アスクルの情報漏えい|ランサムウェア攻撃の流出と約60万件の追加通知 対象と確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓アスクルの情報漏洩について
- ✓2025年10月19日のランサムウェア攻撃の第1報から
- ✓2026年7月30日の第19報で約60万件を追加で本人通知した件までを公式発表で整理
アスクルの情報漏洩について、アスクル株式会社は2025年10月19日にランサムウェア攻撃によるシステム障害を第1報で公表し、10月31日の第5報で保有する情報の一部が外部に流出したことを確認したと発表しました。12月12日の第13報では、流出が確認された個人情報として、事業所向けサービスの客の情報の一部が約59万件、個人向けサービスの客の情報の一部が約13万2,000件などと示されています。2026年11月1日時点で最新の発表は2026年7月30日の第19報で、調査を続けた結果、外部への漏えいのおそれを否定できない個人情報を約60万件追加で特定し、7月31日から約1か月かけて本人に個別に通知すると発表しました。追加分の項目は氏名、住所、電話番号、メールアドレスで、クレジットカード情報は含まれず、漏えいや不正利用の事実は確認されていないとされています。 ASKUL、ソロエルアリーナ、LOHACOを使ったことがある人がまずすることは、アスクルからの個別の通知が届いていないかを確かめること、アスクルや公的機関を装ったメールのリンクと添付ファイルを開かないこと、心当たりがあればアスクルの個人情報専用お問い合わせ窓口に問い合わせることの3つです。
この記事は、2026年11月1日時点でアスクルの公式サイトのお知らせ、ニュースリリース、「アスクルのサイバーセキュリティ」のページを開き直して確かめた内容だけで書いています。報道で出回っている数字や推測は入れていません。
アスクルのランサムウェア攻撃で何が起きたのか
アスクルは、事業所向けの通販「ASKUL」と、大企業向けの購買サービス「ソロエルアリーナ」、個人向けの通販「LOHACO」を運営する会社です。物流の子会社のASKUL LOGISTは、ほかの会社から商品の保管や出荷を請け負う3PL(サードパーティ・ロジスティクス、物流業務の受託)のサービスも提供しています。
ランサムウェアとは、会社のサーバーやパソコンのデータを勝手に暗号化して使えなくし、元に戻すことと引き換えに身代金を要求する不正なプログラムのことです。最近は、暗号化する前にデータを盗み出し、支払わなければ公開すると脅す手口も多く使われています。
アスクルの発表によると、出来事の骨子は次のとおりです。
- 2025年10月19日の午前、ランサムウェアによる攻撃を検知し、感染が疑われるシステムの切り離しとネットワークの遮断を行った
- 同じ日の16時半、ASKUL、ソロエルアリーナ、LOHACOの受注と出荷の業務を止めた
- 物流システムと社内システムでランサムウェアの感染が確認され、データの一部が暗号化されたうえで、その一部が攻撃者に盗まれて公開(流出)された
- 外部のクラウドサービス上の問い合わせ管理システムのアカウントも乗っ取られ、そこにあった情報の一部も盗まれて公開された
- 基幹業務のシステムと、客が使う通販サイトなどのフロントのシステムには、侵害の痕跡がなかった
アスクルは「アスクルのサイバーセキュリティ」のページで、お客様情報と一部の取引先の情報が外部へ流出したことをあらためてお詫びしています。今回の件は、漏えいを認めている部分(第5報から第13報で確認された流出)と、漏えいのおそれを否定できないとして追加で通知する部分(第19報の約60万件)の2つに分けて読むと分かりやすくなります。
公表の経緯:第1報から第19報まで
アスクルはこの件について、ランサムウェア攻撃によるシステム障害関連として、番号付きの発表を第19報まで出しています。情報の流出に関わる発表を中心に、日付の順に整理すると次のようになります。
| 日付 | 発表 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 2025年10月19日 | 第1報 | ランサムウェア攻撃によるシステム障害を確認 |
| 2025年10月22日 | 第2報 | 調査の状況とサービスの現況 |
| 2025年10月31日 | 第5報 | 情報流出に関するお詫びとお知らせ。攻撃者が公開した情報の確認を完了 |
