教員がインスタで副業をするときに気をつける点|発信の内容と兼業の許可


この記事のポイント
- ✓教員がインスタで副業をしたい人向けに
- ✓公立と私立で違う兼業の決まり
- ✓地方公務員法と教育公務員特例法の考え方
教員がインスタグラムで発信を続けていると、フォロワーが増えるにつれて、企業から商品の紹介を頼まれたり、自作の教材を売ってほしいと声をかけられたりすることがあります。そのとき多くの人が迷うのが、「趣味の発信の延長で報酬を受け取ってよいのか」という点です。教員の副業は、公立の学校で働く公務員か、私立の学校で働く会社員と同じ立場かによって、守るべき決まりが大きく違います。また、報酬が少額でも、仕事として繰り返し受け取れば兼業の許可が必要になる場合があります。この記事では、教員がインスタで副業をするときに確かめるべき決まり、発信の内容で気をつける点、許可を得るまでの手順を、順番に説明します。
教員がインスタで収入を得る主な形
最初に、インスタグラムでの発信から収入が生まれる主な形を整理します。
- 企業からのPR投稿:商品やサービスを紹介する投稿を依頼され、報酬や商品の提供を受ける
- アフィリエイト:紹介した商品が購入されると、売上の一部が報酬として支払われる
- 自作の教材や作品の販売:授業の工夫を生かした教材、イラスト、手作りの品などを販売する
- 講座や相談への集客:発信を見た人に向けて、有料の講座や相談を開く
- 書籍や記事の執筆:発信をきっかけに、出版社やメディアから執筆を依頼される
- インスタグラム自体の収益化の機能:条件を満たしたアカウントが使える機能
このうち、インスタグラム自体の収益化の機能は、利用できる条件や対象の国、機能の内容が変わることがあります。使う場合は、インスタグラムの公式ヘルプで今日時点の条件を確かめてください。
どの形であっても、報酬を得る活動であることに変わりはありません。教員の場合、趣味の発信と、報酬を得る副業の間には、法律や就業規則の上で大きな違いがあります。フォロワーが増えて声がかかるようになったら、受ける前に、次の節以降で説明する決まりを確かめることが大切です。
公立と私立で決まりが違う
教員の副業の決まりは、勤めている学校が公立か私立かで大きく違います。
公立の学校の教員は、地方公務員です。地方公務員法と教育公務員特例法の決まりが適用され、報酬を得て事業や事務に従事するには、原則として任命権者の許可が必要です。任命権者とは、教員を任用する権限を持つ者のことで、公立の小中学校や高校の教員の場合は、一般に都道府県や市区町村の教育委員会がこれにあたります。
私立の学校の教員は、学校法人に雇われている人です。公務員の法律は適用されず、勤め先の学校法人の就業規則に従います。就業規則で副業が禁止されているか、届け出や許可が必要かは、学校法人ごとに違います。
国立大学の附属学校の教員は、国立大学法人に雇われている人で、国家公務員ではありません。勤め先の法人の就業規則に従います。
| 勤め先 | 適用される主な決まり | 副業の手続き |
|---|---|---|
| 公立の学校 | 地方公務員法、教育公務員特例法、自治体の規則 | 任命権者の許可が必要になることが多い |
| 私立の学校 | 学校法人の就業規則 | 就業規則による(届け出、許可など) |
| 国立大学の附属学校 | 国立大学法人の就業規則 | 就業規則による |
自分がどの決まりに従うのかを、まず確かめることが出発点です。
公立の教員に適用される兼業の決まり
公立の学校の教員に適用される兼業の決まりを、法律の条文で確かめておきます。
地方公務員法の第38条は、営利企業への従事等の制限を定めています。条文の主な部分は次のとおりです。
職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。 出典: e-Gov法令検索
この条文から、公立の教員が許可なくしてはならないことは、大きく3つに分けられます。
- 営利企業の役員などの地位を兼ねること
- 自ら営利企業を営むこと
- 報酬を得て、事業や事務に従事すること
インスタグラムでのPR投稿やアフィリエイト、教材の販売は、継続して報酬を得る活動であれば、2つ目や3つ目にあたる可能性があります。どの活動が許可の対象になるかは、活動の内容、頻度、報酬の額などから判断されるため、自分で判断せず、任命権者に相談することが必要です。
