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日本医科大学武蔵小杉病院の情報漏洩|ナースコールシステムへのランサムウェア攻撃 患者約13万人 氏名・住所・電話番号 対象と確かめること 2026

@SOHO編集部
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日本医科大学武蔵小杉病院の情報漏洩|ナースコールシステムへのランサムウェア攻撃 患者約13万人 氏名・住所・電話番号 対象と確かめること 2026

この記事のポイント

  • ✓日本医科大学武蔵小杉病院の情報漏洩について
  • ✓2026年2月の第1報から4月9日の第7報までの病院の発表をもとに整理
  • ✓ナースコールシステムのサーバーがランサムウェア攻撃を受け

日本医科大学武蔵小杉病院の情報漏洩について、同院は2026年2月13日の第1報で、医療情報システムの一部であるナースコールシステムのサーバーがランサムウェア攻撃を受け、患者の個人情報が漏洩したと発表しました。第1報から第4報までは確認された人数を約1万人としていましたが、2月27日の第5報で、外来と入院中の患者約13万人と、職員および2021年以降の臨床実習医学生約1,700名に改められました。患者の項目は、患者ID、氏名、性別、住所、電話番号、生年月日です。カルテ情報、クレジットカード情報、マイナンバーカード情報の漏洩は、確認されていないとされています。 2026年11月1日時点で、最新の報告は2026年4月9日の第7報です。対象の患者へのお詫び状は3月19日までにすべて送り終えたと、3月26日の第6報で報告されています。第7報では、問い合わせの窓口が4月13日から専用ダイヤル(070-3084-1910)に変わりました。漏洩したデータは攻撃者側のリークサイトで公開されたことが確認されています。補償についての記載はありません。 患者や家族がまずすることは、病院から届いた封書を確かめること、病院を名乗る電話でクレジットカード番号やパスワードを聞かれても答えないこと、不審な電話やSMS、郵便物(はがき)に注意することの3つです。

この記事は、2026年11月1日時点で日本医科大学武蔵小杉病院のお知らせに掲載されている第1報から第7報を開き直して確かめた内容だけで書いています。報道の数字や推測は入れていません。

日本医科大学武蔵小杉病院で何が起きたのか

日本医科大学武蔵小杉病院は、神奈川県川崎市中原区にある、学校法人日本医科大学の病院です。今回の件では、病棟で使うナースコールのシステムが狙われました。ナースコールとは、入院中の患者がベッドから看護師を呼ぶための設備のことです。

第5報までの発表の骨子は次のとおりです。

  • 2026年2月9日の午前1時50分ごろ、病棟のナースコール端末が動かなくなり、障害に気づいた
  • ナースコールシステムのベンダー(システムを納めた会社)の調べで、サーバーがランサムウェア攻撃を受けたと分かった
  • 侵入の経路は、医療機器の保守用のVPN装置の脆弱性を悪用した不正アクセスだった
  • 1月26日にVPN装置を経由して侵入され、1月29日に病棟の端末を通じてナースコールサーバーの中のデータベースが盗み取られた
  • 盗まれたデータとCSVファイルは、後日、攻撃者側のリークサイトで公開されたことを確認した
  • 漏洩したのは、外来と入院中の患者約13万人と、職員および2021年以降の臨床実習医学生約1,700名の情報
  • 電子カルテや医事会計などの基幹システムへの不正アクセスはなかった

ランサムウェアとは、パソコンやサーバーのデータを勝手に暗号化して使えなくし、元に戻すことと引き換えに金銭を求めるような不正なプログラムのことです。VPN装置とは、外部から病院の中のネットワークに安全につなぐための機器で、今回は医療機器の保守の会社が外から接続するために使われていました。脆弱性とは、ソフトや機器の設計上の弱点のことです。リークサイトとは、攻撃者が盗んだデータを公開するために使うWebサイトのことです。

病院の発表では、可能性ではなく「漏洩いたしました」と書かれています。第1報の時点で、初動対応チームの調べにより、サーバーが院外と不正な通信を行い、患者の個人情報を盗み取っていたことが確認されています。

