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求人の「未経験OK」が実態と違うときに、本当の条件を見分ける方法

@SOHO編集部
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求人の「未経験OK」が実態と違うときに、本当の条件を見分ける方法

この記事のポイント

  • ✓求人の「未経験OK」が嘘に見えるのは
  • ✓応募を集めるための表現
  • ✓年齢制限の例外のための記載が混ざっているからです

「未経験OK」と書かれた求人に応募したのに、書類で落とされる。面接で経験を細かく聞かれる。入社してみたら、教えてくれる人もいないまま経験者と同じ成果を求められる。こうした経験から「未経験OKは嘘だ」と感じる人は少なくありません。ただ、未経験OKという表現には、いくつかの違う意味が混ざっています。その意味を見分けられれば、本当に未経験者を育てるつもりの求人と、そうでない求人をかなりの精度で分けられます。この記事では、厚生労働省の資料をもとに、求人票の読み方、法律で決まっている求人のルール、面接と内定時に確かめることを順に説明します。特定の会社や求人サイトを批判するものではなく、求人票の表現を読み解くための方法をまとめたものです。

「未経験OK」には3つの意味が混ざっている

最初に、求人の「未経験OK」が何を意味しているのかを分けて考えます。大きく3つに分かれます。

1つ目は本当に未経験者を育てるつもりの求人

研修の仕組みがあり、未経験者を採用して育てた実績がある会社の求人です。この場合、求人票には研修の期間や内容、配属後の指導の体制、未経験から入社した人の割合などが具体的に書かれていることが多くあります。人手を長く確保したい職種や、業界全体で経験者が少ない職種によく見られます。

2つ目は応募の数を集めるための表現

経験者が欲しいのに、経験者だけに絞ると応募が来ないため、間口を広げて「未経験OK」と書く求人です。求人の作り方を解説する記事では、採用担当者と求人広告の代理店の打ち合わせとして、次のような場面が描かれています。

代理店:「今の市場で経験者限定にすると応募0件のリスクが高いです。『未経験歓迎』で出しちゃいませんか?広く網を張っておいて、来た応募の中から経験者を拾えばいいんです」 出典: works.fidia.jp

この形の求人では、未経験者も応募はできますが、選考では経験者が優先されます。「未経験OKなのに落ちた」と感じる多くは、このケースです。応募そのものを断っているわけではないので、表現として直ちに違法になるとは限りませんが、応募する側は、自分が本当に採用の対象なのかを見極める必要があります。

3つ目は年齢の条件と結びついた「職務経験不問」

あまり知られていないのが、年齢制限のルールと結びついた「未経験OK」です。労働施策総合推進法という法律は、募集や採用で年齢を理由に制限を設けることを原則として禁止しています。ただし例外がいくつかあり、その1つが、長く勤めてもらいながら社内で育てる目的で、若い人を正社員として募集する場合です。

厚生労働省のリーフレットでは、この例外を使うときの条件として、対象者の職業経験を問わないことが挙げられ、求人の例として「35歳未満の人を募集(高卒以上・職務経験不問)」が示されています。つまり、年齢の上限を設けた正社員の求人に「職務経験不問」「未経験可」と書かれているのは、法律上そう書く必要があるからという場合があるのです。この形の求人は、社内で一から育てる前提で設計されていることが多く、未経験者にとってはむしろ狙い目になります。

法律で決まっている求人のルール

求人の表現には、法律のルールがあります。ルールを知っておくと、どこまでが会社の自由で、どこからが問題なのかを判断できます。

虚偽の表示と誤解を生じさせる表示の禁止

2022年10月に施行された改正職業安定法で、求人を出す会社には、求人の情報を的確に表示することが義務づけられました。厚生労働省の求人企業向けのリーフレットには、次のように書かれています。

虚偽の表示・誤解を生じさせる表示はしてはなりません。 求人情報を正確・最新の内容に保たなければなりません。 出典: mhlw.go.jp

このリーフレットでは、虚偽の表示にあたる例として、実際とは別の会社の名前で求人を出すこと、「正社員」とうたいながら実際はアルバイトやパートの求人であること、実際より高い賃金を表示することが挙げられています。また、嘘ではなくても、一般的に見て誤解を生じさせる表示は「誤解を生じさせる表示」にあたるとされ、例として営業職が中心の業務を「事務職」と表示することが示されています。