| 2025年11月4日 | なし | 情報流出専用のお問い合わせ窓口を開設 |
| 2025年11月11日 | 第7報 | 10月31日に確認した情報の流出件数の拡大を確認 |
| 2025年11月14日 | 第9報 | 3PL事業の取引先と、そのエンドユーザーの情報が流出した可能性 |
| 2025年12月12日 | 第13報 | 影響調査の結果。流出が確認された個人情報の概要と原因、再発防止策。個人情報保護委員会へ確報を提出 |
| 2026年2月13日 | 第18報 | 主要な通販の機能が障害前の水準まで復旧。定期の発表はこれで終了 |
| 2026年7月30日 | 第19報 | 漏えいのおそれを否定できない個人情報約60万件を追加で特定し、本人へ通知 |
第13報の時系列によると、攻撃者による情報の公開は1回では終わっていません。10月30日の夜、11月10日の夜、12月2日の夜に公開された情報を、それぞれ調べて確認したとされています。そのたびに対象の範囲が広がったため、件数が段階的に増えていきました。
第18報では、サービスの復旧の進捗を定期的に知らせる発表はこれで終えるとしつつ、新たに知らせるべき重要な事実が確認された場合には速やかに公表するとしていました。第19報は、その方針に沿って出された追加の発表です。アスクルのニュースの一覧を2026年11月1日に確かめたところ、第19報より新しいこの件の発表は出ていませんでした。
2025年12月12日の第13報で確認された流出
第13報では、2025年12月12日時点で流出が確認された個人情報の概要が、次の区分で示されています。
| 区分 | 件数(公式の表現) |
|---|---|
| 事業所向けサービスに関するお客様情報の一部 | 約59万件 |
| 個人向けサービスに関するお客様情報の一部 | 約13万2,000件 |
| 取引先(業務委託先、エージェント、商品仕入先等)に関する情報の一部 | 約1万5,000件 |
| 役員・社員等に関する情報の一部(グループ会社含む) | 約2,700件 |
それぞれの区分にどの項目が含まれていたかの詳細は、二次被害の防止の観点から公表を控えるとされています。また、一部の通信ログとアクセスログが失われていたため、攻撃者が閲覧した可能性のある情報の範囲を完全に特定するのは難しいと判断した、とも書かれています。
第7報では、10月31日に流出が確認された次の情報について、件数が拡大したことが報告されていました。
- 事業所向けの通販(ASKUL、ソロエルアリーナ)の客からの問い合わせに関する情報の一部
- 個人向けの通販(LOHACO)の客からの問い合わせに関する情報の一部
- 商品の仕入れ先が、アスクルの商品関連のシステムに登録していた情報の一部
問い合わせに関する情報が含まれているのは、外部のクラウドサービス上の問い合わせ管理システムが侵害されたためです。過去にアスクルやLOHACOに問い合わせをしたことがある人は、そのときに伝えた名前や連絡先、問い合わせの内容が対象に含まれている可能性があります。
3PL事業の取引先のエンドユーザー
第9報では、ASKUL LOGISTが請け負う3PLのサービスを使う取引先の情報と、その取引先の客(エンドユーザー)の情報が外部に流出した可能性があると発表されました。流出の可能性があるとされたのは、取引先から委託を受けた物流業務の出荷と配送のデータの一部で、項目は配送先の住所、氏名、電話番号、注文の商品の情報です。メールアドレスとクレジットカード情報は、委託を受けていないとされています。
この区分は、アスクルで買い物をしたことがない人でも対象になりうる点に注意が要ります。ほかの通販の会社がASKUL LOGISTに出荷を任せていた場合、その通販で買った人の配送先の情報が含まれている可能性があるためです。第9報では、各取引先の客からの問い合わせは各取引先に確かめるよう案内されています。
クレジットカード情報について
アスクルは、LOHACOの決済では客のクレジットカード情報を受け取らない仕組みにしており、個人の客のクレジットカード情報は保有していないと、第7報、第13報、セキュリティのページで繰り返し説明しています。カードの番号が今回の件で漏れることはない、という整理です。
2026年7月30日の第19報で追加された約60万件
