工程管理表をExcelで作る手順と、遅れに気づける更新の仕方


この記事のポイント
- ✓工程管理表をExcelで作る手順を
- ✓列の配置からドロップダウン
- ✓条件付き書式での横棒と今日の線
工程管理表のテンプレートをダウンロードして使い始めたものの、1か月もすると誰も更新しなくなっていた。そんな経験がある人は多いはずです。原因はテンプレートの見た目ではなく、遅れが出ても表の上で目立たないこと、そして誰がいつ更新するかが決まっていないことにあります。
この記事では、工程管理表をExcelで一から作る手順を、列の配置、入力のルール、横棒と今日の線の表示、遅れを自動で知らせる数式の順に説明します。配布されているテンプレートを使う場合も、この記事の手順で中身を確かめておけば、自分の仕事に合わせて直せます。後半では、表で回すのが苦しくなったときの選択肢として、ガントやカンバンのボードを無料から使えるPinatecaにも触れます。
工程管理表のテンプレートが使われなくなる理由
工程管理表は、作業ごとに予定と進み具合を記録し、全体が予定どおり進んでいるかを確かめるための表です。工程表が「いつ何をするか」の計画を示すのに対し、工程管理表はそこに「実際にどこまで進んだか」を加えて、計画とのずれを見つけるのが役目です。
テンプレートを配っているサイトは数多くあり、用途別に何種類も用意されているのが一般的です。
ここでは、エクセルでそのまま使える工程表テンプレートを、用途別に10種類紹介します。複数の工程表を併用する場合でも視認性が高く、管理の手間を減らせるのが特長です。 出典: edraw.wondershare.jp
それでもテンプレートが使われなくなるのは、次のような理由からです。
・予定の日付は入っているが、実際の進み具合を書く欄がない、または書き方が決まっていない
・遅れている作業があっても色が変わらず、表を隅から隅まで読まないと気づけない
・予定が変わるたびに、横棒の色を手で塗り直す必要がある
・更新する人と曜日が決まっておらず、作った人だけが更新している
どれも、テンプレートを選ぶ段階では見落としやすい点です。見た目が整ったテンプレートほど、横棒が手で塗る形になっていて、更新の手間が大きいこともあります。
アパレルのEC運営を手伝う現場でも、同じことが起こります。新作の発売に向けて、サンプルの入荷、撮影、商品ページの原稿、在庫の登録、告知の投稿と、関わる人と作業が一気に増える時期があります。きれいな工程表を最初に作っても、サンプルの入荷が3日遅れた時点で、後ろの作業の日付を誰も直さなくなり、表が実態と合わなくなります。結局、チャットのやり取りを遡って進み具合を確かめる羽目になる。表が止まる瞬間は、たいてい最初の遅れが出たときです。
だからこそ、工程管理表は「遅れが出たときに、直す手間が少なく、遅れが自然に目に入る」形で作る必要があります。ここからはその作り方を、手順に沿って説明します。
工程管理表の全体の形を決める
最初に、表の全体の形を決めます。工程管理表は、左側に作業の情報を並べる列、右側に日付の欄を並べる形が基本です。この記事では次の配置で作ります。
| 列 | 中身 | 入力のしかた |
|---|---|---|
| A | 番号 | 1から順に入力 |
| B | 作業名 | 動詞で終わる言葉で入力 |
| C | 担当 | 1行に1人 |
| D | 予定開始日 | 日付で入力 |
| E | 予定終了日 | 日付で入力 |
| F | 実績開始日 | 始めた日に入力 |
| G | 実績終了日 | 終えた日に入力 |
| H | 進捗率 | 0%から100%で入力 |
| I | 状態 | ドロップダウンから選ぶ |
| J | 遅れ | 数式で自動表示 |
| K | 備考 | 自由に入力 |
| L以降 | 日付の欄 | 1列が1日 |
