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SCAMPERとは|7つの問いでアイデアを広げる発想法

@SOHO編集部
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SCAMPERとは|7つの問いでアイデアを広げる発想法

この記事のポイント

  • ✓置き換える・組み合わせる・応用する・変更する・ほかの使い道・取り除く・並べ替えるの7つの問いで
  • ✓今ある商品やサービスからアイデアを広げる発想法です
  • ✓7つの問いの意味と問いかけの例

SCAMPER(スキャンパー)とは、今ある商品やサービス、仕事の進め方に7つの問いを投げかけて、新しいアイデアを広げる発想法です。「何か新しいアイデアを出して」と言われても手が止まってしまう人でも、決まった問いに順番に答えていけば、アイデアの候補を短い時間で数多く出せるのが特徴です。

この記事では、SCAMPERの7つの問いの意味と、それぞれの問いかけの例を最初に説明し、1人で行う場合とチームで行う場合の進め方を紹介します。そのうえで、架空のパン店と社内の業務改善を例にした使い方、メリットとデメリット、うまくいかないときの工夫、出たアイデアを実行まで進める方法を整理します。アイデアの実行を担当と期限つきで進める道具として、プロジェクト管理ツールのPinatecaにも後半で触れます。

SCAMPERとは何か

SCAMPERは、アイデアを考えるときの7つの観点の英語の頭文字を並べた言葉です。広告の世界でブレインストーミングを広めたアレックス・オズボーンの「オズボーンのチェックリスト」をもとに、ボブ・エバールが7つの問いに整理したものとして知られています。

英語のscamperという単語には、「跳ね回る」「走り回る」という意味があります。

to scamper about 出典: ejje.weblio.jp

辞書の例文にあるように、scamperは子どもや小さな動物があちこち跳ね回る様子を表す言葉です。考えがあちこちに跳ね回るように、自由にアイデアを広げる、という発想法の性格とも重なる名前です。

ゼロから考えないのが最大の特徴

SCAMPERの最大の特徴は、何もないところから考えるのではなく、今あるものを出発点にすることです。「新しい商品を考える」のは難しくても、「今の商品の材料を置き換えるとしたら」と問われれば、答えは出しやすくなります。問いが考える方向を決めてくれるため、発想が得意でない人でも、一定の数のアイデアを出せます。

どんな場面で使われるか

SCAMPERは、次のような場面でよく使われます。

  • 既存の商品やサービスの改良を考えるとき
  • 新しい商品の企画で、たたき台を作るとき
  • 社内の業務の進め方を見直すとき
  • 販売の方法や、宣伝の方法を見直すとき
  • 自分の仕事のサービス内容を広げたいとき

特に、改良や改善の場面に向いています。すでに形のあるものを、違う角度から見直すための道具だと考えると使いやすくなります。準備するものも紙とペンだけで足りるため、会議の冒頭の10分を使って試すといった、気軽な取り入れ方もできます。

7つの問いの意味と問いかけの例

SCAMPERの7つの問いと、それぞれの問いかけの例を整理します。

頭文字 英語 意味 問いかけの例
S Substitute 置き換える 材料、人、場所、方法をほかのものに置き換えられないか
C Combine 組み合わせる ほかの商品やサービス、機能と組み合わせられないか
A Adapt 応用する ほかの分野のやり方や、過去の成功例を取り入れられないか
M Modify 変更する 形、色、大きさ、量、頻度を変えられないか
P Put to other uses ほかの使い道 別の用途や、別の相手に使えないか
E Eliminate 取り除く 省ける部分、なくしても困らない部分はないか
R Rearrange / Reverse 並べ替える・逆にする 順番や配置を入れ替えたり、逆にしたりできないか

S:置き換える

置き換えるの問いは、今の商品やサービスを構成している要素を、別のものに替えられないかを考えます。材料、部品、担当する人、提供する場所、使う道具、手順など、置き換えられる要素はたくさんあります。たとえば、紙の申込書をオンラインのフォームに置き換える、店頭の対面の相談をビデオ通話に置き換える、といった考え方です。

