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メディカ出版の情報漏えいのおそれ|ランサムウェア被害 641,000人 メディカID登録者ほか 対象と確かめること 2026

@SOHO編集部
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メディカ出版の情報漏えいのおそれ|ランサムウェア被害 641,000人 メディカID登録者ほか 対象と確かめること 2026

この記事のポイント

  • ✓メディカ出版の情報漏洩について
  • ✓2026年3月17日の初報から5月13日の調査結果までを公式発表で整理
  • ✓ランサムウェア被害で漏えいのおそれがある641,000人の範囲

メディカ出版の情報漏洩について、医師・看護師向けの出版と教育の事業を手がける株式会社メディカ出版は、2026年3月13日に起きたランサムウェアによる不正アクセスの被害を3月17日に公表しました。外部の専門家による調査を終えた5月13日の報告では、合計641,000人(同一人物の重複を含む可能性あり)の個人情報を「漏えいのおそれがある」ものとして扱うと発表しています。対象には、メディカIDの登録者を含む顧客、病院・医療施設の職員、教育機関や学会の関係者、著者や講師、取引先の担当者、従業員と採用応募者が含まれます。 2026年11月1日時点で、5月13日の報告のあとに件数を改める続報は出ておらず、補償についての発表もありません。対象者への個別の連絡は順次行われ、5月13日の時点では全員への連絡は終わっていないとされています。 メディカ出版を利用したことがある人がまずすることは、メディカ出版を名乗るメールのリンクを押さないこと、そして心配な点をお客様センター(0120-276-115)で確かめることです。

この記事は、2026年11月1日時点でメディカ出版の公式発表(3月17日の初報、3月25日の第2報、4月9日の第3報、5月13日の調査結果の報告、5月1日の不審メールの注意喚起)を開き直して確かめた内容だけで書いています。報道の数字や推測は入れていません。

メディカ出版のランサムウェア被害で何が起きたのか

メディカ出版は、看護師や医師、医療機関の職員に向けた専門誌や書籍、セミナー、デジタル教材などを提供している会社です。定期刊行物のほか、看護管理や看護教員に向けた支援サービスも提供しており、第3報の区分にあるとおり、企業や施設、団体から業務を任されることもあります。そのため、看護師や医療機関の職員、看護学校の教員など、医療の現場で働く人に関係の深い事案です。

ランサムウェアとは、会社のサーバーやパソコンのデータを勝手に暗号化して使えなくし、元に戻すことと引き換えにお金を要求する攻撃のことです。データを暗号化する前に外へ持ち出し、「公開する」と脅す手口もあります。

公式発表の骨子は次のとおりです。

  • 2026年3月13日未明にシステム障害を検知し、調査の結果、ランサムウェア攻撃が原因と分かった
  • 影響を受けたサーバーを社内ネットワークから物理的に切り離した
  • 一時は受注・発送の業務と問い合わせの窓口が止まり、その後、安全を確かめたサービスから順に再開した
  • 5月13日の報告で、合計641,000人の個人情報を「漏えいのおそれがある」ものとして扱うと発表した
  • 外部に持ち出されたことを直接示す確定的な証拠は確認されていないが、持ち出された可能性を完全には否定できないとの評価を受けた
  • 二次被害は、5月12日現在で確認されていない

ここで押さえておきたいのは、5月13日の報告の言い方が「漏えいした」ではなく「漏えいのおそれがある」だという点です。持ち出しが確定したわけではないものの、持ち出された前提で備えておく段階と読むのが正確です。この記事でも、その表現のまま書きます。