第19報は、第13報の後も調査と精査を続けた結果、外部への漏えいのおそれを否定できない個人情報を約60万件追加で特定した、という発表です。通知の対象の範囲については、個人情報保護委員会とも継続して協議を重ねてきたとされています。
| 区分 | 項目 | 件数(公式の表現) |
|---|---|---|
| 事業所向けサービスに関するお客様情報の一部 | 氏名、住所、電話番号、メールアドレス | 約55万件 |
| 個人向けサービスに関するお客様情報の一部 | 氏名、住所、電話番号、メールアドレス | 約5万件 |
対象は、2025年7月15日から10月19日までにアスクルから発送された注文に関する情報です。この期間のすべての注文が当てはまるわけではなく、また注文者の情報のほかに、届け先の情報も含まれるとされています。会社の事務所あてに届けてもらった場合、受け取った担当者の名前や会社の電話番号が含まれている可能性があるということです。
第19報は、追加分についてこう書いています。
なお、現時点において、今回追加で特定した個人情報約 60 万件について、外部への漏えいおよび不正利用の事実は確認されておりません。また第 13 報の公表後に、新たな個人情報の漏えいや新たなシステム侵害が発生したものではありませんので、あわせてご報告いたします。 出典: アスクル株式会社「ランサムウェア攻撃に伴う情報漏えいのおそれに関する本人通知の追加実施について(第19報)」
つまり、7月30日の発表は、新しく攻撃を受けたという話ではありません。2025年10月の攻撃の影響を調べ直した結果、漏えいしたとは確認できないが、漏えいしていないとも言い切れない情報が見つかったため、念のため本人に知らせるという内容です。この記事でも「漏えいのおそれ」という公式の言い方のまま扱います。
第19報では、アスクルが2026年7月16日に、個人情報と特定個人情報(マイナンバーを含む個人情報)の安全管理措置について、個人情報保護委員会から行政指導を受けたことも報告されています。行政指導の中身の詳細は発表に書かれていないため、この記事では推測しません。
「流出」と「漏えいのおそれ」の違いの読み方
アスクルの発表には、「流出が確認された」「流出した可能性」「漏えいのおそれを否定できない」という3つの言い方が出てきます。同じ件の中で書き分けられているので、どの区分の話かを見分けながら読むことが大切です。
「流出が確認された」は、攻撃者が実際に盗んだ情報を公開し、その中身をアスクルが調べて確かめたものです。第5報、第7報、第13報で示された情報がこれに当たります。第13報の約59万件や約13万2,000件といった数字は、この区分の件数です。
「流出した可能性」は、第9報の3PL事業のように、外部に流出した可能性があることを確認した段階で公表されたものに使われています。
「漏えいのおそれを否定できない」は、第19報の約60万件に使われている言い方です。攻撃者が入り込んだシステムに情報があったものの、ログが失われていたことなどから、盗まれたかどうかを確かめきれない情報を指しています。第19報では、この約60万件について、外部への漏えいと不正利用の事実は確認されていないとされています。
数字を足し合わせて「合計で何件漏れた」と言いたくなるかもしれませんが、区分ごとに意味が違うため、この記事では足し合わせた数字を書きません。自分が対象かどうかは、全体の件数ではなく、届いた通知の中身で確かめるのが確実です。
原因として発表されていること
第13報では、外部の専門機関による調査をもとに、原因が次のように分析されています。
- 当時のログが削除されており、原因を完全に突き止めるのは難しい
- 例外的に多要素認証を適用していなかった業務委託先に付与していた管理者アカウントのIDとパスワードが、何らかの方法で漏れて不正に使われ、そのアカウントで不正アクセスがあったことが確認された
- 業務委託先が管理するノートパソコンでは、OSの更新の過程で侵入時点のログが消えており、確かめられなかった
- VPN機器のベンダーが2025年9月末頃に脆弱性を公表していたが、それを悪用した侵入の痕跡は確認されなかった
- 侵害が起きたデータセンターでは、サーバーにEDR(パソコンやサーバーに入り込んだ攻撃の痕跡を見つける仕組み)が入っておらず、24時間の監視もなかったため、すぐに検知できなかった
- バックアップはとっていたが、ランサムウェアを想定した環境ではなかったため、一部のバックアップも暗号化され、復旧に時間がかかった