公表の経緯と、報ごとに分かったこと

2026年11月1日時点で、病院のお知らせに出ている報告は次の7つです。

日付 報告 分かったこと
2026年2月13日 第1報 ナースコールシステムサーバー3台がランサムウェア攻撃。確認された人数は約1万人。郵送によるお詫びを開始
2026年2月14日 第2報 約1万人は2月14日11時時点の人数。カルテ情報、クレジットカード情報、マイナンバーカード情報の漏洩は確認されていない。侵入経路は医療機器保守用VPN装置と確認
2026年2月16日 第3報 専用フリーダイヤル(0120-390094)を2月16日14時から開始
2026年2月17日 第4報 2月16日に院内全域の電子カルテシステム内にウイルスが存在しないことを確認
2026年2月27日 第5報 患者約13万人と職員など約1,700名に拡大。侵入と窃取の日付、リークサイトでの公開、再発防止策を公表
2026年3月26日 第6報 対象の患者へのお詫び状の発送を3月19日までにすべて完了
2026年4月9日 第7報 専用フリーダイヤルは4月10日まで。4月13日から専用ダイヤル(070-3084-1910)に変更

第1報と第2報の日付は、ページの中の診療状況の欄(2月13日現在、2月14日現在)で確かめたものです。第3報以降は、各報の冒頭の日付です。

第5報の別表では、2月18日に情報漏洩の精査を行った結果、新たに12万件の個人情報の漏洩を確認したこと、2月19日から新たに対象となった患者へご報告とお詫びの書面を送り始めたことが示されています。第4報までの「約1万人」という数字だけを紹介した記事を読んだ人は、最新の数字が約13万人であることに気をつけてください。

最新の内容は、第5報のページと第7報のページで確かめられます。

漏洩した情報と、確認されていない情報

第5報で示された、漏洩した個人情報は次のとおりです。

区分 人数 項目
外来および入院中の患者 約13万人 患者ID、氏名、性別、住所、電話番号、生年月日
職員および2021年以降の臨床実習医学生 約1,700名 職員ID、氏名、性別、生年月日
漏洩が確認されていないとされた情報 患者のカルテ情報、クレジットカード情報、マイナンバーカード情報

カルテ情報、クレジットカード情報、マイナンバーカード情報については、「現時点で確認されておりません」という表現です。第5報の時点の調べで漏洩が確認されていない、という意味で書かれています。

患者の項目は、患者ID、氏名、性別、住所、電話番号、生年月日で、病名や診療の内容は挙げられていません。ただし、氏名と住所、電話番号に加えて、日本医科大学武蔵小杉病院の患者だったという事実がそろっていることになります。病院名を出した電話や郵便が、本物らしく見えやすくなる点には注意が必要です。

臨床実習医学生とは、医学部の学生のうち、病院で実際の診療の現場に入って学ぶ実習を受けた学生のことです。2021年以降に同院で臨床実習を受けた医学生は、職員と同じく、職員ID、氏名、性別、生年月日が対象に含まれています。

約1万人から約13万人に増えた理由

第5報では、対象が広がった理由が次のように説明されています。

ナースコールサーバーの仕様上、入院歴の有無にかかわらず患者基本情報が更新される際に自動送信・蓄積される仕組みとなっていたため、被害範囲が拡大いたしました。 出典: nms.ac.jp

ナースコールは入院中の患者のための設備ですが、サーバーの仕組みとして、入院したことがあるかどうかにかかわらず、患者の基本情報が更新されるたびに自動で送られて、たまっていく作りになっていたということです。そのため、入院したことがなく外来だけで受診した患者の情報も、ナースコールサーバーに入っていました。

このことから、「入院したことがないから関係ない」とは言えません。第5報で対象を「外来および入院中の患者様」としているのは、この仕組みによるものです。どの期間に受診した患者が対象かは、発表には書かれていません。

侵入の経路と原因

第5報で示された侵入の経路と原因は次のとおりです。

  • 侵入の経路:医療機器保守用VPN装置の脆弱性を悪用した不正アクセス
  • 2026年1月26日:VPN装置を経由して侵入された
  • 2026年1月29日:病棟の端末を通じて、ナースコールサーバーの中のデータベースが盗み取られた
  • 後日:盗まれたデータとCSVファイルが、攻撃者側のリークサイトで公開されたことを確認した

