた、書類等の入った鞄 |
| 記録・記載されていた内容 | 局が所有する用地の管理、活用に関する資料等 | 「令和8年度多摩地区家屋損害調査委託単価契約」の調査対象の情報 |
| 発覚日・紛失日 | 2026年10月2日に発覚 | 2026年10月20日に紛失 |
| 発表の日付 | 2026年10月23日(ページの更新日) | 2026年10月26日 |
| 件数 | 個人情報1,932名(企業・国・自治体関係者1,037名、地域住民等895名) | 調査対象84軒分 |
| 項目 | 大部分は氏名のみ。一部、住所や電話番号等あり | 氏名、住所、電話番号、対応記録 |
| 局の対応 | 該当者に連絡を取り、謝罪と説明。職員に記録媒体の管理を周知徹底 | 電話で連絡と謝罪。10月23日から局職員が自宅を個別に訪問して謝罪と説明 |
| 二次被害 | 現時点で流出等の二次被害は確認されていない | 現時点で二次被害は確認されていない |
| 問い合わせ先 | 水道局経理部管理課 03-5320-6388(直通) | 水道局多摩水道改革推進本部施設部工務課 042-548-5421(直通) |
表の「件数」は、局の表現をそのまま写しています。(1) は人数で「1,932名」、(2) は世帯の単位で「84軒分」と数え方が違うため、2件を合計した人数は出せません。(2) の1軒に何人分の名前が書かれていたかは、発表に書かれていません。
もう1つ大切なのは、(1) の対象者の半分以上が「企業・国・自治体関係者」だという点です。水道の契約者全体が対象になった事案ではなく、局が用地の管理や活用の仕事でやり取りしてきた相手と、その用地の周辺の住民等が中心です。水道を使っているというだけで対象になるわけではありません。(2) も、多摩地区で家屋損害調査の対象になった84軒に限られます。
家屋損害調査という言葉は聞き慣れないかもしれません。名前のとおり家屋の損害に関わる調査ですが、今回の発表には、どの工事や事業に関わる調査なのか、調査の目的までは書かれていません。対象になっていた人は、調査の依頼を受けたときの書面や、局から受けた説明の内容を基準にしてください。
公表の経緯と、それぞれで分かったこと
2件とも、2026年10月28日時点で発表は1回ずつで、続報や訂正は出ていません。水道局の報道発表の一覧(令和8年10月)を2026年10月28日の夜に開き直したところ、10月の発表は4件で、個人情報に関わるものはこの2件だけでした。残りの2件は水源林ツアーの参加者募集と、10月28日付の別の催しの案内です。
外付けハードディスクの件(2026年10月2日に発覚)
経緯は、職員がハードディスクの空き容量を確かめようとしてキャビネットを開けたところで始まります。
令和8年10月2日(金)、当局職員が執務室内でHDDの空き容量を確認するため、施錠管理されたキャビネットを解錠したところ、保有するHDD4台の収納箱のみが存置され、いずれもHDD本体が入っていないことが発覚した。 その後、執務室内の捜索等を継続して行っているが、現時点で発見できていない。 出典: waterworks.metro.tokyo.lg.jp
ここから分かるのは、箱は残っていて中身だけがなかったこと、見つからなくなった時期は発表に書かれていないこと、10月2日の発覚から発表までのあいだに執務室内を探し続けていたことです。いつから中身がなかったのか、誰かが持ち出したのか、執務室内のどこかにまぎれているのかは、発表には書かれていません。発見できていないという事実だけが確かです。
家屋調査の書類の件(2026年10月20日に紛失)
こちらは日付ごとの動きが細かく公表されています。
- 2026年10月20日 東京メトロ東西線の九段下駅から乗車し、中野駅で下車したあとに鞄がないことに気づき、中野駅に接続する鉄道各社の忘れ物センターへ照会
- 2026年10月21日 忘れ物センターへ照会し、中野警察署の遺失物窓口へ届出
- 2026年10月22日 忘れ物センターと中野警察署に照会し、受託者から水道局へ報告
- 報告のあと、局が対象の家に電話で連絡し、つながった人に謝罪
