白梅豊岡病院のサイバー攻撃|ランサムウェアで利用者と家族の氏名・住所・病名などが漏洩 2026


この記事のポイント
- ✓白梅豊岡病院のサイバー攻撃について
- ✓2026年3月3日の第1報から6月23日の窓口変更までを公式発表で整理
- ✓ランサムウェアで病院と白梅豊岡ケアホームの利用者や家族の氏名・住所・病名・電話番号などが漏洩した件の経緯
白梅豊岡病院のサイバー攻撃について、静岡県磐田市の白梅豊岡病院は2026年3月1日にランサムウェアの被害を受け、3月3日の第1報から公表を始めました。3月4日の第2報では、白梅豊岡病院と白梅豊岡ケアホームを利用した人とその家族、関係者の氏名・住所・病名・電話番号・携帯電話番号等の個人情報が漏洩したと発表しています。3月26日の第4報では、漏洩が判明した人へ個別に文書の郵送を始めたこと、専用の問い合わせ窓口を開設したことが示されました。 2026年11月1日時点で分かっている続報は、6月23日の「専用窓口電話番号変更のお知らせ」(7月1日から0539-62-1600に変更)までです。対象の件数や人数、補償についての記載は、公式のお知らせには掲載されていません。 病院やケアホームを利用したことがある人と家族がまずすることは、病院からの文書が届いていないかを確かめること、病名や通院歴に触れる不審な電話やショートメールに応じないこと、気になる点を白梅豊岡病院の窓口に問い合わせることの3つです。
この記事は、2026年11月1日時点で白梅会グループのお知らせに掲載されている第1報から第4報と、窓口の電話番号の変更のお知らせを開き直して確かめた内容だけで書いています。報道で伝えられた数字や、攻撃者の主張は入れていません。
白梅豊岡病院のサイバー攻撃で何が起きたのか
白梅豊岡病院は、静岡県磐田市下神増にある病院です。医療法人社団白梅会などでつくる白梅会グループの施設で、同じ敷地の近くには白梅豊岡介護医療院と、施設入所やショートステイ、通所リハビリテーションを提供する白梅豊岡ケアホームがあります。グループの本部は浜松市中央区大人見町にあり、浜松市や横浜市にも介護施設などを運営しています。名前に「豊岡」が入る病院はほかの地域にもありますが、今回の発表は静岡県磐田市の白梅豊岡病院のものです。
ランサムウェアとは、病院や会社のサーバーやパソコンのデータを勝手に暗号化して使えなくし、元に戻す代わりに身代金を求める不正なプログラムのことです。最近は、暗号化の前にデータを外へ持ち出し、「払わなければ公開する」と二重に脅す手口が多く見られます。
白梅豊岡病院の発表では、2026年3月1日にサイバー攻撃を受け、電子カルテシステム(患者の診療の記録を電子で管理する仕組み)をはじめとする院内のシステムがランサムウェアに感染し、各種のシステムが閲覧できなくなったとされています。
令和8年3月1日に白梅豊岡病院がサイバー攻撃を受け、電子カルテシステムをはじめとする院内システムがランサムウェアと呼ばれるマルウェアに感染し、各種システムが閲覧できなくなる障害が生じました。 調査過程において、白梅豊岡病院及び白梅豊岡ケアホームを利用された、利用者の皆様及びそのご家族、関係者の皆様の氏名・住所・病名・電話番号・携帯電話番号等の個人情報が漏洩いたしました。 出典: 白梅会グループ「白梅豊岡病院へのサイバー攻撃による個人情報漏洩に関するご報告とお詫び(第2報)」
多くの会社の発表は「漏えいの可能性」「おそれ」という言い方にとどまりますが、白梅豊岡病院の第2報は「個人情報が漏洩いたしました」と言い切っています。第3報と第4報では、厚生労働省の初動対応支援チーム(医療機関がサイバー攻撃を受けたときに、国から派遣されて調査や復旧を手伝う専門家のチーム)から、ダークウェブ(通常の検索では出てこない、攻撃者が盗んだデータを公開する場にも使われるネット上の領域)に利用者や家族、関係者のものと思われるフルデータが公開されたという情報提供があったと書かれています。
一方で、公開された情報がだれの、どのような個人情報かの全体の分析には時間を要するとも書かれています。2026年11月1日時点で、漏洩の対象になった人数や件数は公表されていません。
公表の経緯:第1報から窓口の変更まで
白梅豊岡病院のこの件についての公表は、白梅会グループのお知らせに5回掲載されています。2026年11月1日時点のお知らせの一覧で確かめた範囲では、次のとおりです。
