安藤ハザマの名刺情報 約5,000件が外部流出|警察官を名乗る詐欺 2026


この記事のポイント
- ✓安藤ハザマの情報漏洩について
- ✓2026年8月31日の公式発表をもとに整理
- ✓社員が警察官を名乗る者にだまされ
安藤ハザマの情報漏洩について、先に結論を書きます。株式会社安藤・間(安藤ハザマ)は2026年8月31日、同社の社員が警察官を名乗る者にだまされ、同社が管理する名刺情報が外部に流出したことが判明したと発表しました。対象は約5,000件で、項目は会社名、部署名、役職、氏名、住所、電話番号、FAX番号、メールアドレスです。社員は2026年8月17日、名刺管理システムに保管していた名刺情報をダウンロードし、相手に電子メールで送っていました。 安藤ハザマの社員と名刺を交換したことがある人がまずすることは、安藤ハザマや警察を名乗る不審な電話やメールに注意し、お金や情報を求められたら、自分で調べた公式の窓口で確かめることです。
2026年11月1日時点で、安藤ハザマの新着情報の一覧を開き直して確かめたところ、2026年8月31日の発表のほかに、この件の続報は掲載されていません。会社は、関係各所と連携して事実関係の詳細を調べているとしています。この記事は、その公式発表だけをもとに書いています。報道の数字や推測は入れていません。
安藤ハザマの名刺情報の流出で何が起きたのか
安藤ハザマは、土木や建築の工事を手がける総合建設会社です。今回の発表は、システムへの不正アクセスではなく、社員が電話などで警察官を名乗る者にだまされ、自分の手で名刺情報を送ってしまった、という事案です。
発表の骨子を整理すると次のとおりです。
- 2026年8月16日から8月23日にかけて、社員が警察官を名乗る者から、交友関係の捜査に必要だとして名刺情報を提出するよう求められた
- 8月17日、社員は会社の名刺管理システムに保管していた名刺情報をダウンロードし、相手に電子メールで送った
- 8月23日、社員が自分で警察に連絡したことで、一連の連絡は警察官によるものではなく、架空請求を目的とした詐欺だと分かった
- 会社は8月24日に報告を受け、この件を把握した
- 流出した名刺情報は約5,000件
名刺管理システムとは、受け取った名刺を読み取って、会社名や連絡先をデータとして保存し、社内で検索や共有ができるようにする仕組みのことです。紙の名刺の束と違い、データとしてまとめて取り出せるため、一度に多くの件数が外へ出てしまいました。
2026年8月16日から8月23日にかけて、当該社員は、警察官を名乗る者から、交友関係の捜査に必要であるとして名刺情報を提出するよう求められ、8月17日、当該社員が弊社の名刺管理システムに保管していた名刺情報をダウンロードの上、相手方に電子メールで提出しました。 出典: 安藤ハザマ「個人情報(名刺情報)の外部流出に係るお詫びとご報告」
発表は、「流出した可能性」ではなく「外部に流出したことが判明いたしました」と書いています。社員が実際に相手へ電子メールで送ったことが分かっているため、流出は事実として発表されています。この記事でも、その表現に合わせて書きます。
一方で、流出した名刺情報が、その後どのように使われたかは発表に書かれていません。名刺の持ち主に被害が出たかどうかも、発表では触れられていません。分かっていないことは、分からないこととして扱います。
公表の経緯と2026年11月1日時点で分かっていること
発表に書かれた日付を時系列で並べると、次のようになります。
| 日付 | 出来事(公式発表の記載) |
|---|---|
| 2026年8月16日から8月23日 | 社員が警察官を名乗る者から、名刺情報の提出を求められる |
| 2026年8月17日 | 社員が名刺管理システムから名刺情報をダウンロードし、相手に電子メールで送る |
| 2026年8月23日 | 社員が自分で警察に連絡し、詐欺だと分かる |
| 2026年8月24日 | 会社が報告を受け、この件を把握 |
| 2026年8月28日 | 個人情報保護委員会へ報告 |
| 2026年8月31日 | 安藤ハザマが「個人情報(名刺情報)の外部流出に係るお詫びとご報告」を公表 |
| 2026年11月1日時点 | 続報は公式サイトに掲載されていない |
