タガログ語の単価の相場

中西 直美
中西 直美
タガログ語の単価の相場

この記事のポイント

  • ✓タガログ語の翻訳や通訳の単価がどう決まるのかを
  • ✓文字単価と時間単価の数え方から整理しました
  • ✓はじめて金額を決める方が迷わないように順を追って説明します

「タガログ語の翻訳を頼まれたのですが、いくらで受ければいいのか分かりません」。こういうご相談、本当に多いんです。しかも困ったことに、検索してもタガログ語の翻訳単価はきれいな一つの数字では出てきません。それは情報が足りないからではなく、数え方そのものが何通りもあるからです。この記事では、タガログ語の単価がどういう仕組みで決まっているのかを、数え方の違いから順番にほどいていきます。金額そのものより、金額の作り方が分かれば、迷わずに答えられるようになります。

大丈夫ですよ。難しい計算は出てきません。

タガログ語の単価が一つの数字にならない理由

まず前提を共有させてください。翻訳の料金は、量と難しさと急ぎ具合の掛け算で決まります。このうち量の数え方が言語によって違い、難しさの評価が分野によって違う。だから一つの数字にならないのです。

タガログ語の場合、難しさの評価が高めに出やすいという事情があります。この点について、業界側の説明を引いておきます。

翻訳の難易度に応じて、日本語1文字(またはタガログ語1ワード)あたりの単価が変わることもあります。タガログ語は利用者が2,000万人前後いるものの、それほどメジャーな言語とはいえません。くわえて、文法が複雑であること・翻訳者の人数が少ないことから翻訳の難易度が高い言語といえます。さらに、専門用語・固有名詞・人名・地名などが多い文書の翻訳には高度な知識やスキルが必要となるため、相場より費用が高くなることもあります。 出典: crowdworks.jp

ここに書かれていることは、受ける側にとっては追い風です。人数が少ないという事実が、そのまま単価の根拠になります。ただし、追い風は自動的には吹きません。自分から「この言語はこういう理由で工数がかかります」と説明できて、はじめて相場の上側で受けられるようになります。

言語としての位置づけについても、把握しておくと説明がしやすくなります。

タガログ語はフィリピン諸語の1つで、マニラ首都圏を中心とするルソン島中南部、ミンドロ島、パラワン島などで使用されています。タガログ語を母語とする人々は人口の28%(2200万人)にすぎません。インターブックスでは世界85言語2500名以上の翻訳者を抱え、25年以上の多言語翻訳と多言語DTPの豊富な経験と実績があります。 出典: interbooks.co.jp

母語話者が人口の一部にとどまり、フィリピン国内でも地域や世代によって語彙の混ざり方が違う。この点は、実務では「どの読者に向けた訳文か」を最初に確認すべき理由になります。そして確認の手間は、そのまま単価の説明材料にもなります。

数え方が三つあることを、先に押さえる

金額の話に入る前に、量の数え方を整理します。ここが曖昧なままだと、同じ仕事なのに提示額が倍近く変わってしまいます。

一つ目は原文の文字数で数える方法です。日本語からタガログ語に訳す場合、日本語の原文が何文字あるかで計算します。日本語は句読点や助詞を含めて数えるのが一般的です。依頼される前に確定するので、発注側にとって見積もりが読みやすい方法です。

二つ目は原文のワード数で数える方法です。タガログ語から日本語に訳す場合、タガログ語の単語数で計算します。英語と同じく空白で区切って数えます。

三つ目は仕上がりで数える方法です。訳した後の文字数やワード数で計算します。これは受ける側にとっては読みにくく、訳し方によって金額が変わってしまうため、はじめて取引する相手とはあまり勧めません。

日本語とタガログ語の間では、文字とワードの膨らみ方に癖があります。日本語1,000文字をタガログ語にすると、おおよそ400ワード前後になることが多い。逆にタガログ語は英語より語が長くなりやすいので、レイアウトを伴う仕事では文字数が想定より増えます。この膨らみは、印刷物やアプリの画面に入れる仕事では実際の作業量に直結します。