この配置のポイントは、予定と実績を別の列に分けていることです。予定開始日と予定終了日は、計画を立てたときの日付を残しておく欄です。実績開始日と実績終了日は、実際に始めた日と終えた日を記録する欄です。予定の日付を上書きしてしまうと、どれだけ遅れたのかが後から分からなくなります。
1行目と2行目には、表の名前、基準になる開始日、更新した日などを入力します。3行目に日付の見出し、4行目に曜日を入れ、5行目から作業を並べます。行数は、最初から多めに用意しておくと、作業が増えたときに書式を設定し直す手間が省けます。
作業名と日付の見出しが常に見えるように、ウィンドウ枠を固定しておきます。表示タブの「ウィンドウ枠の固定」を使うと、選択したセルより上の行と左の列が、スクロールしても動かなくなります(ウィンドウ枠を固定して行と列をロックする)。L5のセルを選んで固定すれば、作業の列と日付の見出しの両方が常に表示されます。
作業の洗い出し方:大きな作業を分けてから並べる
表の形が決まったら、作業を並べる前に洗い出しをします。工程管理表がうまく回らない原因の1つは、作業の粒度がそろっていないことです。「商品ページを作る」という大きな作業と、「価格を入力する」という小さな作業が同じ表に並んでいると、進み具合の比べようがありません。
洗い出しは、大きな作業から小さな作業へ順に分けていく方法が確実です。
- 仕事の完成形を1行で書く(例:新作10型の商品ページを公開する)
- 完成までに必要な大きな段階を3つから6つ書き出す(例:撮影、原稿、在庫登録、公開前の確認)
- それぞれの段階を、1日から5日で終わる作業に分ける(例:撮影なら、撮影の段取りを組む、モデルを手配する、撮影する、写真を選ぶ、写真を補正する)
- 分けた作業に、それぞれ担当を1人ずつ決める
この形で分けておくと、工程管理表の作業名の列に、粒度のそろった作業が並びます。大きな段階は、表の中で見出しの行として使うと、どの段階に遅れが集まっているかが分かりやすくなります。見出しの行は太字にし、予定の日付には、その段階に含まれる作業の最も早い開始日と最も遅い終了日を入れます。MIN関数とMAX関数で、下の作業の日付から自動で計算できます。
作業を分けるときは、「誰かの確認」を独立した作業として書き出すことも大事です。原稿を書く作業と、原稿を確認する作業を1行にまとめてしまうと、確認待ちで止まっている時間が見えません。確認する人が別にいる作業は、必ず別の行にします。
手順1:日付の見出しを数式で作る
右側の日付の欄は、1つずつ手で入力しないで、数式で並べます。そうすれば、開始の日付を1か所変えるだけで、見出し全体が動きます。
- C1のセルに、表の基準になる開始日を入力する(例:2026/11/2)
- L3のセルに「=$C$1」と入力する
- M3のセルに「=L3+1」と入力し、右へ必要な日数だけコピーする
- L4のセルに「=TEXT(L3,"aaa")」と入力し、右へコピーする(曜日が「月」「火」のように表示される)
- 3行目の表示形式を「d」にして、日だけが表示されるようにする
1日1列で並べると、3か月で約90列になります。列の幅を狭くしておけば、画面の横幅に1か月程度が収まります。半年を超える仕事では、1列を1週間にする形も考えます。その場合は、M3のセルを「=L3+7」にします。
土曜日と日曜日の列は、条件付き書式で薄い灰色にしておくと、稼働日と休みの日が見分けやすくなります。L3からの日付の範囲を選び、条件付き書式の新しいルールで「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選んで、「=WEEKDAY(L$3,2)>5」と入力します。WEEKDAY関数の2つ目の引数に2を指定すると、月曜日が1、日曜日が7になるので、6以上が土日です。
手順2:状態の列をドロップダウンにする
状態の列は、自由に書ける欄にしないことが大事です。「進めてます」「ほぼ完了」「8割」のように表現がばらばらになると、全体の進み具合を数えられません。決まった言葉から選ぶ形にします。