| 公表日 | 題 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 2026年3月3日 | 白梅豊岡病院へのサイバー攻撃による個人情報漏洩に関するご報告とお詫び | ランサムウェアに感染。患者と家族、関係者の氏名・住所・病名・電話番号・携帯電話番号・メールアドレス等の個人情報漏洩の可能性を指摘された |
| 2026年3月4日 | 同(第2報) | 白梅豊岡病院と白梅豊岡ケアホームの利用者と家族、関係者の氏名・住所・病名・電話番号・携帯電話番号等の個人情報が漏洩 |
| 2026年3月6日 | 同(第3報) | ダークサイト上にフルデータが公開された旨の情報提供があった |
| 2026年3月26日 | 同(第4報) | 漏洩が判明した人へ文書の郵送を開始。専用窓口を開設。事案対応の経緯の表を公表 |
| 2026年6月23日 | 個人情報漏洩に関するご相談、お問い合わせ専用窓口電話番号変更のお知らせ | 2026年7月1日から問い合わせの番号を0539-62-1600に変更 |
第4報には、別表として事案への対応の経緯が日付ごとに載っています。主なものを抜き出すと次のとおりです。
- 3月1日(日):電子カルテの不具合を確認。システム担当者の到着後、すぐに施設内のすべての情報通信機器のネットワークを遮断。ベンダーがランサムウェアによる感染の疑いを確認
- 3月2日(月):静岡県警察本部、厚生労働省医政局、静岡県西部保健所に報告。グループ内に対策本部を設置。厚生労働省の初動対応支援チームの派遣を要請
- 3月3日(火):初動対応支援チームが来院して調査に着手。ランサムウェアによる感染の特定、VPNの脆弱性等の指摘を受ける。ダークウェブに漏洩したと思われる個人情報の一部が公開サンプルとして掲載されている旨の連絡を受ける。グループ内の他の事業所の安全性を確認。第1報を掲載
- 3月4日(水):公開されたサンプルデータを精査した結果、病院の併設施設の情報流出が確認できたため第2報を掲載
- 3月6日(金):ダークウェブ上にフルデータが公開されたのを受け、第3報を掲載。静岡県警の捜査に協力
- 3月9日(月):流出したフルデータの本格的な調査・解析に着手
- 3月23日(月):コールセンターを開設
- 3月25日(水):個人情報の流出が確認できた人から順に、個別に文書の発送を開始
第1報の時点では「漏洩の可能性を指摘されました」という書き方でしたが、翌日の第2報で「漏洩いたしました」に変わっています。経緯の表を読むと、公開されたサンプルのデータを精査した結果、併設施設の情報の流出が確認できたためと説明されています。
第4報のあとに掲載されたのは、6月23日の窓口の電話番号の変更のお知らせだけです。2026年11月1日時点で、調査の最終的な結果や件数をまとめた報告は掲載されていません。
漏洩した個人情報と、公表されていないこと
公式のお知らせで示された項目を、報ごとに整理すると次のとおりです。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 第2報で漏洩したとされた項目 | 氏名、住所、病名、電話番号、携帯電話番号等 |
| 第1報で可能性を指摘された項目 | 上の項目に加えて、メールアドレス等 |
| 対象とされた人 | 白梅豊岡病院と白梅豊岡ケアホームを利用した人、その家族、関係者 |
| 公表されていないこと | 対象の人数や件数、何年分の利用者が対象か |
| 記載がないこと | クレジットカード番号、銀行口座番号、マイナンバー、保険証の番号などが含まれるかどうか |
表の下の2行は、公式のお知らせに書かれていないことを並べたものです。「含まれない」と書かれているわけではなく、含まれるかどうかについての記載がない、という意味です。この記事でも、含まれるとも含まれないとも書きません。
第1報では、患者と家族、関係者の情報と書かれていましたが、第2報からは「白梅豊岡病院及び白梅豊岡ケアホームを利用された、利用者の皆様及びそのご家族、関係者の皆様」と、ケアホームの利用者も含めた書き方になっています。病院に入院や通院をした人だけでなく、ケアホームの入所やショートステイ、通所リハビリテーションを利用した人とその家族も、対象に含まれうるということです。
「等」と書かれているので、示された項目以外の情報が含まれる可能性もあります。何が含まれるかは、個別に届く文書の中で、漏洩した個人情報の内容として知らされると第4報に書かれています。
