社労士の資格を持ち未経験から在宅で働くには|受けやすい業務と探し方

@SOHO編集部
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社労士の資格を持ち未経験から在宅で働くには|受けやすい業務と探し方

この記事のポイント

  • ✓社労士在宅未経験の人に向けて
  • ✓試験に合格しただけの段階でできることとできないこと
  • ✓登録に必要な実務経験と事務指定講習

社会保険労務士の試験に合格したものの、実務の経験がなく、しかも家庭の事情で在宅で働きたい。そうした状況で「社労士 在宅 未経験」と検索する人は少なくありません。求人を見ると「未経験OK」「在宅OK」と書かれたものがある一方で、「実務経験2年以上」を求めるものも多く、自分がどこから始めればよいのか分かりにくいのが実情です。この記事では、社労士在宅未経験の人が最初に知っておきたい「合格しただけの段階でできること・できないこと」を法律の条文で確かめたうえで、登録までの道筋、在宅で受けやすい業務、求人の読み方と探し方、自宅で働くときの注意点を順番に整理します。結論を先に書くと、未経験からの在宅は、社労士事務所や企業の補助・事務の仕事で実務を積みながら、段階的に在宅の比率を上げていく道が最も現実的です。

まず確かめたい「合格」と「登録」の違い

社労士の試験に合格しても、それだけで社労士として仕事ができるわけではありません。社会保険労務士法第14条の2は、社労士となる資格を持つ人が社労士になるには、全国社会保険労務士会連合会に備える名簿に登録を受けなければならないと定めています。

さらに、登録の前提となる「社労士となる資格」についても、同法第3条が条件を定めています。試験に合格していることに加えて、労働や社会保険に関する法令の事務に通算2年以上従事したこと、または厚生労働大臣がこれと同等以上の経験を持つと認めた人であることが必要です。連合会は、この点を次のように案内しています。

登録には、社労士となる資格(社労士試験合格等)を有していることに加え、2年以上の労働社会保険諸法令に関する実務経験が必要です。実務経験が2年に満たない場合は、連合会が実施する事務指定講習の修了がこれと同等以上の経験を有するものと認められています。 出典: 全国社会保険労務士会連合会

つまり、未経験の合格者が登録するには、2年の実務経験を積むか、事務指定講習を修了するかのどちらかが必要です。この違いを理解しておくと、求人の「有資格者」「登録者」「合格者」という書き分けの意味が読めるようになります。

登録していない合格者は、社労士という名称を使うことができません。同法第26条は、社労士でない者が「社会保険労務士又は社労士その他の社会保険労務士に類似する名称」を使うことを禁じています。名刺やプロフィールに「社労士」と書けるのは、登録を受けてからです。

登録していない段階でできる仕事・できない仕事

在宅で仕事を探すとき、最も大事なのが「登録前の自分が引き受けてよい仕事か」を見分けることです。社会保険労務士法第27条は、社労士でない者が、他人から頼まれて報酬を得て、第2条第1項第1号から第2号までの事務を業として行うことを禁じています。

第2条の各号を、かみ砕いて整理すると次のようになります。

業務の区分 中身 登録前に業として受けられるか
1号の業務 労働保険・社会保険の申請書や届出書を作り、提出を代わりに行う 受けられない
2号の業務 労働者名簿や賃金台帳など、法令で備える帳簿書類を作る 受けられない
3号の業務 労務管理や社会保険についての相談・指導 独占ではない

1号と2号の業務は、社労士だけが他人の依頼で報酬を得て行える、いわゆる独占業務です。3号の相談・指導は独占業務ではありませんが、名称を使えない以上、「社労士として」相談を受けることはできません。

