【重要】PHPの脆弱性、うちのサイトは大丈夫?今すぐチェック

佐賀大学のランサムウェア被害|約8万人分の個人情報が外部へ流出した可能性 対象と確かめること 2026

@SOHO編集部
@SOHO編集部
佐賀大学のランサムウェア被害|約8万人分の個人情報が外部へ流出した可能性 対象と確かめること 2026

この記事のポイント

  • ✓佐賀大学の情報漏洩について
  • ✓2026年10月30日の発表を公式の文面で整理
  • ✓事務部門のNASのランサムウェア被害で

佐賀大学の情報漏洩について、国立大学法人佐賀大学は2026年10月30日、事務情報システムの一部でランサムウェアによる被害が発生し、大学が保有する個人情報(患者情報を含む)が外部へ流出した可能性があることを確認したと発表しました。対象は学生、教職員、元学生、元教職員、関係者等の約80,000人分で、項目は氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、メールアドレス、パスワード、要配慮個人情報(診療科、傷病名、受診日等)です。患者情報の件数は調査中と発表されています。

在学生、卒業生、教職員だった人、附属病院を受診した人がまずすることは3つです。大学のアカウントと同じパスワードを他のサービスで使っていれば変えること、大学や病院を名乗るメール・SMS・電話でパスワードや個人情報を聞かれても答えないこと、気になることは大学の広報室か附属病院の問い合わせフォームで確かめることです。

この記事では、2026年10月30日時点で佐賀大学と佐賀大学医学部附属病院が公式に出している発表だけを使い、9月の第1報からの流れ、外部へ流出した可能性がある情報、自分が対象かの確かめ方、これからの数週間に気をつけることを順に整理します。報道で見かける推測の原因や、公式に書かれていない数字は扱いません。

発表の要点(2026年10月30日時点)

最初に、公式の発表から読み取れる事実を短く並べます。細かい点は後の節で表にしています。

  • 発表したのは国立大学法人佐賀大学。大学の広報室のページに2026年10月30日付で掲載し、同じ日に佐賀大学医学部附属病院のサイトにもお詫びの案内が掲載されました
  • 被害の始まりは、令和8年(2026年)9月24日(木)午前8時42分に事務部門が利用するNAS(ネットワーク接続型ストレージ)で確認された、ランサムウェアによると思われる被害です
  • 外部へ流出した可能性がある個人情報は、学生、教職員、元学生、元教職員、関係者等の約80,000人分です
  • 患者情報は「調査中」とされ、件数は示されていません
  • 項目は氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、メールアドレス、パスワード、要配慮個人情報(診療科、傷病名、受診日等)です
  • 大学は文部科学省等へ報告し、警察に相談し、外部専門事業者に調査を依頼しています
  • 附属病院は、現時点で本件による二次被害は確認されていないとしたうえで、不審な連絡に注意するよう呼びかけています

大学の発表の冒頭は、次のとおりです。

このたび、本学の事務情報システムの一部において、ランサムウェアによる被害が発生し、本学が保有する個人情報(患者情報を含む)が外部へ流出した可能性があることを確認しましたので、お知らせいたします。 出典: 佐賀大学広報室「事務情報システムにおけるランサムウェア被害の発生について」(2026年10月30日)

読むときに大事なのは、大学が使っている言葉が「外部へ流出した可能性」だという点です。流出したと確定した、とは書かれていません。附属病院の案内はさらに慎重で、「外部へ流出した可能性が否定できない」と書いています。この記事も、その表現に合わせて書きます。

もう1つ大事なのは、件数の約80,000人分に患者情報が入っていないことです。患者情報は別に「調査中」とされています。附属病院を受診した人については、自分の情報が対象かどうかが2026年10月30日時点ではまだ分からない、という読み方になります。

公表の経緯:9月25日の第1報から10月30日の発表まで

佐賀大学は、この件について2026年9月から3回、大学の広報室のページでお知らせを出しています。10月30日には附属病院のサイトにも案内が出ました。それぞれで分かったことを表にします。

