宅建の勉強スケジュール|独学で間に合わせる計画の立て方


この記事のポイント
- ✓宅建の勉強スケジュールを
- ✓不動産適正取引推進機構が公表している試験日程と出題の形をもとに整理します
- ✓10月の試験から逆算した月ごとの計画
宅建の勉強スケジュールを立てるとき、多くの人が最初につまずくのは「いつから始めれば間に合うのか」と「何から手を付ければよいのか」の2つです。参考書を1冊買ったものの、民法の最初の数十ページで止まってしまい、気づけば夏になっていた。独学の受験者からよく聞く話です。宅建の試験は年に1回しかないので、一度計画が崩れると、次の機会は1年後になります。
この記事では、宅建試験(宅地建物取引士資格試験)を実施している一般財団法人不動産適正取引推進機構が公表している日程と出題の形をもとに、独学で間に合わせるための勉強スケジュールの立て方を整理します。10月の試験から逆算した月ごとの計画、分野ごとの順番、1日の時間割、申込みの時期、直前期の過ごし方、遅れたときの立て直し方まで扱います。家族や勉強仲間と予定と進み具合を共有しながら進めたい場合は、国産のプロジェクト管理ツールPinateca(ピナテカ)のような道具を使う方法にも触れます。
宅建試験の日程と試験の形
スケジュールは、試験の日から逆算して作ります。まずは一次資料で、試験がいつ、どんな形で行われるのかを確かめておきます。
宅建試験は、宅地建物取引業法にもとづく国家試験で、不動産適正取引推進機構が国土交通大臣から指定を受け、各都道府県知事の委任を受けて実施しています。機構の試験の概要のページでは、試験の基本の形を次のように案内しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験の方法 | 50問、四肢択一式の筆記試験(登録講習修了者は45問) |
| 試験日 | 毎年1回、原則として10月の第3日曜日 |
| 試験時間 | 13時から15時までの2時間(登録講習修了者は13時10分から15時まで) |
| 受験資格 | 日本国内に居住していれば、年齢や学歴に関係なく誰でも受験できる |
| 受験手数料 | 8,200円 |
| 合格発表 | 原則として11月下旬 |
令和8年度の試験は10月18日(日曜日)に行われ、合格発表は11月25日(水曜日)と案内されています。令和9年度の日程は、例年6月の第1金曜日に官報と機構のホームページで公告されます。原則どおり10月の第3日曜日であれば、令和9年10月17日(日曜日)にあたりますが、正式な日程は公告で確かめてください。
毎年1回、10月の第3日曜日に、次の時間で実施します。 出典: 不動産適正取引推進機構「宅建試験の概要」
試験時間が2時間で50問なので、1問あたりにかけられる時間は約2分20秒です。知識があっても、時間内に解き切る練習をしていないと、最後の問題まで届きません。スケジュールの後半に、時間を計って解く練習を必ず組み込みます。
申込みの時期を先に予定表に書く
勉強の計画を立てる前に、申込みの期間を予定表に書き込んでおきます。宅建試験の申込みは、毎年7月の1か月ほどしかありません。
令和8年度は、次のような日程でした。
| 申込みの方法 | 令和8年度の受付期間 |
|---|---|
| インターネット | 7月1日9時30分から7月31日23時59分まで |
| 郵送 | 7月1日から7月15日まで(簡易書留で、消印が期間内のもの) |
機構のスケジュールのページでは、インターネットで申し込む場合でも、機器がうまく動かなかったときに備えて7月14日までに申込みを済ませ、だめなら7月15日までに郵送で申し込むことを勧めています。申込みの最後の3日間は申込みが集中するとも書かれています。勉強に集中している時期だからこそ、6月のうちに申込みの日を決めて、予定表に書き込んでおきます。