住所と電話番号がそろっていると、自宅への訪問や郵便、電話を使った詐欺に使われやすくなります。住所が出回ったときに起きやすいことと備えの順番は、個人情報が流出して住所が漏れたときの対応|起きることと防ぎ方の順番で詳しく説明しています。
病名が含まれることの意味
今回の件でとくに重いのは、病名が含まれている点です。病名は、個人情報の中でもとくに慎重に扱うよう法律で決められている要配慮個人情報にあたります。
要配慮個人情報とは、病歴や健康診断の結果など、知られると本人が不当な差別や偏見を受けるおそれがあるため、とくに慎重に扱うよう決められている個人情報のことです。個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、要配慮個人情報にあたるものとして病歴や診療・調剤情報が挙げられ、要配慮個人情報が含まれる個人データの漏えい等(またはそのおそれ)は、委員会への報告が義務づけられる場合の1つ目に示されています。その例として、病院の患者の診療情報を含む個人データを記録したUSBメモリーをなくした場合が挙げられています。
病名は、パスワードのように変えることができません。そのため、利用者と家族の側でできることは、病名の情報が使われそうな場面に気づいて応じないことが中心になります。たとえば次のような連絡には、とくに注意が要ります。
- 病名や通院歴に触れて、健康食品や治療、保険の勧誘をしてくる電話や郵便
- 「医療費の払い戻しがある」と言って、ATMや振り込みの手続きをさせようとする電話
- 「あなたの病気の情報がネットに出ている。削除するには費用がかかる」といった連絡
- 病院やケアホーム、市役所、保健所を名乗って、改めて保険証や口座の情報を聞いてくる連絡
ここで挙げた連絡は、病名や電話番号が知られたときに起こりうる例として書いたものです。白梅豊岡病院の発表に、実際にこうした被害が出たとは書かれていません。
病名や治療の内容についての医療上の判断は、この記事では扱いません。体調や通院のことで気になることがあれば、かかりつけの医療機関に相談してください。
原因について発表で分かっていること
原因について、公式の発表で分かっていることは多くありません。第4報の経緯の表には、3月3日に厚生労働省の初動対応支援チームから「ランサムウェアによる感染の特定、VPNの脆弱性等の指摘を受ける」と書かれています。
VPNとは、外から施設のネットワークに安全につなぐための仕組みのことです。システムの保守を請け負う会社が、遠くから病院の機器を点検するときなどにも使われます。脆弱性とは、ソフトウェアや機器の設計や作りの弱点のことで、修正されないまま放っておくと、外からの侵入の入口になります。
ただし、どのVPN機器のどの弱点だったのか、いつ侵入されたのか、どれだけのデータが持ち出されたのかといった詳しい内容は、2026年11月1日時点で公表されていません。「VPNの脆弱性等」と「等」が付いているため、原因がそれだけとも限りません。この記事でも、発表に書かれていない原因は推測で書きません。
病院は、国の指針・ガイドラインを守った情報システムの構築と、職員へのセキュリティ教育の徹底によって、再発の防止とセキュリティ対策の強化を図るとしています。国の指針の代表的なものとして、厚生労働省は医療情報システムの安全管理に関するガイドラインを公開しており、2026年11月1日時点のページでは第7.0版(令和8年6月)が掲載されています。
利用者や家族の立場では、原因が詳しく分からなくても、することは変わりません。どの経路で情報が持ち出されたにせよ、示された項目は氏名、住所、病名、電話番号などです。原因の続報を待つより先に、不審な電話やショートメール、郵便への備えを済ませておくことが大切です。
ランサムウェアの侵入経路ごとの守り方と、データの控えの取り方は、ランサムウェアへの対策|侵入経路別の防御とバックアップ設計の実務で詳しく説明しています。VPNの弱点を突かれる経路についても触れています。
白梅豊岡病院の対応
第1報から第4報までに書かれている、病院とグループの対応は次のとおりです。
- 3月1日、施設内のすべての情報通信機器のネットワークを遮断
- 静岡県警察本部、厚生労働省医政局、静岡県西部保健所に報告し、警察の捜査に協力
- グループ内に対策本部を設置し、厚生労働省の初動対応支援チームの助言を受けて調査を継続
- 二次被害を防ぐため、白梅会グループのすべての施設で緊急の対策を実施
