大阪市の情報漏洩の可能性|行政オンラインシステムのメール配信サービスへの不正アクセス 利用者のメールアドレスや氏名等 確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓大阪市の情報漏洩の可能性について
- ✓2026年11月3日の報道発表資料(第1報)をもとに整理
- ✓大阪市行政オンラインシステムが使うアララ株式会社のメール配信サービスへの不正アクセスで
大阪市は2026年11月3日13時、大阪市行政オンラインシステムの提供事業者である株式会社TKCが使っているアララ株式会社のメール配信サービスが第三者による不正アクセスを受け、システムの利用者のメールアドレスや氏名等の情報が漏えいした可能性があると発表しました(第1報)。対象の件数は、漏えいの有無も含めて現在確認中とされています。 システムでは2026年10月31日17時40分頃からメールが送信できず、利用者登録、メールアドレスの変更、パスワードの再設定ができない状態で、復旧の見込み日時は未定です。 利用者がまずすることは、心当たりのないメールのURLや添付ファイルを開かず、ID・パスワード、暗証番号やクレジットカード情報を入力しないこと、クレジットカード会社を装ったメールが届いたらURLにアクセスせずに削除することです。
この記事は、大阪市の報道発表資料「大阪市行政オンラインシステムにおいて利用するメール配信サービスでの情報漏えいの可能性について(第1報)」(ページ番号 690714)を2026年11月4日に開き直し、その記載をもとに書いています。2026年11月4日時点で、デジタル統括室の報道発表資料の一覧に第2報は出ていません。続報が出れば内容が変わる記事なので、日付を確かめながら読んでください。
大阪市が発表した内容の要点
大阪市の第1報に書かれていることを、初めて読む人向けに言い換えて整理すると次のとおりです。
- 大阪市行政オンラインシステム(市民や事業者が使う市のオンラインのシステム)は、株式会社TKCが提供している
- TKCが使っているアララ株式会社のメール配信サービスが、第三者による不正アクセスを受けた
- そのため、システムの利用者のメールアドレスや氏名等の情報が漏えいした可能性があると、TKCから市に報告があった
- 市はTKCと連携して、個人情報の流出の有無などを調べている
- 本システムと、TKCのデータセンターへの不正アクセスは、現時点で確認されていない
大事なのは、不正アクセスを受けたのは大阪市行政オンラインシステムそのものではなく、メールを送る部分を担っていた外部のサービスだという点です。大阪市は、本件は当該外部サービスに対する不正アクセスであり、本システムとシステム提供事業者のデータセンターへの不正アクセスは確認されていないと書いています。
もう1つ大事なのは、大阪市が「漏えいした可能性」という表現を使っていることです。漏えいしたと言い切ってはいません。対象の件数についても「漏えいの有無も含めて現在確認中」と書いています。つまり、2026年11月4日時点では、大阪市の利用者の情報が実際に外へ出たのかどうかも、確認の途中です。この記事でも、市と同じ表現で書きます。
発表までの経緯
大阪市の第1報に書かれている日時を、時間の順に並べます。
| 日時 | 第1報の記載 |
|---|---|
| 2026年10月31日(土曜日)17時40分頃 | 被害の拡大防止を目的とした緊急メンテナンスで、システムからメールが送信できない状況になる |
| 2026年11月2日(月曜日) | TKCから市に、外部サービスへの不正アクセスで、利用者のメールアドレスや氏名等の情報が漏えいした可能性があると報告 |
| 2026年11月3日 13時 | 大阪市が報道発表資料(第1報)を発表 |
この順番から分かるのは、メールが止まったのが先で、市への報告はその2日後だということです。10月31日の夕方から、システムのメールが届かなくなっていた利用者もいたはずです。そのときは理由が分からなかった人も、第1報で理由が分かったことになります。
緊急メンテナンスとは、問題が起きたときに、被害が広がらないように予定外で行う停止や作業のことです。今回は、メールを送る機能を止めることで、不正に使われるのを防いだと読めます。
第1報の「今後の対応」には、新たな事実が判明した場合は速やかに公表すると書かれています。件数や項目が分かれば、第2報以降で知らされることになります。
漏えいした可能性がある情報
第1報の「漏えいした可能性がある情報」を、表にまとめます。
| 区分 | 第1報の記載 |
|---|---|
| 項目 | 本システムの利用者のメールアドレスや氏名等 |
| 対象件数 | 漏えいの有無も含めて現在確認中 |