- 別のシートに、状態の選択肢を縦に並べる(例:未着手、進行中、確認待ち、保留、完了)
- 工程管理表のI列の範囲を選ぶ
- データタブの「データの入力規則」を開く
- 入力値の種類で「リスト」を選び、元の値に選択肢の範囲を指定する
手順はMicrosoftの公式ヘルプにも載っています(ドロップダウン リストを作成する)。選択肢を別のシートにまとめておくと、あとから「差し戻し」のような状態を加えたいときに、その一覧に1行加えるだけで済みます。
担当の列も、同じようにドロップダウンにしておくと便利です。担当者の名前の書き方がそろうので、あとで担当者ごとに絞り込んだり、件数を数えたりするときに漏れがなくなります。「田中」「田中さん」「たなか」のように表記が揺れると、絞り込みで一部の作業が抜け落ちます。
状態の選択肢は、多くても5つか6つに抑えます。選択肢が多すぎると、どれを選べばよいか迷い、結局「進行中」ばかりが選ばれるようになります。「確認待ち」と「保留」は、自分の手を離れて止まっている作業を区別するために入れておくと役に立ちます。
手順3:条件付き書式で横棒と今日の線を出す
日付の欄に横棒を表示するのは、手で塗らず条件付き書式で行います。予定の日付を変えれば、横棒も自動で動くようになります。
- L5から右下の日付の欄全体を選ぶ
- ホームタブの「条件付き書式」から「新しいルール」を開く
- 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選ぶ
- 数式に「=AND(L$3>=$D5,$E5>=L$3)」と入力する
- 書式で塗りつぶしの色を選ぶ
条件付き書式の数式の書き方は、Microsoftの公式ヘルプで確かめられます(条件付き書式を使用して Excel 内の情報を強調表示する)。数式の中の「$」の付け方が大事です。「L$3」は行を3行目に固定し、「$D5」は列をD列に固定しています。数式は「日付の見出しが予定開始日以降で、かつ予定終了日が日付の見出し以降なら塗る」という意味です。こうすることで、選んだ範囲のどのセルでも、自分の列の日付と自分の行の予定日を比べてくれます。
予定の横棒とは別に、実績の横棒も表示できます。同じ範囲に2つ目のルールを作り、「=AND(NOT($F5=""),L$3>=$F5,IF($G5="",TODAY(),$G5)>=L$3)」と入力して、予定より濃い色を選びます。実績終了日が空欄のあいだは、今日までの期間が塗られます。予定の横棒と実績の横棒が並ぶので、ずれが目で分かります。
今日の日付の列に線を引くルールも作ります。日付の欄全体を選んで、「=L$3=TODAY()」というルールで、左右の罫線を赤にします。TODAY関数はファイルを開くたびにその日の日付を返すので、線は毎日自動で動きます(TODAY 関数)。
今日の線があると、表の見方が変わります。線より左にある横棒は、本来もう終わっているはずの作業です。そこに「完了」以外の状態が付いていれば、遅れているとすぐに分かります。
手順4:遅れを数式で自動表示する
横棒と今日の線だけでも遅れは目に入りますが、行数が多くなると見落としが出ます。そこで、J列に遅れを文字で表示する数式を入れます。
J5のセルに、次の数式を入れて下へコピーします。
「=IF($I5="完了","",IF(TODAY()>$E5,"遅れ",IF(AND(TODAY()>=$D5,$I5="未着手"),"未着手のまま","")))」
この数式は、次の順番で判定しています。
- 状態が「完了」なら、何も表示しない
- 今日が予定終了日を過ぎていれば「遅れ」と表示する
- 予定開始日を過ぎているのに状態が「未着手」なら「未着手のまま」と表示する
- どれにも当てはまらなければ、何も表示しない
「未着手のまま」の判定を入れておくのがポイントです。終了日を過ぎてから遅れに気づいても、取り戻せる時間はほとんど残っていません。開始日を過ぎても手が付いていない作業を先に拾えば、遅れになる前に担当者に声をかけられます。
