子育て中のママが家事代行のアルバイトを始めるときの探し方と働き方


この記事のポイント
- ✓子育て中のママが家事代行のアルバイトを始めるときに
- ✓マッチングサービスで個人として受ける形
- ✓家政婦紹介所を通じて家庭に雇われる形の違いを整理しました
子どもが幼稚園や学校に行っているあいだの数時間だけ働きたい。家にいる時間を中心に生活を組み立てながら、自分の家事の経験を生かせる仕事がしたい。そう考えて、家事代行のアルバイトを調べ始めるママは少なくありません。家事代行は、料理や掃除、整理収納といった毎日の家事の力がそのまま仕事になるうえ、1回2時間程度から働ける求人が多く、子育てと両立しやすい仕事の1つです。
ただ、同じ「家事代行のアルバイト」でも、会社に雇われるのか、マッチングサービスで個人として依頼を受けるのか、家政婦紹介所を通じて家庭に直接雇われるのかで、働くときのルールも、守られ方も大きく変わります。ここを知らずに始めると、「思っていたより収入が残らない」「けがをしたときの補償がなかった」ということになりかねません。
この記事では、子育て中のママが家事代行の仕事を始めるときに知っておきたい3つの働き方の違い、求人の時給の水準、子どもの予定に合わせた時間の組み方、扶養と社会保険の線、仕事の流れ、在宅でできる仕事との組み合わせ方を、厚生労働省の資料で確かめた事実をもとに整理します。
家事代行の仕事とは、どんなことをするのか
家事代行の仕事は、依頼した家庭に出向き、その家の家事を代わりに行う仕事です。内容は依頼によってさまざまですが、主なものは次のとおりです。
- 掃除(キッチン、浴室、トイレ、洗面所、リビングなど)
- 料理(数日分の作り置き、その日の夕食の用意など)
- 洗濯(洗濯機を回して干す、取り込んでたたむ、アイロンがけ)
- 整理収納(散らかった部屋の片付け、収納の見直し)
- 買い物の代行
依頼する家庭は、共働きで家事の時間が取れない家庭、子育て中で手が回らない家庭、高齢で体力的に家事が難しい家庭など、幅があります。1回の訪問は2時間から3時間程度が多く、定期的に同じ家庭を担当する形と、単発で依頼を受ける形があります。
家事代行の会社の採用ページでは、未経験から始める人が多いことを伝えています。ある大手の家事代行会社の採用ページには、次のように書かれています。
家事や子育ての経験などあなたの“人生をまるごと活かせる”、ベアーズの家事代行サービスの求人です。料理・整理収納・掃除など、日常の家事スキルで1日2時間からできるお仕事なので、プライベートのスキマ時間を有効活用してお仕事ができます。 子供が学校や幼稚園に通っている間に、授業の合間に、今までのお仕事の定年後に、幅広い年齢の方が活躍しています。 ブランクのある方や未経験者も大歓迎です。 出典: bears-saiyou.net
このように、子どもが学校や幼稚園に通っている時間に働くことを前提にした募集があるのが、家事代行という仕事の特徴です。
求人の時給の水準と、収入の考え方
家事代行のアルバイトでどのくらいの収入になるのか、まずは求人の数字で確かめておきます。
求人ボックスの「家事代行の仕事」の検索結果ページでは、2026年10月5日時点で、家事代行の求人の平均時給が1,400円と表示されていました。ただし、これは掲載されている求人から計算した平均で、地域や会社、経験、担当する作業によって幅があります。料理や整理収納など、専門性の高い作業を担当できるようになると、時給が上がる仕組みを設けている会社もあります。
収入を考えるときに大事なのは、時給だけでなく「実際に働ける時間」です。子育て中の場合、働けるのは子どもが園や学校にいる時間に限られることが多くなります。たとえば、平日の午前中に2時間の訪問を週3回担当すると、1週間で6時間、1か月で24時間ほどです。ここから、移動にかかる時間や交通費の扱いを確かめておく必要があります。交通費が支給されるかどうか、移動時間が勤務時間に含まれるかどうかは、会社や働き方で違うため、応募の前に必ず確認してください。
また、子どもの体調不良による急な休みが出やすいのも、子育て中ならではの事情です。急な欠勤のときに、代わりのスタッフを手配してくれる仕組みがあるかどうかは、働き続けやすさを大きく左右します。面接や説明会で、急な休みの連絡方法と、代わりの手配をだれが行うのかを聞いておくと安心です。
