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東北大学の不正アクセスと個人情報漏洩の可能性|東北大学病院の治験資料NAS 患者番号・氏名・診療科 連絡先不明の対象と窓口 2026

@SOHO編集部
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東北大学の不正アクセスと個人情報漏洩の可能性|東北大学病院の治験資料NAS 患者番号・氏名・診療科 連絡先不明の対象と窓口 2026

この記事のポイント

  • ✓東北大学の情報漏洩について
  • ✓2026年5月1日の公表と6月17日の追記をもとに整理
  • ✓教員のPCを経由した不正アクセスで

東北大学の情報漏洩について、東北大学は2026年5月1日、大学が管理するサーバーへの不正アクセスを4月16日に確認し、その調査で、東北大学病院の治験業務の資料を保管していたNAS(ネットワークにつなぐ記憶装置)にも不正アクセスがあり、患者さんの個人情報などが漏洩した可能性があると発表しました。 6月17日の追記では、連絡先が分からず個別に連絡できていない人として、2003年から2013年までの間に入院し、2013年12月31日以降は受診のない患者さん(患者番号、氏名、性別、診療科、最終受診日)と、2001年以降に治験分担医師で2025年度末までに退職した人(氏名、使えなくなったメールアドレス)を挙げています。 当てはまる人がまずすることは、病院や大学を名乗る不審な連絡に答えないことと、不安があれば東北大学病院の専用窓口に相談することです。

2026年11月1日時点で東北大学の2026年のニュースの一覧を開き直したところ、6月17日の追記のあと、本件の続報は出ていません。対象の人数も発表されていません。この記事は、大学の公式発表で確かめた内容だけで書いています。2025年12月に公表された東北大IDの不正利用の件とは別の事案なので、後半の節で分けて説明します。

東北大学の不正アクセスで何が起きたのか

発表の題は「本学への不正アクセスについてのご報告とお詫び」です。5月1日に掲載され、6月17日に「患者さん及び治験分担医師へのお知らせ」が追記されました。

発表の骨子は次のとおりです。

  • 大学が管理するサーバーへの不正アクセスを4月16日に確認した
  • 調査の結果、教員のPCが不正に使われ、情報機器へアクセスされたことが分かった
  • 東北大学病院で行っている治験業務の資料を保管していたNASにも不正アクセスがあり、患者さんの個人情報などが漏洩した可能性があると4月23日に分かった
  • 個人情報保護委員会、文部科学省、厚生労働省に報告した
  • 警察と外部の専門機関と連携して調べている
  • 他の医療情報システムへの影響は、現時点で確認されておらず、病院は通常どおり運営している
  • 二次被害は、現時点で確認されていない

大学は「漏洩した可能性がある」という言い方をしていて、外部に出たと確定したとは書いていません。この記事でもその表現に合わせます。

公表の経緯と2026年11月1日時点の状況

発表に書かれている日付を並べると、次のとおりです。

日付 出来事
2026年4月16日 大学が管理するサーバーへの不正アクセスを確認
2026年4月23日 東北大学病院の治験業務の資料を保管していたNASにも不正アクセスがあり、患者さんの個人情報などが漏洩した可能性があると判明
2026年4月24日 被害の拡大を防ぐため、一部の業務システムのパスワードのリセットと、学内ネットワークの一部の切り離しを実施
2026年5月1日 「本学への不正アクセスについてのご報告とお詫び」を掲載
2026年6月17日 「患者さん及び治験分担医師へのお知らせ」を追記。連絡先が分からない人の範囲と項目を公表
2026年11月1日時点 続報なし

6月17日の追記に合わせて、発表のページの場所も変わっています。5月に案内されたページのアドレスは、2026年11月1日時点で開けなくなっていて、今は2026年6月のニュースとして掲載されています。古いアドレスを開いて「ページが見つかりません」と出ても、発表が取り下げられたわけではありません。

