MOSの最初の1件の取り方


この記事のポイント
- ✓MOSを取ったのに案件が取れないのは
- ✓技能ではなく見せ方の問題です
- ✓最初の1件までの手順と
MOSに合格したあと、多くの人が同じ場所で止まります。資格は取った、Excelもある程度使える、でも最初の1件が取れない。この状態が数か月続いて、いつの間にか資格のことを忘れてしまう。相談を受けていて、この流れを何度も見てきました。
止まる原因は、技能が足りないことではありません。何を売っているのかが依頼者から見えないことです。「MOSを持っています」と書かれた提案文を受け取った依頼者は、その人が自分の困りごとを解決してくれるのかを判断できません。逆に、「毎月の売上集計を関数で自動化して、印刷に耐える形で納品します」と書かれていれば、依頼するかどうかを判断できます。この差だけです。
この記事では、資格の取り方や勉強法ではなく、すでにMOSを持っている人が最初の1件を取るまでにやることを、順番に書きます。
MOSは市場でどう扱われているか
まず現状を確認します。求人情報を見ると、MOSの扱いには一定の傾向があります。
【経験・資格】「最終学歴」高校卒業以上「募集職種の経験有無」未経験OK「その他必要な経験・資格など」MOS資格者歓迎...給与・報酬在宅勤務:時給 1,500円出社勤務:時給 1,600円 出典: 求人ボックス
注目したいのは「歓迎」という言葉です。「必須」ではありません。MOSを応募の必須条件にしている募集はほとんどなく、多くは歓迎条件として置かれています。これは資格が無意味という意味ではなく、選考での使われ方が違うということです。入口を通すための鍵ではなく、他の応募者と並んだときに差がつく材料として機能しています。
もうひとつ、雇用型の在宅ワークでは時給1,500円前後という水準が見えます。これは時間で買われる働き方の値段です。副業として成果物単位で受ける場合は、この時給を作業時間で割り戻した金額が、最低ラインの目安になります。1時間で終わる作業を500円で受けていたら、雇用型より条件が悪いということです。
雇用型と業務委託型のどちらから入るかは、生活の事情によります。決まった時間を確保できるなら雇用型のほうが収入は安定します。時間が読めないなら業務委託型です。この記事は後者を前提に書きます。
最初にやること:売る作業を1つに絞る
MOSを持っている人が最初にやるべきは、練習でも営業でもなく、絞り込みです。
「Officeが使えます」では売れません。依頼者は「Officeが使える人」を探しているのではなく、「この作業をやってくれる人」を探しているからです。だから、自分が売る作業を1つに決めます。
候補を挙げます。
売上や在庫の集計表を、関数で自動化する。手入力で運用されている表に、集計と検算の仕組みを入れる作業です。依頼者は毎月同じ手作業に時間を取られている人です。
複数のファイルに散らばったデータを、ひとつの表にまとめる。形式がばらばらのデータを揃えて統合する作業です。地味ですが需要が安定しています。
Wordの長文書類を、体裁の整った形に直す。スタイルが崩れた提案書や規程集を整え、目次を自動生成し、印刷に耐える形にする作業です。
PowerPointの資料を、見られる形に整える。中身は依頼者が持っていて、レイアウトと配色と図解を担当する作業です。
この4つのうち、自分が最も速く、最も確実にできるものを1つ選びます。全部できると書くより、1つに絞ったほうが依頼は来ます。理由は単純で、依頼者は自分の困りごとと一致する言葉を探しているからです。
選ぶ基準は、好きかどうかではなく、時間が読めるかどうかです。1時間で終わると思った作業が5時間かかると、単価計算が崩れます。最初の1件は、確実に見積もれる作業から入るのが安全です。
見本を3つ作る
絞り込んだら、次は見本です。実績がない状態で依頼者を説得する唯一の方法が、見本を先に見せることです。
作り方には条件があります。守秘義務のある実物は使えません。本業で作った資料をそのまま見せるのは、たとえ社名を消しても避けるべきです。だから、架空のデータで作ります。
たとえば集計表なら、架空の店舗の月次売上データを自分で作り、それを整形して、集計とグラフまで入れた完成形を用意します。ビフォーとアフターの両方を作るのが要点です。「手入力の乱れた表」と「整形後の表」を並べて見せると、依頼者は自分の手元の表を重ねて想像できます。この想像が起きた瞬間に、依頼が生まれます。
