エネサンスの情報漏洩|ランサムウェア被害 顧客約36.5万件の漏洩またはそのおそれ 対象と確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓エネサンスの情報漏洩について
- ✓2026年5月11日の第4報をもとに整理
- ✓LPガスのお客様の氏名・住所・電話番号・メールアドレス等 約36.5万件が外部への漏洩が発生した
エネサンスの情報漏洩について、LPガスの販売を手がける株式会社エネサンスホールディングスは、2025年10月21日に起きたランサムウェアの被害を同年10月23日から順に公表し、2026年5月11日の第4報で、お客様の氏名、住所、電話番号、メールアドレス等約36.5万件について「外部への漏洩が発生した、またはそのおそれがある」と発表しました。2026年11月1日時点で、同社のお知らせの一覧に第4報より新しい続報は出ておらず、該当する人には順次書面で個別に知らせるとされています。補償についての記載はありません。 エネサンスやグループ各社からLPガスや電気を買っている人、買っていた人がまずすることは、書面の通知が届いていないかを確かめること、エネサンスの名前をかたる電話や郵便物にお金や個人情報で応じないこと、迷ったときは公式の専用窓口(0120-363-385)に自分から電話して確かめることの3つです。
この記事では、エネサンスホールディングスの公式発表だけをもとに、何が分かっていて何が分かっていないのか、対象かどうかの確かめ方、LPガスの利用者ならではの注意点を順に整理します。報道で出回っている数字や推測は使いません。
エネサンスの情報漏洩で2026年11月1日時点で分かっていること
最初に、公式の発表で確かめられる事実だけを短く並べます。
- 2025年10月21日、エネサンスホールディングス及びグループ会社でシステム障害が発生した
- 外部専門家の調査で、一部のサーバーと端末のデータが暗号化されるランサムウェアの被害だと分かった
- 2025年11月30日未明、窃取された可能性がある情報が攻撃者により公開されていることを確認した
- 公開された情報を精査した結果、一部に個人情報が含まれていることが判明した
- お客様の個人情報は約36.5万件、内容は氏名、住所、電話番号、メールアドレス等
- 上記とは別に、グループ従業員等の情報(氏名、電話番号等)が約2千件
- 侵入経路や詳しい手口は特定に至っていないが、インターネットとの接続口から侵入された可能性が高い
- 現時点で、個人情報の不正利用等による二次被害は確認されていない
注意したいのは、36.5万件の全員について、氏名、住所、電話番号、メールアドレスがすべて出たわけではない点です。第4報には「対象者全ての方について、上記『内容』に記載の情報が全て開示されたわけではございません」と書かれています。人によって、出た可能性がある項目が違うということです。自分の場合にどの項目が含まれるのかは、届いた書面か、専用窓口で確かめることになります。
また、件数には「約」が付いています。会社が示したのは概数で、正確な人数は公表されていません。この記事でも「約36.5万件」と書き、それ以上に細かい数字は書きません。
エネサンスホールディングスは、北海道、東北、新潟、関東、中部、九州の地域ごとのグループ会社を通じてLPガスなどを販売している会社です。2026年11月1日時点で、エネサンス北海道、エネサンス東北、エネサンス新潟、エネサンス関東、エネサンス中部、エネサンス九州のそれぞれのページにも、2026年5月11日付で同じ第4報が掲載されています。どの地域の会社と契約しているかにかかわらず、発表の中身と窓口は同じです。
公表の経緯と、それぞれの報で分かったこと
エネサンスホールディングスのお知らせは、2026年11月1日時点で4回出ています。順に並べると、何がいつ分かったのかが見えてきます。
| 日付 | 公表 | 分かったこと |
|---|---|---|
| 2025年10月23日 | システム障害に関するお知らせ | 10月21日にシステム障害が発生。受注・出荷を手作業に切り替え、マイエネサンスの請求金額照会に支障 |