公表の経緯と、それぞれの発表で分かったこと

メディカ出版の発表は、2026年11月1日時点で次のように出ています。いずれも同社サイトの「最新情報」に掲載されています。

日付 発表 分かったこと
2026年3月17日 不正アクセス(ランサムウェア)被害によるシステム障害および情報漏えいに関するお詫びとご報告 3月13日未明に障害を検知。ランサムウェア攻撃が原因。主要システムが止まり、受注・発送と問い合わせ窓口が停止。警察と個人情報保護委員会への報告を3月14日までに実施
2026年3月25日 第2報 端末から順に復旧。流出の件数は確定していない。すべてのウェブサイトとデジタル商品で安全性を確認
2026年4月9日 第3報 漏えいの可能性がある個人情報は合計77.2万件(重複計上の可能性あり)。項目の内訳を公表。メディカIDのパスワードは別運用で漏えいの可能性はない
2026年5月1日 メディカ出版を装った不審なメールにご注意ください メディカ出版を名乗る偽のメールを確認。文例を公開
2026年5月13日 調査結果および再発防止策のご報告 フォレンジック調査が完了。641,000人を「漏えいのおそれがある」ものとして扱う。原因は正規のアカウント情報を使った侵入
2026年5月19日 定期刊行物発行遅延解消のお知らせ 定期刊行物の遅れが解消し、5月以降は原則として通常の日程で発行

フォレンジック調査とは、サーバーや端末に残った記録を専門家が調べ、いつ、どこから、何をされたのかを明らかにする調査のことです。5月13日の報告では、この調査を終えたうえで、5月11日付で個人情報保護委員会に確報(調査を終えた段階の正式な報告)を出したと書かれています。

5月13日の報告のあと、2026年11月1日時点で同社の「最新情報」の一覧には、この件の件数や対象を改める続報は掲載されていません。一覧には別の件として、システムメンテナンスのお知らせなどが続いています。

公式の表現はどう変わったか

メディカ出版の発表は、時期によって言い方が変わっています。読み比べると混乱しやすいので、公式の表現をそのまま並べます。

日付 公式の表現
3月17日 個人情報、ならびに取引に関する情報の一部が「外部へ漏えいしたことが確認されました」
3月25日 「個人情報等の流出件数は確定しておりません」。社外への情報流出や不正利用等の二次被害の報告はない
4月9日 「漏えいの可能性がある個人情報」は合計77.2万件。第三者によって情報が外部に公開されている事実は確認されていない
5月13日 外部に持ち出されたことを直接示す確定的な証拠は確認されていないが、可能性を完全に否定できないため「漏えいのおそれがある」ものとして扱う

件数も変わっています。4月9日の第3報では合計77.2万件とされ、5月13日の報告では合計641,000人とされました。5月13日の報告には「第3報において公表した数値をその後精査した結果、今回公表の数値になっております」と書かれています。第3報の単位は「件」、5月13日の単位は「人」で、どちらにも重複を含む可能性があると注記されています。

現時点で最新の公式の数字は、5月13日の641,000人です。古い数字を見かけたときは、どの日付の発表のものかを確かめてください。

5月13日の報告の原文は次のとおりです。

外部の専門家によるフォレンジック調査の結果、現時点において、個人情報が外部に持ち出されたことを直接示す確定的な証拠は確認されておりません。一方で、調査で確認された複数の痕跡から情報が外部に持ち出された可能性を完全に否定することはできないとの評価を受けております。 出典: medica.co.jp

漏えいのおそれがある情報と、含まれないとされた情報

5月13日の報告では、漏えいのおそれがある個人情報の内訳が、次の8つの区分で示されました。

  • メディカID登録者を含む顧客情報
  • 病院・医療施設の職員等の関係者情報
  • 学校等の教育機関関係者の情報
  • 学会事務局や各種団体の関係者情報
  • 著者、講師等の外部協力者の情報
  • 人材紹介事業等に関連する登録者情報
  • 取引先企業の担当者情報
  • 従業員および採用応募者の情報

区分ごとの人数は公表されていません。それぞれの区分にどの項目が含まれるかは、4月9日の第3報に書かれています。第3報の区分の名前は5月13日の報告と少し違いますが、項目の内訳は次のとおりです。