| 本システムへの不正アクセス | 確認されていない |
| システム提供事業者のデータセンターへの不正アクセス | 確認されていない |
項目は「メールアドレスや氏名等」と書かれています。「等」が付いているので、メールアドレスと氏名のほかにも何かが含まれる可能性はありますが、それが何かは書かれていません。住所、電話番号、生年月日、申請の内容、添付書類、クレジットカード情報などについて、第1報には記載がありません。書かれていないものは「含まれない」と明記されたわけでもないので、この記事では「含まれる」とも「含まれない」とも書きません。
対象件数は、数字そのものが出ていません。報道などで別の数字を見かけることがあるかもしれませんが、大阪市の第1報が示しているのは「確認中」という状態だけです。大阪市の件の件数として、ほかの組織やアララ株式会社全体の数字を当てはめないように気をつけてください。
「第1報」「確認中」の読み方
情報漏えいの発表は、最初の発表で全部が分かっていることはほとんどありません。大阪市の発表も、題に「(第1報)」と付いています。第1報とは、分かっている範囲で最初に出す知らせのことで、調べが進めば第2報、第3報と内容が更新されていきます。
第1報を読むときは、「分かっていること」と「確認中のこと」を分けておくと、続報で何が変わったかをつかみやすくなります。
| 分かっていること(2026年11月4日時点) | 確認中のこと |
|---|---|
| TKCが使うアララのメール配信サービスが不正アクセスを受けた | 大阪市の利用者の情報が漏えいしたかどうか |
| 漏えいした可能性がある項目はメールアドレスや氏名等 | 対象の件数 |
| 10月31日17時40分頃からメールが送信できない | 復旧の見込み日時 |
| 本システムとTKCのデータセンターへの不正アクセスは確認されていない | 市民・事業者に特定の対応を求める必要があるかどうか |
続報が出たら、この右の列のどれが埋まったかを見ると、自分に関係する変化かどうかを判断しやすくなります。とくに、漏えいが確認された場合に、対象者へどう知らせるのかは、2026年11月4日時点の第1報には書かれていません。
システムへの影響と、困る場面
第1報の「本システムへの影響」には、次のことが書かれています。
- 2026年10月31日(土曜日)17時40分頃からメールが送信できない
- 利用者登録、メールアドレスの変更、パスワードの再設定が行えない
- メール送信機能以外のシステムは利用できる
- 復旧見込み日時は未定
実際に困るのは、次のような場面です。
1つめは、これから新しく利用者登録をして手続をしようとしている人です。利用者登録ができないので、オンラインで手続を始められません。期限のある手続なら、その手続の担当部署に、窓口や郵送などほかの方法がないかを問い合わせるのが確実です。
2つめは、パスワードを忘れた人です。パスワードの再設定ができない状態なので、パスワードが分からないとログインできません。メールの送信が戻るまで待つか、急ぐ手続であれば担当部署に相談します。
3つめは、手続の受付や結果のお知らせをメールで待っている人です。メールが送れない状態なので、知らせのメールは届きません。メールが来ないことを、不正アクセスの被害や手続の失敗と勘違いしないようにしてください。
一方で、メール送信機能以外のシステムは使えると市は書いています。すでに登録が済んでいて、パスワードが分かっている人は、ログインして手続の状況を確かめられます。
クレジットカード会社を装ったメールに注意
大阪市の第1報には、もう1つ大事な記載があります。
また、当該外部サービスが不正利用され、クレジットカード会社を装ったメールが送信されています。受信された場合は、URLにアクセスせず削除してください。 出典: 大阪市 報道発表資料(第1報)
これは、メール配信サービスそのものが悪用され、クレジットカード会社を名乗る偽のメールが送られたという意味です。正規のメール配信サービスから送られているので、受け取った側から見ると、いつもの迷惑メールより本物らしく見えることがあります。
この不審メールについて、アララ株式会社は2026年11月2日の第2報で、2026年10月28日から30日にかけて、送信元「[email protected]」から、件名「利用内容確認のご依頼」「ご利用明細確認のご依頼」等のメールが送信されたと書いています。この期間にこうした件名のメールを受け取っていたら、本文のURLにはアクセスせず、削除してください。アララは、万一リンク先でクレジットカード情報等を入力した場合は、速やかにカード発行会社に連絡するよう呼びかけています。
