プレゼン資料のデザイン|伝わる構成と見せ方


この記事のポイント
- ✓プレゼンテーション資料のデザインを
- ✓1枚1メッセージの原則
- ✓フォントと文字の大きさ
プレゼンテーション資料のデザインに悩む人の多くは、内容は固まっているのに、スライドにすると文字が詰まって見える、色を使うほど雑然とする、どこを見てほしいのかが伝わらない、という壁に当たっています。デザインの専門家でなくても、伝わる資料は作れます。必要なのは、センスではなく、いくつかの決まりを守ることです。結論から書くと、伝わるスライドは「話の順番を先に決める」「1枚に言いたいことは1つ」「フォントと色の数を絞る」「余白をとって端をそろえる」「数字は図にする」の5つでほぼ決まります。この記事では、構成の組み立て方から、フォント、色、余白、図表、スライドの縦横比、PowerPointとGoogleスライドで使える機能まで、今日の資料からすぐに直せる形で説明します。
プレゼン資料のデザインが求められる場面と、今の傾向
プレゼンテーション資料は、営業の提案、社内の企画会議、研究の発表、採用の説明会、取引先への報告など、仕事のさまざまな場面で使われています。以前は会議室のスクリーンに映して話すのが中心でしたが、今は使われ方が広がっています。
- オンライン会議で画面を共有して見せる
- 会議の前にPDFにして送り、事前に読んでもらう
- 会議のあとに共有フォルダに保存され、出席していない人も読む
- スマートフォンの小さな画面で確認される
この変化で、スライドに求められることも変わりました。スクリーンに映すだけなら、話し手の説明で足りない部分を補えます。ところが、資料だけが送られて読まれる場面では、話し手がいなくても意味が通じる必要があります。反対に、オンライン会議で画面を共有するときは、参加者のパソコンの画面の一部に小さく表示されることもあり、文字が小さいと読めません。
デザインに時間をかけすぎるのも問題です。見た目を整えることに何時間も使い、肝心の中身を詰める時間がなくなる、という失敗はよくあります。プレゼン資料のデザインの目的は、見栄えをよくすることではなく、聞き手が短い時間で内容を理解し、判断できるようにすることです。この目的から外れた装飾は、どれだけ凝っていても資料の価値を上げません。
作るための道具は、Microsoft PowerPointとGoogleスライドが中心です。どちらにも、テーマやレイアウト、デザインの提案といった、デザインの専門知識がなくても整った見た目にできる機能が入っています。この記事の後半で、その使い方も説明します。
伝わる資料はデザインの前に構成で決まる
スライドの見た目を整える前に、話の順番を決めます。どれだけ見た目がきれいでも、話の順番が分かりにくければ伝わりません。構成が決まっていれば、デザインは構成を見える形にするための作業になり、迷いが減ります。
結論を先に置く
仕事のプレゼンでは、結論を最初に示す組み立てが基本です。聞き手は「この話は結局何なのか」を知りたがっています。結論を最後まで引っ張ると、聞き手は途中で集中を切らします。よく使われる組み立ては次のとおりです。
- 結論:何を提案するのか、何が分かったのか
- 理由:なぜそう言えるのか(2つか3つ)
- 根拠:理由を支えるデータや事例
- 次の行動:聞き手に何をしてほしいのか
研究の発表のように、背景、方法、結果、考察の順で話すのが決まっている場面もあります。その場合でも、最初のスライドで「この発表で伝えたいこと」を1文で示しておくと、聞き手は話の行き先を知ったうえで聞けます。
紙の上で骨組みを作る
いきなりPowerPointを開くと、1枚目の見た目を整えることに時間を使い、全体の流れが見えないまま進みがちです。まずは紙やメモのアプリに、スライド1枚ごとの「言いたいこと」を1行ずつ書き出します。10枚の資料なら10行です。この10行を上から読んで話が通じれば、構成はできています。
書き出した1行は、そのままスライドのタイトルに使えます。「売上の推移」のような名詞だけのタイトルより、「売上は3年で1.5倍に伸びた」のように言いたいことを文で書いたタイトルのほうが、聞き手はスライドを見た瞬間に要点をつかめます。
枚数は話す時間から逆算する
