非常勤の公務員は副業できるか|勤務形態ごとの扱いと手続き 2026


この記事のポイント
- ✓公務員の非常勤職員が副業できるかを
- ✓勤務形態ごとに条文から整理しました
- ✓地方公務員法第38条のただし書き
まず、安心してください。「公務員非常勤副業」と検索して不安になっている皆さんの多くは、実は許可を取らなくてもよい立場にいます。非常勤の公務員については、正規職員に課されている営利企業従事等の制限が、法律の条文そのもので外されている場合があるからです。ただし、外されるかどうかは勤務形態で分かれます。同じ「非常勤」という呼び方でも、パートタイムの会計年度任用職員と、フルタイムの会計年度任用職員では扱いが正反対になります。この記事では、条文のどこに何が書かれているかを示しながら、皆さんの勤務形態がどちらに入るのかを整理していきます。
先に言っておきたいことがあります。私も会社員時代、勤務先の規程を読まずに副業の相談を受けてしまい、後から慌てて人事に確認した経験があります。結果は問題なかったのですが、あのときの気まずさは今でも覚えています。順序を逆にするだけで、同じ活動が安心して続けられるものに変わります。焦らず、まず自分の任用の形を確認してください。
非常勤の公務員は副業できるのか、結論から
結論を3行で示します。
1つ、パートタイムの会計年度任用職員は、地方公務員法第38条の営利企業従事等の制限の対象から外れています。任命権者の許可を得なくても、報酬を得る仕事に従事できます。
2つ、フルタイムの会計年度任用職員と、短時間勤務の職を占める職員は、対象に含まれます。正規職員と同じく任命権者の許可が必要です。
3つ、許可が不要な立場であっても、職務専念義務、信用失墜行為の禁止、守秘義務は残ります。これらは兼業の許可とは別建ての規定で、免除されません。
この3行を押さえたうえで、ではなぜそうなるのかを条文で確認していきます。ここを飛ばして「非常勤だから大丈夫と聞いた」で進めてしまうと、自分がどちらに入るのかを取り違えたときに逃げ場がありません。皆さんの任用通知書や労働条件通知書には、勤務時間と任用の根拠が書かれています。その1枚が手元にあれば、判断はほぼ終わります。
もう1つ、実務で混乱しやすい点を先に共有しておきます。「非常勤」という言葉は、法律上の分類というより職場の呼び方として使われている場面が多いのです。同じ職場で同じように週3日働いている2人が、一方はパートタイムの会計年度任用職員、もう一方は短時間勤務の職を占める職員というケースがあります。呼び方ではなく、任用の根拠で分かれます。ここを確認せずに同僚の話を参考にすると、判断がずれます。
勤務形態で扱いが変わる理由(地方公務員法第38条の読み方)
根拠となるのは地方公務員法第38条第1項です。前半と後半に分けて読んでみましょう。
前半はこう書かれています。職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。ここが、いわゆる公務員の副業制限の本体です。
そして後半にただし書きが続きます。ただし、非常勤職員(短時間勤務の職を占める職員及び第二十二条の二第一項第二号に掲げる職員を除く。)については、この限りでない。
この1文が、皆さんにとっていちばん大事な部分です。「この限りでない」というのは、前半の許可制が適用されないという意味です。つまり非常勤職員は、原則として任命権者の許可を受けずに報酬を得る仕事に従事できます。
ただし、カッコの中で2種類の職員が除外されています。1つが「短時間勤務の職を占める職員」で、定年前再任用短時間勤務職員などが該当します。もう1つが「第22条の2第1項第2号に掲げる職員」です。この第2号が何を指すのかを確認する必要があります。
地方公務員法第22条の2第1項は、会計年度任用職員の採用について定めた規定です。第1号は、一会計年度を超えない範囲内で置かれる非常勤の職を占める職員であって、その1週間当たりの通常の勤務時間が常時勤務を要する職を占める職員の1週間当たりの通常の勤務時間に比し短い時間であるもの、とされています。第2号は、会計年度任用の職を占める職員であって、その1週間当たりの通常の勤務時間が常時勤務を要する職を占める職員の1週間当たりの通常の勤務時間と同一の時間であるもの、です。
整理すると、第1号がパートタイムの会計年度任用職員、第2号がフルタイムの会計年度任用職員です。第38条のただし書きが除外しているのは第2号、つまりフルタイムのほうです。パートタイムは除外されていないので、ただし書きの恩恵をそのまま受けられます。条文を2つ並べて読むだけで、ここまではっきり答えが出ます。法令の原文はe-Govからたどれる法令検索で誰でも確認できます。
