オンライン秘書として受けるときの料金の決め方|時間制と月額制の違い

@SOHO編集部
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オンライン秘書として受けるときの料金の決め方|時間制と月額制の違い

この記事のポイント

  • ✓オンライン秘書として仕事を受ける人に向けて
  • ✓依頼する側の費用の相場
  • ✓時間制・月額制・作業単位の料金の違い

オンライン秘書の費用について調べると、依頼する会社向けに「いくらで頼めるか」を比べた記事が多く見つかります。ところが、オンライン秘書として仕事を受ける側が「自分はいくらで受ければよいのか」を考えるための情報は、意外と少ないものです。

この記事は、オンライン秘書として在宅で仕事を受ける人に向けて書いています。依頼する側がどのくらいの費用を想定しているのかを押さえたうえで、時間制と月額制の違い、手取りの目標から料金を逆算する手順、料金表の作り方、契約で決めておくことまでを順番に説明します。料金の決め方に正解は1つではありませんが、根拠を持って決めた料金は、依頼主との話し合いでも揺らぎにくくなります。

依頼する側が想定している費用

まず、依頼する側がどのくらいの費用を見込んでいるのかを知っておきましょう。オンライン秘書のサービスを提供する会社のコラムでは、導入の始め方について次のように書かれています。

では、オンライン秘書の費用は、実際いくらから始めるのが現実的なのでしょうか。 多くの企業では、月10〜20時間、3万円〜10万円前後から試験的に導入し、業務の切り出しや相性を確認するケースが一般的です。 出典: persol-bd.co.jp

ここからわかるのは、依頼する側の多くが、1か月あたり10時間から20時間ほどの少ない時間から試し、相性を見て広げていく、という進め方を考えていることです。個人で受ける場合も、最初の契約は小さな時間から始まることが多いと考えておくと、料金の組み立て方が見えてきます。

サービス会社の料金と個人の料金は比べ方が違う

サービス会社の料金には、営業、依頼主との契約、担当者の教育、品質の管理、担当が休んだときの代わりの手配などの費用が含まれています。依頼する側は、その安心も含めて料金を払っています。

個人で受ける場合は、こうした仕組みを持たない代わりに、間に入る費用がかかりません。サービス会社の料金をそのまま自分の料金の上限と考える必要はありませんが、同じ水準の安心を出せない部分があることも理解しておきましょう。たとえば、自分が体調を崩したときに仕事が止まるのは、個人で受けるときの弱みです。その分、依頼主と直接話せる、仕事の進め方を柔軟に合わせられる、といった強みをはっきり伝えることが大切です。

依頼する側が費用と比べているもの

依頼する側は、オンライン秘書の費用を、人を雇った場合や派遣を頼んだ場合の費用と比べて考えています。正社員を雇えば、給与のほかに社会保険料や採用の費用、パソコンや席の用意などがかかります。派遣を頼めば、派遣会社への支払いが発生します。必要な時間だけ頼めるオンライン秘書は、仕事の量が1人分に満たない会社にとって、こうした費用を抑えられる選択肢です。

受ける側としては、「依頼主は人を雇う代わりに自分に頼んでいる」という視点を持っておくと、料金の説明がしやすくなります。安さだけで選ばれる関係は、もっと安い人が現れたときに終わります。雇うより手間がかからない、任せたことが確実に進む、という価値で選ばれる関係を目指しましょう。

料金の3つの形

オンライン秘書の料金は、大きく3つの形に分けられます。

料金の形 決め方 向いている仕事
時間制 作業した時間に、時間あたりの単価をかける 仕事の量が月によって変わる、内容が決まっていない
月額制 1か月に使える時間や作業の範囲を決めて、毎月決まった額 毎月同じような仕事が続く
作業単位 請求書の発行1件、資料の作成1本などの単位で決める 中身と量がはっきりした仕事

