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心理的安全性の作り方|意見を言いやすいチームにする方法

@SOHO編集部
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心理的安全性の作り方|意見を言いやすいチームにする方法

この記事のポイント

  • ✓心理的安全性の作り方を
  • ✓リーダーとメンバーのそれぞれができる行動で解説します
  • ✓意味とぬるま湯との違い

会議で意見を求めても誰も話さない、ミスの報告がいつも遅れる、新しい提案が出てこない。こうしたチームの悩みを解決する考え方として、心理的安全性という言葉を聞いた人は多いはずです。心理的安全性とは、チームの中で、自分の意見や疑問、失敗を口にしても大丈夫だと、メンバーが信じられている状態のことです。この状態は、性格の合うメンバーを集めることで生まれるものではなく、日々の小さな行動の積み重ねで作れます。この記事では、心理的安全性の意味と、ぬるま湯との違い、チームの状態の測り方、リーダーとメンバーのそれぞれができる行動、会議と1on1の進め方、リモートワークでの工夫、やってはいけないことまでを順に説明します。仕事の状況を誰でも見られる形にして、報告しやすい環境を作る道具として、プロジェクト管理ツールのPinatecaの使い方にも後半で触れます。

心理的安全性とは何か

心理的安全性とは、チームのメンバーが、対人関係で危険を感じるような行動をとっても、このチームなら大丈夫だと信じられる状態を指す言葉です。対人関係で危険を感じるような行動とは、たとえば、分からないことを質問する、自分のミスを報告する、上司と違う意見を言う、新しいやり方を提案する、といった行動のことです。

プレジデント社の人材育成の解説は、この概念を次のように説明しています。

心理的安全性とは、チームメンバーが対人関係上のリスクを取ることに不安を感じない状態を指します。米国ハーバード大学のエイミー・エドモンドソン教授により提唱されたこの概念は、「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動を取っても、このチームなら大丈夫だと信じられる」状態と定義されています。重要なのは、心理的安全性が単なる居心地の良さや馴れ合いではないという点です。 出典: pri.president.co.jp

ここで大事なのは、心理的安全性は個人の性格ではなく、チームの状態を指す言葉だという点です。同じ人でも、あるチームでは自由に発言し、別のチームでは黙ってしまうことがあります。発言しないのは本人の問題ではなく、そのチームが「発言すると損をする」状態になっているからかもしれません。

心理的安全性が高いチームでは、問題が小さいうちに共有され、さまざまな考えが出され、失敗から学ぶことができます。逆に低いチームでは、メンバーは自分を守るために黙り、問題は表に出ないまま大きくなっていきます。

Google の調査で注目された理由

心理的安全性が広く知られるきっかけになったのが、Google が自社のチームを対象に行った調査です。Google が人事の取り組みを紹介しているサイトの re:Work では、調査の結果が次のように紹介されています。

Google のリサーチチームが発見した、チームの効果性が高いチームに固有の 5 つの力学のうち、圧倒的に重要なのが心理的安全性です。 出典: rework.withgoogle.com

同じページでは、5つの力学として、心理的安全性のほかに、相互信頼、構造と明確さ、仕事の意味、インパクトが挙げられています。相互信頼は、メンバーが引き受けた仕事を最後までやりきってくれると思えること、構造と明確さは、役割や計画、意思決定の進め方がはっきりしていることを指します。

この調査で注目されたのは、チームの成果を左右するのは、誰がメンバーにいるかよりも、メンバーがどのように協力し合っているかだ、という点でした。優秀な人を集めても、意見を言えない雰囲気のチームでは、その力が発揮されません。

また、re:Work は、心理的安全性の高いチームのメンバーは、離職率が低く、ほかのメンバーが出した多様な考えをうまく活かせると紹介しています。心理的安全性は、働く人の満足のためだけでなく、チームの成果に直接関わる要素として注目されているのです。

ぬるま湯との違い

心理的安全性を高めようとして、よく起きる誤解が「厳しいことを言わない、仲の良いチームにすること」だと考えてしまうことです。心理的安全性は、ぬるま湯のような居心地の良さとは違います。

違いを分かりやすくするために、心理的安全性と、仕事に求める基準の高さの2つで、チームの状態を4つに分けて考えてみます。

状態 心理的安全性 求める基準 チームの様子
学び合うチーム 高い 高い 率直に意見を言い合い、高い目標に挑む
ぬるま湯のチーム 高い 低い 居心地は良いが、成長や成果が生まれにくい
不安なチーム 低い 高い 結果を求められるが、失敗を隠すようになる
無関心なチーム 低い 低い 誰も期待せず、誰も意見を言わない

