藤田医科大学病院の情報漏えいの可能性|患者 1,365件 氏名・生年月日・病名・検査データ 対象と確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓藤田医科大学病院の情報漏洩について
- ✓2026年6月3日の公表をもとに整理
- ✓患者1,365件の氏名・生年月日・病名・検査データなどが外部に漏洩した可能性と
藤田医科大学病院の情報漏洩について、同院(愛知県豊明市)は2026年6月3日、勤務する看護師が院内規程に反して患者の個人情報を個人用パソコンに保存しており、そのパソコンがサポート詐欺の被害に遭ったため、個人情報が外部に漏洩した可能性があると発表しました。総件数は1,365件で、腎臓の病気の治療に関わる一部の患者の氏名、性別、生年月日、患者ID、病名、転帰、入退院日、検査データのうち、複数の項目を含む情報です。住所、電話番号、メールアドレス、マイナンバーカード、クレジットカードの情報は含まれていないと明記されています。 自分が対象かもしれないと思った人は、病院から届くお詫びと経過の報告を確かめ、分からなければ病院の事務部の窓口に問い合わせます。 病院を名乗る連絡で、カード番号や口座、パスワードを聞かれても答えないことも決めておきます。
公表から約5か月がたった2026年11月1日時点で、病院のお知らせ一覧を開き直して確かめたところ、この件の続報(第2報、調査結果、件数の更新、補償の案内)は掲載されていません。公表は6月3日の1本だけです。この記事は、その公式発表「個人情報漏洩に関するご報告とお詫び」の記載だけをもとに書いています。報道の数字や推測は入れていません。
藤田医科大学病院の情報漏えいの可能性で何が起きたのか
藤田医科大学病院は、学校法人藤田学園が運営する大学病院です。今回の件は、病院のシステムに外から攻撃が入ったものではありません。病院に勤める看護師が、院内の決まりに反して患者の情報を自分のノートパソコンに保存しており、そのパソコンが自宅でサポート詐欺の被害に遭った、というのが発表の骨子です。
サポート詐欺とは、ウェブサイトを見ている最中に「ウイルスに感染しました」などの偽の警告を出し、表示された番号に電話をかけさせて、パソコンを遠隔操作させたり、お金を払わせたりする手口のことです。
発表の要点は次のとおりです。
- 当院に勤務する看護師が、院内規程に反して患者の個人情報を個人用パソコン(個人PC)に保存していた
- その個人PCがサポート詐欺の被害に遭い、個人情報が外部に漏洩した可能性のある事案が発生した
- 情報漏洩の元となった端末は、職員個人の所有するノートパソコン1台
- 漏洩した個人情報の総件数は1,365件
- 現時点で、情報の不正利用等は確認されていない
- 病院の医療情報システムへの影響も確認されておらず、病院業務は通常通り
ここで押さえておきたいのは、病院のカルテのシステムが攻撃されたわけではない、という点です。発表では、病院の情報システム管理部門が調べた結果、サポート詐欺の被害は個人PCだけにとどまっており、カルテを含む病院本体のシステムへの影響はないと確認したと書かれています。そのため、この病院にかかったことがある人全員が対象になるわけではありません。対象は、後の節で説明する3つのグループのうち、一部の患者です。
一方で、漏れた可能性がある情報には、病名や検査データが含まれています。病名や検査の結果は、法律の上でもとくに慎重に扱うべき情報とされています。連絡先は含まれていないものの、対象の人にとっては気になる内容です。だからこそ、何が含まれて何が含まれないのか、自分が対象かをどう確かめるのかを、公式の記載に沿って順に整理していきます。
公表の経緯と2026年11月1日時点で分かっていること
病院の発表に書かれた経緯を、日付の順に並べると次のとおりです。
| 日付 | 発表に書かれた出来事 |
|---|---|
| 5月25日 | 看護師が自宅で個人PCを使ってウェブサイトを見ていたところ、警告音とともに警告表示が出て画面が停止。表示された先へ連絡し、指示に従って送られたURLにアクセスしたところ、個人PCに不正に侵入された。さらに第三者による遠隔操作を受け、ウイルス駆除費用の名目で金銭を請求された |
| 5月28日から30日 | 身に覚えのないクレジットの請求や、携帯電話のアカウント変更などのメールが届く |