攻撃を受けた機器は、第5報で次のように更新されています。

  • ナースコールシステムサーバー:3台
  • ナースコール病棟端末:1台
  • 患者バイタル監視システム保守用VPN装置:1台

患者バイタル監視システムとは、心拍や血圧などの値を見守るためのシステムのことです。第5報では、そのサーバー14台への不正侵入は確認されていないとされています。2月16日には、フォレンジック調査(記録を調べて何が起きたかを明らかにする調査)を行っていた医療機器サーバーへの不正アクセスが確認されましたが、ログオンはすべて失敗していたと書かれています。

侵入されたのは1月26日、データが盗まれたのは1月29日、病院が障害に気づいたのは2月9日です。データが盗まれてから気づくまで、11日ほどの開きがあったことになります。病院が気づいたきっかけは、データが盗まれたことではなく、ナースコール端末が動かなくなったことでした。

リークサイトで公開されたことの意味

第5報では、盗まれたデータとCSVファイルが、後日、攻撃者側のリークサイトで公開されたことを確認したと書かれています。CSVファイルとは、表の形のデータを文字で保存したファイルのことで、表計算ソフトなどで簡単に開けます。

公開されたということは、病院の外の第三者が、そのデータを手に入れられる状態になった可能性があるということです。一度インターネット上に出たデータは、別の場所に写されることもありえます。そのため、今回の件への備えは、短い期間で終わるものではなく、しばらくのあいだ続ける必要があります。

具体的には、次のような心がけを続けます。

  • 病院名を出した電話やSMS、はがきには、今後も慎重に対応する
  • 知らない番号からの電話で、氏名や生年月日を言い当てられても、それだけで相手を信用しない
  • 自分でリークサイトを探して、データが載っているかを確かめようとしない。不正なサイトを開くと、ウイルスに感染するなど別の被害にあうおそれがある

自分の情報が含まれているかは、病院からの封書と専用ダイヤルで確かめられます。リークサイトを自分で見に行く必要はありません。

発表で分かっていないこと

2026年11月1日時点の第1報から第7報では、次の点は示されていません。

  • 対象の患者約13万人が、いつからいつまでに受診した人か
  • リークサイトで公開されたデータの範囲が、漏洩した情報の全部か一部か
  • 攻撃者から金銭の要求があったかどうか、それにどう対応したか
  • VPN装置の機種や、悪用された脆弱性の中身

これらは病院が公表していないため、この記事でも推測では書きません。報道などで別の数字や話が出ていても、病院の発表で確かめられないものは、事実として扱わないようにしてください。

病院の対応と再発防止策

第1報から第7報で示されている病院の対応は次のとおりです。

  • 当該システムと関連のネットワークを遮断し、文部科学省、厚生労働省、所轄警察に報告した(2月9日)
  • 厚生労働省の初動対応チームの派遣を受け、すべての外部接続を止め、攻撃されたサーバーの保全を始めた(2月10日)
  • 個人情報保護委員会に報告した(2月12日)
  • 記者会見を開き、漏洩した患者へ郵送によるお詫びの連絡を始めた(2月13日)
  • ウイルス対策ソフトの会社から提供されたパターンファイルで、院内全域の電子カルテシステム内にウイルスがないことを確かめた(2月16日)
  • 院内のシステム全般のセキュリティの強化作業を行い、2月23日の午前7時に完了した
  • 対象の患者へのお詫び状の発送を、3月19日までにすべて完了した

第5報の別表には、日ごとの調べの流れがさらに細かく載っています。上の一覧にない主な点は次のとおりです。

日付 別表に書かれた内容
2月10日(火) 全職員に、脅迫状などを見つけたときの初動対応マニュアル(LAN抜線など)を配布し、警戒を徹底
2月11日(水) 保全データの調べで、攻撃者側へ患者の個人情報が流出した可能性を確認。他の医療情報システムへの不正アクセスのログ調査を開始
2月12日(木) 初期のフォレンジック調査で、医療機器用VPN装置からナースコールシステムへの不正アクセスを確認。ランサムウェアを特定し、駆除用のパターンファイルの作成を依頼
2月14日(土) 侵入口となったVPN装置と医療機器サーバーのフォレンジック調査を開始。すべてのコンピューターのリモート接続の設定を変更
2月17日(火) 全コンピューターの強化設定(長いパスワードの設定、ロックアウトの設定、通信ポートの変更など)と、VPN装置の運用手順(都度接続)を決め、設定作業を開始
2月18日(水) 情報漏洩の精査の結果、新たに12万件の個人情報の漏洩を確認