どれか1つに決める必要はありません。継続の仕事は月額制、単発の相談は時間制、決まった作業は作業単位、というように組み合わせている人も多くいます。それぞれの特徴を見ていきます。

時間制の特徴と決めておくこと

時間制は、作業した時間に単価をかけて請求する形です。仕事の量に合わせて請求額が増えたり減ったりするので、受ける側にとっては「やった分だけ請求できる」安心感があります。

時間制の良いところ

  • 仕事が増えても、その分を請求できる
  • 内容が決まっていない仕事でも始めやすい
  • 依頼主にとっても、頼んだ分だけ払えばよいのでわかりやすい

時間制で気をつけたいところ

  • 収入が月によって大きく変わる
  • 依頼主が「時間をかけさせると高くなる」と考え、細かな頼みごとを控えるようになることがある
  • 時間の数え方で依頼主とのすれ違いが起きやすい

時間の数え方を決める

時間制でいちばんもめやすいのが、どの時間を作業時間に数えるかです。契約の前に、次の点を決めておきましょう。

決めること 決め方の例
数える単位 15分単位、30分単位など
連絡のやり取りの時間 チャットやメールの返信も作業時間に含めるか
打ち合わせの時間 オンライン会議の時間を含めるか
調べものの時間 作業に必要な調べものを含めるか
記録の方法 作業の記録の表を共有するか、月末にまとめて報告するか

記録は、日付、作業の中身、かかった時間を1行ずつ書いた表を、月末に依頼主に共有するのが一般的です。時間を測る専用のアプリを使う人もいますが、表計算ソフトに始めた時刻と終えた時刻を書くだけでも十分に役立ちます。大事なのは、作業を終えたその場で書くことです。あとでまとめて思い出して書くと、短い作業や連絡の時間が抜け落ちます。依頼主から作業の中身が見えると、請求額にも納得してもらいやすくなります。

月額制の特徴と決めておくこと

月額制は、1か月に使える時間や作業の範囲を決め、毎月決まった額を受け取る形です。継続の仕事が中心になってきたら、月額制のほうが収入の見通しが立ちやすくなります。

月額制の良いところ

  • 毎月の収入が安定する
  • 依頼主にとっても予算が立てやすく、続けて頼みやすい
  • 細かな頼みごとも気軽に受けてもらえる関係になりやすい

月額制で気をつけたいところ

  • 決めた範囲より仕事が増えても、そのままの額で受け続けてしまいがち
  • 仕事が少ない月は、依頼主が「払いすぎ」と感じることがある

月額制で決めておくこと

月額制では、次の5つを契約の時点ではっきりさせておきます。

  1. 含まれる時間や作業の範囲:1か月あたり何時間まで、またはどの作業までを含むか
  2. 超えたときの扱い:超えた時間の単価、または追加の作業の料金
  3. 使わなかった時間の扱い:翌月に繰り越すか、繰り越さないか
  4. 契約の期間と更新:何か月ごとの契約か、自動で更新されるか
  5. 解約の申し出の時期:何日前までに伝えるか

特に2つ目と3つ目は、あとで必ず話題になります。「今月は時間が余ったから来月に回してほしい」「今月は忙しかったから追加で払う」という話を、その場で決めると、どちらかが不満を持ちます。最初に決めておけば、毎月の請求は淡々と進みます。

作業単位の料金の特徴と決めておくこと

作業単位の料金は、請求書の発行1件、議事録の作成1本、出張の手配1回のように、作業ごとに料金を決める形です。時間ではなく成果で料金が決まるので、作業に慣れて早くなるほど、受ける側の時間あたりの収入は上がります。

作業単位の良いところ

  • 依頼主にとって、何にいくら払うのかがわかりやすい
  • 作業が早くなっても請求額が減らない
  • 時間の記録を細かく共有しなくてよい

作業単位で気をつけたいところ

作業単位の料金は、作業の中身がそろっていることが前提です。同じ「議事録の作成」でも、30分の会議と2時間の会議では手間がまったく違います。料金を決めるときは、「会議の長さ1時間まで」「請求書は品目10行まで」のように、1件の条件を決めておきます。条件を超えるものは、別の料金にするか、時間制で受けます。

