個人で使うプロジェクト管理ツールの選び方と、無料プランで足りるかの見分け方


この記事のポイント
- ✓フリーランスや副業など個人で使うプロジェクト管理ツールの選び方を
- ✓案件の数・表示の種類・取引先との共有などの観点で整理
- ✓Todoist・Trello・Asana・Notion・Backlogの無料プランを公式の記載で比べ
個人で使うプロジェクト管理ツールは、チーム向けのツールを「1人で使う」だけでは選べません。チームの人数の上限は気にしなくてよい代わりに、案件の数、取引先との共有、スマートフォンでの見やすさといった、個人ならではの条件で使い勝手が決まるからです。フリーランスで3社の仕事を並行している人、会社員の副業で週末だけ作業する人、資格の勉強と個人の制作を同時に進めている人。どの人にとっても、ツールの無料プランで足りるかどうかは、機能の一覧ではなく「自分の仕事の形」で決まります。この記事では、個人でプロジェクト管理ツールを選ぶときの観点を整理し、主要なツールの無料プランを公式の記載で比べたうえで、無料で足りるかを見分ける5つの確認点を解説します。8種類のボードを5人まで無料で使え、取引先を招いて共有することもできる Pinateca のような選択肢にも触れます。
個人でプロジェクト管理ツールを使う人が増えている理由
プロジェクト管理ツールは、もともと会社のチームで仕事を分担するための道具でした。それが個人にも広がってきたのは、ひとりで複数の仕事を同時に抱える働き方が増えたからです。
フリーランスや副業では、1つの会社の仕事だけをしているとは限りません。A社のWebサイトの改修、B社の記事の執筆、C社の資料づくり。それぞれに締切があり、確認の往復があり、請求のタイミングも違います。ToDoリストに「A社の作業」と書くだけでは、どの工程まで進んでいて、誰の返事を待っているのかが分からなくなります。
マネーフォワードの解説でも、タスク管理のツールについて、無料プランの上限に注意するよう書かれています。
タスク管理が上手い人は、タスク管理ツール・アプリを活用して仕事や日常生活の優先順位をつけたり進捗管理をしたりしています。ただ、無料プランは人数やプロジェクト数に上限があり、使い始めてから足りないと気づくケースも少なくありません。 出典: biz.moneyforward.com
個人で使う場合、人数の上限はほぼ問題になりません。代わりに効いてくるのが「プロジェクトの数」です。案件ごとにプロジェクトを分けたいのに、無料では5つまで、といった上限があると、案件が6つ目に入ったところで行き詰まります。個人で選ぶときは、ここを最初に確かめる必要があります。
個人の仕事にプロジェクト管理が要る場面、要らない場面
すべての個人にプロジェクト管理ツールが必要なわけではありません。次の表で、自分がどちらに当たるかを先に確かめておくと、必要以上に重い道具を選ばずに済みます。
| 当てはまること | ToDoリストで足りる | プロジェクト管理ツールが向く |
|---|---|---|
| 同時に進める案件の数 | 1〜2件 | 3件以上 |
| 1つの案件の工程 | 1〜2段階 | 3段階以上(構成、作業、確認、修正など) |
| 締切の数 | 案件ごとに1つ | 工程ごとに中間の締切がある |
| 他人の返事を待つ場面 | ほとんどない | 確認待ちが頻繁にある |
| 取引先と進み具合を共有する | しない | したい |
左の列に多く当てはまるなら、スマートフォンに最初から入っているリマインダーや、Google ToDo リスト、Microsoft To Do のような無料のToDoアプリで十分です。右の列に多く当てはまるなら、案件ごとに工程を並べられるプロジェクト管理ツールが役に立ちます。
右の列で特に大事なのは「他人の返事を待つ場面」です。個人の仕事が滞る原因の多くは、自分の作業ではなく、取引先の確認待ちにあります。待っている間に別の案件を進め、返事が来たら元の案件に戻る。この切り替えを頭の中だけで管理していると、返事が来たことに気づかなかったり、催促を忘れたりします。プロジェクト管理ツールで「確認待ち」の列を作っておくだけで、この見落としは大きく減ります。
個人で使うプロジェクト管理ツールの選び方6つ
個人で選ぶときに見るべき点を6つに絞ります。チーム向けの選び方とは、重みの付け方が違います。
1. 作れるプロジェクトやボードの数
案件ごとにプロジェクトを分けるなら、無料で作れる数が最も大事です。半年後に抱えていそうな案件の数を見積もり、その数より余裕があるかを確かめます。終わった案件をアーカイブ(保管の扱いにして一覧から外すこと)すれば数に含めないツールもあります。