C:組み合わせる

組み合わせるの問いは、2つ以上のものを合わせて、新しい価値を作れないかを考えます。商品どうし、サービスどうし、機能どうし、あるいは商品とサービスを組み合わせることもあります。たとえば、商品の販売と使い方の講座を組み合わせる、2つの部署の会議を1つにまとめる、といった考え方です。

A:応用する

応用するの問いは、ほかの分野や、ほかの会社、過去の事例のやり方を、自分の題材に取り入れられないかを考えます。まったく違う業界のやり方が、ヒントになることがよくあります。たとえば、飲食店の予約の仕組みを、相談の仕事の受付に取り入れる、といった考え方です。

M:変更する

変更するの問いは、形や色、大きさ、量、頻度、速さなどを変えてみることを考えます。大きくする(Magnify)、小さくする(Minify)の観点を含めて説明されることもあります。たとえば、商品を小分けにする、サービスの提供の回数を月1回から週1回に変える、といった考え方です。

P:ほかの使い道

ほかの使い道の問いは、今の商品やサービス、技術を、別の用途や別の相手に使えないかを考えます。もともと想定していなかった使い方が、新しい市場につながることがあります。たとえば、社内で使っている研修の資料を、取引先向けの講座に使う、といった考え方です。

E:取り除く

取り除くの問いは、なくしても困らない部分、省ける手順を探します。機能を減らすことで、使いやすさが上がったり、費用が下がったりすることがあります。たとえば、使われていない報告書をやめる、商品の機能を絞って価格を下げる、といった考え方です。

R:並べ替える・逆にする

並べ替える・逆にするの問いは、順番や配置を入れ替えたり、立場や流れを逆にしたりできないかを考えます。たとえば、代金を後払いから先払いに変える、お客様に来てもらうのではなく自分が出向く、といった考え方です。

7つの問いに共通するコツ

7つの問いは、きれいに分けて考える必要はありません。「置き換える」で出たアイデアが「組み合わせる」にも当てはまることはよくあります。どの問いに入るかで迷う時間はもったいないため、思いついたアイデアは、近いと感じた問いの欄にすぐ書いておきます。また、1つの問いで出すアイデアの数を、最初から3つ以上と決めておくと、すぐに思いつく当たり前の答えの先まで考えを進められます。アイデアの質は、数を出したあとに選ぶ段階で高めればよいと考えるのが、SCAMPERを使いこなすうえでの基本の姿勢です。

SCAMPERの進め方

1人で行う場合

1人でSCAMPERを行う場合は、次の手順で進めます。

  1. 題材を1つに決める(例:自分が提供しているサービス、今の仕事の手順)
  2. 題材の要素を書き出す(誰に、何を、どこで、どうやって、いくらで、いつ)
  3. 7つの問いを1つずつ当てはめ、思いついたアイデアをすべて書き出す
  4. 出たアイデアを見直し、実行できそうなものに印をつける
  5. 印をつけたアイデアを、試す順番に並べる

1つの問いにかける時間を5分程度と決めて進めると、全体で40分ほどで一通り終わります。時間を区切ることで、1つの問いで考え込みすぎるのを防げます。

チームで行う場合

チームで行う場合は、全員が同じ題材について7つの問いを考え、アイデアを出し合います。

  1. 進行役を決め、題材と目的を全員で確かめる
  2. 問いごとに数分間、各自が付箋や共有の画面にアイデアを書く
  3. 書いたアイデアを順番に発表し、似たものをまとめる
  4. 7つの問いを終えたら、全体を見て有望なアイデアを選ぶ
  5. 選んだアイデアについて、誰が、いつまでに、何を試すかを決める

チームで行うときに大切なのは、アイデアを出している間は良し悪しを判断しないことです。ブレインストーミングと同じく、出たアイデアを否定すると、他の人が意見を出しにくくなります。判断は、すべての問いを終えたあとにまとめて行います。