| 5月30日 | 看護師が独自に専門業者へ調査と復旧を依頼したところ、詐欺および情報漏洩の可能性を指摘される。看護師から病院へ事案を報告 |
| 5月31日から6月1日 | 病院の情報システム管理部門が漏洩状況の調査を開始。サポート詐欺の被害は個人PCのみにとどまっており、カルテを含む病院本体のシステムへの影響はないことを確認 |
| 6月3日 | 病院が「個人情報漏洩に関するご報告とお詫び」を公表(病院長 今泉 和良の名前で、患者様各位にあてたもの) |
病院の公式ページには、発表の本文が次のように書かれています。
この度、当院に勤務する看護師が、院内規程に反して患者様の個人情報を個人用パソコン(以下、個人PC)に保存していたところ、当該個人PCがサポート詐欺の被害に遭い、個人情報が外部に漏洩した可能性のある事案が発生いたしました。 出典: 藤田医科大学病院「個人情報漏洩に関するご報告とお詫び」
2026年11月1日時点で、病院のお知らせ一覧には、6月3日の発表のあとにこの件の続きのお知らせは出ていません。つまり、次の点は公式には示されていない状態です。
- 実際に外部へ持ち出された情報があったかどうかの確定
- 1,365件という件数の見直し
- 対象の患者への補償やお詫びの品の有無
- 情報の不正利用が確認されたかどうかの続報
6月3日の時点では「情報の不正利用等は確認されておりません」と書かれており、それ以降に別の事実が公表された形跡はありません。ただし、続報が出ていないことは「何も起きなかった」と同じ意味ではありません。病院は対象の患者へ個別にお詫びと経過の報告を行うとしているため、対象の人には、ウェブサイトに載らない形で説明が届いている可能性があります。届いた書面があれば、その内容が最も新しい情報です。
なお、検索するとこの件を取り上げた報道や解説の記事がいくつも見つかります。それらには、公式発表に書かれていない説明が含まれていることがあります。対象の範囲や件数を確かめるときは、病院の公式発表と、病院から届いた書面を基準にしてください。
漏えいした可能性がある情報と含まれない情報
発表では、漏洩した個人情報の主な内容として、対象の患者について「氏名、性別、生年月日、患者ID、病名、転帰、入退院日、検査データのうち、複数の項目を含む情報」と書かれています。すべての人について全項目がそろっているわけではなく、人によって含まれる項目の組み合わせが違う、という書き方です。
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| 漏洩した可能性がある情報 | 氏名、性別、生年月日、患者ID、病名、転帰、入退院日、検査データのうち、複数の項目を含む情報 |
| 含まれていないと明記された情報 | 住所、電話番号、メールアドレス、マイナンバーカード、クレジットカードの情報 |
いくつかの言葉を補っておきます。
- 患者IDとは、病院が患者ごとに付けている番号のことです
- 転帰とは、治療の結果どうなったか(よくなった、通院を続けている、など)を表す医療の言葉です
- 検査データとは、血液検査などの結果の数値のことです
含まれない情報がはっきり書かれている点は、対象の人が何に備えればよいかを決めるうえで大切です。住所、電話番号、メールアドレスが含まれていないため、今回の情報だけで直接、自宅に郵便が届いたり、電話がかかってきたりする手がかりにはなりにくいと考えられます。クレジットカードの情報も含まれていないため、今回の件だけを理由にカードを止める必要は、発表からは示されていません。
ただし、氏名と生年月日、病名の組み合わせは、本人にとって知られたくない情報です。病名や検査の結果は、個人情報保護委員会の案内でも「要配慮個人情報」に当たるとされています。要配慮個人情報とは、病歴や健康診断その他の検査の結果など、知られると差別や偏見につながるおそれがあるため、とくに慎重に扱う情報のことです。
もう1つ、検索で見つかる一部の情報には、漏れた項目に「クレジットカード」が含まれるように読めるものがあります。病院の発表では、クレジットカードの情報は含まれていないと明記されています。混乱しないよう、発表の表のとおりに覚えておいてください。発表にある「身に覚えのないクレジット請求」は、被害に遭った看護師本人に届いたメールの話で、患者のカード情報の話ではありません。