2. 表示の種類
カンバン(列にカードを並べて進み具合を動かす表示)、リスト、カレンダー、ガントチャート(期間を横棒で並べる表示)のうち、どれが無料で使えるかを確かめます。締切の重なりが多い仕事ならカレンダーかガントチャートが、確認待ちの多い仕事ならカンバンが向いています。
3. スマートフォンでの見やすさ
個人の仕事は、移動中や家事の合間にスマートフォンで確かめることが多くなります。スマートフォンのアプリがあるか、ブラウザで開いたときに見やすいかを、実際の端末で確かめます。
4. 取引先との共有
取引先に進み具合を見てもらいたい場合、相手を招待できるか、見せる範囲を絞れるか、相手にアカウントを作ってもらう必要があるかを確かめます。閲覧だけの人を人数に数えないツールもあります。
5. 添付できるファイルの大きさ
デザインの素材や動画、音声を扱う仕事では、1つのファイルの大きさの上限が効いてきます。無料プランでは1ファイル数MBまでのツールもあり、大きなファイルは別のクラウドストレージに保存して、リンクだけを貼る運用になります。
6. データの書き出しと移行
個人の仕事は、数年単位で続きます。途中でツールを替えたくなったとき、データを書き出せるかを確かめておきます。
この6つのうち、どれを重く見るかは仕事の形で変わります。迷ったら、1と2を優先して選び、残りは無料で試しながら確かめると判断を誤りにくくなります。
無料プランで足りるかを見分ける5つの確認点
個人でプロジェクト管理ツールを使うとき、無料プランで足りるかどうかは、次の5つを順に確かめると見分けられます。どれか1つでも「足りない」に当たれば、有料プランか別のツールを考えます。
確認1. いま抱えている案件の数より、無料で作れる数が多いか
いまの案件の数に、これから半年で増えそうな数を加えます。それが無料の上限より多ければ、どこかで上限に当たります。案件をまとめて1つのプロジェクトに入れる運用もできますが、案件ごとの進み具合が見えにくくなります。
確認2. 使いたい表示が無料の範囲にあるか
カレンダーやガントチャートが有料のツールは少なくありません。今週の締切を見渡したい、来月の山を先に知りたい、という使い方をするなら、その表示が無料で使えるかを料金ページの比較表で確かめます。
確認3. 過去の記録をさかのぼれるか
無料プランでは、変更の履歴を1週間分しか見られないなど、記録の期間を短くしているツールがあります。「先月のあの作業はいつ終わったか」を確かめたい場面があるなら、履歴の期間も確かめます。
確認4. 取引先を招いても上限に当たらないか
個人で使うつもりでも、取引先を1人、2人と招いていくと、人数の上限に当たることがあります。招く予定のある人の数を含めて見積もります。
確認5. 添付するファイルが上限に収まるか
ふだん扱うファイルの大きさを確かめ、1ファイルの上限と総容量に収まるかを見ます。収まらない場合は、ファイルは別の場所に保存してリンクを貼る運用で割り切れるかを考えます。
個人がプロジェクト管理ツールを使う4つのメリット
チームで使う場合のメリットは「分担が見える」ことですが、個人で使う場合は少し違います。ひとりで使うからこそ効いてくるメリットを4つ挙げます。
1. 頭の中の記憶を外に出せる
複数の案件の締切、次にやること、返事を待っている相手。これを頭の中だけで覚えておくのは、思っている以上に負担です。ツールに書き出しておけば、覚えておく必要がなくなり、目の前の作業に集中できます。「何か忘れている気がする」という落ち着かない感覚が消えるのは、個人で使う人が最もよく挙げる効果です。
2. 確認待ちを見落とさなくなる
前の節で触れたように、個人の仕事が止まる原因の多くは取引先の確認待ちです。「確認待ち」の列にカードを並べておけば、何日待っているかが一目で分かり、催促のタイミングを逃しません。
3. 見積もりの精度が上がる
カードに作業の見込み時間と実際にかかった時間を残しておくと、次に似た案件の見積もりを出すときの根拠になります。「この種類の作業はいつも見込みの1.5倍かかる」と分かれば、締切の約束や料金の提示に反映できます。
4. 取引先への報告が楽になる
進み具合を聞かれたときに、ボードを見ればすぐに答えられます。取引先を招いて共有していれば、聞かれる前に相手が自分で確かめられます。報告のためのメールを書く時間が減り、その時間を作業に回せます。
主要なツールの無料プランを、個人の目線で比べる