ここで誤解しやすいのが、社労士事務所や企業の中で働く場合です。事務所に雇われて、所属する社労士の指示のもとで書類づくりを手伝う補助の仕事や、自分の勤め先の会社の手続きを担当する人事労務の仕事は、「他人の依頼で報酬を得て業として行う」形とは違います。未経験の合格者が実務を積む場として、社労士事務所の補助スタッフや企業の人事労務担当が選ばれるのはこのためです。

反対に、個人で企業から直接、社会保険の手続き書類の作成を業務委託で請け負うことは、登録前にはできません。在宅の副業として「手続き代行」の案件を見かけても、登録前の人が受けると法律違反になるおそれがあります。

登録までの2つの道:実務経験か事務指定講習か

未経験の合格者が登録を目指す道は、大きく2つです。

実務経験を2年積む

労働や社会保険の法令に関する事務に、通算で2年以上従事する道です。社労士事務所の補助スタッフ、企業の人事・労務・総務の担当として働いた期間が、主な対象になります。登録の申請では、勤め先に従事期間を証明してもらう書類(従事期間証明書)を出します。どんな業務が実務経験として認められるかは細かな基準があるので、連合会の案内で確かめてから働き方を選ぶと、後で期間が足りないという事態を防げます。

この道のよい点は、2年の間に実際の手続きや相談の現場を経験できることです。登録したあとに独立や在宅での受託を考えるなら、現場で身につく判断の感覚は大きな財産になります。

事務指定講習を修了する

実務経験が2年に満たない合格者のために、連合会が厚生労働大臣の認定を受けて実施しているのが事務指定講習です。連合会の案内によると、講習は通信指導課程(4か月)とeラーニング講習の組み合わせで行われ、労働基準法や雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法などの科目を学びます。令和8年度(第46回)の申込期間は、令和8年11月4日から11月25日までと案内されています。

講習は自宅で受けられる部分が中心なので、在宅で働きたい人にとっては取り組みやすい道です。ただし、講習を修了して登録できても、実務の経験がゼロであることに変わりはありません。登録後にすぐ独立して手続き業務を受けるのは、経験の面で負担が大きいことを覚えておきます。

登録にかかる費用

連合会の案内では、登録の費用として登録免許税30,000円と手数料30,000円がかかります。このほかに、入会する都道府県の社労士会の入会金や年会費が必要で、金額は都道府県ごとに違います。登録の会員種別は「開業」「勤務」「その他」に分かれ、どの種別で登録するかによって入会する都道府県会も変わります。令和7年7月15日からは、マイナポータルを使ったオンラインでの新規登録申請も始まっています。

社労士の仕事の全体像と、在宅との相性

在宅で働く道を考える前に、社労士の分野の仕事がどんな作業でできているかを知っておくと、在宅に向く仕事と向かない仕事が見分けやすくなります。

社労士事務所の仕事は、大きく分けると、手続きの仕事、帳簿や給与の仕事、相談の仕事の3つです。手続きの仕事は、従業員の入社や退社、扶養する家族の増減、出産や育児休業などのたびに、社会保険や雇用保険の届出を作って提出することです。帳簿や給与の仕事は、労働者名簿や賃金台帳を整え、毎月の給与計算を行うことです。相談の仕事は、就業規則の作成や見直し、労働時間や休暇の扱い、労使のトラブルへの対応について、経営者や人事担当者の相談に応じることです。

このうち在宅と相性がよいのは、手続きの書類づくりと給与計算です。社会保険労務士法第2条は、申請書等の作成に代えて電磁的記録を作成する場合も業務に含むと定めており、手続きの多くは電子申請で行えるようになっています。書類のやり取りも、顧問先とクラウドのサービスで共有する事務所が増えています。こうした事務所では、補助スタッフが自宅から書類を作り、社労士が確認して提出する流れが組みやすくなっています。

一方で、相談の仕事や、労働基準監督署などの調査への立ち会いは、顧問先や役所に出向く場面があります。年金の相談も、窓口での対面の相談が中心のことが多い仕事です。未経験の段階では、こうした仕事を在宅で担うことは少なく、まずは書類と給与の仕事から入るのが一般的です。