ワークシートの作り方

SCAMPERのワークシートは、紙でも表計算ソフトでも簡単に作れます。縦に7つの問いを並べ、横に「問いかけ」「出たアイデア」「実行のしやすさ」「効果の大きさ」の列を作るだけで十分です。

問い 問いかけ 出たアイデア 実行のしやすさ 効果の大きさ
置き換える 何を別のものに替えられるか
組み合わせる 何と組み合わせられるか
応用する どこのやり方を取り入れられるか
変更する 何を大きく・小さく・多く・少なくできるか
ほかの使い道 誰に、何のために使えるか
取り除く 何をなくせるか
並べ替える 何の順番や立場を入れ替えられるか

実行のしやすさと効果の大きさを、それぞれ3段階くらいで評価しておくと、あとで優先順位をつけやすくなります。

題材の選び方と要素の書き出し方

SCAMPERの成果は、題材の選び方で大きく変わります。題材は「何を良くしたいのか」がはっきりしているほど、問いに答えやすくなります。

よい題材と答えにくい題材

答えにくい題材 答えやすい題材
会社の売上を上げる 平日の夕方の来店客を増やす方法
業務を効率化する 毎月の経費の精算にかかる時間を短くする
新しい商品を考える 今の主力商品を、1人暮らしの人向けに作り替える
仕事を増やす 今の記事作成のサービスに、新しい依頼の形を追加する

左の列のように題材が大きいと、7つの問いのどれに当てはめても答えがぼやけます。右の列のように、対象と目的を絞った題材にすると、問いへの答えが具体的になります。

要素を書き出してから問いを当てる

題材を決めたら、問いを当てる前に、題材を構成する要素を書き出します。要素は、誰に、何を、どこで、どうやって、いつ、いくらで、という観点で整理すると漏れが少なくなります。

観点 パン店の例
誰に 近所の家族、通勤の途中の会社員
何を 食パン、総菜パン、菓子パン
どこで 駅から少し離れた住宅地の店頭
どうやって 店頭での対面の販売
いつ 朝7時から夕方7時まで
いくらで 1個あたり200円前後が中心

要素を書き出しておくと、「置き換える」の問いを「誰に」の要素に当てて「通勤の途中の会社員を、近くの会社に置き換える」、「どうやって」の要素に当てて「対面の販売をオンラインの予約に置き換える」のように、問いと要素の組み合わせでアイデアを広げられます。7つの問いと6つの観点を掛け合わせると、考える切り口は40通りを超えます。

アイデアを評価する基準の決め方

SCAMPERで出たアイデアを選ぶときは、評価の基準を先に決めておきます。基準がないまま話し合うと、声の大きい人の意見や、目新しさだけで選ばれてしまうことがあります。

よく使われる基準は、次の4つです。

  • 効果の大きさ:題材の目的にどれだけ近づくか
  • 実行のしやすさ:今の人手と予算で始められるか
  • 早さ:どのくらいの期間で結果が分かるか
  • 危うさ:失敗したときの損失や、取引先や顧客への影響はどのくらいか

4つの基準を、それぞれ3段階で点数にして合計すると、アイデアどうしを比べやすくなります。ただし、点数は話し合いの材料であり、最後はチームで目的に照らして判断します。点数が低くても、試す費用が小さいアイデアは、まず小さく試してみる価値があります。

架空のパン店でSCAMPERを使う例

ここでは、住宅地にある架空の小さなパン店を題材に、SCAMPERでアイデアを出す流れを見ていきます。この店は、朝の時間帯は混み合う一方で、夕方の売れ行きが伸び悩み、売れ残りが課題になっています。