スライドの枚数は、話す時間から決めます。1枚に何分かけるかは内容によって変わりますが、1枚あたり1分から2分を目安にすると、10分の発表なら5枚から10枚程度になります。枚数が多すぎると、1枚ずつの説明が駆け足になり、聞き手は理解が追いつきません。入りきらない情報は、補足の資料として後ろにまとめるか、別に配ります。
1枚のスライドに入れることは1つに絞る
伝わるスライドの一番大事な決まりは、1枚のスライドで言いたいことを1つにすることです。1枚に2つも3つも言いたいことを詰めると、聞き手はどこを見ればよいのか分からなくなります。
文字を減らす
スライドの文字が多くなるのは、話す内容をすべて書いてしまうからです。スライドは台本ではありません。話し手が口で説明することは、スライドに書かなくてかまいません。スライドに残すのは、聞き手に覚えて帰ってほしい言葉と数字だけです。
文字を減らすときは、次の順で削ります。
- 話せば伝わる説明の文を削る
- 箇条書きの1項目を、1行に収まる長さに縮める
- 「〜することができます」を「〜できる」のように短くする
- 同じことを言っている項目をまとめる
箇条書きは、1枚に3項目から5項目までにとどめます。それより多いと、1つずつが目に入らなくなります。項目が多くなるときは、スライドを2枚に分けます。
見る順番を作る
人の目は、スライドの左上から右下へ、大きいものから小さいものへと動きます。この動きに合わせて、一番伝えたいことを左上か中央に大きく置き、補足を右下に小さく置くと、聞き手は迷わずに読めます。
強調も絞ります。1枚の中で太字や色付きの文字が何か所もあると、どれも目立たなくなります。強調するのは、1枚に1か所か2か所までにします。
配布用と投影用を分ける
1枚に言いたいことを1つにすると、資料だけを読む人には情報が足りなくなることがあります。この場合は、投影用のスライドとは別に、文章で詳しく書いた配布用の資料を作るか、PowerPointのノートに説明を書いて、ノート付きで印刷して配ります。1つの資料で投影と配布の両方を満たそうとすると、どちらにも中途半端な資料になりがちです。
フォントと文字の大きさの決め方
フォントは、スライドの読みやすさを大きく左右します。迷ったら、次の決まりに従えば外れません。
使うフォントは1種類か2種類
1つの資料で使うフォントは、1種類か2種類に絞ります。タイトルと本文で変えるとしても2種類までです。スライドごとにフォントが変わると、資料全体がまとまりなく見えます。
日本語の資料では、画面で読みやすいゴシック体を使うのが一般的です。Windowsなら游ゴシックやメイリオ、Macならヒラギノ角ゴシックが標準で入っています。資料を相手のパソコンで開いてもらう場合は、相手のパソコンに入っていないフォントを使うと、別のフォントに置き換わってレイアウトが崩れることがあります。相手の環境が分からないときは、標準で入っているフォントを選ぶか、PDFにして渡します。
明朝体は、紙で長い文章を読むのには向いていますが、細い線が多く、スクリーンに映すと読みにくくなることがあります。投影するスライドでは、明朝体は表紙の飾りなど限られた場所にとどめます。
文字の大きさの目安
Microsoftは、障害のある人にも読みやすいPowerPointの資料の作り方として、次のように案内しています。
大きなフォント サイズ (18 pt 以上) の san serif フォントと十分な空白を使用します。 出典: support.microsoft.com
サンセリフ体とは、文字の端に飾りのないフォントのことで、日本語ではゴシック体がこれに当たります。本文は18pt以上を目安にし、タイトルは本文より一回り大きくします。オンライン会議で画面を共有する場合は、参加者の画面に小さく表示されることを考えて、さらに大きめにしておくと安心です。
文字の大きさは、役割ごとに決めて資料全体でそろえます。タイトル、見出し、本文、注記の4段階くらいに分け、それぞれの大きさを最初に決めておくと、スライドごとに迷わずに済みます。
行間と文字の色
行間が詰まっていると、文字が大きくても読みにくくなります。本文の行間は、文字の大きさの1.2倍から1.5倍くらいにすると、行と行の区切りがはっきりします。