なお、同じ条文のただし書きでは、非常勤職員(短時間勤務の職を占める職員などを除く)については、この制限が適用されないとされています。会計年度任用職員として非常勤で働く教員などは、扱いが違う場合があるため、所属先に確かめてください。
教育に関する兼業の特例
公立の教員には、教育公務員特例法による特例もあります。教育公務員特例法の第17条では、教育公務員は、教育に関する他の職を兼ねたり、教育に関する他の事業や事務に従事したりすることが本務の遂行に支障がないと任命権者が認める場合には、給与を受け、または受けないで、その職を兼ね、またはその事業もしくは事務に従事することができるとされています。
つまり、教育に関する兼業は、本務に支障がないと任命権者が認めれば、許可を得て行える仕組みがあります。インスタグラムの発信でいえば、教育に関する講座の講師や、教育に関する書籍の執筆などが、教育に関する事業や事務にあたるかどうかが問題になります。
文部科学省は、部活動の地域への移行に関するガイドライン(令和7年12月)の中で、教師の兼職兼業について、地域のクラブ活動に関わる場合を例に、次のように示しています。
学校運営に支障がない限り、積極的に許可を行うことが必要。 出典: 文部科学省
この記述は、認定された地域クラブ活動に関わる兼職兼業についてのもので、インスタグラムでの副業を直接扱ったものではありません。ただし、教師の兼職兼業を一律に禁じるのではなく、本務に支障がない範囲で認めていこうとする方向が示されていることは、知っておいてよい点です。実際の許可の基準は、任命権者ごとに定められています。
信用失墜と秘密を守る義務
兼業の許可とは別に、公立の教員が発信するときに気をつけたいのが、地方公務員法の第33条と第34条です。
第33条は信用失墜行為の禁止を定めており、職員は、その職の信用を傷つけ、または職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならないとされています。第34条は秘密を守る義務を定めており、職員は職務上知り得た秘密を漏らしてはならず、その職を退いた後も同じとされています。
インスタグラムの発信で、この2つに関わりやすいのは、次のような場面です。
- 学校の行事や授業の様子を投稿し、学校や児童生徒が特定できてしまう
- 職員室での出来事や、保護者とのやりとりを、事実が分かる形で投稿する
- 児童生徒の成績や家庭の事情に触れる
- 特定の商品を、教員という立場を強調して宣伝する
- 誤った情報や、根拠のない健康法などを広める
私立の学校の教員も、就業規則に同じような決まりがあることが多く、学校の信用を傷つける発信や、職務で知った秘密の漏洩は、懲戒の対象になりえます。公立か私立かに関わらず、発信の内容は、教員としての立場を踏まえて選ぶ必要があります。
児童生徒の情報と写真の扱い
教員のインスタグラムの発信で、最も慎重に扱うべきなのが、児童生徒の情報と写真です。
児童生徒の顔が写った写真や、名前、学年、学校名が分かる情報を投稿することは、本人や保護者の同意がない限り、避けるべきです。後ろ姿や手元の写真であっても、制服、名札、校舎の特徴、掲示物などから、学校や個人が特定されることがあります。
授業の工夫や教材を紹介する場合も、次のような点に気をつけると、特定のおそれを減らせます。
- 児童生徒の作品やノートを写さない:自分で作った見本を写す
- 教室の背景を写さない:自宅で撮影した教材の写真を使う
- 投稿の時期をずらす:行事の当日に投稿すると、学校が特定されやすい
- 位置の情報を外す:写真に含まれる撮影場所の情報を削除してから投稿する
また、勤めている学校が、教員の個人的な発信について独自の決まりを設けていることもあります。投稿を始める前に、学校の決まりを確かめておきましょう。
児童生徒やその保護者が、教員のアカウントを見つけることもあります。投稿の内容は、児童生徒や保護者に見られても問題がないかという視点で選ぶと、トラブルを防げます。
PR投稿とステルスマーケティング規制
企業から商品の紹介を頼まれてPR投稿をする場合は、ステルスマーケティング規制を知っておく必要があります。消費者庁は、この規制について次のように説明しています。
広告であるにもかかわらず、広告であることを隠すことがいわゆる「ステルスマーケティング」です。 出典: 消費者庁
消費者庁によると、令和5年10月1日から、ステルスマーケティングは景品表示法違反となっています。規制されるのは、広告であって、一般の消費者が広告であることを分からないものです。広告には、企業がインフルエンサーなどの第三者に依頼したり指示したりするものも含まれます。
