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日販の情報漏洩|グループ元従業員による社内メールの無断転送 取引先68社334件 対象と確かめること 2026

@SOHO編集部
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日販の情報漏洩|グループ元従業員による社内メールの無断転送 取引先68社334件 対象と確かめること 2026

この記事のポイント

  • ✓日販の情報漏洩について
  • ✓2026年2月13日の発表と5月19日の第二報をもとに整理
  • ✓日販グループの元従業員1名が社外秘を含む社内メールを社外関係者に無断で転送した件の期間

日販の情報漏洩について、出版取次の日本出版販売株式会社(日販)と日販グループホールディングス株式会社は2026年2月13日、グループの元従業員1名が、社外秘を含む社内メールを複数回、社外関係者に無断で転送・漏洩していたと発表しました。メールには取引先に関する情報が含まれており、社内の調査で確認した件数は、2019年12月から2025年9月の期間で65社295件でした。2026年5月19日の第二報では、外部専門家による追加調査の結果、漏洩行為があった期間を2014年2月末から2025年9月まで、被害書店数(対象取引先数)を68社、漏洩件数を334件と改めています。両社は、漏洩が確認された情報は同社と取引先に関するもので、一般消費者(個人のお客様)の個人情報は含まれていないことを確認したとしています。2026年11月1日時点で、日販のニュースの一覧に、5月19日の第二報のあとにこの件の新しい報告は出ていません。 書店で本を買う人や書店の会員がまずすることは、この件では特にありません。発表では、個人の客の個人情報は含まれていないとされています。 取引先の書店や会社の担当者は、日販からの個別の説明の内容を確かめ、日販や取引先を名乗る不審なメールに注意してください。

この記事は、2026年11月1日時点で日販の公式サイトに掲載された2026年2月13日の発表と5月19日の第二報、取引先の株式会社文教堂の公表を開き直して確かめた内容だけで書いています。報道の数字や推測は入れていません。

日販グループで何が起きたのか

日販は、出版社と書店のあいだで本や雑誌の流通を担う出版取次の会社です。公式サイトでは、本・文具・雑貨の仕入と物流、出版流通改革、書店サポート、図書館サポートなどの事業を紹介しています。今回の発表は、日販グループホールディングス株式会社と日本出版販売株式会社の連名で出されています。

2026年2月13日の発表の骨子は次のとおりです。

  • グループの元従業員1名が、社外秘を含む社内メールを複数回、社外関係者に無断で転送・漏洩していた事実が判明した
  • メールには取引先に関する情報が含まれており、該当の取引先には、すでに個別にお詫びと説明をしている
  • 社内の調査で確認した対象期間は2019年12月から2025年9月、漏洩した取引先の情報は65社295件
  • 漏洩が確認された情報は、同社と取引先に関するもので、一般消費者(個人のお客様)の個人情報は含まれていない
  • 元従業員は社内規程に基づき厳正に処分した
  • 日本出版販売株式会社の代表取締役社長と取締役会長が、報酬の10%を1か月減額する形で自主返納する

この度、弊社グループ元従業員 1 名が社外秘を含む社内メールを複数回、社外関係者に無断で転送・漏洩していた事実が判明いたしました。当該メールには、お取引先様に関する情報が含まれており、該当のお取引先様には、すでに個別にお詫びとご説明を申し上げていることをご報告させていただきます。 出典: 日本出版販売「弊社グループ元従業員による情報漏洩に関するご報告」(2026年2月13日)

この件は、外部からの不正アクセスやサイバー攻撃ではありません。発表の言葉どおり、元従業員が社内メールを社外関係者に無断で転送したという事案です。この記事でも、その言い方で書きます。

公表の経緯と2026年11月1日時点の状況

この件で公式に確かめられる出来事を、日付の順に並べます。

日付 出来事
2014年2月末から2025年9月 第二報で確認された、漏洩行為があった期間
2026年2月13日 日販グループホールディングスと日本出版販売が「弊社グループ元従業員による情報漏洩に関するご報告」を公表。65社295件(2019年12月から2025年9月)
2026年2月16日 取引先の株式会社文教堂グループホールディングスと株式会社文教堂が「業務提携先における情報漏洩事案について」を公表
2026年5月19日 日販が第二報を公表。外部専門家の追加調査で、期間を2014年2月末から2025年9月、68社334件と改める