文字の色は、真っ黒より、少し灰色がかった黒のほうが目に優しく見えることがあります。ただし、薄すぎる灰色は背景と区別しにくくなり、読みにくくなります。次の節で説明するコントラストに気をつけます。
色の選び方は役割で決める
色を使いすぎると、スライドは雑然とします。色は、それぞれに役割を持たせて、数を絞って使います。
3つの役割に分ける
スライドの色は、次の3つの役割に分けて考えると決めやすくなります。
| 役割 | 使う場所 | 選び方 |
|---|---|---|
| ベースの色 | 背景、余白 | 白や薄い灰色など、目立たない色 |
| メインの色 | タイトル、図形、グラフの主な部分 | 会社や商品の色など、資料の印象を決める色 |
| 強調の色 | 一番見てほしい数字や言葉 | メインの色と対になる、目を引く色 |
強調の色は、使う場所を絞るほど効きます。すべての数字を赤くすると、どれが大事なのかが分からなくなります。1枚のスライドで強調の色を使うのは、一番見てほしい1か所だけにします。
色を選ぶのに迷ったら、PowerPointやGoogleスライドのテーマの色を使います。テーマの色は、互いに合うように組み合わされているので、自分で1色ずつ選ぶより失敗が少なくなります。会社の資料なら、ロゴや会社のサイトで使われている色をメインの色にすると、資料に統一感が出ます。
背景と文字のコントラスト
Microsoftは、テキストと背景の色に十分なコントラストを付けるよう案内しています。コントラストとは、2つの色の明るさの差のことです。差が大きいほど、文字は読みやすくなります。白い背景に薄い黄色の文字、濃い青の背景に紺色の文字といった組み合わせは、画面では読めても、スクリーンに映すと見えなくなることがあります。
会議室のプロジェクターは、パソコンの画面より色が薄く映ることが多くあります。本番の部屋で一度映して、後ろの席から読めるかを確かめておくと安心です。
色だけで区別しない
色の見え方は人によって違います。赤と緑の区別がつきにくい人もいます。グラフの線を色だけで区別すると、そうした人には読み分けられません。線の種類を変える、グラフの線のそばに直接名前を書く、といった工夫で、色が見分けにくくても意味が伝わるようにします。
余白と整列でスライドを整える
デザインの専門家が作ったスライドと、そうでないスライドの一番の差は、余白と整列に表れます。色やフォントを変えなくても、余白をとって端をそろえるだけで、スライドは見違えるほど整います。
デザインの4つの基本
デザインの入門書などでよく紹介される、4つの基本があります。
- 近接:関係のあるものは近づけ、関係のないものは離す
- 整列:文字や図の端を、見えない線にそろえる
- 反復:同じ役割のものは、同じ見た目で繰り返す
- 対比:大事なものと、そうでないものの差をはっきりさせる
近接は、見出しとその説明を近づけ、別の話題との間を広くあける、ということです。整列は、文字の左端や図の上端をそろえることです。反復は、すべてのスライドでタイトルの位置と大きさを同じにする、といったことです。対比は、タイトルを本文より大きく太くして、見出しであることがひと目で分かるようにすることです。
余白をとる
スライドの端ぎりぎりまで文字や図を詰めると、窮屈に見えます。スライドの上下左右に余白をとり、その内側に要素を並べます。要素と要素の間にも余白をとると、それぞれのまとまりが見分けやすくなります。
余白は、何もない無駄な場所ではありません。余白があることで、大事な要素に目が向きます。「スライドに空いている場所があるから何か入れよう」と考えず、空いている場所はそのままにしておく勇気も必要です。
整列の機能を使う
PowerPointとGoogleスライドには、図形や文字のまとまりを自動でそろえる機能があります。複数の要素を選んで、左揃えや上揃え、等間隔に並べる操作を使えば、目で見て微調整するより正確にそろいます。図形を動かすときに表示されるガイドの線も、端をそろえる目安になります。
図表とグラフで数字を見せる
数字は、文字で並べるより図にしたほうが伝わります。「売上は2023年が1億円、2024年が1.2億円、2025年が1.5億円」と文字で書くより、棒グラフにしたほうが、伸びていることが一目で分かります。
グラフの種類の選び方
| 伝えたいこと | 向いているグラフ |
