非公開求人という言葉の裏を読み、本当の募集条件を見分ける方法


この記事のポイント
- ✓非公開にする企業側の理由
- ✓職業安定法が紹介事業者に求めていること
- ✓紹介された求人の本当の条件を確かめる手順
転職サイトや転職エージェントの広告でよく見る「非公開求人」という言葉。「ここだけの好条件の求人がある」と言われて登録したのに、紹介されたのはどこにでもある求人だった。そんな経験から「非公開求人は嘘なのでは」と感じている人もいるのではないでしょうか。結論から言うと、非公開求人という仕組みそのものは実在し、企業が求人を公開しないことには理由があります。ただし、「非公開」という言葉が、実態以上に特別なものとして使われていることもあります。
この記事では、非公開求人という言葉の裏を読み、本当の募集条件を見分ける方法を整理します。非公開にする企業側の理由、怪しく感じられる理由、職業安定法が紹介事業者に求めていること、紹介された求人の条件を確かめる手順、事業者の許可の調べ方、そして困ったときの相談先までを順に説明します。特定の会社やサービスの良し悪しではなく、どのサービスを使うときにも役立つ見方を身につけることが目的です。
非公開求人とは何か
非公開求人とは、求人サイトなどで誰でも見られる形では公開せず、登録した人や条件の合う人にだけ紹介される求人のことです。主に、転職エージェントと呼ばれる職業紹介事業者が扱っています。
職業紹介事業者とは、求人を出す企業と、仕事を探す人の間に入って、雇用の関係が結ばれるように取り持つ事業者のことです。企業から報酬を受け取って紹介する事業は「有料職業紹介事業」と呼ばれ、職業安定法により、厚生労働大臣の許可を受けなければ行えません(第30条)。
公開求人と非公開求人の違いを表にしました。
| 項目 | 公開求人 | 非公開求人 |
|---|---|---|
| 見られる人 | 誰でも | 登録者や、条件の合う人だけ |
| 企業名 | 多くは表示される | 紹介の段階まで伏せられることが多い |
| 応募の方法 | 自分で直接応募できることが多い | 担当者を通じて推薦される |
| 条件の詳細 | 求人票に書かれている | 担当者から伝えられることが多い |
なお、ハローワークにも、企業名を表示しない求人があります。ハローワークインターネットサービスは、企業名などの公開方法を、すべての利用者に公開する、ハローワークの求職者に限って公開する、すべての利用者に公開しない、の3つに分けていると説明しています。企業名を知りたい場合や応募したい場合は、最寄りのハローワークに相談するよう案内されています。
同じよくある質問では、企業名が載っていない求人について、企業がインターネット上で企業名を出すことや、利用者からの直接の応募を望んでいない求人であり、電話で問い合わせても答えられないと説明されています。企業名を知りたいときは、求人のページか求人番号を控えて、ハローワークの窓口で相談する流れです。企業名を伏せることは、それ自体が不正なのではなく、企業の意向に沿った公開の仕方の1つだということが分かります。
つまり、「非公開」とひとくちに言っても、企業名だけを伏せている場合から、求人の存在そのものを伏せている場合まで、さまざまな形があります。
企業が求人を非公開にする理由
企業が求人をわざわざ非公開にするのには、いくつかの理由があります。採用の現場でよく聞くものを挙げます。
・新しい事業や拠点の立ち上げを、競合する会社に知られたくない
・管理職や専門職など、今いる社員に知られずに人を入れ替えたい
・広く公開すると応募が集まりすぎ、選考の手間がかかりすぎる
・求める条件がはっきりしていて、少数の候補者に絞って会いたい
・急ぎの採用で、紹介事業者に候補者を選んでもらいたい
どれも、企業の側から見れば筋の通った理由です。たとえば、役員に近い立場の人を外から迎えるとき、その募集が公になれば、社内や取引先に余計な憶測を生みます。こうした求人は、公開しないことに意味があります。
一方で、非公開であることは、必ずしも「好条件」「希少」を意味しません。応募の多さを避けたいだけの、ごく一般的な条件の求人が非公開になっていることもあります。紹介事業者が「非公開求人が多数」とうたっていても、その中身は、公開されている求人と大きく変わらないことがあるということです。
採用の担当者の側から見ると、非公開にした求人ほど、選考の基準がはっきり決まっていることが多いものです。求める経験や技能が細かく決まっているため、紹介事業者には条件に合う人だけを推薦してほしいと頼みます。紹介を受ける側にとっては、条件が合えば選考が早く進みやすい一方で、少しでも外れると紹介されにくいということでもあります。