第3報の区分 漏えいの可能性があるとされた項目
メディカIDの登録者 メディカID、氏名、メールアドレス。登録している人のみ都道府県名、住所、電話番号
一般の客 氏名、連絡先(勤務先・住所、電話番号・FAX番号)
原稿を書いた人(著者)、外部事業者 氏名、連絡先(勤務先・住所、電話番号・FAX番号)、役職名、メールアドレス、銀行口座番号、原稿として提供した画像など。登録している人のみマイナンバー
業務を委託している企業・施設・団体から預かった情報 氏名、連絡先(勤務先・住所、電話番号・FAX番号)、役職名、メールアドレス、ID、パスワード、パスポート、在留カード、健康診断結果、銀行口座など
従業員 氏名、生年月日、住所、所属、人事評価、履歴書の記載内容など
応募者 応募書類、履歴書の記載内容など

一方で、公式に「含まれない」「漏えいの可能性はない」とされたものは次のとおりです。

情報 公式の記載
クレジットカード情報 オンライン販売サービスではカード情報を一切保持する仕組みではないため、漏えいはない(3月17日)
メディカIDのパスワード 別運用のため漏えいの可能性はない(4月9日)
ウェブサイトとデジタル商品 すべてで安全性が確認された(3月25日)

メディカIDに登録していて、住所や電話番号を登録していない人は、第3報の書き方では、メディカID、氏名、メールアドレスが対象になります。住所や電話番号まで登録していた人は、それらも含まれます。

業務を委託している企業・施設・団体から預かった情報の欄に、ID、パスワード、パスポート、在留カード、健康診断結果が並んでいる点は重く受け止める必要があります。病院や施設がメディカ出版に業務を任せる中で渡した情報が含まれている、という意味です。どの業務で、どの施設の情報なのかは公表されていないので、心当たりのある施設の担当者は、メディカ出版に直接確かめるのが確実です。

原因について発表で分かっていること

5月13日の報告では、原因を次のように説明しています。

  • 第三者が正規のアカウント情報を使って社内ネットワークに侵入したことが起点だった
  • そこからサーバーに不正な操作が行われ、ファイルの暗号化などのランサムウェア被害が起きた
  • アカウント情報(認証情報)がどこから漏れたのかは、取得できたログなどをもとに調べたが、特定には至らなかった

正規のアカウント情報とは、本来その会社の従業員などが使うIDとパスワードのことです。外から無理に壊して入ったのではなく、正しい鍵を使って入られた、という意味になります。その鍵がどこで盗まれたのかは分かっていない、というのが公式の説明です。

正しいIDとパスワードで入られると、守る側は本物の利用者と見分けにくくなります。そのため、パスワードに加えて別の手段で本人確認をする多要素認証や、普段と違う場所からのログインを見張る仕組みが重視されています。5月13日の報告で、実施済みの対策の最初に「IDの認証・セキュリティ強化」が挙げられ、今後の対策にも「不正ログインを防止するための認証基盤の強化」が入っているのは、この原因に合わせた手当てと読めます。

第3報では、被害の拡大や二次被害を防ぐ観点から、攻撃手法やシステム構成の詳しい情報は開示を控えるとされています。攻撃した者の名前などを書いた情報を見かけても、公式の発表で確かめられることではありません。

メディカ出版の対応

公式に書かれている対応を、時期ごとにまとめます。

被害が分かった直後の対応

  • 影響を受けたサーバーを社内ネットワークから物理的に切り離した
  • 対策本部を設け、外部のセキュリティ専門家の支援を受けて調査と復旧を進めた
  • 警察への通報と相談、個人情報保護委員会への報告を3月14日までに行った

サービスの再開

第3報では、4月8日の時点で、メディカ出版のウェブサイト(オンラインストア、コンテンツサービス、オンラインセミナー・会場セミナー)、ヨメディカ、FitNs.、CandYLink、メディカまなびのプラットフォーム(BeNs.、Nプラス)、メディカコンクール、DNG(デジタルナーシング・グラフィカ)、メディカライブラリ、看護管理サポートサイト、看護教員向け支援サービス ラポール、看護教育力UPコミュニティで、受注とサービスの提供を再開したと書かれています。定期刊行物の遅れは、5月19日のお知らせで解消したとされました。

対象者への連絡と再発防止策

5月13日の報告では、影響を受けた、または受ける可能性のある人に、順次、個別に連絡していると書かれています。本人に直接知らせることが難しい場合は、ホームページでの公表に代えるとされています。