| 2025年10月30日 | システム障害に関するお知らせ(続報) | サイバー攻撃による被害と判明。ランサムウェアで一部のサーバーと端末のデータが暗号化。攻撃者側のウェブサイトに社名とロゴが掲載されたと認識。この時点では情報漏洩が発生したと考えられる事案は確認できていない |
| 2025年12月8日 | システム障害に関するお知らせ(第3報) | 窃取されたと思われる情報が、攻撃者のリークサイトに公開されていることを確認。内容の確認と整理を進める。システムは概ね復旧 |
| 2026年5月11日 | システム障害に関するお知らせ(第4報) | 公開された情報の一部に個人情報が含まれると判明。お客様約36.5万件、従業員等約2千件。該当者に書面で個別に通知。専用窓口を開設 |
最初の発表は、ガスの受注や出荷の仕組みが止まったことの知らせでした。この時点では原因は分かっておらず、手作業で出荷を続けていると説明されています。毎月の請求額をウェブで確かめるマイエネサンスが使いにくくなっていたのも、この障害の影響です。
1週間後の続報で、障害の正体がランサムウェアだと公表されました。ランサムウェアとは、会社のコンピュータの中のデータを勝手に暗号化して使えなくし、元に戻すことと引き換えに金銭を求める不正なプログラムのことです。最近は、暗号化する前にデータを盗み出し、「払わなければ公開する」と迫る手口が多く見られます。続報では、攻撃者側のウェブサイトに社名とロゴが載ったことも書かれていました。
第3報では、盗まれたと思われる情報が、実際に攻撃者のリークサイトに公開されたことが明らかになりました。リークサイトについて、会社は「一般的な方法ではアクセスできない特殊なウェブサイト」と説明しています。ふつうのブラウザで検索しても出てこない場所に、盗んだデータを載せるためのサイトです。
そして第4報で、公開されたデータを精査した結果として、個人情報の件数と内容が示されました。第4報には、第3報から長い期間がかかったことへのお詫びと、個人情報を含む内容を慎重に精査する必要があったという説明も書かれています。
続報を確かめるときは、検索結果に出てくる記事ではなく、エネサンスホールディングスのシステム障害に関するお知らせ(第4報)と、同社のお知らせの一覧を見てください。会社は、攻撃者のリークサイトを引き続き監視し、開示すべきことが見つかれば速やかに開示するとしています。新しい報が出れば、同じ一覧に載るはずです。
漏洩した、またはそのおそれがある情報の表
第4報に書かれた個人情報の内容と件数を、区分ごとに表にします。
| 区分 | 内容 | 件数 |
|---|---|---|
| お客様 | 氏名、住所、電話番号、メールアドレス等 | 約36.5万件 |
| グループ従業員等 | 氏名、電話番号等 | 約2千件 |
会社の表現は「外部への漏洩が発生した、またはそのおそれがある」です。漏洩が確定したものと、そのおそれがあるものが一緒に数えられており、どちらがどれだけかの内訳は示されていません。この記事の題や見出しでも、言い切らずに会社の表現に合わせています。
第4報の該当部分を、原文のまま引用します。
外部への漏洩が発生した、またはそのおそれがあるお客様の個人情報の内容と件数は以下のとおりです。該当される方には順次書面にて個別にお知らせいたします。
・内容:氏名、住所、電話番号、メールアドレス等 ・件数:約 36.5万件 ※対象者全ての方について、上記「内容」に記載の情報が全て開示されたわけではございません。 出典: enessance.co.jp
内容の欄の最後に「等」が付いている点にも目を向けてください。氏名、住所、電話番号、メールアドレスのほかにも項目がある可能性がありますが、何が含まれるのかは書かれていません。
反対に、「含まれない」と明記された項目も、第4報にはありません。ほかの会社の発表では、クレジットカード情報や銀行口座の番号が含まれないと書かれることがありますが、エネサンスの第4報にはその種の記載がありません。書かれていない以上、「カード情報は無事」とも「カード情報も出た」とも言えません。ガス料金を口座振替やクレジットカードで払っている人は、この点を専用窓口で確かめておくと安心です。
この点を踏まえると、利用者が備えるべきなのは、まず確かに書かれている氏名、住所、電話番号、メールアドレスが使われる場面です。具体的には、本人あてに届く郵便、自宅や携帯への電話、メールやSMSです。それぞれの備え方は後の節で説明します。
