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日本テレネットの情報漏えいのおそれ|ランサムウェア被害 L-netの60.2万件ほか 対象と確かめること 2026

@SOHO編集部
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日本テレネットの情報漏えいのおそれ|ランサムウェア被害 L-netの60.2万件ほか 対象と確かめること 2026

この記事のポイント

  • ✓日本テレネットの情報漏洩について
  • ✓2026年3月17日の初報と6月12日の調査結果を整理
  • ✓ランサムウェア被害で漏洩のおそれがある個人情報はL-netの60.2万件

日本テレネットの情報漏洩について、日本テレネット株式会社(本社 京都市)は2026年3月17日、3月9日に社内のサーバでランサムウェア型のサイバー攻撃によるシステム障害が発生したと発表しました(初報)。2026年6月12日の調査結果の報告では、データが外部に転送された痕跡は検出されておらず、情報漏洩や二次被害も確認されていないとしたうえで、「漏洩のおそれがある個人情報」として、L-netサービスで委託元から預かった情報(会社名、氏名、FAX番号等)60.2万件、BPOサービスの受託業務で取得した情報(氏名、住所、電話番号、メールアドレス、お問い合わせ内容等)40.4万件、営業活動と取引で取得した顧客・取引先関係者の情報3.3万件、従業員(退職者を含む)と家族の情報2,044件を示しました。クレジットカード情報は含まれていないとされています。

2026年11月1日時点で、この件について6月12日より後の続報は出ていません。ダークウェブの調査を続けているが、本件に関連する情報の流通や公開は確認されていない、万一漏洩のおそれが判明した場合は順次個別に連絡する、とされています。補償についての記載はありません。

日本テレネットは、FAXの一斉送信などの通信サービスや、企業のコールセンター業務の受託を行っている会社です。そのため、日本テレネットと直接の取引が無い人でも、日本テレネットに業務を任せていた企業の顧客として、情報が含まれている可能性があります。まずすることは3つです。日本テレネットや取引のある企業を名乗る電話・メール・FAXで個人情報や支払いを求められても応じないこと、利用している企業から案内が届いていないかを確かめること、気になることは日本テレネットのネットワーク障害お問い合わせセンター(電話 050-3207-1513)で確かめることです。

この記事では、日本テレネット株式会社が公式サイトのリリース欄に出している発表だけを使い、何が起きたか、どの情報が対象か、自分が関係するかの確かめ方を順に整理します。報道の件数や、公式に書かれていない委託元の名前は扱いません。

発表の要点(2026年11月1日時点)

最初に、公式の発表から読み取れる事実を短く並べます。細かい点は後の節で表にしています。

  • 発表したのは日本テレネット株式会社です。公式サイトのリリース欄に、2026年3月17日と6月12日の2回、「サイバー攻撃によるシステム障害発生について」という題で掲載されています
  • 2026年3月9日に、社内に設置しているサーバでシステム障害が発生し、ランサムウェア型のサイバー攻撃でファイルの一部が暗号化されている可能性が高いことが判明しました
  • 外部専門家チームのフォレンジック調査で、外部の攻撃者がネットワーク機器を経由して内部へ侵入し、ファイルサーバ等がマルウェアで暗号化されたことが分かりました
  • データが外部に転送された痕跡は検出されていません。情報漏洩や二次被害も確認されていません
  • それでも「漏洩のおそれがある個人情報」として、4つの区分と件数が公表されています
  • クレジットカード情報は含まれていません
  • 個人情報保護委員会への報告、京都府警察等への相談を行っています
  • 問い合わせ先は、ネットワーク障害お問い合わせセンター(電話 050-3207-1513、9時から17時、平日のみ)です

読むときに大事なのは、日本テレネットが「漏洩した」とは書いていないことです。6月12日の報告は、外部への転送の痕跡は検出されていない、情報漏洩は確認されていない、と書いたうえで、暗号化されたサーバに保存されていた情報を「漏洩のおそれがある」として示しています。この記事も、その表現に合わせて書きます。