仕事の量には季節の波もあります。年に1度の社会保険や労働保険の手続きが集中する時期は、事務所全体が忙しくなり、在宅のスタッフにも作業が多く回ってきます。求人に応募するときは、繁忙期にどのくらいの作業量や勤務時間を求められるかを確かめておくと、家庭の予定と両立できるかを判断できます。

雇用か業務委託か、働き方の形で変わること

在宅で働く形には、雇用されて働く形と、業務委託で仕事を請け負う形があります。社労士の分野では、この違いが特に大きな意味を持ちます。

雇用されて働く形は、正社員、パート、契約社員、派遣社員などです。事務所や企業の指示のもとで働くので、登録前の合格者でも、補助や自社の手続きを担当できます。勤務した期間は、登録に必要な実務経験として数えられる可能性があります。社会保険や雇用保険への加入、有給休暇など、働く人としての保護も受けられます。

業務委託で仕事を請け負う形は、自分で仕事の進め方を決め、成果に対して報酬を受け取る働き方です。時間の自由はききますが、前の節で見たとおり、登録前の合格者が手続き書類の作成や帳簿の作成を業として請け負うことはできません。業務委託で受けられるのは、記事の執筆、マニュアルの作成、データの整理など、独占業務に当たらない仕事に限られます。

未経験で登録を目指す人にとっては、雇用される形で実務を積むほうが、登録への近道になります。パートや短時間の勤務から始めて、家庭の事情に合わせて時間を調整しながら経験を積み、慣れたところで在宅の比率を上げていく人も多くいます。求人を見るときは、雇用の形と在宅の条件の両方を確かめ、自分が登録までにどの道を進みたいかと照らし合わせて選びます。

未経験でも在宅で受けやすい業務

では、未経験の合格者が在宅で受けやすいのはどんな業務でしょうか。働き方の形ごとに整理します。

社労士事務所の補助・事務スタッフ

最も多いのが、社労士事務所や社労士法人の補助スタッフです。社会保険や労働保険の届出書類の下書き、給与計算のデータ入力、顧問先からの資料の整理、電子申請の準備などを、所属する社労士の確認のもとで担当します。未経験歓迎の求人は、最初は出社して仕事を覚え、慣れてから在宅の日を増やす形が多く見られます。

企業の人事・労務担当

一般の企業で、入退社の手続き、勤怠や給与の管理、社会保険の手続きを担当する仕事です。自社の手続きなので、登録前でも担当できます。人事部門の在宅勤務の制度は会社ごとに違い、週に数日の在宅から完全在宅まで幅があります。

労務分野の記事執筆や監修の補助

労働や社会保険の制度を分かりやすく解説する記事の執筆は、資格の知識をそのまま活かせる在宅の仕事です。登録前は「社労士監修」とは名乗れませんが、制度を正確に書ける書き手は重宝されます。ただし、個別の会社の手続きについて報酬を得て書類を作ることは、記事執筆とは別物なので混同しないようにします。

文章の仕事の報酬水準を知っておくと、受ける条件を判断しやすくなります。著述家,記者,編集者の年収・単価相場では、文章を書く仕事の報酬の目安がまとめられています。記事の単価を上げる考え方はWebライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップが参考になります。

労務関連のシステムを提供する会社の仕事

勤怠管理や給与計算、労務手続きのクラウドサービスを提供する会社では、導入支援、利用者からの問い合わせ対応、操作マニュアルの作成などで、社会保険の知識を持つ人が求められます。在宅勤務の比率が高い会社も多く、資格の知識と事務の経験を組み合わせて働ける場です。