規制の対象となるのは、商品やサービスを供給する事業者(広告主)ですが、依頼を受けて投稿する側も、広告であることをはっきり示す必要があります。PR投稿をするときは、投稿の中に「広告」「PR」などの表示を分かりやすく入れ、企業から依頼を受けた投稿であることが読む人に伝わるようにします。
商品の無償提供だけを受けて紹介する場合も、企業から依頼を受けた投稿であれば、広告にあたる可能性があります。報酬の有無だけで判断せず、企業とのやりとりの内容をもとに、広告であることを示すかどうかを判断してください。
公立の教員の場合は、PR投稿を受けること自体が、兼業の許可の対象になる可能性もあります。広告の表示の決まりと、兼業の許可の両方を確かめる必要があります。
企業から依頼が来たときの返事の例
フォロワーが増えると、企業からPR投稿やコラボレーションの依頼がメッセージで届くことがあります。依頼の内容は、商品の無償提供、紹介の投稿、クーポンコードの掲載、売上に応じた報酬など、さまざまです。
依頼が来たときに大切なのは、その場ですぐに返事をしないことです。兼業の許可が必要かどうか、広告の表示の決まりをどう守るかを確かめるまでは、受けるかどうかを決められないからです。返事の例を示します。
「ご連絡ありがとうございます。ご依頼の内容を拝見しました。勤務先の決まりにより、報酬や商品の提供を受ける活動については、事前に確認が必要です。確認に2週間ほどお時間をいただくことになりますが、それでもよろしければ、報酬の条件、投稿の内容と回数、商品の提供の有無、広告の表示の方法を改めてお知らせいただけますでしょうか。」
このように、確認に時間がかかることと、条件を文書で示してほしいことを伝えると、依頼する側も判断しやすくなります。確認の結果、受けられないと分かった場合は、丁寧に断ります。
依頼のメッセージの中には、実在の企業を装った詐欺もあります。商品の購入代金や登録料を先に求められる、会社名や所在地が確かめられないといった場合は、応じないでください。
教員という立場を使った宣伝で気をつけること
教員がインスタグラムで発信するとき、教員という立場は、読む人に信頼感を与えます。一方で、その信頼感を使って商品を宣伝することには、慎重であるべきです。
たとえば、「現役教員がすすめる学習教材」「先生が選んだ子ども向けの商品」といった表現は、教員という立場が商品の品質を保証しているように受け取られることがあります。とくに、勤めている学校の児童生徒や保護者が見る可能性があるアカウントで、特定の教材や塾、商品を勧めることは、公平さを疑われる原因になります。
公立の教員の場合は、信用失墜行為の禁止の観点からも、教員の立場を強く打ち出した宣伝は避けるのが無難です。私立の教員の場合も、学校の名前や教員の立場を宣伝に使うことを、就業規則や学校の決まりで制限していることがあります。
発信の内容は、商品の宣伝より、授業の工夫、学び方のこつ、子どもとの関わり方の考え方など、教員の経験を活かした情報を中心にするほうが、読む人の役に立ち、立場上の問題も起きにくくなります。
自作の教材を販売するときの注意
授業の工夫を生かした教材を作り、インターネットで販売したいと考える教員もいます。教材の販売では、兼業の許可に加えて、著作権に気をつける必要があります。
著作権法の第35条では、学校などの教育機関で教育を担任する者や授業を受ける者は、その授業の過程で使うことを目的とする場合には、必要と認められる限度で、公表された著作物を複製するなどができるとされています。この決まりは、授業の中で使う場合のためのものです。授業のために教科書や市販の問題集の一部を複製して配ることが認められる場面があっても、それを販売用の教材に使うことは、この決まりの範囲を超えます。
販売する教材を作るときは、次の点に気をつけてください。
- 教科書や市販の教材の文章、図、問題をそのまま使わない
- インターネットで見つけたイラストや写真を、利用の条件を確かめずに使わない
- 勤めている学校で同僚と共同で作った教材を、許可なく販売しない
- 勤務時間中に作った教材を、副業として販売しない
勤務時間中に作った教材や、学校の資源を使って作った教材は、勤め先との関係で扱いが問題になることがあります。販売する教材は、勤務時間外に、自分の機器と素材で作ることが基本です。
教材の販売サイトの利用料や、販売の手数料の扱いは、サイトごとに違います。利用するサイトの公式の案内で、条件を確かめてから出品してください。
