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徳島大学病院の不正アクセス|検体検査の患者16,945件 氏名・生年月日などに漏えいの可能性 2026

@SOHO編集部
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徳島大学病院の不正アクセス|検体検査の患者16,945件 氏名・生年月日などに漏えいの可能性 2026

この記事のポイント

  • ✓徳島大学病院の情報漏洩について
  • ✓2025年12月22日の公表とFAQの更新をもとに整理
  • ✓検体検査を受けた患者16,945件と職員の情報に漏えいの可能性があり

徳島大学病院の情報漏洩について、徳島大学病院は2025年12月22日、病院が管理するシステムに外部からの不正アクセスがあり、登録されている個人情報が漏えいした可能性があると公表しました。対象は、2025年7月25日から10月22日までに病院で検体検査(血液・尿など)を受けた患者16,945件の氏名、性別、生年月日、患者IDなどと、職員の情報です。検査結果(検査値)は含まれていません。 対象になりうる人がまずすることは、病院から届く郵送やメールの通知を確かめること、そして病院を名乗る不審な電話や請求に応じず、病院の問い合わせフォームに知らせることです。 看護キャリア支援システムに登録されている職員は、パスワードが含まれているため、同じパスワードを使っている他のサービスの設定を見直します。

公表から10か月あまりがたった2026年11月1日時点で、お知らせのページには、外部機関による詳細な調査を行った結果、現時点で情報の漏えいや不正使用の痕跡は確認されていないと書かれています。よくある質問(FAQ)は2025年12月25日と2026年1月26日に更新され、患者向けのFAQでは要配慮個人情報についての回答が2026年1月15日付で訂正されています。2026年の患者さん向けのお知らせの一覧を開いて確かめた範囲では、この件の続報(新しい調査結果や補償の案内)は掲載されていません。

この記事は、2026年11月1日に徳島大学病院のお知らせと3種類のFAQを開き直して確かめた内容だけで書いています。報道の数字や推測は入れていません。

徳島大学病院の不正アクセスで何が起きたのか

徳島大学病院は、徳島市蔵本町にある大学病院です。今回のお知らせは「【重要なお知らせ】個人情報漏えいの可能性について」という題で、病院のサイトの患者さん向けニュースに掲載されています。

お知らせの要点は次のとおりです。

  • 病院が管理するシステムに外部から不正アクセスがあった
  • 不正アクセスがあった期間は2025年10月11日から10月22日まで
  • 判明したのは2025年10月29日
  • 登録されている個人情報が漏えいした可能性があることが分かった
  • 対象は、検体検査(血液・尿など)に関わる情報と、看護キャリア支援システムの情報の2つ
  • 外部機関による詳細な調査の結果、現時点で情報の漏えいや不正使用の痕跡は確認されていない
  • 現時点で二次被害は確認されていない

お知らせの冒頭には、次のように書かれています。

このたび、当院が管理するシステムに対し外部からの不正アクセスがあり、登録されている個人情報が漏えいした可能性があることが判明しましたが、外部機関による詳細な調査を実施した結果、現時点で情報の漏えいや不正使用の痕跡は確認されておりません。 出典: 徳島大学病院「【重要なお知らせ】個人情報漏えいの可能性について」

ここで大事なのは、「漏えいした可能性」と「漏えいの痕跡は確認されていない」が同じ文の中に並んでいることです。不正アクセスそのものは起きていて、情報が外に出た可能性は否定できない。けれども、専門の調査会社が記録を調べた範囲では、実際に持ち出された跡や悪用された跡は見つかっていない。お知らせはこの2つを両方伝えています。

患者向けのFAQにも、同じ考え方が書かれています。「自分の情報は漏えいしましたか」という問いに対し、現時点では情報漏えいの事実は確認されていないこと、ただし可能性を完全に否定できないため調査を行ったことが答えとして示されています。

そのため、この記事でも「漏えいした」とは書かず、病院の表現どおり「漏えいした可能性」「漏えいのおそれ」と書きます。可能性の段階であっても、病院を名乗る連絡に注意するなど、利用者の側でできる備えはあります。それを後の節で順に説明します。