カード会社からの「利用内容の確認」は、本物のカード会社も送ることがある件名なので、見分けにくい種類の偽メールです。見分けようとするより、メールのリンクからは確かめない、と決めておくのが確実です。カードの利用明細は、カード会社の公式アプリか、自分でブックマークした公式サイトから確かめます。偽のメールの見分け方をもっと詳しく知りたい人は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処で、差出人と本文のURLの確かめ方を順番に説明しています。
アララメッセージの件の全体像(アララ株式会社の第2報から)
大阪市の件の元になっているアララのメール配信サービス「アララメッセージ」への不正アクセスについて、アララ株式会社は2026年11月2日に「当社が提供する「アララメッセ-ジ」への不正アクセスによる情報流出およびサービス停止について(第2報)」を出しています。大阪市の件を理解するための背景として、第2報で確かめられる範囲だけを紹介します。
- 本サービスを経由した不正アクセス(2026年10月28日から31日)で、契約企業の環境のサーバー97台(最大約380社、精査中)から、メールアドレスと会員情報が外部に持ち出された(持ち出された恐れのあるものを含む)
- 持ち出されたメールアドレスは、現時点の調査で約77百万件(精査中)。個人が複数のアドレスを持つ可能性があり、最終ユーザーの数を示すものではない
- 2026年10月28日から30日にかけて、送信元「[email protected]」の不審メールが最大約713万通送信された
- 2026年10月31日に本サービスの提供をすべて停止し、再開の時期は未定。件数は精査中で、第3報で知らせる
この数字はアララメッセージ全体のもので、大阪市の件数ではありません。大阪市の件数は、第1報のとおり「漏えいの有無も含めて現在確認中」です。
アララの第2報の問い合わせ先は「ご契約企業の皆様」向けのサポート窓口です。大阪市行政オンラインシステムの利用者が、自分の情報について尋ねる窓口ではありません。利用者が問い合わせるのは、後で紹介する大阪市の問合せ先です。
同じアララメッセージの件では、企業や自治体がそれぞれ公表しています。公表の例として、スズキの情報漏洩の可能性|スズキメディアサイトのメールアドレス最大2,575件 アララ経由 対象と確かめること 2026では、企業のメディアサイトの件を整理しています。組織ごとに件数も項目も違うので、自分が使っていた組織の発表で確かめてください。
自分が対象かを確かめる方法
大阪市の件で、自分が関係しうるかの目安は、大阪市行政オンラインシステムに利用者登録をしているかどうかです。
- 市民として利用者登録をして、オンラインで手続をしたことがある
- 事業者として利用者登録をして、手続をしたことがある
- システムから、受付や結果を知らせるメールを受け取ったことがある
このどれかに当てはまる人は、漏えいの可能性がある「本システムの利用者」に入ります。ただし、実際に情報が漏えいしたかどうかは、市が確認している途中です。
2026年11月4日時点で、第1報には、対象者に個別に連絡するといった記載はありません。市は、市民・事業者に特定の対応をお願いする必要が生じた場合は、本システムの「お知らせ」や大阪市ホームページ等で知らせると書いています。自分の情報が含まれているかを知るには、まずこの2か所を確かめるのが確実です。
逆に、市やシステムを名乗って「あなたの情報が漏えいしたので、こちらで本人確認をしてください」とURLや電話番号を案内してくる連絡には注意してください。市が対応を求めるときの知らせ方は、システムの「お知らせ」と大阪市ホームページ等だと書かれています。
利用者がすること
第1報の「本システムを利用されている市民・事業者の皆様へのお願い」には、次のように書かれています。
不審なメールにご注意ください。心当たりのないメールに記載されたURLや添付ファイルを開かず、ID・パスワード、暗証番号やクレジットカード情報等を入力しないでください。本件に関して市民・事業者の皆様に特定の対応をお願いする必要が生じた場合は、本システムの「お知らせ」や大阪市ホームページ等でお知らせします。 出典: 大阪市 報道発表資料(第1報)
これを具体的な行動に直すと、次のようになります。
- 大阪市や行政オンラインシステムを名乗るメールのリンクから手続をしない。状況を確かめたいときは、自分でシステムにログインする
- 心当たりのない添付ファイルは開かずに削除する
- ID・パスワード、暗証番号、クレジットカード情報は、メールで案内されたページに入力しない
- クレジットカード会社を装ったメールが届いたら、URLにアクセスせずに削除する