目指すのは、表の一番上の「学び合うチーム」です。高い基準を求めながら、その基準に届かないことや、届かなそうだということを、早めに口にできる状態です。

心理的安全性が高いチームでは、むしろ厳しい意見が多く出ます。「この計画では期限に間に合わないと思います」「この資料は数字が合っていません」と率直に言えるからです。大切なのは、厳しい意見が、相手を攻撃するためではなく、チームの成果のために出されていると、全員が信じられていることです。

心理的安全性が低い職場で起きること

心理的安全性が低いチームでは、次のようなことが起きやすくなります。

  • ミスの報告が遅れる: 叱られるのを恐れて、ミスを隠したり、自分で何とかしようとしたりする。気づいたときには大きな問題になっている
  • 分からないことを聞けない: 質問すると「そんなことも知らないのか」と思われるのが怖くて、分からないまま作業を進める
  • 会議で意見が出ない: 上司の考えに合わせた発言だけが出て、本当の意見は会議の後の雑談で話される
  • 新しい提案が出ない: 提案して失敗したら責任を取らされると感じ、今のやり方を変えようとしない
  • 助けを求められない: 仕事が終わらなくても、能力が低いと思われたくなくて、1人で抱え込む

これらは、どれもチームの成果を下げます。特に、ミスの報告が遅れることは、取引先への迷惑や、安全の問題にもつながります。

心理的安全性が低いかどうかは、リーダーからは見えにくいことがあります。メンバーが黙っているのを「問題がないから」だと受け取ってしまうからです。会議で意見が出ない、報告が「問題ありません」ばかり、というときは、本当に問題がないのか、言えない状態なのかを疑ってみる必要があります。

今のチームの状態を測る方法

心理的安全性を高める前に、今のチームの状態を知っておくと、何から手を付ければよいかが分かります。re:Work では、エドモンソン氏が使う質問の例が紹介されています。メンバーに、次の文が自分にどのくらい当てはまるかを尋ねる方法です。

  • チームの中でミスをすると、たいてい非難される
  • チームのメンバーは、課題や難しい問題を指摘し合える
  • チームのメンバーは、自分と異なるということを理由に他者を拒絶することがある
  • チームに対してリスクのある行動をしても安全である
  • チームの他のメンバーに助けを求めることは難しい
  • チームメンバーは誰も、自分の仕事を意図的におとしめるような行動をしない
  • チームメンバーと仕事をするとき、自分のスキルと才能が尊重され、活かされていると感じる

1つ目、3つ目、5つ目は、当てはまるほど心理的安全性が低いことを示す文です。残りは、当てはまるほど高いことを示します。

調べるときは、名前を書かない形で回答してもらうことが大切です。心理的安全性が低いチームでは、名前が分かる形で聞いても、本当の答えは返ってこないからです。回答は「とても当てはまる」から「まったく当てはまらない」までの5段階程度で聞き、チーム全体の平均や、答えのばらつきを見ます。

結果は、メンバーを評価するためではなく、チームで話し合うための材料として使います。「ミスをすると非難される、と感じている人が多いようです。どんな場面でそう感じるか、教えてもらえますか」のように、結果をチームに返して、一緒に原因を考えます。半年ごとなど、同じ質問で繰り返し調べると、取り組みの効果を確かめられます。

作り方1 リーダーが先に弱みを見せる

心理的安全性を作るうえで、一番影響が大きいのはリーダーの行動です。メンバーは、リーダーがどんな発言を歓迎し、どんな発言を嫌がるのかを、毎日の様子から読み取っています。

最初に取り組みたいのは、リーダー自身が、分からないことや失敗を先に口にすることです。

  • 「この分野は詳しくないので、教えてもらえますか」
  • 「先週の判断は、今考えると間違っていました。理由を共有します」
  • 「この計画には自信がない部分があります。気になる点を指摘してください」

リーダーがこうした言葉を使うと、メンバーは「このチームでは、分からないことや失敗を言っても大丈夫なのだ」と感じられます。リーダーが完璧に振る舞っていると、メンバーも完璧でなければならないと感じ、弱みを隠すようになります。