3つの働き方:会社に雇われる、個人で受ける、家庭に雇われる
家事代行のアルバイトには、大きく3つの働き方があります。ここが一番大事なところなので、違いを丁寧に見ていきます。
1つ目は、家事代行の会社にパートやアルバイトとして雇われる形です。会社が依頼を受け、スタッフを家庭に派遣します。この場合、あなたは会社の従業員なので、労働基準法などの働く人を守る法律が適用されます。最低賃金以上の給料が保証され、条件を満たせば有給休暇も取れますし、仕事中のけがは労災保険の対象になります。研修を受けてから現場に出る形が多く、未経験の人には最も始めやすい働き方です。
2つ目は、マッチングサービスに登録し、個人として家庭から依頼を受ける形です。この場合は雇われているのではなく、個人事業主として仕事を請け負う「業務委託」になります。業務委託とは、会社や依頼者に雇われるのではなく、決められた仕事を独立した立場で引き受ける契約のことです。時給にあたる金額を自分で決められるサービスもあり、条件次第では会社に雇われるより手取りが多くなることもあります。一方で、最低賃金や有給休暇、労災保険といった、雇われる人を守る仕組みは原則として適用されません。
3つ目は、家政婦(夫)紹介所を通じて、家庭と直接雇用の契約を結ぶ形です。このように働く人を「家事使用人」と呼びます。厚生労働省は、家事使用人を次のように説明しています。
家政婦(夫)紹介所を経由するなどして、ご家庭と直接労働契約を結び、ご家庭との雇用関係の下において、家事業務を行う人を「家事使用人」と言います。 出典: 厚生労働省
注意したいのは、労働基準法の第116条第2項で、家事使用人には労働基準法が適用されないと定められている点です。つまり、家庭と直接雇用の契約を結ぶ場合は、雇われているのに、労働時間や休日の規制など労働基準法のルールが原則として及びません。厚生労働省はこうした事情を踏まえて「家事使用人の雇用ガイドライン」をつくり、雇う家庭に向けて、契約の条件を書面で明らかにすること、最低賃金を下回る低い水準になっていないか確認すること、就業時間は1日8時間・1週40時間を上限とするのが望ましいことなどを示しています。
| 働き方 | 契約の形 | 最低賃金・有給休暇 | 仕事中のけが |
|---|---|---|---|
| 家事代行の会社に雇われる | 会社と雇用契約 | 適用される | 会社の労災保険の対象 |
| マッチングサービスで個人として受ける | 依頼者と業務委託 | 原則として適用されない | 自分で保険に入る必要がある |
| 紹介所を通じて家庭に雇われる | 家庭と雇用契約(家事使用人) | 労働基準法は適用除外 | 労災保険の特別加入を検討 |
初めて家事代行の仕事をするなら、まずは会社に雇われる形で経験を積み、仕事の流れや自分に合う作業が分かってから、ほかの働き方を検討する順番が無理のない選び方です。
子どもの予定に合わせた働く時間の組み方
子育て中のママが家事代行を続けるうえで、一番の課題は時間の組み方です。具体的な組み方の例を見ていきます。
子どもが幼稚園や保育園に通っている場合、送り出してから迎えに行くまでの時間が働ける時間になります。たとえば9時に送り出して14時にお迎えなら、移動の時間を考えると、10時から12時の2時間の訪問が1件、うまく組めれば13時半までにもう1件入れられるかどうか、という計算になります。
小学生の場合は、帰宅時間が学年や曜日で変わります。低学年のうちは下校が早い日が多く、放課後の居場所をどうするかも考えておく必要があります。
時間の組み方で意識したいのは、次の3つです。
- 訪問先は自宅や子どもの園、学校から近い地域に絞る。移動に時間がかかると、働ける時間が大きく減ります。
- 定期の依頼を中心にする。毎週同じ曜日、同じ時間に同じ家庭を担当する形にすると、生活のリズムが崩れにくくなります。
- 長期休暇の扱いを事前に決めておく。夏休みや冬休みは子どもが家にいる時間が長くなります。その期間は勤務を減らす、または休むことを、会社や依頼者と事前に話し合っておきます。