もう1つ大事なのは、件数の大部分が、日本テレネットが他社から任されていた業務の情報だという点です。60.2万件と40.4万件は、日本テレネットのサービスを使っていた企業(委託元)が持っていた顧客や取引先の情報です。自分の情報が含まれているかどうかは、日本テレネットとの関係ではなく、日本テレネットに業務を任せていた企業との関係で決まります。

公表の経緯:3月17日の初報から6月12日の調査結果まで

日本テレネットは、この件について2回報告を出しています。それぞれで分かったことを表にします。

日付 分かったこと
2026年3月17日(初報) 3月9日に社内のサーバでシステム障害。ランサムウェア型のサイバー攻撃でファイルの一部が暗号化されている可能性が高い。ネットワークを遮断。CSSサービスは各サービスへの影響なし(お客様相談窓口の一部が3月9日に一時停止し、10日から再開)。BPOサービスはコンタクトセンター業務の一部が3月9日から停止。受託業務の一部の情報と従業員等の個人情報等にアクセスされたおそれがあるが、社外への流出は確認されていない
2026年6月12日(調査結果) フォレンジック調査、ダークウェブ調査、復旧対応の結果を報告。ネットワーク機器経由の侵入とファイルサーバ等の暗号化を確認。外部転送の痕跡は検出されず、情報漏洩や二次被害は確認されていない。漏洩のおそれがある個人情報を4区分で公表。復旧状況と再発防止策

初報では、情報漏えいの可能性について次のように書かれていました。

当該サーバに格納されていた、弊社がお客様から受託した業務に関する一部の情報と弊社従業員等の個人情報等にアクセスされたおそれがありますが、現時点では、社外への流出は確認されておらず、これらに関連する被害のお申し出も確認されておりません。 出典: 日本テレネット株式会社「サイバー攻撃によるシステム障害発生について」(2026年3月17日)

6月12日の報告は、約3か月の調査を経て、その時点の結論を示したものです。

調査の結果、外部の攻撃者がネットワーク機器を経由してネットワーク内部へ侵入し、弊社ファイルサーバ等に対するマルウェアによる暗号化の被害が検出されましたが、データが外部に転送された痕跡については検出されておりません。 出典: 日本テレネット株式会社「サイバー攻撃によるシステム障害発生について」(2026年6月12日)

6月12日の報告は、公開当初は別のURLで掲載されていましたが、2026年11月1日時点ではそのURLを開くとエラーになり、リリース一覧からは上のURLのページにつながっています。ほかのサイトに貼られたリンクから開けない場合は、日本テレネットの公式サイトのリリース一覧から、2026年6月12日の「サイバー攻撃によるシステム障害発生について」を開いてください。

2026年10月には、日本テレネットのリリース欄に、PHPというプログラミング言語の脆弱性についてのお知らせが2本出ています。10月22日のお知らせでは、影響調査と必要な対策が完了し、お客様情報の漏えいや不正アクセス等は確認されていないとされています。今回のランサムウェアの件とは別の内容です。

漏洩のおそれがある個人情報の表

6月12日の報告で示された「漏洩のおそれがある個人情報(2026年6月12日時点)」を、そのまま表にします。

対象者 内容 件数
CSSサービスにおける受託業務に係る個人情報 L-netサービスにおいて、業務の委託元から預かった情報(会社名、氏名、FAX番号等) 60.2万件
BPOサービスにおける受託業務に係る個人情報 業務として取得した情報(氏名、住所、電話番号、メールアドレス、お問い合わせ内容等) 40.4万件
営業活動および取引に伴い取得した顧客・取引先関係者情報 名刺交換、Web商談、メール等を通じて取得した氏名、会社名、所属部署、役職、電話番号、メールアドレス等 3.3万件
従業員情報(退職者を含む)およびその家族の情報 人事・労務管理に関連して保有する氏名、住所、電話番号、家族情報等 2,044件