郵送で申し込む場合は、証明写真が必要です。機構の案内では、縦4.5cm、横3.5cmで、パスポートの申請にも使える証明写真とされています。写真の撮影も、申込みの日の前の週に予定に入れておくと慌てずに済みます。インターネットで申し込む場合も、入力する項目や受験手数料の支払いの手順があるので、申込みの画面を開く前に、必要なものを機構の試験案内で一通り確かめておくと、当日の手戻りがなくなります。
受験票は10月初旬に送られます。令和8年度の受験票の発送予定日は10月2日で、10月9日になっても届かない場合は、都道府県の協力機関か機構に問い合わせるよう案内されていました。
出題の分野と問題数の配分
宅建試験で問われる内容は、宅地建物取引業法施行規則で7つの項目に分けて定められています。機構の試験の概要のページには、土地と建物の形質、権利と権利の変動に関する法令、法令上の制限、税に関する法令、需給に関する法令と実務、価格の評定、宅地建物取引業法と関係法令、が並んでいます。
実際にどの分野から何問出ているのかは、機構が公表している過去の試験問題で確かめられます。令和7年度の試験問題を見ると、問題は次のように並んでいました。
| 問題の番号 | 主な分野 | 問題数 |
|---|---|---|
| 問1から問14 | 民法、借地借家法、区分所有法、不動産登記法などの権利関係 | 14問 |
| 問15から問22 | 都市計画法、建築基準法、農地法などの法令上の制限 | 8問 |
| 問23から問25 | 税と不動産の価格の評定 | 3問 |
| 問26から問45 | 宅地建物取引業法と関連する法律 | 20問 |
| 問46から問50 | 住宅金融、景品表示、土地と建物など(登録講習修了者は免除) | 5問 |
この配分から、勉強時間の振り分け方が見えてきます。宅建業法は50問中20問と最も多く、条文の決まりごとを正確に覚えれば得点を積み上げやすい分野です。権利関係は14問ありますが、民法の範囲が広く、事例を読み解く力が問われるため、時間をかけても満点は取りにくい分野です。法令上の制限は8問で、数字や用語の暗記が中心になります。
独学のスケジュールでは、この性格の違いを踏まえて、宅建業法に最も多くの時間を割き、権利関係は基本を押さえて取れる問題を確実に取る、という配分にするのが定番の考え方です。
必要な勉強時間の目安と考え方
宅建の勉強時間は、受験指導の会社などが目安を示しています。
宅建合格に必要な勉強時間は200〜300時間と言われています。宅建の予備知識や経験がまったくない人や、宅建の不動産系・法律系の資格試験に初めて挑戦する人は、試験当日までに300時間程度を確保しておくと安心です。 出典: studying.jp
別の住宅関連の会社の解説では、300時間から400時間程度とされているものもあります。目安には幅があるので、初めて法律を学ぶ人は、多めの300時間から400時間を想定しておくと安全です。
この時間を、試験までの期間で割ってみます。
| 勉強を始める時期 | 試験までの期間の目安 | 300時間に必要な1日の時間 | 400時間に必要な1日の時間 |
|---|---|---|---|
| 前年の11月1日 | 約350日 | 約50分 | 約1時間10分 |
| 1月1日 | 約290日 | 約1時間 | 約1時間25分 |
| 4月1日 | 約200日 | 約1時間30分 | 約2時間 |
| 7月1日 | 約110日 | 約2時間45分 | 約3時間40分 |
この表は、試験日を10月中旬として、休まず毎日勉強した場合の計算です。始めるのが早いほど、1日あたりの負担は小さくなります。働きながら独学する場合、平日に毎日2時間以上を確保し続けるのは簡単ではありません。年明けまでに始めれば、平日1時間、休日に少し多めという無理のないペースで、300時間から400時間に届きます。
時間を見積もるときは、1週間の予定表に、実際に勉強できる時間を書き出してから計算します。「毎日2時間やるつもり」で計画を組むと、残業や家族の予定で崩れたときに、遅れを取り戻せなくなります。最初の2週間で、予定どおりに勉強できた時間を記録し、見積もりと実際の差を確かめてから、全体の計画を確定させます。