会社に雇われる形の場合は、シフトの希望の出し方と、どのくらい前までに出すのかを確認しておきましょう。マッチングサービスで個人として受ける形の場合は、受ける依頼を自分で選べる反面、依頼が入らない週もあります。どちらの形でも、子どもの急な発熱は避けられません。その日に休まざるを得ないとき、どう連絡し、だれが代わりを務めるのかを最初に決めておくことが、長く続けるための土台になります。
扶養の範囲で働くか、超えて働くかの判断
子育て中のママが働き始めるとき、多くの人が気にするのが扶養の範囲です。扶養には、税金の扶養と、社会保険の扶養の2種類があり、それぞれ基準が違います。
税金の面では、令和8年分から、配偶者控除の対象になる配偶者の所得要件が合計所得62万円以下、給与だけの場合は給与収入136万円以下になっています。配偶者控除とは、夫や妻の所得税を計算するときに、収入の少ない配偶者がいることを理由に差し引ける金額のことです。この基準を超えても、一定の範囲までは配偶者特別控除という別の控除が受けられ、控除の額は段階的に小さくなっていきます。
社会保険の面では、健康保険の被扶養者として認められるのは、原則として年間の収入が130万円未満の人です。被扶養者とは、自分で保険料を払わずに、家族の健康保険に入れてもらえる人のことです。
もう1つ知っておきたいのが、パートやアルバイトでも勤め先の社会保険に加入する場合です。現在は、従業員数が51人以上の会社で、週の所定労働時間が20時間以上、2か月を超えて雇用される見込みがあり、学生でないという条件を満たすと、勤め先の健康保険と厚生年金に加入します。以前はこれに加えて「月額8.8万円以上」という賃金の要件がありましたが、この賃金要件は2026年10月に撤廃されました。会社の規模の要件は、2027年10月から段階的に対象が広がる予定です。
家事代行の会社に雇われて、週に20時間以上働くと、この条件にあてはまる可能性があります。勤め先の社会保険に入ると、手取りは減る一方で、将来の年金が厚くなる、病気で働けないときに傷病手当金が出るなどの保障が得られます。傷病手当金とは、病気やけがで働けない間に健康保険から出るお金のことです。
マッチングサービスで個人として受ける場合は、給与ではなく事業の所得になるため、税金の計算のしかたも変わります。扶養の判断は、家族の勤め先の健康保険によって細かな扱いが違うこともあります。働く時間を決める前に、家族の勤め先の担当部署や、税務署、年金事務所に確認してください。
家事代行の1回の仕事の流れ
実際の仕事の流れを、会社に雇われて定期の依頼を担当する場合を例に見ていきます。
最初の訪問では、担当者と一緒に家庭を訪ね、依頼の内容を細かく確認するのが一般的です。どの部屋を、どの順番で、どの程度まで掃除するのか。使ってよい洗剤や道具はどれか。触れてはいけない物や、入ってはいけない部屋はあるか。料理であれば、家族の人数、苦手な食材やアレルギー、味付けの好みなどを聞き取ります。
2回目以降は、決められた時間に訪問し、依頼された作業を進めます。限られた時間の中で終わらせるために、作業の順番を決めておくのが大切です。たとえば掃除なら、上から下へ、奥から手前へ、という基本の順番を守るだけで、二度手間が減ります。料理の作り置きなら、煮込みの時間がかかるものから火にかけ、そのあいだに切り物や和え物を進めるといった段取りが、時間内に品数をそろえる鍵になります。
作業が終わったら、依頼者に報告します。在宅の依頼者には口頭で、留守の依頼者には連絡帳や会社のアプリなどで、その日に行ったことと、気づいたこと(洗剤が残り少ない、排水口の流れが悪いなど)を伝えます。
| 段階 | 主な作業 | 気をつける点 |
|---|---|---|
| 初回の打ち合わせ | 依頼内容、道具、触れてはいけない物の確認 | 聞き取った内容をメモに残す |
| 訪問 | 依頼された家事を行う | 時間内に終わる順番で進める |
| 終了時 | 報告、戸締まりの確認 | 気づいたことも一緒に伝える |
家事使用人の雇用ガイドラインでも、トラブルを避けるため、金品や貴重品など触れてはいけない物は雇用主自身で管理するよう、雇う家庭の側に呼びかけています。働く側も、貴重品が目につく場所にあるときは触らず、気になることがあれば依頼者や会社に伝えるようにすると、無用な疑いを避けられます。
