スライドの作り方|伝わる1枚にするための構成とデザインの基本


この記事のポイント
- ✓スライドマスターの使い方
- ✓よくある失敗の直し方まで順に解説します
- ✓発表のどれにも使える基本をまとめています
スライドを作ろうとしてPowerPointやGoogleスライドを開いたものの、何から手をつければよいか分からず、白い画面の前で手が止まってしまう。文字を詰め込んだ結果、自分でも読みにくいスライドになってしまう。そんな悩みは、デザインの才能ではなく、作る順番と、いくつかの決まりごとを知ることで解決できます。伝わるスライドは、いきなり画面で飾りつけを始めるのではなく、目的と聞き手を決め、全体の流れを紙の上で組み立ててから、1枚ずつ文字と図を整えていく手順で作られています。この記事では、スライドの作り方を、準備、構成、1枚の組み立て方、文字と色と図の扱い、仕上げの点検まで順に説明します。チームでスライドを分担して作るときの段取りの管理には、担当と期限をボードで共有できるPinatecaを使う方法もあわせて紹介します。
スライドを作る前に決める3つのこと
スライド作りで最も時間を無駄にするのは、何を伝えるかが決まらないまま画面を作り始めることです。作り始める前に、次の3つを決めて、メモに書き出しておきます。
1. 目的を1文で書く
そのスライドを見せた後、聞き手にどうしてほしいのかを1文で書きます。「新しい勤怠の仕組みを理解して、来月から使い始めてもらう」「提案した企画を承認してもらう」「研究の結果を知ってもらい、質問をもらう」のように、聞き手の行動で書くのがこつです。「勤怠の仕組みについて説明する」のように、自分が何をするかで書くと、話す内容が増えるばかりで、絞り込みの基準になりません。
2. 聞き手を具体的に思い浮かべる
誰に向けて話すのかで、使う言葉も、説明の細かさも変わります。社内の同じ部署の人なら専門用語をそのまま使えますが、社外の人や他部署の人には言い換えが必要です。聞き手がその話題についてどれくらい知っているか、何に関心を持っているか、何を不安に感じているかを書き出しておくと、どのスライドで何を説明すべきかが見えてきます。決裁者に向けたスライドなら、費用と効果とリスクが最大の関心事になるはずです。社内の研修で新人に向けて話すなら、用語の説明と、明日から何をすればよいかの具体的な手順が求められます。同じ題材でも、聞き手が変われば、スライドの順番も強調する点も変わることを意識しておきます。
3. 時間と枚数の目安を決める
発表の時間が決まったら、スライドの枚数の目安を決めます。1枚あたり1分前後で話すと考えると、10分の発表なら10枚前後が目安になります。表紙と最後のスライドは話す時間が短いので、本文のスライドを少し多めにしても構いません。時間に対して枚数が多すぎると、1枚ごとの説明が駆け足になり、結局どのスライドも記憶に残らなくなります。
この3つを決めておくと、後でスライドを削るか残すかを迷ったとき、「目的に必要か」「この聞き手に必要か」「時間に収まるか」で判断できるようになります。
全体の構成を組み立てる
目的と聞き手が決まったら、スライド全体の流れを作ります。この段階では、まだPowerPointを開かず、紙やメモ帳に見出しだけを並べるのがおすすめです。
基本の流れは「結論、理由、具体例、結論」
ビジネスの場で使いやすいのは、最初に結論を示し、その理由と具体例を続け、最後にもう一度結論と次の行動を示す流れです。聞き手は最初に結論を知ることで、その後の説明を「結論を裏づける話」として聞くことができます。たとえば、新しい勤怠の仕組みを説明するなら、次のような並びになります。
- 表紙(タイトル、発表者、日付)
- 結論(来月1日から勤怠の記録を新しい仕組みに切り替えます)
- 切り替える理由(集計の手間と誤りを減らすため)
- 何が変わるのか(打刻の方法、申請の方法、締めの日)
- 使い方の手順(画面の写真付きで3つの操作)
- よくある質問への答え
- 結論と次の行動(今週中に初回のログインをお願いします)
目的によって流れを変える
研究や調査の発表では、背景、目的、方法、結果、考察、結論という順番が一般的です。聞き手が結果を正しく評価するために、どのように調べたのかを先に知る必要があるからです。提案や企画の場面では、現状の課題、原因、解決策、効果と費用、実施の計画、という順番が使いやすくなります。どの流れを選ぶ場合でも、各スライドに1つの役割を持たせ、「このスライドは何を伝えるためにあるのか」を言えるようにしておきます。