多要素認証とは、IDとパスワードに加えて、スマートフォンに届くコードや指紋などを組み合わせて本人を確かめる仕組みのことです。仕組みの種類と導入の進め方はMFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較で詳しく紹介しています。第13報では、すべてのリモートアクセスへの多要素認証の徹底、管理者権限の厳しい運用、24時間365日の監視、ランサムウェアを想定したバックアップ環境の構築などが、再発防止策として挙げられています。
また第13報では、犯罪を助長させないという社会的責任の観点から、攻撃者とは接触しておらず、身代金の支払いはもとより、いかなる交渉もしていないと明記されています。
物流が止まった期間と復旧の流れ
今回の件では、情報の流出とあわせて、商品が届かない期間が長く続きました。第13報によると、アスクルの物流センターは自動倉庫やピッキングのシステムなどで高度に自動化されており、その動きを管理する物流システムが暗号化されたため、出荷の業務を全面的に止める大きな影響が出たとされています。同じデータセンターにあったバックアップのファイルも暗号化され、復旧に時間がかかりました。
復旧の主な流れは次のとおりです。
- 2025年10月29日、FAXの注文と2つの拠点からの出荷で、一部の商品の出荷のトライアルを始めた
- 2025年11月12日、システムやサーバーに残った脅威の調査を踏まえて安全が確保されたと判断し、ソロエルアリーナからWebの注文を再開した
- 2025年12月3日、ソロエルアリーナとASKULのWebサイトで受注を再開した
- 2026年2月4日、横浜の物流センターでも物流システムを使った出荷を再開し、すべての物流センターで新しい物流システムによる出荷の再開が完了した
- 2026年2月13日、ASKULの当日配送を一般の商品から順に再開し、品ぞろえを含む主要な通販の機能が障害の前の水準まで戻った
第13報では、汚染の可能性を残した古い環境を部分的に直すのではなく、安全が確かめられた新しい環境をゼロから組み立てる方法をとったと説明されています。復旧に時間がかかった背景には、この判断もあります。サービスの再開の時期と情報の流出の範囲は別の話なので、サービスが戻ったからといって、流出の対象から外れたわけではない点は押さえておいてください。
アスクルの対応と、2026年11月1日時点で分かっていること
公式の発表に書かれている対応は次のとおりです。
- 流出に当てはまる客と取引先には、個別に連絡している
- 第19報の追加分は、2026年7月31日から約1か月をかけて、順に個別の通知を行う
- 公開された情報が悪用される可能性を踏まえ、長期的に監視体制を続け、必要に応じて追加の対応をする
- 警察と個人情報保護委員会などの関係する監督官庁に報告している
- 2025年12月22日に「アスクルのサイバーセキュリティ」のページを開設し、安全性の確認の状況や対策を掲載している(2026年8月4日更新)
- 2026年2月13日の第18報で、品ぞろえを含む主要な通販の機能が、システム障害の前の水準まで復旧した
「アスクルのサイバーセキュリティ」のページでは、今後の取り組みとして、必要な情報を分かりやすく伝える情報開示、セキュリティと仕組みと体制を根本から強化する安全対策、今回の件を教訓にシステムと運用を改善し続けるセキュリティの強化の3つを掲げています。すでに実施した対策としては、感染が疑われるシステムとネットワークの分離、感染した端末とサーバーの隔離、認証情報のリセット、アカウントのパスワードの変更、管理アカウントへの多要素認証の適用などが並んでいます。攻撃の影響を受けたサーバーや機器がつながらないようにネットワークを分け、安全なネットワークだけで新しい構成として整理したとも説明されています。
補償やお詫びの品については、2026年11月1日時点で確かめた公式の発表の中に記載はありません。発表にないことは分からないため、この記事では補償の有無を推測しません。漏えいの補償の一般的な考え方と、他社で出された例は情報漏洩の補償はもらえるのかで整理しています。
第19報の通知は7月31日から約1か月かけて順に行うとされていたため、2026年11月1日時点では、予定の期間はすでに過ぎています。2025年7月15日から10月19日の間にアスクルの注文を受け取った覚えがあるのに通知が見当たらない場合は、窓口に確かめると確実です。