家事代行に向いている人と、求められる力
家事代行の仕事は、家事が得意な人だけの仕事ではありません。ただ、求められる力はいくつかあります。
1つ目は、他人の家のやり方に合わせる柔軟さです。自分の家では当たり前のやり方が、依頼者の家では違うことがよくあります。洗濯物のたたみ方、食器の置き場所、掃除の仕上がりの基準など、依頼者の好みに合わせることが大切です。
2つ目は、時間内に終わらせる段取りの力です。家事代行は、限られた時間で決まった作業を終えることが求められます。子育て中のママは、毎日の家事を短い時間で回す工夫をしている人が多く、その経験がそのまま生きます。
3つ目は、伝える力です。依頼者への報告、会社への連絡、作業の中で気づいたことの共有など、短い文章や会話で正確に伝える場面が多くあります。報告や連絡の文章に自信がない人は、ビジネス文書検定で文書の書き方の基本を学んでおくと、報告書や連絡帳の記入に役立ちます。この検定は、ビジネスで使う文書の作り方や敬語の使い方の基本を問うものです。
4つ目は、体力です。浴室の掃除やキッチンの換気扇の掃除、重い荷物を持っての移動など、体を使う作業が多くあります。
向いているのは、人の役に立つことに喜びを感じる人、細かい部分に気がつく人、約束の時間を守れる人です。一方で、他人の家に入ることに強い抵抗がある人や、自分のやり方へのこだわりが強い人には、負担が大きく感じられるかもしれません。
応募から働き始めるまでの手順
家事代行のアルバイトを始めるまでの流れを、会社に雇われる形を例に整理します。
手順1:働ける時間と地域を決める
まずは、子どもの予定をもとに、週に何日、何時から何時まで働けるかを書き出します。あわせて、自宅からどのくらいの範囲まで移動できるかも決めておきます。この2つが決まっていると、求人を絞り込みやすくなります。
手順2:求人を探し、条件を比べる
求人サイトで「家事代行」と、住んでいる地域の名前を組み合わせて検索します。比べるときは、時給だけでなく、交通費の支給、移動時間の扱い、研修の有無と研修中の給料、急な休みのときの対応、仕事中のけがへの補償を確認します。
手順3:説明会や面接を受ける
多くの会社では、説明会や面接で仕事の内容と働き方を説明します。子育て中であること、働ける時間、長期休暇の扱いの希望を、最初から正直に伝えておくのが大切です。あとから条件をすり合わせるより、最初に伝えたほうがお互いに無理のない担当を組めます。
手順4:研修を受ける
採用後は、掃除の手順、道具や洗剤の使い方、依頼者への接し方などの研修を受けます。会社によっては、料理や整理収納など、作業ごとの研修を用意しています。
手順5:担当の家庭が決まり、働き始める
研修のあと、担当の家庭が決まり、実際の訪問が始まります。最初のうちは、先輩のスタッフと一緒に訪問する会社もあります。
マッチングサービスで個人として受ける場合は、手順2と3の代わりに、サービスへの登録、身分証明書の提出、プロフィールの作成、サービスによっては研修や面談を経て、依頼を受けられるようになります。
面接や説明会で確認しておきたいこと
子育て中のママが家事代行の会社に応募するとき、面接や説明会で聞いておくと後から困らない質問を整理しておきます。聞きにくいと感じる内容もありますが、働き始めてから知るより、最初に確かめておいたほうがお互いのためになります。
| 確認すること | 聞いておく理由 |
|---|---|
| 交通費の支給の有無と上限 | 訪問先が遠いと、交通費の自己負担で手取りが減るため |
| 移動時間が勤務時間に含まれるか | 1日に複数の家庭を回るとき、実際の拘束時間が変わるため |
| 研修の期間と、研修中の給料 | 研修が無給か有給かで、最初の数か月の収入が変わるため |
| 急な休みの連絡方法と代わりの手配 | 子どもの発熱などで休む日に、だれが代わりを務めるかを知るため |
| 長期休暇中の勤務の減らし方 | 夏休みや冬休みに勤務を減らせるかを確かめるため |
| 仕事中のけがや、物を壊したときの補償 | 会社の保険でどこまで対応されるかを知るため |
| 時給が上がる条件 | 長く続けたときの見通しを立てるため |
| 社会保険の加入の条件 | 働く時間によって勤め先の社会保険に入るかを確かめるため |