Wordなら、体裁が崩れた文書と整えた文書。PowerPointなら、文字だけのスライドと図解に直したスライド。いずれもビフォーとアフターのセットで作ります。
3つ作る理由は、1つだと偶然に見えるからです。3つあると、その作業を反復して行える人だと伝わります。作るのに時間はかかりますが、この投資は最初の1件を取ったあともずっと使えます。
自分が何を作れるかを整理したい場合は、資格の出題範囲を見返すのが早いです。MOS Excel(Microsoft Office Specialist)の項目は、そのまま「売れる作業の一覧」として読めます。ピボットテーブル、条件付き書式、関数の組み合わせ。試験で問われた操作の一つひとつが、誰かの手作業を減らす道具です。MOS PowerPoint(Microsoft Office Specialist)についても同じで、スライドマスターやセクションの扱いは、依頼者がまず自力ではやらない領域です。
探す場所を決める
見本ができたら、探す場所です。ここで大事なのは、複数の場所に薄く手を出さないことです。
在宅ワークの依頼が集まる場所はいくつかあります。仲介型のクラウドソーシング、直接取引型のマッチングサイト、知人の紹介、SNS経由の依頼。それぞれ性質が違います。
仲介型は案件数が多く、最初の1件を取りやすい反面、報酬から手数料が引かれます。年間で見ると無視できない額になります。直接取引型は手数料の負担がなく、条件を自分で決められる分、提案の質がそのまま結果に出ます。手数料0%の場では、依頼する側も同じ予算でより多く頼めるため、継続の関係になりやすいという特徴があります。
現実的な進め方は、最初の数件を案件数の多い場所で取って実績を作り、継続して頼まれる関係ができたら直接取引に移す形です。ただし、仲介サイトの規約で外部での取引が制限されている場合があるので、そこは各サービスの規約を確認してください。
どこで探すにしても、共通してやることがあります。プロフィール欄を、絞り込んだ作業の言葉で埋めることです。「Officeが得意です」ではなく「Excelの集計表を関数で自動化します」と書く。この一行の差で、検索して見つけてもらえるかどうかが変わります。
仕事の分野を広く見たい場合は、キャリア・副業・人生相談のお仕事やAI・マーケティング・セキュリティのお仕事のようなガイドで、Officeの技能がどの領域とつながるかを確認しておくと、応募先の幅が広がります。資料作成の依頼は、こうした分野の周辺に多く発生します。
提案文に何を書くか
ここが最も差がつく場所です。提案文の良し悪しで、返信率は何倍にも変わります。
まず、やってはいけない書き方を挙げます。
自己紹介から始める提案文は読まれません。依頼者が知りたいのは、自分の困りごとが片づくかどうかであって、応募者の経歴ではありません。冒頭に経歴を並べると、そこで読むのをやめられます。
「頑張ります」「丁寧に対応します」といった意欲の表明も効きません。全員が書くからです。差がつかない言葉は、書いても書かなくても同じです。
「何でもやります」も逆効果です。守備範囲が広いことは、依頼者から見ると何が得意か分からないことと同じです。
第一に、依頼内容を自分の言葉で言い換えます。「毎月の受注データを集計して報告書にする作業を、月初に3営業日以内で行う、という理解でよろしいでしょうか」。この一文があるだけで、募集要項を読んでいることが伝わります。読まずにテンプレートを送っている応募者と、ここで分かれます。
第二に、どうやるかを具体的に書きます。「受注データを取り込んだ後、ピボットテーブルで担当者別と商品別の2軸で集計し、前月比を出した形で納品します」。手順が書かれていると、依頼者は完成形を想像できます。
第三に、見本を提示します。「近い形の資料を作った見本があります。必要でしたらお送りします」。見せられる状態にしておくことが前提です。
第四に、確認したい点を1つか2つ書きます。「元データはCSVでしょうか、Excelでしょうか」「レイアウトの指定はありますか」。質問があると、やり取りが始まります。
第五に、資格に触れます。ここまで書いたうえで最後に「MOS Excelを取得しており、関数とピボットテーブルは日常的に使っています」と添える。冒頭ではなく最後に置くのが要点です。資格は主役ではなく、裏付けとして働きます。
この構成で書くと、提案文は自然と長くなります。それでいいです。読む価値のある提案文は最後まで読まれます。
