予備自衛官と公務員の兼業|制度上の扱いと届け出の進め方 2026

前田 壮一
前田 壮一
予備自衛官と公務員の兼業|制度上の扱いと届け出の進め方 2026

この記事のポイント

  • 予備自衛官と公務員の兼業について
  • 2026年6月17日に公布された特例法が何を変えたのかを条文で確かめて整理しました
  • 国家公務員法第104条の許可が不要になる仕組み

まず、安心してください。予備自衛官と公務員の兼業は、制度の上で正面から認める仕組みが整えられました。2026617日に公布された「予備自衛官等の職務の円滑な遂行を図るための国家公務員及び地方公務員の兼業の特例に関する法律」(令和8年法律第40号)です。この記事では、その特例法が何をどう変えたのかを条文で確かめながら、皆さんが実際に進めるときの順番を整理します。

先に結論をお伝えします。あらかじめ所属の長または任命権者の承認を受けておけば、その後は招集のたびに兼業の許可を取り直す必要がなくなります。招集に応じて勤務しない時間については職務専念義務の規定が適用されません。そして訓練招集と教育訓練招集については、本務の給与を減額する規定が置かれていません。この3点が、これまでとの違いです。リスクや議論も正直に書きますので、最後まで読んでから判断してください。

予備自衛官等という言葉が指している3つの身分

条文の話に入る前に、言葉の整理をします。特例法が対象にしている「予備自衛官等」は、3つの身分をまとめた呼び方です。同法第2条第1号で、予備自衛官、即応予備自衛官、予備自衛官補と定義されています。

予備自衛官は、招集命令を受けたときに自衛官として勤務し、訓練招集命令を受けたときに訓練に従事する身分です。自衛隊法第66条第2項で員数が47,900人と定められており、防衛省の職員の定員外です。任用の対象は、自衛官であった方、または過去に予備自衛官に任用されたことがある方の志願に基づく選考、および予備自衛官補の教育訓練をすべて修了した方です。任用期間は任用の日から3年で、志願すれば更新できます。年齢の上限の目安として、任用期間が満了した時点で62歳に達している方には別の定めが置かれています。

即応予備自衛官は、あらかじめ指定された陸上自衛隊の部隊で勤務する身分です。員数は自衛隊法第75条の2第2項で7,981人とされています。予備自衛官よりも部隊との結びつきが強く、訓練の日数も多くなります。

予備自衛官補は、予備自衛官として必要な知識と技能を身につけるための教育訓練を受ける身分です。自衛官の経験がない方は、まずここから入る道があります。採用の日から3年を超えない範囲で防衛大臣が定める期限までに教育訓練をすべて修了することとされ、修了すればその翌日に予備自衛官に任用されます。

訓練の分量も条文に上限があります。予備自衛官の訓練招集は1年を通じて20日を超えないものとされ(自衛隊法第71条第3項)、即応予備自衛官は1年を通じて30日を超えない範囲で防衛省令が定める期間です(同法第75条の5第3項)。予備自衛官補の教育訓練招集は1年を通じて50日を超えないとされています(同法第75条の11第3項)。実際に何日になるかは募集の区分や年度で変わりますので、最新の数字は募集の案内で確かめてください。ここで押さえておいてほしいのは、上限が法律に書かれているという点です。上限が見えていれば、本業との両立を設計できます。

これまで公務員にとって何がネックだったのか

予備自衛官になりたい公務員の方が足止めされてきた理由は、2つの義務です。

1つ目は兼業の許可です。国家公務員の場合、国家公務員法第104条が、報酬を得て他の事業や事務に従事するには内閣総理大臣と所轄庁の長の許可を要すると定めています。地方公務員の場合は地方公務員法第38条第1項で、任命権者の許可が必要です。予備自衛官等の職務は報酬を伴いますから、この許可の話が付いて回っていました。

2つ目は職務専念義務です。国家公務員法第101条第1項前段、地方公務員法第35条が、勤務時間中は職務に専念しなければならないと定めています。招集は職場の都合で決まるものではありません。訓練の日が平日にかかることもあります。そのとき本務の勤務時間をどう扱うのか、明確な根拠がなければ所属の側も判断に困ります。

