仕事の属人化を解消する進め方|手順の書き出しと引き継ぎの仕組みづくり

@SOHO編集部
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仕事の属人化を解消する進め方|手順の書き出しと引き継ぎの仕組みづくり

この記事のポイント

  • ✓仕事の属人化を解消する進め方を
  • ✓解消しないままのリスク
  • ✓業務の棚卸しから手順の書き出し

仕事の属人化とは、ある仕事のやり方や情報が特定の人の頭の中や手元にしかなく、その人がいないと仕事が止まってしまう状態のことです。属人化を解消するには、どの仕事が誰に依存しているかを書き出し、手順を誰でも読める形に残し、2人以上で回せる仕組みを作る、という3つの段階を、小さく区切って進めるのが近道です。

「担当者が休むと請求書が出せない」「前任者が辞めて、どこに何があるか分からない」「あの取引先のことは、あの人に聞かないと分からない」。こうした悩みは、会社の大きさに関係なく起こります。この記事では、属人化が起きる原因、解消しないままにしておくリスク、業務の棚卸しから手順の書き出し、引き継ぎと複数の担当で回す仕組みづくりまでを、小さな会社やチームでも続けられる形で説明します。仕事の手順や担当、期限をチームで見える形にする道具の選択肢の1つとして、ボードとチャットで仕事を管理できるPinatecaも紹介します。

属人化とは何か

属人化は、仕事が「人」に「属して」いる状態を表す言葉です。仕事のやり方、判断の基準、取引先との関係、ファイルの保存場所などが、特定の人しか分からない状態になっていることを指します。

属人化には、大きく分けて2つの種類があります。

種類 状態 例
手順の属人化 決まったやり方があるのに、それが書き残されておらず、担当者しか知らない 月末の請求書の発行の手順、給与の計算の手順、Webサイトの更新の手順
判断の属人化 経験に基づく判断が必要で、その判断の基準が担当者の頭の中にしかない 見積もりの金額の決め方、取引先ごとの対応の仕方、クレームへの対応

手順の属人化は、手順を書き出せば解消しやすいものです。一方、判断の属人化は、判断の基準そのものを言葉にするのが難しく、時間をかけて取り組む必要があります。自分の職場の属人化がどちらの種類なのかを見分けることが、解消に向けた最初の一歩になります。

似た言葉に「標準化」があります。標準化とは、仕事のやり方をそろえて、誰がやっても同じ結果になるようにすることです。属人化の解消は、標準化を進めることでもあります。

属人化が起きる原因

属人化は、誰かが意図して起こすものではありません。多くの場合、日々の仕事を回しているうちに、自然と進んでいきます。人材サービスのパーソルグループの解説では、属人化が起きる原因の1つとして、業務の負担の大きさを挙げています。

業務の負担が大きいことも、属人化が発生する原因です。 属人化による悪影響を理解しているとしても、各メンバーの業務の負担が大き過ぎるとマニュアルの作成やナレッジ共有を行う仕組みの構築、育成などに十分な時間をかけられません。 出典: persol-group.co.jp

このほかにも、属人化が起きやすい原因として、次のようなものがあります。

仕事を1人で任せる体制になっている

人手が少ない職場では、1つの仕事を1人に任せるのが自然です。経理は経理の担当者、Webサイトの更新はWeb担当、というように分けていくと、その仕事について知っている人は1人だけになります。任された人が仕事に慣れて手際よくこなすほど、ほかの人が関わる必要がなくなり、属人化が進みます。

やり方を書き残す習慣がない

仕事のやり方を書き残す時間が、仕事の時間として認められていない職場では、手順は担当者の記憶の中にとどまります。「書くより自分でやったほうが早い」と考えるのは自然なことで、担当者を責められる話ではありません。

情報の置き場所が決まっていない

ファイルを個人のパソコンや個人のクラウドの保存場所に保存している、取引先とのやり取りが担当者の個人のメールに残っている、といった状態では、担当者以外は情報にたどり着けません。

担当が長く変わらない

同じ人が何年も同じ仕事を担当していると、その間に仕事のやり方が少しずつ変わっても、変わったことを知っているのは担当者だけになります。最初に作った手順書があっても、実際のやり方とずれていき、気づいたときには手順書が役に立たなくなっています。担当を定期的に入れ替える仕組みがない職場ほど、こうしたずれが大きくなります。

