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高山市の個人情報漏えいの可能性|消防本部のNET119緊急通報システム 登録者の情報と確かめること 2026

@SOHO編集部
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高山市の個人情報漏えいの可能性|消防本部のNET119緊急通報システム 登録者の情報と確かめること 2026

この記事のポイント

  • ✓高山市の情報漏洩について
  • ✓高山市消防本部が2026年10月15日更新のページで知らせたNET119緊急通報システムの個人情報漏えいの可能性を整理
  • ✓運営事業者アルカディアの続報

高山市の情報漏洩について、高山市消防本部は2026年10月15日更新のページで、消防が使っている「NET119緊急通報システム」の運営事業者、株式会社アルカディアのサーバーに第三者による不正アクセスがあり、登録者の個人情報が漏えいした可能性があると知らせました。対象は、聴覚障がいや言語障がいがあって音声での119番通報が難しく、このシステムに利用登録した人です。氏名、性別、住所、生年月日、メールアドレス、通勤・通学先に加え、登録時に任意で入力した連絡先電話番号や緊急連絡先なども、漏えいの可能性がある情報として挙げられています。 2026年11月1日時点で、高山市のページの更新日は10月15日のままで、市内の登録者が何人か、補償があるかについての続報は掲載されていません。運営事業者のアルカディアは10月16日と10月23日の公表で、全国のNET119で漏えいした可能性があるのは9,020件のメールアドレスに結びつく個人情報で、既往歴などは含まれないと説明しています。 登録している人と家族がまずすることは、消防や市、事業者を名乗る心当たりのない連絡に応じないこと、メールのURLや添付ファイルを開かないこと、パスワードや個人情報を入力しないことです。NET119は今も使えるので、通報の手段として登録を続けて構いません。

この記事は、2026年11月1日時点で高山市の公式ページと、アルカディアの公式サイトに掲載された続報を開き直して確かめた内容だけで書いています。報道の数字や推測は入れていません。

高山市消防本部が知らせた内容

高山市消防本部のページは「119番通報(通信指令室)」の案内の中にあります。題は「高山市消防本部が利用する情報配信システム運営事業者への不正アクセスによる個人情報漏えいの可能性について」で、更新日は令和8年10月15日です。冒頭では次のように説明しています。

高山市消防本部が利用している情報配信システムを運営する株式会社アルカディアにおいて、第三者による不正アクセスが発生し、利用者の個人情報が漏えいした可能性があることが判明しましたのでお知らせします。 なお、現在、運営事業者において原因の調査および影響範囲の確認が進められています。 出典: city.takayama.lg.jp

ここで大事なのは、市が「漏えいした」とは書かず、「漏えいした可能性がある」と書いている点です。不正アクセスがあったのは市のシステムではなく、市が契約して使っている事業者のサーバーです。市によると、2026年10月14日にアルカディアから、同社のサーバーに第三者による不正アクセスが発生したとの発表があり、市消防本部が使うNET119緊急通報システムの利用者の情報も漏えいした可能性がある、という流れです。

NET119緊急通報システムとは、火事や急病のときに、声で119番通報をすることが難しい人が、スマートフォンや携帯電話の画面から消防に通報できるしくみのことです。高山市の案内ページでは、利用できるのは高山市に住所がある人、または高山市に通勤・通学している人で、利用者登録をした人とされています。登録は、利用規約に同意したうえで申請書と登録表を高山消防署へ出す方法と、案内に沿ってスマートフォンからWEB登録をする方法があります。

通報の場面では、どこで何が起きたかを消防がすぐにつかめるよう、登録時に住所や通勤・通学先、緊急連絡先、持病などを入力できるようになっています。今回、漏えいの可能性がある情報の幅が広いのは、このためです。つまり、多く入力している人ほど、漏えいの可能性がある情報も多いということになります。

公表の経緯と2026年11月1日時点の状況

市とアルカディアの公表を日付の順に並べると、次のようになります。アルカディアの公表は、同社の公式サイトのお知らせから案内されている続報のページにまとめられています。