つまり本人に意欲があっても、手続きの根拠が薄いために所属が慎重になる、という構造でした。特に地方公務員の場合、任命権者ごとに運用が違うため、隣の自治体では通ったのに自分のところでは前例がない、という状況が起こります。皆さんの職場でも、この話を持ち出しにくいと感じていたのではないかと思います。

特例法が具体的に変えた3つのこと

ここが本題です。令和8年法律第40号は、第221回国会に内閣から提出され、衆議院で2026519日、参議院で610日に可決され、617日に公布されました。所管は防衛省です。

1に、承認という入口が作られました。一般職の国家公務員は、予備自衛官補に採用されようとするとき、予備自衛官または即応予備自衛官に任用されようとするとき、引き続いて任用されようとするときに、内閣官房令と防衛省令で定めるところにより、所轄庁の長の承認を受けることができます(第3条第1項)。地方公務員は、同じ場面について任命権者の承認を受けることができます(第6条第1項)。裁判所職員については最高裁判所規則で定めるところにより承認を受ける形に読み替えられ(第4条)、自衛隊員については防衛大臣の承認となります(第5条)。

2に、その承認を受けていれば、予備自衛官等の職務に従事することについて国家公務員法第104条の許可を要しないことになりました(第3条第4項)。地方公務員についても、地方公務員法第38条第1項の許可を要しないと定められています(第6条第4項)。入口で1回承認を受けておけば、その後の従事について許可を取り直す必要がない、という設計です。

3に、職務専念義務の扱いが整理されました。承認を受けた職員が招集命令、訓練招集命令、教育訓練招集命令を受けて、その勤務時間に招集に応じるため勤務しない場合、その勤務しない時間については国家公務員法第101条第1項前段の規定を適用しないとされています(第3条第3項)。地方公務員は地方公務員法第35条を適用しないという形です(第6条第3項)。

法律の目的も条文に書かれています。第1条は、予備自衛官等が招集に応ずるための環境を整備すること、その職務の重要性に対する国民の関心と理解を深めること、そして継続的かつ安定的な確保に資することを挙げています。第7条では、国が広報活動や啓発活動を通じて理解を深めるよう努めなければならないとされました。

なぜ公務員だけを対象にした法律が作られたのか

制度の背景を知っておくと、手続きの意味が分かりやすくなります。

自衛隊法は予備自衛官の員数を47,900人、即応予備自衛官を7,981人と定めています。法律に員数が書かれているということは、その人数を確保し続けることが前提になっているということです。ところが予備自衛官等は本業を持っている人が務める仕組みですから、本業の側に障害があれば人が集まりません。特例法第1条が目的として「予備自衛官等が招集に応ずるための環境を整備する」「継続的かつ安定的な確保に資する」と書いているのは、その課題を正面から認めた表現です。

そして本業の側の障害がいちばん大きかったのが、公務員でした。民間企業の従業員であれば、就業規則と会社の了解の問題として処理できます。公務員は法律に兼業の制限が書かれているため、会社の理解に相当するものが制度として存在しませんでした。だから公務員だけを名指しした特例法という形になったわけです。第7条で国の広報や啓発の責務まで書き込まれているのは、制度を作るだけでは人が集まらないという認識があるからでしょう。

この背景を知っていると、所属に相談するときの言い方も変わります。個人的な希望としてぶつけるのではなく、法律が環境整備を目的に掲げているという文脈を共有できます。所属の側も、前例がないから断るという対応が取りにくくなります。

給与はどうなるのか。招集の種類で扱いが分かれる

ここは皆さんが最も気にする部分でしょう。生活に直結しますから、正直に書きます。

特例法第3条第5項は、承認を受けた職員が招集命令を受けて、その勤務時間に招集に応じるため勤務しない場合について、勤務しない1時間につき、勤務1時間当たりの給与額を減額して支給すると定めています。つまり防衛招集や災害招集など、招集命令で職場を離れる時間については、本務の給与が時間単位で減額されます。

一方で、この減額の規定は「招集命令」を受けた場合について置かれています。訓練招集命令と教育訓練招集命令は、第3条第3項では職務専念義務の適用除外の対象に含まれているのに、第5項の減額の対象としては書かれていません。訓練のために職場を離れる時間について本務の給与を減らさない扱いが、条文の構造として読み取れる形になっています。実際の運用は所属の給与担当が最終的な窓口になりますので、金額の計算方法は必ず確認してください。