問い 出たアイデアの例
置き換える 店頭の注文を、前日までのオンラインの予約に置き換える
組み合わせる パンと地元の農家の野菜を組み合わせた夕食向けのセットを作る
応用する 飲食店の「本日のおすすめ」の考え方を取り入れ、夕方限定の商品を作る
変更する 食パンを半分の大きさでも売り、1人暮らしの人が買いやすくする
ほかの使い道 売れ残りそうなパンを、近くの会社の会議用の軽食として届ける
取り除く 種類を絞って、夕方に作る量を調整しやすくする
並べ替える 夕方の焼き上がりの時間を、仕事帰りの人が通る時間に合わせて入れ替える

このように、7つの問いを順番に当てはめるだけで、売れ残りという1つの課題に対して、さまざまな方向のアイデアが出てきます。すべてを実行する必要はなく、実行のしやすさと効果を見て、まずは1つか2つを試してみるのが現実的です。たとえば、半分の大きさの食パンは、今の設備のまま始められ、1週間ほどで売れ行きの変化を確かめられます。

社内の業務改善でSCAMPERを使う例

SCAMPERは、商品の企画だけでなく、社内の業務の見直しにも使えます。ここでは、毎月の経費の精算の手順を題材にした例を紹介します。

問い 出たアイデアの例
置き換える 紙の領収書の提出を、スマートフォンで撮影した画像の提出に置き換える
組み合わせる 経費の精算と、出張の報告を1つの手続きにまとめる
応用する 他の部署で使っている申請の仕組みを、そのまま取り入れる
変更する 月1回の締め日を、月2回に増やして、1回あたりの処理を軽くする
ほかの使い道 集まった経費のデータを、予算の見直しの資料に使う
取り除く 金額の小さい経費の上長の承認を省く
並べ替える 経理の確認と上長の承認の順番を入れ替える

業務の見直しでは、取り除くと並べ替えるの問いから、すぐに効果の出るアイデアが見つかることがよくあります。一方で、手続きを省いたり順番を変えたりするときは、社内の決まりや法律で求められている手順を外さないよう、担当の部署に確かめてから進めることが大切です。

オンライン講座の企画でSCAMPERを使う例

新しいサービスの企画にもSCAMPERは使えます。ここでは、対面で行っている架空のパソコン教室が、オンラインの講座を企画する場面を例にします。教室には、平日の昼間は高齢の受講者が多く、夜は会社員の受講者が少ないという特徴があります。

問い 出たアイデアの例
置き換える 教室での授業を、ビデオ通話での少人数の授業に置き換える
組み合わせる 授業と、授業のあとに質問できるチャットの窓口を組み合わせる
応用する 語学のオンライン講座のように、1回25分の短い授業の形を取り入れる
変更する 90分の授業を、30分の授業3回に分ける
ほかの使い道 授業の録画を、会社の新人研修の教材として販売する
取り除く 教科書の購入をなくし、画面で見られる資料にする
並べ替える 先に録画で学んでもらい、授業の時間は質問と練習に使う

この例では、変更すると並べ替えるの問いから、忙しい会社員でも続けやすい講座の形が見えてきます。企画の段階では、出たアイデアを組み合わせて1つの講座の案にまとめ、少人数で試してから本格的に始めると、失敗したときの影響を小さくできます。

自分の仕事やサービスを広げるときの使い方

SCAMPERは、フリーランスや副業で仕事をしている人が、自分のサービスの幅を広げるときにも役立ちます。たとえば、記事の作成を請け負っている人なら、次のようなアイデアが考えられます。

  • 置き換える:文章だけでなく、図や表で説明する記事の作成も請け負う
  • 組み合わせる:記事の作成と、記事に使う写真の撮影をセットにする
  • 応用する:雑誌の編集の進め方を取り入れ、企画の段階から提案する
  • 変更する:長い記事だけでなく、短い記事を定期的に納める形を用意する
  • ほかの使い道:書いた記事をもとに、社内の研修資料を作る
  • 取り除く:打ち合わせの回数を減らし、依頼の内容を書面で確かめる形にする
  • 並べ替える:構成案を先に出して確認を受けてから、本文を書く流れにする

