オンラインアシスタントの仕事内容と、在宅で依頼を受けるまでの準備


この記事のポイント
- ✓オンラインアシスタントとして在宅で依頼を受けたい人に向けて
- ✓料金の相場と報酬の考え方
- ✓サービス会社に登録する働き方と個人で受ける働き方の違い
オンラインアシスタントは、会社や個人事業主の事務やバックオフィスの仕事を、インターネット越しに引き受ける働き方です。検索すると「おすすめのサービス比較」のような依頼する側向けの記事が多く並びますが、この記事は反対側、つまり在宅で依頼を受ける側に立って書いています。
どんな仕事を任されるのか、料金はどう決まっていて受け手の手元にはいくら残るのか、どこで仕事を見つけるのか、始める前に何を整えておけばよいのか。事務の経験はあるけれど在宅の働き方は初めて、という人が、最初の1件を受けるまでに迷うところを順番に取り上げます。
オンラインアシスタントとは何か
オンラインアシスタントは、依頼主の会社に出社せず、チャットやメール、オンライン会議、共有のファイルを使って仕事を進めるアシスタントです。オンライン秘書と呼ばれることもあり、扱う仕事の範囲はほぼ重なります。
雇用の形で見ると、多くは業務委託です。業務委託とは、会社に雇われるのではなく、決まった仕事を引き受けて報酬を受け取る契約のことです。派遣社員やパートとは違い、勤務時間を細かく指示されるのではなく、依頼された仕事を期限までに仕上げることが求められます。
依頼する側から見た仕組み
依頼する側の多くは、事務の担当者を1人雇うほどの仕事量はないものの、社長や少人数の社員が本業以外の作業に追われている会社です。請求書の発行、日程の調整、問い合わせのメールの振り分けなど、1つひとつは小さくても積み重なると時間を取られる仕事を、外に出したいと考えています。
依頼の経路は大きく2つあります。1つは、オンラインアシスタントのサービス会社に申し込む形です。サービス会社が依頼を受け、登録しているアシスタントに仕事を割り振ります。もう1つは、クラウドソーシングや求人サイトで、個人のアシスタントに直接頼む形です。
受ける側から見た仕組み
受ける側にとっても、この2つの経路はそのまま働き方の違いになります。サービス会社に登録すれば、営業をしなくても仕事が回ってくる一方で、報酬はサービス会社が決めた額になります。個人で直接受ければ、料金を自分で決められる一方で、仕事を見つけるところから自分で動く必要があります。
どちらが良い悪いではありません。最初はサービス会社や仲介サイトで経験を積み、依頼主との関係ができてから直接の契約に移る人もいます。この違いは後の節で詳しく比べます。
任される仕事の中身
オンラインアシスタントに頼まれる仕事は、会社の中の事務のほぼすべてにまたがります。依頼主によって中身が大きく違うので、自分がどの分野を受けられるのかを先に整理しておくと、仕事を探すときに迷いません。
| 分野 | 具体的な仕事の例 | 求められやすい経験や道具 |
|---|---|---|
| 秘書・総務 | 日程の調整、会議の設定、出張の手配、メールの一次対応 | Googleカレンダー、Outlook、ビジネスメールの書き方 |
| 経理 | 請求書の発行、経費の入力、入金の確認、会計ソフトへの入力 | 会計ソフト、簿記の知識 |
| 人事・採用 | 求人の掲載、応募者との連絡、面接の日程調整 | 採用管理の道具、丁寧な文面 |
| 営業の補助 | 顧客リストの作成、見積書の作成、問い合わせの振り分け | 表計算ソフト、顧客管理の道具 |
| Web・SNS | ホームページの更新、SNSの投稿予約、簡単な画像作成 | Canva、WordPress、SNSの管理画面 |
| 調べもの・資料作成 | 市場調査、競合の情報集め、資料の清書 | 検索の工夫、スライドの作成 |
定型の作業と、判断を任される作業
同じ事務でも、手順が決まっている作業と、その場で判断が要る作業があります。データの入力や請求書の発行は定型の作業で、手順書があれば誰がやっても同じ結果になります。一方、取引先からのメールにどう返すか、どの会議を優先するかといった作業には判断が入ります。