検索で見かける情報との付き合い方
「エネサンス 情報漏洩」で検索すると、ニュースサイトや解説記事が数多く出てきます。中には、攻撃者の集団名や、公式の発表にない件数、ほかの会社の名前を挙げているものもあります。こうした記事は、取材や独自の調べに基づいていることもありますが、エネサンスホールディングスが公表した事実とは限りません。
自分が対象かどうか、どんな情報が含まれるのか、どこに問い合わせればよいのかを判断するときは、会社の発表だけを根拠にするのが確実です。理由は2つあります。1つは、発表の時点ごとに分かっていることが変わるためです。たとえば2025年10月30日の続報の時点では、情報漏洩が発生したと考えられる事案は確認できていないとされていましたが、2026年5月11日の第4報では約36.5万件という件数が示されました。古い時点の記事を読むと、いまの状況とずれた理解になります。もう1つは、問い合わせ先の番号です。記事に書かれた番号を写し間違えていたり、偽の番号が出回ったりすると、かけた先で個人情報を聞き出されるおそれがあります。
この記事でも、件数、項目、窓口は、2026年11月1日時点の公式の第4報で確かめた内容だけを書いています。
原因について発表で分かっていること
原因について、第4報は「侵入経路や詳細な手口の特定には至りませんでした」としたうえで、「インターネットとの接続口から侵入された可能性が高い」と書いています。
インターネットとの接続口とは、会社の中のネットワークと外のインターネットをつなぐ出入り口のことです。社外から社内のシステムに入るための機器や仕組みがここに当たります。ただし、エネサンスの発表には、どの機器だったのか、どんな弱点を突かれたのかは書かれていません。この記事でもそれ以上の推測はしません。
攻撃者がだれかについても、公式の発表には名前が出ていません。検索すると攻撃者の集団名を挙げる記事が見つかりますが、会社が公表した事実ではないため、ここでは扱いません。
再発防止策として、会社は次のことを挙げています。
- 調査結果を踏まえた、グループ全体でのセキュリティ対策と監視の強化
- 情報セキュリティ体制の見直し
- 社員教育の徹底
また、2025年10月30日の続報では、警察署への相談と監督官庁への報告を行ったことも書かれています。
利用者の側から見ると、原因の細部よりも、「盗まれたデータが攻撃者によって公開された」という事実のほうが重みがあります。いったん公開されたデータは、会社の努力では回収できません。第3報から第4報までに時間がかかったのも、公開されたデータの中身を一つずつ確かめる作業が必要だったからだと説明されています。だからこそ、利用者は「自分の情報は出回っているかもしれない」という前提で、届く連絡を見分ける構えを持っておくことが大切です。
会社や組織の側でランサムウェアを防ぐ考え方を知りたい人は、ランサムウェアへの対策|侵入経路別の防御とバックアップ設計の実務が参考になります。侵入経路ごとの防ぎ方と、暗号化されたときに困らないバックアップの組み方を説明しています。
エネサンスとグループ各社の対応
第4報で示された会社の対応を、利用者に関わる順に整理します。
1つ目は、書面による個別の通知です。会社は「該当される方には順次書面にて個別にお知らせいたします」としています。メールや電話ではなく、書面で届くと明記されている点が大切です。
2つ目は、通知が届かない人への扱いです。住所や連絡先の変更などで個別の通知が難しい人については、第4報の公表をもって、個人情報保護法に基づく本人への通知に代えるとしています。引っ越しなどで登録の住所が古いままの人は、書面が届かないまま「通知済み」の扱いになることがあるということです。
3つ目は、専用の問い合わせ窓口の開設です。電話番号は0120-363-385、受付は平日のみ9時から17時です。
4つ目は、攻撃者のリークサイトの監視の継続です。状況に変化がないかを確かめ、開示すべきことが見つかれば速やかに開示するとしています。