会社が「含まれない」と明記したものと、表を読むときの注意も、報告に書かれています。

区分 公式の記載
クレジットカード情報 個人情報の中にクレジットカード情報は含まれていない
項目のそろい方 一件ごとに「内容」に記載の全ての情報が含まれているわけではない
外部への転送 データが外部に転送された痕跡は検出されていない
流通・公開 ダークウェブ調査を継続しているが、本件に関連すると判断される情報の流通や公開は確認されていない

件数は区分ごとに示されていて、同じ人が複数の区分に入っている場合の扱いは書かれていません。この記事では、4つの件数を合計した数字は使いません。

「一件ごとに全ての情報が含まれているわけではない」という注記も大事です。例えばBPOサービスの40.4万件でも、ある人は氏名と電話番号だけ、別の人は氏名と住所とお問い合わせ内容、というように、人によって含まれる項目が違う、という意味です。自分の情報がどの項目まで含まれうるかは、その企業とどのようなやり取りをしたかで変わります。

CSSサービスとBPOサービスとは

表の上の2行は、日本テレネットのサービスの名前で書かれています。初めて聞く人のために、公式サイトの案内と報告の記載から分かる範囲で言い換えます。

CSSサービスは、初報の中で、各サービスへの影響とお客様相談窓口業務の状況が書かれていた区分です。表の1行目にある「L-netサービス」は、このCSSサービスの中のサービスで、日本テレネットの公式サイトでは「L-net ポータルサイト」として案内されています。表には「業務の委託元から預かった情報(会社名、氏名、FAX番号等)」とあり、L-netを使っていた企業が、FAXの送り先として登録していた相手先の情報だと読めます。

BPOサービスは、企業から業務を受託するサービスで、初報では「弊社がお客様より受託しているコンタクトセンター業務」が停止したと書かれていました。コンタクトセンターとは、企業に代わって電話やメールで客からの問い合わせを受ける窓口のことです。表の2行目にある「業務として取得した情報(氏名、住所、電話番号、メールアドレス、お問い合わせ内容等)」は、こうした窓口に問い合わせた客の情報だと読めます。

つまり、ある企業のお客様窓口に電話やメールで問い合わせたことがある人は、その企業が日本テレネットに窓口の業務を任せていた場合、自分の情報が含まれている可能性があります。どの企業が日本テレネットに業務を任せていたかは、日本テレネットの発表には書かれていません。

原因:ネットワーク機器を経由した侵入

公式の発表に書かれている原因は、次のとおりです。

  • 2026年3月9日に、社内に設置しているサーバでシステム障害が発生した
  • 障害の原因を調べる過程で、ランサムウェア型のサイバー攻撃によって、サーバのファイルの一部が暗号化されている可能性が高いことが判明した(初報)
  • 外部の攻撃者がネットワーク機器を経由してネットワーク内部へ侵入し、ファイルサーバ等がマルウェアで暗号化されたことが検出された(6月12日)

ランサムウェアとは、データを暗号化して使えなくし、元に戻すことと引き換えにお金を要求するウイルスのことです。マルウェアは、こうしたウイルスを含む、悪意のあるプログラム全体を指す言葉です。ネットワーク機器とは、社内のネットワークと外のインターネットをつなぐ装置(VPNの装置やファイアウォールなど)のことで、どの機器が、どのような弱点を使われたのかは、公式には書かれていません。

攻撃者から金銭の要求があったか、日本テレネットが応じたかどうかも、公式の発表には書かれていません。報道や解説記事には攻撃したとされるグループの名前などが出ているものもありますが、日本テレネットの発表では触れられていないので、この記事では扱いません。

企業がランサムウェアの侵入を防ぐ考え方と、侵入の経路ごとの守り方は、ランサムウェアへの対策|侵入経路別の防御とバックアップ設計の実務で説明しています。

日本テレネットの対応

公式の発表に書かれている対応を整理します。

区分 対応
発生直後 被害の拡大を防ぐため、速やかにネットワークを遮断。外部専門家の協力のもと、被害範囲の把握、原因究明、業務復旧に向けた対応
当局への報告 法令に基づき個人情報保護委員会へ報告。京都府警察等の関係当局に相談
調査 外部専門家チームによるフォレンジック調査とダークウェブ調査。ダークウェブ調査は継続
復旧 既存のネットワークとは独立したクリーンネットワークを構築。ファイアウォールの設定を見直し・再構成。全業務用PCを初期化し、安全を確認した端末だけを利用
再発防止策 社員アカウントとログイン認証の統一管理、多要素認証(MFA)の導入、EDRとSOCによる24時間365日の監視、IT資産と脆弱性の管理の強化、クリーンネットワークとデータ検疫の運用の継続、従業員教育と情報管理ルールの見直し
今後の連絡 万一、情報漏洩のおそれがあることが判明した場合は、順次個別に連絡