名刺情報が送られたのは8月17日で、詐欺だと分かったのは8月23日です。この間、相手からの連絡は続いていたことになります。社員が自分から本物の警察に連絡したことで、詐欺だと分かりました。
2026年11月1日時点で、安藤ハザマの新着情報の一覧には、8月31日の発表のあとにも、展示会への出展や発電所の運転開始などのお知らせが掲載されています。しかし、この件の第2報や訂正は見当たりません。発表には、続報を出す予定や時期は書かれていません。
流出した名刺情報の項目
発表に書かれた項目を表にしました。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 流出した情報 | 会社名、部署名、役職、氏名、住所、電話番号、FAX番号、メールアドレス |
| 対象件数 | 約5,000件 |
| 流出の経路 | 社員が名刺管理システムからダウンロードし、相手に電子メールで送った |
名刺の情報なので、ここでいう住所や電話番号は、多くの場合、名刺に印刷された勤め先の住所や電話番号です。ただし、名刺に携帯電話の番号を載せている人もいるため、個人で使っている番号が含まれる場合もあります。どの名刺に何が印刷されていたかは、名刺の持ち主ごとに違います。
発表には、名刺の画像そのものが含まれていたか、名刺に手書きでメモした内容が含まれていたかの記載はありません。また、「含まれない」と明記された項目もありません。この記事でも、発表にない項目を推測で書き加えません。
項目の組み合わせを見ると、会社名、部署名、役職、氏名、メールアドレスがそろっています。これは、仕事の相手になりすましたメールを作るのに十分な材料です。「○○建設の△△部の□□様」と、正しい肩書きで呼びかけるメールを作れるため、受け取った側は、本物の取引先からの連絡と見分けにくくなります。
原因として発表されたこと
原因について、発表で分かっていることは次のとおりです。
- 社員が、警察官を名乗る者にだまされたことによる
- 相手は「交友関係の捜査に必要」という理由で名刺情報の提出を求めた
- 社員は、会社の名刺管理システムから名刺情報をダウンロードして送った
- 一連の連絡は、架空請求を目的とした詐欺だった
架空請求とは、払う必要のないお金を、もっともらしい理由をつけて払わせようとする詐欺のことです。発表には、社員がお金を払ったかどうか、相手がどのような方法で連絡してきたか(電話、SNS、ビデオ通話など)は書かれていません。
再発防止として、会社は個人情報保護と情報セキュリティについての教育の実施と、データへのアクセス権限の見直しを挙げています。アクセス権限とは、社員の誰がどのデータを見たり取り出したりできるかを決める設定のことです。社員1人の判断で、まとまった件数の名刺情報を取り出せた状態を見直す、という対策です。
発表を読むと、相手は「交友関係の捜査」という、社員個人に向けた理由を持ち出していたことが分かります。会社の業務の話ではなく、自分自身が捜査の対象になっているかのような話をされると、人は会社に相談するより先に、自分で何とかしようとしてしまいがちです。会社の情報を求められているのに、相談しにくい状況を作られていた点は、同じ手口に備えるうえで知っておきたいところです。
警察官を名乗る詐欺とはどのようなものか
今回の件のきっかけになった、警察官を名乗る詐欺について、警察庁は「ニセ警察詐欺」として注意を呼びかけています。警察庁の特殊詐欺対策のページでは、令和7年の確定値として、ニセ警察詐欺の認知件数が11,014件、被害額が1,005.0億円だったとしています。
ニセ警察詐欺は、令和7年の特殊詐欺被害の多くを占める 認知件数 11,014件(特殊詐欺全体の39.6%)、被害額 1,005.0億円(特殊詐欺全体の70.6%) 出典: 警察庁「ニセ警察詐欺に注意!」
同じページで警察庁は、警察が次のことをすることはないと明記しています。
- 「+」から始まる国際電話番号から電話をすること
- SNSで連絡をしたり、ビデオ通話で警察手帳を見せて取調べをすること
- 逮捕状や捜索差押許可状などの捜査書類について、SNSで画像を送ったり、郵送したりすること
- インターネットで警察職員の名前を検索してみるよう言うこと