「非公開」は、求人の出し方を表す言葉であって、求人の質を表す言葉ではありません。この区別を持っておくだけで、広告の言葉に振り回されにくくなります。
非公開求人の「件数」の読み方
紹介事業者の広告では、「非公開求人○万件」「求人の8割が非公開」のように、件数や割合が大きく掲げられることがあります。こうした数字は、どう読めばよいのでしょうか。
まず知っておきたいのは、件数の数え方が事業者ごとに違うということです。同じ企業の同じ職種を、勤務地ごとに別の求人として数えている場合もあれば、1件としてまとめている場合もあります。募集を終えた求人が、しばらく数に含まれたままになっていることもあります。件数が多いことは、自分に合う求人が多いことを必ずしも意味しません。
次に、求人は常に入れ替わっているということです。ハローワークインターネットサービスのよくある質問でも、企業がすでに採用予定者を決めたのにまだ連絡していない場合や、公開の直後に応募が集まってすぐに締め切る場合があり、見つけた求人がすでに無効になっていることがあると説明されています。民間の紹介事業者でも事情は同じで、広告で見た件数のすべてに、今この時点で応募できるわけではありません。
職業安定法は、紹介事業者や求人メディアに、求人情報を正確で最新の内容に保つための措置を求めています。募集を終えた求人を残し続けることは、この考え方に反します。
件数の大きさで事業者を選ぶより、面談のときに「こちらの経験と希望で、いま応募できる求人は何件ありますか」と聞くほうが、実際に役立つ数字が手に入ります。その答えが具体的かどうかも、事業者を見極める材料になります。
「非公開求人は嘘」と感じられる理由
非公開求人に対して「嘘だった」と感じる人が多いのは、いくつかの行き違いが重なるからです。
1つ目は、広告と実際の紹介の差です。「好条件の非公開求人を紹介」と書かれた広告を見て登録したのに、実際に紹介されたのは公開求人と同じような条件だった、という行き違いです。
2つ目は、紹介される件数の少なさです。登録したのに紹介がほとんどない、希望と違う求人ばかり紹介される、ということがあります。非公開求人は企業の求める条件がはっきりしていることが多く、経験や希望が合わなければ紹介されません。
3つ目は、条件の説明があいまいなことです。企業名が伏せられたまま「年収は経験しだい」「詳しくは面談で」と言われると、何が本当の条件なのか分からなくなります。
4つ目は、紹介事業者の都合が見えにくいことです。有料の職業紹介では、紹介事業者は採用が決まったときに企業から報酬を受け取るのが一般的です。早く決めてほしいという事業者の都合が、紹介の勧め方に表れることがあります。
ここで大事なのは、これらの行き違いの多くは、仕組みを知っていれば防げるということです。次の節から、法律が事業者に何を求めているか、自分で何を確かめればよいかを見ていきます。
法律は紹介事業者に何を求めているか
職業紹介事業者には、職業安定法でいくつものルールが課されています。この法律は、仕事を探す人と人を雇いたい企業の間をつなぐ事業について、守るべきことを定めた法律です。ハローワークも、民間の紹介事業者も、求人メディアも、この法律のルールのもとで運営されています。非公開求人を見分けるうえで知っておきたいものを挙げます。
まず、求人情報の的確な表示です。2022年10月1日に施行された改正で、職業紹介事業者や求人メディアにも、うその表示や誤解を生じさせる表示をしてはならないこと、求人情報を正確で最新の内容に保つことが義務づけられました(第5条の4)。厚生労働省の求職者向けのリーフレットは、うその表示の例を挙げています。
・実際に募集を行う企業と別の企業の名前で求人の掲載が行われている。
・「正社員」と謳いながら、実際には「アルバイト・パート」の求人だった。
・実際よりも高額な賃金を表示した求人が掲載されている。
・紹介できない求人が掲載されている。 出典: 厚生労働省 雇用仲介サービス利用のチェックポイント
最後の「紹介できない求人が掲載されている」は、非公開求人の話と深く関わります。実際には紹介できない求人を、登録を集めるために見せることは、うその表示の例として挙げられているのです。
次に、労働条件の明示です。職業紹介事業者は、紹介にあたって、仕事の内容や賃金、労働時間などの労働条件を、求職者に示さなければなりません(第5条の3)。厚生労働省の指針は、この明示を「可能な限り速やかに」行うこと、内容を「虚偽又は誇大な内容としないこと」を求めています。企業名を伏せることはあっても、条件を示さないまま応募を進めることは、この考え方に合いません。
