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リッカート尺度とは|5段階評価の質問の作り方と集計

@SOHO編集部
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リッカート尺度とは|5段階評価の質問の作り方と集計

この記事のポイント

  • ✓「とてもそう思う」から「まったくそう思わない」までの段階で
  • ✓意見や態度の程度を答えてもらう質問の形式です
  • ✓選択肢と質問文の作り方

リッカート尺度とは、「とてもそう思う」「ややそう思う」「どちらともいえない」「あまりそう思わない」「まったくそう思わない」のように、段階に分けた選択肢から1つを選んでもらい、意見や気持ちの程度を測る質問の形式です。お客様の満足度の調査、社内のアンケート、研修の感想など、さまざまな場面で使われています。「はい」「いいえ」の2択では分からない、気持ちの強さの違いをつかめるのが特徴です。この記事では、リッカート尺度の意味、5段階と7段階の違い、中間の選択肢の扱い、選択肢と質問文の作り方、質問の例、集計の方法と平均を使うときの注意、回答の偏りへの対策までを順番に説明します。アンケートのフォームを作って回答を集める道具として、Halictのようなフォームのサービスを使う方法にも後半で触れます。

リッカート尺度とは

リッカート尺度は、ある考えや意見に対して、どの程度そう思うかを段階で答えてもらう形式です。尺度とは、物事の程度を測るための目盛りのことです。調査会社の解説では、次のように説明されています。

リッカート尺度とは、「非常に満足」から「非常に不満」までの5段階または7段階で、回答者の態度や意見の程度を測定する手法です。アメリカの社会心理学者レンシス・リッカートが1932年に提唱しました。 出典: insight.rakuten.co.jp

たとえば、飲食店で「料理の味に満足しましたか」と聞くとき、「はい」か「いいえ」だけで答えてもらうと、「とても満足した人」と「まあまあ満足した人」の違いが分かりません。リッカート尺度で「とても満足」「やや満足」「どちらともいえない」「やや不満」「とても不満」から選んでもらえば、満足の度合いの違いまでつかめます。

リッカート尺度の答え方は、選択肢の数によって「5件法」「7件法」などと呼ばれます。件法とは、選択肢の数を表す言い方で、5つの選択肢から選ぶなら5件法、7つなら7件法です。

リッカート尺度がよく使われる理由は、答える側にとって分かりやすく、集める側にとっても集計しやすいことにあります。選択肢が決まっているので、自由に書いてもらう質問より答えるのに時間がかからず、回答を数字に置き換えて比べることもできます。

リッカート尺度が使われる場面

リッカート尺度は、人の気持ちや意見の程度を知りたい場面で広く使われます。主な場面は次のとおりです。

  • お客様の満足度の調査:商品やサービス、接客、店の雰囲気などへの満足の度合いを聞く
  • 社内のアンケート:仕事のやりがい、職場の人間関係、制度への評価などを聞く
  • 研修やセミナーの感想:内容の分かりやすさ、役に立ったかどうか、講師の説明などを聞く
  • 商品の企画のための調査:新しい商品の案に対して、買いたいと思うかを聞く
  • 学術の研究:人の考え方や態度を、多くの質問で測る

飲食店であれば、来店したお客様に「料理の味」「提供の速さ」「接客」「店内の清潔さ」「価格への納得感」をそれぞれ5段階で答えてもらうと、どこが評価され、どこに改善の余地があるのかが分かります。毎月同じ質問で調査を続ければ、改善の取り組みが効いているかどうかも確かめられます。