このルールの対象は、新聞や雑誌の広告だけでなく、ウェブサイト、電子メール、メッセージアプリ、アプリなど、さまざまな手段に及びます。SNSで流れてくる求人も対象です。

求人メディアにも義務がある

同じ改正で、求人サイトや求人情報誌などの求人メディア(法律上は募集情報等提供事業者)にも、求人情報を的確に表示し、正確で最新の内容に保つための措置をとることが義務づけられました。求職者からの苦情に適切かつ迅速に対応することも義務になっています。求人サイトに掲載されている内容が実態と違う場合、そのサイトに問い合わせることも1つの手段です。

募集の段階で明示しなければならない条件

求人を出す会社は、募集の段階で労働条件を明示しなければなりません。2024年4月からは、明示すべき事項が追加されました。厚生労働省の案内によると、追加されたのは次の3つです。

  1. 従事すべき業務の変更の範囲
  2. 就業の場所の変更の範囲
  3. 有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項(通算契約期間または更新回数の上限を含む)

1つ目は、未経験OKの求人を読むうえでとくに大事です。たとえば「入社時は一般事務、ただし将来は営業を含む会社の定める業務」と書かれていれば、将来は営業に移る可能性があるということです。未経験で入りやすい業務で採用して、後から別の業務に移すという設計の求人を、この欄で見抜けます。

応募する前に会社と求人の出どころを調べる

求人票を読み込む前に、そもそもその会社と求人が信頼できるものかを確かめておくと、無駄な応募を減らせます。

会社が実在するかを確かめる

国税庁の法人番号公表サイトでは、会社の名前や所在地から法人番号を検索できます。求人票に書かれた会社名と所在地で検索して、登録があるか、所在地が一致するかを確かめます。登録が見つからない、所在地が違う、といった場合は、応募の前に慎重になる理由になります。会社の公式サイトに採用ページがあり、求人サイトと同じ内容の募集が掲載されているかも見ておきます。

求人を掲載しているサービスを確かめる

厚生労働省のリーフレットによると、求職者の情報を集める求人メディアなどの事業者には届出の制度があり、届出をした事業者かどうかは、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で確認できます。職業紹介を行う人材紹介会社も、許可を受けているかをこのサイトで調べられます。聞いたことのない求人サービスや人材紹介会社から連絡が来た場合は、ここで確かめてから個人情報を渡すと安心です。

個人情報の使い道を確かめる

改正職業安定法では、求人を出す会社や求人サービスが求職者の個人情報を集めるとき、その目的を具体的に明らかにすることも求められています。応募の前に、登録した情報が何に使われるのか、どの会社に提供されるのかを確かめます。目的があいまいなまま、身分証明書の画像や銀行口座の情報を早い段階で求める求人には応じないことが原則です。

求人票で見るべき7つの箇所

それでは、実際の求人票のどこを見れば、未経験OKが本当かどうかを判断できるのかを説明します。

研修の中身が具体的に書かれているか

本当に未経験者を育てる求人は、研修の期間、内容、担当者を具体的に書いています。「充実の研修制度」「先輩が丁寧に教えます」とだけ書かれている場合は、面接で具体的な中身を確かめます。研修が何日間で、誰が、何を、どんな形で教えるのか。入社後の最初の1か月で何ができるようになることを期待しているのか。答えが具体的に返ってくる会社は、育成の仕組みを持っていると判断できます。

必須条件と歓迎条件の書き分け

求人票には「必須」と「歓迎」の条件が分けて書かれていることがよくあります。未経験OKとしながら、歓迎条件に「同業種での実務経験3年以上」「マネジメント経験」などが並んでいる場合は、2つ目の「応募を集めるための未経験OK」の可能性が高くなります。必須条件が「普通自動車免許」や「基本的なパソコン操作」程度で、歓迎条件も「接客経験があれば尚可」程度なら、未経験者を本気で採用の対象にしていると考えてよいでしょう。

給与の幅と、その決まり方

「月給25万円から45万円」のように給与の幅が大きい求人は、上限の額が経験者向けであることがほとんどです。未経験で入った場合にどの額になるのかを、面接で必ず確かめます。求人票に「経験・能力を考慮して決定」とだけ書かれている場合も同じです。前の節で触れたとおり、実際の賃金より高い額を表示することは虚偽の表示にあたるおそれがあります。

業務の変更の範囲

先ほど説明した、2024年4月から明示が義務になった欄です。入社時の業務と、将来変わりうる業務の範囲を見比べます。入社時の業務が未経験向けでも、変更の範囲に経験が必要な業務が含まれていれば、入社後の早い時期に異動を打診される可能性があります。