とくに大事なのが、急な休みのときの対応です。会社によっては、スタッフが休むときに代わりのスタッフを会社が手配する仕組みを整えています。こうした仕組みがあるかどうかで、子どもの体調に合わせて休むときの気持ちの負担が大きく変わります。
また、応募の段階で、働ける曜日と時間をできるだけ具体的に伝えておくと、会社の側も担当する家庭を組みやすくなります。「平日の9時半から13時まで、週3日」のように伝えると、話が早く進みます。
個人で受けるときに知っておきたい契約と保険
マッチングサービスで個人として依頼を受ける場合は、会社に雇われる場合と違って、自分の身を守る準備を自分でしておく必要があります。
まず、契約の内容です。依頼者との間でどんな作業を、何時間、いくらで引き受けるのかを、サービスの画面やメッセージで記録に残しておきます。作業の範囲があいまいなまま始めると、「これもやってほしかった」という行き違いが起きやすくなります。
次に、取引の相手と法律の関係です。2024年11月に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法(フリーランス法)は、事業者からフリーランスに仕事を発注するときのルールを決めた法律です。厚生労働省のフリーランス法の解説ページでは、法律の内容が整理されています。ただし、公正取引委員会の解説では、消費者を相手に取引をしている人は、この法律のフリーランスにあたらないとされています。家事代行で個人の家庭から直接依頼を受ける場合、相手が事業者でなければ、この法律の保護の対象にならない場合がある、ということです。詳しくは厚生労働省のフリーランス法の解説ページを確認してください。
保険も大切です。作業中に依頼者の家の物を壊してしまった場合に備える損害保険と、自分がけがをした場合に備える保険があります。マッチングサービスの中には、サービス側で保険を用意しているところもありますが、何が補償されるかはサービスごとに違います。家事使用人の雇用ガイドラインでも、雇う家庭に対して、損害保険の加入の有無と、災害補償保険(労災保険の特別加入を含む)の加入の有無を事前に確認するよう求めています。家事支援の仕事をする人は、労災保険の特別加入という仕組みで、本来は雇われる人のための労災保険に任意で入れる場合があります。
税金の面では、個人として受けた報酬は事業の所得として扱われます。所得の額によっては確定申告が必要になるため、受け取った報酬と、交通費などの経費の記録を日ごろから残しておきましょう。
家事代行の仕事で起きやすい行き違いと、その防ぎ方
家事代行は、他人の暮らしの中に入る仕事です。どれだけ丁寧に作業しても、依頼者との行き違いは起きることがあります。よくある場面と、防ぎ方を整理しておきます。
1つ目は、仕上がりの基準の違いです。「きれいに掃除してほしい」という依頼でも、どこまでをきれいと感じるかは人によって違います。初回の打ち合わせで、特に気になる場所や、優先してほしい場所を具体的に聞いておくと、期待とのずれが小さくなります。2回目以降も、終わったあとに「次回はどこを重点的にしましょうか」と一言聞くだけで、依頼者の満足度は大きく変わります。
2つ目は、時間内に終わらない問題です。依頼の内容に対して時間が足りないと分かったら、無理に急いで仕上がりを落とすより、どこまでできてどこが残ったのかを正直に伝え、次回に回すか、時間を延ばすかを依頼者と相談するほうが信頼を損ないません。会社に雇われている場合は、時間の延長を勝手に決めず、会社に連絡して指示を受けます。
3つ目は、物を壊したり汚したりしてしまった場合です。食器を割った、床に傷をつけた、洗濯で衣類を縮ませた、といった事故は、どれだけ気をつけていても起こりえます。起きたときは、隠さずにすぐに依頼者と会社に伝えることが何より大切です。その場で報告すれば保険などで対応できることも、後から発覚すると信頼の問題になってしまいます。素材の分からない衣類や、高価に見える食器は、扱う前に依頼者に確認する習慣をつけておくと予防になります。
4つ目は、依頼の範囲を超えた頼まれごとです。訪問のたびに少しずつ作業が増えていく、契約にない作業を当日に頼まれる、といった場面があります。家事使用人の雇用ガイドラインでも、雇う家庭に向けて、あらかじめ決めた業務の範囲を超えないよう気をつけ、新しく頼みたい業務が出てきたときは十分に話し合うよう求めています。会社に雇われている場合は、範囲外の依頼はその場で引き受けず、会社を通して相談するのが基本です。