ロックアウトの設定とは、パスワードを何回か間違えるとしばらくログインできなくする仕組みのことです。都度接続とは、外部の会社が保守で接続するときだけつなぎ、ふだんは接続を切っておく運用のことです。

第5報によると、対象の患者には、院長名義の封書で個別に「ご報告とお詫び」が郵送されています。ナースコールシステムは平常どおりの状態に戻っているとのことです。

再発防止策として、第5報には次の内容が挙げられています。

  • 病院長の直属で、医療情報の安全管理のガバナンス体制を強める
  • VPN装置の脆弱性の更新情報を入手して早く適用する。外部接続は原則として都度接続の運用に変え、接続元のアドレスを制限する
  • すべてのコンピューターの管理者パスワードを、推測しにくい長いパスワードに変えた
  • 不正侵入を防ぎ、侵入された場合でも院内で横に広がらない設定にした
  • 継続的な脆弱性の更新や多要素認証の導入など、攻撃を受けうる範囲を小さくする対策を進める
  • 全職員に、フィッシングやSMS詐欺の対策、パスワードの使い回しの禁止などを含む情報セキュリティの教育を定期的に行う

お詫びの品や補償については、2026年11月1日時点の発表には記載がありません。この記事でも推測では書きません。情報漏洩の補償の考え方は、情報漏洩の補償はもらえるのか|お詫び金・ポイントの例と利用者が確かめること 2026で整理しています。

診療への影響

第1報から第5報まで、外来の診療、入院の診療、救急の受け入れは、いずれも通常どおり行われていると報告されています。ランサムウェア攻撃による他の医療情報システムへの影響は確認されておらず、病院の業務は通常どおりとされていました。

第5報の別表によると、2月13日には、電子カルテや医事会計システムなどの基幹システムへの不正アクセスがなかったことが確認されています。2月16日には、攻撃を受けた機器以外の院内すべてのコンピューターでランサムウェアが存在しないこと、不正アクセスの痕跡がなかったことの調査を終えたとされています。

受診の予定がある人は、今回の件を理由に受診を控える必要は発表からは読み取れません。ナースコールシステムも、第5報の時点で平常どおりの状態に戻っていると報告されています。予約や受診について分からないことがあれば、病院の代表電話(044-733-5181)に確かめてください。

自分が対象かを確かめる方法

対象の患者には、院長名義の封書で個別に「ご報告とお詫び」が届いています。第6報によると、お詫び状の発送は3月19日までにすべて完了しました。

確かめるときに押さえておきたい点は次のとおりです。

  • 対象は、外来と入院中の患者約13万人。入院したことがなく外来だけで受診した人も含まれうる
  • 2月13日から最初の対象者に、2月19日から新たに対象となった患者に、書面が送られた
  • 発送は3月19日までにすべて完了している
  • 職員と2021年以降の臨床実習医学生約1,700名も対象に含まれている

封書が届いていなくても、日本医科大学武蔵小杉病院を受診したことがあって気になる場合は、後の節の専用ダイヤルに問い合わせて確かめられます。引っ越しなどで、病院に登録した住所に封書が届いていないことも考えられます。

家族の中に同院を受診した人がいる場合、その家族あてに封書が届いていることがあります。とくに高齢の家族や子どもの受診については、封書が届いていないか、家族で確かめておくと安心です。

子どもや高齢の家族が受診していた場合

対象は外来と入院中の患者約13万人で、年齢の区切りは示されていません。子どもや高齢の家族が受診していた場合は、その家族の情報が含まれていることもあります。

子どもが受診していた場合は、封書が誰あてに届いているかを家族で確かめ、子どもの名前や生年月日を言い当てる電話があっても、その場で答えないよう家族で決めておきます。