許可を得るまでの手順
公立の教員がインスタグラムでの副業を始めるために、兼業の許可を得るまでの手順の例を示します。実際の手続きは、任命権者ごとに定められているため、必ず所属先で確かめてください。
- 決まりを確かめる:自治体の兼業の許可の基準と、申請の様式を確かめる
- 管理職に相談する:校長や教頭に、考えている活動の内容を相談する
- 活動の内容を整理する:何をするのか、どのくらいの頻度か、報酬はいくらか、勤務時間との関係はどうかを書き出す
- 申請する:所定の様式で、兼業の許可を申請する
- 許可の結果を待つ:許可が出るまでは、報酬を得る活動を始めない
- 許可の条件を守る:許可に条件が付いた場合は、その条件を守って活動する
3つ目の活動の内容の整理では、次の点を具体的に書けるようにしておくと、相談や申請が進めやすくなります。
- 活動の内容:PR投稿、教材の販売、講座の開催など
- 活動の時間:勤務時間外に行うこと、1週間や1か月あたりの時間の見込み
- 報酬の見込み:1件あたり、または1年あたりの額の見込み
- 本務への影響:授業の準備や校務に支障がないこと
- 利害関係:勤めている学校や教育委員会と取引のある企業ではないこと
私立の学校の教員は、就業規則に定められた手続きに従います。届け出だけでよい場合も、許可が必要な場合もあるため、事務の担当者に確かめてください。
許可が出にくい活動と、出やすい活動
兼業の許可が出るかどうかは、任命権者の基準と、活動の内容によって決まります。一般的な考え方として、許可が出にくい活動と、出やすい活動の傾向を整理します。
許可が出にくい傾向がある活動は、次のようなものです。
- 継続して商品の宣伝を行い、売上に応じた報酬を受け取る活動
- 自ら事業を営み、利益を上げることを目的とした活動
- 勤務時間内に行う必要がある活動や、本務に支障が出るほど時間がかかる活動
- 勤めている学校や教育委員会と利害関係がある企業との取引
許可が出やすい傾向がある活動は、次のようなものです。
- 教育に関する講演や講座の講師
- 教育に関する書籍や記事の執筆
- 地域の文化やスポーツの活動の指導
ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、実際の判断は任命権者ごとに違います。同じ活動でも、頻度や報酬の額、本務への影響によって判断が変わることがあります。「この活動なら大丈夫だろう」と自分で判断して始めるのではなく、必ず相談してから始めてください。
趣味の発信と副業の境目
教員がインスタグラムで発信するとき、どこからが副業にあたるのかは、多くの人が迷う点です。一般的な考え方として、報酬を受け取らない発信は、趣味の範囲として扱われることが多く、報酬や対価を継続して受け取る活動は、副業として扱われる可能性が高くなります。
境目を考えるときに確かめたい点は、次のとおりです。
- 報酬や対価の有無:お金だけでなく、商品の無償提供やポイントも対価にあたることがある
- 継続性:1回だけか、繰り返し行うか
- 事業としての性格:売上を上げることを目的に、計画的に行っているか
- 時間:本務に影響するほどの時間を使っているか
たとえば、自分で買った文房具を紹介する投稿は、報酬を受け取らない限り、趣味の発信と考えられます。一方、同じ紹介でも、企業から商品の提供を受け、紹介の投稿を繰り返している場合は、報酬を得る活動として扱われる可能性があります。
境目の判断は、任命権者や勤め先の基準によって違います。迷う場合は、活動を始める前に相談するのが確実です。報酬を受け取らずに発信を続けることも、教員としての経験を広く役立てる立派な選択肢です。
休職中や育児休業中の扱い
育児休業や休職の期間中は、学校に出勤していないため、副業をしてもよいのではないかと考える人もいます。しかし、公立の教員は、育児休業や休職の期間中も地方公務員の身分を持っており、兼業の決まりが適用されると考えるのが基本です。
また、育児休業の期間中は、雇用保険や共済組合から育児休業に関する給付を受けていることがあります。休業中に収入を得る活動をすると、給付の扱いに影響する場合があります。
私立の学校の教員も、休職や育児休業の期間中に就業規則がどう適用されるかを確かめる必要があります。休業中の副業を禁止している学校法人もあります。