見出しだけで話がつながるかを確かめる
構成ができたら、各スライドの見出しだけを順に読み上げてみます。見出しだけで話の筋が通っていれば、構成は成功です。途中で話が飛んだり、同じことを2回言っていたりする場所があれば、スライドを並べ替えるか統合します。この段階で直すのは数分で済みますが、スライドを作り込んだ後で構成を直すと、何時間もかかることになります。
1枚のスライドの組み立て方
全体の流れが決まったら、1枚ずつの中身を作ります。スライドの作り方を解説しているデザインのサイトは、1枚の基本の形を次のように説明しています。
プレゼンスライドには、大きく分けて2つの種類(タイトルスライドとコンテンツスライド)があります。タイトルスライドには、タイトルと発表者の氏名・所属、発表会の名前や日付を書きます。コンテンツスライドは、背景から考察まで、実際の研究の中身を書きますが、最初にスライドのタイトル、次に本文や図表などの内容、最後に締めの一文(内容の解釈や結論などそのスライドで伝えたい一言)を書くのが基本です。 出典: student.tsutawarudesign.com
この形は、研究の発表に限らず、会議や営業の資料にもそのまま使えます。
タイトルは「言いたいこと」を書く
スライドのタイトルには、「売上の推移」のような話題の名前ではなく、「売上は3年で1.5倍に伸びた」のように、そのスライドで言いたいことを書くと伝わりやすくなります。聞き手はタイトルを読んだだけで要点をつかめ、本文や図はその裏づけとして見るようになります。会議の後で資料だけを読み返す人にとっても、タイトルを拾い読みするだけで内容を思い出せる資料になります。
本文は短い言葉で、図を中心に
本文は、文章をそのまま貼りつけるのではなく、短い言葉の箇条書きや、図と表を中心に組み立てます。話す内容をすべてスライドに書くと、聞き手は話を聞くより先に文字を読もうとし、話し手の言葉が耳に入らなくなります。スライドに書くのは要点だけにして、詳しい説明は口で補う、という分担を意識します。
締めの一文で解釈を示す
図や表を見せた後、その図から何が言えるのかを、スライドの下の方に一文で書きます。グラフを見せただけでは、聞き手は自分なりの解釈をしてしまうことがあります。「新しい手順の導入後、問い合わせの件数が半分に減った」のように、図の読み方を示しておくと、聞き手の理解がそろいます。
1枚に入れる情報の量
スライドが読みにくくなる一番の原因は、情報の詰め込みすぎです。先ほどのデザインのサイトは、1枚の情報量について次のように書いています。
スライドを作り始めるにあたってまず問題になってくるのは、1枚のスライドにどれくらいの情報量を詰め込むことができるのかということです。人によって様々なスタイルがありますが、これまでセミナー発表や学会発表を行なってきた経験から、1枚のスライドでは、1つのトピックに絞り、そしてそれを1分以内に簡潔に話すことが大切です。 出典: student.tsutawarudesign.com
1枚に1つの話題、という決まりを守るだけで、スライドは見違えるほど読みやすくなります。
情報量の目安
1枚のスライドに入れる情報の目安として、次のような数字がよく使われます。厳密な規則ではありませんが、作り終えた後の点検の基準として役立ちます。
- 箇条書きは3〜5項目まで。6項目を超えたら、2枚に分けるか、まとめられる項目を統合する
- 1項目は1〜2行まで。3行を超える文章は、話す内容に回す
- 図やグラフは1枚に1つが基本。比較が目的のときだけ2つ並べる
情報を削るときの考え方
情報を削るのは、作った人にとって勇気のいる作業です。せっかく調べたデータや、伝えたいことを外すのは惜しく感じます。特に、調べるのに時間がかかった情報ほど残したくなりますが、聞き手にとっての重要さは、調べた手間とは関係がありません。そのときは、最初に決めた目的に立ち返り、「この情報がなくても、聞き手は目的の行動をとれるか」を問いかけます。なくても困らない情報は、配布資料や補足のスライドに回し、質問が出たときに見せる形にすれば、捨てずに済みます。
文字とフォントの基本
文字のサイズとフォントの選び方は、スライドの読みやすさを大きく左右します。
文字のサイズ
会議室の後ろの席やオンライン会議の小さな画面でも読めるように、本文の文字は大きめにします。Microsoftのサポートページは、障害のある人を含めて誰もが読みやすいPowerPointを作るための方法として、次のように書いています。