日付 掲載先 分かったこと
2026年9月25日 佐賀大学広報室(第1報) 9月24日午前8時42分、事務部門から、同部門所有のNAS内のファイルが暗号化されているとの連絡があった。ランサムウェアによる被害が疑われる状況で、当該NASをネットワークから隔離。教育・研究・診療業務に関係するシステムへの影響は確認されていない
2026年9月28日 佐賀大学広報室(第2報) 被害拡大を防ぐため9月24日午後4時45分に事務用端末の利用を停止。9月27日(日)午前11時3分に事務用端末の利用を再開し、9月28日(月)から通常業務を再開
2026年10月30日 佐賀大学広報室 外部専門事業者の調査などを経て、個人情報(患者情報を含む)が外部へ流出した可能性があることを確認。対象は約80,000人分、患者情報は調査中
2026年10月30日 佐賀大学医学部附属病院 患者情報の外部流出の可能性が否定できないとしてお詫びを掲載。二次被害は確認されていないとし、不審な連絡への注意を呼びかけ。問い合わせフォームを案内

第2報には、端末を止めてから再開するまでの流れがはっきり書かれています。

被害拡大を防ぐため、同日午後4時45分に事務用端末の利用停止を実施しました。その後、警察への相談を行いつつ、関係部署及び関係事業者と連携して復旧作業を進め、令和8年9月27日(日)午前11時3分、事務用端末の利用を再開し、令和8年9月28日(月)から通常業務を再開しました。 出典: 佐賀大学広報室「事務情報システムにおけるランサムウェア被害の発生について」(2026年9月28日)

9月の2回のお知らせの時点では、個人情報が外へ出たかどうかには触れられていませんでした。そこから約1か月の調査を経て、10月30日に「外部へ流出した可能性」が初めて示された、という流れです。9月のお知らせだけを読んで「事務の端末が止まっただけで、自分には関係ない」と受け止めていた人は、10月30日の発表であらためて自分が対象になりうるかを考え直す必要があります。

なお、9月のお知らせでは、教育・研究・診療業務に関係するシステムへの影響は確認されていないと書かれていました。10月30日の発表で患者情報が対象に入りうるとされたのは、診療のシステムそのものではなく、事務部門が利用していたNASに保存されていた情報の中に、患者に関わるものが含まれていた可能性がある、という読み方が自然です。ただし、どの書類やファイルが対象だったのかは公式に書かれていないので、この記事でもそれ以上は推測しません。

外部へ流出した可能性がある情報の表

10月30日の発表で示された対象を、件数と項目に分けて表にします。

区分 公式の記載
対象件数 学生、教職員、元学生、元教職員、関係者等 約80,000人分
患者情報 調査中
基本的な情報 氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、メールアドレス
認証の情報 パスワード
要配慮個人情報 診療科、傷病名、受診日等

この表で読み落としやすい点が3つあります。

1つ目は、パスワードが含まれていることです。どのシステムのパスワードなのか、平文(そのまま読める形)だったのか、暗号化などで読めない形にしてあったのかは、2026年10月30日時点の発表に書かれていません。分からない以上、利用者の側では「読める形で外に出た可能性がある」と考えて手を打つのが安全です。

2つ目は、要配慮個人情報が含まれていることです。要配慮個人情報とは、病歴や健康診断の結果、診療の情報など、知られると差別や偏見につながるおそれがあるため、法律で特に慎重な扱いが求められている個人情報のことです。今回は診療科、傷病名、受診日が例として挙げられています。末尾に「等」とあるので、この3つ以外の項目が含まれる可能性もあります。

3つ目は、大学が「含まれない」と明記した項目が無いことです。クレジットカード番号や銀行口座の情報について、発表には何も書かれていません。含まれるとも、含まれないとも書かれていないので、この記事では「記載なし」として扱います。授業料の引き落としなどで口座を登録していた人は、気になる場合は大学の窓口で確かめてください。

また、約80,000人分の全員について、表の全項目がそろって流出した可能性がある、とは書かれていません。人によって含まれる項目が違う可能性があります。たとえば、教職員だった人と、関係者として名簿に載っていた人とでは、大学が保有していた情報そのものが違うはずです。自分の分にどの項目が含まれるかは、大学に問い合わせるまで分からない、と考えてください。