|---|---|
| 量の大小を比べる | 棒グラフ |
| 時間とともにどう変わったか | 折れ線グラフ |
| 全体の中の割合 | 円グラフや帯グラフ |
| 2つの量の関係 | 散布図 |
円グラフは、項目が多いと読みにくくなります。項目が5つを超えるようなら、棒グラフにしたほうが比べやすくなります。立体のグラフは、見た目は派手ですが、奥行きのせいで量が正しく読み取りにくくなるので、仕事の資料では平面のグラフを使います。
グラフを見やすくするこつ
グラフをそのまま貼るだけでは、伝えたいことが埋もれます。次の手順で整えます。
- 伝えたいことをグラフのタイトルにする。「売上の推移」ではなく「売上は3年で1.5倍」と書く
- 一番見てほしい棒や線だけに強調の色を使い、ほかは灰色にする
- 凡例を外し、線や棒のそばに直接名前を書く
- 目盛りの線を薄くするか、減らす
- 単位を書き忘れない
表は情報を絞る
表は、数字を正確に見せたいときに向いていますが、行と列が多いとスライドでは読めません。スライドに載せる表は、伝えたいことに関係する行と列だけに絞り、詳しい表は配布用の資料に回します。Microsoftは、読み上げのソフトを使う人のために、表は結合したセルを使わない単純な形にし、見出しの行を設けるよう案内しています。この形は、誰にとっても読みやすい表の形でもあります。
写真や図の使い方
写真や図は、言葉だけでは伝わりにくいことを補うのに使います。写真を使うときは、スライドの半分以上を使って大きく見せると、印象に残ります。小さな写真をいくつも並べると、どれも目に入りません。写真には、内容を説明する短い代わりの文(代替テキスト)を付けておくと、読み上げのソフトを使う人にも内容が伝わります。
スライドの縦横比と、見せ方ごとの注意
スライドの縦横比は、作り始める前に決めておきます。途中で変えると、文字や図の位置が崩れて、直す手間がかかります。
Microsoftによると、PowerPointでは、リボンの「デザイン」タブの右端付近にある「スライドのサイズ」から、標準(4:3)、ワイド画面(16:9)、ユーザー設定のサイズを選べます。新しく作るプレゼンテーションの既定は16:9のワイド画面です。ユーザー設定のサイズでは、A4やA3、B4、B5などの用紙に合わせたサイズも選べます。
見せ方ごとの選び方の目安は次のとおりです。
- スクリーンや大きなモニターに映す、オンライン会議で共有する:16:9
- 古い会議室のプロジェクターで4:3の画面しか映せない:4:3
- 紙に印刷して配る、冊子のように読んでもらう:A4
会議室のプロジェクターの縦横比が分からないときは、事前に確かめておきます。16:9で作った資料を4:3のスクリーンに映すと、上下に黒い帯が入って、スライドが小さく映ります。
Googleスライドでも、Googleのヘルプによると、「ファイル」のメニューの「ページ設定」から、標準(4:3)、ワイドスクリーン(16:9)、ワイドスクリーン(16:10)、カスタムのサイズを選べます。カスタムでは、インチ、cm、ポイント、ピクセルの単位でサイズを入力できます。
オンライン会議で見せるとき
オンライン会議で画面を共有すると、参加者の画面では、スライドが小さく表示されることがあります。参加者がスマートフォンで参加している場合はなおさらです。文字は大きめにし、1枚の情報をさらに絞ります。画面の端は、会議のアプリの表示で隠れることがあるので、大事な情報は中央寄りに置きます。
PDFにして送るとき
会議の前後に資料をPDFにして送る場合は、話し手の説明がない状態で読まれることを前提にします。投影用のスライドをそのまま送ると、言葉が足りずに意味が通じないことがあります。送る前に、各スライドのタイトルが言いたいことを文で表しているか、グラフに単位と説明が付いているかを見直します。補足が必要なスライドには、短い説明の文を足した配布用の版を作っておくと、受け取った人が迷いません。PDFにすると、相手のパソコンにないフォントでもレイアウトが崩れにくくなるのも利点です。ファイルの容量が大きすぎるとメールで送れないことがあるので、写真の多い資料は画像を圧縮してから書き出します。
PowerPointとGoogleスライドの便利な機能