- 2026年10月23日から、局職員が対象の家を個別に訪問して謝罪と説明
紛失から局への報告までに2日かかっていますが、その間は受託者が忘れ物センターと警察への照会を続けていたことが発表から読み取れます。忘れ物は、数日たってから届けられることもあります。発表の時点では見つかっていないというだけで、この先に見つかる可能性も、見つからないままになる可能性もあります。
紛失した情報の項目と、発表に書かれていない項目
情報漏えいの記事では、何が含まれていて、何が含まれていないのかを分けて見ることが大切です。今回の2件で発表に書かれている項目は次のとおりです。
| 区分 | (1) 外付けハードディスク | (2) 家屋調査の書類 |
|---|---|---|
| 含まれる項目 | 氏名(大部分は氏名のみ)。一部に住所や電話番号等 | 氏名、住所、電話番号、対応記録 |
| 記録されていた資料の種類 | 局が所有する用地の管理、活用に関する資料等 | 家屋損害調査の調査対象の情報 |
| 含まれないと明記された項目 | 記載なし | 記載なし |
どちらの発表にも「クレジットカード情報は含まれない」「口座情報は含まれない」といった、含まれない項目の明記はありません。発表に無いことを推測で補うのは避けるべきなので、この記事でも「含まれない」とは書きません。気になる場合は、対象者として連絡を受けたときに、自分の情報のうち何が記録されていたのかを局に直接尋ねてください。
(1) の「一部、住所や電話番号等あり」の「等」も、何を指すのかは発表に書かれていません。氏名だけの人と、住所や電話番号まで記録されていた人がいるということです。局は該当者に連絡を取って説明したとしているので、自分の情報がどこまで記録されていたかは、その説明の中で確かめるのが確実です。
(2) の「対応記録」も注意が要る項目です。対応記録の具体的な中身は発表に書かれていません。言葉の意味からすると、調査の日程調整のやり取りや訪問の記録など、局や受託者がその家とどう接してきたかを書き留めたものが含まれ得ます。ただ、氏名と住所と電話番号に加えて「いつ、どんな用件で局とやり取りしていたか」が分かる情報だとすると、局の職員や調査員を名乗る人がもっともらしい話をするための材料になり得ます。対策の節で、この点を詳しく扱います。
原因は不正アクセスではなく「紛失」
情報漏えいのニュースでは、外部からの攻撃でサーバーに侵入された事案が多く報じられます。今回の2件は、どちらも外部からの攻撃ではありません。発表に書かれている原因は次のとおりです。
- (1) 施錠管理されたキャビネットに保管していたハードディスク4台の本体が、収納箱だけを残して見つからなくなった。捜索を続けているが発見できていない
- (2) 受託者の社員が、個人情報が記載された書類等の入った鞄を電車内に忘れ、紛失した
(1) について、誰がいつ持ち出したのか、そもそも持ち出されたのかは、発表に書かれていません。盗難とも、持ち出しとも書かれておらず、あくまで「紛失」と発表されています。原因の詳しいところは、局が公表していない以上、分からないと受け止めるのが正確です。
(2) は、受託者の社員が仕事の書類を持ち歩いていた途中の出来事です。水道局は工事や調査の多くを外部の会社に委託しています。委託とは、局の仕事の一部を契約で外部の会社に任せることです。任された会社は、仕事に必要な範囲で住民の情報を預かります。今回のように、預けた先で情報がなくなった場合も、局は発注した側として説明と謝罪を行い、受託者を指導する立場にあります。
発表された再発防止策は、(1) が「改めて記録媒体の管理を厳正に行うよう、職員に対し周知徹底した」、(2) が「当該受託事業者に対し、個人情報の厳正な管理について改めて指導・監督」と「局職員に対し、個人情報の取扱い基準の遵守及び事業者への管理監督の徹底を指示」です。暗号化の導入やシステムの変更など、具体的な仕組みの変更は書かれていません。
紛失と不正アクセスはどう違うのか