対象になりうる人の範囲:学生・卒業生・教職員・関係者・患者

公式の発表に並んでいる区分は、学生、教職員、元学生、元教職員、関係者等です。それぞれ、どんな人が当てはまりうるかを整理します。

  • 学生:2026年10月30日時点で在学している学部生、大学院生など
  • 元学生:卒業した人、修了した人、途中で退学した人など。発表には何年前までの在籍者が対象かは書かれていません
  • 教職員:現在働いている教員と事務職員など
  • 元教職員:退職した人、任期を終えた人など
  • 関係者等:発表には中身が書かれていません。大学と何らかの形で関わり、事務部門に情報が残っていた人が含まれうる、と読むしかありません
  • 患者:附属病院を受診した人。件数は調査中です

「元学生」と「元教職員」が入っていることは、多くの人にとって見落としやすい点です。佐賀大学を何年も前に卒業し、今は別の地域で働いている人でも、事務部門のNASに当時の情報が残っていれば対象になりえます。卒業してから住所や電話番号が変わっていれば、外へ出た可能性があるのは古い住所や番号ということになりますが、氏名と生年月日は変わらないので、本人確認に使われうる情報として残ります。

佐賀大学には医学部と附属病院があるため、学生や教職員の中には、学生として在籍しながら附属病院を受診したことがある人、教職員として働きながら附属病院で健康診断や診療を受けたことがある人もいるはずです。今回の項目に診療科、傷病名、受診日が挙がっていることを考えると、そうした人は両方の立場で問い合わせ先を確かめておくと安心です。

自分が対象かどうかを大学から個別に知らせるかどうか、知らせるならいつ、どの手段でかは、2026年10月30日時点の発表には書かれていません。届くのを待つだけでなく、次の節以降で書く確かめ方と、すぐにできる対策を進めてください。

原因:事務部門のNASでランサムウェアによると思われる被害

公式の発表が原因として挙げているのは、事務部門が利用するNASでのランサムウェアによると思われる被害です。2つの言葉を言い換えておきます。

NASとは、ネットワークにつないで複数のパソコンから共有して使う、ファイル保存用の機器のことです。事務の部署で書類のデータや名簿を共有するために広く使われています。ランサムウェアとは、パソコンや機器の中のファイルを勝手に暗号化して開けなくし、元に戻すことと引き換えに金銭を要求する種類の不正なプログラムのことです。最近は、暗号化する前にファイルを外へ持ち出し、「公開する」と脅す手口もあると言われています。

佐賀大学の第1報には、気づいたきっかけが次のように書かれています。

令和8年9月24日(木)午前8時42分、本学事務部門より、同所有のNAS(ネットワーク接続型ストレージ)内のファイルが暗号化されているとの連絡がありました。 出典: 佐賀大学広報室「事務情報システムにおけるランサムウェア被害の発生について」(2026年9月25日)

どこから侵入されたのか(感染経路)、金銭の要求があったのか、誰が攻撃したのかは、2026年10月30日時点の公式の発表に書かれていません。大学は「引き続き調査を行う」としており、附属病院の案内も外部専門事業者に依頼して侵入経路と影響範囲の詳細な調査を進めてきたと書いています。原因については「調査中と発表」と受け止めるのが正確です。

ニュースやSNSでは、攻撃したグループの名前や、外へ出たデータの公開の有無が話題になることがあります。そうした情報は大学の発表で確かめられていないので、この記事では扱いません。公式に続報が出た時点で、内容を確かめ直してください。