公表の経緯と2026年11月1日時点の状況

徳島大学病院のこの件は、お知らせ1本と、それにひもづくFAQ3本で案内されています。続報を別のお知らせとして出す形ではなく、同じお知らせのページとFAQを更新していく形です。

日付 出来事 分かったこと
2025年10月11日から10月22日 外部からの不正アクセスが発生 発生日時としてお知らせに記載
2025年10月29日 判明 不正アクセスの可能性を確認
2025年12月22日 お知らせを公表 漏えいのおそれがある情報、対象件数、病院の対応、問い合わせ方法
2025年12月24日・25日 FAQを掲載・更新 看護キャリア支援システム、職員の検体検査、患者の検体検査の3種類
2026年1月15日 患者向けFAQを訂正 要配慮個人情報に該当する可能性があると回答を改めた
2026年1月26日 FAQを更新 お知らせのページに更新の記載

公表まで約2か月かかった理由も、FAQで説明されています。病院の説明は大きく2つです。1つは、影響の範囲を正確に特定する必要があったこと。不正アクセスの痕跡を確認した後、外部の専門機関と組んでアクセスの記録(アクセスログ)や通信の履歴を細かく調べ、対象の患者と職員を誤りなく特定するのに時間がかかったとしています。もう1つは、公表と同時に対象者へ個別に知らせるため、郵送とメールの準備を整えたことです。誤送付や情報の不足を防ぐ確認作業に時間がかかったと書かれています。

FAQでは、今後このような事案が起きた場合は、より早い情報の提供と透明性の確保に努めるとも書かれています。

2026年11月1日時点で、病院のニュースの一覧(2026年の患者さん向けのお知らせ)には、この件の続報は見当たりません。FAQでは、調査結果や追加の情報は病院の公式ホームページで随時知らせ、更新の履歴も載せるとしています。続報を確かめるときは、検索結果に出てくる記事ではなく、病院のお知らせのページの冒頭にある「FAQを更新しました」の日付を見るのが確実です。

漏えいのおそれがある情報と含まれない情報

お知らせでは、対象のシステムごとに、漏えいのおそれがある情報が書かれています。含まれないと明記されているものと分けて整理します。

区分 対象 項目
漏えいのおそれがある情報 検体検査の患者 患者ID、氏名(漢字・カナ)、性別、生年月日
漏えいのおそれがある情報 検体検査の患者 検査に関するオーダー情報(検体名、依頼コメントなど)
漏えいのおそれがある情報 検体検査に関わった職員 職員ID、氏名
漏えいのおそれがある情報 看護キャリア支援システムの職員 ユーザーID、パスワード、氏名、職員番号、部署、職種、役職、メールアドレスなど
漏えいのおそれがある情報 看護キャリア支援システムの職員 研修履歴、教材、ラダー情報など
含まれない情報 検体検査の患者 検査結果(検査値)
含まれない情報 すべての対象 クレジットカード情報

「オーダー情報」とは、医師が検査を依頼するときの指示の内容のことです。どの検体(血液か尿か、など)を調べるか、検査を担当する部署への連絡事項(依頼コメント)などが含まれます。FAQでは、採血や検尿のオーダー情報と言い換えられています。

「ラダー情報」とは、看護職員の能力や経験の段階を示す記録のことです。ラダーははしごの意味で、看護の職場では、段階を一段ずつ上がっていく形で研修や評価を組み立てることが多く、その段階の記録を指します。

患者の側から見ると、住所、電話番号、メールアドレスは、検体検査の情報の項目として書かれていません。一方で、病院からの本人通知は「メールおよび郵送」で行われています。通知に使う連絡先は病院が別に持っている情報で、漏えいのおそれがある項目として公表されたものではありません。この点を混同しないようにします。

また、検査結果が含まれていないことは、お知らせとFAQの両方で繰り返し書かれています。患者向けのFAQでは「検査結果(検査値)は含まれていませんのでご安心ください」と答えています。

金融の情報について

FAQでは、クレジットカード情報は今回の事案では含まれていないと答えています。口座の情報については、お知らせとFAQのどちらにも項目として出てきません。発表に書かれている範囲では、カードを止める、口座を変えるといった手続きが必要になる情報は、漏えいのおそれがある項目に入っていないということです。