- 市からのお願いは、システムの「お知らせ」と大阪市ホームページで確かめる
もし、すでに偽のページでIDやパスワード、カード番号を入力してしまった場合は、入力した情報ごとに対処が違います。カード番号ならカード会社に連絡して止める、パスワードなら同じパスワードを使っているほかのサービスも含めて変える、という順番です。具体的には、フィッシング詐欺で入力してしまったら|カード番号・パスワード・住所ごとにすぐすること 2026に整理されています。
メールアドレスと氏名が知られると何が起きうるか
漏えいした可能性がある項目は「メールアドレスや氏名等」です。メールアドレスと氏名は、それだけでお金を引き出されたり、ログインされたりする情報ではありません。それでも、悪用のされ方を知っておくと、届いた連絡に落ち着いて対応できます。ここで書くのは一般的に考えられることで、大阪市がこうした被害を確認したと発表しているわけではありません。
1つめは、宛名入りの偽メールです。氏名とアドレスがそろうと、「○○様」と本人の名前で始まるメールを送れるようになります。宛名が正しいと、受け取った側は「自分のことを知っている相手だ」と思い込みやすくなります。
2つめは、大阪市のシステムを使っていることを知った上での連絡です。今回の件で外に出た可能性がある情報が、大阪市のオンラインのシステムの利用者のものだと分かっていれば、「大阪市からのお知らせ」「手続の確認」を装った文面を作りやすくなります。
3つめは、ほかのサービスへのログインの試みです。メールアドレスは、多くのサービスでログインIDとして使われています。アドレスが知られると、使い回されたパスワードを当てはめてログインを試される入口になります。パスワードの使い回しをやめておくと、この入口をふさげます。
4つめは、迷惑メールが増えることです。アドレスが出回ると、今回の件と関係のない広告や詐欺のメールも届くようになることがあります。これは迷惑メールの振り分けの設定で減らせます。
どの場合も、守り方は同じです。メールのリンクから手続をしない、パスワードを使い回さない、パスワードや暗証番号やカード番号を人に伝えない。この3つを守っていれば、メールアドレスと氏名を知られただけで被害に直結することは防げます。
手続の期限が近いときの動き方
メールの送信が止まり、利用者登録やパスワードの再設定ができない状態は、復旧の見込み日時が未定です。期限のある手続をオンラインで済ませるつもりだった人は、待っている間に期限を過ぎてしまわないように、早めに動いておくのが確実です。
- その手続の期限を確かめる。期限は、手続の案内のページや、手元に届いた書類に書かれている
- すでに利用者登録が済んでいて、パスワードが分かっているなら、ログインしてそのまま手続を進められるかを試す。メール送信機能以外は使えると市は書いている
- 登録ができない、パスワードが分からないなどでオンラインの手続が進められないなら、その手続を担当する部署に、窓口や郵送などほかの方法があるかを問い合わせる
- 問い合わせた日付と、案内された内容を記録しておく
担当する部署がどこか分からないときは、手続の案内のページの問い合わせ先を見ます。今回の件そのものについて聞きたいことがあれば、第1報の問合せ先に連絡します。
オンラインの手続ができないことを理由に期限が延びるかどうかは、手続によって変わり、第1報には書かれていません。「待っていれば何とかなる」と考えずに、担当する部署に確かめてください。
不審な連絡が来たときの見分け方
メールアドレスと氏名が組み合わさると、宛名入りの偽メールが作れるようになります。「○○様」と自分の名前で始まるメールは、つい本物だと思ってしまいがちです。宛名が正しいことは、本物である証拠にはなりません。
届き方ごとの確かめ方を、表にまとめます。
| 届き方 | 見るところ | すること |
|---|---|---|
| メール | 本文のリンク先、添付ファイル、急がせる言葉 | リンクを押さず、自分でシステムやカード会社の公式サイトを開いて確かめる |
| SMS | 短い文面とURL | URLを開かずに削除する |
| 電話 | パスワード、暗証番号、カード番号を尋ねてくるか | 答えずに切り、自分で調べた番号にかけ直す |
SMSで届く偽の通知は、メールよりも本文が短く、URLだけが目立つ形が多くあります。見分け方は、スミッシング詐欺の見分け方|SMSの本文とURLで判定する手順で説明しています。
電話で相手が市の職員を名乗った場合でも、その場で答える必要はありません。第1報の問合せ先の番号や、大阪市ホームページで自分で調べた番号にかけ直して確かめれば、だまされることはありません。
パスワードの見直し