対象になる患者の範囲
発表では、対象を次の3つのグループの「一部の患者様」と書いています。
| 時期 | 対象のグループ |
|---|---|
| 2024年から2025年 | 末期腎不全の病名登録がある一部の患者様 |
| 2004年から2025年 | 腹膜透析を受けた一部の患者様 |
| 2021年から2024年 | 腎代替療法指導を受けた一部の患者様 |
それぞれの言葉を説明しておきます。
- 末期腎不全とは、腎臓の働きが大きく落ち、透析などの治療が必要になる段階のことです
- 腹膜透析とは、おなかの中の膜を使って血液をきれいにする透析の方法で、自宅で行うことが多い治療です
- 腎代替療法指導とは、腎臓の働きの代わりになる治療(透析や腎移植など)を選ぶために、医師や看護師から説明を受けることを指します
3つのグループのどれにも「一部の」と付いている点に注意してください。たとえば、2004年から2025年の間に藤田医科大学病院で腹膜透析を受けたことがある人でも、全員が対象とは限りません。発表は、どういう条件で「一部」なのかを説明していません。そのため、自分がこのどれかに当てはまっても、それだけで「対象だ」と決めつけず、病院からの報告と窓口で確かめることになります。
反対に、この3つのグループのどれにも当てはまらない人は、今回の発表の対象ではないと読めます。腎臓の病気とは関係のない診療科にかかっただけの人、健康診断だけを受けた人などは、発表の対象の書き方からは外れています。それでも不安が残るときは、後の節にある窓口に問い合わせれば、対象かどうかを確かめられます。
家族が腹膜透析などで通院していた、あるいは亡くなった家族が通院していた、という人もいるはずです。家族の情報が対象かどうかを確かめたいときも、問い合わせ窓口に相談する形になります。窓口では本人確認が必要になることがあるため、本人との関係が分かるものや、診察券の番号などを手元に用意しておくと話が進みやすくなります。
原因はサポート詐欺と個人PCへの保存
発表が原因として書いているのは、2つのことが重なった点です。
- 看護師が、院内規程に反して患者の個人情報を個人PCに保存していたこと
- その個人PCが、自宅でウェブサイトを見ている最中にサポート詐欺の被害に遭ったこと
サポート詐欺の流れは、発表に書かれた5月25日の出来事がそのまま典型例になっています。警告音とともに画面に警告が出て、画面が止まる。表示された先に連絡すると、指示どおりにURLへアクセスさせられ、パソコンに入り込まれる。そのうえで遠隔操作を受け、ウイルスを駆除する費用だと言って金銭を求められる、という流れです。
情報処理推進機構(IPA)は、こうした偽の警告について、次のように注意を呼びかけています。
画面が表示されただけであれば、パソコンは「コンピュータウイルス」には感染しておらず、「偽セキュリティ警告画面」を閉じるだけで問題ありません。 出典: IPA「偽セキュリティ警告画面の閉じ方体験サイト」
IPAの同じページには、画面を閉じられずに電話をかけてしまい被害に遭う相談が多いこと、偽の警告画面は「ESC」キーを長押しすると閉じるボタンが現れる場合があることが、体験サイトの説明として載っています。関連情報として「会社や組織のパソコンにセキュリティ警告が出たら、管理者に連絡!」「遠隔操作を他人に安易に許可しないで」という案内も並んでいます。
今回の件で、病院の業務用のシステムに被害が出なかったのは、問題の端末が個人のパソコンだったからです。逆に言えば、本来は病院の管理の下にあるはずの患者の情報が、病院の管理の外にある端末に保存されていたことが、漏洩の可能性につながりました。発表で病院が再発防止として、全職員への個人情報保護の教育研修と、発生に至ったプロセスや課題の検証を挙げているのは、この点を受けてのものです。
サポート詐欺の手口と、被害に遭ったときの手当ては、パソコンサポートを装う詐欺の手口でも、画面の閉じ方や相談先を含めて説明しています。
発表には、看護師がいつから情報を保存していたか、どのファイルにどの形で保存していたか、といった細かい点は書かれていません。報道ではいくつかの説明が出ていますが、公式に書かれていないことは、ここでは扱いません。
病院の対応と今後の連絡
発表に書かれた病院の対応は、次のとおりです。