試用期間の条件

試用期間がある場合、その期間の長さと、試用期間中の給与や待遇が本採用後と違うかを確かめます。厚生労働省のリーフレットの求人票の例でも、「月給20万円(ただし、試用期間中は月給19万円)」のように試用期間中の条件を分けて書く形が示されています。試用期間の条件が書かれていない求人は、面接で確認します。

固定残業代の扱い

給与に一定時間分の残業代があらかじめ含まれている、いわゆる固定残業代の求人もあります。この場合、何時間分の残業代がいくら含まれているのか、それを超えた分は別に支払われるのかが書かれているかを確かめます。未経験の求人で基本給が高く見える場合、固定残業代が含まれていて、基本給そのものは低いことがあります。

掲載の日付と更新の状況

改正職業安定法では、求人を出す会社に、いつの時点の求人情報かを明らかにすることも求められています。掲載の日付が古いまま残っている求人は、条件が変わっていたり、すでに募集を終えていたりすることがあります。求人サイトで見つけた求人は、会社の採用ページやハローワークの求人票と見比べ、最新の内容かを確かめてから応募します。

求人票によく出る言葉の読み方

未経験OKの求人には、決まった言い回しがよく並びます。言葉そのものが悪いわけではありませんが、その言葉だけで判断せず、裏付けになる情報がそろっているかを確かめます。

「研修制度あり」「先輩がしっかりサポート」

研修があること自体は良いことですが、期間と内容が書かれていなければ、数日間の説明会だけということもあります。研修の後に誰が指導役になるのか、指導役は自分の仕事と兼務なのかを確かめます。指導役が忙しい現場の社員と兼務の場合、実際には指導の時間がほとんど取れないこともあります。

「頑張り次第で高収入」「年収1,000万円も可能」

収入の上限の高さを強調する表現は、歩合給の割合が大きい仕事でよく使われます。基本給がいくらで、歩合がどう決まるのか、実際に入社1年目の人がどのくらいの収入を得ているのかを確かめます。未経験者にとって大切なのは上限ではなく、入社直後の最低限の収入です。

「学歴不問」「経歴不問」

学歴や経歴を問わないこと自体は、間口を広げる良い取り組みです。ただし、学歴も経歴も経験も問わず、それでいて高い給与を約束している場合は、仕事の中身が求人票から読み取れるかを特に慎重に確かめます。仕事内容の欄が短く、抽象的な言葉しか書かれていない求人は、面接で具体的な1日の流れを聞きます。

「アットホームな職場」「若手が活躍中」

職場の雰囲気を伝える言葉は、求人票の中で最も裏付けを取りにくい部分です。社員の人数や平均年齢、勤続年数、離職率など、数字で書かれている情報があれば、そちらを優先して判断します。若手が活躍していると書かれていても、ベテランが少なく、教えてくれる人がいない職場という場合もあります。

3つのタイプを見分ける早見表

ここまでの内容を、未経験OKの3つのタイプごとに表で整理します。応募を考えている求人がどれに近いかを当てはめてみてください。

見るところ 育てるつもりの求人 応募を集めるための求人 年齢の例外による求人
研修の書き方 期間と内容が具体的 「充実の研修」とだけ 新卒と同じ研修に合流することが多い
歓迎条件 経験は求めない 実務経験が並ぶ 職務経験不問と明記
給与の幅 未経験の額が分かる 幅が大きく上限が経験者向け 新卒と同等の処遇
雇用形態 正社員や長期の契約 さまざま 期間の定めのない雇用
面接での質問 経験より意欲や基礎力 前職の実務を細かく聞く 学びの姿勢や長期の展望

表の真ん中の列に当てはまる点が多い求人でも、応募してはいけないわけではありません。経験者と比べられることを前提に、自分が学んできたことや、すぐに任せられる仕事を具体的に示せるよう準備して臨めば、採用される可能性は十分にあります。大切なのは、求人の未経験OKを、そのまま「経験がなくても選ばれる」と受け取らないことです。表の左と右の列に当てはまる求人は、未経験者を最初から採用の中心に置いているので、応募の優先順位を上げてよい求人です。