始めたばかりのうちは、定型の作業を正確に、期限どおりに仕上げることが信頼につながります。判断を任される仕事は、依頼主が「この人なら任せても大丈夫」と思ってから回ってくるのが普通です。デザインの世界で、まず決まった型どおりのバナーを正確に作れる人に、やがてキャンペーン全体の見せ方の相談が来るのと同じ流れです。
経験のある分野から入る
これまでの仕事で経理を担当していたなら経理、営業事務をしていたなら営業の補助から入るのが近道です。オンラインアシスタントの仕事は、在宅になること以外は会社の事務と変わらない部分が多く、経験がそのまま強みになります。
事務の経験が少ない場合は、書類作成やメールの文面づくりの基礎を固めておくと、受けられる仕事の幅が広がります。ビジネス文書の書き方を体系的に確かめたい人は、ビジネス文書検定のような資格の範囲を見ておくと、学ぶべき点の見当がつきます。
料金の相場と、受ける側の報酬の考え方
依頼する側向けの記事には、サービスの料金がよく並んでいます。まずはその相場を見ておきましょう。ASPIC(一般社団法人日本クラウド産業協会)が運営するメディアは、オンラインアシスタントの料金を次のように整理しています。
オンラインアシスタントサービスの利用料金は、基本的には実働時間を基準に設定。時間数にもよりますが、多くのサービスが月額35,000~50,000円程度から利用できるプランを展開しています。 出典: aspicjapan.org
同じ記事では、1か月あたり10時間から30時間ほどの稼働で設定されたプランの例も紹介されています。依頼主が払う料金は、実際に作業した時間をもとに決まることが多い、というのが大まかな傾向です。
依頼主が払う額と、アシスタントが受け取る額は違う
ここで受ける側が押さえておきたいのは、サービス会社を通す場合、依頼主が払う料金がそのままアシスタントの報酬になるわけではない点です。サービス会社は、営業、依頼主との契約、品質の管理、アシスタントの教育などの費用をまかなう必要があります。アシスタントに支払われるのは、料金からそうした費用を差し引いた部分です。
アシスタントへの支払い方はサービス会社によって違い、時間あたりの報酬を決めている会社もあれば、業務ごとに決めている会社もあります。登録する前に、時間あたりいくらになるのか、どの時間が報酬の対象になるのか(作業の時間だけか、連絡のやり取りも含むのか)を確かめておきましょう。
個人で受ける場合の値付け
個人で直接受ける場合は、料金を自分で決めます。考え方の土台になるのは、次の3つです。
- 自分の1時間の作業でどれだけの量をこなせるか
- 同じ仕事を会社が人を雇ってやった場合にかかる費用
- 仲介サイトを使うなら、その手数料
会社員の事務職と同じ時給で考えると、社会保険料や有給休暇、パソコンや通信費といった、会社なら負担してくれる費用が自分持ちになる分だけ手取りが薄くなります。会社員の頃の時給をそのまま当てはめず、道具や通信の費用、仕事がない時間も見込んで決めることが大切です。
依頼主にとっては、毎月決まった時間で頼める月額制のほうが予算を立てやすく、受ける側にとっても収入の見通しが立ちます。単発の作業は時間制、継続の仕事は月額制というように、仕事の形に合わせて使い分けるのが一般的です。
サービス会社に登録する働き方と、個人で受ける働き方
在宅で依頼を受ける入口は、サービス会社への登録、クラウドソーシング、求人サイトの業務委託の募集、知人の紹介などがあります。大きく分けると「サービス会社に登録する」か「個人で受ける」かです。両方の良いところと気をつけたいところを並べます。
| 比べる点 | サービス会社に登録する | 個人で受ける |
|---|---|---|
| 仕事の見つけ方 | サービス会社が割り振る | 自分で探す、応募する |
| 料金 | サービス会社が決める | 自分で決める |
| 手元に残る割合 | 料金から運営の費用が引かれる | 仲介サイトの手数料を除けばほぼ全額 |