高齢の家族が受診していた場合は、とくに注意が必要です。病院名を出して「診療費の返金がある」「保険の手続きが必要」と言われると、本物だと思いやすくなります。次の点を、家族で話しておくと安心です。

  • 病院を名乗る電話でお金や口座、カード番号の話が出たら、答えずに切って家族に相談する
  • 病院からのはがきや封書に、知らない番号への電話を求める案内があれば、家族に見せてから対応する
  • 電話を切ったあと、病院に確かめるときは、診察券や公式サイトに載っている番号を使う

届いた封書の扱い方

院長名義の封書が届いた場合は、次のように扱うと後で困りにくくなります。

  • 封書は捨てずに保管し、届いた日付を封筒に書いておく
  • 書かれている問い合わせ先の番号が、2026年11月1日時点の窓口(070-3084-1910)と違う場合は、時期によって窓口が変わったためと考えられる。今問い合わせるときは第7報の番号を使う
  • 病院の名前で届いた別の郵便に、知らない番号への電話やWebサイトでの入力を求める案内があれば、公式サイトの窓口で本物かを確かめてから対応する

病院の名前をかたった偽の郵便が届くことも考えられます。迷ったときは、郵便に書かれた番号ではなく、診察券や公式サイトで確かめた番号に問い合わせてください。

患者と家族がすること

漏洩した項目に合わせて、次の順に進めます。

  1. 病院から届いた院長名義の封書を読み、内容を家族で共有する
  2. 病院を名乗る電話で、クレジットカード番号や各種パスワードを聞かれても答えない
  3. 不審な電話、SMS、郵便物(はがき)に注意する。SMSのリンクは開かない
  4. 生年月日や電話番号をパスワードや暗証番号に使っていれば、別のものに変える
  5. 身に覚えのない連絡があれば、届いた番号に折り返さず、病院の公式サイトに載っている窓口に確かめる

第5報から第7報では、くり返し次のように注意を呼びかけています。

  • 病院から患者へ電話で、クレジットカード番号や各種パスワードを聞くことは一切ない
  • 不審な電話、SMS、郵便物(はがき)には十分に注意する

電話で聞かれた時点で、相手が本物の病院ではないと判断して切ってかまいません。住所と電話番号が含まれるため、病院名を出した郵便やはがきが届くことも考えられます。はがきに書かれた番号に電話をかけたり、Webサイトに個人情報を入力したりする前に、病院の公式の窓口で本物かを確かめてください。

電話番号が流出したときの備えは電話番号の流出チェックの方法|流出したらどうなるかと迷惑電話・SMSへの備え 2026で、住所が漏れたときの備えは個人情報が流出して住所が漏れたときの対応|起きることと防ぎ方の順番で説明しています。

病院を名乗る連絡の見分け方

病院の患者を狙った連絡では、受診の事実を口実にする手口が考えられます。次のような連絡は、本物かどうかを疑ってかかってください。

  • 「診療費の未払いがある。今日中にカードで支払ってほしい」という電話
  • 「情報漏洩のお詫びの返金がある。口座を登録してほしい」というSMSやはがき
  • 「検査の結果に問題があった。詳しくはこちら」とURLが書かれたSMS
  • 「漏洩したデータを消すために手数料がかかる」という電話

病院は、電話でクレジットカード番号やパスワードを聞くことはないと明記しています。こうした話が出た時点で電話を切るか、メッセージを削除してかまいません。SMSの見分け方はスミッシング詐欺の見分け方|SMSの本文とURLで判定する手順で、本文とリンク先のどこを見ればよいかを順に説明しています。

本物かどうかを確かめたいときは、届いた電話番号やSMSのリンクを使わず、病院の公式サイトに載っている番号に自分からかけ直します。2026年11月1日時点の今回の件の窓口は、専用ダイヤル(070-3084-1910)です。

職員と臨床実習医学生だった人へ

職員と2021年以降の臨床実習医学生約1,700名は、職員ID、氏名、性別、生年月日が対象に含まれています。患者の項目と比べると、住所と電話番号は挙げられていません。