2026年11月1日時点で分かっているのは、6月17日の追記の範囲までです。人数、補償、調査の最終的な結果は発表されていません。

2026年11月1日時点で分かっていることと分かっていないこと

5月1日の公表から半年がたちましたが、6月17日の追記のあとに続報は出ていません。いま分かっていることと、まだ発表されていないことを分けておきます。

分かっていること まだ発表されていないこと
大学のサーバーへの不正アクセスを4月16日に確認した 最初に入られたのがいつか
教員のPCが不正に使われ、情報機器にアクセスされた 教員のPCがどのように不正に使われたか
治験資料のNASへの不正アクセスが4月23日に分かった NASのどのファイルが見られたか
連絡先の分からない元入院患者と元治験分担医師の範囲と項目 対象の人数(全体と、区分ごと)
他の医療情報システムへの影響は確認されていない 外部の専門機関による調査の最終結果
二次被害は確認されていない 補償やお詫びの有無

右の列のことは、推測で埋めないようにしてください。人数は、報道などで数字を見かけることがあっても、大学の発表には書かれていません。家族や知人に伝えるときも、発表に人数が無いことをそのまま伝えるのが正確です。

古い入院の記録が対象になることの意味

連絡先が分からない元入院患者として示されたのは、2003年から2013年までの間に入院し、2013年12月31日以降は受診のない人です。いちばん新しくても12年ほど前、古ければ20年以上前の入院です。そのあいだに引っ越した人、名字が変わった人、電話番号を変えた人も多いはずです。発表は、この人たちについて、連絡先が不明であることから連絡ができていないと書いています。

自分では忘れていた入院が、対象の条件に当てはまることもありえます。たとえば次のような場合です。

  • 子どものころに東北大学病院に入院したことがある
  • 出産や短い検査のために入院したことがある
  • 仙台に住んでいた時期に入院し、その後ほかの地域に移った

心当たりがあっても、今の時点で本人がしなければならない手続きは発表に示されていません。不審な連絡に答えないことを決め、不安があれば専用窓口に相談する、という2つで足ります。古い診察券が残っていれば、患者番号を確かめるときの手がかりになるので、捨てずに保存しておいてください。

漏洩の可能性がある情報

大学は、NASに保管されていた個人情報について、漏洩の可能性がある人には個別に連絡しているとしています。そのうえで、連絡先が分からず連絡できていない人を、6月17日の追記で次のように示しました。

対象 漏洩の可能性がある情報
2003年から2013年までの間に入院した患者さんで、2013年12月31日以降は受診のない人 患者番号、氏名、性別、診療科、最終受診日
2001年以降に治験分担医師であった人で、2025年度末までに東北大学を退職した人 氏名、メールアドレス(現在使用できないメールアドレス)

追記の本文はこう書いています。

不正アクセスのあったNASに保管されていた個人情報について、漏洩の可能性がある方には個別にご連絡をしておりますが、以下に該当する方につきましては、ご連絡先が不明であることからご連絡ができておりません。 出典: tohoku.ac.jp

表に挙げた人のほかに、個別に連絡を受けた人がいます。その人たちの情報にどんな項目が含まれるかは、発表には書かれていません。個別の連絡を受けた人は、その連絡に書かれた内容で確かめてください。

発表に書かれていないこと

発表には、住所、電話番号、生年月日、病名、カルテの内容、保険証の番号、クレジットカードの番号が含まれるかどうかの記載はありません。表の2つの区分について挙げられている項目は上のとおりで、それ以外の項目を推測で加えないようにしてください。また、対象の人数も書かれていません。

治験とNASについて

治験とは、新しい薬や医療機器を国に認めてもらうために、患者さんなどの協力を得て、効き目や安全性を確かめる試験のことです。大学病院では、製薬会社などから依頼を受けて治験を行うことがあります。治験分担医師とは、治験の責任者である医師のもとで、治験の実務を受け持つ医師のことです。

NASは、ネットワークにつないで、複数のパソコンからファイルを保存したり読み出したりできる記憶装置のことです。職場の共有フォルダとして使われることが多い機器です。今回は、治験業務の資料を保管していたNASに不正アクセスがあったと大学は説明しています。

2003年から2013年に入院した患者さんの情報が、なぜ治験の資料のNASにあったのかは、発表には書かれていません。治験に参加したかどうかに関係なく、追記の条件に当てはまる人が対象として示されているので、「治験に参加していないから関係ない」とは言えない点に気をつけてください。