さらに、有料職業紹介事業者は、取り扱う職種の範囲、手数料、苦情の処理などについて、あらかじめ求職者に示すことが求められています(第32条の13)。
もう1つ知っておきたいのが、企業の側の義務です。職業安定法は、求人を出す企業が、紹介事業者に求人を申し込むときに、仕事の内容や賃金、労働時間などの労働条件を示さなければならないと定めています(第5条の3第2項)。つまり、非公開の求人であっても、紹介事業者の手元には、企業から示された労働条件があるはずです。「詳しい条件は面接で」と言われたときは、「企業から示されている条件を、書面かメールで教えてください」と頼んで構いません。
「あなただけに」と届くスカウトの読み方
非公開求人は、紹介事業者からの電話やメールだけでなく、求人サイトのスカウトや、仕事向けのSNSのメッセージで届くこともあります。「あなたの経歴を見て、非公開のポジションをご案内したい」という文面を受け取ると、特別に選ばれたように感じるものです。
しかし、スカウトの中には、条件に合いそうな人へ同じ文面をまとめて送っているものも少なくありません。届いたスカウトがどの程度自分に向けたものかは、次の点で見分けられます。
・自分の経歴の具体的な部分に触れているか
・送り主が、求人を出している企業そのものか、紹介事業者か
・紹介事業者なら、事業者名と許可番号が示されているか
・企業名や仕事の内容が、どの段階で明かされるのか
送り主が紹介事業者であれば、返信すると、まずその事業者への登録や面談を求められるのが一般的な流れです。企業から直接届いたスカウトとは、その後の進み方が違います。
また、求人サイトや仕事向けのSNSのように、求職者の情報を集めて企業に提供する事業者は、2022年10月から厚生労働大臣への届出が必要になりました。厚生労働省のリーフレットは、届出をした事業者かどうかは人材サービス総合サイトで確かめられると案内しています。
スカウトの文面だけで判断せず、送り主が誰で、どんな立場で連絡してきたのかを確かめてから返信してください。
紹介事業者からお金を求められたら要注意
非公開求人にまつわるトラブルで、特に気をつけたいのがお金の話です。
職業安定法は、有料職業紹介事業者が求職者から手数料を取ることを、原則として禁じています(第32条の3第2項)。例外は、芸能家やモデルの職業に紹介する場合や、高度な専門知識を持つ科学技術者、経営管理者などの一部に限られ、職業安定法施行規則で細かく定められています。一般の事務職や営業職、技術職の転職で、紹介を受ける側がお金を払うことは、まずありません。
次のような求めがあれば、立ち止まってください。
・「非公開求人を見るには、登録料が必要です」
・「紹介を受けるには、有料の研修を受けてもらいます」
・「推薦の前に、書類の添削料を払ってください」
・「内定が出たら、成功報酬をいただきます」
研修や添削を有料のサービスとして別に売ること自体は、それだけで違法とは限りません。ただし、「受けないと紹介しない」と結び付けてお金を払わせる形は、職業紹介の手数料を別の名目で取っている疑いがあります。お金を払う前に、相談先に確かめてください。
また、「非公開の在宅ワークを紹介する」と言って、教材やサポートの代金を払わせる勧誘もあります。これは雇用の紹介ではなく、仕事の提供をうたって商品を売る取引で、特定商取引法の業務提供誘引販売取引に当たる可能性があります。この場合は、消費者ホットライン188で消費生活センターに相談してください。
紹介された非公開求人の本当の条件を確かめる手順
非公開求人を紹介されたら、次の手順で条件を確かめていきます。
1. 企業名と、募集している職種を確かめる
応募の前には、企業名を必ず教えてもらいます。企業名が分からないまま応募書類を出すと、自分の情報がどこに渡るのか分からなくなります。また、厚生労働省の指針は、関係会社を持つ企業が募集する場合、実際に雇う会社がどこなのかを明確にするよう求めています。グループ会社の名前で募集し、実際には別の会社に雇われる、という行き違いを防ぐためです。
2. 労働条件を書面やメールで受け取る
賃金、労働時間、休日、仕事の内容、勤務地、雇用の形(正社員か、契約社員か)を、口頭ではなく書面やメールで受け取ります。担当者の説明と求人票の内容が違う場合は、どちらが正しいのかを確かめてください。
3. 賃金の内訳を確かめる