情報が「漏れた」と聞くと、多くの人はインターネット上に名簿がばらまかれる場面を思い浮かべます。紛失はそれとは性質が違います。初めてこうした発表を読む人のために、違いを整理します。
不正アクセスは「誰かが取りに来た」事案
不正アクセスとは、許可のない人が他人のパスワードを使ったり、システムの弱いところを突いたりして、サーバーなどに入り込むことです。この場合は、最初から情報を盗む目的を持った人がいます。そのため、盗まれた情報がのちに売買されたり、詐欺のメールに使われたりする可能性を前提に、利用者はパスワードの変更などをすぐに行う必要があります。
紛失は「第三者の手に渡ったかどうかが分からない」事案
紛失は、物がどこにあるか分からなくなった状態です。電車の網棚や座席に残った鞄は、誰にも開けられずに駅の忘れ物センターへ届く場合もあれば、拾った人が中を見る場合もあります。執務室のハードディスクも、室内のどこかにまぎれているのか、外に持ち出されたのかは、見つかるまで分かりません。
つまり紛失では、情報が第三者に見られたかどうかを、局自身も確かめられないことがほとんどです。局が「漏洩のおそれ」「二次被害は確認されていません」という言い方をするのはこのためです。「漏れた」と言い切ることも、「漏れていない」と言い切ることもできない状態だと理解してください。
対象者にとっての違い
不正アクセスでパスワードが盗まれたなら、パスワードを変えることで被害を止められます。ところが、氏名や住所や電話番号は、変えるのが難しい情報です。紛失した書類やハードディスクに記録されていたのがこうした情報である以上、対象者がすることは「何かを変更する」ことよりも、「その情報を使って近づいてくる人に気づく」ことが中心になります。
また、今回の記録媒体は、インターネットにつながったサービスではありません。メールアドレスの流出を調べるサービスで自分のアドレスを検索しても、今回の件に当たるかどうかは分かりません。オンラインで流出を調べる方法とその限界は、漏えいを調べる方法で解説しています。今回の2件については、局からの連絡の有無が唯一の確かめ方です。
東京都水道局の対応と、お詫びの範囲
局の発表に書かれている対応を、2件に分けて整理します。発表に無いことは書きません。
外付けハードディスクの件の対応
- 個人情報の該当者に対して連絡を取り、紛失について謝罪と説明を行った
- 執務室内の捜索を続けている
- 職員に対し、記録媒体の管理を厳正に行うよう周知徹底した
連絡の手段(電話、郵便、訪問など)は発表に書かれていません。対象の1,037名は企業・国・自治体の関係者で、仕事として局とやり取りしてきた人たちです。勤め先あてに連絡が届いている場合もあり得るので、個人あての連絡が見当たらないときは、職場の担当部署にも確かめてください。
家屋調査の書類の件の対応
- 受託者から報告を受けたあと、直ちに局から対象の家に電話で連絡し、連絡がついた人には謝罪した
- 2026年10月23日から、局職員が対象の家を個別に訪問し、謝罪と説明を行っている
- 受託事業者に対し、個人情報の厳正な管理について改めて指導・監督した
- 局職員に対し、個人情報の取扱い基準の遵守と、事業者への管理監督の徹底を指示した
発表の結びには「お客さま及び関係者の皆様には、多大なご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます」とあります。金銭による補償やお詫びの品については、どちらの発表にも書かれていません。この点を推測で判断せず、気になる人は問い合わせ先で確かめてください。
個人情報保護委員会への報告について
個人情報保護委員会は、個人情報の漏えいを監督する国の機関です。委員会の「漏えい等報告」のページでは、自治体などの行政機関等について、本人の数が100人を超える漏えい等(またはそのおそれ)を報告が必要な場合の1つに挙げています。今回の水道局の発表には、委員会へ報告したかどうかは書かれていません。報告の有無を知りたい場合は、局の問い合わせ先で尋ねてください。
自分が対象かを確かめる方法
対象かどうかを確かめる方法は、局からの連絡の有無です。発表では、2件とも局が対象者へ個別に連絡しているとされています。