2月13日の発表の件数は、社内の調査で確認したものでした。5月19日の第二報では、外部専門家による追加調査で、漏洩行為があった期間と件数について新たな事実が判明したとしています。期間は5年ほど前にさかのぼり、件数も増えています。

2026年11月1日時点で、日販のニュースの一覧に並ぶこの件のお知らせは、2月13日の発表と5月19日の第二報の2本です。そのあとのお知らせは、商品の発売や書店の売上の調査などで、この件の続報はありません。

2社の連名で出された発表の読み方

2つの発表は、日販グループホールディングス株式会社と日本出版販売株式会社の連名で出されています。日販のグループ一覧では、日販グループホールディングスの事業内容を「グループの経営戦略策定および、経営管理」としており、日本出版販売はグループの中で取次事業を担う会社として載っています。発表では、問題を起こした人を「弊社グループ元従業員」と書いており、グループのどの会社に所属していたかは書かれていません。この記事でも、それ以上のことは書きません。

役員の報酬の自主返納が日本出版販売株式会社の代表取締役社長と取締役会長について示されていることから、日本出版販売の事業に関わる件として扱われていると読めます。ただし、元従業員の所属先を発表から断定することはできません。

また、元従業員という言い方は、発表の時点ですでにその会社に在籍していない人であることを示しています。漏洩行為があった期間の終わりは2025年9月とされており、在籍中の行為として調べられたものと読めます。発表では、元従業員を社内規程に基づき厳正に処分したとしています。

役員の報酬の自主返納とは

2月13日の発表では、事態を厳粛に受け止め、役員が報酬の一部を自主返納するとしています。自主返納とは、会社の決まりで罰として減らされるのではなく、役員が自分の意思で報酬の一部を会社に返すことです。発表では、日本出版販売株式会社の代表取締役社長と取締役会長の2人が、それぞれ報酬の10%を1か月減額するとしています。

自主返納は、会社として責任を示すための対応の1つです。取引先への補償や、取引の条件の見直しとは別の話なので、混同しないようにしてください。

漏洩した情報の範囲

2つの発表で示された件数と期間を、並べて示します。

区分 2026年2月13日の発表(社内の調査) 2026年5月19日の第二報(外部専門家の追加調査)
期間 2019年12月から2025年9月 2014年2月末から2025年9月
取引先の数 65社 68社(被害書店数、対象取引先数)
件数 295件 334件
漏洩の内容 社外秘を含む社内メールの、社外関係者への無断の転送 同じ。漏洩先は同社の取引先数社

第二報では、取引先の数を「被害書店数(対象取引先数)」と書いています。漏洩した情報の多くが、取引先の書店に関するものだったと読めます。第二報では、漏洩先を「弊社の取引先数社」としています。つまり、情報を受け取った側も、日販の取引先の会社だったという説明です。

次に、会社が「含まれない」と明記したことを分けて示します。

区分 内容
会社が含まれないと明記したもの 一般消費者(個人のお客様)の個人情報(2月13日の発表、5月19日の第二報)
会社が確認されていないとしたもの 当該従業員以外による情報漏洩行為、組織的な関与を示す事実(第二報)
取引先の文教堂が含まれないとしたもの 個人の客や株主の個人情報、文教堂の従業員の個人情報

発表には、漏洩したメールの中身が、取引先のどのような情報だったか(取引の条件、売上の数字、担当者の連絡先など)は書かれていません。この記事でも、それ以上のことは書きません。

書店で本を買う人への影響

「日販 情報漏洩」と検索する人の中には、書店の会員カードや、書店のネットの通販を使っている人もいるはずです。日販は、多くの書店に本を届けている会社なので、自分の情報も関係しているのではないかと心配になるのは自然なことです。