会計年度任用職員はパートとフルで正反対になる
ここをもう少し具体的に見ていきます。2020年4月に会計年度任用職員制度が始まり、それまで自治体ごとにばらばらだった非常勤職員の任用が整理されました。その際、副業の扱いもパートとフルで明確に分けられました。
パートタイムの会計年度任用職員は、第38条の許可が不要です。これは制度設計の意図として理解できます。勤務時間が短く、その報酬だけで生計を立てるのが難しい立場の人に、許可を取らなければ他の収入を得られないという制約をかけるのは現実的ではありません。窓口業務や事務補助、図書館の職員、保育の補助などで週3日から4日働いている方の多くがここに入ります。
フルタイムの会計年度任用職員は、常勤職員と同じ勤務時間で働いているため、正規職員と同じ規律が課されます。任命権者の許可が必要で、許可基準も常勤職員に準じた扱いになります。フルタイムで働いているなら、そもそも兼業に割ける時間が限られるという実態もあります。
判定方法は単純です。自分の1週間の所定勤務時間と、その自治体の常勤職員の1週間の所定勤務時間(一般には38時間45分)を比べてください。同一ならフルタイム、短ければパートタイムです。任用通知書に「パートタイム会計年度任用職員」「フルタイム会計年度任用職員」と明記されている自治体も多いので、まずそこを見てください。
なお、許可が不要であっても、職場に届出を求める運用を置いている自治体があります。これは法律上の許可ではなく、勤務管理や労働時間の把握のための内部手続きです。「許可は要らないと書いてあったから届出も出さなかった」と後から説明するのは、居心地の悪い状況を招きます。手続きが用意されているなら使っておくのが無難です。
副業の内容としては、教育分野の経験を活かす道が選ばれやすい分野です。
副業においても教育の現場で培った経験やスキルが活かせるため、時給や単価に換算すると、その相場は、以下のようにほかの仕事と比べて比較的高めの設定になっています。 出典: lotsful.jp
ただし、家庭教師や塾講師のように対面で時間を拘束される仕事は、平日夜と土日を削ります。勤務日の翌日の体調まで含めて考えたとき、在宅で時間を選べる仕事のほうが続けやすいという声も多く聞きます。
非常勤講師は教育公務員特例法を見る
学校で非常勤講師として働いている方は、地方公務員法だけでなく教育公務員特例法も確認する必要があります。
教育公務員特例法第17条第1項は、教育公務員は、教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事業若しくは事務に従事することが本務の遂行に支障がないと任命権者において認める場合には、給与を受け、又は受けないで、その職を兼ね、又はその事業若しくは事務に従事することができる、と定めています。教育に関する活動については、地方公務員法よりも緩やかな枠組みが用意されているということです。
そして同条第2項に、こう書かれています。前項の規定は、非常勤の講師(地方公務員法第二十二条の四第一項に規定する短時間勤務の職を占める者及び同法第二十二条の二第一項第二号に掲げる者を除く。)については、適用しない。
つまり非常勤の講師には、教育公務員特例法第17条第1項の枠組みそのものが適用されません。ここでの意味は「禁止される」ではなく、「この条文による承認の仕組みの対象外」という整理です。非常勤の講師は地方公務員法第38条のただし書きによって許可制の外にいるため、第17条による承認を経る必要がないという構造になっています。除外のカッコの中身が第38条と同じであることからも、2つの条文が揃えて設計されていることが読み取れます。
実務上の注意点を挙げます。非常勤講師として複数校を掛け持ちしている場合、それぞれの学校での勤務時間の合計が自分の想定より長くなっていることがあります。移動時間や授業準備の時間は勤務時間としてカウントされないことが多いため、実質的な拘束時間は名目より長くなります。そこに副業を足すと、本務の質が落ちます。時間の管理は法律の問題ではなく、続けられるかどうかの問題です。
国家公務員の非常勤職員はどう扱われるか
国の機関で非常勤職員として働いている方は、根拠が変わります。