| 依頼主とのやり取り | ディレクターが間に入ることがある | 自分で直接行う |
| 教育や手順書 | 用意されていることが多い | 自分で整える |
| 向いている人 | 営業が苦手、まず経験を積みたい | 得意分野がはっきりしている、依頼主と直接話せる |
サービス会社に登録する場合
サービス会社の多くは、応募のあとに書類の審査や面接、スキルの試験を行います。採用されると、チームの一員として複数の依頼主の仕事を担当することもあります。手順書や連絡の決まりが整っているので、在宅の仕事が初めての人でも入りやすいのが利点です。
一方で、稼働できる時間の下限が決まっていることや、平日の日中に連絡が取れることを求められることがあります。家事や育児の合間に働きたい人は、募集の条件を細かく読んでおきましょう。
個人で受ける場合
個人で受ける場合は、クラウドソーシングの「秘書・オンラインアシスタント」のような分類から仕事を探すのが一般的です。単発のデータ入力から、継続の事務代行まで、募集の形はさまざまです。
個人で受ける良さは、依頼主と直接話しながら仕事の範囲や料金を決められることです。その分、契約の条件を自分で確かめ、トラブルが起きたときも自分で対応する必要があります。最初の数件は短い期間の仕事で相性を確かめ、続けられそうな依頼主と継続の契約を結ぶ、という順番が無理のない進め方です。
掛け持ちするときの注意
サービス会社に登録しながら、個人でも仕事を受ける人もいます。このときは、登録しているサービス会社の規約で、依頼主との直接の取引が禁じられていないかを確かめてください。サービス会社経由で知り合った依頼主から直接の依頼を受けることを、規約で制限している場合があります。
掛け持ちでもう1つ気をつけたいのは、作業時間の重なりです。サービス会社の仕事で平日の日中を押さえられているのに、個人の依頼主にも同じ時間帯の対応を約束してしまうと、どちらの返信も遅れます。依頼主ごとに対応できる時間帯を分けて、カレンダーに書き込んでおくと、引き受けすぎを防げます。
在宅で依頼を受ける前に整えておくこと
オンラインアシスタントの仕事は、依頼主から見えないところで進みます。だからこそ、仕事の中身より先に、連絡がつく、データを安全に扱える、という土台が整っているかどうかが信頼を左右します。
作業の環境
最低限そろえておきたいのは次のものです。
- 仕事に使えるパソコン(家族と共用しないものが望ましい)
- 安定したインターネット回線
- オンライン会議に使えるカメラとマイク
- 家族の声や生活音が入りにくい作業の場所
依頼主の顧客情報や請求の情報を扱うことが多いので、パソコンには画面のロックとパスワードを設定し、OSとソフトを最新の状態に保ちます。カフェなどの公衆の無線LANで依頼主の情報を開かないことも、基本の約束事として守りましょう。
よく使う道具
依頼主によって使う道具は違いますが、次のような道具は一通り触ったことがあると安心です。
| 用途 | 代表的な道具 |
|---|---|
| 連絡 | Slack、Chatwork、Microsoft Teams、メール |
| 予定の管理 | Googleカレンダー、Outlook |
| 書類と表計算 | Googleドキュメント、スプレッドシート、Word、Excel |
| ファイルの共有 | Googleドライブ、Dropbox、OneDrive |
| オンライン会議 | Zoom、Google Meet、Teams |
| 仕事の管理 | タスク管理やプロジェクト管理の道具 |
すべてを使いこなせる必要はありません。Googleのアカウントがあれば、ドキュメントやスプレッドシート、カレンダーは無料で試せます。依頼主が指定する道具がわからないときは、応募の段階で聞いてしまってかまいません。
連絡の決まりを自分で作る
在宅の仕事で依頼主が一番不安に思うのは、「頼んだことが今どうなっているのかわからない」状態です。返信の目安の時間、作業できる曜日と時間帯、休みの予定を、最初に依頼主に伝えておきましょう。