再発防止策として、実施済みのものと今後のものが示されています。

  • 実施済み:IDの認証とセキュリティの強化、不正な端末の検疫と排除、社内ネットワークとサーバー環境の総点検、不正アクセスの監視体制の強化、外部専門家によるセキュリティ評価
  • 今後実施(2026年9月末までに実施し、以降も継続):不正ログインを防ぐ認証基盤の強化、ネットワーク設定とログ管理の見直し、多層防御の体制づくり、個人情報の取り扱いルールと社内規程の作り直し、全従業員への継続的なセキュリティ教育

お詫びの品や補償については、2026年11月1日時点の発表に記載がありません。情報漏えいのお詫びが一般にどのような形で行われるかは、情報漏洩の補償はもらえるのか|お詫び金・ポイントの例と利用者が確かめること 2026で例を紹介しています。

自分が対象かを確かめる方法

メディカ出版の発表から考えると、次のような人は対象になっている可能性があります。

  • メディカIDに登録したことがある人
  • メディカ出版の雑誌や書籍、セミナーを申し込んだことがある人
  • 勤め先の病院や施設が、メディカ出版にセミナーや研修などの業務を任せていた人
  • 看護学校などの教育機関や、学会事務局・団体の関係者
  • メディカ出版で原稿を書いたり講師を務めたりした人
  • 人材紹介事業などに関連して登録した人
  • メディカ出版の取引先の担当者
  • メディカ出版の従業員と、採用に応募したことがある人

対象者には順次、個別に連絡すると公表されていますが、5月13日の時点で連絡は全員には終わっていません。本人への直接の通知が難しい場合はホームページでの公表に代えるともされているので、通知が届いていないことは、対象でないことの証明にはなりません。

自分が対象かどうかをはっきりさせたい場合は、お客様センターに問い合わせます。問い合わせるときは、メディカIDに登録したメールアドレスや、申し込んだ商品、セミナー、勤め先の施設名など、確認の手がかりになる情報をまとめておくと話が早く進みます。

メールで連絡が届いた場合は、その連絡の中のリンクから手続きをするのではなく、メディカ出版の公式サイトを自分で開いて、同じ内容の案内があるかを確かめます。後の節で説明するとおり、メディカ出版を装った偽のメールが実際に確認されています。

看護師・医師・医療機関の職員がすること

看護師や医師、医療機関の職員は、メディカIDの登録者として、また施設の職員として、二重に対象になっている可能性があります。勤務先の名前や役職が知られていると、仕事の連絡を装ったメールが本物らしく見えやすくなります。

メディカIDのパスワードについて

第3報では、メディカIDのパスワードは別運用のため漏えいの可能性はないとされています。そのうえで、セキュリティ強化の観点から、パスワードの定期的な変更をすすめています。メディカIDと同じパスワードをほかのサービスでも使っている人は、この機会に分けておくと安心です。パスワードを変える順番の考え方は、パスワードが漏洩したらどうなる|変更の順番と使い回しの見直し方 2026で説明しています。

勤務先あての偽の連絡に注意する

勤め先の施設名と役職名が知られていると、「研修の受講料の未払いがあります」「セミナーの申し込み内容の確認をお願いします」といった、業務を装う連絡が届くことが考えられます。研修やセミナーの申し込みは、施設の教育担当がまとめて行っていることも多いので、心当たりがなければ、まず施設の担当者に確かめます。

施設の教育担当者や管理者がすること

施設としてメディカ出版にセミナーや研修の業務を任せていた場合、第3報の「業務を委託いただいている企業様・施設様・団体様からお預かりした情報」に当たる可能性があります。この区分には、ID、パスワード、健康診断結果なども含まれると書かれています。施設の担当者は、次の点を確かめておくと対応がしやすくなります。

  • メディカ出版に渡した職員の名簿やID、パスワードの範囲
  • メディカ出版から施設あてに個別の連絡が届いているか
  • 渡したIDとパスワードが、ほかのシステムでも使われていないか