最初の単価をどう決めるか
安く受けすぎる人と、相場を知らずに高く出して落ち続ける人の両方がいます。目安を整理します。
| 作業 | 想定時間 | 最初の1件の目安 |
|---|---|---|
| 既存の表の体裁を整える | 1時間から2時間 | 2,000円から4,000円 |
| 集計表を関数で自動化する | 3時間から6時間 | 8,000円から2万円 |
| 複数ファイルのデータ統合 | 2時間から5時間 | 5,000円から1万5,000円 |
| Word文書の書式整備と目次作成 | 2時間から4時間 | 5,000円から1万円 |
| PowerPoint資料の整形(10枚程度) | 3時間から6時間 | 1万円から3万円 |
考え方は単純で、雇用型の在宅ワークの時給水準を下回らないようにすることです。時給1,500円を基準に、想定時間を掛けて、そこに見積もりの誤差分を上乗せします。最初のうちは想定時間の1.5倍かかるものと考えておくと、大きく外しません。
単価の全体像を知りたい場合は、職種別の相場が参考になります。文書作成に近い仕事なら著述家,記者,編集者の年収・単価相場、Excelの自動化やマクロまで踏み込むならソフトウェア作成者の年収・単価相場の水準に近づきます。同じExcelの仕事でも、体裁を整えるだけの作業と業務のロジックを組む作業では価格帯が分かれるということです。データ入力寄りの仕事の相場感についてはデータ入力・文字起こしの副業は稼げる?在宅ワークの始め方と相場にまとまっています。
安値で受けることの本当の問題は、収入が少ないことではありません。安く受けた相手からは、次も同じ値段で頼まれることです。最初に決めた価格が、その依頼者との基準になります。だから、実績がないからといって極端に下げるのは避けたほうがいいです。下げるなら、価格ではなく範囲を狭めます。「今回は集計部分だけ」といった形にすれば、単価水準を保ったまま受注のハードルを下げられます。
依頼者はどこで困っているのか
提案文を書くうえで、依頼を出す側の事情を知っておくと言葉が変わります。
在宅の資料作成を外に出す会社の多くは、専任の人を置くほどの分量ではないけれど、担当者が片手間でやるには重い、という状態にあります。経理の担当者が月初の3日間を集計に取られている。営業の責任者が提案書の体裁を整えるために深夜まで残っている。総務の担当者が規程集の書式崩れを直せないまま放置している。こういう場面です。
だから依頼者が本当に買っているのは、Excelの操作ではなく、自分の時間です。ここを理解していると、提案文に書く内容が変わります。「関数が使えます」ではなく「月初の3日間の作業を1日に減らします」と書ける。同じ作業を指していても、後者のほうが決まります。
もうひとつ、依頼者が恐れていることがあります。外注したのに、説明の手間と修正の往復で結局自分でやったほうが早かった、という結果です。この不安を消す言葉が提案文にあるかどうかで、返信率が変わります。「初回に一度、手順を確認させていただければ、2回目以降は同じ形で納品できます」。こうした一文が効くのは、依頼者の恐れに直接答えているからです。
納品の質を分ける細かい作法
技能が同じでも、納品の仕方で評価が分かれます。最初の1件から意識しておくと、そのまま2件目につながります。
ファイル名を整えること。「集計表_最終_修正版2.xlsx」のような名前で納品しないことです。依頼者の社内で回覧されることを想定して、日付と内容が分かる名前を付けます。
シートの状態を整えること。作業中に使った検証用のシートや、選択したままのセル、開いたままのフィルタを残さないことです。ファイルを開いた瞬間の見え方が、そのまま印象になります。
作成者情報を消すこと。Officeのファイルには作成者名という属性が埋め込まれています。会社支給の端末で設定していれば、氏名や部署名が入っている場合があります。納品前に情報の確認から個人情報を削除しておきます。
更新の手順を書いて添えること。関数を入れて自動化した表は、依頼者が翌月以降も使います。どこに数値を貼れば結果が出るかを、数行のメモにして添える。この一手間があるかどうかで、継続の依頼が来るかどうかが変わります。
想定と違った点を伝えること。データを開いてみたら形式が揃っていなかった、といったことは頻繁に起きます。黙って直して納品するより、「この部分は表記が2種類混在していたので、こちらの形に統一しました」と伝えるほうが信頼されます。