休職中や育児休業中に副業を考える場合は、兼業の許可と、給付への影響の両方を、所属先と給付の窓口で確かめてから判断してください。体調の回復や子育てを優先すべき時期であることも、忘れないようにしたい点です。
収入と税金の扱い
インスタグラムでの副業で収入を得たときは、税金の扱いも確かめておく必要があります。PR投稿の報酬、アフィリエイトの報酬、教材の販売の売上などは、雑所得や事業所得として扱われるのが一般的です。
給与を受け取っている人の場合、給与以外の所得が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告が要らない場合があります。ただし、この20万円の基準は所得税だけの話で、住民税の申告は別に必要になります。所得とは、収入から必要経費を差し引いた額のことです。
商品の無償提供を受けた場合も、その商品の価値が収入として扱われる場合があります。企業から受け取った商品の内容と、受け取った日を記録しておくと、税金の計算のときに役立ちます。
税金の申告をすると、副業の収入があることは、住民税の計算を通じて勤め先に伝わることがあります。公立の教員が許可を得ずに副業をしていた場合、こうした経路で分かることもあります。許可を得てから始めることが、何より大切です。税金の扱いに迷うときは、税務署や市区町村の窓口で相談してください。
発信の内容の例と、避けたい投稿
教員のインスタグラムの発信で、読む人の役に立ち、立場上の問題も起きにくい内容と、避けたい投稿の例を整理します。
役に立ちやすく、問題が起きにくい内容の例です。
- 学び方のこつ:漢字の覚え方、計算の練習の工夫、読書の習慣のつけ方
- 自作の教材の紹介:自宅で作った見本の写真と、使い方の説明
- 子どもとの関わり方の考え方:一般的な考え方として、特定の子どもに触れない形で書く
- 教員の働き方の工夫:仕事の段取り、時間の使い方、文房具の使い方
避けたい投稿の例です。
- 特定の児童生徒や保護者を思わせる出来事の紹介
- 学校の行事や授業の写真で、学校や個人が特定できるもの
- 同僚や管理職への不満、学校の運営への批判
- 根拠のない健康法や、医療に関わる断定的な情報
- 教員の立場を強調した、特定の商品や塾の宣伝
迷ったときは、「この投稿を、勤めている学校の児童生徒、保護者、管理職が見ても問題がないか」と考えてみると、判断しやすくなります。少しでも迷う内容は、投稿しないほうが安全です。
アカウントの運用で決めておくこと
教員がインスタグラムで発信を続けるときは、アカウントの運用の決まりを、最初に自分で作っておくと、トラブルを防ぎやすくなります。
決めておきたいことは、次のとおりです。
- 公開する情報の範囲:勤めている学校の名前、地域、担当の学年や教科をどこまで明かすか
- 投稿しない内容:児童生徒、保護者、同僚、学校の出来事に関する投稿はしない
- 投稿の時間:勤務時間中には投稿しない、予約投稿の機能を使う
- コメントやメッセージへの対応:児童生徒や保護者からの連絡には応じない、個別の相談には応じない
- 企業からの依頼への対応:依頼を受けたら、すぐに返事をせず、決まりを確かめてから判断する
特に、勤務時間中の投稿は避けるべきです。地方公務員法の第35条は、職務に専念する義務を定めており、職員は、法律または条例に特別の定めがある場合を除いて、勤務時間と職務上の注意力のすべてを職責の遂行のために用いなければならないとされています。勤務時間中にインスタグラムを操作していると、この義務に反すると受け取られるおそれがあります。
アカウントの運用の決まりは、紙やメモに書き出しておき、迷ったときに見返せるようにしておくと便利です。
発信を本業に活かす考え方
インスタグラムでの発信は、副業の収入だけでなく、本業の教員の仕事にも活かせる面があります。
授業の工夫や教材を発信していると、ほかの教員から反応や意見をもらえることがあります。全国の教員とつながり、授業の考え方を交換できることは、本業の授業の質を上げるきっかけになります。
また、伝えたいことを短い言葉と写真で表現する練習は、授業での説明や、保護者への学級通信の書き方にも活かせます。読む人の反応を見ながら、どんな言葉が伝わりやすいかを確かめられるのは、発信の大きな利点です。
発信を続ける中で、教育に関する書籍の執筆や講演の依頼が来ることもあります。こうした活動は、教育に関する兼業として、許可を得て行える場合があります。副業の収入を目的にするより、自分の経験を広く役立てる活動として発信を続けるほうが、教員としての立場とも両立しやすくなります。
困ったときの相談先