この点について、発表は明確です。2月13日の発表でも、5月19日の第二報でも、漏洩が確認された情報は同社と取引先に関するもので、一般消費者(個人のお客様)の個人情報は含まれていないことを確認したとしています。取引先の文教堂の公表でも、漏洩が確認された情報に、個人の客や株主の個人情報は含まれていないとしています。

そのため、書店で本を買ったり、書店の会員になったりしているだけの人が、この件をきっかけにパスワードを変えたり、カードを再発行したりする必要があるとは、発表からは読み取れません。

便乗した不審な連絡には注意する

自分の情報が含まれていなくても、話題になった件に便乗した不審な連絡が届くことがあります。たとえば、「日販の情報漏洩のお詫びとしてポイントを付与する」として、リンク先でログインを求めるメールやSMSです。発表には、個人の客に連絡したり、お詫びの品を送ったりすることは書かれていません。この件を名目に個人の客へ届く連絡があれば、偽物と考えて、リンクを開かずに削除してください。

偽のメールを短時間で振り分ける手順は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処で説明しています。

書店の会員サービスを使う人が日ごろからできること

今回の件では、一般消費者の個人情報は含まれていないとされています。それでも、書店の会員カードやポイントのサービス、ネットの通販を使っている人は、ほかの会社の漏えいに備えて、日ごろから次のような点を整えておくと役に立ちます。

  • 使っている書店の会員サービスと、登録したメールアドレスを、メモにまとめておく
  • 使わなくなった会員サービスやネットの通販のアカウントは、退会しておく
  • 会員サービスのパスワードを、ほかのサービスと使い回さない
  • 漏えいのニュースを見たときは、ニュースの見出しだけで判断せず、その会社の公式の発表で対象を確かめる

今回の件のように、会社の名前が大きく報じられても、個人の客の情報は含まれていない、という発表もあります。公式の発表で対象と項目を確かめる習慣をつけておくと、必要のない不安を抱えずに済み、本当に備えが要るときに落ち着いて動けます。

原因について会社が説明していること

2月13日の発表では、元従業員が社外秘を含む社内メールを、複数回、社外関係者に無断で転送・漏洩していたと説明しています。転送とは、受け取ったメールを、そのまま別の宛先に送ることです。社内でやりとりされたメールが、会社の許可なく社外に送られていた、という事案です。

第二報では、当該従業員以外による情報漏洩行為は確認されておらず、組織的な関与を示す事実は現時点では確認されていないとしています。また、本件の背景には、同社における情報の取扱いや管理体制の在り方に不十分な点があったことを重く受け止めている、と書いています。

元従業員がなぜ転送したのか、転送先の取引先がその情報をどう扱ったのかは、発表には書かれていません。この記事でも、推測で書くことはしません。

期間と件数が改められた理由

2月13日の発表は社内の調査、5月19日の第二報は外部専門家による追加調査の結果です。第二報で期間が2014年2月末までさかのぼったのは、追加調査で新たな事実が判明したためと説明されています。第二報の表には「上記はいずれも今回の追加調査により確認されている内容です」という注が付いています。

社内の調査のあとに外部の専門家が調べ直し、範囲が広がることは、情報の漏えいの調査ではありうることです。最初の発表の数字だけを見て判断せず、続報で数字が改められていないかを確かめることが、読み手にとって大切です。

今回の件では、第一報と第二報のあいだで、次の3つが改められています。

  • 期間の始まりが、2019年12月から2014年2月末にさかのぼった
  • 取引先の数が、65社から68社に増えた
  • 件数が、295件から334件に増えた

一方で、一般消費者の個人情報が含まれていないという点は、第一報と第二報で変わっていません。第二報では、追加調査においても、漏洩が確認された情報は同社と取引先に関するもので、一般消費者の個人情報は含まれていないことを確認したと書かれています。数字が改められた点と、変わっていない点を分けて読むと、自分への影響を落ち着いて判断できます。

分かっていることと分かっていないことの整理

2026年11月1日時点で、公式の発表から分かっていることと、分かっていないことを並べます。報道などで別の説明を目にしても、公式に書かれていないものは、ここには入れていません。