作業単位の料金の決め方

作業単位の料金は、その作業に平均でかかる時間に、手順4で計算する時間単価をかけて決めるのが基本です。最初の数件は時間を測りながら作業し、平均の時間がわかってから料金を確定させると、損をしにくくなります。

仕事の種類ごとの料金の考え方

オンライン秘書が受ける仕事は幅が広く、すべてを同じ単価で受ける必要はありません。仕事の種類ごとに、向いている料金の形と、単価を決めるときの考え方を整理します。

仕事の種類 向いている料金の形 単価の考え方
メールの一次対応 月額制 毎日の確認の回数と、1日あたりの件数で範囲を決める
日程の調整 月額制、作業単位 関係者の数と、やり取りの回数で手間が変わる
請求書の発行、経費の入力 作業単位 件数で決めやすい。会計の知識が要る作業は単価を高めにする
資料の作成、清書 作業単位、時間制 ページ数や元の資料の状態で手間が大きく変わる
調べもの 時間制 どこまで調べるかが決まりにくいので、時間の上限を決める
英語でのやり取り 時間制、作業単位 語学の力が要るため、日本語の作業とは単価を分ける

専門の知識が要る作業や、ミスが依頼主の損失につながりやすい作業は、単価を高めにするのが自然です。依頼主にとっても、その作業を任せられる人が限られていることは理解しやすいはずです。

料金の決め方の手順

ここからは、自分の料金を決める手順を説明します。依頼主の予算や相場を見る前に、まず自分の側の数字を整理するのがポイントです。相場だけを見て決めると、気づいたときには続けられない料金で受けていることがあるからです。

手順1:1年間に必要な額を決める

まず、オンライン秘書の仕事で1年間にいくら手元に残したいかを決めます。副業なら生活費の足しにしたい額、独立するなら生活と事業に必要な額です。

独立する場合は、会社員のときに会社が払ってくれていた費用も自分で用意する必要があります。国民健康保険や国民年金の保険料、仕事が途切れたときの備えなどです。会社員のときの給与と同じ額を目標にすると、実際には手元に残る額が少なくなる点に注意しましょう。

手順2:かかる経費を書き出す

次に、仕事に必要な経費を書き出します。

  • パソコンや周辺機器の購入や買い替え
  • インターネット回線と電話
  • 仕事で使うソフトやサービスの利用料
  • 勉強のための本や講座
  • 仲介サイトを使うならその手数料
  • 税理士に頼むならその費用

1年間の合計を出し、手順1の額に加えます。

手順3:請求できる時間を見積もる

1年間に仕事にあてられる時間のうち、依頼主に請求できる時間がどれだけあるかを見積もります。ここで大事なのは、仕事の時間のすべてが請求できるわけではない、という点です。新しい依頼主を探す時間、見積もりを作る時間、請求書を作る時間、勉強の時間は、どの依頼主にも請求できません。

手順4:時間単価を計算する

手順1と手順2の合計を、手順3の請求できる時間で割ると、最低限必要な時間単価が出ます。

計算の例を挙げます。数字は考え方を示すための仮のものです。

項目 例の数字
1年間に手元に残したい額 240万円
1年間の経費 24万円
合計 264万円
1年間に仕事にあてる時間 1,000時間
そのうち請求できる割合 7割
請求できる時間 700時間
最低限必要な時間単価 264万円 ÷ 700時間 = 約3,771円

この例では、時間単価が約3,771円を下回ると、目標の額に届かないことになります。請求できる割合をもっと低く見込むと、必要な単価はさらに上がります。始めたばかりで依頼主が少ない時期は、請求できる割合が低くなりがちなので、余裕を持って見積もりましょう。