外付けハードディスクの件で対象になり得る人
発表上の内訳は「企業・国・自治体関係者1,037名、地域住民等895名」です。局が所有する用地の管理や活用で局とやり取りしたことがある会社や役所の担当者、その用地の周辺に住んでいる人などが考えられます。ただし、どの用地の、どの範囲の住民なのかは発表に書かれていません。局から連絡を受けていない人が、自分から当てはまるかどうかを判断するのは難しいため、心当たりがある場合は経理部管理課に問い合わせてください。
家屋調査の書類の件で対象になり得る人
多摩地区で、水道局の家屋損害調査の対象になっていた84軒です。調査の日程の連絡を受けた、調査員が自宅を訪れた、といった覚えがある人が当たる可能性があります。局職員が2026年10月23日から訪問しているので、不在の間に訪問の連絡票などが届いていないかも確かめてください。
連絡を受けたときに確かめておくこと
局から電話や訪問で説明を受けたら、次の点を聞いて書き留めておくと、あとで不審な連絡を見分けるときに役立ちます。
- 自分の情報のうち、どの項目が記録されていたか(氏名だけか、住所や電話番号もか)
- 担当部署の名前と、折り返しに使える代表の電話番号
- 今後、局から連絡を取る予定があるか、ある場合はどんな方法か
- 書類やハードディスクが見つかった場合に知らせてもらえるか
3つ目は特に大切です。「局からは今後、この件で現金や口座番号を求める連絡はしない」といった説明を受けておけば、その後に届いた連絡が本物かどうかを判断しやすくなります。
局からの連絡を名乗る連絡そのものに注意する
事案が報道されると、それに便乗した詐欺の連絡が出てくることがあります。「水道局の情報漏えいの件で確認したい」と電話をかけてきて、口座番号やキャッシュカードの暗証番号を聞き出そうとする手口が考えられます。かかってきた電話番号にそのまま折り返さず、局の報道発表に載っている問い合わせ先の番号にかけ直して確かめてください。
対象者がこれからすること
氏名、住所、電話番号は、パスワードのように変更して無効にすることができない情報です。今回の2件では、カード番号やパスワードが含まれたとは発表されていないので、カードの停止やパスワードの変更を急ぐ必要がある事案ではありません。対象者がするべきことは、その情報を使った連絡に気づける状態を作ることです。
水道局や調査員を名乗る電話への備え
家屋調査の書類には「対応記録」が含まれていました。仮に第三者がこの書類を見た場合、「先日の家屋調査の件で」と、実際にあったやり取りを踏まえた電話をかけることができてしまいます。話の中身が正確だからといって、相手が本物だとは限りません。
- 電話で口座番号、暗証番号、カード番号を聞かれたら、その場で答えずに切る
- 「本日中に手続きしないと水道が止まる」など、急がせる話は特に疑う
- 確かめるときは、相手が言う番号ではなく、局の発表や公式サイトに載っている番号にかけ直す
東京都水道局では過去に、契約者の家族を名乗る人物が電話で名義人の情報を聞き出した事案が発表されています。2024年8月の発表では、板橋営業所と目黒営業所の2か所で、名義人や家族を名乗る人物からの電話に職員や社員が情報を回答した事案が説明されています。板橋営業所の件では、電話をかけてきた人物が名義人の氏名、住所、電話番号を申告したうえで、社員が名義人の情報を回答していました。
(1)板橋営業所(政策連携団体が受託運営) イ 経過 ・令和6年7月29日(月)午前11時30分頃、名義人Aの息子BをかたったCより入電 ・Cは、名義人Aの氏名、住所及び電話番号を申告し、社員は名義人Aの個人情報(上記ア)を回答 出典: waterworks.metro.tokyo.lg.jp
この事例が示しているのは、氏名、住所、電話番号の3つがそろうと、本人や家族になりすまして別の窓口から情報を引き出す材料になり得るということです。今回の紛失で第三者がこれらを見たかどうかは分かりませんが、念のため、水道の契約や料金について家族を名乗る問い合わせがあった場合の扱いを、局に確かめておくと安心です。