補償やお詫びの品については、第4報には書かれていません。発表にないことは、この記事でもあるとは書きません。ほかの会社の事案で補償がどう扱われてきたかを知りたい人は、情報漏洩の補償はもらえるのか|お詫び金・ポイントの例と利用者が確かめること 2026を参考にしてください。今回の件でどうなるかは、会社の発表を待つしかありません。
なお、システムの状況について、第3報は「概ね復旧」と書いており、第4報でも「システムについては概ね復旧しております」とされています。LPガスの供給そのものが止まっているという発表はありません。
自分が対象かを確かめる方法
対象かどうかを確かめる手段は、大きく2つです。
書面の通知が届いているかを見る
第4報では、該当する人に順次書面で知らせるとしています。2026年5月11日の公表から半年近くたっているため、対象の人の多くにはすでに届いている可能性があります。ガス料金の請求書や検針票と一緒に保管している郵便物の中に、エネサンスやグループ会社からの封書がないかを見てください。
届いた書面が本物かどうか迷ったら、書面に書かれた電話番号ではなく、第4報に載っている専用窓口の番号(0120-363-385)に自分からかけて確かめるのが確実です。偽の書面では、問い合わせ先の番号そのものが偽物になっていることがあるからです。
専用窓口に問い合わせる
書面が届いていなくても、心当たりがある人は窓口に問い合わせてかまいません。とくに次のような人は、書面が届かないまま本人通知の扱いになっている可能性があります。
- エネサンスのグループ会社とLPガスの契約をしていたが、引っ越して解約した
- 契約は続いているが、登録している住所や電話番号が古いままかもしれない
- 家族の名義で契約していて、自分あての郵便を見ていない
電話をかける前に、次の点をメモにしておくと話がまとまりやすくなります。
- 契約していた(している)グループ会社の名前と、お客様番号(請求書や検針票に書かれていることが多い)
- 契約名義の氏名と、当時の住所、電話番号
- 確かめたいこと(自分が対象か、どの項目が含まれるか、支払いの情報は含まれるか)
- 不審な電話や郵便が届いていれば、その日時と内容
窓口の受付は平日の9時から17時です。土曜、日曜は受け付けていないので、仕事の休み時間などに合わせて準備しておくと安心です。
エネサンスの名前をかたる電話や郵便物への備え
第4報は、二次被害は確認されていないとしたうえで、「当社名を騙る不審な電話や郵便物等による勧誘や詐欺には十分にご注意ください」と呼びかけています。また、2025年12月25日には「当社関係者を装った不審な電子メールにご注意ください」というお知らせも出し、エネサンスや同社の従業員を装ったなりすましメールが送られている事例があると知らせています。
LPガスの利用者には、ほかの業種にない事情があります。ガス会社の担当者が、実際に家まで来るという点です。エネサンスの配送業務のページには、毎月のガスの検針や、ガス容器の交換の際に担当者が敷地内に入ること、容器の交換のときに法令に基づいて外回りのガス設備を点検することが書かれています。「ガス会社の人が来る」こと自体は日常なので、それを装った電話や訪問が本物らしく見えやすいのです。
そこで、次のような見分け方を持っておくと役に立ちます。
電話の場合
- 「情報漏洩のお詫びとして返金がある」「補償金を振り込むので口座番号を教えてほしい」と言われたら、いったん切る。第4報には補償や返金の案内はない
- 「保安点検の日程を決めたい」「ガス設備の交換が必要」と言われたら、その場で決めず、請求書や検針票に書かれた営業所の番号に自分からかけ直して確かめる
- 「料金が未払いなので今日中に支払いを」と急がせる電話は、請求書や検針票で実際の請求と照らし合わせる
- クレジットカードの番号や暗証番号、銀行のログインの情報を電話で聞かれたら、答えない
電話番号が出回ったときの迷惑電話やSMSへの備えは、電話番号の流出チェックの方法|流出したらどうなるかと迷惑電話・SMSへの備え 2026で詳しく説明しています。
郵便の場合
住所と氏名がそろって出ると、本人あての封書やはがきが本物らしく見えやすくなります。とくに、ガス会社の社名やロゴをまねた封書で、「情報漏洩の確認のため」「契約内容の確認のため」と書いて、返信用の用紙にカード番号や口座番号を書かせる手口には注意が必要です。