EDRとは、パソコンなどの端末の動きを常に見張り、怪しい動きを見つけて知らせたり止めたりする仕組みのことです。SOCは、そうした監視を専門に行うセンターのことです。多要素認証は、パスワードに加えて、スマートフォンに届くコードなど別の手段でも本人であることを確かめる仕組みです。

2026年11月1日時点の発表には、次のことは書かれていません。

  • 委託元の企業の名前
  • 対象者に、現時点で個別の通知をしているかどうか(報告には「万一、情報漏洩のおそれがあることが判明した場合につきましては、順次個別にご連絡」とある)
  • お詫びの品や補償の有無

書かれていないことは、行われていないという意味ではありません。公表された文章に載っていない、ということです。この記事でも推測は書きません。

復旧の進め方:クリーンネットワークとは

6月12日の報告では、復旧の状況がかなり具体的に書かれています。言葉が専門的なので、言い換えながら整理します。

まず、既存のネットワーク環境とは独立した新しいネットワーク環境を、クリーンネットワークとして構築したとされています。クリーンネットワークとは、攻撃を受けた古いネットワークとは切り離して、一から作り直した安全なネットワークのことです。古いネットワークの中に攻撃者の仕掛けが残っていても、新しいネットワークには入り込めないようにする狙いがあります。

次に、全業務用PCを初期化(再キッティング)し、安全性を確認した端末だけを使う運用に変えたとされています。再キッティングとは、パソコンを工場出荷に近い状態に戻し、必要なソフトを入れ直して使える状態にすることです。さらに、古い環境と新しい環境が混ざらないよう、端末の利用ルール、ネットワークへの接続ルール、データを移すときの検疫の運用を整えたとされています。検疫とは、古い環境から移すデータに危険なものが混ざっていないかを確かめてから通すことです。

利用者の立場から見ると、日本テレネットのサービスは、こうした新しい環境の上で動いている、ということになります。ただし、サービスごとの再開の状況や時期は、6月12日の報告には書かれていません。日本テレネットのサービスを使っている企業の担当者は、取引の窓口で確かめてください。

自分が関係するかを確かめる方法

自分の情報が含まれているかどうかは、立場によって確かめ方が違います。

立場 確かめ方
ある企業のお客様窓口に問い合わせたことがある人 その企業から、この件についての案内が届いていないか、その企業の公式サイトにお知らせが出ていないかを確かめる
ある企業からFAXを受け取っていた人、FAXの送り先として登録されていた人 同じく、FAXを送ってきていた企業の案内を確かめる
日本テレネットと名刺交換や商談をしたことがある人 日本テレネットのネットワーク障害お問い合わせセンターに問い合わせる
日本テレネットの従業員、元従業員とその家族 会社からの案内を確かめ、不明点は会社の窓口に問い合わせる

委託元の企業の名前は、日本テレネットの発表には載っていません。日本テレネットに業務を任せていた企業の中には、自社のサイトで顧客向けに案内を出しているところもありえます。ふだん使っているサービスの会社から「委託先のサーバへの不正アクセス」といった題のお知らせが届いていたら、その中に日本テレネットの名前が出ていないかを確かめてください。

問い合わせるときは、次のことを先に書き出しておくと、話が早く進みます。

  • 日本テレネットとの関係、または問い合わせをした企業、FAXを受け取っていた企業の名前
  • その企業とやり取りした時期と方法(電話、メール、FAX)
  • 不審な連絡が届いていれば、その日時、相手の名乗り、内容