原因について発表で分かっていること

原因について、大学は、教員のPCが不正に使われ、情報機器へアクセスされたことを確認したと書いています。

教員のPCが不正利用され、情報機器へアクセスされたことが確認されました。 出典: tohoku.ac.jp

教員のPCがどのように不正に使われたのか、そこからどのような経路でNASに入られたのかは、発表には書かれていません。大学は、警察と外部の専門機関と連携して、原因と影響を調べているとしています。分かっていないことを推測で埋めないようにしてください。

発表からはっきり読み取れるのは、最初に確認されたのは大学のサーバーへの不正アクセスで、その調査を進める中で病院のNASへの不正アクセスが見つかった、という順番です。大学全体のネットワークと、病院の治験の資料を保管していた機器が、同じ件の中で扱われているのはそのためです。一方で、他の医療情報システムへの影響は現時点で確認されていないと書かれていて、診療は通常どおり続いています。今回の件を理由に、受診や入院の予定を変える必要は示されていません。

東北大学と東北大学病院の対応

発表に書かれている対応は次のとおりです。

大学全体の対応

  • 不正にアクセスされた情報機器を、教員のPCを含めて特定し、個人情報の漏洩などの被害の状況を調べている
  • 4月24日に、一部の業務システムのパスワードのリセットと、学内ネットワークの一部の切り離しを行った
  • 所轄の行政機関(個人情報保護委員会、文部科学省、厚生労働省)に報告した
  • 情報機器の脆弱性(ソフトウェアの作りの中にある、攻撃に使われうる弱い所)への対策と、システム・ネットワークの運用と監視の強化、情報セキュリティの教育の徹底を進めている

東北大学病院の対応

  • 不正アクセスのあったNASをネットワークから切り離し、通信を一切遮断した
  • 他の医療情報システムへの影響は現時点で確認されておらず、病院は通常どおり運営している
  • 治験は安全な環境を整えて行っている
  • 不正アクセスを受けたNASを廃止し、治験に関する情報の管理の方法を見直した
  • 漏洩の可能性がある人に個別に連絡し、連絡先が分からない人のために6月17日に追記で知らせた

お詫びの品や補償についての記載はありません。発表に無いことなので、この記事で見通すことはしません。情報漏えいの補償が一般にどう扱われるかは、情報漏洩の補償はもらえるのかの解説で整理しています。

自分が対象かを確かめる方法

対象かどうかは、次の順番で確かめると分かりやすくなります。

  1. 東北大学病院から、今回の件で個別の連絡が届いているかを確かめる。届いていれば、その連絡に書かれた内容が手がかりになる
  2. 連絡が届いていない場合は、2003年から2013年までの間に東北大学病院に入院したことがあるかを思い出す
  3. 入院したことがあれば、2014年以降に東北大学病院を受診したかを思い出す。2014年以降に受診していなければ、追記の条件に当てはまる可能性がある
  4. 医師の人は、2001年以降に東北大学病院で治験分担医師を務め、2025年度末までに東北大学を退職したかを確かめる
  5. 当てはまりそうで不安があれば、東北大学病院の専用窓口に相談する

入院した年がはっきりしない場合は、手元の診察券、入院の案内、領収書などに日付が残っていないか探してみてください。医療費控除の申告のために、入院した年の領収書を家族がまとめて保存していることもあるので、家族にも聞いてみると見つかることがあります。診察券に患者番号が書かれていれば、窓口に相談するときに伝えると話が早く進みます。

家族が代わりに確かめるとき

2003年から2013年に入院した人の中には、高齢になった人や、すでに亡くなった人もいるはずです。家族が代わりに相談したい場合は、窓口の案内には「患者さん、ご家族からのご相談、お問い合わせ窓口」と書かれているので、家族から相談することも想定されています。電話では、入院した人の氏名、入院したおおよその時期と診療科を伝えると、話が進みやすくなります。

個別の連絡を受け取った人がすること

大学は、漏洩の可能性がある人のうち、連絡先が分かる人には個別に連絡しているとしています。すでに東北大学病院から今回の件の知らせを受け取った人は、次の点を押さえておいてください。