自分の仕事を題材にすると、普段は当たり前だと思っている進め方を見直すきっかけになります。サービスの内容や進め方を変えるときは、取引先との契約の内容と食い違わないよう、変える前に相手と確かめておくことも忘れないようにします。

SCAMPERのメリットとデメリット

メリット

SCAMPERのメリットは、次のとおりです。

  • 問いが決まっているため、発想が得意でない人でもアイデアを出せる
  • 今あるものを出発点にするため、実行しやすいアイデアが出やすい
  • 短い時間で、多くの方向のアイデアを出せる
  • 紙とペンがあれば、特別な道具がなくても始められる
  • チームで同じ問いを使うと、話し合いの進め方がそろう

デメリット

一方で、SCAMPERには次のようなデメリットもあります。

  • 今あるものの改良に向いており、まったく新しい発想は出にくい
  • 問いを機械的に当てはめるだけだと、ありきたりなアイデアが並ぶ
  • アイデアの数は増えるが、どれがよいかを選ぶ基準は別に必要になる
  • 題材が大きすぎると、問いへの答えがぼやける

デメリットを補うには、題材をできるだけ具体的に絞ること、出たアイデアを評価する基準を先に決めておくこと、必要に応じてほかの発想法と組み合わせることが効果的です。

うまくいかないときの工夫

アイデアが出ないとき

アイデアが出ないときは、題材が大きすぎることが多くあります。「会社の売上を上げる」ではなく「夕方の売れ残りを減らす」のように、題材を小さく具体的にすると、問いに答えやすくなります。また、問いの言葉を、題材に合わせて言い換えるのも効果的です。たとえば「置き換える」を「材料を替えるなら」「担当を替えるなら」のように細かく分けて考えます。

ありきたりなアイデアばかりのとき

ありきたりなアイデアばかりになるときは、極端な問いかけをしてみます。「量を10倍にしたら」「価格を半分にしたら」「お客様と店の立場を逆にしたら」のように、現実離れした問いを投げると、思いがけない発想が出ることがあります。極端なアイデアのままでは使えなくても、そこから現実的な形に戻していくことで、新しいアイデアにつながります。

アイデアを選べないとき

アイデアが多すぎて選べないときは、実行のしやすさと効果の大きさの2つの軸で、アイデアを4つの区分に分けます。実行しやすく効果も大きいものから試し、実行しにくいが効果の大きいものは、計画を立てて取り組む候補にします。

オンラインで行うときの工夫

在宅で働く人が多いチームでは、SCAMPERをオンラインの会議で行うこともあります。オンラインで行うときは、次の点を工夫すると進めやすくなります。

  • 全員が書き込める共有の画面やホワイトボードの機能を使い、問いごとに書き込む場所を分けておく
  • 問いごとの時間を区切り、時間が来たら進行役が次の問いに進める
  • 発言が少ない人がいても、書き込みでアイデアを出せるようにする
  • 会議の前に題材と要素の一覧を共有し、各自が少し考えてから参加する

オンラインでは、対面よりも話し合いの間合いが取りにくいため、書き込みを中心に進め、発表は短くまとめると時間内に終えやすくなります。会議のあとは、出たアイデアの一覧を全員に共有し、選んだアイデアの担当と期限を確かめて終えます。

研修や学びの場で使うとき

SCAMPERは、社員研修や学校の授業、勉強会で、発想の練習として使われることもあります。研修で使うときは、身近な題材から始めると参加者が取り組みやすくなります。たとえば、文房具や傘、通勤の手段など、誰もが知っているものを題材にすると、業界の知識がない人でも同じ立場でアイデアを出せます。

練習として一通り体験したあとに、参加者の実際の仕事を題材にしてもう一度行うと、発想法を自分の仕事に使う感覚がつかめます。研修の最後に、出たアイデアの中から1つを選び、職場で試す計画を立ててもらうと、研修の学びが実際の行動につながりやすくなります。