職員IDと氏名がそろうと、病院の関係者を名乗るメールやメッセージが本物らしく見えやすくなります。同院で臨床実習を受けたあと、ほかの病院で働いている人もいるはずです。「武蔵小杉病院の職員システムの確認」などを口実にした連絡でIDやパスワードを聞かれても、答えないようにしてください。生年月日をパスワードに使っていれば、変えておくと安心です。

職員と医学生にも、患者と同じように個別の連絡が行われたかどうかは、発表には書かれていません。対象かどうかを確かめたい人は、専用ダイヤルに問い合わせてください。病院の再発防止策には全職員への情報セキュリティ教育が挙げられているため、在職中の職員は、院内の案内もあわせて確かめておくと安心です。

問い合わせ窓口

今回の件の問い合わせ先は、時期によって変わってきました。2026年11月1日時点の窓口は、第7報に次のとおり載っています。

期間 窓口 受付時間
2026年4月13日以降(現在) 専用ダイヤル 070-3084-1910 月曜から金曜 9:00から17:00
2026年2月16日から4月10日まで 専用フリーダイヤル 0120-390094 月曜から金曜 9:00から17:00(4月10日で終了)
2026年2月13日から 専用ダイヤル(3回線) 070-3084-1733、070-3084-1646、070-3084-1535 第1報と第2報で案内(現在の窓口ではない)

070-3084-1910は、第1報から第4報まではメディア関係者向けの窓口として案内されていた番号です。第7報で、4月13日からは患者などからの問い合わせの専用ダイヤルとして案内されています。古い記事に載っているフリーダイヤルや3回線の番号ではなく、第7報の番号を使ってください。

電話の前に、次の点をメモにしておくと話がまとまりやすくなります。

  • 受診した人の氏名と生年月日、診察券の番号(患者ID)
  • 受診した時期と、外来か入院か
  • 院長名義の封書が届いたかどうか
  • 不審な電話やSMS、郵便があれば、その日時と内容

医療機関と取引先の情報の扱い

今回の侵入の入り口は、医療機器の保守の会社が外から接続するためのVPN装置でした。病院の中のシステムそのものではなく、外部の会社が保守のために使う接続口が狙われた形です。第5報の再発防止策でも、外部接続を原則として都度接続にすることや、接続元のアドレスを制限することが挙げられています。

個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページには、「医療機関における個人情報の取扱い」に関する注意喚起の資料が載っています。医療機関では、患者の情報を扱う機器が多く、保守の会社など外部の事業者との接続も多いことから、委託先との接続の管理が大切になります。

同じページでは、報告が義務づけられる場合の例として、病院における患者の診療情報や調剤情報を含む個人データを記録したUSBメモリーをなくした場合が挙げられています。診療情報や調剤情報は、要配慮個人情報にあたるためです。今回の件で漏洩したと発表された患者の項目は、患者ID、氏名、性別、住所、電話番号、生年月日で、カルテ情報の漏洩は確認されていないとされています。医療機関の情報でも、どの項目が含まれるかによって、扱いの重さが変わるということです。

在宅で仕事をする人が気をつけること

在宅で業務委託の仕事を受けている人の中には、医療機関の事務、システムの保守、Webサイトの運営などを請け負い、外から取引先のネットワークに接続する人もいます。今回のように、外部の会社が保守のために使う接続口が狙われることがあるため、外から取引先につなぐ立場の人は、その入り口を守る責任も担っています。

個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、事業者に委員会への報告が義務づけられる場合として、要配慮個人情報(病歴や診療・調剤の情報など、とくに慎重に扱う情報)を含む漏えい等、不正に使われるとお金の被害が出るおそれがある漏えい等、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等、本人の数が1,000人を超える漏えい等が挙げられています。不正アクセスによる漏えいやランサムウェアによる暗号化は、不正の目的で行われたおそれがある例として示されています。報告は発覚したら速やかに行い、不正の目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。

業務委託で個人情報を扱う人が、自分の端末やアカウントから預かった情報を漏らしてしまった場合、まず対応を迫られるのは委託元の取引先です。どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるので、ここでは断定できません。ただ、気づいた時点ですぐ取引先に伝えることが、取引先が必要な手続きを進めるうえで欠かせない点は変わりません。