国家公務員法第103条第1項は、職員は営利企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならないと定めています。そして人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)の第6項に、こう書かれています。非常勤職員(法第六十条の二第一項に規定する短時間勤務の官職を占める職員を除く。)及び臨時的職員については、法第百三条第一項の規定は適用しない。
ここで押さえてほしいのは、適用除外になっているのが第103条第1項だけだという点です。国家公務員法第104条は別に残ります。第104条は、職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する、と定めた規定です。
条文を素直に読むと、非常勤職員は「営利企業の役員を兼ねる」「自ら営利企業を営む」については制限を外れているものの、「報酬を得て事業に従事する」については第104条の許可が必要という構造になります。この点は地方公務員の扱いと異なるため、国の機関で働いている方は必ず所属庁の人事担当に確認してください。運用は機関ごとに整理されていて、包括的な許可や簡略な手続きを用意している例もあります。
もう1つ、人事院規則14-8の第5項も知っておくとよい規定です。職員が第103条又は第104条の承認又は許可を得て官職以外の業務に従事するためにその勤務時間をさく場合においては、さかれた勤務時間については給与を減額する、とあります。勤務時間中に副業の作業をしてはいけないという原則が、給与の減額という形で制度に組み込まれているわけです。制度の解説や手続きの様式は人事院の公開資料から確認できます。
許可が不要でも残る3つの義務
ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。許可が不要になったからといって、何をしてもよいわけではありません。
1つめは職務専念義務です。地方公務員法第35条は、職員は法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならないと定めています。勤務時間中に副業のメールを返す、休憩時間に納品作業をする、といった行為は、許可の有無とは無関係に問題になります。物理的にパソコンを分けるだけでなく、時間を分けてください。
2つめは信用失墜行為の禁止です。地方公務員法第33条は、職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならないと定めています。副業の内容が公序良俗に反する場合や、所属先を名乗って利益を得ている場合はここに触れます。実名で発信するかどうかを含めて、事前に線を決めておいてください。
3つめは守秘義務です。地方公務員法第34条第1項は、職員は職務上知り得た秘密を漏らしてはならないと定め、その職を退いた後も同様とすると続けています。退職後も続く義務です。副業でコンサルティングや執筆を行う場合、業務で得た個別の情報は使えません。一般に公開されている統計や制度の解説にとどめるのが安全です。
この3つに加えて、実務上もう1つ気をつけたいのが利害関係です。自分の担当業務と取引のある事業者、補助金の交付先、入札に参加しうる事業者からの仕事は、許可が不要な立場であっても避けるべきです。法律の条文ではなく、後から説明できるかどうかで判断してください。説明に窮する仕事は、最初から受けないのが一番です。
税と手続きを先に整える
副業を始めると、所得税と住民税の手続きが発生します。
副業で得た年間の収入から、業務上掛かった必要経費(※1)を差し引いた所得が20万円を超えると、確定申告(※2)の義務が発生します。 出典: lotsful.jp
ここで気をつけたいのは、判定の対象が収入ではなく所得だという点です。受け取った金額から必要経費を引いた残りで判断します。年間の受取額が28万円で、資料代や通信費、ソフトの利用料などで9万円使っていれば所得は19万円になり、この基準では申告義務は生じません。ただし経費として認められるのは業務に必要な支出だけで、記録が残っていないものは説明できません。領収書は月ごとにまとめておいてください。
非常勤の公務員に特有の事情として、複数の勤務先から給与を受け取っているケースがあります。この場合、年末調整は1か所でしか受けられないため、確定申告が必要になる場面が増えます。給与と業務委託の報酬が混ざると、どれが給与所得でどれが事業所得や雑所得かの整理も必要です。判断に迷ったときは国税庁の解説を確認するか、税務署の相談窓口で実態を伝えてください。窓口は混みますが、後から修正するより早く終わります。