日付 公表した組織 分かったこと
2026年10月13日 アルカディア SpeeCAN RAIDENへの不正アクセスを公表(第1報・第2報)
2026年10月14日 アルカディア NET119と119RAIDENにも不正アクセスの形跡があり、個人情報が漏洩した可能性があると公表(第4報)
2026年10月15日 高山市消防本部 NET119の登録者の情報が漏えいした可能性があると市のページで知らせる(更新日)
2026年10月16日 アルカディア NET119の漏洩の可能性は9,020件のメールアドレスに結びつく個人情報と公表(第11報)
2026年10月23日 アルカディア 説明資料と報告書を公開。個人情報保護委員会へ代行報告をしたと公表(第21報・第23報)
2026年10月30日 アルカディア SpeeCAN RAIDENのスマートフォン向けサイトに2段階認証を追加(第24報)

2026年11月1日時点で、高山市のページの更新日は10月15日のままです。市内でNET119に登録していた人のうち何人が対象か、市として確定した件数は掲載されていません。補償やお詫びの品についての記載もありません。続報が出るとすれば、市のページか、市のページから案内されているアルカディアのページです。

アルカディアの10月16日の第11報は、NET119について次のように説明しています。

9,020件のメールアドレスに紐づく上記個人情報 漏洩した可能性のあるメールアドレスを各消防本部様に個別にお知らせさせていただく予定です。なお、要配慮個人情報は漏洩していないことは確認できております。 出典: raiden.site.ktaiwork.jp

この9,020件は、NET119を使っている全国の消防本部を合わせた数です。高山市の登録者の数ではありません。高山市の分がこのうち何件なのかは、市からもアルカディアからも示されていません。この記事では、高山市の件数は書きません。

アルカディアは同じ第11報で、漏洩した可能性のあるメールアドレスを、各消防本部に個別に知らせる予定だと書いています。つまり、自分のアドレスが対象に入っているかどうかは、運営事業者から高山市消防本部へ伝えられる形になっています。登録者が自分で調べる画面のようなものは、公表の中には案内されていません。気になる人は、高山消防署の指令課に「自分の登録したアドレスが対象に入っているか」を尋ねるのが、いちばん確かな方法です。

もう1つ、アルカディアの公表には「119RAIDEN」というサービスも出てきます。名前が似ていますが、NET119とは別のサービスで、漏洩の可能性がある項目や件数も別に示されています。高山市のページが挙げている対象サービスはNET119緊急通報システムだけです。119RAIDENの件数を高山市の件と混ぜて読まないよう注意してください。

また、10月23日に公開されたアルカディアの報告書では、NET119について「メールアドレスに紐づく個人情報のみ。既往歴などはなし」と書かれています。一方、高山市のページでは、任意で登録した既往歴やかかりつけ医療機関も、漏えいの可能性がある情報として挙げられたままです。市のページは10月15日、アルカディアの説明は10月16日以降のもので、時点が違います。どちらが今の正式な見解かを自分で決めず、気になる人は高山消防署の指令課に確かめるのが確実です。

漏えいの可能性がある情報の一覧

高山市のページに挙げられている項目を、登録の必須か任意かで分けると次のようになります。市は「詳細については、同社において調査中」としています。

区分 漏えいの可能性があるとされた項目
登録者本人の基本の情報 氏名、性別、住所、生年月日、メールアドレス
通勤・通学先 名称、住所、電話番号
任意の連絡先 連絡先電話番号(固定・携帯)、ファクス番号
任意の場所の情報 よく行く場所
緊急連絡先 登録者が登録した人の氏名(フリガナを含む)、続柄、電話番号、メールアドレス
健康に関わる任意の情報 既往歴、かかりつけ医療機関(医療機関名、住所、担当医師、病院電話番号)
その他 その他の利用者情報

アルカディアの第4報と第11報では、NET119の項目は「利用者の名前、生年月日、性別、住所、電話番号、メールアドレス、FAX番号、他サービス登録時に入力した情報」とまとめられています。市の一覧のほうが細かく書かれていますが、中身は大きく重なっています。