業務改善を外部に相談したいとき

SCAMPERで出た業務改善のアイデアを実行に移すとき、専門家の意見を聞きたい場面もあります。中小企業の経営の相談は、国の中小企業向けの支援策の中で、相談の窓口が用意されています。中小企業の支援を行う国の機関である中小機構(独立行政法人中小企業基盤整備機構)は、経営の相談や支援策の情報を中小機構の公式ページで案内しています。相談の内容や費用の扱いは窓口によって違うため、利用する前に確かめます。

業務の進め方を変えるときは、労務や契約、税の取り扱いに関わることもあります。社内の決まりや法律で求められている手続きを変える場合は、社会保険労務士や税理士などの専門家、または社内の担当の部署に確かめてから進めると安心です。

ほかの発想法との違い

SCAMPERは、ほかの発想法と組み合わせて使われることもあります。代表的なものとの違いを整理します。

発想法 特徴 SCAMPERとの違い
ブレインストーミング テーマについて自由にアイデアを出し合う SCAMPERは問いで考える方向を決める
オズボーンのチェックリスト 9つの観点でアイデアを考える SCAMPERはこれをもとに7つに整理したもの
マインドマップ 中心のテーマから枝分かれさせて考えを広げる SCAMPERは決まった問いを順番に当てはめる
KJ法 集めた情報をまとめて整理し、構造を見つける SCAMPERはアイデアを広げる段階、KJ法はまとめる段階に向く

たとえば、ブレインストーミングで自由にアイデアを出したあと、行き詰まったところでSCAMPERの問いを投げる、SCAMPERで出たアイデアをKJ法でまとめる、といった組み合わせ方があります。

SCAMPERを続けて使うための工夫

SCAMPERは、一度行って終わりにするより、定期的に使うことで効果が高まります。たとえば、四半期に1回、主力の商品やサービス、時間のかかっている業務を題材にしてSCAMPERを行うと、改善の種を継続して見つけられます。

続けるためのコツは、前回のワークシートを残しておくことです。前回出たアイデアのうち、試したもの、試さなかったもの、試してうまくいかなかったものを見直すと、同じアイデアを何度も出す無駄を防げます。前回は実行が難しかったアイデアでも、状況が変わって試せるようになっていることもあります。

また、顧客や取引先から寄せられた声を、次のSCAMPERの題材にするのも効果的です。「この手続きが分かりにくい」「この商品の量が多すぎる」といった声は、取り除くや変更するの問いの出発点になります。

出たアイデアを実行まで進める方法

アイデアを作業に分ける

SCAMPERで出たアイデアは、そのままでは実行できません。選んだアイデアを、具体的な作業に分けることから始めます。たとえば、パン店の「夕方限定の商品を作る」なら、「商品の試作」「価格の決定」「店頭の案内の作成」「販売の開始」のように分けます。

担当と期限を決める

作業に分けたら、それぞれの作業に担当と期限を決めます。担当と期限が決まっていないアイデアは、話し合いが終わったあとに忘れられてしまいがちです。小さなチームであれば、紙やホワイトボード、表計算ソフトに一覧を作るだけでも十分に管理できます。1人で取り組む場合も、手帳やカレンダーに作業と期限を書いておくと、実行の抜けを防げます。

結果を確かめて次の問いにつなげる

アイデアを試したら、結果を確かめます。売れ残りが減ったか、作業の時間が短くなったかなど、試す前に決めておいた物差しで比べます。うまくいかなかった場合も、なぜうまくいかなかったのかを振り返ると、次にSCAMPERを行うときの題材になります。

複数人で実行を管理するときの選択肢

アイデアの実行に関わる人が増え、作業の数が多くなると、紙や表計算ソフトでは、誰が何をどこまで進めたかが分かりにくくなります。複数人で担当と期限と進み具合を共有したい場面では、プロジェクト管理ツールを使う方法があります。