面接で確かめる質問の例

求人票で読み取れなかったことは、面接で確かめます。未経験の求人で聞いておきたい質問の例を挙げます。

・「直近1年で、未経験で入社された方は何人いらっしゃいますか。その方は今どんな仕事をされていますか」
・「入社後の研修は、どなたが、どのくらいの期間、どんな形で行いますか」
・「入社して3か月の時点で、どんな仕事ができるようになっていることを期待されていますか」
・「未経験で入社した場合の給与は、求人票の幅のうちどのあたりになりますか」
・「求人票にある業務の変更の範囲について、実際に異動された例を教えていただけますか」

これらの質問は、相手を問い詰めるためのものではありません。会社にとっても、入社後のミスマッチで早く辞められるのは大きな損失です。具体的に答えてくれる会社は、採用した人を育てる準備ができている会社だと判断できます。逆に、質問をはぐらかしたり、「入ってみれば分かる」と答えたりする場合は、慎重に考える材料になります。

可能であれば、面接の最後に職場の見学や、実際に一緒に働く社員と話す機会をお願いしてみるのも有効です。現場の社員の話し方や忙しさから、未経験者に教える余裕があるかどうかが見えてきます。在宅勤務の仕事なら、日々の連絡に使うチャットのやり取りの様子や、質問したときに返事が来るまでの目安を聞いておくと、入社後の働き方を具体的に想像できます。

面接官の言葉で注意したいのは、「やる気があれば大丈夫」「最初は誰でも未経験だから」といった、根拠のない励ましだけが続く場合です。励まし自体は悪いことではありませんが、研修や指導の具体的な仕組みの説明がないまま励ましだけが続く場合は、入社後に放置される可能性を考えておきます。

雇用形態ごとに気をつけること

未経験OKの求人は、正社員だけでなく、契約社員、派遣社員、業務委託など、さまざまな雇用形態で出ています。形態によって確かめるべき点が違います。

契約社員の場合

契約社員は、契約の期間が決まっている働き方です。2024年4月から、有期労働契約を更新する場合の基準、つまり契約を何回まで更新できるか、通算で何年まで働けるかの上限も、募集の段階で明示する事項に加わりました。未経験で入って経験を積みたい人は、更新の上限を必ず確かめます。上限があると、仕事を覚えたころに契約が終わってしまうこともあります。

派遣社員の場合

派遣社員は、派遣会社に雇われて、別の会社で働く形です。未経験OKの派遣の求人では、派遣会社が研修を用意していることがあります。研修の費用を誰が負担するのか、研修期間に給与が出るのかを確かめます。実際に働く会社(派遣先)での仕事の内容が、求人に書かれた内容と違う場合は、派遣会社の担当者に伝えます。

業務委託の場合

業務委託は、会社に雇われるのではなく、仕事を請け負う形です。労働基準法などの労働者を守るルールは原則として適用されません。未経験OKの業務委託の求人で、仕事を始める前に研修費や教材費、登録料を求められる場合は特に注意が必要です。仕事を紹介すると言って商品やサービスを買わせる取引は、特定商取引法で業務提供誘引販売取引として規制されていて、いわゆる内職商法やモニター商法がこれにあたります。求人の形をとった詐欺の入口になっていることもあるので、お金を払う前に消費者ホットライン188で相談してください。

内定のときに労働条件を書面で受け取る

面接を経て内定が出たら、労働条件を書面で受け取ります。労働基準法は、会社が労働者を雇うときに、賃金や労働時間などの労働条件を明示することを義務づけています。主な条件は書面などで渡すことになっていて、2024年4月からは、業務と就業場所の変更の範囲も明示の対象に加わりました。

受け取った労働条件通知書は、求人票と1項目ずつ見比べます。業務の内容、就業場所、給与の額と内訳、試用期間の条件、労働時間、休日。求人票と違う点があれば、入社前に理由を確かめ、納得できなければ入社を見送る判断もあります。

労働基準法では、明示された労働条件が事実と違う場合、労働者はすぐに労働契約を解除できると定められています。入社してから「聞いていた条件と違う」と気づいた場合、この規定が根拠になります。ただし、どこまでが「事実と違う」にあたるかは事情によって変わるので、実際に使う前に、次の節で紹介する相談先で確かめてください。

条件が違ったときの相談先

求人の内容と実際の条件が違った場合の相談先を、内容ごとに整理します。

都道府県労働局

厚生労働省の求職者向けのリーフレットでは、求人情報と実際の労働条件が違うなどのトラブルが起きた場合は、近くの都道府県労働局に相談するよう案内されています。求人の虚偽表示などの職業安定法に関わる問題は、労働局の担当部署が扱います。