大きなフォント サイズ (18 pt 以上) の san serif フォントと十分な空白を使用します。 出典: support.microsoft.com
本文は18ポイント以上、タイトルはそれより一回り大きく、と決めておくと、文字を詰め込みすぎることも自然に防げます。文字が入りきらないと感じたら、文字を小さくするのではなく、情報を減らすか、スライドを分けます。
フォントの選び方
san serif(サンセリフ)フォントとは、文字の端に飾りのない書体のことで、日本語ではゴシック体がこれにあたります。画面に映すスライドでは、線の太さが均一なゴシック体のほうが、明朝体よりも遠くから読みやすくなります。1つの資料で使うフォントは1〜2種類に絞り、太字と文字のサイズで強弱をつけます。フォントの種類を増やすと、まとまりのない印象になります。
強調は1か所だけ
大事な言葉を太字や色で強調する場合は、1枚につき1〜2か所までにします。あちこちを強調すると、どこが本当に大事なのかが分からなくなります。強調したい言葉が多いと感じたら、そのスライドに話題が多すぎるサインです。
色の使い方
色は、スライドの印象を決める大きな要素ですが、使いすぎると逆効果になります。
使う色は3つまで
基本の考え方は、ベースの色、メインの色、強調の色の3つに絞ることです。ベースの色は背景や大部分の文字に使う白や濃い灰色、メインの色は見出しや図の主な部分に使う会社やテーマの色、強調の色は特に目立たせたい部分にだけ使う赤やオレンジなどです。この3つを資料全体で守ると、統一感のあるスライドになります。
文字と背景の差をはっきりさせる
文字の色と背景の色の明るさの差をコントラストと呼びます。コントラストが弱いと、プロジェクターで映したときに文字がかすんで読めなくなります。Microsoftのサポートページでも、テキストと背景の色に十分なコントラストを付けること、色が足りているかを確かめるにはアクセシビリティ チェックを使うことが案内されています。淡い色の背景に淡い色の文字、写真の上に細い文字、といった組み合わせは避けます。
色だけで区別しない
グラフの線や地図の塗り分けを色だけで区別すると、色の見え方に特徴のある人には違いが伝わりません。色に加えて、線の形を変える、ラベルを直接書き込む、模様をつけるなどの工夫をすると、誰にとっても読みやすい図になります。
図・グラフ・写真の使い方
数字や関係性は、文章で書くより図にしたほうが一瞬で伝わります。
グラフは目的で選ぶ
グラフは、何を見せたいかで種類を選びます。
| 見せたいこと | 向いているグラフ |
|---|---|
| 時間による変化 | 折れ線グラフ |
| 項目どうしの大小の比較 | 棒グラフ |
| 全体に占める割合 | 帯グラフ、円グラフ |
| 2つの数字の関係 | 散布図 |
グラフには、伝えたい部分だけに強調の色を使い、それ以外は灰色にすると、見るべき場所がはっきりします。目盛りの数字や凡例を最小限にして、必要な数字はグラフの中に直接書き込むと、聞き手の視線の移動が減ります。
立体的に見せる3Dのグラフは、手前の要素が大きく見えて数字の比較を誤らせるため、ビジネスの資料では避けるのが無難です。円グラフも、項目が5つを超えると小さな扇形が読めなくなるので、項目が多いときは割合の大きい順に並べた棒グラフに替えます。縦軸の目盛りを0から始めずに途中から切ると、わずかな差が大きく見えてしまいます。差を強調したい場合でも、目盛りを切っていることが聞き手に分かるように示します。グラフの元になった数字は、補足のスライドか配布資料に表として載せておくと、質問が出たときにすぐ答えられます。
図で関係を見せる
手順は矢印でつないだ箱、組織や分類は階層の図、比較は表、というように、内容に合った形を選びます。文章で「AとBとCの3つがあり、AはBの前提で」と説明するより、図で並べたほうが、聞き手は全体の関係を一度に理解できます。
写真とイラストは意味のあるものだけ
写真やイラストは、内容を補うものだけを使います。雰囲気づくりのための写真を多用すると、スライドが重くなり、伝えたいことがぼやけます。画面の操作を説明するときは、実際の画面の写真に、操作する場所を丸で囲んで示すと伝わりやすくなります。インターネット上の画像を使うときは、利用の条件を確かめ、使ってよいものだけを使います。
余白とそろえ方でまとまりを出す
デザインの経験がなくても、余白とそろえ方を意識するだけで、スライドは整って見えます。
端をそろえる