佐賀大学と附属病院の対応

公式の発表に書かれている対応を、時期の順に並べます。発表に書かれていない対応(見舞金、個別の通知の予定など)は、ここには入れていません。

時期 対応
2026年9月24日 CSIRT(情報セキュリティの事故に対応する学内のチーム)を中心に初動対応を開始。当該NASをネットワークから隔離。午後4時45分に事務用端末の利用を停止
2026年9月24日以降 文部科学省等へ報告。警察に相談。関係部署へのヒアリング、関連端末の調査と回収
2026年9月27日 午前11時3分に事務用端末の利用を再開
2026年9月28日 通常業務を再開
2026年9月28日以降 外部専門事業者へ調査を依頼し、感染経路と影響範囲の詳細を調査
2026年10月30日 外部へ流出した可能性を公表。附属病院のサイトでお詫びと問い合わせフォームを案内

附属病院の案内では、受診した患者と家族に向けて次のように書かれています。

なお、現時点において、本件による二次被害は確認されておりませんが、不審な連絡等にご注意いただきますようお願いいたします。 出典: 佐賀大学医学部附属病院「【お詫び】事務情報システムにおけるランサムウェア被害の発生について(10/30追記)」

二次被害とは、外へ出た情報が悪用されて、詐欺の連絡が届いたり、なりすましの被害にあったりすることです。2026年10月30日時点では確認されていない、とされています。ただし、確認されていないことと、これから起きないことは別です。外へ出た可能性がある情報が使われるのは、公表から数週間から数か月たってからのことも多いので、しばらくは注意を続けてください。

大学の発表には、パスワードの初期化を全員に求めるといった具体的な指示は、2026年10月30日時点で書かれていません。在学生や教職員には学内向けの案内が別に出ている可能性がありますが、公開のページでは確かめられないため、この記事では扱いません。学内のポータルやメールで案内が届いていれば、そちらに従ってください。

自分が対象かを確かめる方法

2026年10月30日時点で、大学の公開のページには、対象者を検索する仕組みや、個別に通知する予定は書かれていません。確かめる方法は、次の3つです。

  1. 大学や附属病院からの連絡を確かめる。郵便、大学のメール、学内ポータルのお知らせなど、自分が大学と普段やり取りしている経路を見ます。卒業した人は、同窓会や校友会から転送される可能性もあります
  2. 大学の広報室に問い合わせる。電話番号とメールアドレスは後の「問い合わせ窓口」の節に書いています。在籍していた期間、学部、教職員だった期間など、自分と大学の関わりを伝えられるようにしておくと話が早く進みます
  3. 附属病院を受診したことがある人は、附属病院のサイトの案内にある問い合わせフォームから問い合わせる。病院は、送られた内容をもとに事実関係を調査して回答するとしており、調査に時間を要することも書いています

問い合わせるときに気をつけたいのは、連絡の向きです。自分から大学の公式サイトに載っている番号やフォームを使って問い合わせるのは安全です。反対に、向こうから届いた電話やメール、SMSで「対象者の確認」を持ちかけられた場合は、その連絡に返事をする前に、大学の公式サイトを自分で開いて、同じ案内が出ているかを確かめてください。

メールアドレスが含まれているので、普段使っているアドレスが過去に別の漏えいに巻き込まれていないかも、あわせて確かめておくと安心です。調べ方はHave I Been Pwnedの使い方|メールアドレスとパスワードの漏洩を確認する方法と、大手クラウドの過去の漏洩で、メールアドレスを入力して過去の漏えいを確かめる手順を説明しています。今回の件がこうしたサービスに載るとは限らないので、載っていないことを「対象でない」根拠にはしないでください。

パスワードが含まれる人がすること

今回の項目にはパスワードが含まれています。どのシステムのパスワードかは分かっていないので、大学と関わりのあるアカウントは全部見直すつもりで進めるのが確実です。

  1. 大学のアカウントと同じパスワードを、他のサービスで使っていないかを洗い出す。メール、クラウドストレージ、ネット通販、SNS、銀行や証券のアプリなどです
  2. 同じパスワードを使っていたサービスは、それぞれ別のパスワードに変える。優先するのは、メール(他のサービスのパスワード再設定に使われるため)、お金を扱うサービス、仕事で使うサービスの順です
  3. 在学生と教職員は、大学から学内向けに出ている案内に従って、大学のアカウントのパスワードも変える。案内が無い場合でも、学内の手順で変更できるなら変えておく
  4. 卒業生や退職者で、もう大学のアカウントを使っていない人は、そのアカウントと同じパスワードを今も他で使っていないかを見直す。古いパスワードの使い回しが一番見落としやすい点です
  5. 二段階認証(パスワードに加えて、スマートフォンに届くコードなどでもう1回確かめる仕組み)を、使えるサービスでは有効にする