たとえば「平日の10時から16時に作業し、メッセージには原則2時間以内に返します。土日は対応しません」と最初に書いて送るだけで、依頼主は安心して仕事を任せられます。デザインに余白のルールがあるように、連絡にも決まった間合いがあると、相手は読みやすく、待ちやすくなります。
受ける前に見極めたい依頼と、自分を売り込むポイント
仕事の募集を見ていると、条件が良さそうに見えるものも、よくわからないものも混ざっています。応募する前に確かめておきたい点と、選ばれるために伝えておきたい点を整理します。
応募する前に確かめる5つの点
- 仕事の範囲が具体的に書かれているか(「事務全般」だけで終わっていないか)
- 報酬の決め方(時間制か月額制か、作業時間の数え方)
- 支払いの時期と方法
- 稼働の時間や連絡の時間帯の条件
- 扱う情報の種類と、秘密を守る取り決め
「事務全般をお願いします」とだけ書かれた募集は、始めてみると想定外の仕事が次々に増えることがあります。応募の段階で「具体的にどのような作業を想定していますか」と聞き、答えを文字で残しておきましょう。
先にお金を払わせる募集には応じない
在宅の仕事の中には、仕事を紹介する前に登録料や教材費、研修費を払わせようとするものがあります。仕事を受ける側が先にお金を払う形の募集には、応じないのが原則です。消費者庁は、仕事を提供すると誘って商品やサービスを買わせる取引を「業務提供誘引販売取引」として特定商取引法の対象にしています。少しでも気になったら、契約する前に消費生活センター(消費者ホットライン188)に相談してください。
選ばれるための伝え方
応募のメッセージや自己紹介では、「何でもできます」より「何が得意で、どんな仕事を、どのくらいの時間で受けられるか」を具体的に書くほうが選ばれます。
- これまで担当した事務の種類と年数
- 使える道具の名前
- 稼働できる曜日と時間帯
- 1つの仕事の進め方の例(受け取り、確認、作業、報告)
最後の「進め方の例」は意外と効きます。依頼主は在宅のアシスタントの仕事ぶりを見ることができないので、どう進めるかが文字で見えるだけで、任せたときの姿を思い浮かべやすくなります。
オンラインアシスタントとして働く良さと、つまずきやすい点
ここまで仕組みと準備を見てきました。始める前に、良い面と気をつけたい面を並べておきます。
良い点
- 通勤がなく、家事や育児と時間を組み合わせやすい
- 事務の経験をそのまま活かせる
- 複数の依頼主の仕事を受けることで、さまざまな業界の仕事の進め方を知れる
- 実績が積み上がると、仕事の範囲や料金を自分で決めやすくなる
つまずきやすい点
- 仕事の量が依頼主の都合で増えたり減ったりし、収入が安定しにくい
- 社内の人との雑談がなく、孤独を感じやすい
- 頼まれる範囲が少しずつ広がり、気づくと割に合わない量になっていることがある
- 自分の仕事と家事の切り替えがうまくいかず、作業時間が延びがち
特に3つ目は多くの人がつまずくところです。最初は請求書の発行だけだったのに、いつの間にか取引先とのやり取りまで任されていた、というのはよくある話です。仕事が増えるのは信頼の証でもありますが、増えた分の報酬が変わらないままでは続きません。頼まれる範囲が変わったら、その都度「この作業は月額の範囲に含めますか、別料金にしますか」と確かめる習慣をつけましょう。
デザインの仕事でも、ロゴを頼まれたはずが名刺やチラシまで同じ料金で、という相談はよく起こります。範囲を言葉にして確かめることは、才能ではなく技術です。最初は気まずくても、決まった言い回しを1つ持っておけば、何度でも使えます。
1日の仕事の流れの例
在宅の仕事は、始めてみるまで1日の過ごし方が想像しにくいものです。継続の依頼主を2つ持ち、平日の日中に作業する人の1日を例にします。依頼主や仕事の中身で大きく変わるので、目安として見てください。
| 時間 | やること |
|---|---|
| 9時30分 | 2つの依頼主のチャットとメールを確認し、今日やることを書き出す |
| 10時 | 依頼主Aの請求書の発行と、入金の確認 |