住民税は給与からの特別徴収が基本で、副業分の所得が加わると翌年度の税額が動きます。許可が不要な立場であれば、この変動自体は隠すべきものではありません。ただし、職場に届出の運用がある場合は、税額が動く前に手続きを済ませておくほうが説明が楽です。
社会保険については、別の勤務先に雇われて所定労働時間や賃金の要件を満たすと加入義務が生じ、複数の事業所に加入する手続きが必要になります。業務委託として受ける形であれば、この論点は生じません。仕組みは日本年金機構の解説で確認できます。
職場への伝え方と、届出を出すときの中身
許可が不要な立場であっても、職場にどう伝えるかは考えておいたほうがよいテーマです。黙っていても違法ではありませんが、後から知られたときの気まずさは、事前に一言添えておく手間よりずっと大きいものです。
伝え方の順番としては、まず人事担当か所属の管理職に「副業に関する手続きの案内があるか」を尋ねるところから始めてください。ここで「パートタイムの会計年度任用職員は許可の対象外なので手続きは要りません」と返ってくる自治体もあります。その回答をもらっておくだけで、皆さんの立場は安定します。逆に「届出の様式があります」と言われたら、素直に出してください。
届出や相談の場面で書くこと、あるいは口頭で伝えることは5点に絞れます。
1点めは活動の内容です。「執筆」と3文字で伝えるのではなく、「制度解説の記事を月に1本、1本あたり3,000字程度で寄稿する」というところまで具体化します。判断する側は、抽象的な説明では判断できません。
2点めは所要時間と実施のタイミングです。週あたり何時間、どの曜日のどの時間帯かを伝えます。勤務日の前日は作業しない、勤務時間中は連絡を返さない、といった自主的な制限を自分から示すと、相手は安心します。
3点めは相手先と所属先の関係です。相手先が自分の担当業務と取引のある事業者か、補助金の交付先か、入札に参加しうる事業者かを確認して、接点がないことを伝えます。ここに接点があると、活動内容が適切でも問題が残ります。
4点めは報酬の形です。固定額か成果連動か、月額か案件ごとかを伝えます。額を隠す必要はありません。むしろ、翌年度の住民税が動いたときに説明できる状態にしておくほうが安全です。
5点めは秘密の扱いです。業務で知った個別の情報は使わないこと、所属先の名称や肩書を出さないことを明示します。地方公務員法第34条の守秘義務は退職後も続く規定であり、職場がもっとも気にする部分です。
この5点を先に整えておくと、話は数分で終わります。私の経験では、揉める原因のほとんどは活動の内容ではなく、説明が足りないことでした。順番を守るだけで、余計な心配をせずに済みます。
限られた時間で続けるための組み立て方
非常勤で働きながら副業を続けるときの最大の制約は、能力ではなく時間です。ここを設計せずに始めると、3か月で息切れします。
まず、使える時間を正直に数えてください。勤務が週4日、1日6時間だとすると、平日の夜に確保できるのは現実的に1時間から2時間、土日で合わせて4時間から6時間程度でしょう。家事や家族の予定を引くと、週に6時間から8時間が上限になります。この枠を超える仕事を受けると、本務の質か家庭のどちらかが削られます。
次に、受ける仕事の形を選びます。時間の制約が強いときは、納期が週単位以上で、作業を分割できる仕事が向いています。記事の執筆、資料の作成、データの整理、マニュアルの更新などが該当します。逆に、当日連絡に即応する必要がある仕事や、決まった時間に対面で拘束される仕事は、勤務シフトが変わったときに一気に破綻します。
3つめに、単価の下限を先に決めておきます。時間あたりいくら以下なら受けないという線を紙に書いてください。週に使える時間が8時間しかないなら、その8時間をどの仕事に使うかは選択の問題になります。安い仕事で埋めてしまうと、条件のよい依頼が来たときに受けられません。断る基準を先に持つことが、結果として収入の安定につながります。
4つめに、記録を残す習慣をつけます。作業した日と時間、受け取った金額、使った経費を月ごとにまとめておくと、確定申告の時期に慌てません。それ以上に効くのが、自分の作業速度が見えるようになる点です。「この種類の仕事は1本あたり3時間かかる」と分かれば、次の見積りの精度が上がります。