パスワードを変える順番と、使い回しを見直す具体的な手順は、パスワードが漏洩したらどうなる|変更の順番と使い回しの見直し方 2026で詳しく説明しています。メールのように他のサービスの再設定の起点になるアカウントから先に変える、という考え方は今回にもそのまま当てはまります。

二段階認証の仕組みや種類を詳しく知りたい人は、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版で、SMS、認証アプリ、物理キーの違いを整理しています。

今回は生年月日も含まれています。生年月日をパスワードや暗証番号に使っている人は、とくに急いで変えてください。氏名と生年月日の組み合わせは、電話での本人確認や、パスワードを忘れたときの「秘密の質問」に使われることがあります。カードの暗証番号やスマートフォンのロック番号に誕生日を使っている場合も、この機会に別の番号に変えると安心です。

診療の情報が含まれうる人が気をつけること:病院を装う連絡

今回の項目には、診療科、傷病名、受診日が含まれています。こうした情報を知っている相手からの連絡は、本物らしく見えます。たとえば「○月○日に○○科を受診された件で」と具体的に言われると、つい話を聞いてしまいがちです。附属病院を受診したことがある人は、次のような連絡に注意してください。

  • 病院や大学を名乗り、「情報流出の補償の手続き」として口座番号やカード番号を聞く電話
  • 「検査の結果を確認するため」として、リンク先でログインやマイナンバーの入力を求めるSMSやメール
  • 病名や受診日に触れたうえで、特定の薬や健康食品、治療を勧める連絡
  • 「流出した情報を削除するには費用がかかる」と支払いを求める連絡

附属病院の案内に書かれている問い合わせの手段は、病院のサイトに載っているフォームです。病院から電話や郵便で連絡が来る可能性まで否定されているわけではありませんが、届いた連絡に返事をする前に、病院の代表番号など公式サイトに載っている番号に自分からかけ直して確かめる、という順番を守ってください。

病気や治療のことで不安が出た場合は、届いた連絡の相手ではなく、普段かかっている医療機関の主治医に相談してください。この記事では、病気や治療についての助言はしません。今回の件をきっかけに通院や服薬のやり方を変えることは勧めません。

もう1つ気をつけたいのは、家族への影響です。附属病院の案内は、患者だけでなく家族にもお詫びを述べています。家族が受診したことがある人は、家族にも今回の件を伝え、病院を名乗る連絡が来たらすぐに応じず、一度相談してから動くように話しておくと安心です。

住所・電話番号・メールアドレスから起きうること

氏名、住所、電話番号、メールアドレスが含まれているので、病院に限らず大学を名乗る偽の連絡にも気をつけてください。佐賀大学の発表をきっかけに、次のような連絡が届く可能性があります。

  • 大学の事務を名乗り、「情報流出の確認のため」として、学籍番号やパスワード、生年月日を聞くメール
  • 「卒業証明書の再発行」「奨学金の手続き」などを口実にしたSMSやメール。リンク先は大学の公式サイトに似せた偽のページ
  • 同窓会や校友会を名乗り、会費や寄付を口座に振り込むよう求める郵便や電話
  • 自宅を訪ねて、書類への記入や本人確認書類の提示を求める訪問

見分けるときの基本は、届いた連絡の中のリンクや電話番号を使わないことです。大学の公式サイトは自分でブックマークやアドレスバーから開き、そこに載っている窓口に自分から問い合わせます。SMSで届いたリンクの見分け方は、スミッシング詐欺の見分け方|SMSの本文とURLで判定する手順で、本文の特徴とURLの確かめ方を順に説明しています。