担当者が自分の価値を守ろうとする

「この仕事は自分にしかできない」ことが、自分の評価や居場所を守ることにつながると感じている場合、やり方を共有することに抵抗を感じる人もいます。これは個人の問題というより、評価の仕組みの問題です。

やり方が複雑すぎる

長年の間に、例外の対応や細かい工夫が積み重なって、手順そのものが複雑になっていることもあります。担当者本人でさえ、なぜその手順になっているのかを説明できない場合もあります。

属人化を解消しないままのリスク

属人化をそのままにしておくと、次のようなリスクがあります。

担当者がいないと仕事が止まる

担当者が病気や家庭の事情で休んだとき、急に辞めたときに、仕事が止まります。月末の請求書が出せない、給与が期日に払えない、といったことが起きれば、取引先や従業員に直接の迷惑がかかります。

担当者に負担が集中する

その人にしかできない仕事が多いほど、その人は休みにくくなり、残業も増えます。負担が続けば、体調を崩したり、仕事を辞めたりするきっかけにもなり、そうなると属人化のリスクが一気に表に出ます。

ミスや不正に気づけない

仕事の中身を担当者しか知らないと、ミスがあっても、ほかの人が気づけません。お金を扱う仕事では、確かめる人がいない状態は、不正が起きても見つからない状態でもあります。

仕事の質が上がらない

1人のやり方がそのまま続くので、ほかの人の視点からの改善が入りません。もっと良いやり方があっても、気づく機会がありません。

人を増やしても戦力になるまで時間がかかる

新しく人が入っても、教えられる人が1人しかおらず、その人が忙しいと、教える時間が取れません。新しい人が仕事を覚えるまでの時間が長くなります。

属人化したままでよい仕事もある

すべての仕事の属人化を解消する必要はありません。むしろ、すべてを解消しようとすると、手間ばかりかかって続きません。

属人化したままでも大きな問題になりにくいのは、次のような仕事です。

  • 高い専門性が必要で、その人の経験と判断そのものが価値になっている仕事(例:デザインの方向性の判断、高度な技術の判断)
  • 頻度が低く、止まっても影響が小さい仕事
  • 近いうちになくなる予定の仕事

パーソルグループの解説でも、業務の棚卸しの際は、売上に直接結びつくコア業務と、売上には直結しないが事業に欠かせないノンコア業務に分けると整理しやすく、ノンコア業務はマニュアル化しやすいので、ノンコア業務から優先的に取り組むと効率よく属人化を解消できるとしています。

優先して解消したいのは、「止まったときの影響が大きい」「頻度が高い」「手順がある程度決まっている」の3つを満たす仕事です。請求書の発行、給与の計算、取引先への定期の報告、Webサイトの定期の更新などが代表的です。

職場ごとの属人化の例と、取り組み方

属人化は、どんな職場でも起こります。ここでは、よくある職場ごとの例と、取り組み方の例を紹介します。

経理や総務の仕事

経理や総務は、1人の担当者に任されることが多く、属人化が起きやすい仕事です。月末の請求、給与の計算、年に1回の手続きなど、決まった時期にしかやらない仕事は、担当者以外が覚える機会がありません。年に1回の仕事は、やったその日のうちに手順を書き残しておくと、翌年の担当者も、翌年の自分も助かります。

営業の仕事

営業では、取引先との関係そのものが担当者に属していることがよくあります。取引先の担当者の名前、過去の取引の経緯、好みや注意点が、営業担当の頭の中にしかないと、担当者が代わったときに関係が途切れます。取引先ごとに、過去のやり取りの要点と、次に連絡する予定を記録しておく習慣をつけると、引き継ぎがしやすくなります。

Webサイトや情報システムの仕事

Webサイトの更新や、社内のパソコンやネットワークの管理は、詳しい人が1人しかいないことが多い仕事です。ログインの情報や、契約しているサービスの一覧、更新の手順が担当者しか分からないと、その人がいないときに、サイトの不具合や機器の故障に対応できません。契約しているサービスの一覧と、ログインの情報の保管場所だけでも、まず共有しておきます。

医療機関や介護の事業所の受付や事務

病院や診療所、介護の事業所の受付や事務でも、特定の人しか分からない手続きがあると、その人が休んだ日に窓口が回らなくなります。医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)では、医療機関の受付や会計の仕事に必要な知識を確かめる資格を紹介しています。資格を持つ人が複数いるだけでも、基本の知識はそろいますが、施設ごとの決まりや手順は、施設の規程に沿って書き出して共有しておく必要があります。