見積もりを出すときは、必ず「原文の日本語文字数で計算しています」と明記してください。これを書くだけで、後からの食い違いがほぼ無くなります。

文字単価のレンジを、立場ごとに分けて見る

ここで一番大事な区別をします。世の中に出ている単価の数字は、依頼する側が払う金額であることが多く、訳す人が受け取る金額とは別物です。

翻訳会社に依頼した場合、日本語からタガログ語への翻訳は原文1文字あたり12円から20円程度の提示になることが多く、分野が専門的であればさらに上がります。この金額には、翻訳会社側のチェック、レイアウト調整、進行管理、そして会社の利益が含まれています。

同じ案件を翻訳会社から受託する立場に立つと、受け取るのはその一部です。会社によって考え方は違いますが、依頼主が払う金額のうち訳者に渡るのは半分前後になることが珍しくありません。つまり、依頼主が15円で発注した案件の訳者側の単価は7円から9円あたりに落ち着く、という構図になります。

個人が直接受ける場合は、この中間が乗りません。依頼側にとっては会社経由より安く、受ける側にとっては会社経由より手取りが厚くなる。両方が得をする形が作れます。ただしその代わり、品質の保証も進行の管理も自分で背負うことになります。金額だけを見て「直接の方が得」と考えると、抜けが出たときに一人で対応することになるので、そこは覚悟の要る選択です。

在宅の仕事全般の相場感を掴んでおきたい方は、サイト内の年収データベースが参考になります。文章を扱う職種の分布は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確認できますし、在宅の職種全体の中での位置を見るならソフトウェア作成者の年収・単価相場と並べて眺めると、翻訳という仕事がどのあたりに位置するのかが見えてきます。

タガログ語から日本語への方向は、なぜ数字が変わるのか

方向によって単価が変わることも知っておいてください。タガログ語から日本語への翻訳では、ワード単価で15円から30円程度の幅で提示されることがあります。

日本語からタガログ語への方向は、タガログ語を母語とする人が担当するのが自然です。逆方向は日本語を母語とする人が担当する方が仕上がりが安定します。ところが日本国内では、タガログ語を業務水準で読める日本語話者の数が非常に限られます。そのため、逆方向の案件は担当できる人が少なく、単価が上がりやすい。ご自身がどちらの方向を得意とするかによって、狙う案件が変わってきます。

ミニマムチャージという、見落とされやすい仕組み

短い依頼を受けるときに必ず問題になるのが、最低料金の扱いです。

また、ミニマムチャージ(最低依頼料金)の有無によって料金が変わることもあります。通常であれば、文字単価15円で400文字のタガログ語翻訳を依頼すると翻訳費用は6,000円です。しかし、ミニマムチャージを1万円に設定している依頼先では、料金が1万円以下となる条件の翻訳依頼に対してミニマムチャージが適用されるため、翻訳費用は1万円となります。 出典: crowdworks.jp

これは依頼側から見ると割高に映る仕組みですが、受ける側にとっては自分を守る仕組みです。

考えてみてください。300文字の案内文を訳す仕事でも、依頼内容の確認、原文の読み込み、用語の下調べ、納品形式の調整、請求の処理は発生します。訳す時間より、その周りの時間の方が長いこともあります。文字数だけで計算すると、この周辺作業がまるごと無報酬になります。

はじめて金額を決める方には、最低料金を先に決めておくことを勧めます。3,000円から5,000円くらいから始めて、依頼が途切れないようなら少しずつ上げていく。この一線があるだけで、消耗する小口の依頼に振り回されなくなります。

ただし、継続してくれている相手からの短い追加依頼にまで機械的に適用すると関係がぎくしゃくします。「継続案件の追加分は最低料金の対象外にしています」と最初に伝えておくと、両方が気持ちよく進みます。

分野によって、幅はここまで違う

同じタガログ語でも、扱う文書によって単価は変わります。分野別に見ていきます。

生活と行政まわりの文書

自治体の広報、ごみの分別、防災の案内、就学の手続き、学校からの保護者向けプリント。分量は500文字から2,000文字程度の小さな依頼が多く、単価も標準的な範囲に収まります。

この分野の難しさは語彙ではありません。原文の日本語が役所の言い回しで書かれていて、そのまま訳すと読み手に届かない点にあります。いったん平易な日本語に置き換えてから訳す工程が要る。この工程を見積もりに含めていないと、時間だけが消えていきます。「原文の平易化を含む場合は2割増しになります」と書き添えられるようにしておいてください。

企業内の文書と技能実習まわり

安全教育の資料、作業手順書、就業規則、生活オリエンテーションの資料。分量がまとまって出るため、案件としての金額は大きくなります。用語の統一が厳しく求められる分野で、初回に用語集を作れると二回目以降が楽になります。