- 3月23日にコールセンターを開設
- 3月25日から、個人情報の流出が確認できた人に、順に個別に文書を発送
- 専用の問い合わせ窓口を開設し、2026年7月1日からは番号を0539-62-1600に変更
第4報によると、個別に届く文書には、お詫びと、漏洩した個人情報の内容が書かれています。自分のどの情報が出たのかは、この文書で知らされる仕組みです。
一方で、補償やお詫びの品についての記載は、2026年11月1日時点のお知らせにはありません。発表にないことは、この記事でもあるとは書きません。ほかの事案で補償の考え方がどう扱われてきたかは事案ごとに違い、今回の件でどうなるかは病院の発表を待つしかありません。
診療の再開の状況や、電子カルテの復旧の時期についても、2026年11月1日時点のお知らせには書かれていません。診察の予約や受診については、病院に直接確かめてください。
届いた文書の読み方と、そのあとにすること
第4報によると、個人情報の流出が確認できた人には、お詫びと、漏洩した個人情報の内容を知らせる文書が届きます。文書が届いたら、次の順に読んでいくと、自分が何をすればよいかが分かりやすくなります。
- 差出人が白梅豊岡病院であることと、書かれた窓口の番号が公式のお知らせの番号(0539-62-1600)と同じかを確かめる
- 漏洩した個人情報として、どの項目が挙げられているかを確かめる
- 挙げられた項目に合わせて、備えるものを決める
- 文書は捨てずに保管する
挙げられた項目ごとの備え方は、次のように考えると整理しやすくなります。
| 文書に挙げられた項目 | 備えること |
|---|---|
| 氏名と住所 | 病院や役所を名乗る郵便、訪問に注意する。開ける前に差出人を確かめる |
| 電話番号、携帯電話番号 | 病院などを名乗る電話にその場で答えない。ショートメールのリンクを開かない |
| 病名 | 病名に触れた勧誘や、払い戻しを装う連絡に応じない |
| メールアドレス | 病院や薬局を名乗るメールのリンクと添付ファイルを開かない。使っているサービスで同じパスワードを使い回していれば変える |
文書を保管しておくのは、あとで不審な連絡を受けたときに、どの情報が出ていたかを確かめられるようにするためです。窓口や警察に相談するときにも、文書があると話が早く進みます。
文書の中身について分からないことがあれば、文書に書かれた窓口に問い合わせてください。文書が届いた人も届いていない人も、同じ窓口で相談できます。
今も病院やケアホームを利用している人が気をつけること
白梅豊岡病院や白梅豊岡ケアホームに今も通院や入所をしている人と家族は、これからも病院からの連絡を受ける立場にあります。本物の連絡と偽の連絡を見分けやすくするため、次のことを確かめておくと安心です。
- 病院やケアホームから、予約の変更や請求の連絡が、電話、郵便、メールのどの手段で来るのか
- 支払いの方法として、病院やケアホームが案内している方法は何か(口座からの引き落とし、振り込み、窓口での支払いなど)
- 担当の職員や相談員の名前と、施設の代表の電話番号
ふだんの連絡の手段と支払いの方法を知っておけば、それと違う形の連絡が来たときに気づきやすくなります。たとえば、ふだんは窓口や引き落としで支払っているのに、急に個人名義の口座への振り込みを求める連絡が来たら、その場で応じずに施設の代表の番号へかけて確かめます。
面会や送迎のときに職員と話す機会があれば、不審な連絡が来ていないか、施設として利用者に注意を呼びかけていることがあるかを聞いておくのも1つの方法です。施設の側も、利用者や家族から不審な連絡の情報が寄せられると、ほかの利用者への注意喚起に役立てられます。
自分や家族が対象かを確かめる方法
対象になるのは、白梅豊岡病院と白梅豊岡ケアホームを利用した人、その家族、関係者です。確かめる手順は、次の順番が分かりやすいはずです。
- 白梅豊岡病院から、お詫びと漏洩した個人情報の内容を知らせる文書が届いていないかを確かめる。第4報によると、流出が確認できた人から順に郵送されています
- 利用者本人が入院中、入所中、または高齢で郵便の管理を家族がしている場合は、家族が郵便物を確かめる
- 引っ越しをしている人は、利用していたころの住所に届いている可能性を考える
- 文書が見当たらない、自分が対象か分からない、という場合は、白梅豊岡病院の窓口に問い合わせる