J列にも条件付き書式を設定し、「遅れ」なら赤、「未着手のまま」なら黄色で塗ると、表を開いた瞬間に目に入ります。さらに、行全体に色を付けたいときは、A5からK5までの範囲に「=$J5="遅れ"」のルールを設定します。
表の上のほうに、件数を数えるセルを作っておくのも効果的です。「=COUNTIF(J:J,"遅れ")」で遅れの件数、「=COUNTIF(I:I,"完了")」で完了の件数が出ます。担当者ごとの遅れの件数は「=COUNTIFS(C:C,"田中",J:J,"遅れ")」のように、条件を2つ組み合わせて数えます(COUNTIFS 関数)。
手順5:予定の進み具合と実際の進み具合を比べる
遅れの判定をさらに早くしたいときは、「今日の時点で本来どこまで進んでいるべきか」を計算し、実際の進捗率と比べます。
予定の進捗率は、予定期間のうち今日までに過ぎた稼働日の割合で求められます。たとえば、予定期間が10稼働日で、今日が5稼働日目なら、予定の進捗率は50%です。実際の進捗率がそれより大きく下回っていれば、終了日を待たずに遅れの兆しをつかめます。
計算には、稼働日を数えるNETWORKDAYS関数を使います。予定開始日から今日までの稼働日を、予定開始日から予定終了日までの稼働日で割り、0から1の範囲に収めます。数式は「=MIN(1,MAX(0,NETWORKDAYS($D5,TODAY())/NETWORKDAYS($D5,$E5)))」です。祝日も除きたいときは、祝日の一覧を別のシートに作り、NETWORKDAYS関数の3つ目の引数に指定します。
ただし、進捗率の数字は、担当者の感覚で入力されることが多い点に注意が必要です。作業を始めてすぐに「50%」と入力され、そこから終わるまで「90%」のまま何日も動かない、ということがよく起こります。進捗率を使うなら、数字の決め方をあらかじめそろえておきます。
| 進捗率 | 意味 |
|---|---|
| 0% | まだ手を付けていない |
| 25% | 材料や情報がそろい、作業を始めた |
| 50% | 下書きや仮の形ができた |
| 75% | 確認に出した |
| 100% | 確認が終わり、次の人に渡した |
このように段階で決めておけば、人によって数字の意味が変わりません。段階を決めるのが難しい作業は、進捗率を使わず、状態の列だけで管理するほうが正確です。
遅れが見つかったときの立て直し方
遅れが表に出てきたら、次は立て直しです。遅れに気づけても、対応のしかたが決まっていないと、同じ遅れが何度も繰り返されます。立て直しは、次の順番で考えると迷いません。
- 遅れている作業の後ろに、どの作業がつながっているかを確かめる
- 締め切りまでの余裕日で吸収できるかを見る
- 吸収できなければ、並行して進められる作業がないかを探す
- それでも足りなければ、担当を増やすか、作業の範囲を減らす
- どれも難しければ、締め切りを動かす相談を早めに始める
1つ目が特に大事です。遅れている作業のすべてが全体の締め切りに響くわけではありません。後ろにつながる作業がなく、締め切りまでに余裕のある作業なら、多少の遅れは問題になりません。反対に、後ろに多くの作業がつながっている作業の遅れは、1日でも全体に響きます。備考の列に「後ろの作業」の番号を書いておくと、この確認が速くなります。
5つ目の締め切りを動かす相談は、遅れが分かった時点ですぐに始めるのが原則です。締め切りの前日に「間に合いません」と伝えるのと、2週間前に「この作業が遅れているので、公開を3日後ろにできないか」と相談するのとでは、相手の受け止め方がまったく違います。工程管理表は、その相談を早めに始めるための材料でもあります。
立て直したあとは、予定の日付を書き換える前に、元の予定を備考の列に残しておきます。予定と実績の差が記録として残っていれば、次に同じような仕事をするときに、どの作業に余裕を持たせるべきかが分かります。
遅れに気づける更新の仕方