自宅への訪問への備え
家屋調査の件では、局職員が実際に対象の家を訪問しています。本物の訪問と、便乗した偽の訪問を見分けるには、次の点を確かめてください。
- 身分証を見せてもらい、所属と氏名を控える
- その場で家に上げず、玄関先で用件を聞く
- 不安があれば、いったん帰ってもらい、局の問い合わせ先に電話して訪問の予定があったかを確かめる
- 現金の受け渡しや、通帳、キャッシュカードを預かるといった話には応じない
局職員の訪問は謝罪と説明のためのものと発表されています。お金や書類を預かるといった話が出た場合は、本物かどうかを必ず確かめてください。
郵便物、メール、SMSへの備え
住所が知られると、水道局や役所を名乗る郵便物が届く可能性も考えられます。封書の差出人が正しくても、同封の連絡先や二次元コードが正しいとは限りません。書かれている電話番号ではなく、自分で調べた局の番号に問い合わせてください。
電話番号が知られた場合は、SMS(携帯電話の番号あてに届く短いメッセージ)で偽のサイトへ誘導される手口にも注意が要ります。「水道料金の未払い」「給水停止のお知らせ」などの文面でリンクを押させ、カード番号を入力させる手口です。水道局を名乗るSMSのリンクは押さず、局の公式サイトを自分で検索して開き、そこから手続きの画面に進むようにしてください。偽のメールの見分け方は、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドで具体的な例を挙げて解説しています。
住所が知られたかもしれないときの考え方や、郵便物の扱いは、住所が漏れたときにまとめています。
家族で情報を共有する
局からの連絡を受けたのが家族の誰か1人だけだと、ほかの家族が不審な電話を受けたときに判断できません。特に高齢の家族がいる場合は、次の点を家族で共有しておくと安全です。
- 水道局から紛失の連絡があったこと、局は謝罪と説明のために連絡していること
- 局を名乗る電話でお金や口座の話が出たら、答えずに家族に相談すること
- 確かめるときの電話番号(局の発表に載っている番号)
問い合わせ窓口
2件は担当部署が別です。自分が関係する件の窓口に問い合わせてください。受付時間は発表に書かれていません。
| 件 | 窓口 | 電話番号 |
|---|---|---|
| (1) 外付けハードディスクの紛失 | 水道局経理部管理課 | 03-5320-6388(直通) |
| (2) 家屋調査に係る個人情報の紛失 | 水道局多摩水道改革推進本部施設部工務課 | 042-548-5421(直通) |
家屋調査の件の発表は次のページです。経過や再発防止策の原文を確かめたいときは、こちらを開いてください。
「令和8年度多摩地区家屋損害調査委託単価契約」において、下記のとおり個人情報の紛失事故が発生いたしました。 お客さま及び関係者の皆様には、多大なご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。 なお、現時点では、情報の紛失によるお客さまへの二次被害は確認されていません。 出典: waterworks.metro.tokyo.lg.jp
問い合わせるときは、名前、住所、局から連絡を受けた日と方法を手元に用意しておくと話が早く進みます。2つの窓口は、それぞれの紛失の件を担当する部署です。水道料金や引っ越しなど別の用件は、局の公式サイトで担当の窓口を確かめてから問い合わせてください。
東京都水道局のこれまでの個人情報の事案
今回の2件とは別に、水道局は2026年3月にも委託先に関わる事案を発表しています。こちらは紛失ではなく、委託先の協力会社がランサムウェアの被害を受けた事案です。ランサムウェアとは、パソコンやサーバーのファイルを勝手に暗号化して使えなくし、元に戻すことと引き換えに金銭を要求する不正なプログラムのことです。
水道局(以下「当局」という。)が実施する、令和7年度水使用実態に関する調査研究を委託した事業者(以下「受託者」という。)の協力会社(以下「協力会社」という。)において、サイバー攻撃により個人情報漏洩の可能性がある事案が発生しましたので、お知らせします。 なお、現時点で情報の流出は確認されていません。 出典: waterworks.metro.tokyo.lg.jp