大阪市が漏えいの可能性がある項目として挙げているのは、メールアドレスや氏名等で、パスワードという記載はありません。それでも、この機会に見直しておくとよいことがあります。
いちばん大事なのは、大阪市行政オンラインシステムのパスワードを、ほかのサービスと同じにしていないかです。メールアドレスが知られると、同じアドレスでほかのサービスへのログインを試される入口になることがあります。複数のサービスで同じパスワードを使い回していると、どこか1か所で漏れたときに被害が広がります。
ただし、2026年11月4日時点で、システムの側ではパスワードの再設定ができない状態です。システムのパスワードを変えるのは、メールの送信が戻ってからになります。今のうちにできるのは、同じパスワードを使っているほかのサービスの方を変えておくことです。どのサービスから先に変えるかの考え方は、パスワードが漏洩したらどうなる|変更の順番と使い回しの見直し方 2026で説明しています。
あわせて、ほかのサービスで二段階認証を使えるなら、設定しておくと安心です。二段階認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンに届く確認のコードなどを入力してログインする仕組みのことです。どんな方式があるかは、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版で整理されています。
事業者として登録している人が確かめること
第1報のお願いは「市民・事業者の皆様」に向けたものです。事業者として大阪市行政オンラインシステムを使っている会社や団体、個人事業主は、個人とは別に確かめておくことがあります。
まず、登録に使ったメールアドレスがだれのものかです。会社の代表アドレスで登録している場合と、担当者の業務用アドレスで登録している場合があります。担当者が異動や退職をしていると、そのアドレスに届く不審なメールに、だれも気づかないことがあります。登録アドレスの持ち主と、そのアドレスに届くメールを見ている人を社内で確かめておきます。
次に、どの手続をオンラインで出したかの記録です。何の手続をいつ出したかを把握していれば、手続に合わせた偽の連絡が来たときに、照らし合わせて判断できます。申請した覚えのない手続について連絡が来たら、それだけで疑う理由になります。
社内に共有するときは、次の3点を短く伝えるのが確実です。
- 大阪市のオンラインのシステムが使っていたメール配信サービスが不正アクセスを受け、利用者のメールアドレスや氏名等が漏えいした可能性があり、市が確認中である
- 市やシステム、クレジットカード会社を名乗るメールのリンクを押さず、添付ファイルを開かない
- 市からのお願いは、システムの「お知らせ」と大阪市ホームページで確かめる
経理や総務など、ふだん役所やカード会社とのやりとりを担う人には、特に伝えておきます。
家族が登録している場合の声かけ
離れて暮らす親や家族が、大阪市行政オンラインシステムで手続をしていることもあります。今回の件を知らないまま、市を名乗る連絡や、カード会社を装ったメールに応じてしまうことも考えられます。
家族に伝えるときは、仕組みの説明よりも、次の3つを短く伝えるのが効果的です。
- 市やカード会社を名乗るメールやSMSのリンクは押さない
- パスワード、暗証番号、カード番号は、電話やメールで聞かれても教えない
- 迷ったら家族に相談するか、自分で調べた番号に電話して確かめる
あわせて、システムのメールが今は届かないことも伝えておきます。「市からのメールが来ないのは、送信を止めているから」と分かっていれば、メールが来ないことで不安になり、偽の案内に頼ってしまうことも避けられます。
問合せ先と、続報の確かめ方
大阪市の第1報に載っている問合せ先は次のとおりです。
| 区分 | 第1報の記載 |
|---|---|
| 問合せ先 | デジタル統括室 DX推進担当 デジタルサービスグループ |
| 電話番号 | 06-6208-7665 |
第1報には、この件の専用の受付時間は書かれていません。電話をかける前に、手元に「どの手続で、いつごろシステムを使ったか」を書き出しておくと、話が早く進みます。
電話がつながったら、まず自分が大阪市行政オンラインシステムに登録しているかどうかと、困っていること(ログインできない、パスワードを忘れた、不審なメールが届いた、など)を伝えます。不審なメールが届いた場合は、メールを削除する前に、届いた日時と差出人、件名を書き留めておくと説明しやすくなります。ただし、本文のURLは開かないでください。
続報の確かめ方は、次の順番が確実です。
- 大阪市ホームページの報道発表資料で、デジタル統括室の新しい発表(第2報など)が出ていないかを見る
- 大阪市行政オンラインシステムの「お知らせ」を確かめる