| 11時 | 依頼主Bの会議の日程調整、参加者への案内の送信 |
| 12時 | 昼休み。チャットの通知は切っておく |
| 13時 | 依頼主Aの問い合わせメールの振り分けと、定型の返信 |
| 14時 | 依頼主Bの資料の清書、表の整理 |
| 15時30分 | 両方の依頼主に、今日終わったことと明日に回すことを報告 |
| 16時 | 作業時間を記録し、終了 |
始まりと終わりに確認と報告の時間を取る
この例で大事なのは、作業そのものより、最初の30分の確認と最後の30分の報告です。朝のうちに全部の依頼を見ておけば、急ぎの仕事を見落としません。終わりに報告を送っておけば、依頼主は翌朝、進み具合を確かめるために連絡をする必要がなくなります。
報告は長く書く必要はありません。「本日完了:請求書3件の発行、入金2件の確認。明日対応:未入金1件の確認のご連絡」のように、終わったことと残っていることが一目でわかれば十分です。
作業時間の記録を毎日つける
時間制で受けている仕事はもちろん、月額制の仕事でも、どの依頼主の作業に何分かかったかを毎日記録しておきましょう。表計算ソフトに日付、依頼主、作業の中身、時間を1行ずつ書くだけで構いません。1か月分がたまると、どの仕事に思ったより時間がかかっているかが見えてきます。料金を見直す相談をするときも、この記録があれば話が具体的になります。
依頼主とのやり取りで使える文面の例
在宅の仕事は、文字のやり取りが仕事の印象を決めます。よく使う場面の文面を、決まった型として持っておくと、迷わず送れます。〇〇の部分は自分の状況に合わせて書き換えてください。
仕事を受けるとき
「ご依頼ありがとうございます。内容を確認しました。〇〇の作業を、〇月〇日までに仕上げます。進め方で確認したい点が2つあります。1つ目は〇〇、2つ目は〇〇です。ご回答をいただいてから作業を始めます。」
受ける段階で、期限と確認したい点を先に書くのが要点です。あいまいなまま作業を始めると、やり直しの手間が依頼主にも自分にもかかります。
期限に間に合わないとき
「〇〇の作業について、〇日の期限に間に合わない見込みです。理由は〇〇です。〇日の午前中までには仕上げられますが、このスケジュールで差し支えないでしょうか。先に終わった部分だけでも必要でしたら、本日中にお送りします。」
遅れそうだとわかった時点で、理由と新しい期限、代わりにできることを添えて早めに伝えます。期限の当日になってから知らせるのが、信頼を一番損ねます。
頼まれる範囲が広がったとき
「〇〇の作業もお任せいただけるとのこと、ありがとうございます。現在の契約の範囲は〇〇までとなっているため、追加の作業は1か月あたり〇時間ほどかかる見込みです。現在の月額に含めるか、別料金とするか、ご相談させてください。」
範囲の話は切り出しにくいものですが、この型を持っておけば、毎回言葉を選ぶ手間がなくなります。言いにくいことほど、決まった文面に頼るのがコツです。
契約と税金で押さえておくこと
業務委託で仕事を受けるときは、会社員とは違うお金と契約の決まりがあります。ここでは最低限押さえておきたい点を取り上げます。個別の事情で扱いが変わるので、迷ったときは税務署や専門家に確かめてください。
フリーランス法で守られる点
2024年11月に施行されたフリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)は、個人で仕事を受ける人を守るための法律です。厚生労働省はその中身を次のように説明しています。
個人で働くフリーランスに業務委託を行う発注事業者に対し、業務委託をした際の取引条件の明示、給付を受領した日から原則60日以内での報酬支払、ハラスメント対策のための体制整備等が義務付けられます。 出典: mhlw.go.jp
つまり、依頼主は仕事の内容や報酬の額、支払いの期日などを、メールや書面ではっきり示す必要があります。口約束だけで仕事が始まりそうになったら、条件をメールで送ってもらうよう頼んでかまいません。困ったときは、厚生労働省の同じページで案内されている「フリーランス・トラブル110番」に相談できます。