デザインの専門知識がなくても、道具に入っている機能を使えば、整った資料を作れます。
テーマとスライドマスター
テーマとは、色、フォント、効果の組み合わせのことです。PowerPointでは「デザイン」タブからテーマを選べます。テーマを使うと、すべてのスライドで色とフォントがそろいます。
スライドマスターとは、すべてのスライドに共通する見た目をまとめて決める場所のことです。Microsoftによると、「表示」タブの「スライド マスター」を選ぶと開けます。会社のロゴや、すべてのスライドで同じフォントを使いたいときに、スライドマスターで1か所変えれば、すべてのスライドに反映されます。Microsoftは、スライドマスターとレイアウトの編集は、個々のスライドを作る前に行うよう勧めています。後から編集すると、すでに作ったスライドにレイアウトを当て直す手間がかかるからです。
Googleスライドでは、上部の「スライド」から「テーマの変更」でテーマを選び、「テーマを編集」から、すべてのスライドに共通する見た目を変えられます。
デザインの提案
PowerPointには、Designerという機能があります。スライドに文字や写真を入れると、それに合ったレイアウトの候補を自動で作り、画面の右側の「デザイン候補」の欄に並べてくれます。Microsoftによると、「デザイン」タブの「デザインの提案」から使え、箇条書きの文字を手順や年表のような図に変える提案もしてくれます。この機能はMicrosoft 365を契約している人向けの機能です。
提案されたデザインは、そのまま使うより、たたき台として使うのがおすすめです。提案のレイアウトを選んでから、文字の量や強調の色を自分の資料に合わせて整えると、早く仕上がります。
アクセシビリティの確認
PowerPointには、資料が読みやすいかどうかを確かめる「アクセシビリティ チェック」もあります。Microsoftによると、資料を作っている間も裏で自動で確かめていて、問題が見つかると画面の下のステータスバーに知らせが出ます。手動で起動する場合は、ヘルプでは「確認」から「アクセシビリティの確認」を選ぶと案内されています。代替テキストのない画像、コントラストの足りない文字、タイトルのないスライドなどを見つけてくれます。資料を仕上げる前に1回通しておくと、見落としが減ります。
無料のテンプレートと素材を使うときの選び方
デザインに自信がないとき、一番早いのは無料のテンプレートから始めることです。PowerPointでは「ファイル」から「新規」を選ぶと、色やレイアウトが組まれたテンプレートの一覧が表示されます。Googleスライドにもテンプレートが用意されています。ネット上にも、無料で使えるスライドのテンプレートや、アイコン、写真の素材を配っているサイトが数多くあります。
ただし、テンプレートは選び方を誤ると、かえって伝わりにくい資料になります。選ぶときは次の点を確かめます。
- 飾りが少ないこと。背景の模様や大きな飾りの図形が多いテンプレートは、文字と図を並べられる場所が狭くなる
- 文字の色と背景の色の差がはっきりしていること。おしゃれに見えても、薄い色の組み合わせはスクリーンでは読みにくい
- タイトル、本文、グラフ、写真など、使いたいレイアウトがそろっていること。表紙だけ凝っていて中身のレイアウトが少ないものは使いにくい
- 日本語のフォントで崩れないこと。海外のテンプレートは英語のフォントを前提に作られていて、日本語を入れると行がはみ出すことがある
素材を使うときは、利用の条件を必ず読みます。無料の素材でも、仕事の資料に使ってよいか、出典の表示が要るか、加工してよいかは、配っているサイトごとに決まりが違います。取引先に出す提案資料や、ネットで公開する資料に使う場合は特に注意が要ります。条件が書かれていない画像を、検索で見つけたからといって使うのは避けます。
テンプレートを使う場合でも、この記事で説明した決まりはそのまま当てはまります。テンプレートに入っている飾りや色を全部使う必要はありません。不要な飾りは消し、強調の色は1か所に絞り、文字は18pt以上にする。テンプレートは土台として借り、中身は自分の資料に合わせて整えると、早く仕上がり、ほかの人と同じ見た目になるのも避けられます。
表紙と最後のスライド、作る順番と時間のかけ方