文字や図の左端、上端をそろえると、見た目がすっきりします。PowerPointやGoogleスライドには、図形や文字の位置をそろえる機能があるので、目で合わせるのではなく、機能を使ってそろえます。
関係のあるものを近づける
見出しとその説明、図とその説明文のように、関係のあるものは近くに、関係のないものは離して並べます。近さで関係を示すと、線や枠で囲まなくても、どれとどれがまとまりなのかが伝わります。
余白を怖がらない
スライドの周りや要素の間に余白を残すと、読みやすく、落ち着いた印象になります。空いている場所を埋めたくなる気持ちを抑え、画面の端から少し内側に、すべての要素を収めるようにします。
同じ要素は同じ形で繰り返す
見出しの位置、文字のサイズ、色の使い方を、すべてのスライドで同じにします。ページをめくるたびに見出しの位置が変わると、聞き手は毎回どこを見ればよいかを探すことになります。
スライドマスターで全体を統一する
すべてのスライドで同じ見た目を保つには、1枚ずつ手で直すのではなく、スライドマスターを使うのが効率的です。スライドマスターとは、資料全体のフォント、色、ロゴの位置などをまとめて決めておく、ひな型のスライドのことです。Microsoftのサポートページは次のように説明しています。
すべてのスライドに同じフォントや同じ画像 (ロゴなど) を含めるとき、1 つの場所 (スライド マスター) でその変更を加えれば、すべてのスライドに変更が適用されます。 出典: support.microsoft.com
PowerPointでは、[表示]タブの[スライド マスター]からこの画面を開けます。最初にスライドマスターで、見出しの位置とサイズ、本文のフォント、使う3色を決めておけば、後から色を変えたくなっても、1か所を直すだけですべてのスライドに反映されます。会社で決まったひな型がある場合は、それを使うのが近道です。Googleスライドでも、テーマの編集から同じようにひな型を整えられます。
スライドを作る手順
ここまでの内容を、実際に作る順番に並べ直します。
- 目的、聞き手、時間をメモに書く
- 紙やメモ帳に、スライドの見出しだけを並べて構成を作る
- 見出しだけを読み上げ、話がつながるかを確かめる
- スライドマスターで、フォント、色、見出しの位置を決める
- 各スライドに、タイトル、本文や図、締めの一文を入れる
- 文字のサイズ、色の数、強調の数、そろえ方を点検する
- 声に出して通しで話し、時間を測る
- 話しにくかったスライド、説明が長くなったスライドを直す
7番目の通しの練習は省略されがちですが、実際に声に出すと、スライドの順番の不自然さや、説明の足りない箇所がよく分かります。可能であれば、同僚や家族に聞いてもらい、分かりにくかった場所を教えてもらうと、さらに質が上がります。
よくある失敗と直し方
スライドでよく見かける失敗と、その直し方を整理します。
文字が多すぎる
原稿をそのままスライドに貼りつけてしまう失敗です。直し方は、各スライドの文章から、名詞と数字だけを残し、残りは話す内容に回すことです。どうしても文章で残したい場合は、配布資料に入れます。
何が言いたいのか分からない
タイトルが話題の名前だけで、締めの一文もないスライドです。タイトルを「言いたいこと」に書き換え、図の下に解釈の一文を入れると、そのスライドの役割がはっきりします。
見た目がばらばら
スライドごとに色やフォントや見出しの位置が違う資料です。スライドマスターで決まりを作り直し、各スライドのレイアウトをリセットすると、短い時間で統一できます。
アニメーションが多すぎる
文字が飛び込んできたり、回転したりする動きは、聞き手の注意を内容からそらします。動きを使うのは、手順を1つずつ見せたいときなど、意味がある場合だけにします。
見せる場面に合わせて作り分ける
同じ内容でも、スライドを見せる場面によって、作り方の重点は変わります。代表的な3つの場面ごとに、気をつける点を整理します。
会議室で投影する場合
会議室のスクリーンやモニターに映す場合は、後ろの席からも読めることが最優先です。文字のサイズを大きめにし、細い線や淡い色を避けます。プロジェクターは、パソコンの画面で見たときより色が薄く、暗く映ることが多いため、本番と同じ部屋で一度映して確かめておくと安心です。会議室が明るい場合は、白い背景に濃い色の文字のほうが読みやすく、暗い部屋では濃い背景に白い文字も使えます。
オンライン会議で画面を共有する場合