利用者が気をつけること

6月12日の報告では、情報漏洩や二次被害は確認されていないとされています。そのうえで、漏洩のおそれがある情報に、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、お問い合わせ内容が含まれる区分がある以上、偽の連絡には備えておくのがよい進め方です。

特に、お問い合わせ内容が含まれうる点には注意が要ります。「先日お問い合わせいただいた○○の件で」と、実際に問い合わせた内容を知っている相手から連絡が来ると、本物の窓口だと思いやすくなります。そのうえで「返金のために口座番号を」「本人確認のためにカード番号を」と続くのが、よくある手口です。

見分けるときの考え方は、どの連絡でも同じです。

  1. 届いた電話、メール、SMS、FAXに書かれた連絡先は使わない
  2. 問い合わせた企業の公式サイトに載っている窓口に、自分から連絡して確かめる
  3. パスワード、カード番号、暗証番号、口座番号は、電話やメールで聞かれても答えない

偽のメールを開く前に振り分ける手順は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処で、差出人とリンク先の確かめ方から順に説明しています。電話番号が知られたときに起きることと、迷惑電話やSMSへの備えは、電話番号の流出チェックの方法|流出したらどうなるかと迷惑電話・SMSへの備え 2026で説明しています。住所が含まれうる人は、個人情報が流出して住所が漏れたときの対応|起きることと防ぎ方の順番も参考にしてください。

FAX番号が含まれるL-netの区分では、会社名と氏名とFAX番号の組み合わせが対象です。会社あてに、取引先を装ったFAXで振込先の変更や、注文の確認を求めてくることがありえます。FAXで届いた振込先の変更は、ふだんの取引先の担当者に電話で確かめてから処理するのが安全です。

「漏洩のおそれ」と「漏洩した」の違い

6月12日の報告を読んで、「漏洩は確認されていないのに、なぜ件数が出ているのか」と感じた人もいるかもしれません。ここで、言葉の違いを整理しておきます。

「漏洩した」は、情報が外部に出たことが確かめられた状態です。「漏洩のおそれがある」は、外部に出たとは確かめられていないものの、出た可能性を否定しきれない状態です。日本テレネットの報告は、外部への転送の痕跡は検出されなかったとしつつ、攻撃者が侵入して暗号化したサーバに保存されていた情報を、念のため「漏洩のおそれ」として示した、という読み方になります。

個人情報保護委員会の案内でも、報告が求められる場合として「漏えい等(又はそのおそれ)」という書き方がされていて、確定していない段階のものも含まれています。会社が件数を公表しているからといって、その全員の情報が外に出たという意味ではありません。逆に、痕跡が見つからなかったからといって、出ていないと言い切れるわけでもありません。

利用者として大切なのは、どちらの言葉で書かれていても、偽の連絡への備えは同じだということです。届いた連絡に直接返事をしない、公式の窓口に自分から確かめる、という2つを続けていれば、情報が外に出ていた場合にも、出ていなかった場合にも、被害を避けられます。

3月の業務停止の影響を受けた人

初報では、2026年3月9日から、BPOサービスで受託していたコンタクトセンター業務の一部が停止したと書かれていました。CSSサービスでも、お客様相談窓口の業務の一部が3月9日に一時停止し、10日から再開したとされています。

この時期に、ある企業のお客様窓口に電話がつながらなかった、問い合わせへの返事が来なかった、という経験をした人は、その企業が日本テレネットに窓口の業務を任せていた可能性があります。もちろん、窓口がつながらない理由はほかにもありえるので、これだけで判断はできません。ただ、思い当たることがあれば、その企業の公式サイトに、委託先の障害についてのお知らせが出ていないかを確かめてみてください。

問い合わせの返事が来ないまま終わってしまった件がある人は、その企業の窓口に改めて問い合わせておくと安心です。その際も、届いたメールの返信ではなく、公式サイトに載っている窓口を使ってください。