対象になる人と件数

対象件数は、システムと立場ごとに3つに分かれています。合算して1つの数字にはせず、それぞれ別に読みます。

対象 範囲 件数
患者 2025年7月25日から10月22日に病院で検体検査(血液・尿など)を受けた人 16,945件
職員(検体検査) 同じ期間に、そのシステムを使って業務を担当した職員。退職者を含む 42名
職員(看護キャリア支援システム) 看護キャリア支援システムに登録されている職員。退職者を含む 1,933名

患者向けのFAQには、件数についてもう少し詳しい説明があります。システムに登録されている患者は90,728人ですが、今回流出の可能性があるのは、2025年7月25日から10月22日の間に採血または検尿を受けた患者で、16,945件だとしています。

つまり、徳島大学病院を受診したことがあるすべての人が対象ではありません。対象は、上の期間に採血や検尿を受けた人です。期間より前に検査を受けただけの人や、同じ期間でも採血や検尿がなかった人は、患者の対象範囲として示された条件に当てはまりません。

FAQでは、このシステムが2019年1月4日から運用されていて、その日以降のデータを持っていることも書かれています。職員向けのFAQでは、このシステムを「採血管準備システム」と呼んでいます。採血管準備システムとは、検査の依頼に合わせて、採血に使う管(採血管)の種類や本数をそろえ、ラベルを用意するための仕組みのことです。2019年からのデータがあるとはいえ、患者の対象として示されているのは2025年7月25日から10月22日の期間です。

職員の42名は、採血や検尿の受付の業務に関わった職員だとFAQで説明されています。看護キャリア支援システムの1,933名は、看護職員の研修や能力の記録に使うシステムの登録者で、こちらは在職中の人だけでなく、退職者も含みます。病院を辞めた後でも、通知が届く可能性があるということです。

要配慮個人情報にあたる可能性について

患者向けのFAQで、2026年1月15日付で訂正された回答があります。要配慮個人情報が含まれるかどうか、という問いへの答えです。

要配慮個人情報とは、病歴や健康診断の結果など、本人に不当な差別や偏見が生じないように、特に慎重な扱いが求められる個人情報のことです。個人情報保護法で決められている言葉です。

訂正後の回答では、漏えいのおそれがある情報に検査結果(検査項目や検査値)は含まれていないとしたうえで、法律では医療機関を受診したことや、そこで扱われる患者の情報も要配慮個人情報にあたるとされているため、今回対象となった患者の情報も要配慮個人情報に該当する可能性がある、と説明しています。

法律では、医療機関を受診したことや、そこで扱われる患者さまの情報も「要配慮個人情報」にあたるとされています。 そのため、今回対象となった患者さまの情報についても、要配慮個人情報に該当する可能性があります。(R8.1.15訂正) 出典: 徳島大学病院「【検体検査(血液・尿等)】(患者用)よくあるご質問(FAQ)」

検査の数値は含まれていなくても、「この病院で、この時期に、血液や尿の検査を受けた」という事実そのものが、受診の事実として扱われうるということです。

一方で、職員向けのFAQ(2025年12月25日版)では、職員の情報には検査結果が含まれていないため要配慮個人情報には該当しないと答えています。看護キャリア支援システムのFAQでも、要配慮個人情報は含まれていないと答えています。同じ事案でも、患者の情報と職員の情報で答えが違うのは、患者の情報が受診の事実と結びついているからだと読めます。

個人情報保護委員会は、漏えい等の対応とお役立ち資料のページで、要配慮個人情報の例として病歴や健康診断その他の検査の結果、診療・調剤情報を挙げています。要配慮個人情報が含まれる漏えい(またはそのおそれ)は、事業者や行政機関などに個人情報保護委員会への報告が義務付けられる場合の1つとして示されています。

利用者の側から見たときに、要配慮個人情報にあたる可能性があると分かっても、患者がすることが大きく変わるわけではありません。ただ、受診の事実を知られたくない事情がある人にとっては、不安が大きい点です。気になることがあれば、後の節で説明する問い合わせフォームで病院に直接たずねるのが確実です。