手順5:相場と照らし合わせる

計算した単価を、同じような仕事の募集やサービスの料金と照らし合わせます。計算した単価が相場より大きく高い場合は、受ける仕事の種類を専門性の高いものに寄せるか、請求できる時間を増やす工夫が必要です。相場より低い場合は、無理に安くする必要はありません。安すぎる料金は、依頼主に「この人は経験が少ないのでは」と思わせることもあります。

手順6:自分の強みを料金に反映する

経理や人事など専門の経験がある、英語のメールに対応できる、特定の業界の慣習に詳しい、といった強みがあるなら、その分を料金に反映します。同じ1時間でも、専門の知識がある人がやれば、依頼主の手間はずっと少なくなります。料金を上げることに気が引けるなら、「この作業は専門の知識が要るので、単価を分けています」と、作業ごとに単価を分ける方法もあります。

料金表の作り方の例

料金の考え方が決まったら、依頼主に見せる料金表を作ります。料金表があると、依頼主は自分に合うプランを選びやすく、受ける側も毎回一から見積もる手間が減ります。

プラン 1か月あたりの時間 月額 超えた時間の単価
お試し 5時間 例の額 例の額
ライト 10時間 例の額 例の額
スタンダード 20時間 例の額 例の額

金額は、手順4で計算した単価をもとに決めます。時間が多いプランほど1時間あたりを少し下げると、依頼主が長い時間を選びやすくなります。ただし、手順4の最低限の単価を下回らないように注意します。

お試しのプランを用意する

前の節で見たとおり、依頼する側の多くは、少ない時間から試して相性を確かめたいと考えています。最初の1か月だけのお試しのプランを用意しておくと、依頼主は頼みやすくなります。お試しの期間が終わる前に、続けるかどうか、どのプランにするかを話し合う日を決めておきましょう。

お試しの期間は、受ける側にとっても依頼主を見極める期間です。連絡の返事が極端に遅い、頼まれる内容が毎回大きく変わる、支払いの手続きがあいまい、といった依頼主とは、無理に継続の契約を結ばないほうがよい場合もあります。お試しの期間中の作業時間を記録しておけば、継続のときにどのプランが合うかを、数字をもとに提案できます。

料金表に書いておくこと

料金表には、金額のほかに次の点も書いておくと、あとのすれ違いを防げます。

  • 料金が税込か税抜か
  • 時間の数え方の単位
  • 対応する曜日と時間帯
  • 返信の目安の時間
  • 支払いの時期と方法
  • 解約の申し出の時期

依頼主に料金を説明するときの伝え方

料金表を作っても、最初の打ち合わせで料金を口にするのは緊張するものです。伝え方の順番を決めておくと、落ち着いて話せます。

先に仕事の中身を確かめる

料金の話は、依頼主が何を頼みたいのかを聞いてからにします。頼みたい作業、量、頻度、期限を聞き、それに合うプランを提案する形にすると、料金が「自分の値段」ではなく「依頼主の仕事に合わせた見積もり」として伝わります。

料金と一緒に、含まれるものを伝える

料金だけを伝えると、依頼主は他の人の料金と額だけで比べます。「この料金には、毎日2回のメールの確認と、週1回の作業の報告が含まれます」のように、何が含まれるのかを一緒に伝えると、比べ方が変わります。

値引きを求められたとき

値引きを求められたら、料金を下げる代わりに、範囲を小さくする提案をします。「この料金で受けられるのは、ここまでの作業です」と伝えれば、時間単価を下げずに依頼主の予算に合わせられます。どうしても単価を下げる場合は、期間を区切るか、条件(長期の契約など)を付けるようにします。

見積もりは文字で残す

打ち合わせで話した料金や範囲は、その日のうちにメールで見積もりとして送ります。口頭の約束だけで仕事を始めると、あとで「そういう話だったか」と食い違うことがあります。見積もりには有効期限も書いておきましょう。