もう1つ大切なのが、仕事を「やり方が決まった作業」ではなく「答えがまだ分からない学びの場」として伝えることです。新しい取り組みを始めるときに、「初めてのことなので、うまくいかないこともあると思います。気づいたことはすぐに共有しましょう」と最初に伝えておくと、途中で問題が起きたときに報告しやすくなります。

作り方2 発言への最初の反応を変える

メンバーが発言したときの、リーダーや周りの人の最初の反応は、心理的安全性に大きく影響します。たった一度、発言を否定されたり、笑われたりしただけで、その人は次から発言しなくなることがあります。

最初の反応で避けたい言葉と、言い換えの例を紹介します。

  • 「それは前にも試してだめだった」ではなく、「前に試したときはこういう結果だったけれど、今回はどこを変えると良さそうかな」
  • 「そんなことも知らないの」ではなく、「良い質問だね。ほかにも同じ疑問を持っている人がいるかもしれない」
  • 「なんで今まで言わなかったの」ではなく、「教えてくれてありがとう。早めに分かって助かった」
  • 「でも」「いや」で話し始めるのではなく、「なるほど、そう考えたんだね」と一度受け止めてから自分の考えを伝える

特に効果が大きいのが、悪い知らせを持ってきた人にお礼を言うことです。ミスや問題の報告は、報告する人にとって勇気が要る行動です。最初に「教えてくれてありがとう」と言われれば、次も早めに報告しようと思えます。逆に、最初に叱られれば、次からは報告が遅れるか、隠されるようになります。

意見に賛成できないときも、意見そのものと、発言してくれたことを分けて扱います。「この案は今回は採用しないけれど、こういう視点で考えてくれたのはとても助かる」と伝えれば、意見は通らなくても、次の発言につながります。

作り方3 会議の進め方を変える

会議は、チームの心理的安全性が一番表れる場です。進め方を少し変えるだけで、発言は大きく増えます。

1つ目は、発言の順番を決めることです。いつも役職の高い人や、声の大きい人が最初に話すと、ほかの人はその意見に合わせがちです。若手やその分野に詳しくない人から順に話してもらい、リーダーは最後に話すと、さまざまな意見が出やすくなります。

2つ目は、話す前に書いてもらうことです。議題について、まず2分間、自分の考えを付箋やチャットに書いてもらい、それを全員で読んでから話し合います。その場で話すのが苦手な人でも、考えを出しやすくなります。

3つ目は、会議の最初に一言ずつ話す時間をとることです。「今の気分を一言で」「今週うれしかったことを1つ」のように、仕事に関係のない話題でも構いません。会議の最初に一度声を出しておくと、その後の発言の心理的なハードルが下がります。

4つ目は、反対の意見を出す役を決めることです。「今日はAさんに、あえて反対の立場から意見を出してもらいます」と役を決めておけば、反対の意見が個人の意見ではなく役割として出せるので、言いやすくなります。

5つ目は、会議の最後に「言い残したことはありますか」と聞くことです。その場では言えなかったことを、最後に拾う機会になります。会議の後に個別に意見を聞く時間をとるのも効果があります。

作り方4 失敗の扱い方を決める

失敗が起きたときにチームがどう反応するかは、心理的安全性を左右する大きな分かれ目です。失敗した人を責める反応が続けば、メンバーは失敗を隠すようになります。

失敗を振り返るときは、「誰が悪かったのか」ではなく「何が起きたのか」と「どうすれば防げたのか」に目を向けます。振り返りの場では、次のような問いを使うと、人ではなく仕組みに話を向けられます。

  • 何が起きたのか: 事実を時間の順に並べる
  • なぜ起きたのか: 手順、道具、情報の伝わり方のどこに原因があったのか
  • どの時点で気づけたか: 早めに気づくためには、何があればよかったのか
  • 次にどう変えるか: 手順やチェックの方法をどう変えるか

振り返りの結果は、失敗した人を責める材料ではなく、チームの手順を良くする材料として使います。同じ失敗がほかの人でも起きうるなら、それは個人の問題ではなく、仕組みの問題です。

失敗には、避けるべき失敗と、挑戦の結果としての失敗があります。決められた手順を守らなかったことによる失敗と、新しいことに挑戦して思いどおりにいかなかった失敗を同じように扱うと、メンバーは挑戦しなくなります。挑戦の結果としての失敗は、学びとして共有し、チームで生かせるようにします。