届いた郵便に問い合わせ先の番号が書かれていても、その番号にはかけず、第4報に載っている0120-363-385か、ふだん使っている請求書の営業所の番号で確かめてください。住所が出回ったときに起きやすいことと備えの順番は、個人情報が流出して住所が漏れたときの対応|起きることと防ぎ方の順番にまとめています。
メールとSMSの場合
メールアドレスも出た可能性がある項目に入っています。エネサンスを名乗るメールの中のURLを押してログインしたり、添付ファイルを開いたりしないことが基本です。会社の12月25日のお知らせも、不審なメールを受け取ったら添付ファイルを開かず、本文中のURLを押さずに削除するよう呼びかけ、返信や個人情報の連絡をしないよう求めています。
マイエネサンスで請求額を確かめたいときは、メールのリンクではなく、ふだん使っているブックマークか、エネサンスの公式サイトから入ってください。偽のメールを5秒で振り分ける手順と、開いてしまった後の対処は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処で説明しています。
訪問の場合
本物の検針や容器の交換は、ふだんどおり行われます。そのうえで、ふだんと違う訪問には気をつけてください。たとえば「情報漏洩のお詫びに来た」と言って家に上がろうとする、ガス機器の高額な交換をその場で契約させようとする、といったものです。その場で決めず、名刺や身分証を見せてもらい、営業所の番号に自分から電話して本当に会社の担当者かを確かめるのが確実です。
ここで挙げた手口は、実際にエネサンスの件で起きたと公表されたものではありません。会社は二次被害を確認していないとしています。あくまで、氏名、住所、電話番号がそろって出たおそれがあるときに想定しておくべき備えとして読んでください。
出た可能性がある項目ごとにすること
第4報で示された項目ごとに、利用者がすることを分けて整理します。
| 項目 | 起こりうること | すること |
|---|---|---|
| 氏名と住所 | 本人あての偽の郵便、ダイレクトメールの増加 | 届いた郵便の問い合わせ先にかけず、公式の番号で確かめる |
| 電話番号 | ガス会社や役所を装う電話、SMS | 用件を聞いたら一度切り、自分からかけ直す |
| メールアドレス | なりすましメール、偽のログイン画面への誘導 | メールのURLからログインしない。添付を開かない |
| 「等」に含まれる項目 | 内容が分からない | 専用窓口で自分の分の項目を確かめる |
パスワードが含まれるとは書かれていないので、いま慌ててすべてのパスワードを変える必要はありません。ただし、マイエネサンスで使っているパスワードをほかのサービスでも使い回している人は、この機会に分けておくと、別の漏洩が起きたときの被害を小さくできます。
逆に、しなくてよいこともあります。ガスの契約をすぐに解約する、電話番号を変える、といった大きな対応は、出た可能性がある項目と、実際に不審な連絡が来ているかを見てから決めれば十分です。まず書面と窓口で自分の分を確かめるのが先です。
家族がいる家庭では、ガスの契約名義の人だけでなく、ふだん電話や郵便を受け取る家族にも一声かけておくと安心です。とくに高齢の家族がいる場合、「ガス会社を名乗る電話でお金や口座の話が出たら、いったん切って家族に相談する」と決めておくだけでも、被害を防ぎやすくなります。
書面が届いたときに確かめること
エネサンスやグループ会社の名前で封書が届いたときは、中身を読む前後に、次の点を順に確かめると落ち着いて判断できます。
1つ目は、差出人の会社名です。契約しているグループ会社か、エネサンスホールディングスの名前になっているかを見ます。似た名前の別の会社や、聞いたことのない団体の名前で届いた「情報漏洩のお知らせ」は、まず疑ってかかってください。
2つ目は、書かれている問い合わせ先の番号です。第4報に載っている専用窓口は0120-363-385です。封書に別の番号だけが書かれている場合は、その番号にはかけず、第4報の番号に電話して、その封書が本当に会社から送られたものかを確かめます。
3つ目は、お金や暗証番号を求める記載がないかです。第4報には、補償や返金、手続きの費用についての案内はありません。「返信用紙にカード番号を書いて送り返す」「指定の口座に手数料を振り込む」といった求めがあれば、本物の通知ではない可能性が高いと考え、窓口に確かめるまで応じないでください。
