ナレーションを1本だけ収録してほしい|動画用ボイスの相場と依頼の流れ 2026

中西 直美
中西 直美
ナレーションを1本だけ収録してほしい|動画用ボイスの相場と依頼の流れ 2026

この記事のポイント

  • ナレーション収録を1本だけ外注したい発注者向けに
  • 失敗しない選び方を解説します
  • 動画用ボイスの費用感を知りたい方はぜひ参考にしてください

「動画に使うナレーションを1本だけ収録してほしいけれど、料金の相場が分からない」。そんなご相談を、私はカウンセリングの現場でもよく耳にします。会社紹介動画、商品説明動画、研修用のeラーニング教材。ちょっとしたナレーションが必要な場面は多いのに、いざ外注しようとすると「いくら払えばいいのか」「どこに頼めばいいのか」が全く見えてこない。この記事では、ナレーション収録の料金相場と依頼の流れを、発注する立場に立ってできるだけ具体的にお伝えします。

ナレーション収録料金の市場動向とマクロ視点

ナレーション市場は、動画コンテンツの爆発的な増加とともに拡大を続けています。企業のプロモーション動画、YouTube広告、社内研修、eラーニング教材。あらゆる場面で「人の声」が求められるようになり、ナレーターへの発注ニーズは年々高まっています。

一方で、料金の付け方は業界としてまだ標準化されていません。大手のナレーション制作会社は10万円前後からのパッケージ料金を提示することが多く、個人のフリーランスナレーターへ直接依頼すると数千円から数万円という幅広いレンジで収まることが一般的です。この価格差の正体は、実は「誰が」「どこまでの工程を」担当するかの違いにほぼ集約されます。

この記事では、外注先別のナレーション料金の相場や、ナレーション収録を成功させるコツをご紹介します。はじめてナレーターを手配する方は、ぜひ参考にしてください。

出典: voice-mart.jp

企業の発注担当者にとって重要なのは、この価格差の理由を理解したうえで、自社の予算と目的に合った依頼先を選ぶことです。「安ければいい」でも「高ければ安心」でもなく、必要な工程と品質を見極めることが、失敗しない外注の第一歩になります。

ナレーション収録の外注先は大きく3種類に分かれる

ナレーション収録を外注する場合、依頼先は主に「制作会社」「マッチングサイト」「フリーランスへの直接依頼」の3つに分かれます。それぞれ料金と対応範囲が大きく異なるため、まずこの違いを理解しておくことが大切です。

制作会社に依頼する場合の相場

ナレーション制作を専門とする制作会社に依頼すると、企画・台本チェック・ナレーター選定・収録・編集・納品までをワンストップで請け負ってくれます。相場は5万円〜数十万円と幅広く、動画の長さや納品形式、修正回数によって大きく変動します。

ナレーターの手配から収録、編集まで含めると1時間の相場が7万円、ナレーターの手配のみだと1時間5万円程度が相場でしょう。なお、拘束時間が3時間だと、ナレーション尺は10分〜30分程度になる見込みです。

出典: voice-mart.jp

制作会社に依頼するメリットは、企画から納品まで丸ごと任せられる安心感です。台本作成が苦手な担当者や、修正のやり取りを社内で完結させたくない場合には向いています。ただし、その分、料金には制作会社のディレクション費や仲介マージンが上乗せされている点は理解しておく必要があります。

マッチングサイト経由で依頼する場合の相場

ナレーター専用のマッチングサイトを使うと、制作会社よりも安く、かつナレーターを直接指名できるケースが増えます。相場は1万円〜5万円程度で、短尺のナレーションであればさらに安く収まることもあります。

日本語400文字程度のナレーションを収録するケースであれば、費用を1万円〜3万円くらいに抑えられることもあります。

出典: voice-mart.jp

マッチングサイトのメリットは、ナレーターのサンプルボイスを事前に聴いて選べることです。声のトーンや読み方の癖を確認してから依頼できるため、イメージと違う仕上がりになるリスクを減らせます。ただし、サイトによっては利用手数料が別途かかる場合があるため、見積もりの内訳をよく確認する必要があります。

フリーランスに直接依頼する場合の相場

フリーランスのナレーターへ直接依頼する場合、相場は3,000円〜3万円程度に収まることが多く、3種類の依頼方法の中で最も費用を抑えやすい選択肢です。理由はシンプルで、制作会社やマッチングサイトの仲介マージンが乗らないためです。

在宅ワーク求人サービスを通じてフリーランスナレーターへ直接依頼すれば、手数料0%で収録費用の全額がナレーター本人に渡ります。同じ予算でより長い尺を依頼できたり、より経験豊富なナレーターに依頼できたりする余地が生まれます。1本だけの単発収録であれば、この直接依頼の選択肢を検討する価値は十分にあります。

ナレーション収録費用の内訳を理解する

料金相場を見るだけでなく、その内訳を理解しておくと、見積もりを比較するときに何を基準に判断すればいいかが分かります。ナレーション収録費用は、大きく分けて次の4つの要素で構成されています。