見積もりと契約で決めておくこと

料金が決まっても、契約の中身があいまいだと、あとで料金の話がこじれます。見積もりを出す時点で、次の点をはっきりさせておきましょう。

仕事の範囲を書く

「秘書業務全般」のような書き方は避け、具体的な作業を並べます。「メールの一次対応(1日2回の確認と定型の返信)、会議の日程調整、請求書の発行(月10件まで)」のように、作業と量がわかる形にします。範囲の外の作業を頼まれたときに、「これは範囲の外なので、別の料金になります」と言いやすくなります。

支払いの期日を決める

個人で仕事を受ける人を守るフリーランス法では、依頼主は仕事の内容や報酬の額、支払いの期日などをはっきり示す必要があり、報酬は給付を受け取った日から原則60日以内に支払うことが求められています。厚生労働省は、発注する事業者の義務として、取引条件の明示や、原則60日以内の報酬の支払い、ハラスメント対策のための体制整備などを挙げています(厚生労働省 フリーランスとして業務を行う方へ)。

月額制なら「毎月末締め、翌月末払い」のように、締めと支払いの日を契約に書いておきます。困ったときは、同じページで案内されている「フリーランス・トラブル110番」に相談できます。

経費の扱いを決める

仕事のために有料のサービスを使う、郵送物を送るなど、作業に伴って費用がかかることがあります。こうした費用を依頼主に別に請求するのか、料金に含めるのかを、事前に決めておきます。

秘密を守る約束

オンライン秘書は、依頼主の取引先の情報や社内の情報に触れます。秘密保持の約束を書面で交わしておくと、依頼主は安心して仕事を任せられます。受ける側にとっても、どこまでの情報をどう扱うかがはっきりします。

契約書に入れておく項目の一覧

契約書や発注書の形は依頼主によって違いますが、最低限、次の項目が入っているかを確かめましょう。依頼主から書面が出てこない場合は、受ける側から項目をまとめたメールを送り、了承の返信をもらっておくだけでも、後の食い違いを防げます。

項目 書いておく中身の例
仕事の範囲 作業の種類と、1か月あたりの量の上限
料金 月額、または時間単価や作業単価。税込か税抜か
超えたときの扱い 超えた時間や件数の単価
時間の数え方 15分単位、連絡の時間を含むかどうか
支払い 締めの日、支払いの日、振込の手数料をどちらが持つか
期間と更新 契約の期間、自動で更新するかどうか
解約 申し出の期限、途中で解約するときの料金の扱い
秘密の保持 扱う情報の範囲と、契約が終わったあとの扱い
使うアカウント 依頼主のアカウントを使うか、自分のアカウントを使うか

最後の項目は見落とされがちです。依頼主のメールや会計のサービスにログインして作業する場合、アカウントやパスワードの受け渡し方と、契約が終わったときに権限を外す手順も決めておくと、双方が安心できます。

副業と独立で料金の考え方はどう違うか

同じオンライン秘書の仕事でも、副業で受けるか、独立して本業として受けるかで、料金の考え方は少し変わります。

副業で受ける場合

副業では、本業の給与があるので、生活費のすべてをまかなう必要はありません。その分、時間単価を低めにしても続けられるように見えます。ただし、副業で使える時間は限られています。平日の夜と週末だけで受けるなら、1か月に使える時間はそれほど多くありません。時間単価が低いと、限られた時間をすべて使っても目標の額に届かず、疲れだけが残ることになります。

副業こそ、少ない時間で受けられる仕事を選び、時間単価を下げすぎないことが大切です。対応できる時間帯が限られることも、料金表や見積もりで最初に伝えておきましょう。

独立して受ける場合

独立すると、収入は仕事の売上だけになります。前の節の手順で見たとおり、社会保険料や仕事が途切れたときの備えまで含めて、1年間に必要な額を計算する必要があります。依頼主が1社だけだと、その契約が終わったときに収入がなくなるので、複数の依頼主と取引できるように、使える時間の配分も考えておきます。