届いた書面は、捨てずに保管しておきます。あとで不審な電話がかかってきたときに、自分が対象になっているかどうか、どの項目が含まれていたかを見返す手がかりになります。
高齢の家族がいる家庭で先に決めておくこと
ガスの契約は、家の名義人がひとりで結んでいることが多く、家族のほかの人は契約の中身をよく知らないことがあります。氏名、住所、電話番号がそろって出たおそれがあるときに、まず狙われやすいのは、固定電話に出て、その場で話を決めてしまいがちな人です。名義人が高齢の親という家庭では、とくに気をつけておきたいところです。
離れて暮らす親がエネサンスのグループ会社とガスの契約をしている場合は、次のことを電話で一度伝えておくと安心です。
- ガス会社を名乗る電話で、お金、口座、カードの話が出たら、いったん切って家族に連絡する
- 「お詫びの返金」「点検の費用」などの話は、その場で決めない
- 自宅に来た人が担当者かどうか迷ったら、請求書や検針票に書かれた営業所の番号に自分からかけて確かめる
- 届いた封書の問い合わせ先が第4報の番号(0120-363-385)と違っていたら、家族に見せる
固定電話の留守番電話を常に入れておき、知らない番号からの電話には出ずに用件を録音してもらう、という方法も役に立ちます。録音された内容を家族と一緒に聞いてから折り返せば、急がされてその場で決めてしまうことを防げます。
グループ従業員等の約2千件について
第4報には、お客様とは別に、グループ従業員等に関する情報(氏名、電話番号等)が約2千件あると書かれています。「従業員等」とあるので、現役の社員だけでなく、ほかの立場の人が含まれる可能性もありますが、だれが含まれるのかの内訳は示されていません。
エネサンスのグループで働いていた人、働いている人は、勤務先の案内を確かめるとともに、勤務先を名乗る不審な電話にも気をつけてください。たとえば、元の勤務先を名乗って「書類の確認のため」と称し、マイナンバーや口座番号を聞き出そうとする連絡です。第4報にはマイナンバーが含まれるとは書かれていませんが、こうした電話は手持ちの情報をもとに別の情報を引き出そうとするものなので、その場で答えないことが大切です。
在籍していた期間や部署によって含まれる情報が違う可能性もあるため、心当たりのある人は、専用窓口か元の勤務先の担当部署に確かめるのが確実です。
問い合わせ窓口
今回の件の問い合わせ先は、第4報に次のとおり載っています。
| 名称 | 電話番号 | 受付時間 |
|---|---|---|
| 本件に関する専用お問合せ窓口 | 0120-363-385 | 平日のみ、9時から17時 |
この番号は、エネサンスホールディングスと各グループ会社のページに載っている第4報で共通です。グループ会社ごとに別の窓口が案内されているわけではありません。
窓口に電話するときも、クレジットカードの番号や暗証番号、銀行のログインの情報を伝える必要はないはずです。もし電話口でそれを聞かれたら、かけた番号が本当に第4報の番号だったかを確かめ直してください。
ガスのにおいがする、ガス警報器が鳴った、といった保安の緊急事態は、この専用窓口ではなく、ふだんの営業所に連絡します。エネサンスの保安のページでも、ガス臭いときは火を使わず、窓を開け、ガス栓や容器バルブを閉めて、近くの営業所に連絡するよう案内しています。情報漏洩の問い合わせと、ガスの安全の連絡は窓口が違う点を覚えておいてください。
これまでの報を自分で読み直したいときは、エネサンスホールディングスのシステム障害に関するお知らせ(第3報)と、システム障害に関するお知らせ(続報)のページも開けます。
在宅で仕事をする人が気をつけること
LPガスは家庭だけでなく、自宅で教室や店を開いている人、自宅を事務所にしている人も使っています。自宅を事業の拠点にしている人にとっては、ガス会社に登録した住所と電話番号が、そのまま仕事の連絡先と同じということも珍しくありません。今回のような件で電話番号が出回ると、ガス会社を装う電話だけでなく、取引先を装う電話も仕事の番号にかかってくるおそれがあります。