分野ごとの勉強の順番
独学で進める場合の分野の順番には、いくつかの考え方があります。ここでは、働きながら1年弱で準備する場合に進めやすい順番を示します。
- 宅建業法:最も問題数が多く、覚えた分だけ点になりやすい。最初に取り組んで、勉強の手応えをつかむ
- 権利関係(民法など):範囲が広いので、時間に余裕のある前半に一巡させる
- 法令上の制限:数字と用語の暗記が中心。忘れやすいので、試験に近い時期にもう一度回す
- 税と価格の評定:3問と少ない。過去問で出題の多い税目を押さえる
- 免除科目(問46から問50):登録講習を受けない人は、統計や土地と建物の知識を直前期に仕上げる
宅建業法を最初に置く理由は、勉強を続けるためです。民法から始めると、範囲の広さと事例問題の難しさで、最初の1か月で心が折れる人が少なくありません。宅建業法は、免許、宅地建物取引士、営業保証金、重要事項の説明、37条書面(契約のときに交付する書面)など、決まりごとを覚えれば解ける問題が多く、過去問を解いて正解できる実感を早く得られます。
権利関係は、宅建業法のあとに時間をかけて一巡させます。民法は条文の数が多いので、全部を同じ深さで覚えようとせず、過去問でよく問われる意思表示、代理、時効、物権変動、抵当権、債務不履行、売買、賃貸借、相続、借地借家法といった範囲を優先します。
法令上の制限は、都市計画法の用途地域、建築基準法の建ぺい率や容積率、農地法の許可の種類など、数字と用語の暗記が中心です。早い時期に覚えても忘れやすいので、一巡したあと、試験の2か月前からもう一度集中して回します。
分野ごとの勉強のコツ
同じ1時間でも、分野の性格に合わせて勉強のやり方を変えると、身につく量が変わります。4つの分野ごとに、独学で取り入れやすいやり方を紹介します。
宅建業法は、似た決まりを表にまとめて比べるのが効果的です。たとえば、媒介契約の種類ごとの有効期間や報告の頻度、重要事項の説明と37条書面で記載が必要な事項の違いなどは、文章で読むより、行と列の表にして見比べた方が覚えやすくなります。自分で表を作る作業そのものが、知識の整理になります。
権利関係は、登場人物の関係を図に描いてから考えます。民法の問題は「AがBに土地を売り、BがCに転売した」のように、何人もの人が出てくる事例の形で出題されます。問題文を読みながら、人物を丸で書き、売買や賃貸の矢印でつなぐと、誰と誰の関係が問われているのかがすぐに見えてきます。過去問を解くときも、毎回図を描く習慣をつけておくと、本番で焦らずに済みます。
法令上の制限は、数字の一覧表を1枚作ります。都市計画法の開発許可が必要になる面積、建築基準法の道路の幅、農地法の許可の種類と許可をする人など、数字と決まりを1枚の紙にまとめておき、毎日数分だけ眺めます。直前期に何度も見返せるよう、1枚に収めることがコツです。
税と価格の評定は、問題数が少ない分、出題の多い税目と論点に絞ります。分野別の過去問で、どの税が繰り返し出ているかを確かめ、そこを中心に押さえます。範囲を広げすぎず、他の分野の時間を削らないことが、この分野の付き合い方です。
10月の試験から逆算した月ごとの計画
ここでは、前年の11月に勉強を始め、翌年10月の試験を目指す場合の計画の例を示します。働きながら、平日1時間、休日2時間から3時間を想定しています。
| 時期 | 主にやること |
|---|---|
| 11月から12月 | 宅建業法を一巡。章ごとに過去問を解く |
| 1月から3月 | 権利関係(民法、借地借家法など)を一巡 |
| 4月から5月 | 法令上の制限、税と価格の評定を一巡 |
| 6月 | 全分野の過去問を分野別に1周。弱い分野を洗い出す |
| 7月 | 申込み。宅建業法の過去問を2周目 |
| 8月 | 権利関係と法令上の制限の過去問を2周目。免除科目を始める |
| 9月 | 年度別の過去問を、本番と同じ2時間で解く |