電話番号が外へ出た可能性がある場合に、迷惑電話や不審なSMSにどう備えるかは、電話番号の流出チェックの方法|流出したらどうなるかと迷惑電話・SMSへの備え 2026で整理しています。知らない番号からの電話にはすぐに出ず、留守番電話に用件を残してもらう、という習慣だけでも多くの詐欺を避けられます。

住所が含まれている人は、身に覚えのない郵便物や、自宅に届く不審な荷物にも注意してください。住所が漏れたときに起きることと、防ぐ順番は個人情報が流出して住所が漏れたときの対応|起きることと防ぎ方の順番で整理しています。

問い合わせ窓口

2026年10月30日時点で公式に載っている窓口は、次のとおりです。大学の発表には受付時間が書かれていないので、この記事にも書きません。

窓口 連絡先 対象
国立大学法人佐賀大学 広報室 電話 0952-28-8153、メール sagakoho(at)mail.admin.saga-u.ac.jp((at)を@に書き換えて送る) 本件全般
佐賀大学メディカル広報室(附属病院) 附属病院のサイトの案内にある「本件問合せフォーム」 附属病院を受診した患者と家族

9月25日と9月28日のお知らせでは、問い合わせ先は学術研究部情報図書館課のメールアドレスになっていました。10月30日の発表では問い合わせ先が広報室に変わっています。これから問い合わせる人は、最新の10月30日の発表に載っている広報室を使ってください。

附属病院のフォームは、病院の案内ページに載っているリンクから開いてください。検索で出てきたページや、メールやSMSで送られてきたリンクから開くのは避けます。フォームに送った内容について、病院は事実関係を調査して回答するとしており、時間がかかることも案内しています。

問い合わせの前に、次のことを手元に書き出しておくと話が早く進みます。

  • 佐賀大学との関わり(在籍していた学部と期間、教職員だった部署と期間、受診した診療科と時期など)
  • 当時の氏名と住所(結婚や転居で変わっている場合)
  • 届いた不審な連絡があれば、その日時、相手の名乗り、内容

在宅で仕事をする人が気をつけること

在宅で仕事をしている人やフリーランスの人の中には、佐賀大学の卒業生や元教職員で、当時のメールアドレスやパスワードを今も仕事で使っている人がいるかもしれません。大学時代に作ったパスワードを、そのままクラウドストレージやチャットツール、取引先とのファイル共有に使い回している、という形は珍しくありません。

その場合は、自分のアカウントだけでなく、取引先から預かっている情報にも影響が及ぶ可能性があります。仕事のアカウントが乗っ取られると、取引先の顧客名簿や原稿、デザインのデータが外に出たり、自分になりすました偽の請求書が取引先に送られたりするおそれがあります。今回の件をきっかけに、次のことを確かめてください。

  • 仕事で使っているメール、クラウドストレージ、チャットツールのパスワードが、大学時代のものと同じでないか
  • それらのサービスで二段階認証が有効になっているか
  • 取引先と共有しているフォルダやファイルに、身に覚えのないアクセスや変更が無いか

万が一、自分のアカウントから取引先の情報が外に出た疑いがある場合は、取引先にすぐ知らせることを考えてください。個人情報を扱う事業者には、一定の場合に個人情報保護委員会への報告と本人への通知が求められています。個人情報保護委員会の案内では、要配慮個人情報が含まれる漏えい(またはそのおそれ)、不正の目的をもって行われたおそれがある漏えい、本人の数が1,000人を超える漏えいなどが、報告が義務付けられる場合として挙げられています。

政府全体としてのサイバー攻撃の被害報告一元化の方針に従い、ランサムウェア事案による個人データの漏えい等(又はそのおそれ)が発生した場合は、共通様式により報告を行うことができます。 出典: 個人情報保護委員会「漏えい等の対応(個人情報)」

自分の場合に報告が必要かどうかは、預かっている情報の種類や件数、契約の内容で変わります。この記事では断定しません。迷ったときは、個人情報保護委員会の個人情報保護法相談ダイヤル(電話 03-6457-9849、受付時間 9:30から17:30、土日祝日と年末年始を除く)で確かめるのが確実です。取引先との契約書に、事故が起きたときの連絡の期限や方法が書かれていれば、それにも従ってください。