小さな会社の代表者

意外と見落とされがちなのが、代表者への属人化です。取引先との契約、銀行とのやり取り、重要な判断が代表者に集中している会社は少なくありません。代表者が急に動けなくなったときに備えて、契約の一覧、取引先の連絡先、口座や重要な書類の保管場所だけでも、信頼できる人と共有しておくと安心です。

属人化を解消する進め方

ここからは、属人化を解消するための進め方を、5つの段階で説明します。一度に全部をやろうとせず、1つの仕事を選んで、5つの段階を最後まで通してから、次の仕事に移るのがこつです。

段階1:業務を棚卸しする

まず、チームの仕事をすべて書き出します。1人ずつ、自分が担当している仕事を、思いつく限り書き出してもらい、それを1つの表にまとめます。

列 書く内容
仕事の名前 「月末の請求書の発行」のように、具体的に
担当者 いま担当している人
頻度 毎日、毎週、毎月、年に1回など
かかる時間 1回あたりのおおよその時間
ほかにできる人 いないなら「なし」
止まったときの影響 大、中、小
手順の書き出し あり、一部、なし

この表ができると、「ほかにできる人がなし」で「止まったときの影響が大」の仕事が、優先して解消すべき仕事として浮かび上がります。

棚卸しのときに気をつけたいのは、担当者を責める場にしないことです。「なぜ書き残していないのか」ではなく、「チームとしてどこが危ないかを知るため」という目的を最初に伝えておきます。

段階2:優先する仕事を1つ選ぶ

表の中から、最初に取り組む仕事を1つ選びます。最初は、手順がある程度決まっていて、担当者の協力が得やすく、1か月ほどで成果が見える仕事を選ぶと、チームに「やればできる」という実感が生まれます。

段階3:手順を書き出す

選んだ仕事の手順を書き出します。書き出しの進め方は、次の節で詳しく説明します。

段階4:別の人がやってみる

書き出した手順を使って、担当者以外の人が実際にその仕事をやってみます。担当者は横で見守り、つまずいたところを記録します。手順書の中で分かりにくかったところ、書かれていなかった判断、使うファイルの場所などを、その場で手順書に書き加えます。

この段階を飛ばして、手順書を作っただけで終わりにしてしまうのが、最もよくある失敗です。書いた本人には分かる手順書でも、ほかの人が読むと分からないところが必ずあります。

段階5:2人で回す仕組みにする

別の人が1人でできるようになったら、その仕事を2人で交代で担当する仕組みにします。毎月交代する、主担当と副担当を決めて副担当も年に数回は担当する、といった形です。一度できるようになっても、何か月もやらないと忘れてしまうので、定期的に担当する機会を作っておくことが大切です。

手順を書き出すときのこつ

手順の書き出しは、属人化の解消の中心になる作業です。書き方しだいで、使える手順書になるかどうかが決まります。

担当者に書いてもらうのではなく、聞き取って書く

忙しい担当者に「手順書を書いてください」と頼んでも、なかなか進みません。担当者がその仕事をしているところに別の人が付き、「いま何をしていますか」「なぜその順番ですか」と聞きながら、聞き手が書き取るほうが早く進みます。画面の操作が中心の仕事なら、担当者の画面の動きを録画しておき、あとから手順に起こす方法もあります。

1つの手順に1つの動作

「請求書を作って送る」ではなく、「会計ソフトを開く」「請求書の画面で取引先を選ぶ」「金額を入力する」「上司に確認を依頼する」「PDFにしてメールで送る」のように、1つの手順に1つの動作を書きます。

判断の基準を書く

手順の途中で判断が必要なところは、判断の基準を書きます。「金額が10万円を超えたら上司の確認を受ける」「取引先から修正の依頼があったら、修正の内容をメモに残してから直す」のように、何を見て、どう判断するかを書きます。基準が言葉にできない判断は、「迷ったら〇〇さんに相談する」と、相談の相手を書いておきます。

ファイルの場所と、ログインの方法を書く

使うファイルの保存場所、使うシステムの名前と画面、ログインの方法(パスワードそのものではなく、パスワードの保管場所や申請の方法)を書きます。手順が分かっても、ファイルにたどり着けなければ仕事は進みません。