| 10月 | 間違えた問題の解き直しと、法令上の制限の数字の見直し |
この計画の要は、6月までに全分野を一巡させることです。7月以降は、新しい範囲を学ぶのではなく、過去問を繰り返して得点を安定させる時期にします。全分野が一巡していないまま夏を迎えると、直前期に新しい範囲と過去問の両方を抱えることになり、どちらも中途半端に終わります。
4月から始める場合は、この計画を半分の期間に詰めます。4月から5月で宅建業法、6月から7月で権利関係、8月で法令上の制限と税、9月から10月で過去問、という流れです。1日あたりの時間は2時間前後が必要になるので、平日の朝か夜にまとまった時間を確保できるかを先に確かめます。
7月から始める場合は、時間がかなり限られます。宅建業法と法令上の制限を優先し、権利関係は過去問でよく出る範囲だけに絞る、という割り切りが必要になります。
1日の時間割の組み方
月ごとの計画を立てても、毎日の時間割に落とし込まないと、計画は進みません。働きながら独学する場合の時間割の例を示します。
| 時間帯 | 平日 | 休日 |
|---|---|---|
| 朝 | 20分。前日の復習と暗記もの | 1時間。新しい範囲のインプット |
| 通勤や昼休み | 20分。過去問を数問 | なし |
| 夜 | 40分。新しい範囲のテキストと章末の問題 | 1時間。過去問の演習 |
| 寝る前 | 10分。その日の要点の見直し | 30分。1週間の振り返り |
平日は合計で約1時間30分、休日は約2時間30分です。1週間で約12時間30分になり、11月から始めれば試験までに400時間を超える計算になります。
短い時間を積み重ねるのが、働きながらの独学の基本です。通勤電車の20分で過去問を3問か4問解く、昼休みの最後の10分で暗記カードをめくる、といった細切れの時間でも、1か月続ければまとまった量になります。
勉強時間を音楽にたとえるなら、毎日の短い練習と、週末のまとまったリハーサルの組み合わせです。毎日の練習で手を慣らし、週末に通しで演奏して仕上がりを確かめる。宅建の勉強も、平日は過去問を少しずつ、休日に分野をまたいで通して解く、という形にすると、知識が定着しやすくなります。
独学で使う教材の選び方
独学では、教材選びがそのまま計画の質を決めます。教材を途中で何度も買い替えると、そのたびに最初から読み直すことになり、時間を失います。
そろえる教材は、次の3種類で足ります。
- テキスト:全分野を1冊、または分野ごとのシリーズで1組に決める
- 分野別の過去問題集:過去の本試験の問題が、分野ごとに並んでいるもの
- 年度別の過去問:直前期に本番と同じ形で解くためのもの。機構のホームページの過去問でも代わりになる
テキストを選ぶときは、その年度の試験に対応した最新の版かどうかを必ず確かめます。出題の根拠となる法令は、試験を行う年度の4月1日現在で施行されているものなので、前の年の版では改正に追いつけないことがあります。
選ぶ基準は、読みやすさを最優先にします。詳しい本が良い本とは限りません。最後まで読み通せる本の方が、独学では結果として力がつきます。書店で、権利関係の代理や相続のような分かりにくい範囲を開き、図や例で説明されていて頭に入りやすいかどうかで決めるとよいでしょう。
分野別の過去問題集は、1問ごとに解説が付き、選択肢ごとの正誤の理由が書かれているものを選びます。間違えた問題に印を付けて何度も解き直すので、書き込みやすい作りかどうかも見ておきます。
過去問の使い方
宅建の独学では、過去問が最も大切な教材です。機構のホームページには、過去の試験問題と正解番号表が年度ごとに掲載されています。
過去問の使い方は、時期によって変えます。
- 一巡目の時期:テキストの章を終えるたびに、その範囲の過去問を分野別に解く
- 二巡目の時期:分野別の問題集で、間違えた問題だけを解き直す
- 直前期:年度別の過去問を、本番と同じ2時間で解く