総合労働相談コーナー

各地の労働局や労働基準監督署の中には、総合労働相談コーナーが設けられています。厚生労働省の案内によると、解雇、雇止め、配置転換、賃金の引下げ、募集・採用、いじめ・嫌がらせなど、あらゆる分野の労働問題を対象としていて、労働者からも事業主からも相談を受け付けています。学生や就職活動中の人からの相談も受け付けています。どこに相談すればよいか分からない場合は、まずここに相談すると、内容に合った窓口を案内してもらえます。

労働基準監督署

入社した後に、労働条件の明示がされなかった、残業代が支払われない、といった労働基準法に違反すると思われる問題は、労働基準監督署が扱います。

ハローワーク

ハローワークで紹介された求人の内容が実際と違った場合は、紹介を受けたハローワークに伝えます。ハローワークは求人を受け付ける段階で内容を確認しているので、実態と違う求人があれば、求人を出した会社への確認や指導につながります。

求人サイトの窓口

求人サイトで見つけた求人の内容が実態と違う場合は、そのサイトの問い合わせ窓口に伝えます。改正職業安定法で、求人メディアには苦情に適切かつ迅速に対応することが義務づけられています。

入社してから「話が違う」と気づいたとき

入社してから、求人票や面接で聞いた話と実態が違うと気づくこともあります。そのときの動き方を整理します。

まず、何がどう違うのかを記録します。求人票の該当部分、労働条件通知書、面接で言われたことのメモ、実際の業務の内容や労働時間の記録を、日付をつけて残します。感情的に辞める前に、事実を整理しておくことが、その後の話し合いや相談の土台になります。

次に、上司や人事の担当者に、記録をもとに話をします。研修が予定どおり行われていない、聞いていた業務と違う業務を任されている、といった点は、会社の側が把握していないこともあります。話し合いで改善されるなら、それが最も早い解決です。

話し合っても改善されない場合や、給与が求人票より低い、残業代が支払われないといった法律に関わる問題がある場合は、総合労働相談コーナーや労働基準監督署に相談します。相談したことが会社に伝わるのが不安な場合は、その点も相談の際に伝えてください。

退職を考える場合は、次の仕事の見通しと、雇用保険の手続きもあわせて考えます。自己都合で辞める場合でも、労働条件が事実と大きく違っていたことが理由なら、離職の理由の扱いが変わることがあるので、ハローワークで事情を説明してください。

口コミの読み方

会社の評判を調べるとき、転職の口コミサイトやSNSの書き込みは参考になります。ただし、口コミには読み方のコツがあります。

口コミは、強い不満か強い満足を持った人ほど書き込む傾向があります。1つの書き込みだけで判断せず、複数の書き込みに共通して出てくる点を拾います。たとえば「研修がない」「すぐに現場に出される」という書き込みが時期を変えて何度も出てくるなら、それは会社の仕組みとして続いている可能性が高いと考えられます。

書き込まれた時期も大切です。数年前の書き込みは、会社の体制が変わって当てはまらなくなっていることがあります。部署によっても実態は違うので、自分が応募する職種や部署についての書き込みを中心に読みます。口コミで気になった点は、面接で質問して、会社の説明と照らし合わせて判断するのが確実です。

未経験OKの求人で選ばれる人の準備

ここまでは、求人を見抜く側の話でした。最後に、本当に未経験者を育てる求人で採用されるための準備について触れます。

未経験でも「何もしていない」とは違う

未経験OKの求人でも、採用する側は「この人は育つか」を見ています。実務の経験はなくても、その仕事に関係することを自分で学び始めていれば、それが評価されます。IT系の仕事なら、ネットワークの基礎を学べるCCNA(シスコ技術者認定)のような資格の学習を始めていることが、未経験からの意欲と基礎力を示す材料になります。事務系の仕事なら、ビジネス文書検定で文書の作り方を学んでいることが、すぐに任せられる仕事の幅を示します。

職種の相場を知っておく

未経験から入る職種の収入の相場を知っておくと、求人票の給与が妥当かどうかを判断できます。開発の仕事ならソフトウェア作成者の年収・単価相場で、文章の仕事なら著述家,記者,編集者の年収・単価相場で、経験年数ごとの収入の分布を確認できます。相場から大きく外れて高い給与を未経験者に約束する求人は、固定残業代が含まれていないか、歩合の割合が大きくないかを特に注意して確かめます。