リッカート尺度のメリットとデメリット

リッカート尺度を使う前に、良い点と弱い点を知っておくと、使いどころを判断しやすくなります。

メリットの1つ目は、答えやすいことです。選択肢から1つを選ぶだけなので、答える側の負担が小さく、多くの人に答えてもらいやすくなります。

2つ目は、気持ちの強さの違いが分かることです。「はい」「いいえ」の2択では同じに見える回答でも、「とても満足」と「やや満足」のように、程度の違いまでつかめます。

3つ目は、集計と比較がしやすいことです。回答を数字に置き換えられるため、平均や割合を出して、質問どうしや前回の調査と比べられます。

4つ目は、同じ形で多くの質問を聞けることです。選択肢の形がそろっているので、答える側は質問が変わっても迷わずに答えられます。

一方、デメリットもあります。

1つ目は、理由が分からないことです。「やや不満」が多いことは分かっても、何が不満なのかまでは分かりません。理由を知るには、自由に書ける欄や、話を聞く機会を組み合わせる必要があります。

2つ目は、答える人によって段階の受け取り方が違うことです。同じ気持ちでも、ある人は「とても満足」を選び、別の人は「やや満足」を選ぶ、ということが起こります。

3つ目は、答える側の癖による偏りが出ることです。真ん中ばかりを選ぶ、どの質問にも「そう思う」を選ぶ、といった偏りについては、後の節で対策を紹介します。

4つ目は、平均の扱いに注意が要ることです。この点も、後の節で詳しく説明します。

5段階・7段階・4段階の違い

リッカート尺度の選択肢の数には、いくつかの選び方があります。よく使われるものの特徴を比べます。

選択肢の数 特徴 向いている場面
4段階 中間の選択肢がなく、どちらかに答えてもらえる 賛成か反対かの傾きをはっきり知りたいとき
5段階 分かりやすく、答えやすい。最もよく使われる 多くの一般的なアンケート
7段階 細かな違いまでつかめる。答える側は迷いやすい 細かな差を比べたい研究や、詳しい調査

5段階は、答える側にとって選択肢の違いが分かりやすく、最も広く使われている形です。迷ったときは5段階を選べば、大きく外れることはありません。

7段階は、気持ちの細かな違いまでつかめる一方、「やや」と「少し」の違いのように、選択肢の違いが分かりにくくなり、答える側が迷いやすくなります。スマートフォンの画面では、選択肢が多いと表示が窮屈になることもあります。

4段階は、中間の選択肢を設けない形です。答える側に、どちらかに傾いた答えを選んでもらえるため、賛成か反対かの傾向をはっきり知りたいときに使われます。ただし、本当にどちらとも言えない人にとっては答えにくく、答えるのをやめてしまう原因になることもあります。

どの段階を選ぶ場合も、1つのアンケートの中では段階の数をそろえるのが基本です。質問ごとに5段階と7段階が混ざると、答える側が混乱し、集計の結果も比べにくくなります。

中間の選択肢を入れるかどうか

リッカート尺度を作るときに迷いやすいのが、「どちらともいえない」のような中間の選択肢を入れるかどうかです。

中間の選択肢を入れると、本当にどちらとも言えない人が、無理にどちらかを選ばずに済みます。答える側の負担が小さく、回答の正直さを保ちやすくなります。

一方で、中間の選択肢があると、深く考えずにそれを選ぶ人が増えることがあります。考えるのが面倒なとき、自分の意見を出したくないとき、質問の意味がよく分からないときに、中間の選択肢が選ばれやすくなります。この傾向は、一般に中心化傾向と呼ばれます。

どちらを選ぶかは、調査の目的で決めます。

  • 気持ちの分布をそのまま知りたい場合:中間の選択肢を入れる(5段階、7段階)
  • どちらに傾いているかをはっきり知りたい場合:中間の選択肢を外す(4段階、6段階)

また、「どちらともいえない」と「分からない」「当てはまらない」は、意味が違います。質問の対象を使ったことがない人や、経験がない人には、「分からない」「該当しない」という選択肢を別に用意すると、中間の選択肢に意味の違う回答が混ざるのを防げます。たとえば、飲食店のアンケートで「デザートの味」を聞くとき、デザートを頼んでいない人には「頼んでいない」を選んでもらう形です。