独立したての時期は、依頼主を探す時間や、手続きの時間が多くかかり、請求できる時間の割合は低くなりがちです。最初の半年ほどは、手順3の割合を低めに見込んで計算しておくと、資金の計画が狂いにくくなります。

値上げの伝え方

続けているうちに、仕事の範囲が広がったり、経験を積んで作業が早くなったりして、料金を見直したくなる時期が来ます。値上げは言い出しにくいものですが、伝え方を決めておけば、関係を損ねずに話を進められます。

伝える時期

契約の更新の時期に合わせ、少なくとも1か月以上前に伝えるのが基本です。急な値上げは、依頼主の予算の都合で受け入れられないことがあります。

伝える内容

値上げを伝えるときは、次の3つを添えます。

  1. 新しい料金と、適用を始める時期
  2. 理由(仕事の範囲が広がった、作業の品質を保つため、など)
  3. 依頼主が選べる道(今の範囲のままなら今の料金、範囲を広げるなら新しい料金、など)

3つ目が大切です。値上げか契約終了かの二択にせず、依頼主が選べる形にすると、話し合いが前向きになります。

文面の例を挙げます。〇〇の部分は状況に合わせて書き換えてください。

「いつもご依頼ありがとうございます。〇月の契約の更新に合わせて、料金の見直しをご相談させてください。現在は〇〇と〇〇をお任せいただいており、当初の範囲より作業が増えています。〇月から、現在の範囲での料金を〇〇円とさせていただけないでしょうか。作業の範囲を当初のものに戻していただく場合は、今の料金のままで続けられます。ご都合をお聞かせください。」

税金で押さえておくこと

料金を決めるときには、税金のことも頭に入れておく必要があります。個別の事情で扱いが変わるので、迷ったときは税務署や税理士に確かめてください。

消費税と料金の表示

料金表や見積もりでは、税込か税抜かをはっきり書きます。国税庁の案内によると、個人の事業者は、前々年の課税売上高が1,000万円以下なら、原則として消費税を納める義務が免除されます。ただし、適格請求書発行事業者の登録を受けている場合は、売上高が1,000万円以下でも納税の義務があります(国税庁 No.6501 納税義務の免除)。

適格請求書とは、取引先が消費税の計算で使える決まった形の請求書のことで、インボイスとも呼ばれます。依頼主の会社によっては、インボイスの発行を求めてくることがあります。登録するかどうかは、依頼主の状況と自分の売上の見込みを踏まえて判断しましょう。

確定申告

会社員が副業でオンライン秘書の仕事を受ける場合、給与以外の所得の合計が20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。所得は、受け取った報酬から経費を差し引いた額です。独立して事業として受ける場合は、毎年の確定申告が必要になります。料金を決めるときに経費を書き出しておくと、申告のときにも役立ちます。

よくあるつまずきと、その避け方

最後に、料金の面でよくあるつまずきを挙げておきます。

最初の料金を安くしすぎる

実績がないうちは、安い料金で受けて実績を作りたくなります。ただ、最初に安く受けた依頼主に、あとから大きく値上げをお願いするのは難しいものです。安く受けるなら、「最初の2か月は実績づくりのための特別な料金です」と期間を区切っておくと、あとで正規の料金に戻しやすくなります。

範囲の外の作業を無料で受け続ける

「ついでにこれもお願いできますか」という頼みごとを、そのつど無料で受けていると、いつの間にか範囲が倍になっていることがあります。小さな頼みごとでも、作業の記録には必ず残し、月末の報告で「今月は範囲の外の作業が〇時間ありました」と伝えておくと、料金の見直しの話につなげやすくなります。

支払いの遅れをそのままにする

支払いの期日を過ぎても入金がないとき、言い出しにくくて様子を見てしまう人がいます。遅れが続くと、作業を続けるほど受け取れない額が増えていきます。期日の翌営業日には、「〇月分のご請求について、入金の確認が取れていません。お手数ですがご確認をお願いします」と、事実だけを短く伝えましょう。単純な手続きの漏れであることが多く、早く伝えるほど話は早く片付きます。