例外と、困ったときの連絡先を書く

よくある例外(取引先の締め日が違う、祝日にかかる、など)と、その対応を書きます。手順書に書いていないことが起きたときに、誰に連絡すればよいかも書いておきます。

更新した日と、更新した人を書く

手順書の最初に、最後に更新した日と、更新した人を書きます。古い手順書は、かえって混乱のもとになります。仕事のやり方を変えたら手順書も直す、という決まりにしておきます。

手順書の例

手順の書き出しのこつを、実際の手順書の形で示します。小さな会社の「月末の請求書の発行」を例にした手順書です。

月末の請求書の発行 最終更新:10月31日(更新した人:経理の担当) 目的:その月に納品した仕事の請求書を、取引先ごとの締め日までに送る 対象:毎月の最終営業日の前日から始める

  1. 共有のフォルダの「納品の記録」の表を開き、その月に納品済みになっている行を確かめる
  2. 会計ソフトにログインする(ログインの方法は、共有のパスワードの保管場所の「会計ソフト」の項目を見る)
  3. 請求書の作成の画面で、取引先を選び、納品の記録の表の金額と内容を入力する
  4. 金額が10万円を超える請求書は、PDFにする前に上司に確認を依頼する
  5. 確認が済んだら、請求書をPDFにして、共有のフォルダの「請求書」の中の、その月のフォルダに保存する
  6. 取引先の請求書の送り先にメールで送る(送り先は「取引先の一覧」の表の「請求書の送り先」の列を見る)
  7. 納品の記録の表の「請求済み」の列に、送った日を入力する

例外の対応:

  • 取引先の締め日が月末でない場合は、「取引先の一覧」の「締め日」の列に従う
  • 最終営業日が祝日にかかる場合は、前の営業日に送る
  • 金額や内容について取引先から問い合わせがあった場合は、上司に相談してから返事をする

困ったときの連絡先:経理の担当、不在の場合は上司

このように、目的、手順、例外、連絡先、更新した日がそろっていれば、担当者以外の人でも、手順書を見ながら仕事を進められます。最初からこの形で書けなくても、別の人がやってみる段階で足りないところを書き加えていけば、だんだんこの形に近づきます。

判断の属人化に取り組む

手順の属人化に比べて、判断の属人化は解消に時間がかかります。経験に基づく判断は、本人も言葉にしにくいからです。それでも、少しずつ共有していく方法はあります。

判断の理由を記録する

判断をしたときに、その理由を短く記録しておきます。「A社の見積もりは、前回の取引の実績と、今回の納期の短さを考えて、通常より1割高くした」のように書いておくと、似た判断が必要になったときに、ほかの人が参考にできます。記録がたまると、判断の傾向が見えてきて、基準として整理できるようになります。

一緒に判断する機会を作る

経験のある人が判断するときに、ほかの人も同席し、どこを見て、何を考えているかを聞きます。最初は横で聞き、次は意見を言い、やがて自分で判断して経験のある人に確かめてもらう、という順で、判断を少しずつ移していきます。

仕事に必要な能力を整理する

判断に必要な知識や技能を整理するときには、公的な基準を参考にする方法もあります。厚生労働省の職業能力評価基準は、仕事をこなすために必要な知識と技術・技能、成果につながる行動の例を、業種や職種ごとに整理したものです。業種を横断する事務の職種のほか、さまざまな業種の基準が公開されていて、各企業で調整して使うよう案内されています。自分たちの仕事に必要な能力を書き出すときの、ひな形として使えます。

解消が進んでいるかを確かめる

属人化の解消は、目に見える成果が出にくい取り組みなので、進み具合を数字で確かめると、続ける力になります。段階1で作った棚卸しの表を使えば、次のような数字を、3か月ごとに確かめられます。

  • 「ほかにできる人」がいる仕事の割合
  • 手順の書き出しが「あり」になっている仕事の割合
  • 止まったときの影響が「大」で、ほかにできる人が「なし」の仕事の数

たとえば、最初の棚卸しで、影響が大きくほかにできる人のいない仕事が12個あったなら、3か月後に8個、半年後に4個、と減っていくのが見えると、取り組みの成果をチームで実感できます。担当者が休んだときに仕事が止まった回数を記録しておくのも、分かりやすい確かめ方です。