選択肢の言葉の作り方

リッカート尺度の選択肢は、言葉の選び方によって、回答の結果が変わることがあります。作るときは、次の点に気をつけます。

1つ目は、良い側と悪い側を同じ数にすることです。「とても満足」「満足」「やや満足」「不満」の4つのように、良い側の選択肢が多いと、結果が良い方向に偏ります。良い側と悪い側の選択肢の数をそろえ、真ん中を挟んで対になるようにします。

2つ目は、程度を表す言葉をそろえることです。良い側で「とても」「やや」を使うなら、悪い側でも「とても」「やや」を使います。調査会社の解説でも、5件法であれば「非常にそう思う」「ややそう思う」「どちらともいえない」「あまりそう思わない」「全くそう思わない」の形が良いとされています。

3つ目は、質問の内容に合った言葉を選ぶことです。よく使われる選択肢の組み合わせを紹介します。

聞きたいこと 5段階の選択肢の例
意見への賛成 とてもそう思う、ややそう思う、どちらともいえない、あまりそう思わない、まったくそう思わない
満足の度合い とても満足、やや満足、どちらともいえない、やや不満、とても不満
頻度 いつも、よく、ときどき、あまりない、まったくない
重要さ とても重要、やや重要、どちらともいえない、あまり重要でない、まったく重要でない
期待との比較 期待を大きく上回った、やや上回った、期待どおり、やや下回った、大きく下回った

4つ目は、選択肢を等しい間隔で並べることです。画面や紙の上で、選択肢を同じ間隔で横に並べると、答える側は段階を目盛りのように感じ取りやすくなります。

質問文の作り方

選択肢が良くても、質問文が分かりにくければ、正しい回答は得られません。総務省統計局の統計の学習のページでは、調査票の質問文を作るときの注意点として、次のように説明しています。

一つの質問項目に複数の質問が含まれないようにしましょう。 例えば「食料や生活用品を専門店で購入しますか?」という質問に対して、食料はスーパーで買うが、生活用品は専門店で買っているという人は「はい」と回答してよいか、「いいえ」と回答してよいのか分からなくなってしまいます。 出典: 総務省統計局 なるほど統計学園「調査票の作成」

リッカート尺度の質問でも同じです。「料理の味と量に満足しましたか」と聞くと、味には満足したが量は少なかった人は答えに迷います。「料理の味に満足しましたか」「料理の量に満足しましたか」と2つに分けます。

同じページでは、このほかにも、あいまいな言葉を避けること、答えを誘導するような文章を入れないこと、答えやすい質問から順に聞くことなどが挙げられています。リッカート尺度の質問文を作るときのこつを整理すると、次のようになります。

  1. 1つの質問で1つのことだけを聞く
  2. 「最近」のようなあいまいな言葉を避け、「この1か月で」のように期間をはっきりさせる
  3. 質問の前に、答えを誘導する説明を入れない
  4. 否定の形の質問(「〜ではないと思いますか」)を避ける
  5. 専門用語や社内の言葉を使わず、誰にでも分かる言葉にする
  6. 答えやすい質問から順に並べ、似た内容の質問は続けて聞く

否定の形の質問は、「そう思わない」を選んだときに、二重の否定になって意味が分かりにくくなります。「店員の説明は分かりやすかったですか」のように、肯定の形で聞くのが基本です。

場面別の質問の例

リッカート尺度を使った質問の例を、場面ごとに紹介します。

飲食店のお客様アンケート

  • 料理の味に満足しましたか
  • 料理が出てくるまでの時間は適切でしたか
  • 店員の接客は丁寧でしたか
  • 店内は清潔でしたか
  • 価格に見合った内容だと感じましたか
  • また来店したいと思いますか

研修やセミナーの感想

  • 研修の内容は分かりやすかったですか
  • 研修の内容は、今の仕事に役立つと思いますか
  • 講師の説明の速さは適切でしたか
  • 研修の時間の長さは適切でしたか
  • この研修を同僚に勧めたいと思いますか