2026年10月13日時点で、各社の公式の料金ページに書かれている無料プランの範囲を、個人で使う目線で整理します。条件は改定されることがあるので、登録する前に必ず公式の最新の記載を確かめてください。
| ツール | 無料で作れる数 | 無料で使える主な表示 | 個人で使うときに効く点 |
|---|---|---|---|
| Todoist | 個人プロジェクト5件 | リスト、ボード | カレンダー表示は有料、ファイルは5MBまで |
| Trello | ワークスペースあたりボード10枚 | ボード(カンバン) | カード無制限、1ファイル10MBまで |
| Asana | タスクとプロジェクトは無制限 | リスト、ボード、カレンダー | 無料で使えるのは2人まで |
| Notion | 1人で使う場合はページやブロックの追加に上限なし | データベースの各種表示 | 添付は1ファイル5MBまで |
| Backlog | 1プロジェクト | 課題の一覧など | ガントチャートはなし |
| Pinateca | ボード10個 | カンバン、ガント、カレンダーなど8種類 | 5人まで、ファイル容量1GB |
Todoist
Todoistの料金ページでは、無料の「初心者」プランで作れる個人プロジェクトは5件、リストとボードのレイアウト、3件のフィルター画面、1週間のアクティビティ履歴が使えると書かれています。カレンダーのレイアウトはプロ以上のプランの機能です。タスクを素早く登録する機能が評価されているツールで、個人のToDoとしては無料でも十分ですが、案件ごとにプロジェクトを分けるなら5件の上限が先に効きます。
Trello
Trelloの料金ページによると、無料プランはワークスペースあたり最大10枚のボード、カードは無制限です。カレンダーやタイムラインの表示は Premium の機能として挙げられています。案件ごとにボードを作るなら10件まで、カンバンで進み具合を動かす使い方が中心になります。
Asana
Asanaの料金ページでは、無料の Personal プランは「個人的なプロジェクトを管理する 1~2 人のユーザー向け」とされ、タスクとプロジェクトは無制限、リスト・ボード・カレンダーの表示が使えます。完全に1人で使うなら、プロジェクトの数を気にせずに済むのが利点です。取引先を招いて一緒に使う場合は、2人の上限に注意します。
Notion
Notionの料金ページのよくある質問には、フリープランのワークスペースを自分だけで使っている場合は好きなだけページやブロックを追加できる、と書かれています。複数のメンバーで使う場合はブロック数に上限があります。文章や資料と一緒に案件を管理したい人に向いていますが、表やボードを自分で組み立てる手間がかかります。
Backlog
Backlogの料金ページには、最大10ユーザー・1プロジェクトまで利用できるフリープランがあると書かれています。2027年1月1日にはプランの改定が予定されており、公式ブログによるとフリープランのユーザー上限は10名から5名に変わります。個人で複数の案件を分けて管理するには、1プロジェクトの上限が厳しくなります。
比べてみると、個人の案件管理で無料の上限が先に効くのは、多くの場合「プロジェクトの数」と「カレンダーやガントの表示」です。自分の案件の数と、使いたい表示の2つを先に決めてから比べると、候補はすぐに絞れます。
個人の仕事の型ごとに、使い方を決める
同じツールでも、仕事の型によって向く使い方が変わります。代表的な4つの型で、ボードの作り方を整理します。
受託の案件を複数並行するフリーランス
案件ごとにボードを1つ作り、列を「着手前」「作業中」「確認待ち」「修正」「納品済み」の5つにします。カードには工程を1つずつ書き、締切を付けます。全案件の締切を一覧するには、カレンダー表示が使えると便利です。請求のタイミングを忘れないよう、「請求済み」の列を作っておく人もいます。
本業と副業を両立する会社員
使える時間が平日の夜と週末に限られるため、作業の量より「いつやるか」の管理が大事になります。カードに作業の見込み時間を書き、週末にまとめて片付けるものと、平日の夜に少しずつ進めるものを分けます。本業の情報を副業のツールに入れないよう、ワークスペースを分けておきます。
個人の制作や開発
ゲームやアプリ、作品の制作のように、自分で工程を決める仕事では、ガントチャートで全体の期間を見渡すと計画が立てやすくなります。機能を1つ作る、素材を1つ仕上げる、といった単位でカードを作り、終わったら動かしていくと、進み具合が目で見えて続けやすくなります。編集部で、個人の制作を半年かけて進める計画をガントチャートで引いたときも、最初に引いた線から2か月ほど遅れていることが早い段階で分かり、作る機能を絞る判断を前倒しできました。頭の中の計画だけでは、遅れに気づくのは締切の直前になります。