家族の情報も対象になっているため、本人だけでなく、緊急の連絡先として名前や電話番号を伝えていた家族も関係します。たとえば、親がケアホームを利用していて、子どもが連絡先になっていた場合は、子どもの電話番号に不審な電話がかかってくることもありえます。家族の間で、病院から文書が届いたか、不審な連絡がなかったかを一度話しておくと安心です。
発表に出てくる「関係者」がだれを指すのかは、公式のお知らせには書かれていません。利用者と家族のほかにも、病院やケアホームとやりとりがあった人が含まれる書き方です。自分が当てはまるか分からない場合は、推測で決めずに窓口に問い合わせてください。
文書が届いたら、書かれている窓口の番号と、白梅会グループのお知らせに載っている番号が同じかを照らし合わせてから連絡してください。病院を名乗る別の文書や電話には、そのまま応じないことが大切です。
なお、第4報の時点で開設された専用のフリーダイヤルは、2026年7月1日から0539-62-1600に変わっています。古い文書やメモに書かれたフリーダイヤルにかけてつながらない場合は、新しい番号を使ってください。
利用者と家族がすること
示された項目は、氏名、住所、病名、電話番号、携帯電話番号等です。第1報ではメールアドレスにも触れられていました。病院は第1報から第4報まで繰り返し、不審な電話やショートメールに注意するよう呼びかけています。
不審な電話に応じない
病院やケアホーム、保健所、市役所、警察、保険会社を名乗る電話で、病名や通院歴を知っているように話し、お金や個人の情報を求めてくるものには注意が要ります。病名を知っていることで、相手が本物の関係者のように見えやすくなるからです。
そうした電話を受けたら、その場で答えず、いったん切ります。そのうえで、病院の公式サイトや、手元の診察券、届いた文書に書かれた番号にかけ直して確かめてください。電話口で「今すぐ」「今日中に」と急がされたときほど、一度切ることが大切です。
ショートメールのリンクを開かない
携帯電話番号が含まれているため、ショートメール(SMS)にも注意が要ります。病院や薬局、宅配業者、携帯電話会社を名乗り、リンクを開かせて個人の情報やカードの番号を入力させる手口は、スミッシングと呼ばれます。届いたショートメールのリンクは開かず、正式なアプリや公式サイトから確かめてください。見分け方の手順は、スミッシング詐欺の見分け方|SMSの本文とURLで判定する手順で詳しく説明しています。
迷惑電話やショートメールが続く場合は、携帯電話会社が用意している迷惑電話やSMSを止める設定を使う方法があります。設定の名前や手順は会社ごとに違うため、契約している携帯電話会社の公式サイトや店頭で確かめてください。知らない番号からの着信には出ず、留守番電話に用件を残してもらう形にするだけでも、急がせる電話に巻き込まれにくくなります。
高齢の家族に一声かける
ケアホームを利用している人や、病院に通っている人には高齢の人も多いはずです。高齢の家族がひとりで電話を受けると、病名や通院先を言い当てられて信じてしまうことがあります。家族で次のことを決めておくと安心です。
- 病院や役所を名乗る電話で、お金やカード、口座の話が出たら、その場で切って家族に相談する
- 知らない番号からの電話は、留守番電話にしてから折り返すかを決める
- 届いた郵便で、病院や役所を名乗るものは、開ける前に家族と一緒に確かめる
離れて暮らしている家族がいる場合は、電話で話すときに、今回の件の文書が届いていないか、病院を名乗る電話がなかったかを聞いてみてください。本人が気づいていなくても、話しているうちに思い当たる連絡が出てくることがあります。
不審な連絡の記録を残す
不審な電話や郵便、ショートメールが届いたら、日時、相手の名乗り、内容をメモしておきます。病院の窓口に相談するときや、警察に相談するときに役立ちます。ショートメールは消さずに画面の写しを撮っておき、郵便は封筒ごと保管しておくと、差出人の住所や消印も確かめられます。
ネット上の情報との付き合い方
白梅豊岡病院の件を検索すると、病院の公式のお知らせのほかに、攻撃者の主張を紹介する記事や、ダークウェブに公開されたデータについて書いた投稿が見つかることがあります。そうした情報には、公式の発表で確かめられない数字や名前が含まれていることがあります。