表紙に入れるもの
表紙は、聞き手が最初に目にするスライドです。入れるのは、資料のタイトル、日付、発表する人の名前や会社名の3つが基本です。タイトルは、内容が分かる言葉にします。「ご提案資料」だけでは、何の提案なのかが分かりません。「受付業務の外部委託で残業を減らすご提案」のように、何についての資料で、聞き手にとって何がよいのかが分かるタイトルにすると、最初の1枚で話の行き先が伝わります。
最後のスライドに入れるもの
最後のスライドを「ご清聴ありがとうございました」だけにする資料はよくあります。それでも失礼にはなりませんが、質疑の間ずっと映るスライドとしてはもったいない使い方です。最後には、結論をもう一度短く書き、聞き手にお願いしたい次の行動を書きます。「来週の会議までに、試験導入の可否をご判断ください」のように具体的に書くと、話が終わったあとに何をすればよいかが伝わります。問い合わせ先を入れておくと、資料だけが回ったときにも役立ちます。
作る順番
資料は、次の順番で作ると、やり直しが減ります。
- 紙やメモに、スライド1枚ごとの言いたいことを1行ずつ書く
- 縦横比を決め、テーマとスライドマスターで色とフォントを決める
- 各スライドに、タイトルと最低限の文字を入れる
- グラフ、表、写真を入れる
- 余白と整列を整え、強調の色を決める
- 最後にチェックリストで確かめ、本番の画面で映す
時間のかけ方の目安は、構成を考える時間を全体の半分近くにすることです。見た目の調整は、構成が固まってからでないと、構成を変えるたびにやり直しになります。締め切りが近いときほど、見た目に手を付けたくなりますが、話の筋が通っていない資料は、どれだけ整えても伝わりません。
仕上げる前のチェックリストと、よくある失敗
資料を仕上げたら、次の項目を上から確かめます。
- 各スライドのタイトルを順に読むだけで、話の流れが分かるか
- 1枚のスライドで言いたいことは1つか
- フォントは2種類以内か
- 本文の文字は18pt以上か
- 強調の色は1枚に1か所か2か所か
- 文字や図の端がそろっているか
- スライドの端に余白があるか
- グラフに単位とタイトルがあるか
- 誤字や数字の誤りがないか
- 本番の部屋や画面で映して、後ろの席から読めるか
よくある失敗も挙げておきます。
- アニメーションを多用する。1枚ごとに文字が飛んでくると、聞き手は内容より動きに気を取られる。使うなら、順に見せたい箇条書きなど、意味のある場所だけにする
- スライドごとに背景やレイアウトを変える。資料全体のまとまりがなくなる
- 無料の素材の画像を、内容と関係なく飾りで入れる。画像は意味のある場所だけに使う
- 文章をそのまま貼る。読み上げるだけのプレゼンになり、聞き手はスライドを先に読み終えてしまう
これらの失敗は、どれも「見栄えをよくしよう」として起きます。見栄えより、聞き手が理解しやすいかどうかを基準にすると、自然と避けられます。
資料作りを仕事にする人が増えている背景
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、プレゼン資料の作成は、在宅で受けられる仕事として長く続いている分野の1つです。会社の中に資料を整える時間のある人がいない、営業の提案資料を見栄えのよい形に直してほしい、といった依頼は、業種を問わずあります。依頼する側が求めているのは、凝った装飾より、話の筋が通っていて、短い時間で読める資料です。この記事で説明した決まりは、そのまま仕事の品質の基準になります。
長く続けている人ほど、資料の見た目だけでなく、構成の段階から相談に乗っています。依頼者が持ってきた原稿をそのままスライドにするのではなく、「この資料で相手に何を決めてほしいのか」を最初に聞き、話の順番から提案する。こうした進め方が「この人に任せると楽だ」という評価につながり、継続の依頼になります。仲介の手数料がかからない直接取引では、同じ予算で依頼者はより多く頼め、受ける側の手取りは厚くなります。
資料のデザインにかかわる仕事は幅が広くあります。デザインの作業や、デザインのソフトの使い方を教える仕事はデザイン・動画・音楽レッスンのお仕事で、既存の資料のデータを別の形式に直したり修正したりする仕事はデザインデータ変換・修正のお仕事で整理しています。画面の見やすさを設計する仕事に関心があるならUI/UX・アプリデザインのお仕事を、デザインの仕事の報酬の目安はデザイナーの年収・単価相場を参考にしてください。