収録尺(時間・文字数)による変動

最も基本的な料金の決定要素は、収録するナレーションの長さです。多くのナレーターは「1分あたり」や「400文字あたり」といった単位で料金を設定しています。動画の尺が長くなるほど、当然ながら収録費用も高くなります。1本だけの短いナレーションであれば、最低料金(いわゆる「1本あたりの下限単価」)が設定されているケースも多いので、事前に確認しておきましょう。

収録環境・機材による変動

自宅の防音環境で収録する「宅録」タイプのナレーターは、スタジオを借りて収録するタイプよりも料金を抑えられる傾向にあります。逆に、プロ用の収録スタジオを使う場合は、スタジオ使用料が上乗せされるため料金は高くなります。動画用のナレーションであれば、宅録品質でも十分なクオリティが確保できることが多く、コストを抑えたい発注者には宅録タイプのナレーターがおすすめです。

編集・ミックス作業の有無

収録した音声をそのまま納品するのか、BGMや効果音とミックスして仕上げるのかによっても料金は変わります。編集作業を含める場合は追加料金が発生するのが一般的です。動画編集は自社で行い、ナレーション音声だけを納品してもらう形であれば、その分費用を抑えられます。

修正・リテイクの回数

台本の読み間違いや、イントネーションの修正依頼(リテイク)は、契約時に「何回まで無料」という取り決めをしておくのが安心です。無制限に修正を依頼できるわけではないため、見積もり段階で修正回数の上限を確認しておくことがトラブル回避につながります。

発注者が失敗しないナレーション依頼のコツ

ナレーション収録を外注するとき、多くの発注者が同じようなポイントでつまずきます。ここでは、失敗を避けるための実務的なコツを紹介します。

台本は事前に完成させておく

収録当日になって台本を修正すると、ナレーターの読み直しが発生し、追加料金や納期の遅れにつながります。台本は収録依頼をする前に、社内で最終確認まで済ませておくのが鉄則です。専門用語や固有名詞の読み方に不安がある場合は、ふりがなを振っておくと、収録現場での確認の手間を減らせます。

サンプルボイスを必ず聴いてから依頼する

ナレーターごとに声のトーン、話す速度、抑揚の癖は大きく異なります。文字だけの依頼で「明るい感じで」と伝えても、イメージ通りの声が届くとは限りません。マッチングサイトやフリーランスの求人サービスでは、多くのナレーターがサンプル音声を公開しています。必ず事前に聴いて、動画のトーンに合う声かどうかを確認しましょう。

見積もりは複数社(複数人)から取る

料金相場に幅がある以上、1社だけの見積もりで決めてしまうと、相場より高い金額を払っているのか、逆に相場より安い分クオリティに不安があるのか、判断がつきません。少なくとも2〜3件から見積もりを取り、内訳を比較したうえで依頼先を決めることをおすすめします。

私自身、初めてナレーションを外注したときは、1社だけの見積もりを見て「相場はこんなものか」と即決してしまいました。後から他の見積もりを取ってみると、同じ収録時間で3割近く安いプランを提示するナレーターもいて、比較していれば防げた出費だったと反省したことがあります。見積もりの比較は、面倒でも必ず行うべき工程です。

納品形式を最初に指定する

WAV形式かMP3形式か、サンプリングレートはどうするか。動画編集ソフトによって求められる音声フォーマットは異なります。収録前に納品形式を明確に伝えておかないと、後から変換作業が発生し、余計な時間とコストがかかることがあります。

動画の種類別に見るナレーション費用の目安

ナレーション費用は、動画の用途によっても相場感が変わってきます。ここでは代表的な動画の種類ごとに、費用の目安を整理します。

企業紹介・会社案内動画のナレーション

企業紹介動画は、比較的短尺(1〜3分程度)で、落ち着いたトーンのナレーションが求められることが多い分野です。フリーランスへの直接依頼であれば5,000円〜2万円程度が目安になります。

商品紹介・EC向け動画のナレーション

EC(電子商取引)サイトで使う商品紹介動画は、テンポの良い読み方や、購買意欲を高めるような抑揚が求められます。尺も短い場合が多く、3,000円〜1万5,000円程度で収まるケースが一般的です。

研修・eラーニング教材のナレーション

社内研修やeラーニング教材のナレーションは、聞き取りやすさと正確性が最優先されます。尺が長くなりやすいため、費用も1万円〜5万円と幅が出やすい分野です。専門用語が多い場合は、事前に読み方リストを用意しておくと、収録がスムーズに進みます。

YouTube広告・SNS動画のナレーション

短尺(15秒〜1分程度)のSNS向け動画は、費用も比較的抑えやすく、3,000円〜1万円程度で依頼できることが多い分野です。若い世代向けの動画であれば、明るくフレンドリーなトーンのナレーターを選ぶことが重要になります。

ナレーション収録依頼の流れ(発注者向け)