オンライン会議では、聞き手がノートパソコンやスマートフォンの小さな画面で見ていることがあります。会議室で投影するとき以上に、1枚の情報を少なくし、文字を大きくします。画面の端に参加者の顔の映像やチャットの欄が重なることもあるため、大事な情報は画面の中央寄りに配置します。また、オンラインでは話し手の表情や身振りが伝わりにくいため、今どのスライドの、どこの話をしているのかを、口で言いながら進めると、聞き手が迷いません。
資料として配る、送る場合
発表をせずに、スライドを資料として配ったり、メールで送ったりする場合は、話し手の説明がないことを前提に作ります。投影用のスライドより文字が多くなるのは自然なことで、各スライドに、口で補うはずだった説明を短い文章で書き加えます。ただし、1枚1話題の決まりは同じです。投影用と配布用を両方作る場合は、投影用を先に作り、それを複製して説明を書き加えると、内容のずれが起きにくくなります。
話し方とスライドを合わせる
スライドは、話し手の言葉と組み合わさって初めて伝わります。スライドの作り方と同じくらい、話し方との合わせ方も大切です。
発表者用のメモを使う
PowerPointやGoogleスライドには、スライドごとに話す内容のメモを書いておける欄があります。発表の画面では聞き手には見えず、話し手の画面にだけ表示させることもできます。スライドから外した詳しい説明や、数字の根拠、想定される質問への答えは、このメモの欄に書いておくと、スライドを詰め込まずに済みます。
スライドを読み上げない
スライドに書いた文字をそのまま読み上げると、聞き手は「読めば分かる」と感じて退屈します。スライドには要点だけを書き、口では、その要点の理由や具体例、聞き手にとっての意味を話します。スライドと話の役割を分けることで、聞き手は目と耳の両方から情報を受け取れます。
間をとる
スライドを切り替えた直後は、聞き手が新しいスライドを読むための時間です。切り替えてすぐに話し始めるのではなく、1〜2秒の間をとってから話し始めると、聞き手はスライドを読み終えてから話に集中できます。特に、グラフや図を見せるスライドでは、どこを見ればよいかを最初に伝えてから説明に入ります。
質問の時間を想定しておく
発表の後に質問の時間がある場合は、出そうな質問を3つほど考え、その答えを補足のスライドとして最後に用意しておきます。本編には入れなかった詳しいデータや、費用の内訳などを補足に回しておけば、質問が出たときにすぐ見せられ、本編を短く保てます。
仕上げに使う点検の項目
スライドを作り終えたら、発表や送付の前に、次の項目を1枚ずつ確かめます。作った本人は内容を知っているため、読みにくさや抜けに気づきにくいものです。点検の項目を決めておくと、見落としを減らせます。
内容の点検
- 表紙に、タイトル、発表者の名前と所属、日付が入っているか
- 各スライドのタイトルが、そのスライドで言いたいことになっているか
- 1枚に1つの話題になっているか
- 数字には単位と時点(いつの数字か)が書かれているか
- 引用した数字や図には、出典が書かれているか
- 最後のスライドで、聞き手にしてほしい行動が示されているか
見た目の点検
- 本文の文字が18ポイント以上あるか
- 使っている色が3つ程度に収まっているか
- 強調が1枚に1〜2か所までになっているか
- 文字や図の端がそろっているか
- 誤字や、全角と半角の混在がないか
動作の点検
発表で使うパソコンとは別のパソコンでスライドを作った場合は、本番のパソコンでファイルを開き、フォントが別の書体に変わってレイアウトが崩れていないか、動画や音声が再生できるかを確かめます。オンライン会議で画面を共有する場合は、事前に共有のテストをして、発表者用のメモが聞き手に見えてしまわないかも確かめておきます。
点検は、作った翌日など、少し時間をあけてから行うと、新しい目で見直せます。時間がないときは、同僚に5分だけ見てもらい、分かりにくかったスライドを1枚だけ教えてもらう方法も効果があります。
複数人でスライドを作るときの段取り
営業の提案資料や、部署をまたいだ報告会の資料は、複数人で分担して作ることがよくあります。このとき起きやすいのが、「誰がどのスライドを担当しているのか」「どこまで進んでいるのか」「修正の指示がどこにあるのか」が分からなくなることです。メールやチャットで修正の依頼が飛び交うと、最新の版がどれなのかも見失いがちです。
分担を決めるときは、まず全体の構成を1人が作り、スライドの範囲ごとに担当と期限を決めます。スライドマスターを先に共有しておくと、担当者ごとに見た目がばらばらになるのを防げます。ファイル自体は、PowerPointならOneDriveやSharePoint、GoogleスライドならGoogleドライブで共有すると、同じファイルを同時に編集できます。