作り方5 役割と期待をはっきりさせる

心理的安全性は、雰囲気だけで作られるものではありません。役割や期待があいまいだと、メンバーは「これを言ってよいのか」「これは自分の仕事なのか」と迷い、発言を控えるようになります。

re:Work では、チームの効果性を高める5つの力学の1つとして、構造と明確さが挙げられています。役割、計画、目標がはっきりしていることです。また、相互信頼を高めるための行動として、各メンバーの役割と責任を明確にすること、仕事に透明性をもたらす具体的な計画を作ることが紹介されています。

具体的には、次のような取り組みが役に立ちます。

  • チームの目標と、それぞれのメンバーの役割を文書にして共有する
  • 誰が何を決めてよいのか、判断の範囲を決めておく
  • 仕事の進み具合を、誰でも見られる形にしておく
  • 困ったときに誰に相談すればよいかを決めておく

役割がはっきりしていれば、「これは自分の担当なので意見を言ってよい」「これはAさんの担当なので、気づいたことをAさんに伝えよう」と判断できます。進み具合が見える形になっていれば、遅れていることを自分から言い出さなくても、周りが気づいて声をかけられます。

1on1での関わり方

上司と部下が1対1で定期的に話す1on1は、心理的安全性を高めるための大事な場です。チーム全体の場では言えないことも、1対1なら話せることがあります。

1on1を心理的安全性につなげるためのコツを紹介します。

1つ目は、部下が話したいことから始めることです。上司が聞きたい進み具合の確認から始めると、報告の場になってしまいます。「今日は何から話したいですか」と部下に話題を選んでもらいます。

2つ目は、上司が話す時間を短くすることです。上司が話す時間が長くなると、部下は聞き役に回ります。目安として、部下が7割、上司が3割程度の時間で話すように意識します。

3つ目は、答えをすぐに出さないことです。部下が悩みを話したとき、すぐに解決策を伝えるのではなく、「どうしたいと思っていますか」「何があれば進められそうですか」と問いかけます。

4つ目は、話した内容を評価に使わないことです。1on1で打ち明けた悩みが、評価の場で不利に使われると、部下は二度と本音を話さなくなります。

5つ目は、約束したことを守ることです。「確かめておきます」と言ったことは、次の1on1までに必ず答えます。小さな約束を守り続けることで、信頼が積み重なります。

メンバーとしてできること

心理的安全性は、リーダーだけが作るものではありません。メンバー1人ひとりの行動も、チームの状態を変えます。re:Work では、エドモンソン氏が、チームの心理的安全性を高めるために個人にできる簡単な取り組みとして、次の3点を挙げていると紹介されています。

  • 仕事を実行の機会ではなく学習の機会と捉える
  • 自分が間違うということを認める
  • 好奇心を形にし、積極的に質問する

メンバーとして、さらに次のようなこともできます。

  • ほかの人の発言に、まず「なるほど」と反応する
  • 会議で発言の少ない人に「Bさんはどう思いますか」と話を振る
  • 誰かがミスを報告したら、責めるのではなく、手伝えることがないかを聞く
  • 自分が分からないことは、早めに質問する

新しく入った人がチームにいるときは、その人が質問しやすいように、自分から「最初はこの手順で迷いやすいので、いつでも聞いてください」と声をかけておくのも効果があります。1人がこうした行動を続けると、周りの人も同じように振る舞いやすくなります。役職がなくても、チームの雰囲気を変えるきっかけは作れます。

リモートワークでの工夫

在宅勤務やリモートワークのチームでは、顔を合わせる機会が少ないため、心理的安全性を保つのに工夫が必要です。相手の表情が見えにくく、ちょっとした雑談の機会もないため、質問や相談のタイミングを逃しやすくなります。

リモートワークで取り入れやすい工夫を紹介します。

  • 雑談のための場を作る: 仕事の連絡とは別に、雑談用のチャットの部屋を作る
  • 質問の場を決める: 「この部屋では、どんな初歩的な質問でもしてよい」というチャットの部屋を作る
  • 返信の速さに気を配る: 質問や報告にすぐ反応がないと、送った人は不安になる。すぐに答えられないときも、「見ました、午後に返信します」と一言返す
  • 文字の伝わり方に気を付ける: 文字だけのやり取りは冷たく感じられやすい。お礼や受け止めの言葉を一言添える
  • ビデオ会議の最初に雑談の時間をとる: 本題の前に数分、近況を話す