工程管理表は、作ることより更新し続けることのほうが難しい表です。作り方が整っていても、更新が止まれば実態と合わなくなります。更新を続けるための決まりを、最初に決めておきます。
更新する人を決める
各行の状態、実績の日付、進捗率は、その行の担当者が更新します。全体の取りまとめ役が全員分を聞いて回って入力する形は、取りまとめ役が忙しくなった時点で止まります。担当者が自分の行を直す形にしておけば、更新の手間が分散します。
更新する曜日と時刻を決める
更新の頻度は、仕事の長さに合わせます。1か月から3か月の仕事なら週に1回、1か月未満の短い仕事なら2日に1回程度が目安です。「毎週月曜日の朝10時までに自分の行を更新する」のように、曜日と時刻まで決めておくと習慣になります。
遅れの行だけを見る時間を作る
更新が終わったら、取りまとめ役は遅れの件数のセルと、色の付いた行だけを確かめます。全部の行を読む必要はありません。遅れの行について、担当者に「何で止まっているか」「いつ終わりそうか」を聞き、必要なら後ろの作業の予定を動かします。
予定を変えるときは理由を残す
予定の日付を変えるときは、備考の列に変えた日と理由を書いておきます。「11/10 サンプルの入荷が3日遅れたため後ろへ」のように残しておけば、あとで振り返るときに、どこで計画がずれたのかが分かります。次に似た仕事をするときの日数の見積もりにも役立ちます。
仕事が終わったら振り返りに使う
仕事がすべて終わったら、工程管理表を閉じる前に一度だけ振り返ります。予定終了日と実績終了日の差を計算する列を加え、差の大きかった作業を上から並べ替えます。差の大きかった作業が「確認待ち」の作業に集中していれば、次は確認の日数を長めに取る。特定の担当者に集中していれば、作業の割り振りを見直す。こうした気づきを次の仕事の見積もりに生かすと、工程管理表は回を重ねるごとに正確になっていきます。終わった表は削除せず、仕事の名前と日付を付けて保存しておくと、似た仕事の日数を見積もるときの手がかりになります。
アパレルの新作の準備で工程管理表を回す現場でも、更新が止まった原因を振り返ると、遅れを報告しにくい雰囲気があったという例がよく見られます。遅れを書くと責められると感じると、担当者は「進行中」のまま報告を先延ばしにします。遅れは責める材料ではなく、後ろの作業の段取りを組み直すための情報だと最初に伝えておくと、表に正直な状態が書かれるようになります。
工程管理表を関係者に共有するときの工夫
作った工程管理表は、関わる人が見られる形で共有して初めて役に立ちます。共有のしかたにも、更新を続けるための工夫があります。
保存先を1つに決める
ファイルをメールで送ると、受け取った人の手元にコピーが残り、どれが最新か分からなくなります。共有のフォルダやクラウドの保存先を1つに決め、ファイルは常にそこから開くようにします。メールやチャットでは、ファイルそのものではなく、保存先へのリンクを送ります。
取引先に見せる版は別に作る
社内で使う工程管理表には、担当者の名前や遅れの理由など、取引先に見せる必要のない情報も入ります。取引先や発注者に共有するときは、作業名、予定の日付、状態の列だけを残した版を別のシートに作り、そこから印刷やPDFへの書き出しをします。元の表を参照する数式で作っておけば、元の表を更新するだけで、共有用の版も自動で更新されます。
印刷するなら1か月を1枚に収める
紙で配る場合は、日付の欄を1か月ごとに区切り、A4かA3の横向きに収まるように列の幅を調整します。ページレイアウトの設定で、左側の作業の列を「印刷タイトル」に指定すると、2枚目以降にも作業名が表示されます。
テンプレートを使うときに確かめること
一から作らずに、配布されているテンプレートを使う方法もあります。ExcelにもMicrosoftの公式テンプレートが用意されていますし、工程表のテンプレートを用途別に配っているサイトもあります。テンプレートを選ぶときは、次の5つを確かめてください。