3月の発表では、漏洩の可能性がある情報は「お客さまの使用水量、お客さま番号、住所、使用者名等(約13万件)」とされ、スマートメータが取り付けられている客を対象にしたアンケート調査の委託に関わるものでした。問い合わせ先は総務部施設計画課(03-5320-6341)です。
3月の件と今回の2件は、別々の事案です。3月の件の対象だった人が、今回の件の対象でもあるとは限りません。報道で「水道局の情報漏えい」とまとめて伝えられると混同しやすいので、自分に届いた連絡がどの件についてのものかを、担当部署の名前で見分けてください。
| 時期 | 事案 | 性質 | 件数 |
|---|---|---|---|
| 2024年8月の発表 | 営業所2か所の電話応対で、なりすました人物に情報を回答 | 電話での回答 | 名義人3名の情報 |
| 2026年3月の発表 | 委託先の協力会社へのランサムウェア被害 | 不正アクセス | 約13万件(漏洩の可能性) |
| 2026年10月23日の発表 | 外付けハードディスク4台の紛失 | 紛失 | 個人情報1,932名 |
| 2026年10月26日の発表 | 家屋調査の書類の紛失 | 紛失 | 84軒分 |
2024年8月の件数は、発表に板橋営業所で名義人Aと名義人B、目黒営業所で名義人Dの情報が回答されたと書かれていることから整理しています。この件で局は、名義人への説明と謝罪に加えて警察に情報提供し、本人確認の手順を全営業所に周知したと発表しています。性質の違う事案が並んでいることが分かります。それぞれで対象者がすることも違うので、自分に関係する件の発表を確かめてください。
在宅で仕事をする人が、取引先の情報を持ち歩くときに気をつけること
今回の家屋調査の件は、外部の会社が発注元から預かった住民の情報を、仕事の途中で紛失した事案です。在宅で仕事を受けている人にとっても、他人事ではありません。顧客名簿の入力、アンケートの集計、訪問の日程調整など、取引先から個人情報を預かる仕事は少なくありません。
預かった情報を持ち歩くときの基本
- 紙の書類や記録媒体を持ち出すのは、仕事に必要な分だけにする
- 持ち歩く鞄は体から離さず、電車では網棚や座席に下ろさない
- ノートパソコンや外付けの記録媒体は、パスワードの設定や暗号化をしておく
- 仕事が終わった書類やデータは、取引先との約束どおりに返すか削除する
外付けのハードディスクやUSBメモリーは小さく、なくなっても気づくのが遅れがちです。今回の(1)の件でも、発覚したのは空き容量を確かめようとしたときでした。どの記録媒体に、誰の情報が、いつから保存されているかを一覧にしておくと、なくなったときにすぐ気づけますし、取引先に何を報告すればよいかもすぐ分かります。
なくしたときに取引先へ知らせるかの考え方
預かった情報をなくしたときは、自分で判断して抱え込まず、すぐに取引先へ知らせるのが基本です。今回の件でも、受託者は紛失の2日後に水道局へ報告し、そこから局が対象者への連絡を始めています。対象者への連絡や国への報告をするかどうかは、多くの場合、情報を預けた取引先の側が判断することになります。知らせるのが遅れるほど、取引先の対応も遅れます。
個人情報保護委員会は、民間の事業者について、本人の数が1,000人を超える漏えい等(またはそのおそれ)や、書類や記録媒体が盗まれた場合など不正な目的で行われたおそれがある漏えい等を、報告が必要な場合として挙げています。詳しい区分は委員会の漏えい等報告のページに整理されています。自分の場合がどれに当たるかは、事情によって変わるので、取引先と相談し、必要に応じて委員会の相談窓口で確かめてください。断定的に「報告しなくてよい」と自分だけで決めないことが大切です。
取引先が会社の場合は、情報の取扱いについて契約書や秘密保持の約束が交わされていることが多いはずです。紛失したときの連絡先や期限が決められていないか、受けている仕事の契約を見直しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