渡したパスワードが、施設内のほかのシステムと同じものだった場合は、変更を検討します。第3報では、客がパスワードを変更できないサービスについても、念のためメディカ出版の側でパスワードの再発行とお届けを検討していると書かれていました。

職員に知らせるときの文面の例

施設の教育担当者や管理者が、職員に注意を呼びかけるときは、公式の表現を崩さずに短く伝えるのが要点です。たとえば次のような文面にすると、不安をあおらずに必要なことが伝わります。

「看護部よりお知らせです。メディカ出版は2026年5月13日、ランサムウェア被害により、メディカID登録者や医療施設の職員などの個人情報について『漏えいのおそれがある』と発表しました。メディカ出版を名乗るメールのリンクは押さず、パスワードの再設定などを求められても応じないでください。心配な人はメディカ出版のお客様センター(0120-276-115、9時から17時、土日祝を除く)に問い合わせてください。施設として申し込んだ研修の情報については、教育担当で確認します。」

文面には、件数や項目を推測で書き加えないようにします。施設としてどの情報を渡していたかが分かった段階で、改めて知らせると混乱が少なくなります。

著者・講師・取引先がすること

著者や講師として協力した人は、第3報の書き方では、銀行口座番号や、登録している人はマイナンバーまで範囲に入ります。原稿として渡した画像も含まれるとされています。

銀行口座番号が含まれる場合

口座番号と氏名、住所がそろうと、銀行を装った電話やメールで暗証番号やネットバンキングのパスワードを聞き出そうとする手口に使われることがあります。暗証番号やパスワードを尋ねる電話やメールには答えず、通帳やキャッシュカードに書かれた銀行の番号に自分からかけて確かめます。

マイナンバーが含まれる場合

マイナンバーが漏れたおそれがあるときの番号の変更の手続きや、悪用の範囲についての考え方は、マイナンバーが漏洩したらどうなる|番号の変更の手続きと悪用の範囲 2026にまとめています。番号の変更ができるかどうかは事情によって変わるので、住んでいる市区町村の窓口で確かめるのが確実です。

取引先の担当者

取引先の担当者の情報も、5月13日の報告の内訳に含まれています。3月17日の初報には、取引先との契約書類や請求・売上に関する業務情報も漏えいの対象として挙げられていました。取引の内容が知られていると、メディカ出版を装って振込先の変更を求める連絡が本物らしく見えます。振込先の変更や支払いの急な依頼が届いたら、メールに書かれた番号ではなく、もともと知っている番号に電話して確かめます。

教育機関・学会の関係者と、人材紹介の登録者がすること

5月13日の報告の内訳には、学校などの教育機関の関係者、学会事務局や各種団体の関係者、人材紹介事業などに関連する登録者も挙げられています。区分ごとの項目の詳しい内訳は示されておらず、第3報の区分とも名前が異なるため、どの項目が当たるかは公表された範囲では分かりません。心当たりのある人は、お客様センターで自分の情報の扱いを確かめるのが確実です。

看護学校などの教員は、学生向けの教材や研修の申し込みを通じて、メディカ出版と連絡を取っていることがあります。学校あてに教材の請求や申し込みの確認を装った連絡が届いたら、学校の事務の担当者と、普段のやり取りの記録を見比べて確かめます。学生の名簿をメディカ出版に渡したことがあるかどうかも、学校として確かめておくと安心です。

学会事務局や団体の関係者は、会員向けの案内の発送や学術集会の運営などで、会員の名簿を外部の会社に預けていることがあります。メディカ出版に業務を任せていた団体は、どの範囲の会員情報を渡していたかを確かめ、必要があれば会員に知らせることを検討します。会員への案内は、団体の公式サイトやこれまで使ってきた連絡の方法で行い、会員が偽の案内と見分けられるようにします。

人材紹介事業などに登録した人は、職歴や希望の勤務条件などを伝えていることがあります。転職の紹介を装って、別の登録サイトへの入力や、身分証の写しの送付を求める連絡には注意が必要です。登録した覚えのない会社からの紹介や、急いで書類を出すよう求める連絡は、登録した窓口に確かめてから応じます。