担当と期限と進み具合を複数人で共有したい場合の選択肢の1つが、ボードで仕事を進めるプロジェクト管理のPinatecaです。公式の案内によると、Pinatecaではカンバン、ガントチャート、カレンダー、リストなど8種類のボードを無料のプランから使え、5人までのチームならボード10個まで無料と案内されています。スライドの範囲ごとに1枚のカードを作り、担当者と期限を付けて「作成中」「確認待ち」「修正中」「完成」のような列で動かすと、発表の前日に慌てて進み具合を聞いて回る必要がなくなります。カードには添付ファイルやコメントを付けられるので、修正の指示と、参考にする資料をそのスライドの担当カードにまとめて残せます。スライドの作成そのものはPowerPointやGoogleスライドで行い、作業の段取りだけをボードで管理する、という使い分けです。Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
スライド作りを仕事にする働き方
伝わるスライドを作る力は、社内で重宝されるだけでなく、仕事として外から依頼を受けることもできる技術です。業務委託の仕事を紹介するサイトでも、営業資料や提案書のデザイン、セミナーの投影資料の作成、既存の資料の作り直しといった依頼が見られます。
資料のデザインを請け負う仕事は、デザイナーの仕事の1つの分野です。デザイナーの報酬の水準は、デザイナーの年収・単価相場で、働き方ごとの相場を紹介しています。資料の中身の組み立てまで含めて、業務の改善やAIの活用を提案する仕事は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で、依頼の種類と求められる経験を紹介しています。市場の調査やデータの分析を資料にまとめる仕事は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事に含まれます。
在宅ワークとフリーランスの仲介を20年あまり続けてきた運営者として見てきた限りでは、資料作成の仕事を長く続けている人ほど、デザインの技術だけでなく、依頼主の目的と聞き手を最初に聞き出す力を持っています。きれいなスライドを作ることより、「誰に見せて、どうしてほしいのか」を依頼主と一緒に言葉にできることが、繰り返し頼まれる理由になっているようです。仲介の手数料が上乗せされない直接の取引であれば、依頼主は同じ予算で修正の回数を多めに頼みやすく、受ける側は手取りが厚くなるため、打ち合わせに時間をかけて目的をすり合わせる余裕も生まれます。
よくある質問
Q. スライドは何枚くらい作ればよいですか?
1枚あたり1分前後で話すと考え、発表の時間と同じくらいの枚数を目安にするのが一般的です。10分の発表なら10枚前後になります。表紙や最後のスライドは話す時間が短いため、本文のスライドを少し多めにしても構いません。枚数が多すぎると説明が駆け足になるので、通しで話して時間を測り、調整するのが確実です。
Q. スライドの文字のサイズは何ポイントにすればよいですか?
本文は18ポイント以上を目安にし、タイトルはそれより一回り大きくするのが基本です。Microsoftのサポートページも、読みやすいPowerPointのために18ポイント以上のゴシック体と十分な余白を使うことを案内しています。文字が入りきらないときは小さくするのではなく、情報を減らすかスライドを分けます。
Q. スライドの色は何色くらい使えばよいですか?
背景や本文に使うベースの色、見出しや図に使うメインの色、特に目立たせたい部分に使う強調の色の3つに絞ると、統一感のある資料になります。文字と背景の明るさの差をはっきりさせ、グラフは色だけでなく形やラベルでも区別すると、プロジェクターや小さな画面でも読みやすくなります。
Q. デザインが苦手でもきれいなスライドを作るこつはありますか?
文字や図の端をそろえる、関係のあるものを近づける、余白を残す、見出しの位置や色をすべてのスライドで同じにする、の4つを守るだけで整って見えます。スライドマスターで最初にフォントと色を決めておけば、1枚ずつ手で直す必要もありません。会社のひな型がある場合は、それを使うのが近道です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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