よくある質問
Q. プレゼン資料に使うフォントは何がよいですか?
画面で読みやすいゴシック体がおすすめです。Windowsなら游ゴシックやメイリオ、Macならヒラギノ角ゴシックが標準で入っています。1つの資料で使うフォントは1種類か2種類に絞り、相手のパソコンで開いてもらう場合は、標準で入っているフォントを選ぶか、PDFにして渡すとレイアウトが崩れにくくなります。
Q. スライドの文字の大きさは何ptくらいにすればよいですか?
Microsoftは、読みやすい資料のために18pt以上のフォントを使うよう案内しています。本文は18pt以上を目安にし、タイトルは本文より一回り大きくします。オンライン会議で画面を共有する場合は、参加者の画面で小さく表示されることがあるので、さらに大きめにしておくと読みやすくなります。
Q. スライドの縦横比は16:9と4:3のどちらがよいですか?
スクリーンや大きなモニターに映す場合や、オンライン会議で共有する場合は16:9が向いています。PowerPointでも新しく作るときの既定は16:9です。古い会議室のプロジェクターで4:3の画面しか映せない場合は4:3を選びます。途中で変えると崩れるので、作り始める前に映す環境を確かめて決めてください。
Q. デザインが苦手でも、きれいな資料を作る方法はありますか?
PowerPointやGoogleスライドのテーマを使うと、色とフォントが自動でそろいます。PowerPointのMicrosoft 365版なら、Designerがレイアウトの候補を提案してくれます。そのうえで、1枚に言いたいことを1つにする、余白をとって端をそろえる、強調の色を1か所に絞る、の3つを守れば、デザインに自信がなくても整った資料になります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
関連記事

Ameba OwndからLynxPressへ移行する手順|独自ドメインのまま12月24日までに引っ越す 2026

Ameba OwndのショップはBASEで続けられる|終了前に変える設定2つ 2026

Ameba Owndのサービス終了はいつ?|12月24日までにやることを順番に整理 2026

防災庁の緊急要請で何が起こる?|在宅で働く人が今週やる3つ(備蓄・171・仕事のデータ)

Ameba Owndを退会・サイト削除する前に|書き出しと保存の順番 2026

Ameba Owndの代わりになるホームページ作成サービス|独自ドメインを続けられるかで選ぶ 2026

Ameba OwndからWordPressへ移行する手順|サーバー契約から独自ドメインの切り替えまで 2026

WixとAmeba Owndの比較|Owndの移行先にWixを選ぶ前に確かめること 2026
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ
プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

AI活用
職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人
看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人
薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人
介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人
保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人
医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ
サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却
会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方