予備自衛官等としての手当も別に支給されますが、金額は年度や身分によって見直されます。ここで具体的な数字を書くと、読んだ時期によってずれてしまいますので、募集の案内と所属の説明で確かめるようにしてください。数字を確かめる作業は面倒ですが、生活の設計に関わる部分を推測で埋めるのは避けたほうがいいです。

なお行政執行法人の職員については、給与の支給の基準を法人が定めて主務大臣に届け出て公表する仕組みになっています(第3条第6項、第7項)。自分がどの枠にいるのかで手続きの相手が変わりますので、任用形態を確かめてから動いてください。

承認を受けるタイミングと、手続きの順番

条文を読むと、承認を受ける場面が具体的に書かれています。順番で並べると次のようになります。

1段階は、自分がどの入口から入るのかを決めることです。自衛官の経験がない方は予備自衛官補、経験がある方は予備自衛官または即応予備自衛官という入口になります。ここが決まらないと、承認の場面も決まりません。

2段階は、所属への相談です。国家公務員なら所轄庁の長、地方公務員なら任命権者が承認の主体です。実務では人事担当を通すことになります。特例法の施行後は内閣官房令、防衛省令、最高裁判所規則などで手続きの詳細が定められますので、書式はそこで示されるものに従います。

3段階は、募集への応募と選考です。予備自衛官補の採用も、予備自衛官への任用も、志願に基づいて行われます。

4段階は、承認を受けることです。採用されようとするとき、任用されようとするときに承認を受けるという条文の書き方ですから、事後ではなく前に置く手続きだと理解してください。

5段階は、継続のときの承認です。任用期間は3年ですから、引き続き任用されようとするときにも承認の場面が来ます(第3条第1項第3号)。3年後の自分のために、いま受けた承認の写しと相談の経緯を残しておくと後が楽です。

私も勤め先を辞める前に別の仕事を並行して始めた経験がありますが、そのときいちばん助かったのは、手続きの紙を全部1つのフォルダにまとめておいたことでした。話が進むほど関係者が増え、「いつ誰に何を出したか」が分からなくなります。逆に苦労したのは、口頭で了解をもらった話を書面にしていなかったせいで、担当が変わった途端に振り出しに戻ったことです。皆さんには同じ思いをしてほしくないので、相談した日付と相手と内容だけはメモに残してください。これは技術ではなく習慣の話です。

よくある誤解を4つ、条文に戻して点検する

この話題はネット上の情報が錯綜しています。皆さんが聞いたことがありそうな誤解を、条文に戻して点検しておきます。

1つ目。「特例法ができたから、公務員は届け出なしで予備自衛官になれる」。これは違います。条文が用意しているのは承認という手続きであって、無手続きではありません。第3条第1項も第6条第1項も、承認を受けることができると書いています。不要になったのは、承認を受けた後の従事についての兼業許可です。入口の手続きは残っています。

2つ目。「自衛官の経験がないと無理」。これも違います。自衛隊法第67条第2項は、予備自衛官補の教育訓練をすべて修了した者は、修了の日の翌日に予備自衛官に任用されると定めています。経験がない方の入口として予備自衛官補が置かれているわけです。ただし教育訓練の修了には、採用の日から3年を超えない範囲で防衛大臣が定める期限があります。年単位の計画が要る話だと理解してください。

3つ目。「職務専念義務が免除されるのだから、招集のときは本務を気にしなくていい」。条文は、招集に応ずるため勤務しない時間について職務専念義務の規定を適用しないと書いているだけです。業務そのものが消えるわけではありません。誰が代わりに担うのかは職場の問題として残ります。ここを制度の問題だと言い切ってしまうと、職場との関係が壊れます。

4つ目。「非常勤でも同じように使える」。第2条の定義では、一般職の国家公務員から非常勤職員と臨時的職員が除かれ、一般職の地方公務員からは地方公務員法第38条第1項ただし書に規定する非常勤職員が除かれています。短時間勤務の官職を占める職員については別に扱いが定められています。自分がどこに入るのかは、任用形態を人事担当に確かめるのが最短です。