また、在宅で業務委託の仕事を受けている人は、取引先から顧客の名簿や問い合わせの記録などを預かる立場になることがあります。自分のメールやクラウドのアカウントが乗っ取られると、預かった取引先の情報まで外に出るおそれがあります。
個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、事業者に委員会への報告が義務づけられる場合として、要配慮個人情報(病歴など、とくに慎重に扱う情報)を含む漏えい等、不正に使われるとお金の被害が出るおそれがある漏えい等、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等、本人の数が1,000人を超える漏えい等が挙げられています。ランサムウェアなどで個人データが暗号化され、復元できなくなった場合も、不正の目的で行われたおそれがある例として示されています。報告は発覚したら速やかに行い、不正の目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。同じページには、事業者の義務違反について個人が相談する先として、個人情報保護法相談ダイヤルが案内されています。
業務委託で個人情報を扱う人が、自分の端末やアカウントから預かった情報を漏らしてしまった場合、まず対応を迫られるのは委託元の取引先です。どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるので、ここでは断定できません。ただ、気づいた時点ですぐ取引先に伝えることが、取引先が必要な手続きを進めるうえで欠かせない点は変わりません。
今回の件をきっかけに、仕事で使う環境について次の点を見直しておくと安心です。
- 仕事のメール、クラウドストレージ、チャットのパスワードが、生活のサービスと同じになっていないか
- 仕事で使うアカウントに多要素認証を設定しているか
- 取引先から預かったデータを、必要がなくなったあとも手元に残していないか
- 自分の端末で不審な動きに気づいたとき、取引先の誰に、どの手段で連絡するかを決めているか
- 自宅の固定電話を仕事にも使っている場合、取引先を名乗る電話の確かめ方を決めているか
小さな会社や個人事業でセキュリティ対策の費用をどう工面するかについては、中小企業のサイバーセキュリティ対策2026|IT導入補助金で防御力を強化する方法が参考になります。補助金を使って対策の道具をそろえる考え方を説明しています。
情報を守る力を仕事に生かす
今回のエネサンスの件は、盗まれたデータが公開されてから、中身を確かめて個人情報の件数を示すまでに約5か月かかった事案です。その間、会社の内部では、公開されたデータを一件ずつ確かめ、だれの情報が含まれるかを整理し、通知の書面を準備する作業が続いていたことになります。こうした作業は、事案が起きたあとの会社にとって避けられない仕事です。
フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く取引が続く人ほど、納品物の質だけでなく、預かった情報の扱い方で信頼を得ています。パスワードの使い回しをやめる、仕事と個人のアカウントを分ける、預かったデータを用が済んだら削除する、といった地味な手当てが、そのまま取引先からの評価につながっていきます。中間の手数料が乗らない直接の取引では、こうした信頼がそのまま次の依頼と手取りの厚さに結びつきます。
企業の中には、社員向けのセキュリティの研修資料の作成、顧客向けの注意喚起の文面づくり、社内のアカウントの棚卸しの手伝いなどを、外部の人に頼むところがあります。公式の発表から「何が分かっていて何が分かっていないか」「利用者は何をすればよいか」を正確に読み取って整理する作業も、その一つです。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。
エネサンスの件は、2026年11月1日時点で第4報が最新で、該当する人への書面の通知が順に進められている段階です。エネサンスやグループ各社と契約したことがある人は、届いた郵便の確認、名前をかたる電話や郵便への備え、迷ったときの専用窓口(0120-363-385)への問い合わせの3つを先に済ませ、続報はエネサンスホールディングスのお知らせの一覧で確かめてください。