社内のアンケート

  • 今の仕事にやりがいを感じていますか
  • 困ったときに相談できる人がいますか
  • 仕事の量は適切だと感じますか
  • 会社の方針を理解していますか

どの場面でも、最後に「ご意見があれば自由にお書きください」のような自由に書ける欄を1つ設けると、選択肢だけでは分からない具体的な声を拾えます。

質問の例をそのまま使うのではなく、自分たちの店やサービスで本当に知りたいことに合わせて言い回しを直すことが大切です。たとえば、持ち帰りの注文が多い店なら「受け取りまでの待ち時間は適切でしたか」、予約制の店なら「予約の取りやすさに満足しましたか」のように、利用の実態に合った質問に置き換えます。

アンケート全体の組み立て方

リッカート尺度の質問は、アンケート全体の中でどう並べるかによっても、答えやすさが変わります。アンケートを組み立てるときのこつを紹介します。

1つ目は、最初に目的を1文で書くことです。「お客様が再来店しない理由を知る」「研修の内容を次回に向けて直す」のように、何のための調査かを決めておくと、必要な質問と不要な質問を分けられます。目的に結びつかない質問は、思い切って外します。

2つ目は、集計した結果の形を先に考えることです。「年代別に満足度を比べたい」なら、年代を聞く質問が必要です。総務省統計局のページでも、結果の表を思い浮かべながら調査の項目を考えるとよい、と説明されています。

3つ目は、質問の順番を決めることです。答えやすい質問から始め、全体の感想を聞く質問から、個別の項目を聞く質問へと進めるのが一般的です。年齢や職業などの属性を聞く質問は、答える側の抵抗感を減らすため、最後に回すこともよくあります。

4つ目は、質問の数を絞ることです。リッカート尺度の質問が20問を超えると、答える側の疲れが目立ってきます。1回のアンケートは、5分ほどで答え終わる量を目安にします。

5つ目は、始める前に数人に試しに答えてもらうことです。質問の意味が分かりにくい、選択肢が当てはまらない、答えるのに時間がかかりすぎる、といった問題は、実際に答えてもらうと見つかります。本番の前に直しておけば、集めた回答が使えないという失敗を防げます。

アンケートの組み立て方のひな形として、次のような構成が使えます。

  1. 冒頭の説明:調査の目的、答える時間の目安、回答の扱い
  2. 全体の感想:「全体として満足しましたか」をリッカート尺度で
  3. 個別の項目:味、速さ、接客などを、それぞれリッカート尺度で
  4. 今後の意向:「また利用したいと思いますか」をリッカート尺度で
  5. 自由に書ける欄:意見や感想を自由に
  6. 属性:年代、利用の回数など

集計の方法

リッカート尺度の回答を集めたら、次の方法で集計します。

選択肢ごとの人数と割合を出す

最も基本の集計は、選択肢ごとに何人が選んだかを数え、全体に対する割合を出すことです。このように、質問ごとに回答の数を数える集計は、単純集計と呼ばれます。

たとえば、100人に「料理の味に満足しましたか」と聞き、次のような結果になったとします。

選択肢 人数 割合
とても満足 30人 30%
やや満足 40人 40%
どちらともいえない 18人 18%
やや不満 9人 9%
とても不満 3人 3%

この結果から、満足の側(とても満足とやや満足)が合わせて70%、不満の側が合わせて12%だと分かります。このように、良い側の上位2つの選択肢を合わせた割合で比べる方法は、トップ2ボックスと呼ばれ、結果を分かりやすく伝えるのによく使われます。

平均の点数を出す

選択肢に点数を付けて、平均を出す方法もあります。「とても満足」を5点、「やや満足」を4点、「どちらともいえない」を3点、「やや不満」を2点、「とても不満」を1点とすると、上の例の平均は次のように計算できます。