- 対象となる患者へ、近日中にお詫びと経過の報告を行う
- 相談窓口を設置し、不安や問い合わせに誠実に対応する
- 全職員への個人情報保護に関する教育研修を行う
- 本事案の発生に至ったプロセスと課題を検証し、再発防止に取り組む
あわせて、患者のための問い合わせ窓口と、メディア関係者のための窓口が分けて案内されています。
発表には、補償やお詫びの品についての記載はありません。対象の患者に何かが支払われるのか、どういう形で説明が届くのかは、ウェブサイトの発表からは分かりません。情報漏洩のあとに会社や病院がどういう形で補償することがあるのか、一般的な考え方は情報漏洩の補償はもらえるのかで整理していますが、今回の病院が何をするかは、病院から届く書面と窓口で確かめるほかありません。
また、発表では、情報の不正利用は確認されていないとされています。これは6月3日の時点の記載です。それ以降に不正利用が見つかったという公表は、2026年11月1日時点でありません。
病院が「近日中に」報告を行うとしてから、すでに数か月がたっています。対象の人には、すでに書面などで説明が届いている可能性が高いと考えられます。手元に病院からの郵便があれば、まず開いて内容を確かめてください。病院からの郵便を受け取った覚えがないのに、自分が対象のグループに当てはまりそうな人は、窓口に問い合わせると確実です。
通院を続けている人が知っておきたいこと
腹膜透析や腎臓の病気の治療で、今も藤田医科大学病院に通っている人もいるはずです。発表では、病院の医療情報システムへの影響は確認されておらず、病院業務は通常通り実施していると書かれています。カルテを含む病院本体のシステムは被害を受けていないため、今回の件を理由に、予約の取り直しや通院先の変更を求める案内は出ていません。
通院の予定がある人は、受診の日に、受付や事務の窓口で今回の件について尋ねることもできます。電話がつながりにくいときや、電話で話しにくい内容があるときは、直接たずねるほうが落ち着いて確かめられる場合があります。そのときも、対象かどうかの確認に必要なのは、氏名や生年月日、診察券などで、カード番号や暗証番号を求められることはありません。
治療の内容そのものについての不安は、主治医や看護師に相談してください。今回の件は情報の扱いの問題であり、治療の中身が変わるという案内は発表にありません。治療を続けるか、どう続けるかを、情報漏洩の件だけで判断しないことが大切です。
情報の不正利用が確認されていないという意味
発表には「現時点で、情報の不正利用等は確認されておりません」と書かれています。この一文は、漏洩の可能性がある情報が、たとえば誰かへの連絡や売買に使われたという事実は、病院が調べた範囲では見つかっていない、という意味です。
一方で、「外部に漏洩した可能性のある事案」とも書かれています。遠隔操作を受けたパソコンに患者の情報が保存されていた以上、第三者がその情報を見たり持ち出したりした可能性を、病院は否定できていない、ということです。「可能性がある」と「不正利用は確認されていない」は、同時に成り立つ書き方です。
そのため、対象の人は「何も起きていないから何もしなくてよい」とも、「必ず悪用される」とも考えず、病院からの書面を確かめ、不審な連絡に答えないという備えをしておくのが落ち着いた対応です。今後、病院が新しい事実を公表した場合に備えて、ときどき病院のお知らせ一覧を開いて確かめておくと、続報を見落とさずに済みます。
自分が対象かを確かめる方法
自分や家族が対象かを確かめる手順は、次の順に進めると迷いません。
- 自分が、前の節の3つのグループ(末期腎不全の病名登録、腹膜透析、腎代替療法指導)のどれかに当てはまるかを思い出す
- 当てはまるなら、藤田医科大学病院から届いた郵便や書面がないか、2026年6月以降のものを中心に探す
- 書面があれば、対象かどうかと、どの項目が含まれていたかを確かめる
- 書面が見当たらない、または内容が分からない場合は、病院の事務部の窓口に電話で問い合わせる
問い合わせのときは、次のものを手元に用意しておくと話が進みやすくなります。
- 診察券
- 通院していた時期と診療科のおおよその記憶
- 届いた書面があれば、その書面
- 家族のことを問い合わせる場合は、本人との関係が分かるもの