- 新しい発表が出ていたら、漏えいした可能性がある情報、対象件数、利用者へのお願いの欄を読み直す
検索結果やSNSに出てくる「大阪市 情報漏洩」の記事は、ほかの件の話が混ざっていたり、第1報の時点の内容のままだったりすることがあります。最後は大阪市の発表で確かめてください。
自治体のオンライン手続で受け取るメールとの付き合い方
今回の件は、市のシステムそのものではなく、メールを送る部分を担う外部のサービスが入口になりました。自治体のオンラインの手続は、市、システムを提供する会社、メールを送る会社と、いくつもの組織が重なって動いています。利用者から見ると「市のサイトで手続をしただけ」でも、届いたメールの裏には、別の会社のサービスがあることがあります。
利用者の側では、仕組みの重なりは変えられませんが、受け取り方は変えられます。
- 手続の状況は、メールのリンクからではなく、自分でブックマークしたシステムのページからログインして見る
- 自治体の手続で使うメールアドレスとパスワードを、ほかのサービスと同じにしない
- 何の手続をいつ出したかを、自分でも簡単に記録しておく。偽の連絡が来たときに照らし合わせられる
- 市の大事な知らせは、メールだけに頼らず、システムの「お知らせ」と市のホームページで確かめる
こうした習慣は、今回のような件が起きたときだけでなく、自治体や企業を名乗る偽のメールが届いたとき全般に役立ちます。メールが届かなくなっても慌てずに済むので、今回のようにメールの送信が止まっているときにも困りにくくなります。
もう1つ覚えておきたいのは、メールが届かないことそのものは、危険の合図ではないという点です。今回、システムのメールが届かないのは、被害の拡大を防ぐために送信を止めているからです。メールが来ないことに不安を感じて、検索で見つけた別のサイトや、届いた別のメールのリンクから手続をしようとすると、かえって偽のページにたどり着くおそれがあります。
在宅で仕事をする人が気をつけたいこと
在宅で仕事をする人の中には、取引先の事務を代わりに担い、役所への手続の準備を手伝っている人がいます。また、個人事業主として自分で事業者の登録をして、オンラインで手続をしている人もいます。こうした人は、自分の情報だけでなく、取引先の情報を預かる立場にあります。
個人情報保護委員会の漏えい等の対応とお役立ち資料のページでは、漏えい等報告が義務付けられている場合として、不正の目的をもって行われたおそれがある行為による漏えい等(又はそのおそれ)を挙げています。その主体には、従業者だけでなく第三者も含まれるとされています。報告の対象になる本人の数の目安は、民間事業者等では1,000人を超える場合、地方公共団体の機関を含む行政機関等では100人を超える場合です。こうした報告は情報を扱う組織が行うものですが、預かった側が気づいたことを早く伝えることで、組織が必要な手続きを進めやすくなります。
取引先の手続を手伝っている人が、今回の件で気をつけたいのは次の点です。
- 取引先の事業者の登録でオンラインの手続を手伝ったことがあるなら、そのことを取引先に伝え、取引先あてに不審な連絡が来ていないかを一緒に確かめる
- システムからのメールを自分のアドレスで受け取っていたなら、その転送や保存の状態を見直し、取引先の決まりに従って扱う
- 取引先のIDやパスワードを預かっている場合は、自分のパソコンやメモに残したままにせず、取引先と相談して管理の方法を決める
どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情によって変わるので、ここでは断定できません。迷ったときは取引先と相談してください。
フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く取引が続く人ほど、仕事の出来だけでなく、預かった情報の扱い方で信頼を得ています。こうした発表があったときに「御社の手続にも関係しますか」と先に一言かけられる人は、取引先から頼られる存在になりやすいものです。
セキュリティの知識を仕事に生かす
今回の件のように、1つのメール配信サービスへの不正アクセスが、自治体や企業のたくさんのサービスに影響することがあります。自分の組織がどんな外部サービスを使い、そこにどんな情報を預けているかを整理する作業は、多くの組織で人手が足りていない分野です。
在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方は、@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。まずは自分が使っているアカウントの管理を整え、発表文の「可能性」「確認中」を正確に読み分ける習慣をつけるところから始められます。