(5点×30人+4点×40人+3点×18人+2点×9人+1点×3人)÷100人=(150+160+54+18+3)÷100=3.85点

平均の点数があると、質問どうしや、前回の調査との比較がしやすくなります。

属性ごとに分けて比べる

年代別、来店の回数別、部署別のように、答えた人の属性ごとに分けて集計すると、違いが見えてきます。たとえば、初めて来店した人と何度も来ている人で満足の度合いが違えば、初めての人への接し方に改善の余地があると考えられます。このように、2つの項目を掛け合わせて集計する方法は、クロス集計と呼ばれます。

表計算のソフトで集計する手順

フォームの道具で集めた回答は、CSVに書き出して表計算のソフトで集計するのが手軽です。表計算での集計の手順は次のとおりです。

  1. 回答を読み込む:書き出したCSVを表計算のソフトで開きます。1行が1人の回答、1列が1つの質問という形になっていることを確かめます。
  2. 選択肢を数字に置き換える:「とても満足」を5、「やや満足」を4、のように、選択肢を点数に置き換えた列を作ります。置き換えの表を別のシートに作っておき、そこから引く形にすると、間違いを防げます。
  3. 選択肢ごとの人数を数える:条件に合うセルの数を数える関数を使い、選択肢ごとに何人が選んだかを数えます。
  4. 割合を出す:選択肢ごとの人数を、回答した人の合計で割ります。
  5. 平均の点数を出す:点数に置き換えた列の平均を出します。「分からない」「該当しない」を選んだ回答は、平均の計算から外します。
  6. 属性ごとに分ける:年代などの列で絞り込み、同じ手順で集計すると、属性ごとの違いが分かります。表計算のソフトにある、行と列で集計する機能を使うと、クロス集計を一度に作れます。

集計の表を一度作っておけば、次の調査からは、新しい回答を読み込むだけで同じ集計ができます。毎月同じアンケートを続けるなら、この表をひな形として保存しておくと、集計の手間が大きく減ります。

集計の前には、回答の中に明らかにおかしいものがないかも確かめます。全ての質問に同じ選択肢を選んでいる回答や、答え終わるまでの時間が極端に短い回答は、よく読まずに答えた可能性があります。こうした回答を外すかどうかは、外す基準をあらかじめ決めておき、恣意的にならないようにします。

平均を使うときの注意

リッカート尺度の回答で平均を出すのは便利ですが、注意しておきたい点があります。調査会社の解説では、次のように説明されています。

本来は、「順序尺度」であり、「1」と「2」の差と「4」と「5」の差が同じとは限りません。そのため、「間隔尺度」として平均値や分散を扱うことは正確には適切でありません。ただ、実務上は、5件法や7件法などのリッカート尺度を「間隔尺度に近似」したデータとして扱うことが多いのも事実です。 出典: insight.rakuten.co.jp

順序尺度とは、順番には意味があるものの、目盛りの間隔が等しいとは限らない尺度のことです。「とても満足」と「やや満足」の差と、「やや不満」と「とても不満」の差が、同じ大きさの気持ちの差だとは言い切れません。一方、間隔尺度とは、目盛りの間隔が等しい尺度のことで、気温のように平均を出しても意味が通るものです。

実務では、5段階や7段階の回答を、おおよそ等しい間隔とみなして平均を出すことが多く行われています。ただし、平均だけを見ると、大事な違いを見落とすことがあります。たとえば、全員が3を選んだ場合も、半分が1で半分が5を選んだ場合も、平均は同じ3点です。前者は「みんながどちらとも言えない」状態で、後者は「強く満足している人と強く不満を持っている人に分かれている」状態です。

そのため、平均を出すときは、必ず選択肢ごとの人数や割合も一緒に確かめます。報告するときも、平均の点数とあわせて、選択肢ごとの割合を帯のグラフなどで示すと、回答の分かれ方まで伝えられます。