引き継ぎの仕組みづくり

属人化が最も大きな問題になるのは、担当者が異動したり、辞めたりするときです。引き継ぎの時期になって慌てないよう、ふだんから引き継ぎやすい状態を作っておきます。

引き継ぎの一覧をふだんから作っておく

担当している仕事の一覧、それぞれの手順書の場所、関係する取引先と連絡先、進行中の案件の状況を、ふだんから1か所にまとめておきます。段階1で作った棚卸しの表を、毎月更新するだけでも、引き継ぎの準備になります。

進行中の案件の状況を、いつでも見える形にしておく

手順書があっても、進行中の案件がどこまで進んでいるかが分からなければ、引き継いだ人は困ります。案件ごとに、いまの状態、次にやること、期限、関係する人を、チームが見られる場所に記録しておきます。

引き継ぎの期間に、一緒にやる時間を取る

引き継ぎの期間には、書類を渡すだけでなく、前任者と後任者が一緒に仕事をする時間を取ります。手順書を見ながら後任者が実際にやってみて、前任者がつまずいたところを補う、という段階4と同じ進め方が効果的です。

取引先にも伝える

担当者が代わることを、取引先に早めに伝え、後任者を紹介します。前任者が辞めたあとで取引先から前任者の個人のメールに連絡が来る、ということがないよう、連絡先を共通の窓口に切り替えておきます。

在宅勤務で属人化が進みやすい理由

在宅勤務やテレワークが広がった職場では、属人化が以前より進みやすくなっています。同じ事務所にいれば、隣の席の人が何をしているかが自然と目に入り、困っていればすぐに声をかけられました。離れて働くと、こうした自然な情報の共有がなくなり、仕事のやり方がそれぞれの家のパソコンの中で閉じてしまいます。

在宅勤務で属人化を防ぐには、次のような工夫が役立ちます。

  • ファイルは個人のパソコンではなく、チームの共有の保存場所に保存する決まりにする
  • 仕事の相談や決まったことは、個人どうしのメッセージではなく、チームが見られる場所に書く
  • 担当している仕事と、その日の作業の予定を、チームが見られる場所に共有する
  • 週に1回、短い時間でよいので、各自が担当している仕事の状況を話す場を作る

在宅勤務の環境を整えるための制度として、テレワークの導入を支援する助成金もあります。テレワーク 助成金 2026では、テレワークの導入に使える助成金の制度を紹介しています。道具や環境を整えるときに、情報の共有の仕組みもあわせて見直すと、属人化を防ぐことにもつながります。

仕事を見える形にする道具

属人化を解消するには、仕事の一覧、手順書、進行中の案件の状況、担当と期限を、チームの誰もが見られる場所にまとめておく必要があります。紙のファイルや共有のスプレッドシートでも始められますが、仕事の数が増え、在宅で働く人が増えると、更新が追いつかなくなります。

チームの仕事を見える形にする道具の選択肢の1つが、Pinatecaです。公式サイトによると、Pinatecaにはカンバン、ガント、カレンダー、リスト、ディスカッション、グリッド、時間割、リソースの8種類のボードがあります。毎月の定型の仕事をカードにして担当と締切を付ければ、誰が何をいつまでにやるかを、チーム全員が同じ画面で確かめられます。カードごとのコメントとワークスペースごとのチャットで、仕事についてのやり取りをその仕事のすぐ隣に残せるので、あとから担当になった人も経緯をたどれます。リソースのボードでは人やチームごとに負荷の偏りを見られるので、1人に仕事が集中していないかを確かめる使い方もできます。⌘Kでカード、コメント、添付をまたいで検索できるので、過去の決定を探すのにも役立ちます。5人までのチームならボード10個まで無料で、6人目または11個目のボードからはスタンダードプラン(1人あたり月額500円・税抜、年払いなら1人あたり月額400円)になります。

Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

道具を入れる前に、段階1の棚卸しと、最初の1つの仕事の手順の書き出しを済ませておくことをおすすめします。何を見える形にしたいのかが決まっていないまま道具を入れても、ボードに仕事が並ぶだけで、誰も更新しなくなりがちです。

小さな会社で続けるための工夫

属人化の解消は、一度やって終わりではなく、続けることが大切です。人手の少ない小さな会社でも続けられるよう、いくつかの工夫を紹介します。

時間を仕事として確保する

手順書の作成や、別の人が仕事をやってみる時間を、仕事の時間として認め、予定に入れます。「手が空いたらやる」としていると、手が空くことはありません。たとえば、毎週金曜日の午後の1時間を、手順の書き出しの時間と決めてしまう方法があります。