よくある質問
Q. エネサンスのLPガスを使っていれば、必ず対象になりますか?
必ずとは限りません。第4報では、お客様の約36.5万件について漏洩が発生した、またはそのおそれがあるとしていますが、だれが含まれるかは公表されていません。該当する人には順次書面で個別に知らせるとしているので、届いた郵便を確かめ、分からなければ専用窓口(0120-363-385、平日9時から17時)に問い合わせてください。
Q. クレジットカードや銀行口座の情報は漏れていますか?
第4報に書かれている内容は、氏名、住所、電話番号、メールアドレス等です。クレジットカードや口座の情報が含まれるとも、含まれないとも書かれていません。ガス料金をカードや口座振替で払っている人は、専用窓口で自分の分の項目を確かめると安心です。カードの明細に身に覚えのない請求がないかも、あわせて見ておいてください。
Q. 補償やお詫びの品はもらえますか?
2026年11月1日時点の第4報には、補償やお詫びの品についての記載はありません。電話や郵便で「補償金を振り込むので口座番号を教えてほしい」と言われた場合は、いったん切って、第4報に載っている専用窓口の番号に自分からかけて確かめてください。
Q. 引っ越して解約したので書面が届いていません。どうすればよいですか?
第4報では、住所や連絡先の変更などで個別に通知できない人については、公表をもって本人への通知に代えるとしています。書面が届かないまま対象になっている可能性があるので、契約していたグループ会社の名前と当時の住所をメモして、専用窓口(0120-363-385)に問い合わせてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
関連記事

銀のさら・釜寅・すし上等の個人情報漏えいの可能性|最大約650万件 ライドオンエクスプレス 確かめること 2026

戸田建設の個人情報漏洩|取引先のメールアドレスと従業員4,778名分 確かめること 2026

ガーラ湯沢の情報漏えいの可能性|リフト券発券システムのランサムウェア被害 シーズンパスポート購入者 最大1,518名 氏名・住所・顔写真 対象と確かめること 2026

加賀ソルネットの情報漏えい|アカデミコナビ 165,587名分 氏名・住所・所属校情報 対象と確かめること 2026

ApplyNowの情報漏えい|Interview Cloud・ApplyNow Sign 約39万人 氏名・電話番号・マイナンバー 対象と確かめること 2026

手間いらずの情報漏えいの可能性|TEMAIRAZU 最大約445万人 宿泊者の氏名・電話番号・メールアドレス 対象と確かめること 2026

セゾンテクノロジーの個人情報漏えいの可能性|クラウドのストレージの設定不備 技術サポート更新申込書1,214件 担当者の氏名・連絡先 対象と確かめること 2026

JR仙台病院の個人情報の紛失|廃棄予定のパソコンとSSD 患者11,791名分 対象と確かめること 2026
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ
プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

AI活用
職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人
看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人
薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人
介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人
保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人
医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス
経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却
会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方