過去問を解くときは、正解の選択肢だけでなく、4つの選択肢すべてについて「どこが正しく、どこが誤りか」を説明できるかを確かめます。宅建の問題は、同じ論点が言い回しを変えて繰り返し出題されることが多く、選択肢ごとに理由を押さえておくと、初めて見る問題にも対応しやすくなります。
間違えた問題には印を付け、その日付も書いておきます。2回続けて間違えた問題は、テキストに戻って該当の範囲を読み直します。印の付いた問題だけを集めた「自分だけの弱点集」を作っておくと、直前期の見直しが効率よく進みます。
注意したいのは、法改正です。機構の試験の概要のページには、出題の根拠となる法令は、試験を行う年度の4月1日現在で施行されているものと書かれています。古い年度の過去問の中には、今の法律では答えが変わるものがあるため、最新の法改正に対応した問題集を使うか、解説で改正の有無を確かめてから解きます。
登録講習で5問免除を受けるかどうか
不動産の会社などで働いている人は、登録講習を受けると、試験の一部が免除されます。機構の案内では、国土交通大臣の登録を受けた機関が行う講習を修了し、その修了試験に合格した日から3年以内に行われる試験では、出題内容の1号と5号にあたる部分が免除されるとされています。実際には問46から問50の5問が免除になり、45問を1時間50分で解く形になります。
機構の登録講習のページによると、登録講習を受けられるのは、宅地建物取引業に従事している人(従業者証明書を持っている人)だけで、一般の人は受けられません。また、試験に申し込む時点で講習の修了試験に合格している必要があり、講習を受けている途中では登録講習修了者として申し込めません。受講の申込みから修了まで2か月以上かかるとも案内されているので、7月の試験の申込みに間に合わせるには、春のうちに受講の申込みを済ませておく必要があります。講習の日程や費用は講習を行う機関ごとに違うので、各機関の案内で確かめます。
スケジュールの面では、登録講習を受ける人は、免除される分野の勉強時間を他の分野に回せます。ただし、講習そのものにも時間がかかるため、講習の日程を先に予定表に書き込み、その前後の週は勉強の量を少なめに見積もっておくと、計画が崩れにくくなります。
直前期(試験前の1か月)の過ごし方
試験前の1か月は、新しい知識を広げる時期ではありません。すでに学んだことを、確実に点数に変える時期です。
この時期にやることは、次の4つに絞ります。
- 年度別の過去問を、本番と同じ13時から15時の時間帯に解く
- 弱点集の問題を毎日解き直す
- 法令上の制限の数字と、宅建業法の期間や金額の決まりを見直す
- 免除科目(受ける人のみ)の統計の数字を、最新の資料で確かめる
本番と同じ時間帯に解く練習は、思った以上に効果があります。宅建の試験は午後1時から始まるので、昼食後の眠くなりやすい時間に集中する練習を、週末に何度かしておきます。
直前期は、模擬の演習の点数に一喜一憂しすぎないことも大切です。点数が伸びない週があっても、間違えた問題を弱点集に加えて解き直せば、それがそのまま本番の得点につながります。
試験の前日は、新しい問題に手を出さず、弱点集と暗記事項の見直しだけにします。受験票、筆記用具、時計を前日のうちにそろえ、試験会場までの道順と所要時間を確かめておきます。機構の案内では、着席の時刻は12時30分(登録講習修了者は12時40分)までとされ、試験時間中の途中退出はできないと書かれています。
計画が遅れたときの立て直し方
数か月にわたる独学では、仕事の繁忙期や体調不良で、計画どおりに進まない時期が必ず来ます。大切なのは、遅れないことではなく、遅れたあとに早く戻すことです。
立て直すときは、次の順番で考えます。
- 遅れを数字で把握する。予定していた範囲と、実際に終えた範囲の差を、ページ数や問題数で書き出す
- 遅れを全部取り戻そうとしない。残りの期間で、宅建業法と法令上の制限を優先して配分し直す
- 権利関係は、過去問でよく出る範囲に絞る
- 毎週1日を予備日にして、そこで少しずつ遅れを吸収する