「年収450万円から600万円」のように幅がある場合は、自分の経験ならどのあたりになるのか、固定の残業代が含まれているかを聞きます。厚生労働省の指針は、固定残業代がある場合、その計算方法や、固定残業代を除いた基本給の額などを示すよう求めています。
4. 企業の公開情報と照らし合わせる
企業名が分かったら、企業の採用ページや、ほかの求人サイトに出ている同じ企業の求人と見比べます。同じ職種なのに条件が大きく違えば、その理由を担当者に聞きます。
この4つを済ませてから応募すれば、「聞いていた話と違う」という事態はかなり減らせます。
紹介を受ける前に、自分の側で整理しておくこと
非公開求人の紹介を受けるとき、紹介の質は、こちらが伝える情報の質にも左右されます。担当者は、登録された経歴と希望をもとに求人を探すからです。面談の前に、次の点を整理しておくと、条件の合わない求人を勧められることが減ります。
・これまでの仕事で、何を、どの規模で、どのくらいの期間担当したか
・使える道具や技能(ソフト、言語、資格など)
・ゆずれない条件(年収の下限、勤務地、休日、在宅勤務の可否など)
・ゆずれる条件と、その範囲
・転職したい時期
特に、ゆずれない条件を数字で伝えておくと、担当者が勧める求人の条件と見比べやすくなります。「年収はできれば上げたい」より「年収450万円を下回る求人は紹介不要です」と伝えるほうが、行き違いは起きにくくなります。
希望をはっきり伝えたのに、それに合わない求人ばかりを勧められる場合は、担当者を替えてもらう、別の事業者も使う、といった選択肢があります。紹介事業者は、仕事を探すための手段の1つです。合わないと感じたら、無理に使い続ける必要はありません。
職業紹介事業者の許可と実績を調べる方法
紹介を受ける事業者が、許可を受けた正規の事業者かどうかは、自分で調べられます。
厚生労働省の「人材サービス総合サイト」では、職業紹介事業者の一覧や、事業の実績が公開されています。事業者の名前や許可番号で検索すると、許可を受けているかどうか、どの事業所で事業を行っているかが分かります。2022年10月以降は、求職者の情報を集める求人メディアなどの届出をした事業者の一覧も公開されています。
職業安定法は、有料職業紹介事業者に対し、紹介によって就職した人の数や、そのうち期間の定めのない契約で就職して早く辞めた人の数、手数料などについて、情報を提供するよう求めています(第32条の16第3項)。こうした情報は、人材サービス総合サイトや事業者のサイトで見られます。
確かめたいのは、次の点です。
・許可を受けている事業者か、許可番号は何か
・紹介によって就職した人の数はどのくらいか
・紹介で就職した人のうち、早く辞めた人の数はどうか
・手数料や苦情の窓口が示されているか
事業者のサイトに許可番号が書かれていない、検索しても出てこない、という場合は、利用を考え直す理由になります。公式の一覧で確かめられることは、広告の言葉より確かな手がかりです。
人材サービス総合サイトは、厚生労働省のサイトから入れます。誰でも利用でき、登録も要りません。気になる事業者を見つけたら、登録する前に一度検索してみてください。
個人情報の扱いを確かめる
非公開求人を紹介してもらうには、経歴や希望の条件など、多くの個人情報を登録することになります。その情報がどこに渡るのかも、確かめておきたい点です。
2022年10月の職業安定法の改正で、求人企業や職業紹介事業者、求人メディアが求職者の個人情報を集めるときは、その目的を、求職者が想定できる程度に具体的に示さなければならなくなりました。厚生労働省のリーフレットは、望ましくない表示の例として「職業紹介のために使用します」とだけ書く例を、望ましい例として「会員登録時に入力いただいた情報を、希望と合致する求人企業に提供します」と書く例を挙げています。
登録するときは、次の点を確かめてください。
・登録した情報を、どの範囲の企業に提供するのか
・企業に情報を渡す前に、本人の同意をとるのか
・登録をやめたとき、情報はどう扱われるのか
「非公開求人を紹介するため」と言って、本人の知らないうちに多くの企業へ経歴が送られる、ということがないよう、利用規約や個人情報の扱いの説明に目を通してから登録してください。同じ会社に、別々の紹介事業者から重ねて推薦されると、選考で不利になることもあります。どの事業者に、どの企業への推薦を頼んだのかを、自分でも記録しておくと安心です。
内定の前後で条件が変わったとき
非公開求人では、紹介の段階で聞いていた条件が、選考が進むうちに変わることがあります。年収の幅の下のほうで提示された、勤務地が増えた、雇用の形が契約社員になった、といった変化です。