教員がインスタグラムでの副業について困ったときに相談できる先を、内容ごとに整理します。
- 兼業の許可の要否と手続き:校長や教頭などの管理職、教育委員会の担当の部署
- 私立の学校の就業規則:学校法人の事務の担当者
- 広告の表示の決まり:消費者庁の景品表示法の案内
- 企業との取引の条件や報酬の未払い:フリーランスの取引に関する公的な相談窓口
- 詐欺のような依頼や、支払ってしまった代金:消費生活センター(局番なしの188)
- 税金の申告:税務署、市区町村の住民税の窓口
兼業の許可について管理職に相談するときは、活動の内容、時間、報酬の見込みを書き出したメモを持っていくと、話が進めやすくなります。「インスタで副業をしたい」とだけ伝えるより、「教育に関する書籍の執筆の依頼を受けたので、許可の手続きを知りたい」のように具体的に伝えるほうが、必要な手続きを案内してもらいやすくなります。
相談したうえで許可が出なかった場合も、報酬を受け取らない発信を続けることはできます。許可の基準は時期によって見直されることもあるため、時間をおいて改めて相談する方法もあります。
在宅ワークの市場から見えること
2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営者として見てきた限りでは、本業の立場に決まりがある人が副業を長く続けられるかどうかは、最初に決まりを確かめたかどうかで大きく分かれます。許可を得て、決まりの範囲で活動している人は、周りの目を気にせずに発信を続けられ、結果として活動の幅も広がっています。反対に、決まりを確かめずに始めた人は、途中で活動をやめざるを得なくなることがあります。
また、仲介の手数料がかからない直接の取引であれば、同じ予算でも依頼する側はより多く頼め、受ける側は手取りが厚くなります。執筆や講座のように、許可を得て行う教育に関する仕事でも、取引の形によって手取りは変わります。
発信で身につけた写真や言葉の工夫は、デザインやマーケティングの仕事にもつながります。デザインの仕事の相場はデザイナーの年収・単価相場で、SNSの運用などマーケティング系の仕事の種類はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で確かめられます。教育に関する文章の仕事を考えている人は、文書の基本を学べるビジネス文書検定も参考になります。まずは勤め先の決まりを確かめ、管理職に相談するところから始めてみてください。
よくある質問
Q. 公立の教員がインスタでPR投稿をして報酬を受け取ってもよいですか?
公立の教員は地方公務員で、地方公務員法では、任命権者の許可を受けなければ、報酬を得て事業や事務に従事してはならないとされています。継続してPR投稿の報酬を受け取る活動は、許可の対象になる可能性があります。判断は活動の内容や頻度で変わるため、自分で判断せず、管理職や任命権者に相談してから始めてください。
Q. 私立の学校の教員もインスタの副業に許可が必要ですか?
私立の学校の教員には公務員の法律は適用されず、勤め先の学校法人の就業規則に従います。副業が禁止されているか、届け出や許可が必要かは、学校法人ごとに違います。学校の名前や教員の立場を宣伝に使うことを制限している場合もあるため、事務の担当者に就業規則の内容を確かめてから始めてください。
Q. PR投稿をするときに「広告」と表示する必要はありますか?
消費者庁によると、令和5年10月1日から、広告であることを隠すステルスマーケティングは景品表示法違反となっています。企業から依頼を受けた投稿は、商品の無償提供だけの場合も広告にあたる可能性があります。投稿の中に「広告」「PR」などの表示を分かりやすく入れ、企業から依頼を受けた投稿であることが読む人に伝わるようにしてください。
Q. 授業の様子をインスタに投稿してもよいですか?
児童生徒の顔や名前、学校が特定できる情報は、本人や保護者の同意がない限り投稿を避けるべきです。後ろ姿や手元の写真でも、制服や掲示物から特定されることがあります。教材を紹介する場合は、自分で作った見本を自宅で撮影し、位置の情報を外してから投稿すると安心です。勤め先の学校が独自の決まりを設けていることもあるため、確かめてから始めてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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