最後に、休む日を決めてください。皆さんが本務で働いているのは週の大半です。そこに副業を足すのですから、1週間のうち丸1日は何もしない日を作ってください。焦って詰め込んだ結果、本務で不注意なミスをするほうが、副業の収入を失うより痛い結果になります。
在宅で選べる仕事と、値段の考え方
では、限られた時間で何を受けるかです。非常勤で働いている方に向いているのは、時間と場所を自分で決められる仕事です。
文章を書く仕事は、もっとも入口が広い分野です。窓口対応や事務で培った「相手が誤解しない書き方」は、業務マニュアルや制度解説の記事で直接評価されます。単価の相場観を先に持っておくと、安く受けすぎる失敗を避けられます。著述家,記者,編集者の年収・単価相場では、統計をもとにした年収帯と業務委託での単価の考え方を並べて確認できます。文書の型そのものを整えたい方にはビジネス文書検定の学習範囲が役に立ちます。社外文書の構成や敬語の使い分けを体系立てて確認できるので、行政の作法から民間の作法に切り替える練習になります。
情報システムを担当してきた方は、技術寄りの道も現実的です。ネットワークの運用経験があるならCCNA(シスコ技術者認定)の範囲を押さえると、経験を外から見える形にできます。開発に近い経験がある場合はソフトウェア作成者の年収・単価相場で、経験年数と担当範囲によって単価がどう動くかを確認しておくと、見積りの根拠を持てます。
いま需要が伸びているのは生成AIの導入支援です。自治体でも文書作成や問い合わせ対応での活用検討が進んでいて、現場の業務を知っていてツールも触れる人が足りていません。仕事の中身を具体的に知るにはAIコンサル・業務活用支援のお仕事とAI・マーケティング・セキュリティのお仕事を読んでおくとよいでしょう。前者は業務フローの整理と定着支援、後者は運用と安全管理まで含む領域です。
契約面では、報酬の支払い条件を先に固めておくことが欠かせません。発注書に何を書いてもらうべきかはフリーランスを守る「下請法(取適法)」の知識|発注書・契約書の必須項目チェックリストで確認できます。所属先の規程と折り合いをつける手順の実例を見たい方には、会計士の副業ガイド|監査法人勤務でもできる高収入の稼ぎ方【2026年版】が参考になります。
市場を長く見てきた立場からの観察
20年にわたって在宅ワークとフリーランスの市場を運営してきた立場から見て、非常勤の公務員として働きながら副業を続けている方には共通点があります。作業を数で積み上げず、相談される関係を1本ずつ増やしているのです。
短期で消えていく人は、単発の細かい作業をたくさん受ける形に入ります。1件あたり数千円の仕事を10件受けると、連絡と調整の手間が10倍になります。勤務日の夜に使える時間はせいぜい1時間から2時間で、その中で10件を回すのは無理があります。長く続いている人は、月に1回の定例で相談を受ける枠を持っていたり、年単位で更新される小さな契約を1本持っていたりします。同じ収入でも、消耗の度合いがまったく違います。
もう1つ、運営者として見てきた限りではっきりしているのが、中間マージンが手取りに与える影響です。同じ予算を依頼者が用意したとき、仲介手数料が乗る経路では、依頼者が頼める量は減り、受け手の手元に残る額も薄くなります。手数料0%で直接つながる経路なら、依頼者は同じ金額でもう1本頼めて、受け手は同じ作業量で厚い手取りになります。額面の大小の話ではなく、同じ仕事に対して手元に何割残るかの話です。使える時間が限られている非常勤の方にとっては、この差が続けられるかどうかを分けます。
最後に、皆さんに1つだけお願いしたいことがあります。任用通知書と、自治体または所属庁が公開している副業の手続き案内を、今日のうちに1回だけ読んでください。一般的な解説記事を10本読むより、その2枚のほうが早く正確な答えを出します。パートタイムの会計年度任用職員であれば、許可という関門は最初から存在しません。あとは時間の使い方と、後から説明できる仕事を選ぶことだけです。準備さえすれば、遅すぎるということはありません。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
前田 壮一@SOHO編集部
元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身
大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。
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