気をつけたいのは、病院を名乗る連絡が向こうからかかってきた場合です。病院の発表には、患者に電話でカード番号や口座を聞く、といった記載は一切ありません。今回の件を理由に、病院の職員を名乗る人から「確認のため」と言ってお金や暗証番号、カード番号、パスワードを聞かれたら、その場で答えず電話を切ってください。そのうえで、自分で病院の公式ページに載っている番号を調べて、かけ直します。
ここで「かけ直す番号」は、相手が教えてくれた番号ではなく、病院の公式ページに載っている番号であることが大切です。この記事の後の節に、公式発表に載っている番号をそのまま書いています。
対象かもしれない人がすること
ここからは、対象かもしれない人が、実際に何をすればよいかを具体的に書きます。漏れた可能性がある項目に、連絡先やカードの情報が含まれていないため、するべきことはそれほど多くありません。大切なのは、焦って余計な行動を取らないことです。
病院からの書面を確かめる
まず、病院から届いた書面を確かめます。対象の患者には、お詫びと経過の報告を行うと発表されています。書面には、対象であることや、含まれていた項目、問い合わせ先が書かれているはずです。書面が手元にあれば、それが自分にとって最も正確な情報になります。
病院を名乗る不審な連絡に答えない
次に、病院や医療機関を名乗る不審な連絡への備えです。今回の情報に電話番号やメールアドレスは含まれていませんが、ニュースになった件に便乗して、病院や役所、保険会社を名乗る連絡が来ることは、ほかの事案でもよく見られます。次のような連絡には応じないと決めておきます。
- 「お詫びの返金がある」と言って、口座番号や暗証番号を聞く
- 「本人確認のため」と言って、カード番号やマイナンバーを聞く
- 「調査に協力してほしい」と言って、パソコンやスマートフォンに遠隔操作のアプリを入れさせようとする
- SMSやメールで、病院の名前を付けたURLを送ってきて、開かせようとする
病名を知られて困る相手がいるかを考える
病名や検査データが含まれている点は、対象の人にとって最も気になるところです。勤め先や身近な人に病名を知られて困る事情がある人は、もし今後、病名を知っていることをほのめかす不審な連絡があった場合に備えて、その日時と内容をメモしておき、病院の窓口に相談できるようにしておきます。2026年11月1日時点で、情報の不正利用は公表されていませんが、何かあったときに記録が残っていると、病院も状況をつかみやすくなります。
家族に一声かける
通院していた家族がいる人、家族の通院に付き添っていた人は、家族と今回の件を話しておくと安心です。とくに高齢の家族は、病院を名乗る電話に丁寧に応じてしまいがちです。「病院を名乗る電話でお金や番号を聞かれたら、答えずに切って家族に相談する」と決めておくだけで、便乗した詐欺を防ぎやすくなります。
しなくてよいこと
反対に、今回の件だけを理由に、次のことをする必要は発表からは示されていません。
- クレジットカードを止める(カードの情報は含まれていない)
- 病院の診察券を作り直す、通院先を変える(患者IDの扱いについて発表に指示はない)
- メールアドレスや電話番号を変える(どちらも含まれていない)
もちろん、カードの明細に身に覚えのない請求があれば、今回の件と関係があるかどうかにかかわらず、すぐにカード会社に連絡してください。個人情報が漏れたときの一般的な対応の順番は、個人情報が漏えいしたときの対応にまとめています。
病院や医療機関を名乗る連絡の見分け方
病院を名乗る連絡は、本物と偽物を見分けにくいものです。ここでは、連絡の手段ごとに、確かめ方を整理します。
電話の場合
電話で病院を名乗られたら、次の点を確かめます。
- 相手がお金、口座、カード番号、暗証番号、パスワードの話をしていないか
- 「今すぐ」「今日中に」と急がせていないか
- 折り返しの番号として、病院の公式ページにない番号を伝えてこないか
1つでも当てはまれば、いったん電話を切ります。そのうえで、病院の公式ページに載っている番号に自分からかけ直して、本当にその連絡があったかを確かめます。
SMSとメールの場合
SMSやメールで病院を名乗られたら、本文のURLを開かないことが基本です。今回の情報にメールアドレスや電話番号は含まれていないため、病院から今回の件でSMSやメールが来る理由は、発表からは読み取れません。病院の名前が入っていても、それだけで本物とは限りません。