職業安定法は、紹介事業者などを通じて示した労働条件を、契約の前に変える場合、企業が変更の内容をはっきり示さなければならないと定めています(第5条の3第3項)。厚生労働省の指針は、その示し方として、最初に示した条件と変わった後の条件を見比べられる書面を渡すことが望ましいとし、労働条件通知書の中で変わった点に下線を引く、色を付ける、注記するといった方法でもよいとしています。
同じ指針は、最初に示した条件は、そのまま労働契約の内容になることが期待されているものであり、安易に変えてはならないとも書いています。条件が変わることは珍しくありませんが、変わった点を示さずに契約を進めることは、この考え方に合いません。
内定が出たら、労働条件通知書を受け取り、紹介のときに聞いていた条件と1つずつ見比べてください。労働基準法は、賃金や労働時間、休日などの条件を、書面で示すよう企業に求めています(第15条、労働基準法施行規則第5条)。
違う点があれば、署名の前に理由を聞きます。紹介事業者を通じている場合は、担当者に確かめてもらうこともできます。納得できないまま入社すると、「聞いていた話と違う」という不満を抱えたまま働くことになります。
面談で担当者に聞いておきたいこと
紹介事業者との面談は、相手が自分を評価する場であると同時に、自分が事業者を見極める場でもあります。次のような質問をしてみてください。
・「紹介いただける求人のうち、非公開のものはどのような理由で非公開になっていますか」
・「この求人の企業名は、どの段階で教えていただけますか」
・「この求人の労働条件を、書面かメールでいただけますか」
・「この企業に、これまで何人ほど紹介して、何人が入社しましたか」
・「こちらの希望に合う求人がない場合、どのように進めますか」
答えが具体的で、分からないことは分からないと言える担当者なら、信頼できる手がかりになります。反対に、「とにかく応募しましょう」「今決めないと埋まります」と急がせるばかりで、条件の説明があいまいな場合は、一度立ち止まってください。
担当者の都合で応募を急がされることもあります。応募するかどうかは、自分で決めて構いません。「家族と相談してから決めます」「書面を確かめてから返事します」と伝えることは、失礼なことではありません。
非公開求人と相性がよい人、そうでない人
非公開求人は、誰にとっても有利な仕組みというわけではありません。相性のよし悪しを知っておくと、紹介事業者の使い方を決めやすくなります。
相性がよいのは、次のような人です。
・特定の分野で数年以上の経験があり、専門の技能を説明できる
・管理職や、新しい事業の立ち上げなど、限られた人を求める求人に合う
・在職中で、自分で求人を探す時間を多くとれない
こうした人には、企業が公開せずに探している求人と合う機会があり、紹介事業者が企業との間に入ることで、条件の交渉を任せられる利点もあります。
一方で、次のような人は、非公開求人だけに頼るより、公開求人も広く見たほうがよい場合があります。
・未経験の職種に挑戦したい
・勤務地や働き方の希望がはっきりしていて、条件を自分で絞り込みたい
・応募するかどうかを、自分のペースで決めたい
未経験の職種では、企業が求める条件と合わず、非公開求人の紹介を受けにくいことがあります。その場合でも、公開求人には未経験を歓迎する求人が多くあります。
どちらの場合も、紹介事業者を1つに絞る必要はありません。公開求人を自分で探しながら、紹介事業者の非公開求人も比べる、という使い方で十分です。
求人の内容が実際と違ったときの相談先
紹介された求人の内容が実際と違っていた、紹介事業者の説明に問題があった、という場合は、一人で抱え込まずに相談してください。
| 相談先 | 向いているケース |
|---|---|
| 都道府県労働局 | 民間の紹介事業者や求人メディアの求人の内容が実際と違った |
| ハローワーク求人ホットライン | ハローワークで見つけた求人の内容が実際と違った |
| 総合労働相談コーナー | 採用や労働条件のトラブル全般 |
| 消費者ホットライン188 | 紹介を名目に、教材や研修の代金を払わされた |
厚生労働省のリーフレットは、求人情報と実際の労働条件などが違うといったトラブルが起きた場合は、近くの都道府県労働局に相談するよう案内しています。都道府県労働局には、職業紹介事業を担当する部署があります。
総合労働相談コーナーは、労働局や労働基準監督署の中にあり、予約不要、無料で相談できます。募集や採用に関する相談も対象で、学生や就職活動中の人からの相談も受け付けています。