求人の言葉の読み方

社労士関連の在宅の求人には、似た言葉が並んでいて読み違えやすいものがあります。主な言葉の意味を整理しておきます。

求人の言葉 意味の目安
社労士補助・事務スタッフ 資格不問のことが多い。社労士の指示のもとでの事務
有資格者歓迎・合格者歓迎 試験合格者を優遇。登録は不要なことが多い
社労士(登録者) 登録を受けた社労士が対象。勤務社労士として働く
実務経験○年以上 手続きや給与計算の経験年数を求める
在宅OK・テレワーク可 一部在宅のことも多い。頻度は要確認
完全在宅 原則として出社なし。ただし条件付きのことがある

「完全在宅」と書かれていても、条件が付いていることがあります。実際の求人には、次のような書き方が見られます。

完全在宅での勤務が可能ですが、ご経験やスキル、業務状況によってはご出社いただく場合がございます。 また、在宅ではなく各拠点へ出社での勤務も可能ですので、お気軽にご希望をお聞かせください! 完全在宅での勤務は試用期間満了後となりますが、家庭都合による在宅勤務の調整可能です。 出典: 求人ボックス

この例のように、完全在宅は試用期間が終わってから、経験や業務の状況によって出社がある、という条件が付くのはよくあることです。未経験の人ほど、最初の数か月は出社して仕事を覚えることを求められます。応募する前に、在宅の頻度、在宅が始まる時期、出社が必要になる場面を確かめておきます。

未経験から在宅の求人を探す方法

探し方は1つに絞らず、いくつかの経路を組み合わせます。

求人サイトで条件を組み合わせる

求人サイトでは、「社労士事務所」「社会保険労務士」「労務」などの職種の言葉と、「在宅」「テレワーク」「未経験」などの条件を組み合わせて検索します。勤務地を広げると、全国どこからでも応募できる完全在宅の求人も見つかります。同じ事務所が複数の媒体に載せていることもあるので、条件の違いがないかを見比べます。

ハローワークを使う

ハローワークには、地域の社労士事務所や中小企業の求人が多く集まります。窓口で相談すると、在宅勤務の可否や、未経験でも応募できるかを事業所に問い合わせてもらえることがあります。地域の小さな事務所は、求人票に在宅の記載がなくても、経験を積んだスタッフには在宅を認めていることがあります。近くの事務所でまず経験を積み、のちに在宅へ切り替える道も視野に入れておくと、選べる求人がぐっと広がります。通える範囲の事務所であれば、繁忙期だけ出社するといった柔軟な働き方を相談しやすいのも利点です。

都道府県の社労士会の情報を見る

都道府県の社労士会では、研修や交流の場が設けられていることがあります。登録前でも参加できる催しがあるかは会ごとに違うので、住んでいる地域の社労士会の案内を確かめます。実際に働いている社労士とつながることで、求人サイトに出ない補助スタッフの募集を知ることもあります。

業務委託のマッチングサービスを使う

記事執筆やマニュアル作成、データ整理など、独占業務に当たらない仕事は、業務委託のマッチングサービスでも見つかります。在宅で実績を作る入口として使えますが、手続き書類の作成のような独占業務の案件は、登録前には受けないことを徹底します。

応募書類と面接で伝えること

未経験の合格者が応募するとき、実務経験がないことを補うのは、試験で身につけた知識と、これまでの職歴で培った事務の力です。

応募書類では、合格した年と、登録に向けてどちらの道(実務経験か事務指定講習か)を考えているかを書いておくと、採用する側が今後の育成を考えやすくなります。前職で、正確な書類作成、期限の管理、電話や来客の対応、表計算ソフトでのデータ管理などを担当していたなら、具体的に書きます。社労士事務所の仕事は、締め切りの決まった手続きを正確にこなすことの積み重ねだからです。

在宅を希望する理由は、家庭の事情など正直に伝えて構いません。そのうえで、最初の期間は出社して仕事を覚える意思があるか、在宅で作業するための環境(専用の作業場所、通信環境、情報を守るための設備)を用意できるかを伝えると、採用する側の不安が減ります。