回答の数と結果の読み方

リッカート尺度の結果を読むときは、回答した人の数にも気を配ります。回答の数が少ないほど、1人の回答が結果に与える影響が大きくなるからです。

たとえば、10人が答えたアンケートでは、1人の回答が変わるだけで、選択肢の割合は10ポイント動きます。前回は「とても満足」が40%で今回は30%だったとしても、それは1人の回答が変わっただけかもしれません。一方、1,000人が答えたアンケートで同じ10ポイントの差が出たなら、100人の回答が変わったことになり、何か理由があると考えたほうがよいでしょう。

回答の数が少ないときの読み方のこつは次のとおりです。

  1. 割合だけでなく人数も見る:「30%」ではなく「10人中3人」と書くと、結果の重みを読み違えにくくなります。
  2. 1回の変化で判断しない:小さな差が出ても、2〜3回続けて同じ方向に動いているかを確かめてから判断します。
  3. 自由に書かれた声と合わせて読む:数字の変化の背景を、具体的な声から確かめます。
  4. 属性ごとの集計は慎重にする:全体で30人の回答を年代別に分けると、1つの年代が数人になることもあります。人数が少ない区分の結果は、参考程度にとどめます。

反対に、回答の数を増やすことにこだわりすぎる必要もありません。小さなお店や少人数のチームでは、回答の数は限られます。数が少なくても、同じ質問を続けて聞き、変化の向きと具体的な声を合わせて読めば、改善の手がかりは十分に得られます。

結果の見せ方

リッカート尺度の結果を報告するときは、見せ方を工夫すると伝わりやすくなります。

1つ目は、帯のグラフを使うことです。1本の横長の帯を選択肢ごとの割合で区切り、良い側から悪い側へ色の濃さを変えて並べると、回答の分かれ方がひと目で分かります。複数の質問を同じ形の帯で縦に並べれば、どの項目の評価が高く、どの項目が低いかを比べやすくなります。

2つ目は、前回との比較を示すことです。今回の結果だけでなく、前回の結果も並べて示すと、良くなった項目と悪くなった項目が分かります。

3つ目は、回答した人数を必ず書くことです。同じ70%でも、10人中7人と、1,000人中700人では、結果の重みが違います。人数が少ない場合は、結果の読み取りに慎重になる必要があることも添えます。調査を行った期間と、どのような方法で回答を集めたかも書いておくと、読む人が結果の前提を理解しやすくなります。

4つ目は、自由に書かれた声を添えることです。数字だけでなく、代表的な声をいくつか紹介すると、数字の背景が伝わりやすくなります。

回答の偏りとその対策

リッカート尺度の回答には、答える側の癖による偏りが生じることがあります。代表的なものと対策を紹介します。

どの質問にも「そう思う」と答えてしまう

質問の内容に関係なく、「そう思う」の側を選びやすい傾向があります。一般に、黙従傾向と呼ばれるものです。対策として、質問の一部を反対の向きにした質問(逆転項目)を混ぜる方法があります。たとえば「仕事にやりがいを感じる」と一緒に「仕事が退屈だと感じる」を聞き、両方に「そう思う」と答えている回答は、注意して扱います。ただし、逆転項目は答える側を混乱させることもあるため、使う場合は数を絞ります。

真ん中ばかりを選んでしまう

「中間の選択肢を入れるかどうか」の節で触れた中心化傾向です。対策として、質問を具体的にして答えやすくする、質問の数を減らして答える側の疲れを防ぐ、目的によっては中間の選択肢を外す、といった方法があります。

後半の質問ほど適当に答えてしまう

質問が多いと、後半になるほど答える側が疲れ、同じ選択肢を続けて選ぶような回答が増えます。対策は、質問の数を必要なものだけに絞ることです。大事な質問は前のほうに置き、1回のアンケートは数分で答え終わる量にします。

良く見られたい気持ちで答えてしまう

会社のアンケートなどでは、評価に響くことを心配して、実際より良い回答を選ぶことがあります。対策として、回答の扱いを事前にはっきり伝える、匿名で答えられるようにする、といった方法があります。