相談するときは、紹介事業者とのメールやメッセージ、受け取った求人票、面談のメモ、紹介事業者の名前と許可番号を用意すると、話が早く進みます。
紹介事業者とのやり取りを記録に残す
非公開求人では、条件の多くが担当者との会話の中で伝えられます。会話は記録に残りにくく、あとで「そうは言っていない」と食い違うことがあります。次のような工夫で、やり取りを残しておきましょう。
・電話や面談で聞いた条件は、その日のうちにメールで「本日うかがった内容の確認です」と送り、返事をもらう
・企業名、職種、年収の幅、勤務地、休日、雇用の形を、求人ごとに一覧にしておく
・どの企業に、いつ、どの事業者から推薦されたかを記録する
・受け取った求人票や資料は、ファイルとして保存しておく
記録があれば、条件が途中で変わったときに気づきやすくなり、相談先に事情を説明するときにも役立ちます。複数の事業者を使っている場合は、同じ企業に重ねて推薦されるのを防ぐことにもつながります。
非公開求人だけに頼らない仕事の探し方
最後に、非公開求人との付き合い方を整理します。非公開求人は、仕事を探すための手段の1つであって、それ自体が目的ではありません。公開されている求人の中にも、条件の良い仕事は数多くあります。紹介事業者を使う場合も、公開求人と非公開求人を同じ物差しで比べることが大切です。
在宅ワークや副業の市場を長く見てきた運営者の立場から言えば、仕事選びで後悔しにくい人ほど、「どこで見つけた求人か」より「条件を自分で確かめたか」を大事にしています。間に入る事業者が多いほど、条件は伝言ゲームのようにぼやけていきます。発注者や雇い主と直接やり取りし、中間の手数料がかからない手数料0%の形で仕事を受けられる場では、条件を本人どうしで確かめられるため、話の行き違いが起きにくいと感じています。
紹介された条件が相場と比べて妥当かどうかを判断するには、職業ごとの年収の分布を知っておくと役に立ちます。ソフトウェア作成者の年収・単価相場や著述家,記者,編集者の年収・単価相場のページで、職業ごとの年収や単価の水準を確かめられます。
どんな仕事があるかを先に知っておくと、紹介された求人と見比べる物差しになります。AIコンサル・業務活用支援のお仕事、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事、アプリケーション開発のお仕事では、それぞれの仕事の内容と求められる技能が整理されています。応募書類の文章力を高めたいならビジネス文書検定、ネットワークの仕事を目指すならCCNA(シスコ技術者認定)の内容も参考にしてください。
よくある質問
Q. 非公開求人は本当に存在するのですか?
存在します。企業が競合に知られたくない、今いる社員に知られずに採用したい、応募が集まりすぎるのを避けたい、といった理由で、求人を公開せずに職業紹介事業者に依頼することがあります。ただし、非公開であることは求人の出し方を表すだけで、好条件や希少であることを意味するわけではありません。公開求人と同じ物差しで条件を比べてください。
Q. 非公開求人を紹介してもらうのに、お金を払う必要はありますか?
一般の転職では、必要ありません。職業安定法は、有料職業紹介事業者が求職者から手数料を取ることを原則として禁じており、例外は芸能家やモデル、一部の高度な専門職などに限られています。登録料や、紹介の条件としての有料研修を求められたら、お金を払う前に都道府県労働局や消費生活センターに相談してください。
Q. 紹介事業者が正規の事業者かどうかは、どうやって調べられますか?
厚生労働省の人材サービス総合サイトで、事業者の名前や許可番号を検索すると、許可を受けているかどうかや、事業所の情報が分かります。登録は要らず、誰でも利用できます。あわせて、紹介で就職した人の数や早く辞めた人の数、手数料などの情報が公開されているかも確かめると、事業者を比べる手がかりになります。
Q. 紹介された求人の条件が、実際と違っていたらどうすればいいですか?
紹介事業者とのやり取りの記録、受け取った求人票、面談のメモをそろえて、都道府県労働局に相談してください。厚生労働省は、求人情報と実際の労働条件が違うといったトラブルの相談先として労働局を案内しています。ハローワークの求人ならハローワーク求人ホットライン、職場のトラブル全般は総合労働相談コーナーでも相談できます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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