実際にナレーション収録を依頼する際の、基本的な流れを整理しておきます。

ステップ1:台本の準備

まず、収録してほしい内容を台本として完成させます。読み方に迷う箇所には、ふりがなや読み方の指定を添えておきましょう。

ステップ2:ナレーター(または制作会社)の選定

サンプルボイスを聴きながら、動画のトーンに合うナレーターを選びます。複数の候補から見積もりを取り、料金と対応内容を比較します。

ステップ3:見積もり・発注内容の確定

収録尺、納品形式、修正回数の上限、納期を明確にしたうえで正式に発注します。この段階で口頭ではなく、テキストで内容を残しておくと、後のトラブルを防げます。

ステップ4:収録・納品

ナレーターが収録を行い、指定の形式で音声データが納品されます。宅録の場合はオンラインでのやり取りのみで完結することがほとんどです。

ステップ5:確認・修正依頼

納品された音声を確認し、修正が必要であれば契約範囲内でリテイクを依頼します。動画編集ソフトに取り込んで、実際の映像と合わせて最終チェックを行いましょう。

発注者データ考察と直接依頼のメリット・デメリット

ここまで見てきたように、ナレーション収録の費用は依頼先によって大きく異なります。特に注目すべきは、フリーランスへの直接依頼が持つコストメリットです。

在宅ワーク求人サービスを使ってフリーランスナレーターへ直接依頼する場合の最大のメリットは、手数料0%で予算をそのままナレーターへの報酬に充てられる点です。制作会社を経由すると、ディレクション費や管理費が上乗せされるため、同じ品質のナレーションでも総額が高くなりがちです。直接依頼であれば、その差額分をより経験豊富なナレーターの起用や、収録尺を伸ばす予算に回すことができます。

一方でデメリットも存在します。直接依頼の場合、台本の読み方の細かい調整や、収録後のミックス作業といった工程を発注者側である程度managementする必要があります。制作会社のように「丸投げ」できる安心感は薄れるため、ある程度の準備と確認の手間は発生します。この点は、依頼前に理解しておくべき注意点です。

20年この市場を見てきた立場から言えば、ナレーション収録に限らず、単発の外注で長く良い関係を築ける発注者ほど、依頼内容を明確に言語化する習慣を持っています。「明るい感じで」ではなく「30代の女性がやや早口で読むイメージ」といった具体的な言葉で伝えられる発注者は、ナレーターとの認識のズレが少なく、リテイクの回数も自然と減っていきます。

また、運営者として見てきた限りでは、中間マージンが乗らない直接取引には、依頼者・受注者の双方にとって得をする構造があります。同じ予算で依頼者はより経験のあるナレーターに依頼でき、受け手であるナレーターは手取りが厚くなる。この双方向のメリットは、額面の金額だけを見ていると気づきにくいものです。1本だけの単発収録であっても、この構造を理解したうえで依頼先を選ぶことは、長期的に見て発注者にとって有益な判断になるはずです。

ナレーション収録の外注先を探す際は、ナレーション・声優・アフレコのお仕事のページで、実際にどのようなナレーターが在籍しているかを確認できます。声のサンプルや対応可能なジャンルを事前に把握しておくと、依頼先選びの判断材料になります。

動画制作の周辺業務まで一括で外注を検討している場合は、作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事のページも参考になります。ナレーションとBGM・効果音を別々の専門家に依頼することで、それぞれの品質を高めながら、全体のコストをコントロールしやすくなります。

さらに、動画に関連するマーケティング業務まで外注範囲を広げたい場合は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事のページで、動画公開後のプロモーション業務まで含めた外注先を探すことも可能です。ナレーション収録単体の依頼から、動画の企画・運用まで、必要な範囲を見極めながら外注先を組み立てていくことが、費用対効果を高める近道になります。

よくある質問

Q. ナレーションを1本だけ依頼する場合、最低料金はいくらですか?

フリーランスへの直接依頼であれば3,000円程度から依頼できるケースが多いです。ただし、収録尺やナレーターの経験によって変動するため、複数の見積もりを取って比較することをおすすめします。

Q. 収録後の修正(リテイク)は追加料金がかかりますか?

契約時に「無料修正は何回まで」と取り決めておくのが一般的です。上限を超える修正には追加料金が発生することが多いため、発注前に必ず確認しておきましょう。

Q. 制作会社とフリーランスへの直接依頼、どちらを選ぶべきですか?

企画から納品まで丸ごと任せたい場合は制作会社、費用を抑えつつ自社である程度管理できる場合はフリーランスへの直接依頼が向いています。予算と社内のリソースを踏まえて判断するとよいでしょう。

Q. ナレーターに読み方の指示をどう伝えればよいですか?

「明るい感じで」といった抽象的な表現より、「30代女性がやや早口で読むイメージ」のように具体的に言語化して伝えると、イメージのズレが少なくなります。専門用語にはふりがなを添えておくとさらに安心です。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年5月12日最終更新:2026年7月29日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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