郵便の場合
郵便で届いた書面は、差出人の住所と電話番号が、病院の公式ページに載っているものと同じかを確かめます。病院の住所は、愛知県豊明市沓掛町田楽ケ窪1番地98と公式ページに載っています。書面に書かれた問い合わせ先の番号が、この記事の後の節にある番号と違う場合は、その番号にはかけず、病院の代表番号に確かめてください。
パソコンに警告が出たとき
今回の原因になったサポート詐欺は、病院の患者に限らず、誰のパソコンにも起こりうるものです。ウェブサイトを見ている最中に、警告音とともに「ウイルスに感染しました」などと出ても、表示された番号には電話をかけないでください。IPAの案内のとおり、画面が表示されただけであればウイルスには感染しておらず、画面を閉じるだけで済みます。会社や組織から預かったパソコンであれば、自分で対処しようとせず、管理者に連絡します。
問い合わせ窓口
今回の件の問い合わせ先は、病院の発表に次のとおり載っています。
| 名称 | 電話番号 | 受付時間 |
|---|---|---|
| 藤田医科大学病院 事務部(患者様のお問い合わせ窓口) | 0562-93-2962・9798 | 月曜から金曜 8時45分から17時00分、土曜 8時45分から12時30分 |
| 学校法人藤田学園 法人本部広報部(メディア関係者様のお問い合わせ窓口) | 0562-93-2868・2492 | 月曜から金曜 8時45分から17時00分 |
患者や家族が問い合わせるのは、上の段の事務部です。下の段は報道機関向けの窓口なので、患者の問い合わせには使いません。番号は発表の表記のまま載せています。
電話をかける前に、次の点をメモにしておくと話がまとまりやすくなります。
- 自分(または家族)の氏名と生年月日
- 診察券に書かれた番号
- 通院していた時期と、前の節の3つのグループのどれに当てはまりそうか
- 届いた書面があれば、その日付と内容
- 確かめたいこと(自分が対象か、どの項目が含まれていたか、など)
窓口に電話するときも、パスワードやカード番号を伝える必要はありません。もし電話口でそれらを聞かれたら、その番号が本当に公式の窓口かを確かめ直してください。
在宅で仕事をする人が気をつけること
今回の件は、病院の職員が、決まりに反して仕事の情報を個人のパソコンに保存していたところから起きました。これは医療の現場に限った話ではありません。在宅で業務委託の仕事を受けている人も、取引先から顧客の名簿、原稿、デザインのデータなどを預かり、自分のパソコンで作業することがよくあります。自分のパソコンがサポート詐欺などの被害に遭えば、預かった取引先の情報まで外に出るおそれがあります。
個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、事業者に委員会への報告が義務づけられる場合として、要配慮個人情報(病歴、健康診断その他の検査の結果、診療の情報など)が含まれる漏えい等、不正に使われるとお金の被害が出るおそれがある漏えい等、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等、本人の数が1,000人を超える漏えい等が挙げられています。要配慮個人情報の例として「病院における患者の診療情報や調剤情報を含む個人データを記録したUSBメモリーを紛失した場合」が示されており、件数が少なくても報告の対象になりうることが分かります。報告は発覚したら速やかに行い、不正の目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。
業務委託で個人情報を扱う人が、自分の端末から預かった情報を漏らしてしまった場合、まず対応を迫られるのは委託元の取引先です。どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるので、ここでは断定できません。ただ、気づいた時点ですぐ取引先に伝えることが、取引先が必要な手続きを進めるうえで欠かせない点は変わりません。今回の発表でも、看護師が専門業者に調べてもらい、漏洩の可能性を指摘された日に病院へ報告したことが書かれています。
今回の件をきっかけに、仕事で使う端末とアカウントについて、次の点を見直しておくと安心です。
- 取引先の決まりで、自分のパソコンにデータを保存してよいことになっているか