応募書類で「学んでいること」を具体的に書く

未経験者の応募書類で差がつくのは、志望動機の熱意より、すでに何をしているかの具体性です。「独学でHTMLとCSSを3か月学び、練習用のサイトを2つ作った」「資格の学習を始め、来月受験する予定」のように、期間と成果を書きます。採用する側は、入社後の伸び方をこうした行動から推し量ります。面接で未経験であることを引け目に感じる必要はありません。「経験はないが、この3か月でここまで学んだ。入社後はまずこの業務を覚えたい」と、学んだことと次の目標を自分の言葉で話せれば、未経験は弱みではなく伸びしろとして受け取られます。

求人の嘘に見えるものの多くは「情報の不足」

在宅ワークや採用の市場を長く見てきた立場から言えば、求人の「未経験OK」が嘘に見える場面の多くは、悪意の嘘ではなく、情報の不足から生まれています。会社は研修の仕組みや未経験者の採用実績を書いておらず、応募する側は書かれていないことを自分に都合よく想像してしまう。そのすき間が、入社後の「話が違う」につながります。

だからこそ、書かれていないことを質問で埋める姿勢が大切です。長く同じ職場で働き続けている人ほど、入社の前に、聞きにくいことを丁寧に確かめています。業務委託で仕事を受ける場合も同じで、仲介の手数料がかからない直接の取引では、条件を自分で確かめて文字で残すことが、手取りを守ることにつながります。

一方で、悪意のある求人も確かに存在します。仕事を始める前に研修費や教材費を求める、会社の名前や所在地を明かさない、メッセージアプリでのやり取りしかしない、といった求人は、未経験OKをうたって近づく詐欺の可能性があります。こうした求人は、求人の表現の問題ではなく、セキュリティの問題として扱う必要があります。

独自データから見る、未経験から入りやすい分野

未経験から入りやすく、しかも育成の仕組みが整っている求人が多いのは、人手の不足が続いている分野です。IT、とくにセキュリティの分野は、経験者が足りず、未経験者を育てて戦力にする求人が出やすい傾向があります。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、この分野の仕事の種類と必要なスキルを紹介しています。セキュリティの基礎に触れてみたい人は、オープンソースで始めるWebサイト脆弱性診断|OWASP ZAPの使い方ガイドで、無料のツールを使った診断の流れを体験できます。

映像の分野も、在宅で始めやすく未経験者の参入が多い分野です。動画編集(YouTube/TikTokなど)のお仕事では、未経験から仕事を受けるまでの道筋を紹介しています。どの分野でも、求人票の未経験OKを鵜呑みにせず、研修の中身、業務の変更の範囲、給与の決まり方の3点を確かめてから応募する。この習慣が、入社後の「話が違う」を防ぐ一番の方法です。

よくある質問

Q. 未経験OKの求人に落ちるのはなぜですか?

経験者が欲しいのに応募の数を集めるために間口を広げている求人では、未経験者も応募できますが、選考では経験者が優先されます。歓迎条件に実務経験が並んでいる求人はこの可能性が高いです。研修の中身や未経験者の採用実績が具体的に書かれた求人を選ぶと、採用の対象になりやすくなります。

Q. 年齢の上限がある求人に「職務経験不問」と書かれているのはなぜですか?

募集で年齢を制限することは原則として禁止されていますが、長く勤めてもらいながら育てる目的で若い人を正社員として募集する場合は例外です。厚生労働省は、この例外を使う条件として職業経験を問わないことを挙げています。そのため、このタイプの求人は社内で一から育てる前提で作られていることが多いです。

Q. 求人票と実際の条件が違ったらどうすればよいですか?

まず内定時に受け取った労働条件通知書と求人票を見比べ、違う点を会社に確認します。労働基準法では、明示された労働条件が事実と違う場合、すぐに労働契約を解除できると定められています。求人の内容のトラブルは都道府県労働局、どこに相談すべきか迷う場合は総合労働相談コーナーに相談できます。

Q. 求人票のどこを見れば未経験者を本当に育てる会社か分かりますか?

研修の期間と内容が具体的に書かれているか、必須条件と歓迎条件に実務経験が並んでいないか、未経験で入った場合の給与が分かるか、業務の変更の範囲に経験が必要な業務が含まれていないかを見ます。書かれていない点は面接で、未経験で入社した人の人数や現在の仕事を質問すると判断しやすくなります。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年8月22日最終更新:2026年10月2日
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