含まれないものとしてはっきり書かれているのは、アルカディアの説明にある要配慮個人情報(病歴など、特に慎重に扱うべき情報)だけです。高山市のページには「含まれない」と明記された項目はありません。クレジットカードや銀行口座の情報は、NET119の登録項目にもともと入っていないので、この件で話題に上がっていません。

表の中で注意したいのは、緊急連絡先と通勤・通学先です。ここには登録者本人ではない人や組織の情報が入っています。家族や知人を緊急連絡先として登録した人は、その人の名前や電話番号、メールアドレスも漏えいの可能性があることになります。勤め先や学校を登録した人は、その名称と電話番号が含まれます。本人だけが気をつければよい話ではない、というのが今回の件の特徴です。

原因と、まだ分かっていないこと

原因について、高山市のページは「第三者による不正アクセス」とだけ書き、原因の調査と影響範囲の確認は運営事業者で進められているとしています。市のシステムが直接攻撃されたという記載はありません。

アルカディアの公表では、2026年10月11日16時30分に、同社のSpeeCAN RAIDENで不正アクセスが疑われる不審な挙動を確認したことが始まりです。その調査の途中、10月14日8時30分に、NET119と119RAIDENへの不正アクセスが疑われる痕跡を確認した、と説明しています。侵入経路は遮断し、システムの中に不正なプログラムがないことも確認したとしています。

10月23日の報告書では、もっと細かい時刻も示されています。攻撃者がアクセスを始めたのは10月11日6時26分で、同じ日の23時40分に社内の監視がデータベースの異常な負荷に気づいた、という流れです。NET119の漏えいの可能性がある件数を9,020件と確定し、公式ブログを更新したのが10月16日18時10分とされています。

まだ分かっていないのは、高山市の登録者のうち何人が対象か、実際に情報が外へ持ち出されたのか、です。アルカディアは「漏洩した可能性」という言い方を続けています。外部の機関でダークウェブ(盗まれた情報が売り買いされることがあるネット上の場所)の調査をして、結果をあとで報告するとも書いています。

なお、SpeeCAN RAIDENの件では、10月13日の未明に同社のシステムから外部へ不正なメールが配信されたことも公表されています。アルカディアによると、配信内容はフィッシング詐欺(実在する企業などを装って偽のサイトへ誘い、情報を盗み取る手口)で、総数は1,423,428通です。これはSpeeCAN RAIDENのシステムから送られたもので、NET119の登録者に送られたとは書かれていません。ただ、同じ事業者の別のサービスで実際に偽のメールが出回ったという事実は、登録者が身構えておく理由になります。

高山市とアルカディアの対応

高山市が実施したと書いている対応は、次の3つです。

  • NET119の登録者に、メールで注意を呼びかけた
  • NET119緊急通報システムのサービスは続けている
  • 市のウェブサイトで注意を呼びかけた

サービスが止まっていないので、登録者は今までどおりNET119で通報できます。漏えいの可能性があると聞くと、登録をやめたくなる人もいます。けれども、NET119は声で通報できない人にとって命に関わる連絡の手段です。市が続けている以上、使える手段を自分から手放す理由はありません。不安があれば、やめる前に高山消防署の指令課に相談するのが順番です。

アルカディアの側では、侵入経路の遮断、不正なプログラムがないことの確認、個人情報保護委員会や警察などへの報告と相談をしたと公表しています。10月23日には、契約している自治体などから同意を得た分について、行政機関の漏えい等の報告書を個人情報保護委員会へまとめて出したとしています。SpeeCAN RAIDENでは、管理者がログインするときの2段階認証を追加して、使うよう求めています。

補償やお詫びについては、高山市のページにもアルカディアのページにも記載がありません。補償が出るかどうかは推測できないので、この記事では書きません。一般に、漏えいの件でお詫びの品やポイントが出るかどうかは、組織ごと、事案ごとに違います。考え方は情報漏洩の補償はもらえるのか|お詫び金・ポイントの例と利用者が確かめること 2026で、過去の例とあわせて整理しています。