  • 知らせそのものを捨てずに保存しておく。どの情報が対象になったかが書かれていれば、あとで不審な連絡が来たときの見分けの手がかりになる
  • 知らせに書かれた窓口の番号が、大学の発表に載っている専用窓口の番号(022-717-8789)と同じかを確かめる
  • 知らせを受け取ったあとに、別の名前の団体から「被害の救済」「代わりに手続きをする」といった連絡が来ても応じない

個別の知らせを装った偽の連絡が、本物より先に届くこともありえます。知らせが本物かどうか迷ったら、その知らせに書かれた番号ではなく、大学の発表に載っている番号にかけて確かめてください。

治験に協力したことがある人が気をつけること

今回不正アクセスを受けたのは、治験業務の資料を保管していたNASです。東北大学病院で治験に協力したことがある人の中には、自分が対象になっているか気になる人もいるはずです。治験に協力した人が対象になっているかどうか、どんな項目が含まれるかは、発表には書かれていません。対象の人には個別に連絡していると大学は書いているので、まずは届いた連絡があるかを確かめてください。

治験の協力者を狙った便乗の連絡として、次のようなものに気をつけておくと安心です。

  • 「治験の謝礼の追加の支払いがある」と口座番号を聞いてくる
  • 「新しい治験の参加者を募集している」と、病院とは関係のないサイトに誘う
  • 「治験の記録の確認のため」と、健康保険証やマイナンバーカードの写しを送らせる

治験の窓口とのやり取りに心当たりのない話は、その場で答えず、東北大学病院の専用窓口に確かめてください。

元入院患者の人がすること

元入院患者の人について漏洩の可能性があるとされた項目は、患者番号、氏名、性別、診療科、最終受診日です。住所や電話番号は挙げられていないので、この情報だけで本人に連絡が届くとは限りません。それでも、ほかで出回った情報と組み合わせられる可能性は打ち消せないため、次の点に気をつけてください。

  • 東北大学病院や大学を名乗り、「医療費の払い戻しがある」「治験の謝礼がある」と持ちかける連絡に答えない
  • 病院を名乗る電話で、口座番号やキャッシュカードの暗証番号、マイナンバーを聞かれても答えない
  • 「あなたの診療記録が流出したので、削除の手続きに費用がかかる」という案内に応じない
  • 迷ったら、その連絡に書かれた番号ではなく、大学の発表に載っている専用窓口の番号に自分でかけて確かめる

発表も、現時点で二次被害は確認されていないとしたうえで、不審な連絡などに注意し、万が一そのような連絡を受けた場合は専用窓口に問い合わせるよう呼びかけています。被害が確認されていない今のうちに、どんな連絡が来たら疑うかを家族で決めておくことが、いちばんの備えになります。

診療科が含まれることの意味

診療科は、どの科で入院していたかを表す情報です。診療科が分かると、どんな病気で入院していたかを推測されることがあります。病気の話は、人に知られたくないと感じる人が多い情報です。家族にも入院のことを話していない人もいるはずなので、家族に伝えるかどうかは、本人の気持ちを優先して決めてください。

診療科を知っているそぶりで、「その後の体調はいかがですか」「新しい治療法の案内です」と近づいてくる連絡には、とくに注意してください。本人の入院歴を知っていることは、本物の病院からの連絡である証拠にはなりません。今回漏洩の可能性があるとされたのが、まさにその情報だからです。健康食品や治療の勧誘につながる話には、その場で答えないようにします。

元治験分担医師の人がすること

元治験分担医師の人について漏洩の可能性があるとされた項目は、氏名と、在職中に使っていたメールアドレスです。発表は、そのメールアドレスを「現在使用できないメールアドレス」と書いています。今は使えないアドレスなので、そのアドレスあてに迷惑メールが届くことはありません。

それでも、次の点は確かめておくと安心です。

  • 在職中のメールアドレスと同じ文字列を、個人のメールや学会のサービスなどのログインIDに使っていないか
  • 在職中に使っていたパスワードを、いまも個人のサービスで使っていないか。使っていれば変える
  • 東北大学や東北大学病院、治験の依頼元の会社を名乗るメールが、いまのアドレスに届いたら、送り主と用件をよく確かめる