なお、在留資格に関わる申請書類そのものの作成については行政書士法に定めがあり、翻訳という作業とは法律上の扱いが異なります。依頼が書類作成に踏み込んでいないかは、契約前に発注側へ確認してください。ここは自己判断で線を引かない方が安全です。

医療と福祉

問診票、服薬指導の説明、介護の重要事項説明書。誤訳が健康に直結するため、単価は上側に振れます。分野の資格や現場経験があると、その根拠を金額に反映しやすい領域です。ただし確認作業も増えるので、時間あたりで見ると必ずしも割がよいとは限りません。受ける前に、確認にどれくらいかかりそうかを見積もっておいてください。

映像と字幕

動画の書き起こし、字幕、吹き替え原稿。ここは文字単価ではなく、映像の分数で計算するのが一般的です。1分あたり500円から2,000円程度の幅で提示されることが多く、書き起こしから行うか、既存の原稿から訳すかで大きく変わります。字幕には文字数の制約があり、単純な翻訳とは別の技術が要ります。実務の進め方は映像翻訳・字幕・通訳のお仕事にまとめられているので、この分野に入る前に一度目を通しておくとよいでしょう。

機械翻訳の後編集

近年増えているのが、機械が訳した文章を人が直す仕事です。単価は通常の翻訳の4割から7割程度に設定されることが多く、数字だけ見ると割安に感じます。

ただし、注意していただきたいことがあります。タガログ語は機械翻訳の精度が言語によってばらつく領域で、原文の分野によっては直す量が全文訳し直すのと変わらないことがあります。受ける前に必ずサンプルを見せてもらい、実際に何分で何ワード直せるかを測ってください。測らずに単価だけで判断すると、時間あたりの収入が大きく下がります。

時間で売る仕事の単価と、拘束時間の数え方

通訳は文字ではなく時間で計算します。ここには独特の作法があります。

まず、最小単位があります。1時間や2時間を最小単位とし、それ以下でも同額とするのが一般的です。15分の面談だからといって15分ぶんの報酬にはなりません。

次に、拘束時間の考え方です。実際に話している時間だけでなく、待機している時間も拘束です。オンラインであっても、その時間帯は他の仕事を入れられません。「開始10分前から接続し、終了まで待機します」という条件は、その分の時間を売っているということです。

さらに、事前準備があります。商談であれば資料の読み込み、医療であれば病名や薬剤名の確認。この準備時間を無償で行うのが慣習になっている現場もありますが、資料が大量にある場合は準備費として別立てにしてよい部分です。

単価の目安としては、逐次通訳で1時間あたり3,000円から8,000円程度の幅、専門性や責任の重さで上下します。コールセンター型の常時待機の形では時給での契約になり、求人情報を見ると1,500円前後から提示されているものが目立ちます。同じ通訳でも、待機を含む常時対応と、案件ごとの単発では計算の考え方がまったく違うことを覚えておいてください。

単価を下げてしまう要因と、上げられる要因

金額が思うように上がらないとき、原因はだいたい決まっています。

下がる要因の一つ目は、納期に余裕がありすぎることです。意外に思われるかもしれませんが、いつでもよい依頼は安く買い叩かれます。急ぎの依頼を確実に受けられる体制がある方が、単価は上がります。

二つ目は、分野を絞っていないことです。何でも訳せますという説明は、発注側から見ると何が得意なのか分からないという意味になります。

三つ目は、確認の少なさです。質問をせずに納品する人は、一見手がかからないようで、実は修正が増えます。

逆に上がる要因は、一つ目が分野の専門性、二つ目が対応の速さ、三つ目が周辺作業をまとめて引き受けられることです。訳すだけでなく、レイアウトを整える、用語集を作る、原文の誤りを指摘する。こうした周辺を引き受けられると、金額の根拠が増えます。

翻訳の品質に関する認証の考え方はJTF翻訳品質認証のページで整理されています。タガログ語に直接対応するものではありませんが、翻訳という仕事で何が品質として評価されるのかを知っておくと、自分の作業を説明する言葉が増えます。他言語の相場と比べたい方は中国語検定(中検)1級の解説や、中国語翻訳の副業ガイド|需要が高いジャンルと単価の目安が近い構造で読めます。専門分野に絞って単価を上げる考え方はフリーランスの特許翻訳|高単価ニッチ翻訳の始め方と特許翻訳のフリーランス|単価相場・必要スキル・案件獲得法【2026年版】が分かりやすいです。