- 予定と実績が別の列になっているか
- 横棒が条件付き書式で自動で塗られる形になっているか(手で塗る形ではないか)
- 状態の列がドロップダウンになっているか
- 日付の見出しが、開始日を変えると連動して動くか
- 不要な列を削除しても、数式が壊れないか
特に2つ目は大事です。見た目がきれいなテンプレートでも、セルを手で塗る形になっていると、予定が変わるたびに塗り直しが必要になり、更新が止まる原因になります。テンプレートを開いたら、予定の日付を1つ書き換えてみて、横棒が動くかどうかを試すのが一番確かな確かめ方です。
もう1つ、テンプレートを使うときは、自分の仕事に必要のない列を思い切って削除します。製造の現場向けのテンプレートには、工程ごとの品質の確認項目や設備の欄が並んでいることがあります。事務や制作の仕事には不要な列なので、残しておくと入力の手間が増えるだけです。
工程管理を業務として改善したい中小の製造業では、表計算から生産管理の仕組みへ移る動きも出ています。生産管理のツールの種類や補助金の使い方は中小製造業のDX推進|生産管理SaaS比較2026|補助金活用の完全ガイドで整理しています。ツールを増やすときに月々の費用がふくらまないようにする考え方は、中小企業のSaaS費用管理術2026|サブスクコストを30%削減する方法が参考になります。
Excelの工程管理表が苦しくなる場面と、次の選択肢
ここまでの手順で作った工程管理表は、数人で使う規模なら十分に機能します。ただし、次のような場面になると、Excelのままでは苦しくなってきます。
| 場面 | Excelで起こること |
|---|---|
| 5人以上が同じ表を更新する | ファイルのコピーが出回り、どれが最新か分からなくなる |
| 予定が週に何度も変わる | 後ろの作業の日付を手で直す作業が追いつかない |
| 遅れをその日のうちに知りたい | 誰かが表を開くまで、遅れに気づけない |
| 作業ごとのやり取りが多い | 相談の経緯がメールやチャットに散らばり、表と結び付かない |
| 外出先から確認したい | スマートフォンでは横に長い表が読みにくい |
Googleスプレッドシートに移せば、同時編集の問題は解決します。この記事で紹介した数式と条件付き書式は、スプレッドシートでもほぼ同じ形で使えます。ただ、遅れの通知や、作業ごとの会話の記録までは標準では用意されていません。
こうした場面で検討したいのが、プロジェクト管理のツールです。ツールに移ると、開始日と終了日を入れるだけで横棒が並び、状態の変更や担当者の絞り込みも画面の操作でできます。選ぶときは、ガントチャートの形で見られるか、カンバンの形でも見られるか、作業ごとに会話を残せるか、何人まで無料で使えるかを確かめます。ガントチャートを有料プランだけの機能にしているツールもあるので、工程管理表の代わりに使うなら、無料の範囲で使えるかどうかを最初に確かめておくと安心です。
その選択肢の1つがPinatecaです。公式サイトによると、カンバン、ガント、カレンダー、リスト、ディスカッション、グリッド、時間割、リソースの8種類のボードが無料プランから使え、5人まで無料で、クレジットカードの登録も要りません。ガントのボードでは、今日の日付の線で遅れている作業が分かり、担当者別やラベル別に絞り込めます。この記事のExcelで作った「今日の線」と「担当者ごとの遅れの件数」に近い見え方を、数式を組まずに使える形です。作業ごとにコメントを残せるチャットも入っているので、遅れの理由や予定を変えた経緯を、その作業のすぐ隣に記録できます。人ごとの負荷の偏りを見るリソースのボードもあり、特定の担当者に作業が集中していないかを確かめるのにも使えます。Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