さらに、警察本部や警察署の代表電話の番号を偽って表示させる手口や、偽の警察のウェブサイトに誘導する手口も紹介されています。着信の画面に本物の警察署の番号が出ていても、それだけで本物とは言い切れない、ということです。
今回の件で相手が求めたのはお金ではなく名刺情報でしたが、「捜査に必要」という理由で、ふだんなら出さないものを出させるという流れは同じです。警察が捜査のために、電話やメールで会社の名刺のデータをまとめて送るよう求めることがあるかどうかは、少なくとも、その場で応じるのではなく、本物の警察に自分で確かめるべき場面です。警察庁は、不安を感じたときの相談先として、警察相談専用電話の「#9110」を案内しています。
名刺を交換した人に起こりうること
今回の件で影響を受ける可能性があるのは、安藤ハザマの社員と名刺を交換したことがある人です。どの社員の、どの名刺が含まれていたかは、発表に書かれていません。そのため、仕事で安藤ハザマの社員と名刺を交換したことがある人は、立場や業種にかかわらず、自分も含まれうると考えて備えておくのが確実です。
名刺の情報は、一人ひとりにとっては仕事の連絡先にすぎないように見えます。しかし、約5,000件がまとまった一覧になると、どの会社のどの部署に誰がいて、どの会社と取引があるかが分かる名簿になります。詐欺を目的とする相手にとっては、ふだんの取引の流れに紛れ込むための材料になりうるということです。
名刺の情報が詐欺を目的とする相手に渡ったことで、考えられることは次のとおりです。実際にこうした被害が確認されたという発表はありません。
- 安藤ハザマの社員になりすましたメールが届く(請求書の振込先の変更、資料の確認を装ったリンクなど)
- 警察を名乗る電話が届く(「安藤ハザマの件の捜査で」と、今回の件を持ち出すものも考えられる)
- 会社の代表電話やFAXに、取引を装った問い合わせが届く
- 名刺の情報が、ほかの詐欺の名簿として使われる
特に注意したいのは、取引先になりすましたメールです。会社名、部署名、役職、氏名、メールアドレスがそろうと、「いつもお世話になっております」から始まる、ふだんどおりの文面のメールを作ることができます。そこに「振込先の口座が変わりました」「添付の資料をご確認ください」と書かれていれば、忙しいときほど見落としやすくなります。
こうした、取引先や上司になりすましてお金をだまし取るメールの手口は、ビジネスメール詐欺と呼ばれています。情報処理推進機構(IPA)は、ビジネスメール詐欺(BEC)対策のページで、手口のパターンや事例を紹介しています。
なりすましの連絡の具体例と見分け方
ここでは、名刺の項目の組み合わせから考えられる連絡の例を挙げます。実際にこうした連絡が確認されたという発表はありません。見分ける練習として読んでください。
取引先を装うメールの場合
件名に「【安藤ハザマ】お支払い口座変更のお知らせ」と書かれ、本文は「○○株式会社 工事部 部長 △△様」と正しい肩書きで始まり、「弊社の取引銀行の変更に伴い、今月分より下記の口座へのお振込みをお願いいたします」と続く、という形が考えられます。送信元の表示名は安藤ハザマの社員の名前でも、アドレスをよく見ると、似ているけれど違うドメインになっていることがあります。
このようなメールを受け取ったら、メールには返信せず、以前から使っている担当者の電話番号に電話して、口座の変更が本当かを確かめます。口座の変更のように、お金の流れが変わる話は、メールだけで決めないのが基本です。
資料の確認を装うメールの場合
「先日の打ち合わせの資料を共有します。こちらからご確認ください」と、ファイル共有のサービスを装ったリンクが貼られたメールも考えられます。リンクを開くと、メールアドレスとパスワードの入力を求める画面が出てくる、という流れです。打ち合わせの予定に心当たりがあっても、相手のアドレスと、資料を受け取る約束をしていたかを確かめてから開きます。
警察を名乗る電話の場合
「警視庁の者です。安藤ハザマの社員が関わる事件の捜査で、あなたの名刺が見つかりました。確認のため、取引の記録を送ってください」といった電話も考えられます。今回の件そのものが報道されているため、事案の話を持ち出されると、本物らしく聞こえてしまうおそれがあります。