遅れを取り戻そうとして、睡眠を削って一気に勉強時間を伸ばすのは逆効果です。数日は続いても、疲れがたまって結局また崩れます。予備日を毎週設けておけば、急な残業や家族の予定が入っても、その週のうちに調整できます。
しばらく勉強が止まってしまったときは、いきなり元の範囲に戻らず、直前に学んでいた分野の過去問を10問ほど解くところから再開します。手を動かして問題を解くと、どこまで覚えていて、どこから忘れているのかがすぐに分かり、どこから読み直せばよいかを決めやすくなります。再開した週は、予定の量を普段の半分ほどに抑え、勉強の習慣を取り戻すことを優先します。
独学の弱点は、遅れに気づくのが遅れることです。週に1回、計画の表と実際の進み具合を見比べる時間を決めておきます。紙の手帳でも、エクセルやスプレッドシートの表でも構いません。月ごとの計画を縦に、週ごとの実績を横に並べ、終えた範囲に色を付けていくだけで、遅れが目に見えるようになります。
暗記を定着させる復習の間隔
宅建の勉強では、覚えたことを試験の日まで忘れずにいることが、新しく覚えることと同じくらい大切です。宅建業法の期間や金額、法令上の制限の数字は、一度覚えても、何週間か触れないと抜けていきます。
忘れにくくするには、同じ内容を、間隔を空けて何度か見直します。目安としては、次のような間隔です。
- 学んだ翌日の朝に、前日の範囲を10分見直す
- 1週間後の週末に、その週の範囲の過去問を解き直す
- 1か月後に、その月の範囲の間違えた問題だけを解き直す
この見直しを、最初から1日の時間割に組み込んでおきます。朝の20分を前日の復習にあて、休日の振り返りの30分で1週間分を見直す、という形にすれば、新しい範囲を進めながら復習も回せます。
暗記ものは、紙のカードやスマートフォンの暗記アプリにまとめておくと、通勤の時間や待ち時間にも見直せます。カードは、問題の形(「営業保証金の供託の期限は?」)にして、答えを裏に書くと、ただ読むより記憶に残りやすくなります。
合格したあとの流れ
合格の発表は、原則として11月下旬です。合格しただけでは、宅地建物取引士として仕事をすることはできません。機構の登録手続の案内によると、宅地建物取引士として業務に従事するには、受験した試験地の都道府県で資格登録を受ける必要があります。
登録できるのは、宅建業法で定める欠格の要件に当たらず、次のいずれかに当てはまる人とされています。
- 宅地建物取引業の実務の経験が2年以上ある人
- 国土交通大臣の登録を受けた実務の講習(登録実務講習)を修了した人
- 国や地方公共団体などで、宅地や建物の取得や処分の業務に通算2年以上従事した人
実務の経験がない人は、合格後に登録実務講習を受けて登録の要件を満たす流れになります。さらに、宅地建物取引士証の交付を受けて初めて、宅地建物取引士として重要事項の説明などの業務を行えます。合格を目指すスケジュールを立てるときは、合格後の講習や登録の期間も、その先の予定として頭に入れておくと、転職や仕事の計画を立てやすくなります。
家族や勉強仲間と予定を共有するとき
独学でも、予定と進み具合を誰かと共有すると続けやすくなります。家族に勉強の予定を見せて休日の時間を確保してもらう、職場の同僚と一緒に受験して過去問の範囲を分担して解説し合う、といった場面です。1人で使うなら手帳や表計算の表で足りますが、複数人で担当と期限を共有するとなると、それぞれの予定や進み具合が見えにくくなります。
こうした場面の候補の1つがPinatecaです。公式サイトによると、Pinateca はカンバン、ガントチャート、カレンダー、リストなど8種類のボードと、チャット、カードごとのコメント、受信箱を備えた国産のプロジェクト管理ツールです。8種類のボードには、曜日と時限で週の枠を埋める「時間割ボード」や、月と週で予定を一望する「カレンダーボード」もあると案内されています。カードには担当者と期限を設定できます。料金のページでは、フリープランは5人まで、ボード10個までで、期限なく無料、クレジットカードの登録も要らないとされています。6人目、または11個目のボードからはスタンダードプランになり、料金は1人あたり月額500円(年払いなら1人あたり月額400円、税抜)です。Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