自分が対象かを確かめる方法

対象になりうるのは、高山市消防本部のNET119緊急通報システムに利用登録をした人です。登録した覚えがあるかどうかが、まず最初の分かれ目になります。

登録した覚えがある人は、登録に使ったメールアドレスの受信箱を見てください。市は登録者にメールで注意を呼びかけたとしています。そのメールが届いていれば、登録者として扱われているということです。迷惑メールのフォルダに振り分けられていることもあるので、そちらも確かめます。

スマートフォンからWEB登録をした人は、登録の手順を思い出すと手がかりになります。高山市の案内では、WEB登録のときにQRコードを読み取るか、[email protected] に空メールを送って申請する手順になっています。アルカディアがNET119の対象として挙げているのは net119.speecan.jp と net119fd.speecan.jp の2つで、この空メールの宛先と同じ名前が含まれています。この宛先にメールを送った覚えがある人は、登録者として対象に入る可能性があると考えて備えておくのが安全です。

ただし、届いたメールが本物かどうかは慎重に見てください。この時期は、事業者や自治体を名乗る偽のメールが出回りやすくなります。本物の注意喚起は、URLを開かせて個人情報を入力させるものではありません。メールの中のリンクを開かず、高山市の公式サイトを自分で開いて、同じ内容が載っているかを見るのが安全です。

登録したかどうか思い出せない人や、メールが届いていない人は、高山消防署の指令課に問い合わせます。電話番号は市のページに載っている0577-32-0119です。これは119番ではなく指令課の事務の番号なので、緊急でない相談はこちらにかけます。耳や言葉に障がいがあって電話が難しい場合は、市のページにあるお問い合わせの専用フォームを使えます。ファクスは0577-34-7384です。

家族の代わりに確かめたい人もいるはずです。登録しているのが高齢の親や子どもで、本人が詳しい事情を知らないこともあります。その場合も、どの情報を登録していたかを本人と一緒に思い出してから問い合わせると、話が早く進みます。

登録者がすること

漏えいの可能性がある項目に合わせて、やることを絞ると次のようになります。全部を一度にやる必要はありません。

  1. 消防、市、アルカディアを名乗る心当たりのない連絡には応じない
  2. メールやSMSのURLや添付ファイルを開かない
  3. 氏名、住所、パスワード、口座の情報などを聞かれても答えない、入力しない
  4. 不審な連絡を受けたら、連絡に書かれた番号ではなく、公式サイトで調べた番号にかけ直す
  5. 緊急連絡先に登録した家族や知人に、今回のことを伝える
  6. 通勤・通学先を登録していた場合は、必要に応じて職場や学校に一声かける

1から4は、市のページで「皆さまへのお願い」として挙げられている内容と同じです。名前、住所、生年月日、メールアドレスがそろうと、偽のメールや手紙に本人の名前や住所を書き込めるので、本物らしく見えやすくなります。たとえば「NET119の登録情報の確認が必要です」「緊急通報システムの更新手続きをしてください」といった文面で、偽のサイトに誘う手口が考えられます。

偽のメールの見分け方はフィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処で、送信元や本文のどこを見ればよいかを順に説明しています。

住所が漏えいの可能性に含まれているので、郵便や訪問にも注意が要ります。消防や役所を名乗る人が「登録の確認」として家を訪ねてきても、その場で書類に書き込んだり、通帳やカードを見せたりしないでください。本物かどうかは、一度帰ってもらってから、公式の番号で確かめれば分かります。住所が漏れたときに考えておくことは個人情報が流出して住所が漏れたときの対応|起きることと防ぎ方の順番で、手口と備えを整理しています。

電話番号を登録していた人は、知らない番号からの電話やSMSにも気をつけます。電話番号の流出を前提にした備えは電話番号の流出チェックの方法|流出したらどうなるかと迷惑電話・SMSへの備え 2026が参考になります。

パスワードについては、NET119の登録項目にログインのパスワードは挙がっていません。ただ、登録に使ったメールアドレスのパスワードを、ほかのサービスと同じものにしている人は、この機会に別々のものへ変えておくと安心です。メールアドレスが知られると、そのアドレスを使ったログインを試される可能性があるからです。