家族と職場に説明するときの材料

制度が整っても、実際に動くには周りの了解が要ります。皆さんの多くがここでつまずきます。説明の材料を整理しておきます。

家族に対しては、日数と時期を具体的に出してください。年間の訓練の上限が法律に書かれていることは、説明の材料として強く働きます。予備自衛官なら1年を通じて20日を超えない、という条文の上限を示せば、無限に家を空けるわけではないことが伝わります。そのうえで、実際に自分が参加する予定の日数を募集の案内から拾って示すのが順番です。抽象的な「国の役に立ちたい」という説明だけで押し切ろうとすると、たいてい反発されます。

職場に対しては、業務の引き継ぎの形を先に示してください。自分が担当している業務のうち、代替が効くものと効かないものを分けた一覧を作るだけで、話の質が変わります。所属が心配しているのは皆さんの意欲ではなく、不在時に誰が回すのかという実務です。そこに答えを持っていけば、相談は前に進みます。

自分に対しては、体力と時間の設計です。訓練は座って話を聞く研修ではありません。年齢が上がるほど、事前の準備が要ります。仕事と家庭の合間に運動の時間を確保できるのか、直前1か月だけで間に合うのか。ここは正直に見積もってください。私の経験では、新しいことを始めるときに崩れるのは意欲ではなく体調です。無理のない範囲から入って、続けられる形を探すほうが結果として長続きします。

反対の声も知っておいたほうがいい

制度に賛成の声だけを見て動くのは危ないので、批判的な見方も紹介します。この特例法には、公務の側から懸念が示されています。

本法案の問題点の一つに、これまで厳格に運用されてきた公務員法上の制約を兼業の特例という形で、緩和することがある。予備自衛官等になる際に兼業許可を得れば、それ以降は許可が不要になり、繁忙期や災害対応時の業務に支障がある場合であっても、任命権者が職員の離脱を制限することができなくなる可能性がある。 出典: jichiroren.jp

この指摘は、皆さんが実際に職場で直面する論点そのものです。災害が起きたとき、自治体の職員は本務としても動員されます。そこに招集が重なったら、どちらが優先するのか。制度の枠組みは整っても、職場の人手が足りなくなるという現実は残ります。

だからこそ、承認を取る段階で職場と話しておくべきことがあります。招集が入る可能性がある時期、自分の担当業務のうち代替が効かないもの、不在時の引き継ぎの形。この3点を先に共有しておけば、職場の側も備えられます。逆にこれを曖昧にしたまま承認だけ取ると、いざ招集が入ったときに人間関係の側で軋みます。制度が認めていることと、職場が納得していることは別です。両方を揃えておくのが、長く続ける人のやり方です。

施行の時期と、いま確かめておくべきこと

大事な注意点です。この法律の附則第1項は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行すると定めています。公布は2026617日ですから、施行日は政令で指定される日ということになります。記事を読んでいる時点で施行されているかどうかは、政令の内容を確かめる必要があります。

確認の順番を書いておきます。第1に、施行日の政令が出ているかどうか。第2に、内閣官房令や防衛省令、所属の規程で承認の手続きが示されているかどうか。第3に、自分の任用形態がこの法律の対象に入っているかどうか。第2条では、一般職の国家公務員から非常勤職員と臨時的職員が除かれており、一般職の地方公務員からは地方公務員法第38条第1項ただし書に規定する非常勤職員が除かれています。ここは自分では判断しにくいので、人事担当に任用形態を示して聞くのが確実です。法令の条文そのものはe-Govから探せます。

施行を待っている期間にできることもあります。募集の日程を調べる、体力の準備を始める、家族に説明して合意を取る。特に3つ目は後回しにされがちですが、訓練で家を空ける日が年に何日あるのかを共有していないと、後から必ず揉めます。

もう1つ、施行前の相談で気をつけたい点があります。施行されていない法律を根拠に手続きを求めても、所属の担当者は動けません。担当者を責めるのではなく、「この法律が施行されたら手続きの相談をしたい」という形で先に伝えておくのが現実的です。担当者の側も、初めて聞く話にその場で答えるのは難しいものです。早めに耳に入れておけば、施行のタイミングで所属の側が準備を始められます。急がば回れ、という言い方がここではそのまま当てはまります。