警察を名乗る電話で、情報やお金、SNSでの連絡を求められたら、いったん切ります。そのうえで、自分で調べた警察署の代表番号か「#9110」にかけて、本当にそのような捜査があるのかを確かめます。電話を切ることに失礼だと感じる必要はありません。本物の警察であれば、確かめてからかけ直すことを嫌がる理由はないからです。
FAXの場合
FAX番号が含まれているため、取引を装った注文書や請求書がFAXで届くことも考えられます。FAXは、送り主を確かめる手段がメール以上に少ない連絡の方法です。見覚えのない請求書や、支払いの期限を短く区切った通知がFAXで届いたら、書かれた番号ではなく、取引先の公式の番号に電話して確かめます。
応じてしまったとき
なりすましの連絡に応じてしまったときは、内容に応じて次の順に動きます。
- 振込をしてしまった場合は、すぐに自分の取引銀行に連絡し、振込先の口座の凍結などの手続きを相談する
- パスワードを入力してしまった場合は、そのパスワードを使っているサービスすべてで、別のパスワードに変える
- 取引先の情報や社内の資料を送ってしまった場合は、社内の担当の部署に報告する
- 警察の相談窓口(#9110)に相談する
- 安藤ハザマを装う連絡だった場合は、発表に書かれた問い合わせ先にも知らせる
振込は時間がたつほど取り戻しにくくなるため、気づいた時点で、ためらわずに銀行に連絡することが大切です。夜間や休日であっても、銀行の多くは不正な振込の相談を受ける窓口を設けています。自分の銀行の公式サイトで、緊急の連絡先を前もって確かめておくと、いざというときに迷わずに済みます。
安藤ハザマの対応
発表に書かれた会社の対応は次のとおりです。
- 関係各所と連携して、事実関係の詳細を調べている
- 情報流出の対象となった人に、個別に状況のお詫びと報告を順次始めている
- 2026年8月28日に、個人情報保護委員会へ報告した
- 再発防止として、個人情報保護と情報セキュリティの教育を行い、データへのアクセス権限を見直す
対象となった人への個別の連絡は「順次開始」とされています。どのような方法(郵便、メール、電話など)で連絡するかは、発表に書かれていません。お詫びの品や補償の有無も書かれていません。
個別の連絡の方法が示されていないため、「安藤ハザマからの連絡」を名乗るものが届いたときに、それが本物かどうかを方法だけで見分けることはできません。届いた連絡に書かれた電話番号やリンクではなく、発表に書かれた問い合わせ先に、自分から連絡して確かめるのが確実です。
自分が対象かを確かめる方法
対象は、安藤ハザマの名刺管理システムに保管されていた名刺のうち、社員が送った約5,000件です。会社は対象の人に個別の連絡を順次始めているとしています。
確かめるときの手順は次のとおりです。
- 安藤ハザマの社員と名刺を交換したことがあるかを思い出す。自分の名刺管理の記録や、受け取った名刺を見返す
- 安藤ハザマから、今回の件についての個別の連絡が届いていないかを確かめる
- 届いた連絡が本物か気になるときは、発表に書かれた問い合わせ先に、自分で電話をかけて確かめる
- 連絡が届いていなくても気になるときは、同じ問い合わせ先に、自分が対象かを尋ねる
会社の担当者が、取引先として安藤ハザマとやり取りしている場合は、社内で誰が名刺を交換していたかを整理しておくと、問い合わせのときに話が早く進みます。
名刺を交換した人がすること
流出した項目は仕事の連絡先が中心です。項目に合わせて、要るものだけを進めます。
なりすましのメールに備える
一番大切なのは、安藤ハザマの社員や、ほかの取引先を装ったメールへの備えです。とくに次のような内容のメールは、送り主に電話で確かめてから動きます。
- 振込先の口座の変更
- 急ぎの支払いの依頼
- 見慣れないサイトのリンクから資料を開かせるもの
- 添付ファイルを開かせ、マクロの有効化やログインを求めるもの
電話で確かめるときは、メールの署名に書かれた番号ではなく、以前から使っている番号や、会社の公式サイトに載っている番号を使います。偽のメールなら、署名の番号も偽の番号が書かれているためです。フィッシングの文面の見分け方は、フィッシング詐欺メールの見分け方で手順にしています。
警察を名乗る電話に備える