- 取引先から預かったデータを、仕事が終わったあとも手元に残していないか
- 家族と共用しているパソコンに、仕事のデータを保存していないか
- 仕事のメールやクラウドのアカウントに、多要素認証を設定しているか
- パソコンに偽の警告が出たとき、電話をかけずに画面を閉じる方法を知っているか
- 自分の端末で不審な動きに気づいたとき、取引先の誰に、どの手段で連絡するかを決めているか
フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く取引が続く人ほど、納品物の質だけでなく、預かった情報の扱い方で信頼を得ています。作業が終わったデータを削除する、仕事と個人の端末やアカウントを分ける、といった地味な手当てが、そのまま取引先からの評価につながっていきます。中間の手数料が乗らない直接の取引では、こうした信頼がそのまま次の依頼と手取りの厚さに結びつきます。
情報の守り方を仕事に生かす
情報の守り方は、自分の身を守る知識であると同時に、仕事として求められる力でもあります。病院や企業の中には、職員向けのセキュリティの研修資料の作成、偽の警告やフィッシングメールへの注意を呼びかける文面づくり、社内の端末やアカウントの棚卸しの手伝いなどを、外部の人に頼むところがあります。今回のような事案を、公式の発表から正確に読み取り、「何が含まれて何が含まれないか」「対象の人は何をすればよいか」を整理する作業も、その一つです。
職員の意識を高める取り組みとして、模擬のフィッシングメールを使った訓練を行う組織もあります。その効果や進め方は、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドで紹介しています。
セキュリティの仕事を在宅で受けたい場合、いきなり専門的な診断の仕事を目指す必要はありません。まずは自分の端末とアカウントの管理を整え、事案の発表を正確に読む習慣をつけるところから始められます。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。
藤田医科大学病院の件は、2026年11月1日時点で、6月3日の発表のあとに続報が出ていない段階です。腎臓の病気の治療で通院していた人やその家族は、病院から届いた書面を確かめること、病院を名乗る連絡でお金や番号を聞かれても答えないこと、分からないことは事務部の窓口に問い合わせることの3つを先に済ませておいてください。
よくある質問
Q. 藤田医科大学病院にかかったことがあれば、必ず対象になりますか?
対象は、2024年から2025年に末期腎不全の病名登録がある一部の患者、2004年から2025年に腹膜透析を受けた一部の患者、2021年から2024年に腎代替療法指導を受けた一部の患者です。どれにも「一部の」と付いているため、当てはまっても全員が対象とは限りません。分からないときは事務部の窓口(0562-93-2962)に確かめてください。
Q. クレジットカードを止める必要はありますか?
2026年6月3日の発表では、クレジットカードの情報は含まれていないと明記されています。住所、電話番号、メールアドレス、マイナンバーカードも含まれていません。そのため、今回の件だけを理由にカードを止める必要は示されていません。ただし明細に身に覚えのない請求があれば、すぐにカード会社へ連絡してください。
Q. 続報や補償の案内は出ていますか?
2026年11月1日時点で、病院のお知らせ一覧に続報は掲載されていません。補償やお詫びの品についても、発表には記載がありません。病院は対象の患者へ個別にお詫びと経過の報告を行うとしているため、対象の人は届いた書面を確かめ、分からない点は窓口に問い合わせてください。
Q. 病院を名乗る電話がかかってきたら、どうすればよいですか?
お金、口座、カード番号、暗証番号、パスワードの話が出たら、答えずに電話を切ってください。そのうえで、病院の公式ページに載っている番号に自分からかけ直して、本当に連絡があったかを確かめます。相手が教えた番号にはかけ直さないことが大切です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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