語学以外の売り方も持っておく

もう一つ、単価の考え方として知っておいてほしいことがあります。翻訳という形以外にも、タガログ語を時間で売る方法があるということです。

たとえば、日本語を学びたいフィリピン出身の方に向けたレッスン。あるいは、タガログ語を学びたい日本人に向けたレッスン。これらは時間単価で計算する仕事で、翻訳のように分量に左右されません。準備した教材を繰り返し使えるため、回数を重ねるほど時間あたりの効率が上がっていきます。実務の進め方や時間の売り方は翻訳・ライティングレッスンのお仕事で整理されています。

翻訳の案件が途切れる時期に、レッスンで収入を平らにする。この組み合わせをしている方は少なくありません。翻訳の単価だけを追いかけていると視野が狭くなりますが、時間で売る仕事を一つ持っておくと、単価交渉のときに余裕を持って臨めます。断れる状態を作ることが、結局は単価を守ることにつながります。多言語の案件全体がどう動いているかは英語・多言語翻訳のお仕事で概観できます。

見積もりを出す手順

実際に金額を出すときの手順を、順番に置いておきます。

第一に、原文をもらいます。文字数が分からないまま金額は出せません。まだ確定していないと言われたら、概算でよいので分量を聞いてください。

第二に、数え方を決めます。原文の日本語文字数か、原文のタガログ語ワード数か。これを見積もり書に書きます。

第三に、分野と用途を確認します。誰が読むのか、印刷するのか画面で見せるのか、法的な効力があるのか。用途が変わると必要な精度が変わり、金額も変わります。

第四に、周辺作業を確認します。レイアウトはどうするか、用語集の指定はあるか、納品形式は何か。

第五に、納期を確認します。急ぎであれば割増を提示してよい部分です。3割から5割の割増は珍しくありません。

第六に、最低料金を適用するかを判断します。

ここまで確認したうえで、単価に文字数を掛けて出します。そして必ず、金額の内訳を分けて書いてください。翻訳費、レイアウト費、急ぎ割増。分けて書くと、予算が合わないときに「レイアウトを外せば収まります」という調整ができます。総額だけを書くと、値引き交渉しか選択肢が残りません。

額面ではなく、手元に残る金額で考える

最後に、少しだけ立ち止まって考えていただきたいことがあります。

同じ10万円の仕事でも、手元に残る金額は入り口によって変わります。仲介が入る場では、報酬から仲介料が引かれます。この差は、単価を1円上げる交渉より大きいことがあります。単価の交渉に神経を使う前に、まず自分がどの入り口から仕事を受けているかを見直してみてください。手数料0%で直接やり取りできる場を併用しておくと、同じ仕事量でも手元に残る金額が変わります。

それから、経費と税金です。フリーランスとして受ける場合、報酬から源泉徴収される場合とされない場合があります。年間の所得が一定額を超えれば確定申告が必要です。手取りで生活を組み立てるなら、額面の8割程度を目安に見ておくと、後から慌てずに済みます。

運営者として見てきたこと

在宅ワークの市場を長く見てきた立場から、二つだけ書き添えます。

一つ目。単価が高い人と安い人の差は、語学力ではなく「見積もりを分解して出せるかどうか」に強く出ます。総額だけを提示する人は、値引きを求められると下げるしかありません。内訳を出せる人は、作業を減らす提案ができます。結果として、内訳を出せる人の方が最終的な単価が高く落ち着く。これは言語を問わず、長く続いている方に共通しています。

二つ目。少数言語では、依頼が来る時期に波があります。年度替わり、入国が増える時期、制度の変更があった時期に集中し、その間は静かになる。この波を知らずに月ごとの収入で評価すると、単価が悪いのだと誤解してしまいます。半年単位で均して見てください。均して見ると、思っていたより悪くない数字が出ることが多いです。焦って単価を下げる前に、期間を伸ばして測り直す。これだけで判断が変わります。