今回の件のきっかけが警察官を名乗る詐欺だったため、名刺を交換した人にも、同じような電話が来ることが考えられます。「安藤ハザマの社員の件で捜査をしている」「あなたの名刺が犯罪に使われた」などと言われても、その場で情報やお金を出さずに、いったん電話を切ります。
確かめるときは、相手が教える番号ではなく、自分で調べた警察署の代表番号か、警察相談専用電話の「#9110」にかけます。警察庁が示しているとおり、警察がSNSやビデオ通話で取調べをしたり、捜査書類の画像をSNSで送ったりすることはありません。
電話番号とFAXへの連絡に備える
名刺に印刷された電話番号やFAX番号に、取引を装った問い合わせや、身に覚えのない請求が届く可能性もあります。電話番号が漏れたときの備え方は、電話番号の流出チェックの方法で、迷惑電話やSMSへの対処とあわせて説明しています。会社の代表番号に届く場合は、受付の担当者にも今回の件を伝えておくと、不審な電話を取り次ぐ前に止めやすくなります。
社内で共有する
会社として安藤ハザマと取引している場合は、今回の件を社内で共有しておくと、なりすましのメールに気づきやすくなります。経理の担当者には、振込先の変更を求めるメールが来たら、必ず電話で確かめる決まりを守ってもらいます。
しなくてよいこと
今回の項目には、パスワードやクレジットカード情報、口座の情報は含まれていません。そのため、今回の件だけを理由に、パスワードを変えたり、カードを止めたりする必要は示されていません。ただし、不審なメールに応じてパスワードやカード番号を入力してしまった場合は、すぐに変えたり止めたりします。
社内や関係者に知らせるときの伝え方
安藤ハザマと取引のある会社では、今回の件を社内で共有しておくと、なりすましの連絡に気づきやすくなります。共有するときは、不安をあおらず、事実と、してほしいことを短く伝えるのが効果的です。
伝える内容は、次の3つにまとめると分かりやすくなります。
1つ目は、何が起きたかです。安藤ハザマが2026年8月31日に、社員が警察官を名乗る者にだまされ、名刺情報 約5,000件が外部に流出したと発表したこと。項目は会社名、部署名、役職、氏名、住所、電話番号、FAX番号、メールアドレスであること。
2つ目は、気をつけてほしい連絡です。安藤ハザマの社員を名乗る、振込先の変更や急ぎの支払いを求めるメール、見慣れないリンクから資料を開かせるメール、警察を名乗って情報を求める電話の3つを、具体的に挙げます。
3つ目は、そうした連絡が来たときの動き方です。メールのリンクや署名の番号を使わず、以前から使っている番号で担当者に確かめること。社内の担当の部署にも知らせること。
経理の担当者、受付で電話を取る人、安藤ハザマの社員と直接やり取りしている現場の担当者には、特に伝えておきたい内容です。名刺を交換したのが誰か分からない場合でも、会社として取引がある以上、関係する部署に広く伝えておくほうが確実です。
取引先の担当者が個人として名刺を交換している場合は、本人の携帯電話の番号が名刺に載っていたかどうかも確かめておくと、個人あての不審な電話に備えられます。
社員が詐欺に気づくために、会社としてできること
今回の件は、社員1人が警察官を名乗る者にだまされたことから始まりました。同じことは、どの会社でも起こりえます。名刺を交換した側の会社にとっても、自社の社員が同じ手口にかからないための備えとして読むことができます。
会社としてできることの例は次のとおりです。
- 警察や役所を名乗る相手から、社内のデータを求められたら、上司や担当の部署に相談してから応じる決まりを作る
- 名刺や顧客の情報をまとめて取り出せる権限を、必要な人だけに絞る
- まとまった件数のデータが取り出されたときに、記録が残り、担当者が気づける仕組みにする
- ニセ警察詐欺の手口を、警察庁の情報をもとに社内で共有する
安藤ハザマも、再発防止として教育とアクセス権限の見直しを挙げています。人が気をつけるだけでなく、1人の判断でまとまったデータを外へ出せない仕組みにしておくことが、同じ種類の流出を防ぐ手がかりになります。
社員向けの教育の進め方は、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果で、模擬訓練の考え方とあわせて解説しています。
名刺管理システムを使う会社が見直したいこと