自分のメールアドレスがほかの漏えいで出回っていないかは、Have I Been Pwnedの使い方で調べ方を説明しています。

医療機関を装う連絡の見分け方

医療機関の情報漏洩のあとには、病院を名乗る電話や郵便、SMSが届くことがあります。次の点を押さえておくと、偽の連絡に気づきやすくなります。

連絡の内容 見分けるときの考え方
医療費の払い戻しがあるので、ATMで手続きをしてほしい ATMで払い戻しの手続きをすることはない。すぐに電話を切る
漏洩のお詫び金を払うので、口座番号を教えてほしい 発表にお詫び金の記載は無い。答えずに窓口に確かめる
本人確認のため、マイナンバーや暗証番号を教えてほしい 暗証番号を電話で聞くことはない。答えない
SMSで届いたリンクから、診療記録の確認をしてほしい リンクは開かない。窓口に自分で電話して確かめる
治験の謝礼が未払いなので、手数料を先に払ってほしい 先にお金を払わせる話は疑う

迷ったときは、その場で決めず、いったん電話を切ってから、発表に載っている専用窓口の番号にかけ直してください。お金を振り込んでしまった場合は、振込先の銀行と警察の相談窓口(全国共通の短縮番号は#9110)に早めに連絡します。メールやSMSで届く偽の連絡の見分け方は、フィッシング詐欺メールの見分け方でも手順を説明しています。

在学生と教職員が確かめること

今回の件で大学は、4月24日に一部の業務システムのパスワードをリセットし、学内ネットワークの一部を切り離したと書いています。教員のPCが入口になったと説明しているので、在学生と教職員にとっても、自分のアカウントと端末を見直すきっかけになります。

  • 大学からのパスワードの変更の案内が出ていれば、大学の正式な経路で届いたものかを確かめたうえで、それに従う
  • 東北大IDのパスワードを、個人のメールや通販サイトなど、ほかのサービスで使っていないか確かめる。使っていれば、そちらも変える
  • 大学の情報部や研究室を名乗るメールで、IDとパスワードの入力を求めるリンクが届いたら、押す前に大学の案内と照らし合わせる
  • 研究の資料や患者さんの情報を、個人の端末や共有のNASに、必要以上に長く保存していないか確かめる

パスワードを変える順番は、パスワードが漏洩したらどうなるかの解説にまとめています。東北大学病院の職員の人は、病院の中の案内に従ってください。

家族や知人に伝えるときのポイント

元入院患者として対象になりうる人には、高齢の人や、もう東北大学病院とのつながりがない人が多く含まれます。本人がこの発表を知らないまま、病院を名乗る連絡を受けることもありえます。

家族や知人に伝えるときは、不安をあおるより、次の3点を短く伝えるほうが役に立ちます。

  • 東北大学病院の古い入院患者の情報が、不正アクセスで漏洩した可能性があると大学が発表したこと
  • 病院や大学を名乗って、お金や口座番号、暗証番号の話をする連絡には答えないこと
  • 心当たりがあれば、東北大学病院の専用窓口(022-717-8789)に自分で電話して確かめればよいこと

電話番号と受付時間(月曜から金曜 9:00から16:00)を紙に書いて渡しておくと、いざ不審な電話が来たときに、かけ直す先を迷わずに済みます。

2025年12月の東北大IDの不正利用の件との違い

東北大学は、2025年12月26日にも「【重要】本学サーバーへの不正アクセス事案について」という発表をしています。「東北大学 不正アクセス」で調べると、この2つが並んで出てくることがあるので、違いを整理しておきます。

項目 今回(2026年5月1日公表、6月17日追記) 2025年12月26日の件
確認した日 2026年4月16日(NASは4月23日に判明) 2025年12月9日
中身 教員のPCが不正に使われ、病院の治験資料のNASに不正アクセス 教員2名・学生2名の東北大IDが不正に使われ、情報機器にアクセス
個人情報 患者さんの個人情報などが漏洩した可能性 発表に個人情報の漏洩の記載は無い
主な対応 一部の業務システムのパスワードのリセット、学内ネットワークの一部の切り離し、NASの遮断と廃止 全構成員の東北大IDのパスワードを強制リセット(12月19日)、無線LANとVPNのサブIDのリセット(12月24日)、学内業務システムの緊急停止(12月22日)