ツールに移っても、この記事で決めた更新の決まりはそのまま使えます。担当者が自分の作業を更新する、曜日と時刻を決める、遅れの作業だけを見る時間を作る、予定を変えた理由を残す。道具が変わっても、表が止まらない仕組みの中身は同じです。
工程を管理できる人が求められる場面
最後に、運営者の立場から見えていることを書いておきます。
フリーランスや在宅の仕事の市場を20年見てきた立場から言えば、受けた仕事を途中で止めない人は、作業の速さよりも「遅れを早く伝える」ことが上手です。予定より遅れそうだと分かった時点で、工程管理表のような1枚を見せて「この作業が2日遅れているので、公開日をこう動かしたい」と相談できる人は、依頼者から次の仕事を任されやすくなります。依頼者と受ける側が直接やり取りし、仲介の手数料が乗らない取引では、こうした段取りの共有がそのまま信頼の積み重ねになります。依頼者は同じ予算で多くを頼め、受ける側の手取りは厚くなる。手数料0%で直接取引できる関係ほど、段取りを見せる力の差が成果に表れやすくなります。
工程を管理する力は、職種を問わず求められます。アプリやシステムの開発では、設計、実装、テスト、修正と工程がはっきり分かれ、それぞれの進み具合を依頼者と共有する場面が多くあります。開発の仕事の流れはアプリケーション開発のお仕事で紹介しています。AIを業務に取り入れる支援の仕事でも、導入の段取りを工程管理表にして依頼者と進める形がよく使われます。この分野の仕事の内容はAIコンサル・業務活用支援のお仕事にまとまっています。
制作の仕事を受ける人にとっても、工程管理表を自分で作れることは強みになります。デザインの仕事では、構成案、デザイン、修正、納品と確認の往復が何度も入るため、工程管理表を添えて提案すると、依頼者は自分の確認の期限を意識しやすくなります。デザインの仕事の単価の傾向はデザイナーの年収・単価相場で確かめられます。
まずは、今動いている仕事を1つ選び、この記事の手順1から手順4までを試してみてください。横棒と今日の線、遅れの表示がそろうだけで、表を開く理由が生まれ、更新が続くようになります。
よくある質問
Q. 工程管理表と工程表は何が違うのですか?
工程表は、作業をいつからいつまで行うかという計画を示す表です。工程管理表は、その計画に実際の開始日や終了日、進み具合を加えて、計画とのずれを確かめるための表です。実務では同じ1枚の表で両方を兼ねることも多く、予定の列と実績の列を分けておけば、工程表として作った表をそのまま工程管理表として使えます。
Q. 工程管理表はExcelとGoogleスプレッドシートのどちらで作るのがよいですか?
1人か2人で更新し、取引先にファイルで渡すことが多いならExcelが扱いやすいです。複数人が同じ表を同時に更新するなら、スプレッドシートのほうが最新の版が1つに保たれます。条件付き書式やTODAY関数、NETWORKDAYS関数はどちらでも使えるので、関わる人数と共有のしかたで選んでください。
Q. 進捗率は入力したほうがよいですか?
作業の段階を決められる場合は入力すると役に立ちます。0%は未着手、50%は下書きができた、100%は確認が終わった、のように段階ごとの意味をそろえておくことが前提です。意味が決まっていないと、担当者の感覚で数字が入り、終わる直前まで90%のまま動かないことがよくあります。段階を決めにくい作業は状態の列だけで管理するほうが正確です。
Q. 工程管理表の更新が止まらないようにするにはどうすればよいですか?
各行を担当者自身が更新すること、更新する曜日と時刻を決めること、遅れの行だけを確かめる時間を作ることの3つが基本です。取りまとめ役が全員分を入力する形は、その人が忙しくなった時点で止まります。また、遅れを報告しても責められないと伝えておくと、表に正直な状態が書かれるようになり、遅れへの対応も早くなります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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