原因について発表で分かっていること

お知らせの「発生概要」では、原因は「外部からの不正アクセスによる情報流出の可能性」と書かれています。

2026年11月1日時点で、どのシステムのどの部分から入られたのか、どのような手口だったのかといった侵入の経路や方法は、お知らせとFAQのどちらにも書かれていません。ランサムウェア(データを暗号化して身代金を求める不正なプログラム)によるものかどうかについても、病院は触れていません。そのため、この記事でも原因の中身を推測して書くことはしません。

分かっているのは、病院が取った対応から読み取れる範囲です。病院は、不正アクセスの対象になったサーバを遮断し、パスワードを変更し、ネットワークを組み直しています。また、再発防止策として多要素認証の導入を進めていること、一部のシステムを院内のネットワークからだけ使える形に移す予定であることを挙げています。

多要素認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンに届く確認コードや専用の機器など、別の方法でも本人であることを確かめる仕組みのことです。パスワードだけが知られても、それだけではログインできなくなります。仕組みと導入の考え方は、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版で詳しく説明しています。

看護キャリア支援システムのFAQでは、このシステムは院内ネットワークからのみアクセスできる閉鎖的な運用に移行する予定だと書かれています。これまでどのような環境から使われていたかは書かれていないので、この記事でも推測しません。

徳島大学病院の対応と通知

お知らせとFAQに書かれている病院の対応を整理します。

時期 対応
発覚時 外部の専門機関による調査を実施
発覚時 不正アクセスの対象のサーバを遮断、パスワードの変更、ネットワークの再構成を実施済み
再発防止策 セキュリティ監視体制の強化、多要素認証の導入を進めている
予定 一部システムを院内ネットワークのみからアクセスできる閉鎖的な運用に移行
本人への通知 対象者の特定は完了。メールと郵送で順次通知
警察 徳島県警へ相談している

本人への通知はメールと郵送

お知らせでは、対象者の特定は完了しており、メールと郵送で順次通知を始めていると書かれています。FAQでも、対象となる人には郵送またはメールで順次知らせていると答えています。

なぜ電話ではなく手紙なのか、という問いにもFAQで答えています。個人情報保護委員会が公開している個人情報保護法のガイドライン(通則編)では、本人への通知は本人に確実に届き、内容が認識される合理的で適切な方法によることとされ、具体例として文書を郵便などで送ることが挙げられている、という説明です。ガイドラインの本文は個人情報保護委員会の個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)で読めます。

この説明は、利用者が不審な連絡を見分けるときの手がかりにもなります。病院は、この件の通知を郵送とメールで行うとしています。病院を名乗る電話で「情報が漏れたので確認したい」と言われても、それはお知らせに書かれた通知の方法とは違います。

補償について

補償については、FAQで2つの問いに答えています。万一被害が確認された場合は、速やかに事実を確かめ、必要に応じて警察や弁護士に相談したうえで、適切な対応と補償を検討するとしています。補償の内容は決まっているかという問いには、被害の内容や範囲に応じて個別に説明し、対応するとしています。

つまり、2026年11月1日時点で、対象者全員に一律で何かを支払うといった案内は出ていません。被害が確認された場合に個別に対応する、という考え方です。補償の有無や金額をこの記事で推測することはしません。情報漏えいの補償がどのような形で行われることが多いかは、情報漏洩の補償はもらえるのか|お詫び金・ポイントの例と利用者が確かめること 2026で整理しています。

自分が対象かを確かめる方法

自分が対象かどうかは、次の順で確かめます。

  1. 2025年7月25日から10月22日の間に、徳島大学病院で採血または検尿を受けたかを思い出す
  2. 病院から郵送またはメールで通知が届いていないかを確かめる
  3. 分からないときは、病院のお知らせのページにある問い合わせフォームで問い合わせる

検査を受けたかどうかは、領収書や診療明細書、お薬手帳、予約票などで確かめられることがあります。通院の記録が手元にあれば、日付を見てください。

通知は順次送られているため、公表から時間がたった2026年11月1日の時点でも、届いた封書やメールを見落としている場合があります。病院からの封書は、ほかの郵便物に紛れていないか、メールは迷惑メールのフォルダに入っていないかを見ます。