面接では、「なぜ社労士の分野で働きたいのか」と「登録後にどう働きたいか」がよく聞かれます。数年後に独立したいのか、勤務社労士として専門性を高めたいのかを、自分の言葉で話せるようにしておきます。

家庭と両立しやすい求人の見極め方

在宅を希望する理由が子育てや介護である場合、在宅の可否だけでなく、時間の柔軟さが働きやすさを大きく左右します。求人を比べるときは、次の点に注目します。

1つ目は、勤務時間の決め方です。始業と終業の時刻が固定されているのか、一定の範囲で自分で決められるのかで、家庭の予定との合わせやすさが変わります。短時間勤務や週3日からの勤務を認めている事務所もあり、未経験の人が無理なく仕事を覚えるには、こうした求人が向いています。

2つ目は、急な休みへの対応です。子どもの体調不良などで急に休む必要が出たとき、ほかのスタッフが作業を引き継げる体制があるかは重要です。少人数の事務所では1人の休みが大きく響くので、面接で率直に聞いておくと、入ってからの気まずさを避けられます。

3つ目は、繁忙期の働き方です。手続きが集中する時期に、勤務時間の延長や出社を求められるかどうかを確かめます。忙しい時期があることは避けられませんが、事前に分かっていれば家族と相談して備えられます。

4つ目は、在宅の比率が上がる道筋です。最初は出社が中心でも、どのくらいの期間でどこまで在宅が認められるのか、実際にそうした働き方をしている人がいるのかを聞いておくと、将来の見通しが立てやすくなります。

求人票の言葉だけで判断せず、面接や見学の機会に具体的な働き方を確かめることが、長く働ける職場を選ぶための近道です。

自宅で労務の仕事をするときの情報管理

社労士の分野の仕事は、扱う情報の重さが在宅での働き方を左右します。従業員の氏名や住所、給与、家族構成、健康状態、そしてマイナンバーなど、漏れてはいけない情報ばかりです。

マイナンバーを扱う事務については、いわゆる番号法の第12条が、漏えい、滅失、毀損を防ぐなど、適切な管理のために必要な措置を講じることを求めています。また、個人情報保護法第25条により、個人データの取り扱いを外部に委託する企業は、委託先を監督する義務を負います。社労士事務所が在宅のスタッフに仕事を任せる場合も、事務所としての管理体制が問われます。

在宅で働くときに、事務所や会社から求められることが多いのは、次のような点です。

・家族と共有しない専用の作業場所を確保する
・貸与されたパソコンだけで作業し、私物の端末にデータを保存しない
・書類を印刷しない、印刷した場合は施錠して保管し、決められた方法で処分する
・画面をのぞかれない位置で作業し、離席するときは画面をロックする
・公共の無線LANを使わない

通信環境も見落とせない点です。顧問先との打ち合わせや、事務所の定例の会議をオンラインで行う場面では、回線が途切れると話が進みません。自宅の回線が安定しているか、作業用のパソコンと会議用の機器が問題なく使えるかを、勤務が始まる前に確かめておきます。

こうした決まりを当然のこととして守れる人は、在宅を任されやすくなります。逆に、ここが不安だと見られると、在宅の比率はなかなか上がりません。

在宅で働く日の仕事の流れ

社労士事務所の補助スタッフとして在宅で働く日を例に、仕事の流れを見てみます。事務所によって違いますが、おおむね次のような形です。

始業時に業務用のチャットで出勤を伝え、その日の作業の指示を確かめます。午前中は、顧問先から届いた入社や退社の情報をもとに、社会保険や雇用保険の届出書類の下書きを作ります。下書きは担当の社労士が確認し、修正の指示を受けて直します。

午後は、給与計算のための勤怠データの確認や、顧問先からの資料の整理を行います。顧問先との連絡は、電話より業務用のメールやチャットが中心になることが多く、問い合わせの内容を担当の社労士に引き継ぐ役割も担います。終業時には、作業の進み具合を報告し、翌日に持ち越す作業を共有します。