アカウントを守る習慣
在宅の仕事では、取引先とのやり取りに使うメールやチャット、クラウドの保存先が仕事の土台になります。紛失とは別の話ですが、ログインに使う情報を守ることも、預かった情報を守ることにつながります。パスワードに加えて、スマートフォンのアプリや認証用の機器で本人確認をする多要素認証の考え方は、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版で解説しています。
委託の仕事で情報を守るということ
今回の2件のうち、家屋調査の件は「発注元から仕事を受けた側」で起きました。フリーランスや在宅ワークの仲介を長く続けてきた運営者として見てきた限りでは、取引先から長く信頼される人ほど、成果物の質だけでなく、預かった情報の扱い方を最初に確かめています。どの範囲の情報を受け取るのか、作業が終わったらどう返すのか、なくしたら誰にいつ連絡するのかを、仕事を始める前に取引先とすり合わせておく人です。
こうした確認は面倒に見えますが、受け取る側にとっても身を守る手段になります。取り決めがあれば、万一のときに何をすればよいかが明確になり、取引先との関係を損なわずに済みます。発注元の側も、情報の扱いを確かめてくる相手には安心して仕事を任せられます。間に入る仲介の手数料が無い直接取引では、こうした取り決めを当事者どうしで交わすことになるので、なおさら最初の確認が大切です。
情報セキュリティの知識は、仕事の幅を広げる力にもなります。個人情報の扱いや社内の教育、セキュリティの診断に関わる仕事の種類と求められる知識は、在宅ワーク仲介サイトの@SOHOがAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。ネットワークの基礎から学びたい人は、CCNA(シスコ技術者認定)の試験の範囲を見ると、どんな知識が求められているかをつかめます。
よくある質問
Q. 東京都水道局の今回の件で、水道を契約している人は全員対象ですか?
全員が対象ではありません。外付けハードディスクの件は、局が所有する用地の管理や活用に関わる企業・国・自治体関係者1,037名と地域住民等895名の計1,932名、家屋調査の件は多摩地区の調査対象84軒分です。どちらも局が対象者に個別に連絡しています。電話がつながらなかった人もいる可能性があるので、連絡が無くても心当たりがあれば各窓口に確認してください。
Q. 情報は流出したのですか?
2026年10月28日時点の発表では、2件とも「紛失」で、現時点で流出等の二次被害は確認されていません。紛失は、第三者の手に渡ったかどうかが分からない状態です。流出したとも、していないとも言い切れないため、局は漏洩のおそれとして扱っています。続報が出た場合は局の報道発表で確かめてください。
Q. パスワードやカードの停止は必要ですか?
発表に書かれている項目は、氏名、住所、電話番号、対応記録などで、カード番号やパスワードが含まれたとは書かれていません。そのため、カードの停止やパスワードの変更を急ぐ事案ではありません。それよりも、水道局や調査員を名乗る電話、訪問、SMSで口座番号やカード番号を求められても答えないことが大切です。
Q. 水道局を名乗る電話が来たら、どう確かめればよいですか?
かかってきた番号に折り返さず、局の報道発表に載っている番号にかけ直して確かめてください。外付けハードディスクの件は経理部管理課03-5320-6388、家屋調査の件は多摩水道改革推進本部施設部工務課042-548-5421です。電話口で口座番号や暗証番号を聞かれたら、答えずに切ってください。
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監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

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