今回の件で、名刺の情報がまとまって外へ出たのは、名刺管理システムからダウンロードできたためです。名刺管理システムは、営業や取引先との連絡を効率よく進めるうえで便利な仕組みですが、便利さの裏側で、一度に多くの人の連絡先を取り出せる入り口にもなります。
名刺管理システムを使っている会社が見直したいのは、次のような点です。
- 一覧をまとめてダウンロードできるのは誰か。全社員が全件を取り出せる設定になっていないか
- 自分が交換した名刺だけでなく、ほかの社員が交換した名刺まで見られる設定になっていないか
- ダウンロードの記録が残り、まとまった件数が取り出されたときに担当者が気づけるか
- 社外のアドレスにデータを送るときに、確認の手順があるか
どこまで絞るかは、会社の仕事の進め方によって変わります。営業の部署では、同じ取引先の名刺を複数の社員で共有したほうが仕事が進むこともあります。大切なのは、便利さのためにどこまで開いているのかを、会社として把握しておくことです。
安藤ハザマは、再発防止としてデータへのアクセス権限の見直しを挙げています。名刺管理システムを使っている会社にとっては、自社の設定を見直すきっかけにできます。
今回の件をどう受け止めるか
今回の件は、外からの侵入ではなく、社員がだまされたことで起きた事案です。こうした事案では、だまされた社員を責める見方が出がちですが、警察庁が示しているとおり、ニセ警察詐欺は件数も被害額も大きく、巧みな手口で多くの人がだまされています。誰にでも起こりうることとして受け止めるほうが、同じことを防ぐ役に立ちます。
発表の中で目を向けたいのは、社員が自分から本物の警察に連絡したことで、詐欺だと分かったという点です。もし社員が誰にも言わずにいたら、流出に気づくのはもっと遅れていたかもしれません。おかしいと感じた時点で、本物の窓口に確かめることが、被害を広げない一番の手段だということが分かります。
名刺を交換した側の人にとっては、自分の情報が、自分では防ぎようのない形で外へ出たことになります。不安を感じるのは自然なことです。そのうえで、できることは、なりすましの連絡に応じないこと、お金や情報を求められたら確かめること、社内や家族と共有すること、の3つにまとまります。
続報で確かめたいこと
会社は、関係各所と連携して事実関係の詳細を調べているとしています。続報が出たときは、次の点に注目すると、内容の変化を読み取りやすくなります。
- 約5,000件という件数が確定したか、変わったか
- 流出した名刺情報が、その後どう使われたかについて新しい事実が示されたか
- 対象の人への個別の連絡が終わったか、どの方法で連絡しているか
- 再発防止策の中身が具体的に示されたか
続報は、安藤ハザマの公式サイトの新着情報の一覧で確かめます。ニュースサイトやSNSでは、公式の発表と違う言葉で伝えられることがあるため、判断の材料にするのは、会社の公式発表の文面です。
問い合わせ窓口
公式発表に記載されている問い合わせ先は次のとおりです。
| 窓口 | 電話番号 |
|---|---|
| 管理本部 総務部 コンプライアンスグループ | 03-3575-6090 |
| 管理本部 コーポレート・コミュニケーション部 広報グループ | 03-3575-6094 |
受付時間は、発表に書かれていません。発表には、窓口ごとの受け持ちの違いも書かれていません。どちらにかければよいか迷ったときは、まず総務部 コンプライアンスグループの番号にかけ、自分が名刺を交換した立場であることを伝えて、用件を案内してもらうと確実です。
問い合わせるときは、次のことを手元にそろえておくと話が早く進みます。
- 安藤ハザマの誰と、いつごろ名刺を交換したか
- 届いた連絡があれば、その日時、方法、送り主として名乗った名前、内容
- 不審なメールがあれば、その件名と送信元のアドレス
届いたメールや電話で案内された番号ではなく、この記事に書いた番号、または安藤ハザマの公式サイトで確かめた番号にかけます。
在宅で仕事をする人が気をつけること
在宅で仕事をする人も、打ち合わせや展示会で名刺を交換する機会があります。自分の名刺には、自宅の住所や携帯電話の番号を載せていることも少なくありません。今回のように、名刺を受け取った側の会社から情報が流出すると、自宅の住所や個人の番号が、自分の知らないところで外へ出てしまうことがあります。