分かっていること 分かっていないこと
元従業員1名が社外秘を含む社内メールを社外関係者に無断で転送した 元従業員が所属していたグループの会社
漏洩行為があった期間は2014年2月末から2025年9月(第二報) この件が判明した日付と、きっかけ
被害書店数(対象取引先数)は68社、漏洩件数は334件(第二報) 漏洩したメールの具体的な中身
漏洩先は日販の取引先数社 漏洩先の会社の名前と、情報の扱い
一般消費者の個人情報は含まれていない 取引先への補償の有無
当該従業員以外による漏洩行為、組織的な関与を示す事実は確認されていない 再発防止の仕組みの導入の時期

分かっていないことを、推測で埋めないことが大切です。とくに、漏洩先の会社の名前は発表に書かれていません。検索で別の情報を目にしても、公式の発表で確かめられない限り、事実として扱わないようにしてください。

会社の対応

2つの発表で示されている会社の対応は、次のとおりです。

  • 該当の取引先に、個別にお詫びと説明をした(2月13日の時点で実施済み)
  • 元従業員を、社内規程に基づき厳正に処分した
  • 日本出版販売株式会社の代表取締役社長と取締役会長が、報酬の10%を1か月減額する形で自主返納した
  • 外部専門家による追加調査を実施した
  • 機密情報の社外送信に関する制限と取扱ルールを見直した
  • メール送信時のチェック体制を強化した
  • 機密情報の転送制限を徹底した
  • 情報の機密区分を整理し、社内での共有範囲を見直した

第二報では、これからの取り組みとして、情報の持ち出しなどを検知・抑止する仕組みの導入の検討、外部の専門的知見を踏まえた管理体制のさらなる見直し、運用状況の継続的な点検と改善を挙げています。

本件の背景には、弊社における情報の取扱いや管理体制の在り方に不十分な点があったことを重く受け止めております。 出典: 日本出版販売「弊社グループ元従業員による情報漏洩に関するご報告(第二報)」(2026年5月19日)

取引先への補償の有無は、発表には書かれていません。発表に書かれていないことを推測で書くことはしません。

出版の流通で取引先の情報が共有される仕組み

文教堂の公表では、漏洩した情報を「業務提携契約に基づき共有していた当社の情報の一部」と書いています。出版取次と書店は、本や雑誌の流通のために、ふだんから取引の情報をやりとりする関係にあります。文教堂の公表からは、業務提携の契約に基づいて、文教堂の情報の一部が日販と共有されていたことが分かります。

今回の件では、そうした社内のメールが、会社の許可なく社外に転送されていました。文教堂は、自社の承諾なく社外関係者へ漏洩していたことが確認されたとの連絡を受けた、としています。取引先の側から見ると、契約に基づいて日販に渡した情報が、自分の知らないところで別の会社に送られていた、ということになります。

どのような情報がやりとりされていたかは、発表にも文教堂の公表にも書かれていないので、ここでは具体的な中身を挙げません。取引先の会社が自社の場合を確かめたいときは、日販からの個別の説明の内容を見るのが確実です。

取引先の書店や会社が確かめること

この件で影響を受けるのは、主に日販の取引先です。第二報では68社としています。自分の会社が対象かどうかは、日販からの個別の説明で分かります。2月13日の発表の時点で、該当の取引先には個別にお詫びと説明をしたとしています。

ただし、第二報で期間がさかのぼり、取引先の数が65社から68社に増えています。2月の時点で説明を受けていなかった会社が、5月の追加調査で対象に加わった可能性もあります。取引先の書店や会社の担当者は、次の点を確かめておくと安心です。

  • 日販から、この件についての個別の説明を受けたか、受けた時期はいつか
  • 説明で、漏洩した情報がどのようなものだったと伝えられたか
  • 2026年5月19日の第二報のあとに、追加の説明を受けたか
  • 社内で、この件についての報告と、取引の情報の扱いの見直しをしたか