従業員とその家族、名刺交換をした人

表の3行目と4行目は、日本テレネット自身が持っていた情報です。

営業活動と取引で取得した顧客・取引先関係者の情報3.3万件は、名刺交換、Web商談、メールなどを通じて取得した氏名、会社名、所属部署、役職、電話番号、メールアドレス等とされています。展示会や商談で日本テレネットの担当者と名刺を交換した人、FAXやコールセンターのサービスを検討して問い合わせた人は、ここに含まれている可能性があります。仕事の連絡先が対象なので、会社あてに取引先を装ったメールが届くことに注意してください。

従業員(退職者を含む)とその家族の情報2,044件は、人事・労務管理のために持っている氏名、住所、電話番号、家族情報等です。家族の情報が含まれている点は、見落とされやすいところです。日本テレネットに勤めている人、勤めていた人は、家族にもこの件を伝え、勤め先を名乗る電話で生年月日や口座番号を聞かれても答えず、いったん切るよう話しておいてください。

続報が出るまでにしておくこと

2026年11月1日時点で、日本テレネットは、漏洩のおそれが判明した場合に順次個別に連絡するとしています。続報や個別の連絡が来るまでに、手元でできることを順番に並べます。

  1. ふだん使っている企業から、委託先の障害や不正アクセスについてのお知らせが届いていないかを、メールの受信箱で検索して確かめる
  2. 2026年3月前後に問い合わせをした企業や、FAXを受け取っていた企業を書き出す
  3. 知らない番号からの電話は留守番電話で受け、相手の名乗りと用件を聞いてから、公式の連絡先にかけ直す
  4. 不審な連絡が届いたら、日時、相手の名乗り、内容をメモに残す
  5. 実際にお金を払ってしまった、口座番号を伝えてしまった場合は、すぐに銀行に連絡し、警察に相談する

消費生活のトラブルとして相談したいときは、消費者ホットライン(電話 188)で、住んでいる地域の消費生活センターにつないでもらえます。また、「漏えいの対象か調べます」「情報を削除します」とうたう有料のサービスや連絡には応じないでください。日本テレネットの発表には、外部の業者を使うような案内はありません。

問い合わせ窓口

日本テレネットの初報と6月12日の報告に載っている窓口は次のとおりです。

窓口 電話番号 受付時間
ネットワーク障害お問い合わせセンター 050-3207-1513 9時から17時(平日のみ)

委託元の企業の顧客として情報が含まれているかを知りたい場合は、まずその企業の窓口に問い合わせるのが確実です。日本テレネットは業務を受託していた立場なので、委託元の企業の顧客一人ひとりについて、どこまで答えられるかは分かりません。両方の窓口を使い分けてください。

電話をかけるときは、窓口の番号を日本テレネットの公式サイトのリリース欄で確かめてください。届いたメールやFAXに書かれた番号には、かけないでください。

企業の担当者が確かめておくこと

日本テレネットのL-netやBPOサービスを使っていた企業の担当者にとっては、自社の顧客の情報が委託先で「漏洩のおそれ」の対象になっている、という立場になります。委託先で起きた事故でも、個人情報を預けた企業として、顧客への説明や当局への報告が求められる場合があります。

個人情報保護委員会の案内では、不正の目的をもって行われたおそれがある行為による漏えい(またはそのおそれ)が、報告が義務付けられる場合の1つとして挙げられ、ランサムウェアの事案の報告の方法も示されています。

政府全体としてのサイバー攻撃の被害報告一元化の方針に従い、ランサムウェア事案による個人データの漏えい等(又はそのおそれ)が発生した場合は、共通様式により報告を行うことができます。 出典: 個人情報保護委員会「漏えい等の対応(個人情報)」

自社の場合に報告や本人への通知が必要かどうかは、預けていた情報の種類や件数、委託の契約の内容で変わります。この記事では断定しません。迷ったときは、個人情報保護委員会の個人情報保護法相談ダイヤル(電話 03-6457-9849、受付時間 9:30から17:30、土日祝日と年末年始を除く)で確かめるのが確実です。委託先との間で、事故が起きたときの連絡の期限や方法を契約で決めているかどうかも、この機会に見直しておくとよいでしょう。外注のときの取り決めの考え方は、外注時の情報漏洩対策|秘密保持契約とデータ共有ルールで機密を守る発注設計で説明しています。