最初に決めておく三つの数字

金額の話は、毎回考えると疲れます。先に三つだけ決めておいてください。

一つ目は標準単価。自分の得意分野で、標準的な納期の場合の文字単価です。1文字いくらかを一つ決めます。

二つ目は最低料金。どんなに短い依頼でも下回らない金額です。

三つ目は割増率。急ぎの場合と、専門性が高い場合の上乗せです。

この三つがあれば、依頼が来たときに迷わず返答できます。返答が速い人には、次の依頼が来ます。金額を決められないまま返事が遅れることの方が、単価が少し安いことよりずっと大きな損失になる。ここは覚えておいてください。

数字が決まっていない状態で交渉に臨むと、相手の提示額に流されます。決めておけば、断る判断もできます。断れるようになったとき、単価は自然に上がっていきます。

単価の見直しは、いつ、どう切り出すか

決めた三つの数字は、一度決めたら永久に固定するものではありません。見直す時期と、切り出し方についても触れておきます。

見直しに向いているのは、同じ相手からの依頼が三回目を超えたあたりです。一回目は相手もこちらを試している段階なので、金額の話を持ち出すと関係が固まりません。二回目で作業の流れが分かり、三回目でお互いの手間がどれくらいかが見えてきます。この時点で、実際にかかっている時間と受け取っている金額を並べてみてください。

切り出し方は、値上げのお願いではなく、条件の整理という形にします。「これまで用語の確認をやり取りの中で行ってきましたが、用語集を作って共有すれば、次回以降の確認が減って納期も短くできます。用語集の作成分を初回だけ加算させていただけないでしょうか」といった形です。相手にとっての利点を先に置き、金額はその後ろに置く。この順序を守ると、話が通りやすくなります。

逆に、避けた方がよい切り出し方もあります。相場が上がっているからという理由、生活が苦しいからという理由。どちらも相手にとっての利点がないため、受け入れられにくいです。断られたときに関係が気まずくなるのも、この形のときです。

それから、下げる判断も持っておいてください。閑散期に少し下げてでも継続を取りに行く場面はあります。ただし下げるときは必ず期限を切ってください。期限のない値下げは、そのまま新しい標準になってしまいます。

もう一つ、支払いの条件も金額と同じくらい大切です。納品から入金までの期間、支払いの方法、請求書の締め日。ここが曖昧なまま進むと、金額に納得していても資金繰りで苦しくなります。取引を始める前に、支払いのタイミングを文面で確認しておいてください。フリーランスとの取引については報酬の支払期日に関する定めがあるので、条件が極端に長い場合は一度立ち止まって確認する価値があります。

最後にもう一度だけ確認しておきます。金額は、相手に決めてもらうものではありません。こちらが根拠を持って提示し、相手が判断するものです。根拠を作る作業は、訳す作業と同じくらい大切な仕事の一部です。分量の数え方を決め、分野を絞り、最低料金を置き、割増の条件を書き出す。この四つを紙に書いて手元に置いておくだけで、次に依頼が来たときの返答がまるで違ってきます。あわてなくて大丈夫ですから、今日はまず、その紙を一枚作ってみてください。

よくある質問

Q. タガログ語の翻訳は文字単価いくらが相場ですか?

翻訳会社が依頼主に提示する金額は原文1文字あたり12円から20円程度が目安で、そこから訳者に渡るのは半分前後になることが多いです。個人が直接受ける場合は中間が乗らないため、依頼側は会社経由より安く、受ける側は手取りが厚くなります。分野と納期で上下します。

Q. 短い依頼のとき、どうやって金額を決めればよいですか?

最低料金を先に決めておいてください。300文字の依頼でも、内容確認、用語の下調べ、納品形式の調整、請求処理は発生します。3,000円から5,000円程度から始めて、依頼が途切れないようなら上げていく形が現実的です。継続案件の追加分は対象外にすると関係が保てます。

Q. 通訳の単価は何時間ぶんで数えますか?

実際に話した時間ではなく、拘束時間で数えるのが基本です。1時間または2時間を最小単位とし、それ以下でも同額とするのが一般的です。開始前の待機時間も拘束に含めます。資料の読み込みが大量になる場合は、準備費を別立てで提示してよい部分です。

Q. 機械翻訳の後編集は受けても損しませんか?

単価は通常の翻訳の4割から7割程度に設定されます。損をしないためには、受注前にサンプルをもらい、実際に何分で何ワード直せるかを測ってください。タガログ語は分野によって機械訳の精度がばらつき、全文訳し直すのと変わらない場合があります。測ってから判断してください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年6月13日最終更新:2026年9月2日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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