自社が対象かどうか分からない場合は、日販の取引の担当に確かめるのが確実です。発表には、この件の専用の問い合わせ窓口は書かれていません。日販の公式サイトには、取引や取材についてのお問い合わせフォームが用意されています。

取引先を装った連絡への注意

取引の情報が社外に出た件では、取引先を装った不審な連絡に注意が必要になることがあります。たとえば、日販や取引先の担当者の名前で、振込先の変更や、請求書の確認を求めるメールです。今回の件で、そうした連絡が実際に起きたとは発表に書かれていませんが、取引の担当者は次の点を習慣にしておくと安心です。

  • 振込先の変更の連絡は、メールの返信ではなく、ふだんの電話番号で相手に確かめる
  • 見慣れない送信元から届いた請求書のファイルは、開く前に送り主を確かめる
  • 社内で、振込先の変更を承認する手順を決めておく

取引先の文教堂の公表

日販の取引先のうち、株式会社文教堂グループホールディングスと株式会社文教堂は、2026年2月16日に「業務提携先における情報漏洩事案について」を公表しています。文教堂の公表の骨子は次のとおりです。

  • 2026年2月13日、業務提携先である日販グループホールディングスから、同社グループ元従業員による情報漏洩事案についての発表が行われた
  • その報告の中で、業務提携契約に基づき共有していた文教堂の情報の一部が、文教堂の承諾なく社外関係者へ漏洩していたことが確認されたとの連絡を受けた
  • 漏洩が確認された情報には、個人の客や株主の個人情報は含まれておらず、文教堂の従業員の個人情報も含まれていない
  • 現時点で、本件に起因する文教堂の事業運営や財務状況への影響、損害は確認されていない
  • 情報の取り扱い方法や管理プロセスの点検と見直しを進め、業務提携先とも連携して再発防止に取り組む

今回漏洩が確認された情報には、個人のお客様や株主様の個人情報は含まれておらず、当社従業員の個人情報も含まれていないことを確認しております。 出典: 文教堂「業務提携先における情報漏洩事案について」(2026年2月16日)

文教堂の書店を使っている人も、この公表のとおり、個人の客の個人情報は含まれていないとされています。文教堂の公表の問い合わせ先は、株式会社文教堂 経営戦略室(TEL. 044-811-0118)です。

ほかの取引先の書店が公表しているかどうかは、それぞれの会社の公式の発表で確かめてください。取引先の書店の公表は、その書店の会社の公式サイトのお知らせやニュースの欄に掲載されるのが一般的です。この記事では、公式の公表を確かめられた文教堂だけを取り上げています。

問い合わせ先

日販の2つの発表には、この件の専用の問い合わせ窓口や電話番号は書かれていません。取引先の会社は、日販の取引の担当に確かめてください。日販の公式サイトには、取引や本を起点とした空間づくりの相談、オリジナル商品、取材についての問い合わせフォームがあります。

区分 問い合わせ先
日販の取引先 日販の取引の担当、または日販の公式サイトのお問い合わせフォーム
文教堂の件について 株式会社文教堂 経営戦略室(TEL. 044-811-0118)
書店で本を買う個人の客 発表では個人の客の個人情報は含まれていないとされている。不安な点は利用している書店に確かめる

問い合わせの連絡先は、発表や公式サイトなど、自分で確かめた所から取ってください。メールやSMSで案内された番号やアドレスに連絡すると、本物の窓口ではない所につながるおそれがあります。

取引先の会社で情報の扱いを見直すとき

今回の件を受けて、自社の情報の扱いを見直したいと考える取引先の会社もあるはずです。文教堂の公表でも、情報の取り扱い方法や管理プロセスの点検と見直しを進めているとしています。日販の第二報で挙げられた対応は、ほかの会社が自社の見直しを考えるときの手がかりにもなります。

日販の第二報で挙げられた対応 自社で確かめたいこと
機密情報の社外送信に関する制限と取扱ルールの見直し 社外に送ってよい情報と、送ってはいけない情報の決まりがあるか
メール送信時のチェック体制の強化 社外への送信の前に、確かめる手順があるか
機密情報の転送制限の徹底 社内のメールを社外に転送できる設定になっていないか
情報の機密区分の整理と共有範囲の見直し 誰がどの情報を見られるかが、必要な範囲に絞られているか
情報の持ち出し等を検知・抑止する仕組みの導入検討 社外への大量の送信や転送に、気づける仕組みがあるか