資格の勉強や学び直し
試験日から逆算して、科目ごとの学習期間を横棒で並べます。問題集の章ごとにカードを作り、終わったら完了に動かします。勉強の進み具合が見えると、予定より遅れている科目に早めに時間を回せます。
取引先と共有する場面まで考えて、無料から試す
個人で使い始めたツールでも、やがて取引先と進み具合を共有したくなることがあります。そのときに人数やボードの上限、表示の制限に当たらないものを選んでおくと、ツールを替える手間が省けます。
その選択肢の1つが Pinateca です。公式サイトによると、Pinateca はボードで仕事を進める国産のプロジェクト管理の道具で、カンバン、ガントチャート、カレンダー、リスト、ディスカッション、グリッド、時間割、リソースの8種類のボードと、チャットが無料プランから使えます。料金ページでは、無料のプランは5人まで、ボード10個まで、ファイル容量1GBで、カスタムフィールド(自分で追加する項目)や権限ロールも含まれると書かれています。アーカイブしたボードは数に含めないとされているので、終わった案件をアーカイブすれば、進行中の案件のために10個の枠を使えます。
個人の目線で見ると、ガントチャートとカレンダーが無料で使えること、取引先を4人まで招いても無料の範囲に収まること、閲覧だけのゲストは人数に数えないと書かれていることが、この記事の5つの確認点に当てはまります。Trelloのエクスポートファイルを読み込んでボードやカードを移す機能もあるので、いまTrelloの無料プランで10枚のボードの上限に近づいている人が、移る先として試すこともできます。ChatGPTやClaudeから操作できる仕組み(MCP)にも対応しています。
Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
ToDoアプリから移るときの進め方
すでにスマートフォンのリマインダーやToDoアプリで仕事を管理している人が、プロジェクト管理ツールに移るときは、全部を一度に移さないことが大切です。
まず、ToDoアプリに入っている項目を「案件に関わるもの」と「日々の細かい用事」に分けます。プロジェクト管理ツールに移すのは、案件に関わるものだけです。買い物や振込のような日々の用事は、ToDoアプリに残しておいたほうが手軽です。
次に、案件に関わる項目を案件ごとにまとめ、それぞれの案件で「次にやること」を1つずつ決めます。ToDoアプリでは、1つの案件の作業がばらばらに並んでいることが多いので、ここで工程の順番を整理し直します。
移したあと1〜2週間は、ToDoアプリとプロジェクト管理ツールの両方を見る期間ができます。この期間に、どちらに何を書くかの線引きを決めておきます。線引きがあいまいなまま両方に書くと、片方の更新を忘れて二重管理になります。「締切のある仕事はプロジェクト管理ツール、締切のない用事はToDoアプリ」のように、単純な線引きにしておくと迷いません。
スマートフォンとパソコンで役割を分ける
個人で使う場合、パソコンとスマートフォンの両方からツールを開くことになります。それぞれで行う操作を分けておくと、どちらの画面でも迷わずに済みます。
パソコンでは、案件の計画を立てる、カードを作る、ガントチャートで期間を調整する、といった全体を見る操作を行います。画面が広いので、複数の案件を並べて見比べるのに向いています。
スマートフォンでは、今日のカードを確かめる、終わったカードを動かす、思いついた作業をカードとして登録する、といった短い操作に絞ります。移動中に取引先から連絡が来たときに、該当するカードにコメントを残しておくと、パソコンに戻ったときに経緯を思い出せます。
ツールを選ぶ前に、スマートフォンでカードを1枚作って動かすまでの操作を試しておくと、自分の使い方に合うかがすぐに分かります。スマートフォンの画面では、ガントチャートのような横に長い表示は見にくいことが多いので、スマートフォンでは一覧やカンバンを使う、と割り切るのも1つの方法です。
個人で使い始めるための1週間の手順
ツールを選んだら、次の手順で1週間かけて使い始めると、入力の手間で嫌になる失敗を防げます。
1日目. いま抱えている仕事を全部書き出す
案件の名前、締切、次にやることを、紙やメモでよいので全部書き出します。ツールに入れる前に全体を見ることで、どの単位でボードを分けるかが決まります。
2日目. 進行中の案件を1つだけ入れる