法律の条文を自分で読むことも勧めます。長い法律ではありませんし、第3条と第6条だけ読めば骨格が掴めます。人から聞いた解釈よりも、条文1本を自分の目で見ておくほうが、職場での会話で強く効きます。皆さんが所属に相談するとき、条文の番号を挙げられるかどうかで、相手の受け取り方が変わります。

収入の柱を増やすという観点から見た場合

予備自衛官等の職務は収入を目的にするものではありませんが、本業以外の収入について考え始めた方がこの記事に来ているケースもあると思います。その観点でも触れておきます。

公務員の兼業は、予備自衛官等に限らず原則として許可の枠組みの中にあります。技能を活かした活動や地域への貢献という方向であれば、許可を得て取り組める領域が広がってきました。どんな仕事が世の中で発注されているのかを知っておくと、申請の際の説明も具体的になります。業務の改善をAIで支援する領域の広がりはAIコンサル・業務活用支援のお仕事に、データ活用やセキュリティまで含めた案件の幅はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事にまとまっています。開発の実務を見たい方はアプリケーション開発のお仕事が参考になります。

技能に対する報酬の水準を知ることも準備の1つです。開発の職域ならソフトウェア作成者の年収・単価相場、文章を扱う職域なら著述家,記者,編集者の年収・単価相場で相場の幅が掴めます。証明できる形にしておきたい方は、事務文書の型を扱うビジネス文書検定、ネットワークの基礎を扱うCCNA(シスコ技術者認定)といった資格が、業界共通の目安として通用します。

報酬をめぐる基本的な備えも押さえておくといいでしょう。契約書に何を書いておくべきかを整理したフリーランスを守る「下請法(取適法)」の知識|発注書・契約書の必須項目チェックリストは、許可を得て活動する場合にも役立ちます。

ここで1つ注意点を添えます。予備自衛官等の職務と、収入を目的にした兼業は、制度上まったく別の話です。特例法が許可を不要にしたのは予備自衛官等の職務に従事することについてであって、他の兼業まで自由になったわけではありません。ここを混同したまま「特例法ができたから副業も大丈夫」と考えると、思わぬところで足をすくわれます。収入のための兼業を考えるなら、国家公務員法第104条または地方公務員法第38条第1項の許可を、別に取る話になります。

そのうえで、皆さんに1つお伝えしておきたいことがあります。私自身、勤め先を離れる1年前から別の仕事を並行して始めていました。そのとき効いたのは収入の額ではなく、本業以外の場所に自分を置いた経験そのものでした。違う相手と、違う進め方で仕事をすると、本業での見え方まで変わります。予備自衛官等の職務は収入を目的にするものではありませんが、この「外に立つ経験」という意味では同じ働きをするはずです。焦らず、続けられる形から入ってください。

市場を長く見てきた立場からの観察

在宅で働く人と依頼する側の市場を20年見てきた運営者の立場から、2つ書いておきます。

1つ目。本業以外の活動を長く続けられている方には共通点があります。自分が抜ける日を先に宣言していることです。「この週は動けません」と早めに出す人は、周囲が予定を組み替えられるので信用を落としません。逆に直前に伝える人は、能力が高くても次から声がかかりにくくなります。予備自衛官等の訓練で職場を離れる方にも、同じことが当てはまります。制度上の権利があることと、周りが困らない進め方をすることは、両立できます。

2つ目。仲介の手数料が乗らない直接のやりとりでは、依頼する側は同じ予算でより多く頼めて、受ける側は同じ仕事で手元に残る額が厚くなります。手数料0%の意味は「大きく稼げる」ではなく、同じ働きに対する手元の残り方が違うという質の話です。使える時間が限られている方ほど、この差は効いてきます。運営者として見てきた限りでは、時間の制約がある方が続けられているのは、単価の高い仕事を取ったからではなく、1件ごとの取りこぼしを減らしていたからでした。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年9月3日最終更新:2026年9月20日
前田 壮一

この記事を書いた人

前田 壮一@SOHO編集部

元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身

大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。

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