受けないほうがいい依頼
最初の1件を焦ると、危ない依頼に手を出しがちです。避けるべき類型を挙げます。
作業範囲が書かれていない依頼。「Excelができる人募集」だけで内容が書かれていないものは、着手後に範囲が膨らむ確率が高いです。
修正回数に上限がない依頼。「納得いくまで修正」と書かれているものは、終わりが来ません。受けるなら修正は2回まで、と自分から提示します。
報酬の支払時期が不明な依頼。納品後いつ支払われるかが書かれていないものは、確認してから受けます。
テストと称して無償の作業を求める依頼。見本を見せることと、実際の業務を無償でやることは違います。前者は応じてよく、後者は断ります。
個人情報を大量に含むデータを、扱い方の取り決めなしに渡してくる依頼。顧客名簿や従業員の情報を扱う場合は、作業後に削除する、第三者に渡さない、といった条件を先に文字にしておきます。
断ることは損ではありません。1件の悪い依頼に費やす時間で、良い依頼を3件探せます。
1件目から2件目へ
最初の1件が終わったら、次の依頼につなげる動きをします。ここを飛ばす人が多いのですが、実はここが最も効率のいい場所です。
納品時に、ひとつ添えます。「今回作った集計表は、来月以降も同じ手順で更新できます。毎月の作業としてご依頼いただくことも可能です」。この一文で継続の話に変わることがあります。
また、作った成果物を見本として使えるかを確認します。「差し支えなければ、数値を架空のものに置き換えた形で見本として使わせていただけませんか」。許可が出れば、実案件ベースの見本が1つ増えます。断られたら、それは仕方ありません。
そして記録を残します。何の作業に何時間かかったか。想定と実際のずれはどこにあったか。この記録が、2件目以降の見積もり精度を上げます。最初の数件は、収入よりもこの記録のほうが価値があります。
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動き出す1週間の使い方
やることが多く見えるかもしれないので、時間の配分の例を書いておきます。副業として夜と週末に動く前提です。
1日目と2日目は、売る作業を1つに決めます。過去に自分がやった作業を書き出し、時間が読めるものに印を付けます。ここで悩みすぎないことが大切で、後から変えられるので、一番手が動くものを選べば十分です。
3日目から5日目は、見本を3つ作ります。1つあたり2時間から3時間を見込みます。架空のデータを作る時間も含めてこの範囲に収めます。凝りすぎると終わらないので、ビフォーとアフターが並べて見えることを最優先にします。
6日目は、探す場所を決めてプロフィール欄を書きます。絞り込んだ作業の言葉をそのまま使います。1つの場所に集中し、複数に薄く登録しないことです。
7日目から、応募を始めます。1件あたり20分から30分かけて、募集内容を読んで個別に書きます。1日3件で十分です。同じ文面を大量に送るより、この形のほうが早く決まります。
この1週間を終えても最初の1件が決まらないことはあります。そのときに見直すのは応募数ではなく、提案文の1行目です。依頼内容の言い換えから始まっているか。ここが自己紹介になっていたら、そこだけ直せば結果が変わることがあります。
運営者として見てきたこと
フリーランスと在宅ワークの市場を20年見てきた立場から言うと、最初の1件を取れる人と取れない人の差は、応募数ではありません。1件あたりにかけている時間です。
50件に同じ文面を送る人より、5件に個別の提案を書く人のほうが、結果として先に決まります。依頼者の側は、募集を出した瞬間に何十件も応募を受け取ります。その中で、自分の募集内容に触れている提案は数件しかありません。読まれるのはその数件です。
もうひとつ、長く続く人の共通点があります。単発の作業を積み上げる方向ではなく、「この人に任せると楽だ」と思われる関係を作る方向に時間を使っていることです。毎月決まった時期に同じ形式のデータが届き、それを整えて返す。この関係が2つ3つできると、営業に使う時間がほぼゼロになります。同じ予算で依頼者はより多く頼めて、受ける側は手取りが厚くなる。この構造が成り立っているかどうかが、1年後に続いているかどうかを分けています。
手持ちのデータから見えること
在宅ワークの依頼情報を見ていると、Office系の依頼にいくつかの傾向があります。