従業員と採用に応募した人がすること

従業員の情報として、氏名、生年月日、住所、所属、人事評価、履歴書の記載内容などが挙げられています。採用に応募した人の情報としては、応募書類と履歴書の記載内容が挙げられています。

履歴書には、学歴や職歴、資格、家族の構成、顔写真など、多くの情報が書かれていることがあります。どの時期の応募者が対象かは公表されていないので、過去にメディカ出版や関係会社の採用に応募したことがある人は、お客様センターで確かめるのが確実です。

生年月日と住所がそろうと、本人確認を装った電話や郵便が本物らしく見えやすくなります。住所が知られたときに起こりやすいことと、その備えは、個人情報が流出して住所が漏れたときの対応|起きることと防ぎ方の順番で順番に説明しています。

メディカ出版を装う偽のメールと見分け方

メディカ出版は5月1日、同社を名乗る不審なメールが確認されたとして注意を呼びかけました。その時点で「[email protected]」というアドレスからの送信があったものの、同社が送ったメールではないとしています。偽のメールには「不正アクセスがあった」「個人情報が流出した可能性がある」「パスワードの再設定が必要」などと書かれ、個人情報を入力させるページへ誘導するものがあったとされています。

同社が公開した偽のメールの文例では、件名が「【重要】medica.co.jp お客様の個人情報流出に関する緊急のお知らせとお詫び」となっていました。本文では、流出した可能性がある情報として「メールアドレスおよびログインパスワード」「クレジットカード情報の一部」を挙げ、アカウントを一時的に制限したので特設ページから至急手続きをするよう求めています。

実際の公式発表では、クレジットカード情報はそもそも保持していないため漏えいはないとされ、メディカIDのパスワードも漏えいの可能性はないとされています。偽のメールは、公式の発表と食い違う内容で不安をあおっていることになります。

メディカ出版は、eメールで個人情報や機密情報の入力・確認を頼むことは、いかなる場合もないとしています。個人情報の入力は公式サイトでしかできないとも書いています。不審なメールを受け取ったときは、次のように対応するよう案内しています。

  • 返信せず、削除する
  • 添付ファイルがあっても開かない
  • 書かれているURLやリンクを押さない

リンクを開いたり情報を入力したりしてしまったかもしれない場合は、そのページでは何もせず、普段使っている公式サイトでパスワードを変え、必要に応じてカード会社などに相談するよう書かれています。偽のメールの見分け方を詳しく知りたい人は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処も参考になります。

続報が出たときに確かめる点

2026年11月1日時点で、5月13日の報告が最新の発表です。再発防止策の一部は2026年9月末までに実施するとされており、重要な事実が新たに分かった場合は知らせるとも書かれています。続報が出たときは、次の点を確かめると、自分に関係があるかを判断しやすくなります。

  • 641,000人という数字が改められたか、区分ごとの人数が示されたか
  • 「漏えいのおそれ」から、外部への持ち出しや公開が確認されたという表現に変わったか
  • 二次被害(不正利用など)が確認されたか
  • 個別の連絡がすべての対象者に終わったか
  • お詫びや補償について発表があったか

続報は、これまでと同じくメディカ出版の公式サイトの「最新情報」に掲載されると考えられます。ニュースサイトの見出しだけで判断せず、元の発表を開いて、言い回しまで読むのが確実です。

問い合わせ窓口

メディカ出版の発表に載っている窓口は次のとおりです(2026年11月1日時点で5月13日の報告に記載されているもの)。

項目 内容
名称 株式会社メディカ出版 お客様センター
フリーダイヤル 0120-276-115
電話 06-6398-5008
メール [email protected]
受付時間 9時から17時(土日祝を除く)

問い合わせの前に、メディカIDに登録したメールアドレス、申し込んだ商品やセミナー、施設としての契約かどうかなどをまとめておくと、対象かどうかの確認が進めやすくなります。

偽のメールに書かれた電話番号や問い合わせ先は使わないでください。発表の原文は、メディカ出版の公式サイトの調査結果および再発防止策のご報告と、第3報、不審なメールへの注意喚起で読めます。