在宅で働く補助スタッフにとって大事なのは、確認を求めるタイミングを逃さないことです。事務所にいれば隣の人にすぐ聞けることも、在宅では自分から聞かない限り誰も気づきません。分からないことを抱え込まず、短い質問をこまめにする人ほど、早く仕事を任されるようになります。

試験の知識を実務につなげるために準備すること

試験で学んだ知識と、実務で求められる力には、少し距離があります。試験は法律の条文や数字を正確に覚えているかを問いますが、実務では、届出の様式を正しく埋め、期限までに提出し、顧問先に分かりやすく説明することが求められます。未経験から在宅で働くために、事前に準備しておくとよいことがあります。

電子申請の仕組みに慣れる

社会保険や労働保険の手続きは、電子申請で行う場面が増えています。電子申請の窓口となるe-Govの使い方や、申請に必要な電子証明書の考え方を、公開されている案内で一度読んでおくと、実務に入ったときに戸惑いが減ります。

給与計算の流れをつかむ

給与計算は、勤怠の集計から始まり、基本給と手当、残業代の計算、社会保険料や雇用保険料、所得税、住民税の控除へと進みます。試験で学んだ保険料の考え方が、実際の控除額にどうつながるかを、自分の給与明細を見ながら確かめてみると理解が深まります。

表計算ソフトを使いこなす

社労士事務所の仕事では、従業員の情報や勤怠のデータを表計算ソフトで扱う場面が多くあります。並べ替え、絞り込み、関数を使った集計ができると、補助スタッフとして評価されやすくなります。

法改正の情報を追う習慣をつける

労働や社会保険の制度は、毎年のように改正されます。厚生労働省や日本年金機構のページで、改正の案内を定期的に確かめる習慣をつけておくと、顧問先からの質問に備えられます。試験の勉強で身につけた「条文を確かめる」姿勢は、そのまま実務の強みになります。

未経験の在宅でつまずきやすい点

未経験から在宅で働き始めた人がつまずきやすい点も、知っておくと避けられます。

1つ目は、1人で抱え込むことです。在宅では、自分から相談しない限り、困っていることに誰も気づきません。分からないまま作業を進めて、提出の直前に誤りが見つかると、顧問先にも事務所にも迷惑がかかります。

2つ目は、期限の管理です。社会保険や雇用保険の届出には、それぞれ提出の期限があります。在宅では、事務所のホワイトボードのような共有の目印がないので、自分で期限を一覧にして管理する必要があります。

3つ目は、仕事と家庭の境目です。家族がいる場所で働くと、急な用事で作業が途切れがちです。作業の時間と場所を決め、家族にも伝えておくと、集中できる時間を確保しやすくなります。

4つ目は、孤立です。在宅で働いていると、事務所の雰囲気や他のスタッフの仕事ぶりが見えにくくなります。定例の打ち合わせや研修には積極的に参加し、事務所とのつながりを保つことが、長く続けるための支えになります。

在宅で働き続けるための段階の踏み方

未経験から在宅で働く道は、一気に完全在宅を目指すより、段階を踏むほうが結果として近道です。

1段階目は、出社と在宅を組み合わせた働き方で、手続きの流れと事務所の決まりを覚える時期です。この時期に、届出書類の種類、締め切り、顧問先とのやり取りの作法を身につけます。

2段階目は、在宅の比率を上げ、決まった業務を1人で回せるようになる時期です。担当する顧問先を持ち、確認を受けながら手続きの準備を進めます。実務経験の2年は、この時期に満たされていくことが多いでしょう。

3段階目は、登録を受けて勤務社労士として働く、あるいは独立を考える時期です。登録すれば、名称を使って相談に応じ、手続き業務にも責任を持って携われるようになります。独立する場合は、事務所の場所を定めて開業の登録をすることになります。