まず、資格そのものを応募条件に置いている依頼は多くありません。書かれているのは「関数が使える方」「ピボットテーブルの経験がある方」といった技能ベースの条件です。したがって、資格を前面に出すより、できる作業を具体的に書いたほうが引っかかります。
次に、依頼の分布に偏りがあります。単発の「この表を直してほしい」という依頼より、「毎月の集計を任せたい」という継続の依頼のほうが、単価も安定度も高い傾向があります。前者は価格の比較になりやすく、後者は信頼で決まるからです。最初の1件は前者から入ることになりますが、狙う先は後者に置いておくと、動き方が変わります。
もうひとつ、募集文の書き方から依頼者の状態が読めます。作業範囲と納期と報酬が明記されている募集は、依頼側に発注の経験があります。こうした依頼者は、やり取りが少なくて済み、支払いも滞りません。逆に、要望が曖昧なまま「相談しながら決めましょう」と書かれている募集は、初めて外注する人であることが多く、範囲が膨らみやすい傾向があります。最初の1件は、前者を選んだほうが安全です。
分野の広がりという点では、資料作成の技能は思わぬ場所で必要とされます。音や映像を扱う分野でも、企画書や進行表の整備は発生します。作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事のような領域の周辺にも、書類を整える仕事は存在しています。自分の技能を「Officeの操作」ではなく「人の手作業を減らすこと」と定義し直すと、探す場所が一気に広がります。
最後に、続けるかどうかの判断について書いておきます。最初の1件が決まるまでの期間は人によって幅があり、1週間で決まる人もいれば2か月かかる人もいます。この差は運の要素も大きく、決まらないことを技能の不足と結びつけないほうがいいです。見直すべきは、絞り込み、見本、提案文の1行目という3つの順番だけです。この3つを整えたうえで応募を続けていれば、どこかで返信が来ます。
そして1件目が決まったあとに起きることを、あらかじめ知っておいてください。作業そのものは、たいてい想像より簡単です。難しかったのは取ることであって、やることではなかったと気づく人がほとんどです。MOSで身につけた操作は、実務の現場では十分に通用します。止まっていたのは技能の壁ではなく、見せ方の壁だったということが、1件目を終えると実感として分かります。
なお、探す場所を移すタイミングにも触れておきます。仲介型で数件の実績ができ、依頼者と直接やり取りが続くようになったら、手数料の負担が積み上がっていることに気づきます。年間の報酬に対して二桁の割合が引かれる計算になるため、継続の依頼を抱えた段階では、条件を自分で決められる場に移す判断が現実的になります。ただし各サービスの規約は必ず確認してください。実績を作る場と、育った関係を置く場は、分けて考えるのが無理のない進め方です。
よくある質問
Q. 実績がゼロでも案件は取れますか?
取れます。実績の代わりになるのが見本です。架空のデータでビフォーとアフターのセットを3つ作り、提案文で提示できる状態にしておきます。依頼者は完成形が想像できれば発注を判断できるため、過去の実績そのものより、これから何をどう作るかが伝わるかどうかが効きます。
Q. 提案文には資格をどこに書けばいいですか?
最後です。冒頭は依頼内容の言い換えから始め、どう作業するかを具体的に書き、見本を提示し、確認したい点を挙げたうえで、最後に取得資格を裏付けとして添えます。資格を先頭に置くと自己紹介の文章に見えてしまい、読まれずに終わることが多くなります。
Q. 最初の単価はいくらに設定すべきですか?
雇用型の在宅ワークの時給水準を下回らない額が目安です。時給1,500円を基準に想定時間を掛け、最初のうちは想定の1.5倍かかると見て上乗せします。安く受けると次も同じ値段で頼まれるため、下げるなら価格ではなく作業範囲を狭めるほうが後が楽になります。
Q. 見本に本業で作った資料を使ってもいいですか?
避けてください。社名や数値を消しても、守秘義務や社内規程に触れる可能性があります。架空のデータを自分で作り、そこから整形した見本を用意するのが安全です。実案件の成果物を見本にしたい場合は、納品時に依頼者へ許可を取り、数値を架空のものに置き換えてから使います。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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