会社員が副業で受ける場合
会社員がオンラインアシスタントを副業で始めるときは、まず勤め先の就業規則で副業が認められているかを確かめてください。届け出が必要な会社もあります。
税金の面では、国税庁の案内によると、給与を1か所から受けていて年末調整を受けている人は、給与以外の所得の合計額が20万円を超えると確定申告が必要になります(国税庁タックスアンサーNo.1900 給与所得者で確定申告が必要な人)。ここでいう所得は、売上から経費を引いた額です。20万円以下でも住民税の申告は別に必要になるので、お住まいの市区町村で確かめておきましょう。
秘密を守る取り決め
オンラインアシスタントは、依頼主の顧客情報や売上、社員の個人情報に触れることがあります。秘密保持契約(NDA)とは、仕事で知った情報を外に漏らさないことを約束する契約です。依頼主から求められたら内容を読んで結び、求められなくても、依頼主の情報を自分の実績の説明に使わないなどの配慮をしましょう。
副業から始める場合の進め方の例
いきなり独立するより、会社員や家事の合間に副業として始め、少しずつ仕事を伸ばしていく人が多い仕事です。始めてから最初の数か月の流れを例にします。
最初の1か月:受けられる仕事を決めて、入口を作る
- これまでの経験から、受けられる仕事を3つほどに絞る
- 自己紹介の文章を作る(得意な仕事、使える道具、稼働できる時間)
- サービス会社への応募、クラウドソーシングへの登録を済ませる
- 作業の場所と道具を整え、オンライン会議のテストをする
2か月目から3か月目:小さな仕事で経験を積む
- 短い期間の仕事や、作業量の少ない仕事から受ける
- 1件ごとに、かかった時間と作業の手順を記録しておく
- 終わった仕事は、依頼主に「次も同じように進めてよいか」を確かめる
記録しておいた作業時間は、あとで料金を決めるときの根拠になります。「この作業は自分なら1時間でできる」とわかれば、時間制の料金も月額制の料金も、無理のない額で提示できます。
4か月目以降:継続の仕事を軸にする
- 相性の良かった依頼主と、継続の契約を相談する
- 得意な分野を1つ決め、そこを深める
- 仕事の範囲と料金を見直す時期を、依頼主とあらかじめ決めておく
継続の仕事が2つほどになると、収入の見通しが立ちやすくなります。そこから先は、仕事の数を増やすより、1つの依頼主の中で任される範囲を広げるほうが、作業の手間が少なく済むことが多いです。
受けられる仕事を広げるために身につけたいこと
継続の仕事が軌道に乗ってきたら、次は受けられる仕事の幅を広げる段階です。新しい分野をいきなり全部覚える必要はありません。今の依頼主から頼まれそうなことの中で、1つずつ伸ばしていけば十分です。
表計算ソフトの関数と整え方
事務の仕事の多くは、最終的に表の形にまとまります。合計や平均だけでなく、条件に合う行だけを数える関数、別の表から値を引いてくる関数、重複を見つける方法を覚えておくと、手作業でやっていた集計が短い時間で終わるようになります。依頼主から「この表をもっと見やすくできないか」と相談されることも多いので、列の幅や色の付け方の決まりを自分で持っておくと重宝されます。
手順書を書く力
自分が担当している作業の手順を、ほかの人が読んでも同じようにできる形で書き残す力は、オンラインアシスタントにとって大きな武器です。依頼主にとっては、担当が急に休んでも仕事が止まらない安心につながります。手順書は、目的、使う道具、手順、迷いやすい点、最後に更新した日の順で書くと読みやすくなります。
生成AIの使い方
メールの下書き、議事録の要約、資料の構成案づくりなどに、生成AIを使う依頼主が増えています。ただし、依頼主の顧客情報や社外秘の資料を、許可なく外部のAIのサービスに入力してはいけません。使う前に、どの情報なら入力してよいかを依頼主と取り決めておきましょう。決まりを守ったうえで使いこなせれば、同じ時間でこなせる作業の量が変わります。
仲介の現場から見えた、長く続く人の共通点