在宅で仕事をする人が気をつけること

在宅で仕事をしている人やフリーランスの人の中には、企業のコールセンターやお客様窓口の業務を、在宅で受けている人もいるはずです。今回の件のように、窓口の業務を受ける側が攻撃を受けると、自分が預かっていない顧客の情報まで「漏洩のおそれ」の対象になります。受ける側として、預かった情報をどこに保存しているかは、仕事の信用に直結します。

次のことを、この機会に確かめてください。

  • 仕事で預かった顧客の情報を、自分のパソコンや個人のクラウドストレージに保存したままにしていないか
  • 仕事で使っているメール、クラウドストレージ、チャットツールで二段階認証が有効になっているか
  • 使っているパソコンやルーター、VPNの装置のソフトウェアが最新になっているか

今回の侵入はネットワーク機器を経由したものでした。自宅のルーターも、インターネットと家の中をつなぐ装置です。管理画面のパスワードを初期設定のまま使っていないか、更新が止まっていないかを確かめておくことは、在宅で仕事をする人にとって基本の守りになります。取引先や委託先を経由して攻撃される流れと、その守り方は、サプライチェーン攻撃対策の基本|中小企業・フリーランスが今すぐできる防御策で説明しています。

運営者の視点:委託先の事故は自分ごとに見えにくい

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた@SOHOの運営で見てきた傾向として、委託先で起きた漏えいは、本来の当事者である顧客にとって自分ごとに見えにくい、ということがあります。日本テレネットという名前を知らなくても、どこかの企業の窓口に問い合わせたことがある人は、その企業が業務を任せていれば対象に入りえます。こうした仕組みを理解して取引先に説明できる力は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事のような分野で、セキュリティの知識として仕事にもつながります。

委託先の名前で報道が出ると、多くの人は「聞いたことのない会社だから関係ない」と受け止めます。けれども、実際に連絡が届くのは、ふだん使っている企業の名前で、ということが多いはずです。漏えいの対象かどうかは、ふだん使っているサービスの会社から届くお知らせで判断し、その会社の公式サイトで確かめる、という順番を覚えておいてください。

日本テレネットは、外部専門家チームの助言を受けながら、セキュリティの強化と監視の強化を続けるとしています。ダークウェブの調査も続いていて、漏洩のおそれが判明した場合は個別に連絡するとされています。2026年11月1日時点の発表だけで判断を終えず、日本テレネットのリリース欄と、ふだん使っている企業のお知らせを、ときどき確かめてください。

よくある質問

Q. 日本テレネットの件で、個人情報は漏えいしたのですか?

2026年6月12日の報告では、データが外部に転送された痕跡は検出されておらず、情報漏洩や二次被害も確認されていないとされています。そのうえで、暗号化されたサーバにあった情報を「漏洩のおそれがある個人情報」として、L-netの60.2万件、BPOの40.4万件などを示しています。

Q. 日本テレネットと取引した覚えがないのに、対象になることはありますか?

ありえます。60.2万件と40.4万件は、日本テレネットに業務を任せていた企業(委託元)の顧客や取引先の情報です。ある企業のお客様窓口に問い合わせた人や、ある企業からFAXを受け取っていた人は、その企業の案内を確かめてください。委託元の企業名は公表されていません。

Q. クレジットカードの情報は含まれていますか?

6月12日の報告で、個人情報の中にクレジットカード情報は含まれていないと明記されています。カード番号を確かめる、返金のためにカード番号を教えてほしい、という連絡が届いても、日本テレネットの件を理由に答える必要はありません。

Q. 問い合わせ先はどこですか?

日本テレネットのネットワーク障害お問い合わせセンター(電話 050-3207-1513、9時から17時、平日のみ)です。委託元の企業の顧客として情報が含まれているかを知りたい場合は、まずその企業の窓口に問い合わせるのが確実です。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年11月1日
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会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド

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SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方