運営者の視点:公表の後に増える「本物らしい」連絡

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた@SOHOの運営で見てきた傾向として、大きな漏えいが公表された直後は、その組織の名前を使った偽の連絡が増え、実際の被害はむしろ公表の後に起きやすい、ということがあります。偽のメールを開く前に振り分ける手順は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処で、差出人とリンク先の確かめ方から順に説明しています。

今回の件で外へ出た可能性がある情報は、氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレスに加えて、パスワードと診療に関わる情報です。この組み合わせは、偽の連絡を本物らしく見せる材料がそろっている、という点で注意が要ります。「佐賀大学の○○学部を卒業された○○様」「○月○日に○○科を受診された件で」と、相手が具体的なことを知っているほど、人は信じやすくなります。具体的なことを知っていることは、相手が本物である証拠にはなりません。

見分けるときの考え方は、どの連絡でも同じです。届いた連絡には直接返事をせず、公式サイトに載っている窓口に自分から問い合わせる。パスワード、カード番号、口座番号、暗証番号は、電話やメールで聞かれても答えない。この2つを守るだけで、多くの被害は避けられます。

在宅で働く人にとっては、自分のアカウントの安全がそのまま仕事の信用につながります。メールやクラウドのアカウントが乗っ取られると、取引先とのやり取りや納品の記録まで相手の手に渡ってしまいます。反対に、こうした事案を落ち着いて整理し、取引先に必要なことを伝えられる力は、セキュリティの知識として仕事にもつながります。企業のセキュリティ対策や社内の教育を手伝う仕事の例は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。

佐賀大学は、引き続き調査を行うとしています。患者情報の範囲や、外へ出た可能性がある情報の詳細は、これから続報で示される可能性があります。2026年10月30日時点の発表だけで判断を終えず、大学の広報室のページと附属病院のサイトを、しばらくの間ときどき開いて確かめてください。

よくある質問

Q. 佐賀大学の情報漏洩で、どんな情報が外に出た可能性がありますか?

佐賀大学は2026年10月30日の発表で、学生、教職員、元学生、元教職員、関係者等の約80,000人分について、氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、メールアドレス、パスワード、要配慮個人情報(診療科、傷病名、受診日等)が外部へ流出した可能性があると書いています。流出したと確定したわけではありません。患者情報の範囲は調査中です。

Q. 卒業してから何年もたっていますが、対象になりますか?

発表の対象には元学生と元教職員が含まれています。ただし、何年前までの在籍者が対象かは2026年10月30日時点の発表に書かれていません。自分が対象かを確かめたい場合は、佐賀大学の広報室(電話 0952-28-8153)に、在籍していた学部と期間を伝えて問い合わせてください。

Q. 附属病院を受診したことがある場合は、どこに問い合わせればよいですか?

佐賀大学医学部附属病院のサイトにお詫びの案内が掲載されており、その中の問い合わせフォームから問い合わせるよう書かれています。病院は事実関係を調査して回答するとしていて、時間がかかることも案内しています。フォームは、メールやSMSで届いたリンクからではなく、病院の公式サイトを自分で開いてから使ってください。

Q. 大学のパスワードはすぐに変えたほうがよいですか?

発表にはパスワードが含まれると書かれていますが、どのシステムのものかは示されていません。在学生と教職員は学内の案内に従ってパスワードを変えてください。あわせて、大学と同じパスワードを他のサービスで使っている場合は、メールやお金を扱うサービスから順に別のパスワードへ変え、二段階認証を有効にしておくと安心です。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年10月31日
@SOHO編集部

この記事を書いた人

@SOHO編集部

フリーランス・在宅ワークの専門メディア

@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド

職種別ガイド

職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス

フリーランス

フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ

スキルアップ

プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

AI活用

AI活用

職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人

看護師の転職・求人

看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人

薬剤師の転職・求人

薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人

介護職の転職・求人

介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人

保育士の転職・求人

保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人

医療職の転職・求人

医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス

経営・ビジネス

経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金

補助金・助成金

個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却

M&A・事業売却

会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方