自分の情報が含まれているかを確かめるために、ダークウェブや、流出したデータを配っているとうたうサイトを自分で探すのはやめてください。そうしたサイトには、開いただけで不正なプログラムを入れようとするものや、「確認してあげる」と言ってお金や個人の情報を求めるものがあります。ファイルを受け取ってしまうと、他人の個人情報を手元に保存することにもなりかねません。
自分のどの情報が出たかは、病院から届く文書で知らされる仕組みです。文書が届いていない、内容が分からないという場合も、窓口に問い合わせるのが確実です。「あなたの情報を見つけた」と知らせてくる見知らぬ相手の連絡には応じず、病院の窓口か警察に相談してください。
家族や知人から、ネットで見た話として不安な情報を聞くこともあるかもしれません。その場合も、日付と出どころを確かめ、白梅会グループのお知らせに同じことが書かれているかを見てから判断すると、必要以上に振り回されずに済みます。
問い合わせ窓口
今回の件の問い合わせ先は、2026年6月23日のお知らせに次のとおり載っています。
| 名称 | 電話番号 | 受付時間 |
|---|---|---|
| 白梅豊岡病院(個人情報に関するご相談・お問い合わせ) | 0539-62-1600 | 平日 午前9時から午後5時まで(2026年7月1日から) |
第2報と第3報では、問い合わせ先として白梅豊岡病院事務局(0539-62-1600、月曜から金曜の9時から17時)が案内されていました。第4報で専用のフリーダイヤルが開設されましたが、6月23日のお知らせで、2026年7月1日から上の番号に変更されています。
電話をかける前に、次の点をメモにしておくと話がまとまりやすくなります。
- 利用者の氏名と、利用していたおおよその時期
- 病院の入院や外来、ケアホームの入所、ショートステイ、通所リハビリテーションなど、利用した内容
- 文書が届いているかどうか。届いていれば、その文書
- 家族として問い合わせる場合は、利用者との続柄
- 不審な電話やショートメール、郵便が届いていれば、その日時と内容
窓口に電話するときも、カード番号や口座の暗証番号を伝える必要はありません。そうした情報を電話口で聞かれたら、その番号が本当に病院の窓口かを確かめ直してください。
個人情報の扱いについて第三者に相談したい場合は、個人情報保護委員会の個人情報保護法相談ダイヤル(03-6457-9849)も使えます。この番号は、個人情報保護委員会の公式サイトに載っています。
医療や介護の仕事を在宅で手伝う人が気をつけること
在宅で業務委託の仕事を受けている人の中には、病院や介護施設、薬局の仕事を手伝っている人もいるはずです。医療事務の入力、診療報酬の請求の補助、介護記録の整理、施設のホームページの更新、広報誌の制作など、医療機関の情報に触れる仕事は少なくありません。
こうした仕事では、病名や診療の記録など、要配慮個人情報を扱うことがあります。個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、報告が義務づけられる場合として、要配慮個人情報を含む漏えい等、不正に使われるとお金の被害が出るおそれがある漏えい等、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等、本人の数が1,000人を超える漏えい等が挙げられています。報告は発覚したら速やかに行い、不正の目的で行われたおそれがある場合は、発覚日から60日以内とされています。
自分の端末やアカウントから、預かった患者や利用者の情報を漏らしてしまった場合、まず対応を迫られるのは委託元の病院や施設です。どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるので、ここでは断定できません。ただ、気づいた時点ですぐ委託元に伝えることが、委託元が期限までに必要な手続きを進めるうえで欠かせない点は変わりません。
医療機関の仕事を受けるときは、次の点を確かめておくと安心です。
- 患者や利用者の情報を、自分のパソコンや個人のクラウドに保存してよいか、契約や指示で決まっているか
- 委託元のシステムに外からつなぐとき、VPNや多要素認証など、どの方法を使う決まりになっているか
- 作業が終わったあと、預かった情報をいつ、どう削除するか
- 不審なメールを開いてしまったときや、端末の様子がおかしいとき、委託元のだれに連絡するか