取引先に情報を渡すときは、渡す情報を必要なものに絞り、相手の会社の中でどの範囲で共有されるかを確かめておくことも、自社の側でできる備えです。契約の書面で、情報の扱いと、第三者への提供の禁止を定めておくことも考えられます。どのような内容にするかは、会社の事情によって違うので、専門家に相談してください。

社内の情報が外に出る事案の読み方

今回の件のように、外部からの攻撃ではなく、社内の人が情報を持ち出したり、社外に送ったりする事案は、内部からの漏えいと呼ばれることがあります。外部からの攻撃と違い、正規の権限を持つ人が、ふだんの業務の道具(今回はメール)を使って行うため、気づきにくいのが特徴です。

今回の件で、漏洩行為があった期間は、第二報で2014年2月末から2025年9月とされています。10年以上にわたって続いていたことになります。日販の第二報で挙げられた対応(機密情報の社外送信の制限、メール送信時のチェック、転送制限、機密区分の整理と共有範囲の見直し)は、こうした内部からの漏えいを防ぐための仕組みにあたります。

利用者や取引先の側から見て大切なのは、発表の範囲を正しく読むことです。今回は、一般消費者の個人情報は含まれていないと明記されています。内部からの漏えいという言葉だけで、自分の情報も関係していると考えず、発表に書かれた対象と項目を確かめるようにしてください。

対象の人がすることの一覧

ここまでの内容を、立場ごとに並べます。

立場 すること
書店で本を買う人、書店の会員 この件で特にすることはない。この件を名目にした不審なメールやSMSには応じない
文教堂の書店を使う人 文教堂の公表でも、個人の客の個人情報は含まれていないとされている。特にすることはない
日販の取引先の書店や会社の担当者 日販からの個別の説明を確かめる。説明がなく気になれば、日販の取引の担当に確かめる。振込先の変更などの連絡はふだんの電話番号で確かめる
日販と取引のある在宅の事業者 預かった資料とメールの扱いを見直す

書店で本を買う人にとって、この件で覚えておきたいのは、個人の客の個人情報は含まれていないと発表されていることです。不安をあおるような連絡が届いても、発表の内容と照らし合わせて、落ち着いて判断してください。

社内のメールを扱う会社員が気をつけること

今回の件は、社外秘を含む社内メールが、社外に転送されたことで起きました。会社で働く人にとって、メールの転送はふだんの業務の操作です。だからこそ、どのメールを、誰に、どこまで転送してよいかを意識しておくことが大切です。

会社員が日ごろから気をつけたい点を挙げます。

  • 社内のメールを、会社の許可なく社外の宛先や、自分の個人のメールアドレスに転送しない
  • 社外秘と書かれたメールや資料は、社内の決まりで共有してよい範囲を確かめてから扱う
  • 取引先から受け取った情報は、取引先との約束の範囲で使う
  • 転送の宛先を入力するときは、社外のアドレスが混ざっていないかを確かめる

会社によっては、社外への転送を制限する設定や、社外に送るメールに確認の画面を出す設定を用意しています。日販の第二報でも、機密情報の転送制限の徹底やメール送信時のチェック体制の強化が対応として挙がっています。こうした仕組みは、意図しない送信を防ぐだけでなく、働く人自身を、誤った操作から守るものでもあります。

退職や異動のときも、メールや資料の扱いに注意が必要です。前の職場の社内メールや取引先の資料を、個人のメールアドレスや自分で買った端末に残したままにしないようにしてください。退職のときに会社から求められる手続き(端末の返却や、データの削除の確認など)があれば、その案内に沿って済ませておくと、あとで疑いをかけられる心配も減ります。