自分が対象かを確かめる方法
アスクルは、対象の客と取引先に個別に連絡すると発表しています。自分が対象かを確かめる順番は次のとおりです。
- ASKUL、ソロエルアリーナ、LOHACOに登録しているメールアドレスの受信箱と迷惑メールのフォルダで、アスクルからのお詫びや通知を探す
- 会社でASKULやソロエルアリーナを使っている場合は、購買の担当者や総務の担当者に、会社あての通知が届いていないかを聞く。届け先の担当者として名前が含まれていることもある
- 2025年7月15日から10月19日の間にアスクルから商品を受け取った覚えがあるか、注文の履歴で確かめる。第19報の追加分はこの期間の注文が対象
- 過去にアスクルやLOHACOの問い合わせ窓口に連絡したことがあるかを思い出す。第7報で、問い合わせに関する情報の流出が報告されている
- アスクル以外の通販で買った商品が、ASKUL LOGISTから出荷されていた可能性がある場合は、その通販の会社からの案内を確かめる
- 分からない場合は、アスクルの個人情報専用お問い合わせ窓口に問い合わせる
窓口に問い合わせるときは、登録しているメールアドレス、会社で使っている場合は会社名と担当者名、注文した時期のおおよその目安を手元に用意しておくと、確認がスムーズです。通知が届いていても内容がよく分からない場合は、その通知を見ながら電話すると、どの区分の対象なのかを聞き取りやすくなります。受付は平日のみの9時から17時で、土曜と日曜は受け付けていない点にも気をつけてください。
通知を装った迷惑メールに注意する
アスクルの情報漏えいのあとに迷惑メールが増えたと感じる人もいるかもしれません。漏えいの件のあとは、その会社を名乗る偽のメールやSMSが届くことがあります。アスクルも、アスクルや公的機関を装った「なりすまし」や「フィッシング」メールに注意し、不審なメールのリンクを開かず、添付ファイルも開かないよう呼びかけています。
アスクルは第7報で、客や取引先へ連絡するメールには、社内のネットワークとは別の外部のクラウドサービスを使っていると説明しています。それでも、届いたメールが本物かどうかを見た目だけで判断するのは難しいため、メールのリンクからログインせず、ブックマークや検索から公式サイトを自分で開いて確かめるのが安全です。偽のメールの見分け方はフィッシング詐欺メールの見分け方にまとめています。
対象になりうる人がすること
第13報の区分ごとの項目は公表されていませんが、第9報と第19報で示された項目は氏名、住所、電話番号、メールアドレス、注文の商品の情報です。パスワードやクレジットカード情報は含まれていないとされています。気をつけるべきなのは、これらの情報を組み合わせた本物らしい連絡です。
メールアドレスが含まれる場合
- アスクルやLOHACO、配送業者を名乗り、「注文の確認」「お届けの再手配」「未払い」などを理由にリンクを開かせるメールに注意する
- メールのリンクからログインせず、公式サイトやアプリを自分で開く
- 同じメールアドレスとパスワードの組み合わせをほかのサービスで使っている場合は、念のため別々のパスワードに変える
- 迷惑メールが急に増えた場合は、メールソフトの迷惑メールの設定を見直す
自分のメールアドレスが過去の漏えいに含まれていないかを調べる方法は、Have I Been Pwnedの使い方で紹介しています。
電話番号と住所が含まれる場合
- アスクルや配送業者、警察や役所を名乗り、返金や補償の手続きを理由にカード番号や口座番号を聞く電話には応じない
- 相手の名前と所属を聞いていったん切り、公式の窓口の番号にかけ直して確かめる
- 注文の商品の情報と組み合わせて「先日ご注文の商品について」と切り出す連絡でも、すぐに個人情報を答えない
- 届いた覚えのない商品や請求書が郵送されてきたら、書かれた番号ではなく公式の窓口に確かめる
迷惑電話やSMSへの備え方は電話番号の流出チェックの方法で詳しく扱っています。
取引先や仕入れ先の担当者の場合
第13報では、業務委託先、エージェント、商品の仕入れ先などの取引先に関する情報の一部、約1万5,000件の流出も示されています。第7報でも、仕入れ先がアスクルの商品関連のシステムに登録していた情報の一部が対象とされていました。