仕事に慣れてきたら:担当できる作業を広げる
家事代行の仕事に慣れてきたら、担当できる作業を広げることで、働き方の選択肢が増えていきます。
たとえば、掃除だけを担当していた人が、作り置きの料理も担当できるようになると、依頼を受けられる家庭が広がります。料理の依頼では、限られた時間で数日分のおかずを作る段取りの力や、家族の好みやアレルギーに合わせて献立を考える力が求められます。子育て中のママは、毎日の献立づくりや子どもの好き嫌いへの対応で、すでにこうした経験を積んでいることが多く、その経験が強みになります。
整理収納も、需要のある作業です。散らかった部屋を片付けるだけでなく、家族が片付けやすい仕組みを一緒に考える仕事で、子育て家庭や引っ越し前後の家庭からの依頼があります。民間の団体が整理収納に関する講座や検定を行っており、学んだ知識を作業に生かす人もいます。
会社によっては、担当できる作業や経験年数、依頼者からの評価に応じて、時給が上がる仕組みを設けています。応募の段階で、どんな条件で時給が上がるのか、作業ごとの研修があるのかを確認しておくと、長く働くうえでの見通しが立てやすくなります。
担当できる作業が広がると、マッチングサービスで個人として依頼を受けるときにも、プロフィールに書ける内容が具体的になります。「掃除、作り置き、整理収納に対応」「子育て家庭の依頼の経験あり」といった情報は、依頼者が相手を選ぶときの判断材料になります。
在宅でできる仕事と組み合わせるという考え方
家事代行は外に出て働く仕事ですが、子育て中は、子どもの体調不良や長期休暇で外に出られない期間がどうしても出てきます。そこで考えたいのが、家にいながらできる在宅の仕事との組み合わせです。
たとえば、家事や子育ての経験を生かした記事の執筆は、在宅でできる仕事の代表です。料理の作り置きのコツ、掃除の順番、整理収納の工夫、子育てと仕事の両立など、実際に経験したことだからこそ書ける内容は多くあります。家事代行で依頼者の家の課題を見てきた経験は、読み手が本当に困っていることを具体的に書く力になります。
文章の仕事の収入の目安は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確認できます。このページでは、記事の執筆や編集に関わる職業の年収や単価の目安が整理されています。また、文章の仕事の単価を少しずつ上げていく方法は、Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップで、実績の積み方や専門分野の打ち出し方が段階ごとに解説されています。
ほかにも、在宅でできる仕事には、SNSの運用の補助、オンラインでの事務作業、データの入力などがあります。子育て中のママ向けの在宅の求人では、LINE公式アカウントの運用の助言のように、日ごろのスマートフォンの使い方が生きる募集も見られます。SNSやマーケティングに関わる仕事の中身は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で確認できます。
外での家事代行と在宅の仕事を組み合わせておくと、子どもが元気な時期は外の仕事を中心に、子どもが家にいる時期は在宅の仕事を中心に、と収入の柱を切り替えられます。どちらか1つに頼るより、生活の変化に強い働き方になります。
運営者の視点で見た、家事代行を長く続ける人の共通点
20年にわたってフリーランスや在宅ワークの市場を見てきた運営者の立場から言えば、家事代行のように人の暮らしに入る仕事を長く続けている人ほど、作業の速さよりも「この人に任せると安心」という関係づくりに時間を使っています。毎回の報告を丁寧に書く、依頼者の好みを覚えておく、気づいたことを一言添える。こうした積み重ねが、定期の依頼が続く理由になり、収入の安定につながっていきます。