問い合わせフォームについて、FAQでは、個人情報の照合ができない場合は一般的な案内になる場合があると書かれています。フォームには氏名、連絡先、問い合わせの内容を書くよう案内されています。照合のために、受診した時期や診療科など、病院が本人を確かめやすい情報を書き添えると、話が早く進むと考えられます。ただし、フォームに何を書けば照合できるかは病院が示していないので、必要な情報は病院からの返事に従ってください。

職員と退職した職員

職員の場合も、通知は郵送またはメールで届きます。看護キャリア支援システムの対象には退職者が含まれます。すでに病院を辞めた人で、在職中にこのシステムに登録していた人は、通知が届いていないか確かめてください。転居などで郵便が届いていない可能性がある場合は、問い合わせフォームで問い合わせます。

検体検査を受けた患者がすること

患者の情報で漏えいのおそれがあるのは、患者ID、氏名、性別、生年月日、検査のオーダー情報です。この組み合わせから考えると、患者がすることは多くありません。要るものだけを挙げます。

病院からの通知を読む

まず、病院から届いた通知を読みます。通知に、対象となった情報や問い合わせ先が書かれているはずです。通知の中身とお知らせの中身が違う場合や、通知に書かれた連絡先がお知らせと違う場合は、その通知自体を疑います。

病院を名乗る連絡に応じない

病院のお知らせには、不審な連絡や請求があった場合は病院に連絡するよう書かれています。FAQでも、不審な連絡や請求があった場合は速やかに病院へ連絡するよう求め、問い合わせフォームを使えると案内しています。

氏名と生年月日、どの病院でいつごろ検査を受けたかという情報がそろうと、病院や検査の会社を名乗る連絡が本物らしく聞こえやすくなります。たとえば、次のような連絡です(いずれも、この件で実際に起きたと発表されたものではありません)。

  • 「検査の追加の費用が未払いです」と言って、振り込みやカード番号の入力を求める
  • 「情報漏えいのお詫びに返金します」と言って、口座番号や暗証番号を聞く
  • 「検査結果を送ります」と言って、メールやSMSのリンクからログインさせようとする
  • 「本人確認のため」と言って、マイナンバーや保険証の番号を聞く

検査結果はもともと漏えいのおそれがある情報に含まれていません。また、病院の発表には、漏えいのお詫びとしてお金を返すという案内はありません。こうした話を持ちかけられたら、その場で答えず、電話を切って病院に確かめます。

しなくてよいこと

発表の範囲では、クレジットカード情報は含まれていません。カードの再発行や口座の変更は、この件だけを理由にする必要はないと読めます。ただし、身に覚えのない請求がカードの明細にあれば、それは別にカード会社へ連絡してください。

また、患者の情報にはパスワードが含まれていないので、患者が病院の何かのパスワードを変える必要は、発表からは読み取れません。病院の患者支援アプリなどを使っている人で不安がある場合は、病院に確かめてください。

家族の分を確かめるとき

高齢の親や子どもが徳島大学病院で検査を受けていた場合、通知はその本人宛てに届きます。本人が通知の意味を読み取りにくいこともあるので、家族が一緒に読むと安心です。病院を名乗る電話がかかってきても、その場で答えず家族に相談するよう、あらかじめ伝えておくのも有効です。

問い合わせフォームで家族が代わりにたずねる場合、個人情報の照合ができないと一般的な案内になる場合があるとFAQに書かれています。本人の同意を得て、本人の氏名と連絡先を書くなど、病院の求める形に合わせてください。

看護キャリア支援システムに登録された職員がすること

看護キャリア支援システムの対象者は、ユーザーID、パスワード、氏名、職員番号、部署、職種、役職、メールアドレスなどに漏えいのおそれがあります。FAQでは、一部システムではパスワードが含まれるので、必要に応じてパスワードの再設定をしてほしいと書かれています。

同じパスワードを使っているサービスを変える

パスワードとメールアドレスの組み合わせに漏えいのおそれがあるときに、いちばん気をつけたいのは、同じ組み合わせを他のサービスでも使っている場合です。攻撃する側は、ある場所で手に入れたメールアドレスとパスワードを、別のサービスのログイン画面に次々と試すことがあります。