テレワークの環境を整えるための制度について知りたい人は、テレワーク 助成金 2026で、テレワークの導入に使える助成金の内容と申請の流れが紹介されています。

3か月で取り組む計画の例

ここまで紹介した行動を、一度に全部始めるのは大変です。チームで取り組むなら、3か月ほどの計画を立てて、少しずつ広げていくのが現実的です。計画の一例を紹介します。

1か月目は、今の状態を知ることと、リーダーの行動を変えることに集中します。最初の週に、名前を書かない形で心理的安全性の質問に答えてもらい、結果をチームで共有します。あわせて、リーダーは悪い知らせへの最初の反応を「教えてくれてありがとう」に変え、自分の分からないことを1週間に1回は口にするようにします。

2か月目は、会議の進め方を変えます。発言の順番を決める、話す前に考えを書く時間をとる、会議の最後に言い残したことを聞く、の3つを、毎週の定例会議で続けます。うまくいった工夫と、続かなかった工夫をメモしておきます。

3か月目は、失敗の振り返りの方法をチームで決め、1on1を定期的に始めます。月末に、1か月目と同じ質問でもう一度答えてもらい、結果を比べます。数字が良くなった項目と、変わらなかった項目をチームで話し合い、次の3か月で何に取り組むかを決めます。

計画の進み具合は、チームの全員が見られる場所に書き出しておきます。リーダーだけが計画を知っている状態では、メンバーは「また上から新しい取り組みが降りてきた」と受け止めがちです。計画そのものをチームで話し合って決め、途中で「この工夫は続けにくい」という声が出たら、やり方を変えて構いません。計画を変えることを歓迎する姿勢そのものが、心理的安全性を示すことにもなります。

計画を進めるときは、成果をすぐに求めすぎないことが大切です。チームの雰囲気は、数回の会議で変わるものではありません。同じ行動を続けることで、メンバーは少しずつ「本当に言っても大丈夫なのだ」と感じられるようになります。

やってはいけないことと、ハラスメントとの関係

心理的安全性を高めようとして、逆効果になる行動もあります。

  • 「何でも言っていいよ」と言うだけで、実際に言われた意見を受け止めない
  • 意見を求めておきながら、結論は最初から決まっている
  • 失敗を報告した人を、ほかの人の前で叱る
  • 1on1で聞いた話を、本人の了解なしにほかの人に話す
  • 心理的安全性を理由に、必要な指摘や注意をしない

最後の点は特に注意が必要です。心理的安全性は、厳しい指摘をしないことではありません。仕事の質について必要な指摘をすることと、相手の人格を否定することは別のものです。指摘は、行動や成果物に向けて、具体的に、改善の方法とあわせて伝えます。

人格を否定する言動や、立場を利用した威圧的な言動は、心理的安全性を壊すだけでなく、パワーハラスメントにあたるおそれがあります。厚生労働省は、職場のハラスメントの防止について次のように示しています。

令和2年6月1日から、パワーハラスメント対策が事業主の義務となりました。 出典: mhlw.go.jp

同じページでは、中小企業の事業主にも令和4年4月1日から防止の措置が義務化されたことが案内されています。ハラスメントに悩んでいる人や、職場の対策を考えたい人は、厚生労働省のハラスメント対策の総合情報サイトであるあかるい職場応援団で、相談先や対策の進め方を確かめられます。個別の事案がハラスメントにあたるかどうかは、状況によって判断が変わるので、社内の相談窓口や労働局の相談窓口に相談してください。

仕事の状況を見える形にする方法

心理的安全性を高める取り組みの中で、意外に効果が大きいのが、仕事の状況を誰でも見られる形にしておくことです。進み具合が見えていれば、遅れていることを自分から言い出さなくても周りが気づけますし、困っている人に声をかけるきっかけも生まれます。報告の場で初めて遅れが分かる、という状態がなくなるだけで、報告する人の心理的な負担は軽くなります。

小さなチームなら、ホワイトボードや表計算ソフトに、仕事ごとの担当と期限と状況を書き出し、毎朝全員で見るだけでも効果があります。状況の欄に「困っている」という選択肢を用意しておくと、言葉で助けを求めなくても、印を付けるだけで周りに伝えられます。