もう1つ見てきたのは、間に入る仲介の手数料が少ない取引ほど、依頼する側と受ける側の双方にとって得になりやすいという点です。同じ予算でも、中間の取り分が小さければ、依頼する側はより多くの時間を頼めますし、受ける側の手取りは厚くなります。ただし、仕組みに守られない分、契約の記録、保険、急な休みのときの段取りは自分で整える必要があります。最初は会社に雇われて仕事の型を身につけ、そのうえで自分に合う形を選ぶのが、子育てと両立しながら無理なく続ける近道です。
子育て中の時間の使い方は、子どもの成長とともに変わっていきます。今は短い時間の家事代行から始め、子どもが大きくなったら時間を延ばす、在宅の仕事の割合を変える、といった調整ができるのも、この仕事の良いところです。在宅でできる仕事の種類と始め方をもっと広く知りたい人は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事のようなお仕事ガイドで、異なる分野の仕事の中身を見比べておくと、次の一歩が考えやすくなります。
よくある質問
Q. 家事代行のアルバイトは未経験でも始められますか?
始められます。家事代行の会社の多くは、採用後に掃除の手順や道具の使い方、依頼者への接し方などの研修を用意しており、未経験から始める人が多いと採用ページで説明している会社もあります。まずは会社に雇われる形で研修を受け、仕事の流れを身につけてから、ほかの働き方を検討するのが無理のない順番です。
Q. 子どもが急に熱を出したときはどうすればよいですか?
会社に雇われている場合は、決められた連絡方法ですぐに会社へ連絡し、代わりのスタッフの手配を相談します。応募の段階で、急な休みの連絡方法と、代わりをだれが手配するのかを確認しておくと安心です。マッチングサービスで個人として受けている場合は、依頼者に直接連絡し、日程の変更を相談する必要があります。
Q. 家事代行のアルバイトで扶養の範囲を超えないようにするには?
税金の配偶者控除は、令和8年分から給与だけの場合で給与収入136万円以下が対象です。健康保険の被扶養者は原則として年間の収入130万円未満が目安です。勤め先の規模や働く時間によっては勤め先の社会保険に加入する場合もあるため、働く時間を決める前に家族の勤め先や税務署、年金事務所に確認してください。
Q. マッチングサービスで個人として家事代行をするときの注意点は?
個人として受ける場合は業務委託になり、最低賃金や有給休暇、労災保険など雇われる人を守る仕組みは原則として適用されません。作業の範囲と金額を記録に残し、物を壊したときや自分がけがをしたときに備える保険の内容を確認しておきます。受け取った報酬は事業の所得になるため、確定申告に備えて記録を残してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
藤本 拓也@SOHO編集部
フリーランスWebマーケター
大手広告代理店でWebマーケティングを10年間担当した後、フリーランスに転身。SEO・SNS・広告運用を得意とし、大阪から東京の案件もリモートで対応。マーケティング・営業系の記事を執筆しています。
関連記事
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ
プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

AI活用
職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人
看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人
薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人
介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人
保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人
医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ
サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス
経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方