看護キャリア支援システムと同じパスワードを、個人用のメール、通販、SNS、銀行のサービスなどで使っている場合は、それぞれ別のパスワードに変えてください。変える順番は、お金に関わるもの、メール、SNSの順が目安です。メールのパスワードを先に守っておくと、他のサービスのパスワード再設定のメールを乗っ取られる心配が減ります。パスワードが漏れたときの変更の順番は、パスワードが漏洩したらどうなる|変更の順番と使い回しの見直し方 2026で詳しく書いています。

部署や役職が書かれたメールに注意する

部署、職種、役職、メールアドレスがそろうと、上司や院内の部署、研修の担当を名乗るメールが本物らしく見えやすくなります。「研修の受講登録をし直してください」「ラダーの評価の確認をお願いします」といった件名で、ログイン画面に似せたページに誘うメールには注意してください。院内の正式な連絡かどうか分からないときは、メールのリンクを開かず、院内の担当部署に直接確かめます。

退職した人も見直す

退職者も対象に含まれています。病院を辞めた後に、同じパスワードを転職先や個人用で使い続けている場合は、そちらを変えてください。自分のメールアドレスが過去の漏えいに含まれていないかを調べる方法は、Have I Been Pwnedの使い方|メールアドレスとパスワードの漏洩を確認する方法と、大手クラウドの過去の漏洩で紹介しています。ただし、今回の件は、漏えいや不正使用の痕跡が確認されていない段階なので、こうした調べ方で見つかるとは限りません。

病院を装う連絡の見分け方

不審な連絡の見分け方を、連絡の手段ごとに整理します。

電話の場合

病院の発表では、通知は郵送とメールで行うとしています。電話で「情報漏えいの件で」と言われたときは、次の点を確かめます。

  • 名前と部署を聞き、いったん電話を切る
  • 病院の公式サイトに載っている番号に、自分からかけ直して確かめる
  • その場でお金の話、口座の話、カード番号の話には答えない

電話の画面に出た番号が、病院の番号に似ていることもあります。出た番号ではなく、公式サイトで確かめた番号にかけ直すのが基本です。

メールとSMSの場合

病院からの通知をメールで受け取る人もいます。本物の通知かどうかは、送り主の表示名ではなく、内容がお知らせと合っているかで見ます。

  • お知らせに書かれていない手続き(返金、再登録、本人確認のための入力)を求めていないか
  • リンクを開かせて、氏名や生年月日、カード番号を入力させようとしていないか
  • 急がせる言葉(本日中、至急、期限切れ)が並んでいないか

不安なときは、メールのリンクではなく、自分で検索して開いた病院のサイトのお知らせと見比べます。

郵便の場合

封書でも、病院の名前をまねた書面が届くことは考えられます。書面に書かれた問い合わせ先の電話番号やURLが、病院のお知らせと同じかを確かめてください。お知らせでは、問い合わせは病院のフォームで受け付けるとしています。

問い合わせ窓口

お知らせに書かれている問い合わせ方法は、問い合わせフォームです。

項目 内容
窓口 徳島大学病院
方法 お知らせのページにある問い合わせフォーム
書く内容 氏名、連絡先、問い合わせの内容
留意点 個人情報の照合ができない場合は、一般的な案内になる場合がある

この件の専用の電話窓口は、お知らせには書かれていません。フォームは、病院のお知らせのページの「お問い合わせ窓口」の欄から開けます。外部のフォームのサービスが使われているので、検索で出てきたフォームではなく、必ず病院のお知らせのページから開いてください。

不審な連絡や請求を受けたときも、同じフォームから病院に知らせるよう案内されています。

在宅で仕事をする人が気をつけること

今回の件そのものは、病院の患者と職員の情報に関わるものです。ただ、在宅で仕事を受けている人の中には、医療や介護の事業者から、データ入力、資料の作成、システムの保守、Webサイトの運用といった仕事を受けている人もいます。そうした人は、取引先の情報を預かる立場として、次の点を押さえておくと安心です。

医療の情報は要配慮個人情報にあたりうる

個人情報保護委員会の漏えい等の対応とお役立ち資料のページでは、漏えい等の報告が必要になる場合として、要配慮個人情報が含まれる場合、不正に使われると財産的な被害が出るおそれがある場合、不正の目的をもって行われたおそれがある場合、本人の数が多い場合などを挙げています。民間の事業者の場合、本人の数が1,000人を超える漏えい(またはそのおそれ)が報告の対象とされています。要配慮個人情報の例としては、病院における患者の診療情報を含むデータを記録したUSBメモリーを失くした場合が挙げられています。