料金の見直しの時期を決めていない

料金を見直す時期を決めていないと、何年も同じ料金で受け続けることになります。契約の時点で「半年ごとに作業の範囲と料金を見直す」と決めておけば、見直しの話は特別な交渉ではなく、決まった手続きになります。

作業時間を記録していない

月額制だからと作業時間を記録していないと、範囲を超えているかどうかも、時間単価が下がっているかどうかもわかりません。どの料金の形でも、作業時間の記録はつけておきましょう。

料金の先にある、選ばれ続ける理由

2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた@SOHO編集部が見てきた限りでは、オンライン秘書として長く選ばれる人は、料金の安さで選ばれているわけではありません。頼んだことが確実に進み、報告があり、依頼主が仕事のことを考えなくてよくなる。その安心に対して、依頼主は料金を払い続けています。

もう1つ見えてくるのは、仲介の手数料がかからない直接の取引の強さです。同じ料金でも、間に手数料が乗らなければ、依頼主はより多くの時間を頼めて、受ける側は手取りが厚くなります。最初は仲介サイトで実績を作り、信頼ができた依頼主とは直接の契約に移る、という流れを作れた人ほど、料金の面でも無理なく続けています。仲介手数料が手数料0%で直接取引できる求人サイトを入口の1つにしておくと、選べる道が広がります。

秘書の仕事では、メールや書類の文面の質がそのまま評価につながります。文書の書き方を体系的に確かめたい人は、ビジネス文書検定で学ぶ範囲を見ておくと役立ちます。文章を書く仕事にも広げたい人には、Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップが、単価の上げ方を段階ごとに説明しています。生成AIを使った業務の効率化まで提案できるようになると、受けられる仕事の幅と単価の両方が広がります。その方向に関心がある人は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事も参考にしてください。

料金は、一度決めたら終わりではありません。作業時間を記録し、半年ごとに手順1から手順4の計算をやり直して、今の料金が自分の目標に合っているかを確かめていきましょう。

よくある質問

Q. オンライン秘書の料金は時間制と月額制のどちらがよいですか?

仕事の中身で選ぶのが基本です。仕事の量が月によって変わる、内容がまだ決まっていない場合は時間制、毎月同じような仕事が続く場合は月額制が向いています。継続の仕事は月額制、単発の相談は時間制のように組み合わせる方法もあります。どちらの場合も、時間の数え方や範囲を超えたときの扱いを最初に決めておくことが大切です。

Q. 実績がないうちは料金を安くしたほうがよいですか?

安く受けて実績を作る方法もありますが、あとから大きく値上げするのは難しいため、期間を区切った特別な料金として伝えるのがおすすめです。最初から手取りの目標と経費、請求できる時間から必要な時間単価を計算し、それを大きく下回らない料金にしておくと、続けられなくなる心配が減ります。

Q. 月額制で時間が余った月はどうすればよいですか?

翌月に繰り越すか、繰り越さないかを、契約の時点で決めておくのが基本です。その場で決めると、依頼主と受ける側のどちらかが不満を持ちやすくなります。繰り越しを認める場合も、繰り越せる時間の上限や期限を決めておくと、未消化の時間がたまり続けることを防げます。

Q. オンライン秘書の料金は税込と税抜のどちらで示すべきですか?

どちらで示しても構いませんが、料金表や見積もりに税込か税抜かをはっきり書くことが大切です。個人の事業者は、前々年の課税売上高が1,000万円以下なら原則として消費税の納税義務が免除されますが、適格請求書発行事業者の登録を受けると納税義務があります。依頼主からインボイスを求められることもあるので、登録の要否は状況を踏まえて判断してください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年3月3日最終更新:2026年10月15日
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

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