全部を一度に入れず、締切が最も近い案件を1つだけツールに入れます。列の名前とカードの粒度(1枚のカードにどこまでの作業を書くか)を、この案件で試します。
3〜5日目. 毎朝ボードを見てから作業を始める
朝の最初にボードを開き、今日動かすカードを決めてから作業を始めます。夕方にもう一度開き、終わったカードを動かします。この朝と夕方の2回が習慣になれば、ツールは定着します。
6日目. 残りの案件を入れる
1つ目の案件で決めた列とカードの粒度で、残りの案件を入れます。ここで無料の上限に当たらないかを確かめます。
7日目. 週の振り返りをする
1週間でどの案件がどこまで進んだか、確認待ちのまま止まっているものはないかをボードで確かめます。止まっているものがあれば、取引先に催促の連絡を入れます。
個人で使うときに気をつけたいこと
個人でプロジェクト管理ツールを使うときに、つまずきやすい点を挙げます。
入力そのものが目的にならないようにする
カードを細かく分けすぎると、入力と更新に時間を取られます。1枚のカードは「30分から半日で終わる作業」くらいを目安にし、それより細かい手順はカードの中のチェックリストに書きます。
取引先の情報の扱いに気をつける
取引先から預かった資料や、守秘義務のある情報をツールに入れる場合は、契約で外部のサービスへの保存が認められているかを確かめます。招待した取引先が、ほかの取引先のボードを見られる設定になっていないかも確かめます。取引先ごとにワークスペースやボードを分け、招待はその取引先のボードだけに絞るのが基本です。パスワードやログイン情報のような秘密の情報は、カードの説明やコメントに書かず、専用のパスワード管理の道具に保存します。案件が終わったら、取引先の招待を外すことも忘れないようにします。
無料プランの条件の変化に備える
Backlogのように、無料プランの条件を変える告知が出ることがあります。使っているツールの公式のお知らせを、ときどき確かめておきます。データの書き出しの方法を一度試しておくと、いざというときに慌てません。
予定を詰め込みすぎない
ガントチャートやカレンダーで期間を並べると、空いている日に次々と作業を入れたくなります。ただ、個人の仕事では、取引先からの急な修正や、体調を崩す日が必ず出てきます。1週間のうち半日から1日は予定を入れない日にしておくと、遅れが出ても全体の計画を崩さずに済みます。ボードの上で余白が見えることも、個人で使う利点の1つです。
1つのツールにこだわりすぎない
案件管理はプロジェクト管理ツール、日々の細かいToDoはスマートフォンのリマインダー、と使い分けても構いません。すべてを1つのツールに集めようとして、かえって使いにくくなるなら、役割を分けたほうが続きます。
終わった案件の記録を、見積もりと請求に生かす
個人で使うプロジェクト管理ツールの価値は、進行中の案件を回すことだけではありません。終わった案件の記録は、次の仕事の見積もりや、請求の根拠として役に立ちます。
見積もりの根拠にする
案件が終わったら、カードに残した見込み時間と実際の時間を見比べます。工程ごとに差が大きかったところを書き出しておくと、次に似た案件の見積もりを出すときに、どの工程に余裕を持たせるべきかが分かります。たとえば「修正の往復は毎回2回を見込んでいたが、実際は平均3回あった」と分かれば、見積もりの段階で修正の回数を契約に書いておく、といった手を打てます。
請求の根拠にする
時間単位で請求する仕事では、作業した日と時間の記録が請求の根拠になります。カードのコメントや作業時間の項目に、日ごとの作業時間を残しておくと、月末に請求書を作るときに思い出す手間がなくなります。取引先から作業の内訳を求められたときにも、そのまま示せます。
実績の一覧として使う
アーカイブした案件のボードは、そのまま自分の実績の一覧になります。どの業種の、どんな作業を、どれくらいの期間で行ったかを振り返れるので、新しい取引先に経験を説明するときの材料になります。守秘義務のある案件は、取引先の名前や中身を伏せたうえで、作業の種類と期間だけを書き出して使います。
記録を残す習慣は、最初は手間に感じます。ただ、半年ほど続けると、見積もりの精度が上がり、締切に追われる回数が減っていることに気づくはずです。個人で働く人にとって、プロジェクト管理ツールは「進行の管理」と「経験の蓄積」の両方を担う道具になります。
有料に切り替えるかを、時間で計算して決める
無料プランの上限に当たったとき、有料に切り替えるかどうかは、上限を避けるためにかけている時間で考えると決めやすくなります。