緊急連絡先に登録された家族と、勤め先・学校が知っておくこと

緊急連絡先として名前が登録されている家族や知人は、自分ではNET119に登録していなくても、名前、続柄、電話番号、メールアドレスが漏えいの可能性に含まれます。登録者から知らされない限り、自分が対象だと気づく方法がありません。

登録者の側から、緊急連絡先の人に次のことを伝えておくとよいでしょう。

  • 高山市消防本部のNET119で、自分の緊急連絡先として名前と電話番号などを登録していたこと
  • その情報が、運営事業者への不正アクセスで漏えいした可能性があること
  • 消防や市を名乗って、登録者の病状やお金のことを持ち出す電話があっても、すぐに信じないこと

緊急連絡先の人にとって怖いのは、「ご家族が救急搬送されました。手続きのお金が必要です」のように、家族の名前を出して急がせる電話です。登録者の名前と続柄が知られていると、こうした話が本当らしく聞こえます。電話でお金の振り込みや、カード番号、口座の暗証番号を求められたら、その場で応じないでください。少しでもおかしいと思ったら、一度電話を切り、登録者本人か、公式の番号で消防に確かめてください。

勤め先や学校を通勤・通学先として登録していた場合、漏えいの可能性があるのは、組織の名称、住所、電話番号です。これらは多くの場合すでに公開されている情報なので、組織にとっての影響は大きくないこともあります。ただ、登録者の名前と組み合わさると「この人がここに勤めている」という情報になります。職場や学校に、自分の名前を出した不審な問い合わせがあった場合に備えて、必要と感じる人は一声かけておくと安心です。

既往歴やかかりつけ医療機関を登録していた人は、とくに不安が大きいはずです。前に書いたとおり、高山市のページでは漏えいの可能性がある情報に含まれていて、アルカディアの報告書では既往歴などは含まれないとされています。どちらの説明が今の時点で正しいのか、自分の登録内容のどこまでが対象なのかは、高山消防署の指令課に聞くのが確実です。病院や薬局を名乗る連絡で、病気や薬の話を持ち出されても、その場で答えず、かかりつけの医療機関に自分で電話して確かめてください。

偽の連絡の見分け方と、送信元の名前

今回の件では、もともとアルカディアのシステムが防災や防犯のメールを送るために使われていたことが、見分けを難しくしています。本物の防災メールも、同じ事業者のシステムから届くことがあるからです。

アルカディアの公表でも、SpeeCAN RAIDENの対象サービスとしてraiden.ktaiwork.jpなどの名前が挙がっています。こうした送信元の名前の意味と、本物と迷惑メールの見分け方はraiden.ktaiwork.jpとは|防災メールなどの配信に使われる送信元と迷惑メールとの見分け方 2026で詳しく説明しています。送信元の名前が本物らしくても、本文で個人情報の入力を求めてきたら疑ってかかる、というのが基本です。

見分けるときに確かめるところを並べると、次のとおりです。

  • 本文に、ログインや再登録を求めるURLがないか
  • 「24時間以内」「本日中」のように、急がせる言葉がないか
  • 振り込みや支払い、カード番号の入力を求めていないか
  • 差出人の名前と、実際のメールアドレスの部分が合っているか
  • 高山市の公式サイトに、同じ内容のお知らせが載っているか

アルカディアは第3報で、管理者に向けて、登録者への注意喚起の文例を示しています。そこでも、氏名、住所、パスワード、口座情報などの個人情報を決して提示・入力しないこと、身に覚えのない送信元や不審なメッセージのURLや添付ファイルを開かないことが挙げられています。

SpeeCAN RAIDEN全体の件については、アルカディアの情報漏洩|SpeeCAN RAIDENの約313万件と偽メールの見分け方 2026で、自治体や学校の配信サービスへの広がりと合わせて整理しています。高山市のNET119は、その中の1つのサービスにあたります。