2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた@SOHO編集部が見てきた限りでは、オンラインアシスタントとして長く続く人には共通点があります。作業の速さや資格の数よりも、「この人に頼むと自分が楽になる」と依頼主に思ってもらえる関係づくりに時間を使っていることです。
たとえば、頼まれた作業を終えたときに「完了しました」で終わらず、「次に同じ作業が来たときのために、手順をこのファイルに保存しておきました」と一言添える人は、依頼主の頭の中で替えのきかない存在になっていきます。依頼主が求めているのは作業そのものより、作業のことを考えなくてよくなる状態だからです。
もう1つ見えてくるのは、仲介の手数料が乗らない直接の取引の強さです。同じ予算でも中間の手数料がかからなければ、依頼主はより多くの時間を頼めて、受ける側は手取りが厚くなります。最初は仲介サイトやサービス会社で経験を積み、信頼ができた依頼主とは直接の契約に移る。この流れを作れた人ほど、無理なく続けています。仲介手数料が手数料0%で直接取引できる求人サイトを入口の1つに加えておくと、選べる道が広がります。
オンラインアシスタントの経験は、ほかの仕事にもつながります。資料作成やSNSの運用を任されるうちにデザインに関心が出てきた人は、デザイナーの年収・単価相場で仕事の相場を見ておくと、次の一歩を考える材料になります。業務の効率化に生成AIを取り入れる依頼も増えているので、事務の改善を提案できるようになりたい人はAIコンサル・業務活用支援のお仕事の中身も参考になります。文章を書く仕事を広げたい人には、Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップが、単価の上げ方を段階ごとに説明しています。
事務の経験は、在宅でもそのまま強みになります。まずは受けられる仕事を3つに絞り、作業の環境と連絡の決まりを整えるところから始めてみてください。
よくある質問
Q. オンラインアシスタントは未経験でも始められますか?
事務の実務経験がまったくない場合、サービス会社の審査では経験を求められることが多く、最初の入口は限られます。ただし、データ入力や簡単な資料作成のように手順が決まっている仕事は、クラウドソーシングで未経験から受けられる募集もあります。表計算ソフトとビジネスメールの基本を身につけ、小さな仕事で実績を作ってから範囲を広げるのが現実的な進め方です。
Q. オンラインアシスタントとオンライン秘書は何が違いますか?
呼び方の違いで、扱う仕事の範囲はほぼ重なります。サービス会社によっては、日程調整やメール対応のような秘書の仕事を中心にしている場合に「オンライン秘書」、経理や人事、Web更新まで幅広く扱う場合に「オンラインアシスタント」と呼び分けていることがあります。応募するときは名前ではなく、募集に書かれた仕事の中身で判断してください。
Q. 家事や育児の合間でも続けられますか?
続けている人はいますが、募集の条件を確かめることが大切です。サービス会社によっては、1か月の稼働時間の下限や、平日の日中に連絡が取れることを条件にしている場合があります。作業できる曜日と時間帯、返信の目安を最初に依頼主に伝え、急ぎの対応が多い仕事は避けるなど、受ける仕事の種類を選べば両立しやすくなります。
Q. 会社員が副業でオンラインアシスタントをするときに気をつけることは?
まず勤め先の就業規則で副業が認められているか、届け出が必要かを確かめてください。税金では、年末調整を受けている会社員の場合、給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は別に必要になります。本業の取引先と競合する会社の仕事を受けると就業規則に触れることがあるので、依頼主の業種にも気を配りましょう。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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