今回の件をきっかけに、外から取引先につなぐ仕事について次の点を見直しておくと安心です。

  • 取引先のVPNやリモート接続に使うアカウントに、多要素認証を設定しているか
  • 接続に使う機器やソフトを、最新の状態にしているか
  • 使っていないときも、取引先への接続をつなぎっぱなしにしていないか
  • 取引先の管理者のパスワードを、推測しにくい長いものにしているか
  • 接続の記録や異変に気づいたとき、取引先の誰に、どの手段で連絡するかを決めているか

ランサムウェアの侵入経路ごとの防ぎ方は、ランサムウェアへの対策|侵入経路別の防御とバックアップ設計の実務で整理しています。

フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く取引が続く人ほど、納品物の質だけでなく、預かった情報の扱い方で信頼を得ています。使い終わった接続は閉じる、パスワードを使い回さない、といった地味な手当てが、そのまま取引先からの評価につながっていきます。中間の手数料が乗らない直接の取引では、こうした信頼がそのまま次の依頼と手取りの厚さに結びつきます。

情報を守る知識を仕事に生かす

医療機関や中小の会社では、職員向けのセキュリティ教育の資料づくりや、外部接続の点検の手伝いを外部の人に頼むことがあります。今回の病院の再発防止策にも、フィッシングやSMS詐欺の対策、パスワードの使い回しの禁止といった職員教育が挙げられていました。職員向けの訓練の進め方は、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドで紹介しています。訓練の文面づくりや、受けた人の結果の取りまとめは、外部の人に頼まれることもある作業です。医療機関向けであれば、患者の情報を扱う現場の流れを理解していることが、そのまま強みになります。

セキュリティの仕事を在宅で受けたい場合、いきなり専門的な診断の仕事を目指す必要はありません。公式の発表から「誰の、どの情報が、どの経路で漏れたのか」を正確に読み取り、整理する力は、それだけで役に立ちます。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。

日本医科大学武蔵小杉病院の件は、2026年11月1日時点で4月9日の第7報が最新の報告で、対象の患者へのお詫び状の発送も終わっている段階です。受診したことがある人と家族は、封書の確認、病院を名乗る電話でカード番号やパスワードを答えないこと、不審なSMSやはがきへの注意を続け、続報は病院の公式サイトのお知らせで確かめてください。

よくある質問

Q. 入院したことがなく外来だけで受診した場合も対象ですか?

対象になりえます。2026年2月27日の第5報では、ナースコールサーバーの仕組み上、入院歴の有無にかかわらず患者の基本情報が更新されるたびに自動で送られてたまっていたため、外来と入院中の患者約13万人に範囲が広がったと説明しています。院長名義の封書が届いていれば対象です。気になる場合は専用ダイヤル(070-3084-1910)に確かめてください。

Q. 病名や診療の内容も漏れたのですか?

第5報で示された患者の項目は、患者ID、氏名、性別、住所、電話番号、生年月日です。カルテ情報、クレジットカード情報、マイナンバーカード情報の漏洩は、第5報の時点で確認されていないとされています。電子カルテや医事会計システムなどの基幹システムへの不正アクセスはなかったことも、2月13日に確認されています。

Q. 封書が届いていないのですが、どうすればよいですか?

2026年3月26日の第6報では、対象の患者へのお詫び状の発送を3月19日までにすべて終えたとしています。届いていない場合でも、受診したことがあって気になるときは、専用ダイヤル(070-3084-1910、月曜から金曜 9:00から17:00)に問い合わせてください。以前の0120-390094のフリーダイヤルは4月10日で終了しています。

Q. 病院から電話でカード番号を聞かれたら、答えてよいですか?

答えないでください。病院は第5報から第7報で、患者へ電話でクレジットカード番号や各種パスワードを聞くことは一切ないと明記しています。聞かれた時点で電話を切り、気になる場合は届いた番号に折り返さず、病院の公式サイトに載っている専用ダイヤルに自分からかけ直して確かめてください。不審なSMSやはがきにも注意が呼びかけられています。

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監修:@SOHO編集部

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公開:2026年11月1日
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