たとえば、ボードの上限に当たるたびに古いボードを書き出して消す作業に、1か月あたり1時間かかっているとします。自分の仕事の時給を3,000円と見積もるなら、その作業には1か月あたり3,000円分の時間を使っていることになります。有料プランの月額がそれより安ければ、切り替えたほうが得です。
カレンダーやガントチャートの表示がないために、別の表計算で締切の一覧を作っている場合も同じです。二重に入力する時間と、入力を忘れて締切を見落とすおそれを、月額の料金と比べます。
個人の場合、有料プランの費用は事業の経費として扱えることが一般的です。ただし、仕事と私用の両方に使う場合の按分(仕事に使った割合だけを経費にすること)の考え方など、個別の扱いは事情で変わるため、確定申告の前に税務署や税理士に確かめてください。
案件を管理できる人が、仕事の幅を広げている
個人で案件を管理する力は、そのまま受けられる仕事の幅につながります。締切を守り、確認待ちを見落とさず、進み具合をいつでも取引先に示せる人には、継続の依頼や、より大きな案件が回ってきやすくなります。
フリーランス・在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から見ると、長く続く人ほど、作業の速さより「いまどこまで進んでいるか」を相手に伝える手間を惜しみません。依頼する側にとって、進み具合が見えないことは最大の不安だからです。仲介の手数料がかからない直接の取引であれば、同じ予算で依頼主はより多くを頼め、受ける側の手取りも厚くなります。その関係を長く保つ土台になるのが、こうした日々の管理です。
案件の管理を、仕事そのものにする道もあります。定型の作業を自動化する仕組みを作るRPA・業務自動化ツールのお仕事では、プロジェクト管理ツールとほかの道具をつなぐ案件が出ています。AIの活用や情報の守りに関わるAI・マーケティング・セキュリティのお仕事も、ツールの設定や運用の知識が生きる分野です。音楽や効果音の制作のように、修正の往復が多い作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事でも、案件ごとの管理ができる人は取引先から重宝されます。
個人で教える仕事をしている人にとっても、生徒ごとの進み具合をボードで管理する方法は役立ちます。家庭教師やオンラインの講師の単価の幅は、個人教師の年収・単価相場で確かめられます。新しい分野の仕事に挑戦するために学び直す人は、個人で使える支援の制度をリスキリング 助成金 個人 2026で確かめておくと、学習の計画をボードで引くときの期間や費用の見通しが立てやすくなります。中小企業の業務の仕組みを助言する立場を目指すなら、中小企業診断士の資格の内容も、案件管理の経験を専門性に変える道筋の1つになります。
よくある質問
Q. 個人でプロジェクト管理ツールを使う必要はありますか?
同時に進める案件が3件以上ある、1つの案件に3段階以上の工程がある、取引先の確認待ちが頻繁にある、のどれかに当てはまるなら役に立ちます。案件が1〜2件で工程も単純なら、スマートフォンのリマインダーや無料のToDoアプリで十分です。必要以上に重い道具を選ぶと、入力の手間で続かなくなります。
Q. 個人で使うなら無料プランで足りますか?
案件の数と使いたい表示で決まります。無料で作れるプロジェクトの数(Todoistは個人プロジェクト5件、Trelloはワークスペースあたりボード10枚など)が、半年後の案件の数より多いかを確かめます。カレンダーやガントチャートを無料で使えないツールも多いので、料金ページの比較表で確かめてから選ぶと失敗が減ります。
Q. 取引先と進み具合を共有するときの注意点はありますか?
招待した取引先が人数の上限に数えられるか、見せる範囲を絞れるかを確かめます。取引先ごとにボードを分け、ほかの取引先の情報が見えない設定にしておくことも大切です。預かった資料を外部のサービスに保存してよいかは契約で決まっていることがあるため、入れる前に確かめておきます。
Q. プロジェクト管理ツールの有料プランは経費になりますか?
個人事業の仕事に使う有料プランの費用は、事業の経費として扱うのが一般的です。ただし、仕事と私用の両方に使う場合は、仕事に使った割合だけを経費にする考え方が必要になるなど、個別の扱いは事情で変わります。確定申告の前に、税務署や税理士に確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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