問い合わせ窓口

高山市のページに載っている窓口は次のとおりです。

窓口 連絡先 受付
株式会社アルカディア 個人情報相談窓口 電話 050-5830-0750、メール [email protected] 午前9時から午後5時(土曜・日曜、祝日、年末年始を除く)
高山消防署 指令課(このページの担当) 電話 0577-32-0119、ファクス 0577-34-7384、市のお問い合わせ専用フォーム 市のページに受付時間の記載なし

アルカディアは第7報で、問い合わせの電話が多くつながりにくいので、つながらない場合は [email protected] へメールしてほしいと書いています。耳や言葉に障がいがあって電話が難しい人は、メールや市のフォームを使えます。

なお、この窓口は今回の漏えいの件の相談先です。火事や急病で今すぐ助けが必要なときは、窓口ではなく、これまでどおりNET119や119番で通報してください。高山市の案内では、ファクスで局番なしの「119」に送る通報もでき、こちらは事前の登録が要りません。

同じ時期に高山市内で起きた別の事案

「高山市 情報漏洩」で調べると、NET119の件とは別の話も出てきます。組織も原因も違うので、混ぜずに読んでください。

防災情報テレフォンサービスの停止と復旧

高山市の防災情報テレフォンサービスは、アルカディアのSpeeCAN RAIDENを使っています。市のページによると、SpeeCAN RAIDENが不正アクセスを受けたことに伴い、令和8年10月13日(火曜日)からサービスを止めていましたが、10月15日(木曜日)午後3時に復旧しました。同じ事業者の件ですが、市のこのページでは漏えいの可能性がある項目は書かれておらず、詳しいことはアルカディアのページで確かめるよう案内しています。詳しくは防災情報テレフォンサービスの復旧についてのページにあります。

一部システムの予防的な停止

高山市は令和8年10月24日更新のページで、プログラミング言語「PHP」の脆弱性が確認されたことを受け、点検と修正のために一部のシステムを予防的に止めていると知らせました。施設予約システムや、お問い合わせフォーム、在宅医療介護連携支援システムが挙げられています。市はこのページで、現時点で不正アクセスや改ざん、情報漏洩などの被害は確認されていないとしています。お問い合わせフォームは10月23日午後5時30分ごろから使えるようになったと、別のページで知らせています。

飛騨・高山観光コンベンション協会の「飛騨高山旅ガイド」

もう1つは、高山市ではなく、一般社団法人飛騨・高山観光コンベンション協会の発表です。協会が運営する観光公式サイト「飛騨高山旅ガイド」が不正アクセスを受け、お問い合わせフォームに入力された個人情報が外部に漏洩したとしています。協会の第一報(2026年10月25日)によると、対象は449件(重複を除く)で、項目は氏名(法人名と担当者名を含む)、メールアドレス、電話番号、住所、お問い合わせ内容です。対象は2024年2月21日から2026年2月6日までにお問い合わせフォームを使った人と、2026年4月15日から2026年7月1日までに視察申込フォームを使った人で、パンフレット請求や体験予約などのフォームは対象外です。

協会は10月26日の第二報で、対象者への個別の連絡を同日付で終えたと知らせ、10月30日の第三報で、サイトの公開を10月30日17時30分に再開したと知らせています。窓口は協会のメールアドレス [email protected] です。内容は協会の第一報で確かめられます。こちらの件で心当たりがある人は、市ではなく協会に問い合わせてください。

在宅で仕事をする人が気をつけること

NET119は個人の通報のための仕組みなので、仕事で使うものではありません。それでも、在宅で仕事をしている人にとって無関係とは言えない点が2つあります。

1つ目は、登録したメールアドレスを仕事でも使っている場合です。個人のアドレスで取引先とやり取りしている人は、そのアドレスに届く偽のメールが、仕事の連絡に紛れ込みやすくなります。請求書や納品の連絡を装ったメールの添付ファイルを開くと、パソコンが乗っ取られて、預かっている取引先の資料まで危険にさらされます。メールアドレスが過去の漏えいに含まれていないかは、Have I Been Pwnedの使い方|メールアドレスとパスワードの漏洩を確認する方法と、大手クラウドの過去の漏洩で調べ方を説明しています。