使い方の例としては、家族と共有するカレンダーのボードに申込みの期間、模擬の演習の日、試験日を載せておき、休日の予定を合わせやすくする形が考えられます。職場の同僚と受験する場合は、「宅建業法の過去問の解説づくり」「法令上の制限の数字の一覧づくり」といった作業をカードにして、担当と締め切りを付けて動かせます。覚える内容や問題の正誤は教材やノートで管理し、ボードは予定と担当の共有に使うと、役割が分かれて使いやすくなります。
宅建の知識を仕事の広がりにつなげる
宅建の勉強で身につく不動産取引と法律の知識は、資格を取る前から仕事の幅を広げます。不動産の会社での事務、物件の情報を整理して掲載する作業、契約書類の準備など、不動産の知識を下地にした仕事は、在宅や業務委託の形でも募集があります。
在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、資格の勉強を続けながら在宅の仕事を受けている人ほど、時間の使い方が上手です。仕事の納期と試験の日程の両方から逆算して1週間の予定を組む習慣が、勉強の計画にもそのまま生きています。仲介の手数料がかからない直接の取引であれば、同じ作業時間でも手取りが厚くなり、勉強に回せる時間をつくりやすくなります。
ほかの国家資格と比べながら次の目標を考えたい人は、中小企業診断士のページで、経営全般の知識を問う国家試験の概要と、資格を生かせる仕事の広がりを確認できます。事務の分野で資格を探している人は、医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)のページで、医療の事務の試験の概要と働き方を比べてみるとよいでしょう。
宅建の勉強スケジュールは、10月の試験日と7月の申込みの期間を先に予定表に書き、6月までに全分野を一巡させ、夏から秋は過去問で得点を安定させる、という流れで組むのが基本です。毎週の見直しと予備日を組み込んでおけば、途中で遅れても試験までに立て直せます。
よくある質問
Q. 宅建の勉強はいつから始めれば間に合いますか?
勉強時間の目安を300時間から400時間とすると、前年の11月から年明けまでに始めれば、平日1時間程度の無理のないペースで届きます。4月から始める場合は1日1時間30分から2時間、7月からなら1日3時間前後が必要になります。試験は原則として10月の第3日曜日なので、そこから逆算して決めます。
Q. 宅建の申込みはいつ行えばよいですか?
令和8年度は、インターネットでの申込みが7月1日から7月31日まで、郵送での申込みが7月1日から7月15日まででした。最後の数日は申込みが集中するため、機構は早めの申込みを勧めています。正式な日程は毎年6月上旬の公告で発表されるので、機構のホームページで確かめてください。
Q. 独学ではどの分野から勉強するのがよいですか?
問題数が最も多い宅建業法から始めると、過去問で正解できる手応えを早く得られ、勉強を続けやすくなります。そのあとに範囲の広い権利関係を一巡させ、忘れやすい法令上の制限は一巡したあと試験の2か月前からもう一度回すと、得点が安定しやすくなります。
Q. 古い年度の過去問を解いても問題ありませんか?
解いて構いませんが、法改正に注意が必要です。宅建試験の出題の根拠となる法令は、試験を行う年度の4月1日現在で施行されているものです。古い年度の問題には、今の法律では答えが変わるものがあるため、最新の法改正に対応した問題集を使うか、解説で改正の有無を確かめてから解きます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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