この段階のどこで在宅の比率を上げるかは、家庭の事情と事務所の方針で決まります。どの段階でも、正確さと情報管理への信頼が、在宅で任される仕事の幅を決めます。

運営者の視点から見た、専門資格を在宅で活かす人

フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から見ると、専門資格を持って在宅で働き続ける人には共通点があります。それは、資格そのものより、「この人に任せると手間が減る」という信頼を、小さな仕事の積み重ねで作っていることです。

社労士の分野は特にその傾向が強く、期限を守る、確認を怠らない、情報を漏らさない、という当たり前のことを続けられる人に仕事が集まります。合格したばかりの段階で大きな案件を狙うより、補助の仕事で信頼を積むほうが、結果として在宅で任される範囲は広がります。

もう1つの観察は、仕事を頼む側と受ける側が直接つながる形の強さです。間に事業者の取り分が入らない直接取引では、同じ予算で依頼者はより多くを頼め、受ける側は手取りが厚くなります。中間マージンのない仕組みは、専門職の在宅の働き方とも相性がよく、双方が得をする形として選ばれ続けています。

資格の知識を広げて在宅の仕事の幅を増やす

社労士の知識は、労務の手続きだけでなく、周辺の在宅の仕事にも広げられます。

労務管理のクラウドサービスやAIの活用が進むにつれて、企業が新しい仕組みを導入するときの支援の需要が増えています。制度の知識を持ったうえで業務の効率化を手伝う仕事は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で全体像をつかめます。労務のシステムを作る側に興味があるなら、アプリケーション開発のお仕事や、仕組みを作る仕事の報酬水準を示したソフトウェア作成者の年収・単価相場も参考になります。

顧問先への案内文や、就業規則の解説資料など、労務の分野は正確な文書を書く場面がとても多い仕事です。文書の基礎を体系立てて確かめたいなら、ビジネス文書検定が学ぶ目安になります。資格の知識に、文書の力やシステムの理解を組み合わせることで、在宅で受けられる仕事の幅は確実に広がります。

よくある質問

Q. 社労士試験に合格しただけで、在宅で手続き代行の仕事を受けられますか?

受けられません。社会保険労務士法第27条により、社労士でない人が他人の依頼で報酬を得て、労働保険や社会保険の申請書類の作成や提出代行、法令で備える帳簿の作成を業として行うことは禁じられています。登録前の合格者は、社労士事務所の補助スタッフや企業の人事労務担当として、雇用されて実務を積むのが基本です。

Q. 実務経験がなくても社労士として登録できますか?

登録には、試験合格に加えて労働社会保険の法令に関する実務経験が通算2年以上必要です。2年に満たない場合は、全国社会保険労務士会連合会が実施する事務指定講習を修了すれば、同等以上の経験があるものと認められます。講習は通信指導課程とeラーニングの組み合わせで、令和8年度の申込期間は11月4日から11月25日までと案内されています。

Q. 未経験でも応募しやすい在宅の求人はどんなものですか?

社労士事務所の補助・事務スタッフ、企業の人事労務担当、労務関連のクラウドサービスを提供する会社の導入支援や問い合わせ対応などです。未経験の場合は、最初は出社して仕事を覚え、試用期間後や慣れてから在宅の日を増やす形が多く見られます。応募前に在宅の頻度と開始時期、出社が必要な場面を確かめておきます。

Q. 社労士の登録にはどのくらい費用がかかりますか?

全国社会保険労務士会連合会の案内では、登録免許税30,000円と登録の手数料30,000円がかかります。これとは別に、入会する都道府県の社会保険労務士会の入会金と年会費が必要で、金額は都道府県ごとに違います。開業、勤務、その他のどの会員種別で登録するかによって入会先も変わるので、事前に所属予定の社労士会に確かめてください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年9月19日最終更新:2026年10月3日
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