2025年12月の件では、4名の東北大IDのアカウントを止め、被害を防ぐ対応をしたと書かれています(2025年12月26日の発表)。東北大IDとは、大学の教職員や学生が学内のシステムを使うためのIDのことです。在学生や教職員にとっては、このときの全構成員のパスワードの強制リセットが記憶に残っているかもしれません。

2つの件の関係について、大学は何も書いていません。同じ攻撃が続いているといった見方は、発表からは確かめられないので、別々の事案として扱ってください。

問い合わせ窓口

発表に載っている、患者さんと家族のための窓口は次のとおりです。

項目 内容
名称 東北大学病院(専用窓口)
対象 患者さん、ご家族からのご相談、お問い合わせ
電話 022-717-8789
受付時間 月曜から金曜 9:00から16:00

電話するときは、入院したおおよその時期、診療科、手元にあれば患者番号を伝えると話が早く進みます。元治験分担医師の人の窓口は、発表では別に示されていません。発表の追記は「ご不安な点やご不明な点がございましたら、下記お問い合わせ窓口までご相談ください」としているので、同じ専用窓口に相談するのがよいでしょう。

窓口に電話するときも、口座番号や暗証番号を伝える必要はありません。もし電話口でそれらを聞かれたら、かけた番号が発表に載っている番号と同じかを確かめ直してください。

在宅で仕事をする人が気をつけること

今回は、教員のPCが入口になったと大学は説明しています。在宅で仕事を受ける人も、自分のパソコンから取引先の共有フォルダやクラウドにつなぐことがあります。自分の端末が不正に使われると、取引先の情報まで外に出るおそれがあります。医療事務の入力、調査の集計、文字起こしなど、医療や研究に関わる在宅の仕事では、患者さんや協力者の情報を扱う場面もあります。

個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、事業者に委員会への報告が義務づけられる場合として、要配慮個人情報(病歴など、とくに慎重に扱う情報)を含む漏えい等、不正に使われるとお金の被害が出るおそれがある漏えい等、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等、本人の数が1,000人を超える漏えい等が挙げられています。病歴が要配慮個人情報の例として挙げられているとおり、医療に関わる情報はとくに慎重な扱いが求められます。報告は発覚したら速やかに行い、不正の目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。

業務委託で個人情報を扱う人が、自分の端末から預かった情報を漏らしてしまった場合、まず対応を迫られるのは委託元の取引先です。どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるので、ここでは断定できません。ただ、気づいた時点ですぐ取引先に伝えることが、取引先が必要な手続きを進めるうえで欠かせない点は変わりません。

仕事で使うパソコンについて、次の点を見直しておくと安心です。

  • 仕事で使うパソコンのソフトウェアの更新を当てているか
  • 取引先の共有フォルダにつなぐアカウントに、多要素認証(パスワードに加えて、スマホのアプリやコードでも本人を確かめる仕組み)を設定しているか
  • 仕事が終わったあとも、預かった資料を手元のパソコンや共有フォルダに残したままにしていないか
  • 家族と共用のパソコンで、取引先の資料を扱っていないか
  • パソコンの動きがおかしいと気づいたとき、取引先の誰に、どの手段で知らせるかを決めているか

フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く取引が続く人ほど、納品物の質だけでなく、預かったデータの扱い方で信頼を得ています。仕事が終わったら預かった資料を消す、仕事用と家族用のパソコンを分ける、といった地味な手当てが、そのまま取引先からの評価につながっていきます。中間の手数料が乗らない直接の取引では、こうした信頼がそのまま次の依頼と手取りの厚さに結びつきます。

NASを使う職場で見直したいこと

今回のように、共有フォルダとして使うNASに古い資料がまとめて保管されていると、1か所が破られただけで多くの人の情報に影響が及ぶおそれがあります。小さな事務所や、在宅で取引先とファイルを共有する人も、同じ形の機器を使っていることがあります。