病院の仕事を受ける人が、患者の名前と受診の情報が入ったファイルを扱うことは珍しくありません。今回の病院の回答のように、検査の数値がなくても、受診の事実と結びついた情報は慎重に扱う必要があると考えておくのが安全です。

預かったアカウントと端末を守る

取引先から渡されたアカウントやパスワードは、自分の個人用のアカウントと同じパスワードにしないこと、多要素認証が使えるなら設定することが基本です。今回、看護キャリア支援システムのパスワードに漏えいのおそれがあったように、仕事のシステムのパスワードが外に出る可能性は誰にでもあります。使い回しをしていなければ、被害はそのシステムの中だけで止まります。

また、不正アクセスや漏えいのおそれに気づいたら、自分で判断して黙らず、すぐ取引先に知らせます。個人情報保護委員会のページでは、不正な目的で行われたおそれがある場合の報告は、発覚した日から60日以内とされています。報告をするのは多くの場合、情報を預けた事業者の側ですが、委託を受けた人が早く伝えるほど、事業者は対応を進められます。

病院を装うメールへの備え

医療機関の仕事を受けている人には、取引先の病院や部署の名前を使ったメールが届くこともあります。病院の担当者の名前で、ファイルの共有のリンクやログイン画面に誘うメールが来たら、そのメールに返信するのではなく、普段の連絡手段で担当者に確かめます。フィッシングメールの見分け方を職場で身につける方法は、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドでも紹介しています。

アカウントを守る力を仕事に生かす

今回の件のように、病院や企業は、外部からの不正アクセスへの備え、調査、再発防止策の実施に多くの手間をかけています。セキュリティの監視、多要素認証の導入、ネットワークの組み直しといった作業は、専門の知識を持つ人の力が必要な分野です。

在宅で仕事を探している人の中で、ネットワークやセキュリティの知識を持つ人には、こうした分野の仕事の口があります。@SOHO の AI・マーケティング・セキュリティのお仕事 では、セキュリティに関わる在宅の仕事の内容と、求められる知識を整理しています。ネットワークの基礎を体系立てて学びたい人には、CCNA(シスコ技術者認定)の資格ガイドも参考になります。

自分のアカウントを守る習慣は、取引先の情報を預かる仕事をするうえでの信頼にもつながります。パスワードを使い回さないこと、多要素認証を設定すること、不審な連絡にその場で答えないこと。この3つは、今回の病院の件の対象かどうかにかかわらず、今日から始められます。

よくある質問

Q. 徳島大学病院を受診したことがあれば、必ず対象になりますか?

対象になりません。患者で対象とされたのは、2025年7月25日から10月22日の間に徳島大学病院で採血または検尿を受けた人で、16,945件です。システムに登録された患者は90,728人ですが、全員が対象ではありません。対象の人には病院から郵送またはメールで順次通知が送られているので、届いていないか確かめてください。

Q. 検査の結果も漏れたのですか?

病院の発表では、検査結果(検査値)は漏えいのおそれがある情報に含まれていません。対象の項目は患者ID、氏名、性別、生年月日、検査のオーダー情報です。ただし、患者向けのFAQでは、受診の事実そのものが要配慮個人情報にあたる可能性があると2026年1月15日付で訂正しています。

Q. 実際に情報は外に出たのですか?

2026年11月1日時点のお知らせでは、外部機関による詳細な調査の結果、情報の漏えいや不正使用の痕跡は確認されていないと書かれています。一方で、可能性を完全には否定できないため「漏えいした可能性」と案内しています。二次被害も確認されていないとしています。

Q. 補償やお詫びの金額は決まっていますか?

2026年11月1日時点で、一律の補償の案内は出ていません。FAQでは、万一被害が確認された場合は、警察や弁護士に相談したうえで適切な対応と補償を検討し、内容は被害の内容や範囲に応じて個別に説明するとしています。不安があれば、病院の問い合わせフォームでたずねてください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年11月1日
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