書き出した人を評価する

手順を共有した人、別の人に仕事を教えた人を、きちんと評価します。「自分にしかできない仕事」を持っていることより、「自分の仕事をほかの人にもできるようにした」ことを評価する、と伝えることで、共有への抵抗が減ります。

完璧を目指さない

最初の手順書は、粗くても構いません。別の人がやってみて、足りないところを書き加えていけば、だんだん使える手順書になります。完璧な手順書を作ろうとして何か月も止まるより、粗い手順書を1週間で作って使い始めるほうが、ずっと早く属人化を減らせます。

外部の力を借りる

人手が足りず、社内だけでは書き出しの時間が取れない場合は、外部の人に手伝ってもらう方法もあります。手順の聞き取りと書き出しを業務委託で頼む、定型の仕事そのものを外部に任せる、といった方法です。ただし、外部に任せる場合も、仕事の手順と判断の基準を社内で把握しておかないと、今度は外部の人に属人化してしまいます。任せる前に手順を書き出し、定期的に報告を受ける形にしておきます。

属人化の解消を支える仕事と、外部に任せるときの視点

最後に、属人化の解消や業務の見直しに関わる仕事を見ておきます。

業務の見直しにAIを取り入れる動きも広がっています。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、企業の業務にAIを取り入れる支援の仕事を紹介しています。手順が書き出されている仕事ほど、AIや自動化の道具に任せやすくなるので、属人化の解消は、業務の効率化の土台にもなります。製造業での取り組みについては、製造業のAI活用ガイド2026|人手不足を解消する5つの導入事例で、人手不足の現場でAIを取り入れた事例を紹介しています。

社内の仕組みをシステムにする仕事では、まず業務の流れを書き出すところから始まります。アプリケーション開発のお仕事では、業務のためのアプリやWebサービスを作る仕事を紹介しています。

会社全体の業務の見直しを支援する立場では、経営の視点が欠かせません。中小企業診断士は、中小企業の経営を診断し、助言する国家資格で、業務の流れの整理や改善を支援する仕事につながります。

2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営者として見てきた限りでは、外部の人に仕事をうまく任せられている会社ほど、任せる前に手順と判断の基準を書き出しています。手順が書き出されていれば、新しく仕事を頼む相手にも短い時間で伝えられ、相手が代わっても仕事が止まりません。逆に、頼む側が仕事の中身を説明できないまま任せると、受けた人に仕事が属人化し、その人がいなくなったときに困ります。仲介の手数料がかからない直接の取引では、依頼する側と受ける側が手順書を直接やり取りしながら仕事を進められるので、引き継ぎの手間が減り、受ける側の手取りも厚くなります。属人化の解消は、社内のためだけでなく、外部の人と長く組むための準備でもあります。

よくある質問

Q. 属人化とは、どういう意味ですか?

ある仕事のやり方や情報が特定の人の頭の中や手元にしかなく、その人がいないと仕事が止まってしまう状態のことです。手順が決まっているのに書き残されていない「手順の属人化」と、経験に基づく判断の基準が担当者の頭の中にしかない「判断の属人化」の2つに分けて考えると、解消の進め方を決めやすくなります。

Q. 属人化を解消するには、何から始めればよいですか?

まず、チームの仕事をすべて書き出す棚卸しから始めます。仕事ごとに、担当者、頻度、ほかにできる人がいるか、止まったときの影響を表にまとめると、優先して取り組む仕事が見えてきます。そのうえで、1つの仕事を選び、手順を書き出し、別の人が実際にやってみて、2人で回す仕組みにする、という順で進めます。

Q. 属人化はすべて解消しなければいけませんか?

すべてを解消する必要はありません。高い専門性が必要でその人の判断そのものが価値になっている仕事、頻度が低く止まっても影響が小さい仕事、近いうちになくなる仕事は、後回しにしても大きな問題になりにくいものです。止まったときの影響が大きく、頻度が高く、手順がある程度決まっている仕事から優先して取り組みます。

Q. 手順書を作っても使われないのはなぜですか?

よくある原因は、書いた本人にしか分からない手順書になっていることと、更新されずに古くなっていることです。作ったあとに担当者以外の人が実際にその手順でやってみて、分かりにくいところを書き加えると、使える手順書になります。最後に更新した日を書き、仕事のやり方を変えたら手順書も直す決まりにしておくことも大切です。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月9日最終更新:2026年10月19日
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

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