在宅で仕事をする人が気をつけること

在宅で業務委託の仕事を受けている人は、取引先の社内のメールのやりとりに加わったり、取引先の資料を受け取ったりすることがあります。社外秘の情報を扱う立場になることもあり、今回の件のように、受け取ったメールを社外に転送することの重さを知っておく必要があります。

個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、事業者に委員会への報告が義務づけられる場合として、不正の目的をもって行われたおそれがある行為による個人データの漏えい等を挙げ、例の1つとして、従業者が顧客の個人データを不正に持ち出して第三者に提供した場合を示しています。「不正の目的をもって」の主体は、従業者だけではなく、盗難等の第三者も含まれるとされています。報告は、発覚したらまず速やかに行い、不正な目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。今回の日販の件は、一般消費者の個人情報は含まれていないとされていますが、在宅で働く人が顧客の個人データを扱う場面では、この考え方が当てはまります。

取引先の資料やメールを扱う在宅の人は、次の点を見直しておくと安心です。

  • 取引先から受け取ったメールや資料を、自分の判断で第三者に転送しない
  • 取引先ごとに、社外秘の扱いの決まりを確かめておく
  • 作業が終わった資料を、手元のパソコンやメールに残し続けない
  • 誤って転送してしまったときは、すぐ取引先に伝える

秘密保持の約束は、取引を始めるときに書面で交わすことが多くあります。機密保持と秘密保持の違いは、機密保持と秘密保持の違いで説明しています。秘密保持誓約書を交わすときに見ておきたい条項は、秘密保持誓約書を交わすときの注意点|有効にする条項と実務の落とし穴にまとめています。どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるので、ここでは断定できません。

フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く取引が続く人ほど、作業の速さだけでなく、預かった資料とメールの扱い方で信頼を得ています。中間の手数料が乗らない直接の取引では、こうした信頼がそのまま次の依頼と手取りの厚さに結びつきます。

情報を扱う力を仕事に生かす

社内の文書やメールを正しく扱う力は、在宅の事務の仕事でも評価されます。ビジネスの文書の書き方と扱い方を学べる資格として、ビジネス文書検定の内容と試験の形を説明しています。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。

日販の件は、2026年11月1日時点で2026年5月19日の第二報が最新で、漏洩行為があった期間は2014年2月末から2025年9月、被害書店数(対象取引先数)は68社、漏洩件数は334件とされています。一般消費者の個人情報は含まれていないとされているので、書店で本を買うだけの人がすることは特にありません。取引先の書店や会社の担当者は、日販からの個別の説明を確かめ、取引先を装った不審な連絡に注意してください。

よくある質問

Q. 日販の情報漏洩で、書店の客の個人情報は漏れたのですか?

2026年2月13日の発表と5月19日の第二報では、漏洩が確認された情報は日販と取引先に関するもので、一般消費者(個人のお客様)の個人情報は含まれていないことを確認したとしています。取引先の文教堂の公表でも、個人の客や株主の個人情報は含まれていないとしています。書店で本を買うだけの人が、この件で特にすることはありません。

Q. 漏洩した件数はどれだけですか?

2月13日の発表では、社内の調査で、2019年12月から2025年9月の期間に65社295件としていました。5月19日の第二報では、外部専門家の追加調査の結果、漏洩行為があった期間を2014年2月末から2025年9月、被害書店数(対象取引先数)を68社、漏洩件数を334件と改めています。

Q. 不正アクセスによる漏洩ですか?

いいえ。発表では、日販グループの元従業員1名が、社外秘を含む社内メールを複数回、社外関係者に無断で転送・漏洩していたとしています。第二報では、漏洩先は日販の取引先数社で、当該従業員以外による漏洩行為や組織的な関与を示す事実は、現時点では確認されていないとしています。

Q. 取引先の会社はどこに問い合わせればよいですか?

日販の発表には、この件の専用の問い合わせ窓口は書かれていません。2月13日の時点で、該当の取引先には個別にお詫びと説明をしたとしています。対象かどうか分からない取引先は、日販の取引の担当か、日販の公式サイトのお問い合わせフォームで確かめてください。文教堂の件は文教堂の経営戦略室が窓口です。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年11月1日
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