大阪市の件は、2026年11月4日時点で第1報の段階にあり、漏えいの有無も含めて確認が続いています。大阪市行政オンラインシステムを使っている人は、心当たりのないメールのURLや添付ファイルを開かず、クレジットカード会社を装ったメールは削除し、続報は大阪市の報道発表資料とシステムの「お知らせ」で確かめてください。
よくある質問
Q. 大阪市の情報漏洩では、何件の情報が漏れたのですか?
大阪市の2026年11月3日の第1報では、対象件数は「漏えいの有無も含めて現在確認中」とされています。2026年11月4日時点で、件数は発表されていません。漏えいした可能性がある項目は、大阪市行政オンラインシステムの利用者のメールアドレスや氏名等です。アララ株式会社全体の件数は、大阪市の件数ではありません。
Q. 大阪市行政オンラインシステムそのものが不正アクセスを受けたのですか?
大阪市によると、不正アクセスを受けたのは、システムを提供する株式会社TKCが使っていたアララ株式会社のメール配信サービスです。本システムと、TKCのデータセンターへの不正アクセスは、現時点で確認されていないとされています。メール送信機能以外のシステムは利用できます。
Q. パスワードを忘れてログインできないときはどうすればよいですか?
2026年10月31日17時40分頃からメールが送信できない状態で、利用者登録、メールアドレスの変更、パスワードの再設定ができません。復旧の見込み日時は未定です。期限のある手続がある場合は、その手続の担当部署に、ほかの方法がないかを問い合わせてください。この件の問合せ先は、デジタル統括室DX推進担当デジタルサービスグループ(06-6208-7665)です。
Q. クレジットカード会社からのメールが届きました。どうすればよいですか?
大阪市は、メール配信サービスが不正利用され、クレジットカード会社を装ったメールが送信されていると書き、受信した場合はURLにアクセスせず削除するよう呼びかけています。カードの利用明細は、カード会社の公式アプリや自分でブックマークした公式サイトから確かめてください。リンク先でカード情報を入力してしまった場合は、すぐにカード発行会社に連絡してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
関連記事

良品計画の情報流出の可能性|無印良品のオーダーカーテン 19,933件 氏名・住所・電話番号 委託先サーバーへの不正アクセス 2026

任天堂からのメールは本物か|公式の送信元アドレスと偽メールの見分け方 2026

丸井グループの情報漏洩|デジタル社債の委託先 Securitize Japan 最大9086名 氏名・住所・銀行口座番号 対象と確かめること 2026

ノジマの情報漏洩|ノジマオンライン 会員 約700万件 氏名・住所・暗号化されたパスワード 対象と確かめること 2026

Adobeからのメールは本物か|公式の送信元アドレスと請求を装う偽メールの見分け方 2026

ソニー銀行の情報漏洩|デジタル証券の委託先への不正アクセス 氏名617名・口座番号など4名 対象と確かめること 2026

スマートEXからのメールは本物か|公式の送信元アドレスと偽メールの見分け方 2026

U-NEXTからのメールは本物か|公式の送信元ドメインと支払いを装う偽メールの見分け方 2026
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ
プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

AI活用
職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人
看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人
薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人
介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人
保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人
医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス
経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却
会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方