取引先の担当者は、自分の名前や部署、会社の電話番号やメールアドレスがアスクル側に登録されているのが普通です。アスクルを名乗って請求先や振込先の変更を伝えるメールや、商品の発注を装ったメールが届いた場合は、メールに書かれた連絡先ではなく、普段やり取りしているアスクルの担当者に、別の手段で確かめてから応じるようにしてください。
LOHACOを使っていた個人が確かめておきたいこと
個人向けの通販のLOHACOを使っていた人にとって、関係する区分は主に3つです。第13報の「個人向けサービスに関するお客様情報の一部」約13万2,000件、第7報で示された「LOHACOの客からの問い合わせに関する情報の一部」、第19報の「個人向けサービスに関するお客様情報の一部」約5万件です。
確かめるときは、次の点を思い出しておくと、窓口への問い合わせも短く済みます。
- LOHACOに登録しているメールアドレスと、過去に使っていたメールアドレス
- 2025年7月15日から10月19日の間に、LOHACOで注文して商品を受け取ったかどうか
- 実家や知人など、自分以外の届け先に商品を送ったことがあるかどうか
- LOHACOの問い合わせ窓口に、メールやフォームで問い合わせたことがあるかどうか
自分以外の届け先に送った場合、その届け先の名前と住所、電話番号が対象に含まれている可能性があります。家族や知人に贈り物を送ったことがある人は、送った相手に今回の件を伝え、アスクルを名乗る不審な連絡に応じないよう声をかけておくと安心です。住所が漏れたときに起きやすいことと防ぎ方の順番は個人情報が流出して住所が漏れたときの対応で整理しています。
会社でASKULやソロエルアリーナを使っている担当者が進めること
今回の件で件数が多いのは、事業所向けサービスの区分です。会社として使っている場合は、個人だけでなく会社として確かめておくことがあります。
- 購買や総務の担当者あてに、アスクルからの通知が届いていないかを確かめる。担当者が異動していると、通知が誰にも読まれていないことがある
- 届け先に登録している社員の名前と、会社の電話番号やメールアドレスを洗い出し、該当する社員に今回の件を伝える
- 社内のメールの担当者に、アスクルを装ったメールが社内に届いていないかを見てもらう
- 請求書や支払いの手続きを装った連絡が来た場合に、どの窓口で確かめるかを社内で決めておく
- 会社として取引先の個人情報を預かっている場合は、今回の件を受けて、自社の業務委託先のアカウントにも多要素認証が設定されているかを見直す
第13報で原因とされたのは、業務委託先に付与していた管理者アカウントでした。外部の業者に社内システムの管理を任せている会社にとって、自社でも同じ穴がないかを確かめるきっかけになる内容です。
問い合わせ窓口
第19報と、アスクルのお知らせに載っている窓口は次のとおりです。
| 窓口 | 電話番号 | 受付 |
|---|---|---|
| アスクル 個人情報専用お問い合わせ窓口 | 0120-023-219 | 平日 9:00から17:00 |
| 050で始まるIP電話から | 03-6731-7879(通話料は利用者の負担) | 平日 9:00から17:00 |
「アスクルのサイバーセキュリティ」のページでは、同じ番号が「アスクル 情報流出専用お問い合わせ窓口」として載っています。3PL事業の取引先の客の場合は、第9報の案内のとおり、商品を買った通販の会社に確かめてください。
在宅で仕事をする人が気をつけること
ASKULやLOHACOは、在宅で仕事をする人や個人事業主が、事務用品や消耗品を買うのに使うことも多いサービスです。仕事場として自宅の住所を登録している場合、今回の件の対象に自宅の住所と電話番号が含まれている可能性があります。また、取引先の事務所に直接商品を届けてもらう使い方をしていた場合は、届け先として取引先の担当者の情報が含まれていることも考えられます。
個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、事業者に委員会への報告が義務づけられる場合として、要配慮個人情報(病歴など、とくに慎重に扱う情報)を含む漏えい等、不正に使われるとお金の被害が出るおそれがある漏えい等、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等、本人の数が1,000人を超える漏えい等が挙げられています。ランサムウェアで個人データが暗号化されて元に戻せなくなった場合や、不正アクセスでデータが盗まれた場合は、不正の目的で行われたおそれがある例として示されています。