多要素認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンに届く確認コードや指紋など、別の手段でも本人であることを確かめる仕組みのことです。仕組みの違いと選び方は、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版にまとめています。
フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、医療や介護の分野で長く取引が続く人ほど、作業の速さよりも、預かった情報の扱い方で信頼を得ています。患者の名前が入ったファイルを個人のメールに転送しない、作業が終わったデータを残さない、といった地味な手当てが、そのまま委託元からの評価につながっていきます。中間の手数料が乗らない直接の取引では、こうした信頼がそのまま次の依頼と手取りの厚さに結びつきます。
セキュリティの知識を在宅の仕事につなげる
医療機関がランサムウェアの被害を受けると、診療の記録が見られなくなり、患者や利用者、その家族にまで影響が広がります。白梅豊岡病院の件では、病院が経緯の表を公表し、利用者と家族に繰り返し注意を呼びかけています。こうした公表を正確に読み取り、「何が起きて、何が分かっていないか」「関係する人は何をすればよいか」を整理する作業は、それ自体が仕事として求められています。
医療機関や介護施設の中には、職員向けのセキュリティ研修の資料づくり、利用者や家族に向けた注意喚起の文面づくり、院内のアカウントの棚卸しの手伝いなどを、外部の人に頼むところがあります。ネットワークの基礎を学びたい人には、CCNA(シスコ技術者認定)のような資格が、VPNや施設内のネットワークの分け方といった今回の話を理解する土台になります。
在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方は、@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。
白梅豊岡病院の件は、2026年11月1日時点で、6月23日の窓口の電話番号の変更が最新の公表です。病院やケアホームを利用したことがある人と家族は、文書が届いているかの確認、病名や通院歴に触れる不審な電話やショートメールへの注意、気になる点の窓口(0539-62-1600、平日午前9時から午後5時)への問い合わせの3つを先に済ませ、続報は白梅会グループのお知らせで確かめてください。
よくある質問
Q. 白梅豊岡病院に一度だけ通院したことがある場合も対象になりますか?
公式の発表では、対象は白梅豊岡病院と白梅豊岡ケアホームを利用した人とその家族、関係者とされていますが、何年分の利用者が対象か、通院の回数で区切りがあるかは公表されていません。第4報によると、個人情報の流出が確認できた人には順に文書が郵送されています。文書が見当たらず気になる場合は、白梅豊岡病院の窓口(0539-62-1600)に問い合わせてください。
Q. 家族が白梅豊岡ケアホームを利用していましたが、家族の情報も含まれますか?
第2報では、利用者だけでなく、そのご家族と関係者の氏名・住所・病名・電話番号・携帯電話番号等の個人情報が漏洩したと書かれています。緊急の連絡先として名前や電話番号を伝えていた家族も関係する可能性があります。どの情報が含まれるかは、個別に届く文書に書かれるため、家族の間で文書が届いたかを確かめてください。
Q. 問い合わせのフリーダイヤルにつながらないのはなぜですか?
第4報で開設された専用のフリーダイヤルは、2026年6月23日のお知らせで、2026年7月1日から0539-62-1600に番号が変更されたと案内されています。受付時間は平日の午前9時から午後5時までです。古い文書やメモに書かれた番号ではなく、白梅会グループのお知らせに載っている最新の番号にかけてください。
Q. 病院を名乗る電話で医療費の払い戻しがあると言われたらどうすればよいですか?
その場で答えず、いったん電話を切ってください。病名や電話番号が出回ったおそれがあるときは、病院や役所を名乗って本物らしく見せる電話に注意が要ります。そのうえで、診察券や届いた文書、白梅会グループのお知らせに載っている番号にかけ直して確かめます。ATMの操作や振り込みを求められたら、応じずに家族や警察に相談してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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