  • 仕事が終わった資料や、使わなくなった古い資料を、NASや共有フォルダに残し続けていないか
  • NASにつなげる人とパソコンを、必要な範囲に絞っているか
  • NASの管理画面のパスワードを、買ったときの初期のままにしていないか
  • NASの機器の更新(ファームウェアと呼ばれる、機器を動かすソフトウェアの更新)を当てているか
  • NASをインターネットから直接つなげる設定にしていないか
  • NASに保存したデータの控え(バックアップ)を、NASとは別の場所に取っているか

東北大学病院は、不正アクセスを受けたNASを廃止し、治験に関する情報の管理の方法を見直したとしています。使い終わった情報を残さないことは、規模に関係なく、どの職場でも取り入れられる手当てです。

NASは、一度設定すると人の手を離れて動き続けるため、誰が管理しているのかがあいまいになりやすい機器です。職場で使っているなら、管理する人を1人決め、年に1回は中身と設定を見直す日を決めておくと、古い資料や古い設定が残り続けるのを防げます。取引先から共有フォルダの整理や見直しを頼まれたときも、この点が確かめる出発点になります。

情報の扱い方を仕事に生かす

端末とアカウントを正しく守れることは、自分の身を守る知識であると同時に、仕事として求められる力でもあります。病院や研究機関、企業の中には、職員向けの情報セキュリティの研修資料の作成、注意喚起の文面づくり、共有フォルダの整理の手伝いなどを、外部の人に頼むところがあります。今回のような公表を公式の発表から正確に読み取り、「誰の、どの情報が、どこまで分かっているか」「本人は何をすればよいか」を整理する作業も、その一つです。

セキュリティの仕事を在宅で受けたい場合、いきなり専門的な診断の仕事を目指す必要はありません。まずは自分の端末とアカウントの管理を整え、事案の発表を正確に読む習慣をつけるところから始められます。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。

東北大学の件は、2026年11月1日時点で、6月17日の追記から続報が出ていない段階です。2003年から2013年に東北大学病院に入院し、その後受診していない人と、2025年度末までに退職した元治験分担医師の人は、病院や大学を名乗る不審な連絡に答えないことを先に決め、不安があれば東北大学病院の専用窓口(022-717-8789)に相談してください。

よくある質問

Q. 東北大学病院に入院したことがあれば、必ず対象になりますか?

そうとは限りません。大学は漏洩の可能性がある人に個別に連絡しているとしていて、連絡先が分からない人として示したのは、2003年から2013年までの間に入院し、2013年12月31日以降は受診のない患者さんです。この条件に当てはまり、不安がある人は、東北大学病院の専用窓口(022-717-8789、月曜から金曜 9:00から16:00)に相談してください。

Q. 病名やカルテの内容も漏洩したのですか?

6月17日の追記で、連絡先が分からない元入院患者について挙げられている項目は、患者番号、氏名、性別、診療科、最終受診日です。病名やカルテの内容が含まれるかどうかは、発表には書かれていません。個別に連絡を受けた人は、その連絡に書かれた内容で確かめてください。分からないことは専用窓口に相談できます。

Q. 2025年12月の東北大学の不正アクセスと同じ件ですか?

別の件として発表されています。2025年12月26日の発表は、12月9日に確認された、教員2名と学生2名の東北大IDの不正利用についてのもので、個人情報の漏洩の記載はありません。今回は、2026年4月16日に確認された不正アクセスと、東北大学病院の治験資料を保管していたNASへの不正アクセスについての発表です。

Q. 病院を名乗って医療費の払い戻しの電話がかかってきたら、どうすればよいですか?

その場で口座番号や暗証番号を答えず、電話を切ってください。ATMで払い戻しの手続きをさせる話は、病院からの連絡ではありません。本当に病院からの連絡かどうかは、大学の発表に載っている東北大学病院の専用窓口(022-717-8789)に自分でかけ直して確かめます。お金を振り込んでしまった場合は、振込先の銀行と警察の相談窓口に早めに連絡してください。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年11月1日
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