在宅で取引先の個人情報を預かる立場の人が、自分のパソコンやアカウントから預かった情報を漏らしてしまった場合、どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるため、ここでは断定できません。ただ、気づいた時点ですぐ取引先に伝えることが欠かせない点は変わりません。
今回の原因が「多要素認証を適用していなかったアカウント」だったことは、個人で仕事をする人にもそのまま当てはまります。次の点を見直しておくと安心です。
- 仕事のメールとクラウドのアカウントに、多要素認証を設定しているか
- 仕事のパスワードを、ほかのサービスと同じにしていないか
- 取引先から渡された管理用のアカウントを、仕事が終わったあとも使える状態のままにしていないか
- 仕事のデータのバックアップを、パソコンとは別の場所にも取っているか
フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、取引先のシステムに入る権限を任される人ほど、使い終わったアカウントの返却や、認証の設定を自分から申し出ています。こうした手当てが、そのまま取引先からの信頼になり、中間の手数料が乗らない直接の取引では次の依頼と手取りの厚さに結びつきます。
情報の守り方を仕事に生かす
今回のような長い発表の流れを正確に追い、「どこまでが流出で、どこからが漏えいのおそれなのか」「会社の担当者は何をすればよいのか」を整理する作業は、それ自体が仕事として求められる力です。企業の中には、社内向けの注意喚起の文面づくりや、業務委託先のアカウントの棚卸しを外部の人に頼むところもあります。
在宅でセキュリティに関わる仕事の種類と探し方は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。まずは自分の仕事用のアカウントの管理を整え、事案の発表を正確に読む習慣をつけるところから始められます。
アスクルの件は、2026年11月1日時点で2026年7月30日の第19報が最新で、追加分約60万件の本人通知が進められてきました。ASKUL、ソロエルアリーナ、LOHACOを使ったことがある人は、個別の通知が届いていないかの確認、アスクルや公的機関を装ったメールへの注意、心当たりがある場合の窓口への問い合わせの3つを先に済ませ、新しい発表はアスクルの公式サイトのお知らせで確かめてください。
よくある質問
Q. アスクルの情報漏洩は何件ですか?
2025年12月12日の第13報では、流出が確認された個人情報として、事業所向けサービスの客の情報の一部が約59万件、個人向けサービスの客の情報の一部が約13万2,000件、取引先の情報の一部が約1万5,000件、役員・社員等の情報の一部が約2,700件と示されています。これとは別に、2026年7月30日の第19報で、漏えいのおそれを否定できない個人情報約60万件が追加で特定されました。
Q. 7月30日に追加された約60万件は漏えいしたのですか?
第19報では、追加分の約60万件について、外部への漏えいと不正利用の事実は確認されていないとされています。漏えいのおそれを否定できないため、念のため本人に通知するという内容です。対象は2025年7月15日から10月19日にアスクルから発送された注文の一部で、項目は氏名、住所、電話番号、メールアドレスです。
Q. クレジットカード情報は漏れていますか?
アスクルは、LOHACOの決済では客のクレジットカード情報を受け取らない仕組みにしており、個人の客のクレジットカード情報は保有していないと説明しています。第19報の追加分にもクレジットカード情報は含まれていません。カードの明細に身に覚えのない請求がある場合は、今回の件とは別に、カード会社に連絡してください。
Q. 補償はありますか?
2026年11月1日時点で確かめたアスクルの公式の発表には、補償やお詫びの品についての記載はありません。気になる場合は、アスクルの個人情報専用お問い合わせ窓口(0120-023-219、平日9:00から17:00)に問い合わせるか、アスクルの公式サイトのお知らせで新しい発表が出ていないかを確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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