在宅で仕事をする人が気をつけること

在宅で医療系のライティングや編集、教材づくり、オンラインでの研修の運営などを請け負う人は、医療機関や出版社から職員の名簿や受講者の情報を預かることがあります。今回の件は、委託を受けた側に預けた情報が攻撃の対象になりうるという例でもあります。

個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、事業者に委員会への報告が義務づけられる場合として、要配慮個人情報(病歴や健康診断の結果など、とくに慎重に扱う情報)を含む漏えい等、不正に使われるとお金の被害が出るおそれがある漏えい等、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等、本人の数が1,000人を超える漏えい等が挙げられています。ランサムウェアなどで個人データが暗号化され、元に戻せなくなった場合も、不正の目的で行われたおそれがある例として示されています。報告は発覚したら速やかに行い、不正の目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。

在宅で働く人が、取引先の情報を預かる立場として見直しておきたいのは次の点です。

  • 仕事のアカウントに多要素認証を設定しているか(パスワードに加えて別の手段で本人確認をする仕組み)
  • 仕事のパスワードを、ほかのサービスと使い回していないか
  • 預かった名簿や受講者の情報を、作業が終わったあとも保存したままにしていないか
  • 健康診断の結果など、とくに慎重に扱う情報を受け取らずに済む方法がないか

今回の原因は、正規のアカウント情報を使った侵入でした。どれほど守りの固い仕組みでも、正しいIDとパスワードを使われると見分けにくくなります。個人で仕事をする人ほど、自分のアカウントの鍵を守ることが、取引先の情報を守ることに直結します。自分のメールアドレスが過去の漏えいに含まれていないかを調べる方法は、Have I Been Pwnedの使い方|メールアドレスとパスワードの漏洩を確認する方法と、大手クラウドの過去の漏洩で紹介しています。

アカウントを守る力を仕事に生かす

医療や教育の分野では、扱う情報の重さから、取引の相手に求められる情報管理の水準も高くなります。発表を正確に読み、偽の連絡を見抜き、預かった情報を必要以上に持たない人は、委託の相手として信頼されます。

2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営者として見てきた限りでは、医療系の仕事を長く続けている人ほど、預かった資料の保存場所や受け渡しの方法を、最初の打ち合わせのうちに取引先とすり合わせています。作業が終わったら資料を返すか削除するかを決めておく、といった小さな決まりが、取引先からの「この人なら安心して任せられる」という評価につながっています。

セキュリティの仕事を在宅で受けたい場合、いきなり専門的な診断の仕事を目指す必要はありません。まずは自分のアカウントの管理を整え、事案の発表を正確に読む習慣をつけるところから始められます。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。

よくある質問

Q. メディカIDのパスワードは変えたほうがよいですか?

2026年4月9日の第3報では、メディカIDのパスワードは別運用のため漏えいの可能性はないとされています。そのうえでメディカ出版は、セキュリティ強化の観点から定期的な変更をすすめています。同じパスワードをほかのサービスでも使っている場合は、この機会にサービスごとに分けておくと安心です。

Q. クレジットカードを止める必要はありますか?

3月17日の初報では、メディカ出版のオンライン販売サービスはクレジットカード情報を一切保持しない仕組みのため、カード情報の漏えいはないとされています。カード情報の一部が流出したと書かれたメールは、5月1日に同社が注意を呼びかけた偽のメールの文例と同じ形なので、リンクを押さずに削除してください。

Q. 通知が来ていなければ対象ではないと考えてよいですか?

そうとは言い切れません。5月13日の報告では、対象者への個別の連絡は順次行っており、全員への連絡は終わっていないとされています。本人に直接知らせることが難しい場合はホームページでの公表に代えるとも書かれています。心配な人はお客様センター(0120-276-115、9時から17時、土日祝を除く)で確かめてください。

Q. 77.2万件と641,000人のどちらが正しい数字ですか?

2026年11月1日時点で最新の公式の数字は、5月13日の報告の合計641,000人(同一人物の重複を含む可能性あり)です。4月9日の第3報では合計77.2万件とされていましたが、5月13日の報告で、その後精査した結果として今回の数値になったと説明されています。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年11月1日
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