アンケートのフォームを作って回答を集める道具

リッカート尺度のアンケートは、紙でも作れますが、回答を集めて集計するなら、フォームの道具を使うと手間を大きく減らせます。スマートフォンからでも答えやすく、回答が自動で一覧になるため、手で入力し直す必要がありません。

フォームの道具の1つに、Halictがあります。公式サイトによると、Halictは問い合わせや申し込みのフォームを作って回答を受け付け、届いた1件ごとに担当と状況を付けて管理できるフォームのサービスで、テキスト、選択肢、評価、日付、メールなど12種類の項目を使えます。回答する人には1画面に1問だけが表示され、進み具合のバーを見ながら最後まで答えられる形式も選べるため、質問の数が多いアンケートでも、答える側が迷いにくくなります。集まった回答は一覧で確かめられ、CSVに書き出せるので、表計算のソフトで選択肢ごとの人数や平均の点数を集計できます。設問やデザインをまとめて複製できるため、毎月同じ質問で調査を続けるときにも使い回せます。料金は、メンバー1人までのフリープランが0円で、フォームの数も受け取る回答の数も、どのプランでも無制限と案内されています。Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

なお、Halictの公式サイトでは、回答を自動で集計してグラフにする機能は案内されていません。集計と帯のグラフづくりは、書き出したCSVを表計算のソフトに読み込んで行う、という分担になります。

運営の現場から見える、数字で声を聞く強さ

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、お客様や働く人の声を、感覚ではなく数字で追い続けている事業者ほど、改善の手を早く打てています。「最近お客様の反応が悪い気がする」という感覚だけでは、何を直せばよいかが分かりません。同じ質問を同じ5段階で毎月聞いていれば、どの項目がいつから下がったのかが分かり、打ち手を絞り込めます。

アンケートの設計や集計、分析を外部の専門家に頼む方法もあります。依頼主と受け手が直接やり取りできる取引では、間に入る手数料が無い分、同じ予算で調査の設計から分析まで任せやすくなります。データを分析する仕事の報酬の目安は研究者の年収・単価相場で確かめられます。

よくある質問

Q. リッカート尺度は5段階と7段階のどちらがよいですか?

迷ったときは5段階がおすすめです。答える側にとって選択肢の違いが分かりやすく、最も広く使われている形です。7段階は細かな違いまでつかめる一方、選択肢の違いが分かりにくくなり、答える側が迷いやすくなります。どちらを選ぶ場合も、1つのアンケートの中では段階の数をそろえるのが基本です。

Q. 「どちらともいえない」の選択肢は入れたほうがよいですか?

気持ちの分布をそのまま知りたい場合は入れ、どちらに傾いているかをはっきり知りたい場合は外す、というように目的で決めます。入れると答える側の負担が小さくなる一方、深く考えずに選ばれやすくなります。経験がない人のために、「分からない」「該当しない」は別の選択肢として用意すると、意味の違う回答が混ざるのを防げます。

Q. リッカート尺度の回答で平均を出してもよいですか?

実務では、5段階や7段階の回答を、おおよそ等しい間隔とみなして平均を出すことが多く行われています。ただし、厳密には目盛りの間隔が等しいとは限らないため、平均だけで判断するのは避けます。全員が3を選んだ場合と、1と5に分かれた場合では平均が同じになるので、選択肢ごとの人数や割合も一緒に確かめます。

Q. リッカート尺度の質問を作るときに気をつけることは何ですか?

1つの質問で1つのことだけを聞き、あいまいな言葉や答えを誘導する説明を避けることが大切です。否定の形の質問は、選択肢と組み合わせると意味が分かりにくくなるので、肯定の形で聞きます。良い側と悪い側の選択肢の数をそろえ、程度を表す言葉を対にすると、回答の偏りを防げます。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月9日最終更新:2026年10月23日
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