担当と期限と進み具合を、複数のメンバーで常に確かめられるようにしたい場面では、プロジェクト管理ツールを使う方法があります。その選択肢の1つが、国産のプロジェクト管理ツールのPinateca(ピナテカ)です。公式サイトによると、カンバン、ガントチャート、カレンダー、リストなど8種類のボードとチャットが無料プランから使えます。仕事を1枚ずつのカードにして担当者と締切を決め、カンバンの列で進み具合を動かせば、誰の仕事がどこで止まっているかを全員で確かめられます。カードごとのコメントやチャットで、仕事の単位で質問や相談ができるので、会議の場で手を挙げるよりも気軽に声をかけられます。ディスカッションのボードを使えば、論点ごとに話し合いの場を立て、決まるまで意見を出し合うこともできます。

公式の料金ページでは、5人までのチームなら期限なしで無料、ボードは10個まで、クレジットカードの登録は不要とされています。6人目、または11個目のボードからはスタンダードプランで、料金は1人あたり月額500円(年払いなら1人あたり月額400円、税抜)です。なお、道具を入れるだけで心理的安全性が高まるわけではありません。見えるようになった遅れや困りごとに、リーダーやメンバーがどう反応するかが大切です。Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

チームづくりの知識が活きる仕事と学び方

チームの状態を見立て、働きやすい職場を作る力は、組織づくりや人材育成を支援する仕事で役に立ちます。

組織や人の動かし方を体系的に学びたい人には、資格の勉強も1つの道です。中小企業診断士の資格ガイドでは、試験の内容や学ぶ範囲が紹介されています。組織や人事の科目では、リーダーシップやモチベーション、組織の文化について学ぶことになります。

業務の改善やAIの導入を支援する仕事でも、現場の人が本音を話せるかどうかは成果を大きく左右します。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、業務にAIを取り入れる支援の仕事の内容が紹介されています。現場の困りごとを聞き出す場面では、この記事で紹介した発言への反応の仕方や、失敗の扱い方がそのまま使えます。

業務委託の現場で見えること

在宅ワークと業務委託の仲介を長く続けてきた運営者として見てきた限りでは、外部の人と長く良い関係を続けている依頼主は、受ける側からの質問や「この進め方で問題が出そうです」という報告を歓迎しています。最初の段階で疑問を言いやすい関係ができていると、仕上がりの手戻りが少なく、結果として依頼主も受ける側も時間を節約できています。

社外の人と働くときこそ、心理的安全性は大切です。立場の違いから、受ける側は依頼主に遠慮しがちだからです。仲介の手数料が乗らない手数料0%で直接やり取りできる仕組みでは、依頼する側は同じ予算でより多くの仕事を頼め、受ける側は手元に残る額が厚くなりますが、その関係を長く続けられるかどうかは、遠慮せずに相談できる関係を作れるかで決まります。

まずは次の会議で、悪い知らせを持ってきた人に「教えてくれてありがとう」と最初に言うことから始めてみてください。組織づくりを体系的に学びたい人は、中小企業診断士の資格ガイドで、試験の内容と学ぶ範囲を確かめるところから始めるのがおすすめです。

よくある質問

Q. 心理的安全性が高いと仕事が甘くなりませんか?

心理的安全性は、厳しいことを言わない居心地の良さとは違います。高い基準を求めながら、その基準に届かないことや問題を早めに口にできる状態を目指します。心理的安全性が高いチームでは、むしろ率直な指摘が多く出ます。大切なのは、指摘が人格ではなく行動や成果物に向けられ、チームの成果のためだと全員が信じられていることです。

Q. リーダーでなくても心理的安全性を高められますか?

高められます。ほかの人の発言にまず受け止める言葉を返す、発言の少ない人に話を振る、ミスを報告した人を責めずに手伝えることを聞く、自分が分からないことを早めに質問する、といった行動は、役職に関係なく取り組めます。1人がこうした行動を続けると、周りの人も同じように振る舞いやすくなります。

Q. チームの心理的安全性はどうやって測ればよいですか?

ミスをすると非難されるか、課題を指摘し合えるか、助けを求めにくいか、といった質問に、名前を書かない形で5段階程度で答えてもらう方法があります。結果はメンバーの評価ではなく、チームで原因を話し合う材料として使います。半年ごとなど同じ質問で繰り返し調べると、取り組みの効果を確かめられます。

Q. 心理的安全性を高めるために最初にやることは何ですか?

最初に取り組みやすいのは、リーダーが自分の分からないことや失敗を先に口にすることと、悪い知らせを持ってきた人にお礼を言うことです。どちらも準備が要らず、明日から始められます。会議ではリーダーが最後に話す、話す前に考えを書いてもらう、といった進め方の工夫も、発言を増やす効果があります。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月26日最終更新:2026年10月29日
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

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