その選択肢の1つが、国産のプロジェクト管理ツールのPinateca(ピナテカ)です。公式サイトによると、カンバン、ガントチャート、カレンダー、リストなど8種類のボードとチャットが、無料プランから使えます。SCAMPERで選んだアイデアを作業ごとにカードにして担当と締切を付ければ、カンバンで進み具合を、ガントチャートで期限の重なりを、チームの全員が同じ画面で確かめられます。カードごとのコメントに、試した結果や気づいたことを残しておけるので、次に見直すときの材料にもなります。

公式の料金ページによると、5人までのチームなら期限なしで無料で、ボードは10個まで、クレジットカードの登録は要りません。6人目、または11個目のボードからはスタンダードプランになり、料金は1人あたり月額500円(税抜、年払いなら1人あたり月額400円)です。SCAMPERのワークシートを作る機能はないため、アイデア出しは紙や表計算ソフトで行い、選んだアイデアの実行をPinatecaで管理する、という使い分けになります。

Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

発想法を仕事の力にする

在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた編集部の目から見ると、依頼する側から長く信頼される人には、言われたことをこなすだけでなく、「こうすればもっとよくなる」という提案ができるという共通点があります。SCAMPERのような発想法は、そうした提案の種を見つけるための道具になります。特に業務委託の仕事では、改善の提案が次の依頼につながることが少なくありません。

業務委託で仕事を受ける場合、仲介の手数料がかからない直接の取引は、依頼する側と受ける側の双方に利点があります。手数料0%で直接取引できる場なら、同じ予算でも依頼する側はより多くを頼め、受ける側は手取りが厚くなり、提案に時間をかける余裕も生まれます。

企業の課題を整理して改善を提案する仕事の代表的な資格に、経営の診断と助言の専門家である中小企業診断士があります。また、AIを業務に取り入れる提案の仕事でも、SCAMPERのように今ある業務を問いで見直す考え方が役立ちます。仕事の内容はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。SCAMPERは、7つの問いで今あるものを見直し、出たアイデアを担当と期限のある作業に変えて実行することで、日々の仕事の改善を確かに前へ進める発想法です。

よくある質問

Q. SCAMPERの7つの問いはどの順番で使えばよいですか?

基本はS、C、A、M、P、E、Rの順番に当てはめると抜けがなく進められますが、順番に決まりはありません。題材によっては、取り除くや並べ替えるの問いから始めたほうが、すぐに効果の出るアイデアが見つかることもあります。1つの問いにかける時間を5分程度と決め、すべての問いを一通り終えてから、出たアイデアをまとめて評価するのがおすすめです。

Q. SCAMPERは1人でも使えますか?

使えます。題材を1つに決め、要素を書き出してから、7つの問いを順番に当てはめていけば、1人でも40分ほどで多くのアイデアを出せます。チームで行う場合と違って他の人の視点が入らないため、極端な問いかけをしてみる、時間を置いて見直すなど、発想を広げる工夫をすると効果的です。

Q. SCAMPERとブレインストーミングはどう使い分けますか?

ブレインストーミングは、テーマについて自由にアイデアを出し合う方法で、まったく新しい発想を探すときに向いています。SCAMPERは、今ある商品やサービスに決まった問いを当てはめる方法で、改良や改善のアイデアを出すときに向いています。ブレインストーミングで行き詰まったときに、SCAMPERの問いを投げて発想を広げる組み合わせ方もあります。

Q. SCAMPERで出たアイデアが実行されないのはなぜですか?

多くの場合、アイデアが具体的な作業に分けられておらず、担当と期限が決まっていないことが原因です。選んだアイデアを作業に分け、作業ごとに担当と期限を決めて一覧にすると、実行に移しやすくなります。試したあとの結果を確かめる物差しも、先に決めておくと、うまくいったかどうかを判断しやすくなります。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月30日最終更新:2026年10月29日
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

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