2つ目は、自分が人の情報を預かる側に立つ場合です。在宅でデータ入力や事務の代行、名簿の整理などを請け負うと、取引先の顧客の名前や連絡先を扱うことがあります。個人情報保護委員会は、漏えいが起きたときに事業者などが委員会へ報告しなければならない場合を、例とあわせて示しています。

不正アクセスにより個人データが漏えいした場合 出典: ppc.go.jp

この例は、報告が義務になる場合のうち「不正の目的をもって行われたおそれがある行為による漏えい等」の例として挙げられているものです。委員会のページでは、病歴や障害があることなどの要配慮個人情報を含む場合や、民間の事業者で本人の数が1,000人を超える場合、行政機関等で100人を超える場合も、報告の対象として挙げられています。今回の件で、自治体ごとに個人情報保護委員会への報告が話題になっているのは、こうした決まりがあるためです。

個人で仕事を受ける人が直接この報告を出す場面は多くありませんが、取引先から預かった情報が自分の手元から漏れれば、取引先が報告や本人への説明に追われることになります。預かったデータを個人のメールに転送しない、仕事が終わったら取り決めどおりに削除する、パソコンとメールに2段階認証を設定する、といった基本が、そのまま取引先を守ることにつながります。

運営者として見てきたことと、セキュリティの仕事の広がり

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、情報漏えいの知らせを受けたときに実害を受けやすいのは、知らせそのものよりも、そのあとに届く偽の連絡に反応してしまった人です。今回のように、防災や通報という「急いで対応しなければならない」と感じやすい仕組みが関わると、偽の連絡にも急がせる言葉が使われやすくなります。一度立ち止まり、公式の番号にかけ直すという手順を家族で決めておくだけで、防げる被害は多くあります。

もう1つ見えてくるのは、自治体や消防が使う仕組みの多くが、外部の事業者のシステムに支えられているということです。今回の件では、1つの事業者への不正アクセスが、全国の消防本部や自治体の配信サービスに広がりました。どの組織も、委託先の安全をどう確かめるかという課題を抱えています。仕事を受ける側から見ると、こうした確認や運用を手伝える人の需要は、自治体や中小企業の中で着実に広がっています。

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よくある質問

Q. 高山市のNET119に登録していますが、登録をやめたほうがよいですか?

高山市はNET119緊急通報システムのサービスを続けていて、登録者は今までどおり通報に使えます。NET119は声での通報が難しい人にとって大事な連絡の手段なので、漏えいの可能性を理由にすぐ手放す必要はありません。登録内容に不安がある場合は、やめる前に高山消防署の指令課(0577-32-0119、または市のお問い合わせ専用フォーム)に相談するのが確実です。

Q. 高山市で何人の情報が漏えいした可能性があるのですか?

2026年11月1日時点で、高山市のページに市内の登録者の件数は掲載されていません。運営事業者のアルカディアは、全国のNET119で漏洩した可能性があるのは9,020件のメールアドレスに結びつく個人情報と公表していますが、これは全国の消防本部を合わせた数で、高山市の分が何件かは示されていません。

Q. 既往歴やかかりつけの病院の情報も漏れたのですか?

高山市のページでは、任意で登録した既往歴やかかりつけ医療機関も漏えいの可能性がある情報に挙げられています。一方、アルカディアは10月16日以降の公表で、要配慮個人情報は漏洩していないと確認できており、既往歴などは含まれないと説明しています。時点の違う2つの説明があるので、自分の登録内容がどう扱われるかは高山消防署の指令課に確かめてください。

Q. 飛騨高山旅ガイドの情報漏洩と同じ件ですか?

別の組織の別の事案です。飛騨高山旅ガイドは一般社団法人飛騨・高山観光コンベンション協会が運営する観光サイトで、お問い合わせフォームなどに入力された449件(重複を除く)が対象と協会が発表しています。対象者への個別の連絡は10月26日付で終えたとされ、問い合わせ先は協会のメールアドレス [email protected] です。NET119の件は高山消防署の指令課かアルカディアに問い合わせます。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年11月1日
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