在宅で仕事をする人が見直したいのは次の点です。
- 名刺に載せる情報を、仕事に必要な範囲に絞る(自宅の住所を載せる必要があるかを考える)
- 仕事用のメールアドレスと電話番号を、個人用と分ける
- 取引先からの振込先の変更や、急ぎの支払いの依頼は、必ず電話で確かめる
- 警察や役所を名乗る相手から、取引先の情報を求められても、その場で渡さない
自宅で仕事をしていて、名刺に自宅の住所を載せている人は、今回のような流出で、仕事の相手ではない誰かに自宅の場所を知られるおそれがあります。打ち合わせの相手に郵送物を送ってもらう必要がなければ、名刺には市区町村までにとどめる、メールアドレスと電話番号だけにする、といった工夫もできます。
住所が漏れたときに起こりうることと防ぎ方の順番は、個人情報が流出して住所が漏れたときの対応で説明しています。
在宅で仕事をする人は、取引先から個人情報を預かる立場にもなりえます。個人情報保護委員会は、漏えいやそのおそれが起きた場合に、一定の条件で委員会への報告が必要になると案内しています。条件には、不正の目的をもって行われたおそれがある行為による漏えい等や、本人の数が1,000人を超える漏えい等(又はそのおそれ)が挙げられています。安藤ハザマも、8月28日に個人情報保護委員会へ報告したと発表しています。
個人データに係る本人の数が1,000人を超える漏えい等(又はそのおそれ) 出典: 個人情報保護委員会「漏えい等報告について」
自分が仕事で扱う情報がこれにあたるかは、扱う情報の種類や件数で変わります。迷ったときは、委員会の案内を読んだうえで、取引先や委員会の相談窓口に確かめてください。
アカウントと取引先の情報を守る力を仕事に生かす
情報漏洩の発表を正確に読み、なりすましの連絡に落ち着いて対処し、自分が預かる取引先の情報を守る力は、在宅で仕事をするうえでも役に立ちます。取引先とのやり取りの多くがメールやチャットになる在宅の働き方では、偽の連絡を見分けることが、そのまま自分と取引先の情報を守ることにつながるからです。
セキュリティの知識を在宅の仕事に生かしたい人は、まず自分のアカウントと取引先の情報の管理を整え、事案の発表を正確に読む習慣をつけるところから始められます。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。
よくある質問
Q. 安藤ハザマは不正アクセスを受けたのですか?
いいえ。2026年8月31日の発表では、社員が警察官を名乗る者にだまされ、名刺管理システムに保管していた名刺情報をダウンロードし、相手に電子メールで送ったとされています。一連の連絡は、警察官によるものではなく、架空請求を目的とした詐欺だったと分かったと発表されています。
Q. どのような情報が流出したのですか?
発表では、対象件数は約5,000件で、項目は会社名、部署名、役職、氏名、住所、電話番号、FAX番号、メールアドレスとされています。名刺の情報なので、多くは勤め先の連絡先と考えられますが、名刺に携帯電話の番号などを載せていた場合は、それが含まれる可能性もあります。
Q. 安藤ハザマの社員と名刺を交換しました。何をすればよいですか?
安藤ハザマの社員やほかの取引先を装ったメール、警察を名乗る電話に注意してください。振込先の変更や急ぎの支払い、リンクからのログインを求められたら、以前から使っている番号で電話して確かめます。対象か気になるときは、発表に記載の総務部 コンプライアンスグループ(03-3575-6090)に問い合わせてください。
Q. 警察を名乗る電話がかかってきたら、どうすればよいですか?
その場で情報やお金を出さずに、いったん電話を切ってください。警察庁は、警察が「+」から始まる国際電話番号から電話をすることや、SNSやビデオ通話で取調べをすることはないと明記しています。確かめるときは、相手が教える番号ではなく、警察相談専用電話の「#9110」か、自分で調べた警察署の番号にかけます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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